(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、モータや制御装置の製造誤差により突起部や挿入凹部の位置は、製造される個体毎に僅かにばらつくことがある。そこで、突起部と挿入凹部との位置合わせを容易にするために、上記組立装置において、可動器具がモータ及び制御装置の他方を水平方向に移動可能(揺動可能)に保持するように構成することが考えられる。しかし、モータ及び制御装置の他方が水平方向にも移動可能になると、可動器具を下降させるときにその保持状態が不安定になり易くなるため、可動器具を鉛直方向に素早く移動させることが困難になり、作業効率の低下を招く虞があった。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、可動器具を素早く移動させることができるとともに、モータと制御装置とを容易に組み付けることのできるアクチュエータユニットの組立装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、モータと、前記モータの作動を制御する制御装置とを一体化してなるアクチュエータユニットの組立装置において、前記モータ及び前記制御装置のいずれか一方を固定可能な固定器具と、前記モータ及び前記制御装置の他方を保持するとともに前記固定器具に対して鉛直方向に移動可能な可動器具と、を備え、前記可動器具は、前記固定器具に対して鉛直方向に移動可能に設けられた本体部、前記本体部に対して水平方向に移動可能に支持された揺動部、及び前記揺動部に固定されて前記他方を保持する保持部を有するものであって、鉛直方向に延びるとともに小径部及び大径部を有するシャフト、及び前記シャフトが挿通される挿通孔が形成されたガイドを有するガイド機構を備え、前記ガイド機構は、前記固定器具と前記可動器具との鉛直方向の間隔が所定間隔以上であるときに前記大径部が前記挿通孔に嵌合することで前記揺動部の水平方向への移動を規制する一方、前記固定器具と前記可動器具との間隔が所定間隔未満であるときに前記大径部が前記挿通孔から離脱することで前記揺動部の水平方向への移動を許容するように構成されたことを要旨とする。
【0008】
上記構成によれば、固定器具と可動器具との間隔が所定間隔以上であり、シャフトの大径部が挿通孔内に嵌合(係合)した状態では、揺動部の水平方向への移動が規制されるため、モータ及び制御装置の他方が不安定になることを抑制しつつ、可動器具を素早く下降させることができる。そして、固定器具と可動器具との間隔が所定間隔未満であり、大径部が挿通孔から離脱した状態では、揺動部の水平方向への移動が許容されるため、容易にモータと制御装置とを組み付けることができるようになる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のアクチュエータユニットの組立装置において、前記本体部の前記揺動部と水平方向において対向する位置には、前記揺動部との間の隙間を変更可能な調整部材が設けられたことを要旨とする。
【0010】
上記構成によれば、揺動部が調整部材に当接することにより、大径部が挿通孔から離脱した状態での該揺動部の水平方向への移動が制限される。したがって、調整部材と揺動部との間の隙間を変更することで、例えばモータの突起部の公差範囲等に応じて、容易に揺動部の水平方向への移動可能範囲を調整することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のアクチュエータユニットの組立装置において、前記シャフトは、前記本体部に対して鉛直方向に移動可能に支持され、前記挿通孔は、前記揺動部に形成されたものであって、前記可動器具は、前記固定器具に対して鉛直方向に移動可能に設けられるとともに前記本体部を水平方向の軸線周りに回動可能に支持する支持台を備えたことを要旨とする。
【0012】
上記構成によれば、本体部を回動させることで、保持部を水平方向に向けることができるため、容易にモータ及び制御装置の他方を保持部に保持させることができるようになる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のアクチュエータユニットの組立装置において、前記可動器具は、前記本体部の回動動作に制動力を加えるダンパを備えたことを要旨とする。
【0014】
上記構成によれば、本体部がゆっくりと回動するようになるため、本体部の回動が停止する際に該本体部等に衝撃が加わることを抑制できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、可動器具を素早く移動させることができるとともに、モータと制御装置とを容易に組み付けることのできるアクチュエータユニットの組立装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明をモータに制御装置を一体的に組み付けてなるアクチュエータユニットを製造するための組立装置に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
先ず、
図1に示すアクチュエータユニット1について説明する。なお、アクチュエータユニット1は、例えばステアリング操作を補助する電動パワーステアリング装置の駆動源として用いられる。同図に示すように、アクチュエータユニット1のモータ2には、駆動電力の供給を通じてモータ2の作動を制御する制御装置3が一体的に設けられている。モータ2は、筒状のモータハウジング11と、モータハウジング11内に収容されたステータ12と、ステータ12の径方向内側に回転可能に支持されたロータ13とを備えたブラシレスモータとして構成されている。そして、ステータ12のコイルに電気的に接続された各相のバスバー14は、モータハウジング11の軸方向一端側(制御装置3側、
図1における上側)に突出している。また、モータ2は、ロータ13の回転角を検出するレゾルバ等の回転角センサ15を備えており、この回転角センサ15に電気的に接続されたセンサ信号ピン16は、モータハウジング11の軸方向一端側に突出している。
【0018】
制御装置(ECU)3は、モータハウジング11の軸方向一端側に固定されたECUケース21と、ECUケース21内に収容された制御基板22a、パワー基板22bとを備えている。なお、制御基板22aには、制御信号を出力する制御回路が構成され、パワー基板22bには、制御回路から出力される制御信号に基づいてモータ2に駆動電力を供給する駆動回路が構成されている。ECUケース21には、各バスバー14が挿入されるバスバー挿入孔23が形成されるとともに、センサ信号ピン16が挿入されるセンサ信号ピン挿入孔24が形成されている。そして、各バスバー14は、バスバー挿入孔23を介してECUケース21内に挿入されてパワー基板22bに電気的に接続され、センサ信号ピン16は、センサ信号ピン挿入孔24を介してECUケース21内に挿入されて制御基板22aに接続されている。つまり、本実施形態では、バスバー14及びセンサ信号ピン16が突起部に相当し、バスバー挿入孔23及びセンサ信号ピン挿入孔24が挿入凹部に相当する。
【0019】
このように構成されたアクチュエータユニット1では、回転角センサ15により検出される回転角に応じた三相の駆動電力が制御装置3からステータ12に供給されることによりモータ2が駆動するようになっている。
【0020】
次に、アクチュエータユニットの組立装置について説明する。
図2に示すように、組立装置31は、床面に据え付けられるベース32と、ベース32上に固定された固定器具33と、固定器具33の上方(鉛直方向上側)に配置されるとともにベース32に対して鉛直方向に移動可能な可動器具34とを備えている。本実施形態では、固定器具33にはモータ2が保持され、可動器具34には制御装置3が保持される。そして、モータ2と制御装置3とは、バスバー14及びセンサ信号ピン16がバスバー挿入孔23及びセンサ信号ピン挿入孔24に対してそれぞれ挿入されるように可動器具34を下方(鉛直方向下側)に移動させることで組み付けるようになっている。
【0021】
詳述すると、ベース32の略中央には、鉛直方向に延びる支柱41が立設されており、この支柱41には、鉛直方向に延びるレール部42が形成されている。また、支柱41の上端には、鉛直方向と直交する水平方向のうち前後方向(
図2における左右方向)に突出した棹部43が形成されている。なお、
図2における左側をこの組立装置31の前方、右側を後方とする。棹部43の両端には、プーリ44a,44bがそれぞれ回転可能に設けられている。そして、プーリ44a,44bには、ワイヤ45が巻き掛けられており、前方に配置されたプーリ44aから垂下されたワイヤ45の一端には可動器具34が連結され、後方に配置されたプーリ44bから垂下されたワイヤ45の他端にはバランスウェイト46が連結されている。なお、バランスウェイト46は、可動器具34と略同じ重量に設定されている。これにより、可動器具34に作用する重力が相殺され、作業者が容易に可動器具34を鉛直方向に移動させることができるようになっている。
【0022】
固定器具33は、ベース32上における支柱41の前方に載置固定されている。そして、固定器具33の上端部には、保持部48が設けられており、この保持部48によってモータ2が所定位置で保持され、ベース32に対して固定されるようになっている。
【0023】
可動器具34は、平板状に形成された支持台51を備えている。この支持台51は、平板面を前後方向に向けた姿勢でワイヤ45の一端に連結されている。つまり、支持台51は、ベース32に対して鉛直方向に移動可能に設けられている。支持台51には、支柱41のレール部42と係合する係合部52が設けられており、支持台51の鉛直方向に沿った移動が案内されるようになっている。また、可動器具34は、支持台51と一体で鉛直方向に移動可能に設けられた本体部53と、本体部53に対して前後方向及び左右方向(組立装置31を前方から見た左右方向、
図2における紙面直交方向)に移動可能に支持された揺動部54と、揺動部54に固定された保持部55とを備えている。
【0024】
さらに詳述すると、
図3に示すように、本体部53は、平板状の上壁61及び下壁62と、これら上壁61と下壁62とを連結する側壁63とを有して略箱状をなし、上壁61の上面に固定された連結枠64を介して支持台51に連結されている。上壁61及び下壁62は、水平方向に沿った姿勢でそれぞれ設けられている。そして、上壁61及び下壁62には、鉛直方向に貫通した開口61a,62aがそれぞれ形成されている。
【0025】
揺動部54は、上壁61と下壁62との間に配置された平板状の上板65と、下壁62の下方に配置された平板状の下板66と、下壁62の開口62a内に配置されて上板65と下板66とを連結する連結部67とを備えている。上板65及び下板66は、水平方向に沿った姿勢でそれぞれ設けられている。また、上板65には、上壁61の開口61aを介して上方に突出する操作レバー68が立設されている。そして、揺動部54は、その上板65が上壁61の下面及び下壁62の上面にそれぞれ設けられた複数の支持部69によって水平方向(上壁61及び下壁62と平行な方向)に移動可能に支持されている。支持部69は、転動可能なボール70を有しており、このボール70によって上板65を支持している。これにより、揺動部54は、固定器具33に保持されたモータ2と可動器具34に保持された制御装置3とが鉛直方向において対向した状態で、ボール70が転動することにより水平方向に移動するようになっている。
【0026】
保持部55は、下板66に回動可能に設けられた複数のクランプ爪71を有しており、図示しない操作手段で各クランプ爪71を回動させることにより制御装置3の保持又はその解除を行うようになっている。したがって、作業者は、操作レバー68を把持して揺動部54を水平方向に移動させることにより、保持部55に保持された制御装置3を水平方向に移動(揺動)させることが可能となっている。
【0027】
ここで、本実施形態の可動器具34には、固定器具33と可動器具34との鉛直方向の間隔が所定間隔以上であるときに揺動部54の水平方向への移動を規制する一方、固定器具33と可動器具34との間隔が所定間隔未満であるときに揺動部54の水平方向への移動を許容するガイド機構72が設けられている。なお、所定間隔とは、例えばバスバー14又はセンサ信号ピン16の先端が制御装置3のバスバー挿入孔23又はセンサ信号ピン挿入孔24内に挿入され始める間隔よりもやや大きな間隔である。
【0028】
具体的には、本体部53の下壁62には、上壁61よりも組立装置31の後方に延出した延出部81が形成されており、この延出部81には、鉛直方向に貫通した貫通孔82が形成されている。また、揺動部54の下板66には、後方に延出して下壁62の延出部81と対向する延出部83が形成されており、この延出部83には、鉛直方向に貫通した挿通孔84が貫通孔82と同軸上に形成されている。貫通孔82は、その内径が鉛直方向に沿って一定となる円筒状に形成され、挿通孔84は、その内径が上方から下方に向かうにつれて徐々に大きくなるテーパ状に形成されている。なお、貫通孔82の内径は、挿通孔84の上端での内径よりも小さく設定されている。そして、これら貫通孔82及び挿通孔84には、鉛直方向(上壁61及び下壁62と直交する方向)に延びる棒状のシャフト85が挿通されている。つまり、シャフト85は、固定器具33に保持されたモータ2と可動器具34に保持された制御装置3とが鉛直方向において対向した状態で、鉛直方向に延びる棒状に形成されている。また、本実施形態では、延出部83がガイドに相当する。
【0029】
シャフト85は、貫通孔82内に挿入される小径部86、及び小径部86の下方に配置されるとともに小径部86よりも太い大径部87を有している。小径部86及び大径部87は、それぞれ円柱状に形成されている。本実施形態の大径部87の上端部87a、すなわち小径部86との連結部分は、上方から下方に向かって徐々に外径が大きくなるテーパ状に形成されている。また、小径部86の外径は、貫通孔82の内径と略等しく形成されており、大径部87における上端部87aよりも下方部分の外径は、挿通孔84の下端での内径と略等しく形成されている。さらに、大径部87の下端には、後方に突出した凸部89が形成されている。そして、小径部86の上端には、円板状のフランジ90が固定されるとともに、下壁62の延出部81とフランジ90と間にはコイルバネ等の付勢部材91が圧縮状態で配置されている。これにより、シャフト85が上方に付勢され、大径部87の上端部87aが挿通孔84に嵌合(係合)して該挿通孔84の内周全体に接触することで、揺動部54の水平方向への移動が規制されるようになっている。
【0030】
支持台51には、前後方向に貫通した開口51aが形成されるとともに、この開口51a内に挿通されて支持台51の前後方向両側に突出する押圧ロッド93が左右方向の軸線周りに回動可能に設けられている。押圧ロッド93の両端には、左右方向と平行な軸線周りに回動可能なローラ94a,94bがそれぞれ設けられており、前方のローラ94aがシャフト85の凸部89の上面を押圧するよう、図示しない捩りコイルバネ等により付勢されている。また、
図2に示すように、ベース32の支柱41には、固定器具33が下降して可動器具34との間隔が所定間隔となったときに後方のローラ94bが接触する突出部95が形成されている。そして、ローラ94bが係合部52に接触した状態からさらに可動器具34が下降することにより、押圧ロッド93が回動し、前方のローラ94aがシャフト85を下方に押し下げるようになっている。これにより、大径部87の上端部87aが挿通孔84から離脱してこれらの間に隙間が生じ、揺動部54の水平方向への移動が許容されるようになっている。
【0031】
また、
図3及び
図4に示すように、側壁63には、前後方向及び左右方向に貫通した複数のネジ孔101が前後方向又は左右方向において上板65と対向する位置に形成されている。ネジ孔101には、側壁63の外側から調整部材としての調整ネジ102がそれぞれ螺着されている。そして、調整ネジ102を螺進又は螺退させることにより、各調整ネジ102の先端と上板65との間の隙間が変更されるようになっている。なお、本実施形態では、各調整ネジ102と上板65との間の隙間は、固定器具33と可動器具34との間隔が所定間隔未満となったときにシャフト85の小径部86と挿通孔84との間の隙間よりも小さくなるように設定されている。
【0032】
図2及び
図5に示すように、連結枠64は、支持台51に対してヒンジ部104を介して左右方向の軸線周りに回動可能に支持されている。また、支持台51と連結枠64との間には、本体部53の回動動作に制動力を加えるダンパ105が設けられている。なお、本実施形態のダンパ105には、エアダンパが採用されており、支持台51の下端に回動可能に連結されるシリンダ106と、連結枠64に回動可能に連結されてシリンダ106内に往復動可能に挿入されるピストン107とを備えている。そして、ダンパ105は、ピストン107によってシリンダ106内に区画される空間に給排される単位時間当たりの空気量を制限することで、ピストン107の往復動に制動力を加える、すなわち本体部53の回動動作に制動力を加えるようになっている。
【0033】
次に、本実施形態の組立装置によるアクチュエータユニットの製造(作用)について説明する。
作業者は、固定器具33と可動器具34との間隔が所定間隔以上となっている状態で、
図5において二点鎖線で示すように本体部53を回動させることにより保持部55を前方に向け、制御装置3を可動器具34の保持部55に保持させた後、本体部53を回動させて保持部55を下方に向ける。このとき、ダンパ105によって本体部53の回動動作に制動力が作用するため、本体部53はゆっくりと回動する。なお、作業者は、可動器具34に制御装置3を保持させる前又は後にモータ2を固定器具33の保持部55に保持させる。
【0034】
続いて、作業者は可動器具34を下降させ、固定器具33に近接させる。このとき、固定器具33と可動器具34との間隔が所定間隔以上であれば、シャフト85の大径部87(上端部87a)が揺動部54の挿通孔84に嵌合することで揺動部54の水平方向への移動が規制されているため、可動器具34を素早く下降させても、制御装置3の保持状態が不安定になり難い。そして、固定器具33と可動器具34との間隔が所定間隔未満になると、
図6に示すように、ローラ94bがベース32の突出部95に接触して押圧ロッド93が回動し、ローラ94aがシャフト85を下方に押し下げることで、大径部87(上端部87a)が挿通孔84から離脱する。これにより、揺動部54の水平方向への移動、すなわち制御装置3の水平方向への移動が許容される。なお、この状態において、揺動部54は本体部53に設けられた調整ネジ102に当接することにより水平方向への移動が規制されるようになっている。そして、作業者は、操作レバー68を操作して制御装置3を水平方向に移動させつつ可動器具34を下降させ、バスバー14及びセンサ信号ピン16をそれぞれバスバー挿入孔23及びセンサ信号ピン挿入孔24に挿入してモータ2に制御装置3を組み付ける。その後、例えばかしめやボルト等によってモータ2に制御装置3を固定することで、アクチュエータユニット1が製造される。
【0035】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)可動器具34にガイド機構72を設けることで、固定器具33と可動器具34との間隔が所定間隔以上であるときに揺動部54の水平方向への移動を規制したため、制御装置3の保持状態が不安定になることを抑制しつつ、可動器具34を素早く下降させることができる。また、固定器具33と可動器具34との間隔が所定間隔未満であるときに揺動部54の水平方向への移動が許容されるため、例えば製造誤差によってバスバー14の位置とバスバー挿入孔23の位置とがずれていても、容易にこれらの位置合わせをしてモータ2と制御装置3とを組み付けることができる。
【0036】
(2)本体部53の側壁63に揺動部54の上板65との間の隙間を変更可能な調整ネジ102を設けることで、シャフト85の大径部87が挿通孔84から離脱した状態での揺動部54の水平方向への移動を制限するようにした。そのため、上板65と調整ネジ102との間の隙間を変更することで、例えばモータ2のバスバー14やセンサ信号ピン16の公差範囲等に応じて、容易に揺動部54の水平方向への移動可能範囲を調整することができる。
【0037】
(3)本体部53を支持台51に対して回動可能に連結したため、本体部53を回動させることで保持部55を前方に向けることができ、容易に制御装置3を保持部55に保持させることができるようになる。
【0038】
(4)可動器具34に本体部53の回動動作に制動力を加えるダンパ105を設けることで、本体部53がゆっくりと回動するようにしたため、本体部53の回動が停止する際に該本体部53等に衝撃が加わることを抑制できる。
【0039】
(5)揺動部54を、転動可能なボール70を介して本体部53に対して水平方向に移動可能に支持したため、揺動部54を円滑に水平方向に移動させることができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
【0040】
・上記実施形態では、シャフト85の小径部86を上方に配置し、大径部87を下方に配置したが、シャフト85の小径部86を下方に配置し、大径部87を上方に配置してもよい。
図7に示す例では、シャフト85は、下壁62の貫通孔82に挿通される大径部111、及び大径部111の下方に配置されるとともに大径部111よりも細い小径部112を有している。なお、大径部111の下端部111aは、下方から上方に向かって徐々に外径が大きくなるテーパ状に形成されている。そして、大径部111の上端には、支持台51の開口51aを介して該支持台51よりも後方に突出した凸部114が形成されている。なお、挿通孔84は、その内径が下方から上方に向かって徐々に大きくなるように形成されている。この構成では、固定器具33と可動器具34との間隔が所定間隔未満となったときに、凸部114がベース32の突出部95に接触することで、シャフト85が揺動部54に対して鉛直方向に相対移動して、大径部111(上端部111a)が挿通孔84から離脱するようになる。
【0041】
・上記実施形態では、独立した部材としてベース32を設けたが、これに限らず、例えば固定器具33や支柱41の一部にベースの機能を持たせてもよい。
・上記実施形態では、本体部53を支持台51に対して左右方向に沿った軸線周りで回動可能に連結したが、本体部53を支持台51に対して回動できないように連結してもよい。そして、この場合には、ガイド機構72をベース32と可動器具34との間に設けてもよい。
【0042】
具体的には、
図8に示す例では、揺動部54の下板66には、支持台51の後方に配置されるシャフト121が形成され、ベース32の支柱41には、シャフト121が挿通される挿通孔122を有するガイド123が形成されている。シャフト121は、下板66に連続して形成された小径部124、及び小径部124の下方に配置されるとともに小径部124よりも太い大径部125を有している。なお、大径部125の上端部125aは。上方から下方に向かって徐々に外径が大きくなるテーパ状に形成されている。また、挿通孔122は、その内径が鉛直方向に沿って一定の円筒状に形成されている。この構成では、シャフト121が可動器具34と一体で鉛直方向に移動することで、固定器具33と可動器具34との間隔が所定間隔未満となったときに、大径部125(上端部125a)が挿通孔122から離脱するようになる。
【0043】
また、
図9に示す例では、揺動部54の下板66には、支持台51の後方に配置される挿通孔131が形成され、ベース32の支柱41には、挿通孔131に挿通されるシャフト132が形成されている。シャフト132は、支柱41に連続して形成された小径部133と、及び小径部133の上方に配置されるとともに小径部133よりも太い大径部134を有している。なお、大径部134の下端部134aは下方から上方に向かって徐々に外径が大きくなるテーパ状に形成されている。また、挿通孔131は、その内径が鉛直方向に沿って一定の円筒状に形成されている。この構成では、挿通孔131が可動器具34と一体で鉛直方向に移動することで、固定器具33と可動器具34との間隔が所定間隔未満となったときに、大径部134(下端部134a)が挿通孔131から離脱するようになる。
【0044】
・上記実施形態では、大径部87の上端部87aを外径が徐々に変化するテーパ状に形成したが、これに限らず、上端部87aの外径が急変する段付き形状としてもよい。また、挿通孔84を、例えば内径が一定の円筒状や段付き形状等としてもよい。さらに、シャフト85及び挿通孔84の断面形状は、円形状に限らず、例えば多角形状としてもよい。さらにまた、シャフト85を中空の筒状としてよい。要は、シャフト85の大径部が挿通孔84に嵌合した状態で揺動部54の水平方向への移動を規制するとともに大径部が挿通孔84から離脱した状態で揺動部54の水平方向への移動を許容できれば、シャフト85及び挿通孔84の形状は適宜変更可能である。
【0045】
・上記実施形態では、本体部53の支持部69にボール70を設け、このボール70を介して揺動部54を支持したが、これに限らず、例えば支持部69を突起状に形成し、揺動部54が支持部69に対して摺動することにより水平方向に移動するように支持してもよい。また、支持部69を本体部53に設けず、例えば揺動部54の上板65に設けてもよい。
【0046】
・上記実施形態では、揺動部54の水平方向への移動可能範囲を調整するための調整部材として側壁63のネジ孔101に螺合する調整ネジ102を用いたが、これに限らず、例えば側壁63に軽圧入されるピン等を調整部材として用いてもよい。また、調整部材(調整ネジ102)を設けなくてもよい。
【0047】
・上記実施形態では、ダンパ105としてエアダンパを用いたが、これに限らず、例えばオイルダンパ等の他のダンパを用いてもよい。また、可動器具34にダンパ105を設けなくともよい。
【0048】
・上記実施形態では、モータ2を固定器具33に保持し、制御装置3を可動器具34に保持したが、制御装置3を固定器具33に保持し、モータ2を可動器具34に保持してもよい。
【0049】
・上記実施形態では、本発明をバスバー14及びセンサ信号ピン16が突出したモータ2に制御装置3を組み付ける組立装置31に適用したが、他の突起部が設けられたモータ2に制御装置3を組み付ける組立装置に適用してもよい。
【0050】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(イ)請求項1〜4のいずれか一項に記載のアクチュエータユニットの組立装置において、前記揺動部は、転動可能なボールを介して前記本体部に対して水平方向に移動可能に支持されたことを特徴とするアクチュエータユニットの組立装置。上記構成によれば、揺動部を円滑に水平方向に移動させることができる。