【実施例1】
【0010】
空気清浄機1は、
図1から
図5に示すように、箱型の筺体10と、筺体10の前面に取り付けられる前面パネル2と、前面パネル2の前面を覆う化粧パネル3とを備え、筺体10の天面の前面寄りには操作部11と、背面寄りには吹出口12と、運転停止時には吹出口12を塞ぎ運転時には風向を調整する風向フラップ13とを備える。
筺体10の内部には、送風ファン14と送風ファン14の手前に脱臭フィルター15を備え、脱臭フィルター15の手前に脱臭フィルター15をガードする脱臭フィルター用ガード16を備える。
【0011】
<前面パネル>
前面パネル2は、
図3から
図5に示すように、筺体10の前面を全て覆うように取り付けられ、側面視で前方が狭くなる台形状であり、台形状の天面にあたる前面側に凹部20が形成されている。図では前面パネル2の上下左右端の縁部21から凹部20が形成されているが、これに限らず前面の一部分に凹部20を形成してもよい。
凹部20は、
図5に示すように、縁部21から凹部20の底面部22に向かい側面が傾斜した凹部傾斜面20aを備える。凹部傾斜面20aは平面状でも曲面状でもよいが、上下左右端の縁部21から等しい角度または形状で形成されている。
凹部傾斜面20aに繋がる凹部20の底面部22には、送風ファン14が空気を取り入れるための吸込口23が矩形状に開口されている。
【0012】
吸込口23の周囲は、
図3、
図5、
図6に示すように、周縁壁24で囲まれている。周縁壁24の内側にはプレフィルター40と、集塵フィルター41が着脱自在に取り付けられる。
周縁壁24の前面側で吸込口23の入口には、前方に突出した突出部25が形成されている。突出部25は、突出部25の先端に設けた突出面25aと、底面部22側に傾斜した突出部傾斜面25bを備える。左右方向における突出部25は突出面25aが狭く山形状であり、下方向における突出部25は突出面25aが広く化粧パネル3を係止する係止用孔26a、26bを備え、上方向における突出部25は突出面25aが広く突出部傾斜面25bに化粧パネル3を係止する係止用孔26c、26dを備える。
凹部20は、凹部傾斜面20aと、底面部22、突出部傾斜面25b、突出面25aとで連続したなだらかな曲面を形成して空気Sを導く空気流路Pとなる。
【0013】
<化粧パネル>
化粧パネル3は、
図3から
図5に示すように、前面パネル2よりも小さく、上方と下方にそれぞれ背面側に向かう曲面部3a、3bを備えたフラットな板状であり、左右幅は、前面パネル3の底面部22を覆うように形成され、左右両端に底面部22向けて延出するフランジ31を備える。
また、化粧パネル3は、裏面3cの下方に係止爪32a、32bを、上方に係止爪32c、32dを備える。
【0014】
<組立>
化粧パネル3とプレフィルター40及び集塵フィルター41を前面パネル2に取り付け組み立てる作業について説明する。まず吸込口23の周縁壁24内側に集塵フィルター41を合わせ集塵フィルター41の上からプレフィルター40の上下にある係止爪40aを吸込口23の周縁壁24内側に設けた係止用孔24aに係止することでプレフィルター40が取り付けられるとともに集塵フィルター41を挟み込み固定する。
次に、化粧パネル3は、係止爪32a、32bを、前面パネル2の突出面25aに設けた係止用孔26a、26bに差し込み、係止爪32c、32dを、前面パネル2の突出部傾斜面25bに設けた係止用孔26c、26dに前面から押し込むように嵌めることで、取り付けられる。
プレフィルター40及び集塵フィルター41を外す作業は逆の手順を行うことで、化粧パネル3とプレフィルター40及び集塵フィルター41は着脱自在となる。
【0015】
組み立てられた空気清浄機1は、
図2に示すように、前面パネル2と化粧パネル3との間に側面側空気取入口23a、23b、上面側空気取入口23c、底面側空気取入口23dを構成して4方から送風ファン14により空気Sを取り込み、吸込口23を通過しプレフィルター40及び集塵フィルター41と脱臭フィルター15等で空気清浄処理をして吹出口12から室内に吹き出す。
【0016】
<前面パネルと化粧パネル>
前面パネル2と化粧パネル3の配置について説明する。前面パネル2の突出部25は、化粧パネル3のフランジ31よりも内側に配置される。
図6に示すように、化粧パネル3のフランジ31の前面パネル2側のフランジ端面31aは前面パネル2の縁部21に対して同じ位置または
図6における下方になるように配置される。
フランジ端面31aと底面部22の間を距離T1とし、化粧パネル3の裏面3cと前面パネルの突出面25aの間を距離T2とし、T1≒T2となるように構成する。T1≒T2とすることで、T1とT2のどちらか一方に比べて狭くなり空気Sの流れが速くなることで騒音が発生する虞や、吸込量が減少する虞を回避できる。
【0017】
次に、化粧パネル3のフランジ31のフランジ端面31aと、前面パネルの突出面25aと突出部傾斜面25bの交点25cを結ぶ仮想線50を設定する。仮想線50は化粧パネル3の前面に平行で仮想線50と同一平面上に設けた基準51と角度Xをなすように設定する。角度Xは略45°以下が望ましい。45°以下であると側面側空気取入口23a(23b)を如何なる角度から覗いても化粧パネル3のフランジ31が前面パネル2の突出部25の前方に被り、フランジ31と突出部25だけが見えて吸込口23は視認されない。一方、角度Xを60度にした場合は、側面側空気取入口23a(23b)を覗くと、化粧パネル3のフランジ31が前面パネルの突出部25の前方に被らなくなり、吸込口23が視認されるようになる。
【0018】
上記構成により、側面側空気取入口23a(23b)から取り入れられた空気Sは、前面パネル2の凹部傾斜面20aと、底面部22と、突出部傾斜面25bと、突出面25aとで連続したなだらかな曲面を形成した空気流路Pにそって吸込口23に流れ込む。
化粧パネル3側は、化粧パネル3のフランジ31のフランジ端面31aと前面パネルの底面部22の距離T1と、化粧パネル3の裏面3cと前面パネルの突出面25aの距離T2を、T1≒T2となるように構成することで、部分的に狭くなることがなく、且つ充分な空気流路幅を確保でき、吸い込まれた空気Sは、スムーズに吸込口23に流れ込む。よって、吸込口23の周囲に突出部25を設けても、空気Sが化粧パネル3の裏面3cを伝う構成としたことで充分な空気Sの吸込量が確保できる。
そして、化粧パネル3のフランジ31のフランジ端面31aと、前面パネルの突出面25aと突出部傾斜面25bの交点25cとを結ぶ仮想線50と、化粧パネル3の前面に平行で仮想線50と同一平面上に設けた基準51とが略45°以下の角度であることで、
図1に示すように、側面側空気取入口23a(23b)から吸込口23を覗いても、化粧パネル3のフランジ31と前面パネル3の突出部25とが見えるだけで吸込口23および吸込口23に取り付けたプレフィルター40が視認されることはなく、美観が向上する。
【0019】
また、上面側空気取入口23cと、底面側空気取入口23dとはそれぞれ前面パネル2の突出面25aと化粧パネル3の上方と下方の曲面部3a、3bとの間の隙間を空気Sが通過することで取り入れられるとともに、化粧パネル3の上方と下方の曲面部3a、3bと前面パネル2の突出面25aが奥行きがあるためプレフィルター40が視認されることはない。