(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
[圧力式炊飯器20の構成]
まず、本発明の第一実施形態に係る圧力式炊飯器20について、
図1及び
図2を用いて説明する。
図1は、圧力式炊飯器20の構成を示す断面図である。
図2は、圧力式炊飯器20の各基板における接続状態を示したブロック構成図である。
【0017】
圧力式炊飯器20は、上側に開口部を有する炊飯器本体21、及び、炊飯器本体21の上部で前記開口部を開閉可能に連結される蓋体40からなる。炊飯器本体21は、鋼板ケースまたは合成樹脂製の外ケース22を有する。そして、金属鍋或いは土鍋等の内鍋23が、外ケース22の内部に着脱自在にセットされて、炊飯器本体21に収容される。また、この内鍋23の外側には内鍋23の形状に沿った保護枠である内ケース24が設けられる。この内ケース24は、例えばポリエチレンテレフタレート等、耐熱性の合成樹脂で形成されており、その底部中央にはサーミスタからなるセンターセンサ138aを臨ませるためのセンサ挿入孔24aが設けられる。
【0018】
内ケース24の上端は、外ケース22の上端と肩部材26を介して一体に結合される。内ケース24の底部外面及び底部から側部にかけての湾曲部外面には、内鍋23を誘導加熱する加熱手段である底部ワークコイル27及び側部ワークコイル28が設けられる。これら底部ワークコイル27及び側部ワークコイル28は、内ケース24の底部及び湾曲部の各位置に、内ケース24の底部中央を中心として同心円状に設けられる。これらの底部ワークコイル27及び側部ワークコイル28への通電により、内鍋23に渦電流を誘起して加熱するのである。
【0019】
これら底部ワークコイル27及び側部ワークコイル28の外側には合成樹脂製のコイル支持台29が設けられており、このコイル支持台29をネジ等で内ケース24に取付けることにより、底部ワークコイル27及び側部ワークコイル28は図示する所定位置に位置決め固定される。
【0020】
前記外ケース22の下端部には、底部材31がビス等で取付けられ、外ケース22と底部材31とで上方に開口を有する容器を形成する。外ケース22の後方の内部における肩部材26の下側には、本実施形態における第一の制御基板である出力制御基板32が設けられる。
【0021】
出力制御基板32は
図2に示す如く、底部ワークコイル27及び側部ワークコイル28やIGBTを備えたIH回路137、IH回路137のIGBTを駆動するIGBT駆動回路142、保温ヒータH1・肩ヒータH2等を駆動制御するヒータ駆動回路133・134、電源電圧整流用のダイオードブリッジおよびCR回路よりなる整流平滑回路135a・135bなどの各種の回路、及び、これらを制御するためのマイコン制御ユニット140を備える。
【0022】
そして、出力制御基板32において、マイコン制御ユニット140から信号を出力して、IH回路137を介して底部ワークコイル27及び側部ワークコイル28への通電を行うことにより、内鍋23に渦電流を誘起して加熱するのである。つまり、出力制御基板32によって、加熱手段である底部ワークコイル27及び側部ワークコイル28による内鍋23の加熱を制御する構成としている。
【0023】
前記の電気部品のなかには発熱するものがあるため、出力制御基板32の近傍には発熱素子等を冷却するための冷却フィン33と、冷却フィン33の熱を放熱するための冷却ファン34が設けられる。なお、出力制御基板32の後方側にはコード巻取器35が設けられる。
【0024】
蓋体40は、外周面を形成する樹脂製の蓋上部材41と、蓋下部材42を有する。蓋下部材42は、蓋上部材41と同様に樹脂製の部材であり、その後方部には、ヒンジ軸58及びヒンジばね59が配置される。ヒンジ軸58にはコイル状のヒンジばね59が装着されるとともに、ヒンジばね59の一端部は蓋体40に係止され、他端部は肩部材26に係止されており、蓋体40に常時開方向のばね力を付与している。
【0025】
なお、蓋下部材42の中央且つ後方よりには図示しない蒸気排出筒が設けられている。そして、内鍋23内の蒸気はこの蒸気排出筒より蓋上部材41に設けられる蒸気通路を経て、蓋上部材41の上面に設けられる蒸気口より外部に放出される。蒸気通路を介して放出される蒸気は、蒸気センサ138c(
図2を参照)によりその温度が検知される。また、蓋上部材41の前方側には、押圧部材50を押圧することによって蓋体40を開閉可能とする図示しないロック機構が配設されている。
【0026】
該炊飯器の上記炊飯/調理/保温の各機能に対するタイマー予約や炊飯および保温メニュー、加熱調理メニューの選択、それら各メニューに対応した加熱量、加熱パターン、保温温度、保温時間などの選択設定操作は、当該炊飯器本体の操作パネル部51に設けられた各種入力スイッチ群(操作キー群)122a〜122gを介してユーザーにより行われ、その選択設定内容に応じて最終的に底部ワークコイル27、側部ワークコイル28、及び、保温ヒータH1、肩ヒータH2等が適切に制御されるようになっている(
図2を参照)。
【0027】
また、上記操作パネル部51の中央部には、炊飯、調理(例えばパン発酵/焼きなど)、保温の各メニュー、設定された保温温度、設定保温時間、保温経過時間、現在時刻、タイマー炊飯予約時刻、炊飯完了,調理完了までの残時間、その他の各種必要事項を表示する液晶表示部121が設けられている。また、操作パネル部51の内側部分(裏側空間部分)には、本実施形態における第二の制御基板である操作基板52が操作パネル部51に略平行な形で設置されている。
【0028】
[圧力調整手段]
蓋体40は、蓋体40で炊飯器本体21を閉塞した際に形成される内部空間において、炊飯時における内鍋23の内部の気圧を調整する圧力調整手段を備える。具体的には、圧力調整手段は第1圧力調整装置及び第2圧力調整装置からなる。
【0029】
蓋下部材42の上側中央部には、下方が開口し、上方に突き出た平面視矩形状の弁カバー60が設けられる。この弁カバー60の前方側に、第1圧力調整装置の一部品である第1ソレノイド68及び第2圧力調整装置の一部品である第2ソレノイド75が水平且つ前後方向に配置される。つまり、第1ソレノイド68と第2ソレノイド75は左右方向(
図1における紙面前後方向)に近接し、且つ平行に配置される。
【0030】
第1圧力調整装置は、第1ソレノイド68、第1プランジャ69、及び第1球状弁99等を有し、加圧炊飯が選択されない第1ソレノイド68の非作動(オフ)時には、第1プランジャ69は後方に押し出され、第1球状弁99を押して第1通気孔97を開放する。
【0031】
そして、加圧炊飯が選択される第1ソレノイド68の作動(オン)時には、第1プランジャ69は前方に引き込まれて第1球状弁99から離れるため、第1球状弁99は自重で第1通気孔97の直上に移動して第1通気孔97を閉塞する。
【0032】
その結果、第1球状弁99の自重に相当する圧力での炊飯が行われ、内鍋23内がそれ以上の圧力になると余分な蒸気は第1球状弁99を押し上げて第1通気孔97より排出される。なお、本実施形態における重い重量の第1球状弁99の開放圧は、1.25気圧に設定されており、蒸気圧がその圧力になると持ち上げられ、第1通気孔97を開放する。
【0033】
第2圧力調整装置は、第2ソレノイド75、第2プランジャ76、及び第2球状弁102、図示しない回動部材、及び、弁押圧突起等を有し、加圧炊飯が選択されない第2ソレノイド75の非作動(オフ)時には、第2プランジャ76は後方に押し出され、回動部材が回動され、弁押圧突起が第2球状弁102の上方に離間する。
【0034】
その結果、第2通気孔100は第2球状弁102の自重で閉鎖される。なお、本実施形態における軽い重量の第2球状弁102の開放圧は、1.05気圧に設定されており、蒸気圧がその圧力になると持ち上げられ、第2通気孔100を開放する。
【0035】
そして、加圧炊飯が選択されると第2ソレノイド75は作動(オン)され、第2プランジャ76が前方に引き込まれ、回動部材が回動され、弁押圧突起が第2球状弁102を上方から押圧する。
【0036】
その結果、第2通気孔100は第2球状弁102の自重及び上方からの押圧力で閉塞される。なお、本実施形態における押圧される第2球状弁102の開放圧は、1.25気圧より大きく設定されており、蒸気圧がその圧力になると第1球状弁99が持ち上げられ、第1通気孔97を開放する。
【0037】
このように構成された圧力調整手段(第1圧力調整装置及び第2圧力調整装置)において、炊飯時に内鍋23の内部の気圧を大気圧に調整する場合(圧力制御を停止する場合)は、第1ソレノイド68の作動を停止して第1プランジャ69によって第1球状弁99を押して、第1通気孔97を開放する。この際、第2ソレノイド75の作動も停止しており、第2通気孔100は第2球状弁102の自重で閉鎖されている。
【0038】
次に、圧力調整手段を作動させて、炊飯時に内鍋23の内部の気圧を例えば1.05気圧に調整する場合は、第1ソレノイド68を作動させて第1プランジャ69を第1球状弁99から離間させ、第1球状弁99の自重で第1通気孔97を閉塞する。この際、第2ソレノイド75の作動は依然として停止しており、第2通気孔100は第2球状弁102の自重で閉鎖されている。蒸気圧が1.05気圧以上になると第2球状弁102が持ち上げられて第2通気孔100を開放するため、内鍋23の内部は1.05気圧に調整されるのである。
【0039】
さらに、炊飯時に内鍋23の内部の気圧を例えば1.25気圧に調整する場合は、第1ソレノイド68を作動させて第1球状弁99の自重で第1通気孔97を閉塞した状態で、第2ソレノイド75を作動させて弁押圧突起で第2球状弁102を上方から押圧する。押圧される第2球状弁102の開放圧は、上述した如く1.25気圧より大きく設定されている。つまり、蒸気圧が1.25気圧以上になると第1球状弁99が持ち上げられ、第1通気孔97を開放するため、内鍋23の内部は1.25気圧に調整されるのである。
【0040】
[圧力式炊飯器20における制御]
次に、圧力式炊飯器20における各基板の接続状態及び各機能の制御について、
図2を用いて説明する。
出力制御基板32側には、底部ワークコイル27及び側部ワークコイル28および保温ヒータH1、肩ヒータH2等の出力を制御する出力制御用の主となるマイコン制御ユニット140を中心として、AC電源130側からの電源回路部にノイズフィルタ回路132、整流平滑回路135a・135b、底部ワークコイル27及び側部ワークコイル28、IGBT、チョークコイル、共振回路よりなるIH回路137、DC20V電源136、センターセンサ138a、蓋センサ138b、蒸気センサ138c、入力電圧検出回路139、マイコン電源回路141、IGBT駆動回路142、入力電流検出回路143、電源電圧のゼロクロス検出回路144、リセット回路148、保温ヒータ駆動回路133、肩ヒータ駆動回路134、冷却ファン34のファンモータFM駆動回路126、メインクロック信号発生回路145、EEPROM146等がそれぞれ設けられており、それらが各々図示のようにマイコン制御ユニット140に対して接続されている。マイコン制御ユニット140は、図示のように本体側制御パラメータをメモリするためのメモリ手段としてのデータフラッシュ領域140aやその他の必要なデータをメモリするためのRAMを備えて構成されている。
【0041】
上記の如く構成された出力制御基板32において、マイコン制御ユニット140には、センターセンサ138a等によって検出された検出結果、即ち内鍋10の温度等、各種の信号が入力される。
【0042】
また、マイコン制御ユニット140からは、圧力式炊飯器20における加熱手段等、各機能を制御するための各種の信号(コマンド)が出力される。例えば、マイコン制御ユニット140から出力された信号によって、底部ワークコイル27及び側部ワークコイル28がIH回路137を介して駆動される。IH回路137は、IGBTのようなスイッチング素子や、ダイオードや、共振用コンデンサ等を用いて構成され、底部ワークコイル27及び側部ワークコイル28に所定の高周波電流を供給するように構成される。このように、出力制御基板32によって、加熱手段である底部ワークコイル27及び側部ワークコイル28による内鍋23の加熱を制御するのである。また、マイコン制御ユニット140から出力された信号によって、保温ヒータH1、肩ヒータH2が、保温ヒータ駆動回路133、肩ヒータ駆動回路134を介して駆動される。
【0043】
次に操作基板52側には、圧力式炊飯器20の機種毎に異なる固有の制御データを備えるマイコン制御ユニット150を中心として、液晶表示部121、炊飯スイッチ122a、保温スイッチ122b、タイマー予約スイッチ122c、取消スイッチ122d、予約時刻設定スイッチ122e・122f、白米又は玄米もしくは雑穀米、早炊き、おかゆ、すしめし、炊き込み等の炊き分け、通常モード又は省エネモード等のメニュー選択スイッチ122gなど、各機種に応じて決まる各種の炊飯又は保温機能の選択設定を行うスイッチ、炊飯、予約、保温等の表示用LED123a〜123c、報知ブザー151、リセット回路152、EEPROM153、メインクロック信号発生回路154、サブクロック信号発生回路155、室温センサ138d、等が設けられ、それぞれマイコン制御ユニット150と接続されている。マイコン制御ユニット150は、操作基板52の検査段階において入力された炊飯器本体制御パラメータが圧力式炊飯器20内で組み付けられている。そして、マイコン制御ユニット150は上述した出力制御基板32側のマイコン制御ユニット140と接続されている。また、マイコン制御ユニット150は、マイコン制御ユニット140側に信号を転送入力するまでメモリしておくためのメモリ手段としてのデータフラッシュ領域150aや、その他の必要なデータをメモリするためのRAMを備えて構成されている。
【0044】
そして、上記出力制御基板32側のマイコン制御ユニット140と操作基板52側のマイコン制御ユニット150は、それぞれ必要な電源配線および信号配線を備えたマイコン通信回路149を介して、所定のコマンド信号に応じ、相互に双方向通信可能に接続されている。
【0045】
さらに、本実施形態に係る圧力式炊飯器20においては、AC電源130側からの電源回路部に、第1圧力調整装置の第1ソレノイド68及び第2圧力調整装置の第2ソレノイド75がそれぞれ設けられている。そして、これらの第1・第2ソレノイド68・75をそれぞれ駆動させる、第1ソレノイド駆動回路168及び第2ソレノイド駆動回路175が接続されている。第1ソレノイド駆動回路168及び第2ソレノイド駆動回路175は
図2に示す如く、マイコン制御ユニット150と接続されている。
【0046】
上記の如く構成された操作基板52において、マイコン制御ユニット150には、操作パネル部51の各種のスイッチ122a〜122gの操作による操作信号等、各種の信号が入力される。
【0047】
また、マイコン制御ユニット150からは、圧力式炊飯器20における液晶表示部121及び圧力調整手段等、各機能を制御するための各種の信号(コマンド)が出力される。例えば、マイコン制御ユニット150から出力された信号によって、操作パネル部51の液晶表示部121の表示内容が設定される。また、マイコン制御ユニット150から出力された信号によって、第1・第2ソレノイド68・75が、それぞれ第1・第2ソレノイド駆動回路168・175を介して駆動される。これにより、第1球状弁99による第1通気孔97の閉塞・開放、及び、第2球状弁102による第2通気孔100の閉塞・開放を行うのである。このように、操作基板52によって、圧力調整手段である第1圧力調整装置及び第2圧力調整装置による、炊飯時における内鍋23の内部の圧力を制御するのである。
【0048】
このように、圧力式炊飯器20は、出力制御基板32と操作基板52とを備え、出力制御基板32によって加熱手段である底部ワークコイル27及び側部ワークコイル28による内鍋23の加熱を制御するとともに、操作基板52によって圧力調整手段である第1圧力調整装置及び第2圧力調整装置による内鍋23の内部の圧力を制御するのである。
【0049】
これにより、第一の制御基板である出力制御基板32と第二の制御基板である操作基板52との間で通信不備が発生した場合に、操作基板52における制御により、内鍋23の内部の高圧状態を解除することが可能となる。具体的には、マイコン通信回路149においてマイコン制御ユニット140とマイコン制御ユニット150との通信に不備がある場合には、操作基板52におけるマイコン制御ユニット150から信号を出力して、第1・第2ソレノイド駆動回路168・175を介して第1・第2ソレノイド68・75を駆動する。これにより、第1球状弁99による第1通気孔97の開放を行うとともに、第2球状弁102による第2通気孔100の開放を行う。つまり、出力制御基板32と操作基板52との間で通信不備が発生した場合に、圧力式炊飯器20の内部の圧力を下げられずに蓋体40の開放や炊飯の終了ができなくなることを防止できるのである。
【0050】
また、第一の制御基板である出力制御基板32と第二の制御基板である操作基板52とのうち、一方の制御基板において制御不備が発生した場合でも、他方の制御基板において加熱制御又は圧力調整制御を行うことができる。
【0051】
例えば、出力制御基板32における加熱制御に不備が発生した場合には、操作基板52におけるマイコン制御ユニット150から信号を出力して、第1・第2ソレノイド駆動回路168・175を介して第1・第2ソレノイド68・75を駆動する。これにより、第1球状弁99による第1通気孔97の開放を行うとともに、第2球状弁102による第2通気孔100の開放を行うのである。これにより、炊飯時において蓋体40で炊飯器本体21を閉塞した際に形成される内部空間の圧力を開放するのである。
【0052】
[圧力式炊飯器20における制御例]
以下、
図3及び
図4を用いて、操作基板52における圧力制御に不備が発生した場合の、出力制御基板32及び操作基板52における加熱及び圧力調整の制御方法について説明する。
【0053】
図3(a1)中の低圧異常1(太破線)及び低圧異常2(一点鎖線)に示す如く、本来の正常動作(細破線)と比較して低く圧力制御が行われた場合は、蒸気センサ138cで検知する蒸気の温度は、
図3(a2)中の低圧異常1(太破線)及び低圧異常2(一点鎖線)に示す如く、本来の正常動作(細破線)と比較して低くなる。
【0054】
このように蒸気センサ138cで検知する蒸気の温度が低く、圧力制御において低圧異常が発生していると判断した場合は、
図4に示す如く、圧力調整手段による圧力制御を停止するとともに、操作パネル部51の液晶表示部121に「圧力エラー」を表示した状態で、加熱手段である底部ワークコイル27及び側部ワークコイル28による内鍋23の加熱(炊飯)を継続するのである。
【0055】
一方、
図3(b1)中の高圧異常1(太破線)及び高圧異常2(一点鎖線)に示す如く、本来の正常動作(細破線)と比較して高く圧力制御が行われた場合は、蒸気センサ138cで検知する蒸気の温度は、
図3(b2)中の高圧異常1(太破線)及び高圧異常2(一点鎖線)に示す如く、本来の正常動作(細破線)と比較して高くなる。
【0056】
このように蒸気センサ138cで検知する蒸気の温度が高く、圧力制御において高圧異常が発生していると判断した場合は、
図4に示す如く、圧力調整手段による圧力制御を停止するとともに、操作パネル部51の液晶表示部121に「圧力エラー」を表示し、加熱手段である底部ワークコイル27及び側部ワークコイル28による内鍋23の加熱(炊飯)を停止するのである。
【0057】
なお、蒸気センサ138cで検知する蒸気の温度が正常であり、圧力制御において異常が発生していないと判断した場合は、
図4に示す如く、圧力調整手段による圧力制御及び加熱手段である底部ワークコイル27及び側部ワークコイル28による内鍋23の加熱(炊飯)を継続する。
【0058】
このように、本実施形態に係る圧力式炊飯器20によれば、操作基板52における圧力制御に不備が発生した場合に、低圧異常か高圧異常かによって、出力制御基板32及び操作基板52における制御を変えるように構成されている。この際、操作基板52において圧力制御に不備が発生して高圧となった場合でも、出力制御基板32において加熱制御して、加熱を停止させる構成としているのである。
【0059】
また、本実施形態に係る圧力式炊飯器20によれば、圧力調整手段の制御と、操作パネル部51の液晶表示部121における表示の制御とを、同じ操作基板52で行う構成としている。このため、出力制御基板32と操作基板52との間で通信不備が発生した場合であっても、液晶表示部121における「圧力」の表示(圧力制御中であることの表示)を実際の圧力制御の状態と一致させることができる。即ち、圧力制御中であるにも関わらず、出力制御基板32と操作基板52との間で通信不備が発生することで液晶表示部121に「圧力」の表示がなされないような事態を防ぐことが可能となる。
【0060】
また、本実施形態に係る圧力式炊飯器20によれば、圧力調整手段の制御を出力制御基板32では行わずに、操作基板52で行う構成としているため、出力制御基板32は圧力式と非圧力式との両方の炊飯器に適用することができる。なお、操作基板52についても、マイコン制御ユニット150に記憶させるシーケンス制御のプログラムを変更することにより、圧力式と非圧力式との両方の炊飯器に適用することが可能となる。
【0061】
加えて、圧力調整手段の制御を操作基板52で行う構成としているため、マイコン制御ユニット140とマイコン制御ユニット150との間でマイコン通信回路149を介した通信を行う必要がなく、操作パネル部51に入力してから圧力制御がなされるまでの反応速度を上げることができる。
【0062】
次に、
図5及び
図6を用いて、むらし工程においてセンターセンサによる検知温度に異常が発生した場合の、出力制御基板32及び操作基板52における加熱及び圧力調整の制御方法について説明する。
【0063】
図5及び
図6に示す如く、むらし工程において正常に制御している場合は、加熱制御をON(加熱手段である底部ワークコイル27及び側部ワークコイル28による内鍋23の加熱を継続)し、圧力制御を1.25気圧でON(第1ソレノイド68及び第2ソレノイド75を作動)させる(正常制御)。
【0064】
そして、センターセンサ138aにおいて検知温度が第一の異常値(異常1・
図6における点P1)となった場合には、加熱制御を継続し、圧力制御を1.05気圧に調整(第1ソレノイド68を作動、第2ソレノイド75を停止)する(異常1制御)。センターセンサ138aにおいて検知温度が第一の異常値とならなかった場合には、正常制御を継続する。
【0065】
さらに、センターセンサ138aにおいて検知温度が第一の異常値よりも高い第二の異常値(異常2・
図6における点P2)となった場合には、加熱制御を継続し、圧力制御をOFFして大気圧に調整(第1ソレノイド68及び第2ソレノイド75を停止)する(異常2制御)。センターセンサ138aにおいて検知温度が第二の異常値とならなかった場合には、異常1制御を継続する。
【0066】
さらに、センターセンサ138aにおいて検知温度が第二の異常値よりも高い第三の異常値(異常3・
図6における点P3)となった場合には、加熱制御及び圧力制御の両方をOFFする(異常3制御)。センターセンサ138aにおいて検知温度が第三の異常値とならなかった場合には、異常2制御を継続する。
そして、操作パネル部51の液晶表示部121に「圧力エラー」を表示し、マイコン制御ユニット140とマイコン制御ユニット150との通信を継続して待機する状態に移行するのである。
【0067】
このように、本実施形態に係る圧力式炊飯器20によれば、出力制御基板32における加熱制御に不備が発生した場合でも、操作基板52において圧力調整制御して、内鍋23の内部の圧力を開放する構成としているのである。これにより、圧力式炊飯器20の内部の圧力を下げられずに蓋体40の開放や炊飯の終了ができなくなることを防止しているのである。
【0068】
次に、
図7を用いて、炊飯工程において蒸気センサ138cによる検知温度に異常が発生した場合の、出力制御基板32及び操作基板52における加熱及び圧力調整の制御方法について説明する。
【0069】
図7(a)中に示す如く、蒸気センサ138cにおける本来の正常動作(実線)を基準温度として、この基準温度から所定温度だけ乖離した場合(図中の網掛け部分に該当した場合)は、蒸気センサ138cによる検知温度が基準外温度であり、蒸気センサ138cが異常動作をしていると判断する。
【0070】
このように蒸気センサ138cによる検知温度が基準外温度であり、蒸気センサ138cが異常動作をしていると判断した場合は、
図7(b)に示す如く、圧力調整手段による圧力制御を停止するとともに、操作パネル部51の液晶表示部121に「圧力エラー」を表示した状態で、加熱手段である底部ワークコイル27及び側部ワークコイル28による内鍋23の加熱(炊飯)を継続するのである。
【0071】
一方、蒸気センサ138cによる検知温度が基準温度から所定温度だけ乖離していない場合(図中の白色部分に該当した場合)は、蒸気センサ138cによる検知温度が基準内温度であり、蒸気センサ138cが異常動作をしていないと判断する。この場合は、
図7(b)に示す如く、圧力調整手段による圧力制御及び加熱手段である底部ワークコイル27及び側部ワークコイル28による内鍋23の加熱(炊飯)を継続するのである。
【0072】
このように、本実施形態に係る圧力式炊飯器20によれば、出力制御基板32における加熱制御に不備が発生した場合でも、操作基板52において圧力調整制御して、内鍋23の内部の圧力を開放する構成としているのである。これにより、圧力式炊飯器20の内部の圧力を下げられずに蓋体40の開放や炊飯の終了ができなくなることを防止しているのである。
【0073】
次に、
図8を用いて、例えば第1ソレノイド68及び第2ソレノイド75の近傍に配置される室温センサ138dにおいて、これらのソレノイド68・75が異常に発熱して室温センサ138dによる温度異常検知時に異常が発生した場合の、出力制御基板32及び操作基板52における加熱及び圧力調整の制御方法について説明する。
【0074】
図8(a)中に示す如く、室温センサ138dにおける本来の正常動作(実線)である温度に対して、室温センサ138dにおける検知温度が所定の異常温度に達した場合(第1ソレノイド68又は第2ソレノイド75が異常に発熱した場合)は、
図8(b)に示す如く、圧力調整手段による圧力制御を停止するとともに、操作パネル部51の液晶表示部121に「圧力エラー」を表示した状態で、加熱手段である底部ワークコイル27及び側部ワークコイル28による内鍋23の加熱(炊飯)を継続するのである。
【0075】
一方、室温センサ138dにおける検知温度が所定の異常温度に達していない場合は、
図8(b)に示す如く、圧力調整手段による圧力制御及び加熱手段である底部ワークコイル27及び側部ワークコイル28による内鍋23の加熱(炊飯)を継続するのである。
【0076】
このように、本実施形態に係る圧力式炊飯器20によれば、出力制御基板32における加熱制御に不備が発生した場合でも、操作基板52において圧力調整制御して、内鍋23の内部の圧力を開放する構成としているのである。これにより、圧力式炊飯器20の内部の圧力を下げられずに蓋体40の開放や炊飯の終了ができなくなることを防止しているのである。
【0077】
なお、本実施形態によれば、出力制御基板32によって加熱手段による内鍋23の加熱を制御するとともに、操作基板52によって圧力調整手段による内鍋23の内部の圧力を制御する構成としているが、逆の構成とすることも可能である。つまり、操作基板52におけるマイコン制御ユニット150から出力された信号によって、IH回路137を介して底部ワークコイル27及び側部ワークコイル28を駆動し、出力制御基板32におけるマイコン制御ユニット140から出力された信号によって、第1・第2ソレノイド駆動回路168・175を介して第1・第2ソレノイド68・75を駆動する構成とすることもできる。
【0078】
なお、出力制御基板32の周辺には、
図1に示す如く側部ワークコイル28が配置されており、また図示しないチョークコイル等も配置されている。また、圧力制御を行う制御基板は、これらの側部ワークコイル28及びチョークコイルからのノイズの影響を受けにくくすることが好ましい。以上の観点によれば、本実施形態の如く、側部ワークコイル28及びチョークコイルから離れた位置に配置される操作基板52によって、圧力調整手段による内鍋23の内部の圧力を制御する構成とすることが好適である。