特許第5928243号(P5928243)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5928243-コンテンツ送受信装置 図000002
  • 特許5928243-コンテンツ送受信装置 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5928243
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月1日
(54)【発明の名称】コンテンツ送受信装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/436 20110101AFI20160519BHJP
【FI】
   H04N21/436
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-183516(P2012-183516)
(22)【出願日】2012年8月22日
(65)【公開番号】特開2014-42163(P2014-42163A)
(43)【公開日】2014年3月6日
【審査請求日】2015年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】710014351
【氏名又は名称】オンキヨー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北崎 智基
【審査官】 矢野 光治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−087066(JP,A)
【文献】 特開2009−194753(JP,A)
【文献】 特開2011−066472(JP,A)
【文献】 特開2009−267944(JP,A)
【文献】 特開2011−166681(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0207308(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00−21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ送信装置が接続される入力端子と、
コンテンツ受信装置が接続される出力端子と、
前記コンテンツ送信装置から送信されたコンテンツデータを受信する受信手段と、
前記コンテンツデータを前記コンテンツ受信装置に送信する送信手段と、
前記受信手段及び前記送信手段に電源電圧を供給しない第1スタンバイ状態にある場合であって前記入力端子に新たなコンテンツ送信装置が接続されたときに、所定の機器制御信号を用いて新たなコンテンツ送信装置の存在を検出し、前記受信手段及び前記送信手段に電源電圧を供給する第2スタンバイ状態に移行して、前記新たなコンテンツ送信装置の物理アドレスを取得する制御手段と、
を備え、
前記入力端子はHDMI入力端子であり、
前記出力端子はHDMI出力端子であり、
前記コンテンツ送信装置はHDMIケーブルを介して前記入力端子に接続され、
前記コンテンツ受信装置はHDMIケーブルを介して前記出力端子に接続され、
前記制御手段は、前記機器制御信号としてCECメッセージを用いて、接続されたコンテンツ送信装置からのCECメッセージが、既に存在する論理アドレスの機器からのメッセージでない場合に新たなコンテンツ送信装置の存在を検出する
ことを特徴とするコンテンツ送受信装置。
【請求項2】
請求項1記載のコンテンツ送受信装置において、
前記制御手段は、前記機器制御信号を用いて新たなコンテンツ送信装置の存在を検出すると、新たな論理アドレスに新たなコンテンツ送信装置を割り当て、新たな論理アドレスに対して物理アドレスを問い合わせ、問い合わせに対して新たなコンテンツ送信装置から返信された物理アドレスを取得する
ことを特徴とするコンテンツ送受信装置。
【請求項3】
請求項2記載のコンテンツ送受信装置において、
コンテンツ送信装置の論理アドレスと物理アドレスを対応付けるテーブルを記憶する記憶手段
を備え、前記制御手段は、新たな論理アドレスに、獲得した物理アドレスを対応付けることで前記テーブルを更新する
ことを特徴とするコンテンツ送受信装置。
【請求項4】
請求項記載のコンテンツ送受信装置において、
前記制御手段は、CECメッセージを用いて新たなコンテンツ送信装置の存在を検出すると、前記HDMIケーブルに含まれるHPDラインのHPD(ホットプラグディテクト)信号をLoレベルからHiレベルに変化させる
ことを特徴とするコンテンツ送受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、AVアンプ等のコンテンツ送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DVDプレーヤあるいはBDプレーヤと、AVアンプと、ディスプレイとを備えるコンテンツ送受信システムが知られている。DVDプレーヤあるいはBDプレーヤは、ディスクに記録されているコンテンツデータを再生し、HDMI(High Definition Multimedia Interface)データに変換してHDMIケーブルを介してAVアンプに送信する。AVアンプは、コンテンツデータに含まれる音声データに所定の音声処理を施し、スピーカから音声を出力する。また、AVアンプは、コンテンツデータに含まれる映像データをディスプレイに送信する。ディスプレイは、AVアンプからの映像データに所定の映像処理を施して表示する。
【0003】
下記の特許文献1には、AVアンプが、ディスプレイがAVアンプからHDMIデータを受信することができるか否かを判定し、ディスプレイがAVアンプからHDMIデータを受信できないと判定した場合に、HDMI受信部及びHDMI送信部に電源電圧を供給しない完全スタンバイ状態に移行して消費電力を低減する技術が記載されている。また、ディスプレイがAVアンプからHDMIデータを受信できると判定した場合、HDMI受信部及びHDMI送信部に電源電圧を供給するスタンバイスル―状態に移行し、HDMIデータをディスプレイにスルーすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−166681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、AVアンプが完全スタンバイ状態である場合、AVアンプのHDMI受信部及びHDMI送信部には電源電圧が供給されていないため停止状態にあり、完全スタンバイ状態において新たにAVアンプにソース機器が接続されてもこれを認識することができない。新たに接続されたソース機器を認識できないと、新たに接続されたソース機器の物理アドレスもシステムにおいて正しく更新されないから、たとえソース機器を再生し、このソース機器からCECメッセージである<Active Source>をブロードキャストしても、正しい物理アドレスを有していないためにAVアンプやディスプレイはこのソース機器に入力を正しく切り替えることができない問題が生じる。
【0006】
本発明の目的は、HDMI受信部等のコンテンツデータ受信手段、及びHDMI送信部等のコンテンツデータ送信手段が停止状態にある場合において新たにコンテンツ送信装置が接続された場合でも、この新たなコンテンツ送信装置の物理アドレスを正しく認識することができるコンテンツ送受信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のコンテンツ送受信装置は、コンテンツ送信装置が接続される入力端子と、コンテンツ受信装置が接続される出力端子と、前記コンテンツ送信装置から送信されたコンテンツデータを受信する受信手段と、前記コンテンツデータを前記コンテンツ受信装置に送信する送信手段と、前記受信手段及び前記送信手段に電源電圧を供給しない第1スタンバイ状態にある場合であって前記入力端子に新たなコンテンツ送信装置が接続されたときに、所定の機器制御信号を用いて新たなコンテンツ送信装置の存在を検出し、前記受信手段及び前記送信手段に電源電圧を供給する第2スタンバイ状態に移行して、前記新たなコンテンツ送信装置の物理アドレスを取得する制御手段を備え、前記入力端子はHDMI入力端子であり、前記出力端子はHDMI出力端子であり、前記コンテンツ送信装置はHDMIケーブルを介して前記入力端子に接続され、前記コンテンツ受信装置はHDMIケーブルを介して前記出力端子に接続され、前記制御手段は、前記機器制御信号としてCECメッセージを用いて、接続されたコンテンツ送信装置からのCECメッセージが、既に存在する論理アドレスの機器からのメッセージでない場合に新たなコンテンツ送信装置の存在を検出することを特徴とする。
【0008】
本発明において、受信手段及び送信手段に電源電圧を供給しない第1スタンバイ状態にあって動作停止状態にあるときでも、制御手段は、所定の機器制御信号を用いて新たなコンテンツ送信装置の制御手段とデータを送受信することで、新たなコンテンツ送信装置の存在を検出する。なお、この時点で受信手段及び送信手段は未だ動作停止状態にあるため、新たなコンテンツ送信装置の物理アドレスは不知である。制御手段は、新たなコンテンツ送信装置の存在を検出すると、受信手段及び送信手段に電源電圧を供給してこれらを動作状態に移行させることで、新たなコンテンツ送信装置の物理アドレスを獲得する。
【0009】
本発明の1つの実施形態では、前記制御手段は、前記機器制御信号を用いて新たなコンテンツ送信装置の存在を検出すると、新たな論理アドレスに新たなコンテンツ送信装置を割り当て、新たな論理アドレスに対して物理アドレスを問い合わせ、問い合わせに対して新たなコンテンツ送信装置から返信された物理アドレスを取得することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の他の実施形態では、コンテンツ送信装置の論理アドレスと物理アドレスを対応付けるテーブルを記憶する記憶手段を備え、前記制御手段は、新たな論理アドレスに、獲得した物理アドレスを対応付けることで前記テーブルを更新することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の他の実施形態では、前記制御手段は、CECメッセージを用いて新たなコンテンツ送信装置の存在を検出すると、前記HDMIケーブルに含まれるHPDラインのHPD(ホットプラグディテクト)信号をLoレベルからHiレベルに変化させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、HDMI受信部等のコンテンツデータ受信手段、及びHDMI送信部等のコンテンツデータ送信手段が動作停止状態にある場合において新たにコンテンツ送信装置が接続された場合でも、この新たなコンテンツ送信装置の物理アドレスを正しく認識できる。従って、新たなコンテンツ送信装置からコンテンツデータが送信されても、その物理アドレスを用いて入力先を正しく切り替えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態のシステム構成図である。
図2】実施形態の物理アドレス説明図である。
図3】実施形態の処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。なお、本明細書を通じ、CEC(Consumer Electronics Control)とは、HDMI規格においてAV機器間のコントロールを行うための制御プロトコルを意味するものとする。
【0016】
図1に、本実施形態のシステム構成図を示す。ソース機器かつコンテンツ送信装置としてのDVDプレーヤ、リピータ機器かつコンテンツ送受信装置としてのAVアンプ10、シンク機器かつコンテンツ受信装置としてのディスプレイ60が、ツリー状かつ階層状に接続される。なお、ソース機器は、HDMI出力端子を有する機器を意味し、リピータ機器は、HDMI入力端子及びHDMI出力端子を有する機器を意味し、シンク機器は、HDMI入力端子を有する機器を意味する。
【0017】
リピータ機器であって、コンテンツ送受信装置であるAVアンプ10は、複数の入力端子12,14と、操作部16と、HDMI受信部18と、制御部20と、メモリ22と、出力端子24と、表示部26と、HDMI送信部28と、音声処理部30と、電源部32と、バス34を備える。複数の入力端子12、14は、図では入力端子(1)及び入力端子(2)として区別している。また、出力端子24は、図では出力端子(1)としている。出力端子は複数あってもよい。
【0018】
ソース機器からのHDMIデータは、入力端子12,14及びバス34を介してHDMI受信部18で受信される。
【0019】
HDMI受信部18は、受信したHDMIデータに含まれる映像データから元の映像データ(HDMI変換前の映像データ)を生成してHDMI送信部28に出力する。また、HDMI受信部18は、受信したHDMIデータに含まれる音声データから元の音声データを生成して音声処理部30に出力する。
【0020】
HDMI送信部28は、HDMI受信部18から受信した映像データをHDMIデータに変換し、出力端子24に出力する。
【0021】
音声処理部30は、HDMI受信部18から受信した音声データに対し、遅延処理、イコライザ処理、音量調整処理、増幅処理、DA変換等の所定の処理を施して外部のスピーカ62に出力する。
【0022】
なお、AVアンプ10で音声を再生しない場合には、HDMI受信部18は、受信したHDMIデータをそのままHDMI送信部28に出力する(いわゆるスルー状態)。
【0023】
制御部20は、メモリ22に記憶されているプログラムに従ってAVアンプ10の各部の動作を制御する。制御部20は、HDMIケーブルのCECラインを介してDVDプレーヤ50,52、及びディスプレイ60の各制御部と接続され、各制御部とCECメッセージを送受信する。
【0024】
制御部20は、ユーザによる操作部16の操作によりAVアンプ10を電源オン状態からスタンバイ状態に移行する指示が入力されると、AVアンプ10の各部に電力を供給する電源部32を制御し、スタンバイ状態に移行させる。スタンバイ状態には、完全スタンバイ状態とそれ以外のスタンバイ状態がある。完全スタンバイ状態は、制御部20のみに電源電圧が供給され、HDMI受信部18及びHDMI送信部28その他に電源電圧が供給されない状態である(制御部20がアイドル状態)。その他のスタンバイ状態は、制御部20、HDMI受信部18及びHDMI送信部28に電源電圧が供給され、その他の部分に電源電圧が供給されない状態である。完全スタンバイ状態を第1スタンバイ状態、その他のスタンバイ状態を第2スタンバイ状態と定義する。
【0025】
表示部26は、AVアンプ10の各種動作状態を表示する。
【0026】
ソース機器のDVDプレーヤ50、52は、それぞれAVアンプ10の入力端子10、12にHDMIケーブル70,72を介して接続される。すなわち、DVDプレーヤ50はHDMI70ケーブルを介して入力端子12に接続され、DVDプレーヤ52はHDMIケーブル72を介して入力端子14に接続される。ユーザが操作部16のインプットセレクタを入力端子12に選択した場合、HDMI受信部18は、入力端子12に接続されたDVDプレーヤ50からのHDMIデータを受信する。また、ユーザが操作部16のインプットセレクタを入力端子14に選択した場合、HDMI受信部18は、入力端子14に接続されたDVDプレーヤ52からのHDMIデータを受信する。
【0027】
ディスプレイ60は、HDMI入力端子を備えるデジタルテレビ等であり、HDMIケーブル80で出力端子24に接続される。ディスプレイ60の入力端子(1)をAVアンプ10の出力端子24に接続するものとする。
【0028】
HDMI機器同士を接続するHDMIケーブル70,72,80は、コンテンツ信号としての映像・音声信号を差動方式で伝送するためのTMDSラインと、機器間で制御信号としてのCECメッセージを伝送する双方向バスであるCECラインと、EDID(Extended Display Identification Data)等を送信するためのDDCラインと、HPD(Hot Plug Detect:ホットプラグディテクト)ラインを備える。
【0029】
CECでは、HDMI接続された各機器の論理アドレスと物理アドレスが取得され、物理アドレスを指定することで所望の機器にCECメッセージを送信できる。論理アドレスは、各機器の種別を表すもので、「0」から「F」まで16個用意される。各論理アドレスに、接続された機器のデバイスタイプが割り当てられる。物理アドレスは、各機器のシステム内における位置を表すもので、主として入力切替先を指定するために使用される。シンク機器を最下層(0階層)とし、シンク機器に接続されている機器の入力番号を1階層目の数字として記述する。2階層目以降についても同様である。
【0030】
図2に、図1のシステムにおける物理アドレスを示す。最下層のシンク機器であるディスプレイ60には、物理アドレス[0.0.0.0]が付与される。ディスプレイ60に接続されているAVアンプ10には、[1.0.0.0]が付与される。つまり、ディスプレイ60の物理アドレスの1番左の数字が、AVアンプ10が接続されている入力端子の番号(1)に変更されたものが物理アドレスになる。また、AVアンプ10の入力端子12(入力端子(1))に接続されているDVDプレーヤ50には、物理アドレス[1.1.0.0]が付与され、AVアンプ10の入力端子14(入力端子(2))に接続されているDVDプレーヤ52には、物理アドレス[1.2.0.0]が付与される。つまり、AVアンプ10の物理アドレスの左から2番目の数字が、DVDプレーヤ50,52が接続されている入力端子の番号に変更されたものが物理アドレスになる。
【0031】
以上のような構成において、いま、DVDプレーヤ50のみがAVアンプ10の入力端子12に接続され、出力端子24にディスプレイ60が接続された状態で、AVアンプ10が完全スタンバイ状態(第1スタンバイ状態)に移行した場合を想定する。
【0032】
完全スタンバイ状態では、制御部20のみに電源部32からの電源電圧が供給され、HDMI受信部18及びHDMI送信部28その他の部分には電源電圧が供給されず、動作停止状態にある。また、ディスプレイ60のメモリ、及びAVアンプ10のメモリ22には、各機器の物理アドレスが論理アドレスと対応付けて記憶される。例えば、AVアンプ10のメモリ22には、論理アドレス「0」と対応付けて自己の物理アドレス[1.0.0.0]が記憶され、また、論理アドレス「1」と対応付けてDVDプレーヤ50の物理アドレス[1.1.0.0]が記憶される。
【0033】
AVアンプ10が通常の動作状態にある場合、このようにAVアンプ10の入力端子12にDVDプレーヤ50が接続され、入力端子14にDVDプレーヤ52が接続されると、それぞれのDVDプレーヤ50、52にそれぞれ物理アドレスが付与され、この物理アドレスに基づいて入力先を切り替えることが可能である。例えば、ユーザがDVDプレーヤ50の再生ボタンを操作すると、DVDプレーヤ50は、自己が安定した映像信号を出力することが可能な状態であれば、HDMIデータを出力するとともにアクティブ機器であることを示すCECメッセージの<Active Source>をブロードキャストする。<Active Source>をブロードキャストされたディスプレイ60やAVアンプ10は、その物理アドレスを用いて、DVDプレーヤ50から出力されたHDMIデータを再生するための経路の切替を行う。
【0034】
ユーザがDVDプレーヤ52の再生ボタンを操作する場合も同様であり、DVDプレーヤ52は、自己が安定した映像信号を出力することが可能な状態であれば、HDMIデータを出力するとともにアクティブ機器であることを示すCECメッセージの<Active Source>をブロードキャストする。<Active Source>をブロードキャストされたディスプレイ60やAVアンプ10は、その物理アドレスを用いて、DVDプレーヤ52から出力されたHDMIデータを再生するための経路の切替を行う。すなわち、DVDプレーヤ52の物理アドレスを[1.2.0.0]とすると、DVDプレーヤ52は、<Active Source 1.2.0.0>メッセージをブロードキャストし、このメッセージを受信したAVアンプ10及びディスプレイ60は、その物理アドレス[1.2.0.0]を用いて入力先を切り替える。入力先を切り替える際、ディスプレイ60は、<Set Stream Path 1.2.0.0>メッセージをブロードキャストする。
【0035】
一方、AVアンプ10が完全スタンバイ状態(第1スタンバイ状態)にある場合、HDMI受信部18及びHDMI送信部28に電源電力が供給されず動作停止状態にあるため、以下のような不具合が生じる。すなわち、例えばDVDプレーヤ50が入力端子12に接続され、DVDプレーヤ52が未だ入力端子14に接続されていない状態でAVアンプ10が完全スタンバイ状態に移行したとする。この場合、AVアンプ10のメモリ22やディスプレイ60のメモリにはDVDプレーヤ50の物理アドレスは特定されて記憶されているものの、DVDプレーヤ52の物理アドレスは存在していない。
【0036】
この状態でDVDプレーヤ52を入力端子14に接続すると、HDMI受信部18は動作停止状態であるためHPDもLoレベルのままであり、DVDプレーヤ52が接続されたことを認識することができず、その物理アドレスも更新されないままとなる。従って、この状態でユーザがDVDプレーヤ52の再生ボタンを操作し、DVDプレーヤ52が<Active Source>をブロードキャストしても、DVDプレーヤ52の正しい物理アドレスが存在していないため、入力先をDVDプレーヤ52に切り替えることができない。
【0037】
そこで、本実施形態では、AVアンプ10が完全スタンバイ状態においてDVDプレーヤ52等のソース機器が接続された場合においても、この接続を認識してその物理アドレスを更新するように制御する。
【0038】
具体的には、AVアンプ10が完全スタンバイ状態にあり、HDMI受信部18及びHDMI送信部28が動作停止状態にあっても、AVアンプ10の制御部20とDVDプレーヤ52の制御部との間、及びAVアンプ10の制御部20とディスプレイ60の制御部との間ではCECラインを用いたCECメッセージの送受信が可能であることに着目し、AVアンプ10の制御部20は、CECメッセージの送受信によりDVDプレーヤ52の存在を検出した場合に、完全スタンバイ状態にあるにもかかわらずHDMI受信部18及びHDMI送信部28に電源部32からの電源電圧を供給して動作状態とし、HPD(ホットプラグ検出)をLoレベルからHiレベルに変化させることでDVDプレーヤ52の接続を認識する。そして、所定の通信シーケンスによりDVDプレーヤ52の物理アドレスを取得して更新し、メモリ22内の物理アドレス、より特定的には論理アドレスと物理アドレスを対応付けるテーブルを更新する。
【0039】
図3に、本実施形態の処理フローチャートを示す。ユーザによる操作部16の操作により、AVアンプ10は完全スタンバイ状態に移行する(S101)。すなわち、制御部20のみに電源電圧が供給され、HDMI受信部18、HDMI送信部28その他の部分には電源電圧は供給されない状態である。
【0040】
AVアンプ10が完全スタンバイ状態に移行した場合、制御部20は、CECメッセージ(CECコマンド)の割り込みがあるか否かを定期的に監視する(S102)。CECメッセージの割込みがなければ、完全スタンバイ状態をそのまま維持する。
【0041】
一方、何らかのソース機器がHDMIケーブルを介してAVアンプ10に接続された場合、例えばDVDプレーヤ52がHDMIケーブル72を介して入力端子14に接続されると、当該ソース機器の制御部とAVアンプ10の制御部20とは双方向バスのCECラインで接続されることとなるため、HDMI受信部18及びHDMI送信部28に電源電圧が供給されていなくてもソース機器の制御部とAVアンプ10の制御部20との間でCECメッセージを送受信することは可能であり、ソース機器の制御部からCECメッセージが送信されるとこれを受信する。制御部20は、CECメッセージの割り込みがあると判定すると、メモリ22に記憶されている論理アドレステーブルを参照し、当該ソース機器が既に存在する論理アドレスのソース機器であるか、あるいは新しい論理アドレスのソース機器であるかを判定する。例えば、完全スタンバイ状態に移行する前に既にDVDプレーヤ50がHDMIケーブル70に接続されていれば、論理アドレスの特定アドレスにDVDプレーヤ50が既に割り当てられており、割り込みのCECメッセージがDVDプレーヤ50からのメッセージであれば新規の論理アドレスではないと判定される。また、割り込みのCECメッセージがDVDプレーヤ52からのメッセージであれば新規の論理アドレスと判定される。割り込みメッセージが既に存在する論理アドレスのソース機器からのメッセージであれば、物理アドレスを更新する必要がないので、完全スタンバイ状態をそのまま維持する。
【0042】
割り込みメッセージが新しい論理アドレスのソース機器からのメッセージである場合、制御部20は、新しいソース機器が接続されたものとみなし、第2スタンバイ状態に移行する。すなわち、HDMI受信部18及びHDMI送信部28に電源部32からの電源電圧を供給してこれらを動作状態に移行させる。言い換えれば、AVアンプ10を第1スタンバイ状態から第2スタンバイ状態に移行させる。また、HPD(ホットプラグ検出)をLoレベルからHiレベルに変化させる(S104)。具体的には、HPDラインに所定電圧以上の電圧、例えば+5Vを出力する。HPD(ホットプラグ検出)は、ソース機器とシンク機器を接続する通信機構であり、ソース機器はこのHPD信号によりシンク機器と接続された状態であることを判別してシンク機器の能力に合わせた信号を設定する。HPD信号をLoレベルからHiレベルに変化させることで、ソース機器とシンク機器との間で起動時の通信シーケンスが開始される。従って、DVDプレーヤ52の制御部と制御部20との間で通信シーケンスが開始され、論理アドレステーブルを用いた接続確認が実行される。本実施形態において、新しい論理アドレスが存在しない場合、HPD信号はLoレベルのままでHiレベルに変化しない点に留意されたい。この意味で、CECメッセージの割り込みがあり、この割り込みが新たなシース機器からの割り込みであることをトリガとして、HPD信号をLoレベルからHiレベルに変化させるといえる。なお、この接続確認とともに、DVDプレーヤ52は、ディスプレイ60やAVアンプ10のEDIDにアクセスしてフォーマットや解像度の設定が可能となる。EDIDの伝送は、DDCラインを用いて行われるが、HDMI受信部18及びHDMI送信部28は動作状態にあるため可能である。
【0043】
制御部20は、この接続確認において、新たに接続されたソース機器からの物理アドレスを確認する(S105)。すなわち、制御部20は、論理アドレステーブルに基づき、論理アドレスのそれぞれの接続を確認する場合に、<Give Physical Address>メッセージを用いて接続されている機器にポーリングを実行する。ポーリングを実行した論理アドレスにソース機器が接続されていれば、当該ソース機器はポーリングに対する応答として<Report Physical Address>を返信し、自己の物理アドレスを返信する。制御部20は、DVDプレーヤ50の論理アドレスのみならず、DVDプレーヤ52の論理アドレスに対しても<Give Physical Address>メッセージを送信し、DVDプレーヤ52からの<Report Physical Address>を確認することで、DVDプレーヤ52の物理アドレスを取得し、論理アドレスと物理アドレスを対応付けるテーブルを更新する。例えば、メモリ22に記憶されている更新前の論理アドレスと物理アドレスを対応付けるテーブルが、
論理アドレス 物理アドレス デバイスタイプ デバイスネーム
1 [1.1.0.0] Playback DVDプレーヤA
2 (None) (None) (None)
であったところ、HPD信号をLoレベルからHiレベルに変化させて対応付けテーブルを更新することで、
論理アドレス 物理アドレス デバイスタイプ デバイスネーム
1 [1.1.0.0] Playback DVDプレーヤA
2 [1.2.0.0] Playback DVDプレーヤB
となる。論理アドレス「2」の物理アドレス[1.2.0.0]は、<Give Physical Address>メッセージに応じて返信された<Report Physical Address>で取得したアドレスである。
【0044】
本実施形態では、接続確認を行う際に、DVDプレーヤ50の論理アドレスにも<Give Physical Address>メッセージを送信しているが、完全スタンバイ状態から移行した場合には、新たな論理アドレスのみに<Give Physical Address>を送信してその機器の物理アドレスのみを取得してもよい。
【0045】
最後に、制御部20は、更新されメモリ22に記憶された論理アドレスと物理アドレスの対応付けテーブルを参照し、新たな論理アドレスが新たな物理アドレスを獲得したか否かを判定する(S106)。上記の例でいえば、新たな論理アドレスは「2」であり、これが新たな物理アドレスを獲得したと判定する。全ての新たな論理アドレスが新たな物理アドレスを獲得していない場合、S104以降の処理を繰り返してテーブルを更新する。全ての新たな論理アドレスが新たな物理アドレスを獲得したと判定すると、制御部20は、HDMI受信部18及びHDMI送信部28への電源電圧供給を停止し、再び完全スタンバイ状態に移行する。言い換えれば、制御部20は、一時的に第1スタンバイ状態から第2スタンバイ状態に移行し、物理アドレスを更新した後に、再び第1スタンバイ状態に移行する。
【0046】
以上のように、本実施形態では、AVアンプ10が完全スタンバイ状態にあるときに新たなソース機器が接続されると、制御部20は、CECラインを介したCECメッセージにより新たなソース機器を検出し、HDMI受信部18及びHDMI送信部28に電源電圧を供給して動作状態とし、HPD信号をLoレベルからHiレベルに変化させて新たなソース機器の物理アドレスを取得して更新するので、新たなソース機器が再生されても、直ちにこれに対応して入力を切り替えることができる。すなわち、AVアンプ10が完全スタンバイ状態において新たにDVDプレーヤ52が入力端子14に接続されても、制御部20は上記のシーケンスによりDVDプレーヤ52の物理アドレス[1.2.0.0]を取得してテーブルを更新しているので、DVDプレーヤ52の再生が開始されて<Active Source>がブロードキャストされても、これに対応して入力をDVDプレーヤ52の経路に正しく切り替えることができる。
【0047】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0048】
例えば、本実施形態ではソース機器としてDVDプレーヤを例示したが、BDプレーヤその他のプレーヤあるいはレコーダあるいはゲーム機であってもよい。
【0049】
また、本実施形態では、ソース機器かつコンテンツ送信装置と、リピータ機器かつコンテンツ送受信装置と、シンク機器かつコンテンツ受信装置とがHDMIケーブル70,72,80で接続される構成としたが、必ずしもHDMI規格である必要はなく、他の通信規格で接続されていてもよく、その接続形態も有線に限定されず無線であってもよい。但し、本発明は、コンテンツ送信手段からのコンテンツデータを受信する受信手段、及びコンテンツ受信手段にコンテンツデータを送信する送信手段に電源電圧が供給されず動作停止状態にあっても、各機器の制御部の間で制御信号の送受信が可能であることを前提としているので、各機器が双方向回線(有線あるいは無線を問わず)で接続され、機器制御信号を相互に送受信できる規格であることが必要である。HDMI規格におけるCECライン及びCECメッセージがその一例であるが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、機器制御信号を送受信でき、この機器制御信号を用いて少なくとも新たなコンテンツ送信装置の存在を検出できればよい。
【0050】
また、本実施形態では、完全スタンバイ状態である第1スタンバイ状態から一時的に第2スタンバイ状態に移行し、物理アドレスを更新した後に再び完全スタンバイ状態である第1スタンバイ状態に移行しているが、物理アドレスを更新した後に第2スタンバイ状態のまま維持してもよい。
【0051】
また、本実施形態では、ユーザから完全スタンバイ状態への移行が指示されたときに制御部20は完全スタンバイ状態に移行しているが、この際に、<Give Device Power Status>メッセージをディスプレイ60に送信してその電源状態を問い合わせ、ディスプレイ60がスタンバイ状態にあることを確認した上で完全スタンバイ状態に移行してもよい。
【0052】
さらに、本実施形態では、図1に示すようにHDMI受信部18とHDMI送信部28とを別個の部材として示しているが、これらを単一の部品によって構成してもよく、制御部20に関しても、図1では単一の部材として示しているが、複数の制御部から構成されていてもよい。具体的には、制御部20がメインマイコンとフロントマイコンから構成され、メインマイコンでHDMI受信部18、HDMI送信部28、電源32の動作を制御し、フロントマイコンでCECラインのCECメッセージを送受信する等である。完全スタンバイ状態では、メインマイコン及びフロントマイコンともに電源電圧が供給されて動作状態にあり、フロントマイコンが新たなコンテンツ送信装置からCECメッセージを受信するとその旨をメインマイコンに指令し、メインマイコンはフロントマイコンからの指令を受けてHDMI受信部18及びHDMI送信部28に電源電圧を供給し、HPD信号をLoレベルからHiレベルに変化させる。
【符号の説明】
【0053】
10 AVアンプ、12 入力端子(1)、14 入力端子(2)、16 操作部、18 HDMI受信部、20 制御部、22 メモリ、24 出力端子(1)、26 表示部、28 HDMI送信部、30 音声処理部、32 電源部、50 DVDプレーヤ(A)、52 DVDプレーヤ(B)、60 ディスプレイ、62 スピーカ。
図1
図2
図3