特許第5928275号(P5928275)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5928275
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月1日
(54)【発明の名称】決済システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/06 20120101AFI20160519BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20160519BHJP
   G07G 1/14 20060101ALI20160519BHJP
【FI】
   G06Q20/06
   G07G1/12 321P
   G07G1/14
【請求項の数】4
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-209096(P2012-209096)
(22)【出願日】2012年9月24日
(65)【公開番号】特開2014-63412(P2014-63412A)
(43)【公開日】2014年4月10日
【審査請求日】2015年1月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 克彦
(74)【代理人】
【識別番号】100166017
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 和政
(72)【発明者】
【氏名】中田 英治
【審査官】 梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−022591(JP,A)
【文献】 特開2008−123177(JP,A)
【文献】 特開2008−176410(JP,A)
【文献】 特開2006−031288(JP,A)
【文献】 米国特許第07475044(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−50/34
G07G 1/00− 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
決済用の記録媒体と非接触通信することで当該記録媒体に記録された金銭情報を含めた媒体情報を利用した決済を実行する決済端末と、
各決済端末から送信される決済に関する情報を管理するサーバと、
を備える決済システムであって、
前記決済端末は、
支払いに関する支払情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により前記支払情報が取得されると前記記録媒体の前記媒体情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記媒体情報の前記金銭情報を前記支払情報に応じて減額した減額後金銭情報を生成し、前記媒体情報を前記支払情報に応じて更新するための情報を前記減額後金銭情報を含めて更新情報として前記記録媒体に送信する第1送信手段と、
前記第1送信手段により前記更新情報が送信された後に前記記録媒体から更新完了情報を受信したか否かを判定する第1判定手段と、
前記第1判定手段により前記更新完了情報を受信していないと判定されると、少なくとも前記記録媒体を特定する情報および前記減額後金銭情報と当該減額後金銭情報の減額前の金銭情報である減額前金銭情報とを含めた精算不明情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記精算不明情報を前記サーバに送信する第2送信手段と、
前記サーバから前記精算不明情報を集計した集計情報が受信されると当該集計情報が記憶される記憶手段と、
前記受信手段により受信した前記媒体情報の前記金銭情報が決済不能な情報であるか否かを判定する第2判定手段と、を備え、
前記精算不明情報には、当該精算不明情報の生成日時に関する情報が含まれており、
前記第1送信手段は、
前記第2判定手段により前記金銭情報が決済不能な情報であると判定されると、当該記録媒体に対して、
前記記憶手段の対応する前記精算不明情報の前記生成日時からの経過日時が所定期間内である場合に、当該精算不明情報の減額前金銭情報を前記取得手段にて取得した支払情報に応じて減額して前記減額後金銭情報を生成しこの減額後金銭情報を含めた前記更新情報を送信し、
前記記憶手段の対応する前記精算不明情報の前記生成日時からの経過日時が前記所定期間を超える場合に、当該精算不明情報の減額後金銭情報を前記取得手段にて取得した支払情報に応じて減額して前記減額後金銭情報を生成しこの減額後金銭情報を含めた前記更新情報を送信し、
前記サーバは、
前記各決済端末の少なくともいずれかから送信される前記精算不明情報を集計して前記集計情報を生成し、当該集計情報を前記各決済端末にそれぞれ送信することを特徴とする決済システム。
【請求項2】
同一の記録媒体に対して前記第2判定手段により前記金銭情報が決済不能な情報であると判定される決済不能回数をカウントするカウント手段を備え、
前記集計情報には、前記決済不能回数が含まれており、
前記決済不能回数が所定回数を超えるとその旨を報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の決済システム。
【請求項3】
前記決済端末は、前記第2判定手段により前記金銭情報が決済不能な情報であると判定された前記記録媒体に前記第1送信手段により前記更新情報が送信されると、当該記録媒体に対応する精算不明情報を前記集計情報から削除するための削除情報を前記サーバに送信する削除情報送信手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の決済システム。
【請求項4】
前記支払情報は、商品に付された情報コードに光学的に読み取り可能に記録されており、
前記取得手段は、前記情報コードからの反射光に基づいて当該情報コードに記録されている前記支払情報を光学的に読み取る読取手段であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の決済システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の決済端末と各決済端末を管理するサーバとを有する決済システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ICカードなど記録された金銭情報(電子マネー等)を利用する決済用の記録媒体としては、例えば、Mifareカード等のように決済端末から受信した減額後金銭情報を単に記憶する形式の記録媒体と、決済端末から受信した決済関連情報を計算処理等してその結果を記憶する形式の記録媒体等がある。
【0003】
減額後金銭情報を単に記憶する形式の記録媒体を利用して決済を行う場合、決済端末との間では以下のような情報が送受信される。まず、決済端末にて、精算対象のバーコードや電子タグ等を読み取ることで精算に関する支払情報が取得されると、アンテナ等にかざされた記録媒体から金銭情報を含めた媒体情報を受信するための信号を出力する処理がなされる。この処理に応じて、記録媒体から上記媒体情報が受信される。そして、受信した金銭情報を取得した支払情報に応じて減額した減額後金銭情報が生成され、この減額後金銭情報を含めた更新情報が記録媒体に向けて送信される。その後、受信した更新情報に応じて金銭情報が減額後金銭情報に減額されるように媒体情報が更新されると、記録媒体から媒体情報の更新が完了したことを示す更新完了情報が決済端末に向けて送信される。そして、決済端末にて上記更新完了情報が受信されることで、当該決済端末により記録媒体を利用した決済処理の完了が認識される。
【0004】
例えば、ICカードの残高が「1,000円」であり、「100円」の商品を購入した場合には、決済端末により、減額後金銭情報として「900円」に相当する情報が生成されて、この減額後金銭情報を含めた更新情報がICカードに向けて送信される。そして、ICカードにて金銭情報が「900円」に減額されて更新されて更新完了情報が送信されると、この更新完了情報を受信した決済端末により、ICカードを利用した決済処理の完了が認識される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平03−57091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、減額後金銭情報を単に記憶する形式の記録媒体では、減額後金銭情報を受信している途中で記録媒体がアンテナ等から離されると、金銭情報として処理できない決済不能な情報が上書きされてしまうことから金銭情報が破損してしまう場合がある。そして、決済端末では、上述のように金銭情報が破損して上記更新完了情報が受信されない場合だけでなく、減額後金銭情報の受信完了後であって上記更新完了情報の送信前に記録媒体がアンテナ等から離されてしまう場合でも上記更新完了情報が受信されないため、このような状態(以下、精算不明状態という)では、更新完了情報の受信の有無だけでは記録媒体の金銭情報が破損しているか否かを正確に把握することができないという問題がある。
【0007】
このような記録媒体の金銭情報の破損を解消する技術として、上記特許文献1に開示されるICカード内の破損データ復元装置が知られている。この破損データ復元装置では、ICカード上にICチップと別に設けた磁気または光学的データ記録部に対して最終取引データが所定の暗号による撹乱処理を行って記憶される。そして、金銭情報が破損したとして使用者からICカードが提出されると、上記記録部のデータを解読してその正当性が確認された場合に、上記記録部に基づいて金銭情報を復元するように新規のICカードが再発行される。
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に開示されるようなデータの復元方法では、金銭情報が破損しているICカードをカード管理者等に提出してからこのカード管理者等にて上記記録部を確認した後に金銭情報が復元されたICカードが再発行されるため、ICカードを再び使用できるまでに手間や時間がかかってしまい不便であるという問題がある。
【0009】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、決済用の記録媒体の金銭情報が破損したために決済不能となる状態をなくし得る決済システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、決済用の記録媒体(C)と非接触通信することで当該記録媒体に記録された金銭情報を含めた媒体情報を利用した決済を実行する決済端末(20)と、各決済端末から送信される決済に関する情報を管理するサーバ(30)と、を備える決済システム(10)であって、前記決済端末は、支払いに関する支払情報を取得する取得手段(27)と、前記取得手段により前記支払情報が取得されると前記記録媒体の前記媒体情報を受信する受信手段(28)と、前記受信手段により受信された前記媒体情報の前記金銭情報を前記支払情報に応じて減額した減額後金銭情報を生成し、前記媒体情報を前記支払情報に応じて更新するための情報を前記減額後金銭情報を含めて更新情報として前記記録媒体に送信する第1送信手段(21)と、前記第1送信手段により前記更新情報が送信された後に前記記録媒体から更新完了情報を受信したか否かを判定する第1判定手段(21)と、前記第1判定手段により前記更新完了情報を受信していないと判定されると、少なくとも前記記録媒体を特定する情報および前記減額後金銭情報と当該減額後金銭情報の減額前の金銭情報である減額前金銭情報とを含めた精算不明情報を生成する生成手段(21)と、前記生成手段により生成された前記精算不明情報を前記サーバに送信する第2送信手段(21)と、前記サーバから前記精算不明情報を集計した集計情報が受信されると当該集計情報が記憶される記憶手段(22)と、前記受信手段により受信した前記媒体情報の前記金銭情報が決済不能な情報であるか否かを判定する第2判定手段(21)と、を備え、前記第1送信手段は、前記第2判定手段により前記金銭情報が決済不能な情報であると判定されると、当該記録媒体に対して、前記記憶手段の対応する前記精算不明情報の前記生成日時からの経過日時が所定期間内である場合に、当該精算不明情報の減額前金銭情報を前記取得手段にて取得した支払情報に応じて減額して前記減額後金銭情報を生成しこの減額後金銭情報を含めた前記更新情報を送信し、前記記憶手段の対応する前記精算不明情報の前記生成日時からの経過日時が前記所定期間を超える場合に、当該精算不明情報の減額後金銭情報を前記取得手段にて取得した支払情報に応じて減額して前記減額後金銭情報を生成しこの減額後金銭情報を含めた前記更新情報を送信し、前記サーバは、前記各決済端末の少なくともいずれかから送信される前記精算不明情報を集計して前記集計情報を生成し、当該集計情報を前記各決済端末にそれぞれ送信することを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明では、決済端末にて、取得手段により支払情報が取得され、記録媒体の媒体情報が受信されると、減額後金銭情報を含めた更新情報が第1送信手段により記録媒体に送信される。そして、更新情報の送信後に第1判定手段により更新完了情報を受信していないと判定されると、精算不明情報が生成手段により生成されて第2送信手段によりサーバに送信される。サーバにより各決済端末からの精算不明情報を集計して集計情報が生成されると、当該集計情報が各決済端末にそれぞれ送信されて記憶手段に記憶される。そして、第2判定手段により金銭情報が決済不能な情報であると判定されると、当該記録媒体に対して、記憶手段の対応する精算不明情報の生成日時からの経過日時が所定期間内である場合に、当該精算不明情報の減額前金銭情報を取得手段にて取得した支払情報に応じて減額して減額後金銭情報を生成しこの減額後金銭情報を含めた更新情報が第1送信手段により送信される。また、精算不明情報の生成日時からの経過日時が上記所定期間を超える場合には、当該精算不明情報の減額後金銭情報を取得手段にて取得した支払情報に応じて減額して減額後金銭情報を生成しこの減額後金銭情報を含めた更新情報が第1送信手段により送信される。
【0012】
これにより、記録媒体から媒体情報を受信した直後に当該記録媒体が決済端末のアンテナ等から離される場合、すなわち、金銭情報が決済不能な情報であり金銭情報が破損している可能性がある場合には、精算不明情報が生成されてサーバに送信され、サーバにて精算不明情報が集計された集計情報が各決済端末の記憶手段に記憶されるので、各決済端末にて精算不明情報を共有することができる。そして、金銭情報が決済不能である記録媒体がいずれかの決済端末で使用されると、その決済端末の記憶手段の対応する精算不明情報の減額前金銭情報を支払情報に応じて減額して減額後金銭情報が生成されて、この減額後金銭情報が記録媒体に上書きされる。すなわち、金銭情報が破損した記録媒体を再度決済端末にて使用するだけで、記録媒体の金銭情報が決済不能である状態を解消することができる。特に、減額前金銭情報から減額するので、二重精算による損害を記録媒体の所持者が被ることもない。
したがって、決済用の記録媒体の金銭情報が破損したために決済不能となる状態をなくすことができる。
【0014】
このように、金銭情報が破損してからの経過日時が上記所定期間を超えた記録媒体が使用される場合には、他の精算にて再度金銭情報が破損されている可能性が高く、減額値に応じた商品またはサービスが既に提供されている可能性が高いため、減額前金銭情報ではなく減額後金銭情報から減額することで、より実情に沿うように金銭情報の決済不能状態を解消することができる。一方、金銭情報が破損してからの経過日時が上記所定期間内の記録媒体が使用される場合には、他の精算が行われている可能性が低く、減額値に応じた商品またはサービスが未だ提供されていない可能性が高いため、減額前金銭情報から減額することで、二重精算による損害の防止を重視して金銭情報の決済不能状態を解消することができる。
【0015】
請求項の発明では、第2判定手段により金銭情報が決済不能な情報であると判定される決済不能回数が所定回数を超えるとその旨が報知手段により報知される。これにより、不正目的で記録媒体の金銭情報を破損させても、その破損回数が上記所定回数を超えるとその旨が報知されるので、不正目的で金銭情報を破損させた記録媒体を容易に検知することができる。
【0016】
請求項の発明では、第2判定手段により金銭情報が決済不能な情報であると判定された記録媒体に第1送信手段により更新情報が送信されると、当該記録媒体に対応する精算不明情報を集計情報から削除するための削除情報が、削除情報送信手段によりサーバに送信される。
【0017】
金銭情報が決済不能な情報であると判定された記録媒体の金銭情報が再び決済可能な状態になると、集計情報のうち上記記録媒体に対応する精算不明情報は、不要な情報となる。そこで、このような場合には上記削除情報をサーバに送信することで、不要となった精算不明情報を迅速に削除することができる。
【0018】
請求項の発明では、取得手段は、商品に付された情報コードからの反射光に基づいて当該情報コードに記録されている支払情報を光学的に読み取る読取手段であるため、例えば、支払情報を取得するためのキー入力操作をその都度実施する場合と比較して、支払情報を容易に取得することができる。

【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施形態に係る決済システムの構成を概略的に例示する説明図である。
図2図1に示す決済端末の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
図3】決済端末の制御部にて実行される決済処理の流れを例示するフローチャートの一部である。
図4】決済端末の制御部にて実行される決済処理の流れを例示するフローチャートの一部である。
図5】サーバの制御部にて実行される集計処理の流れを例示するフローチャートである。
図6】第2実施形態において決済端末の制御部にて実行される決済処理の流れを例示するフローチャートの一部である。
図7】第3実施形態において決済端末の制御部にて実行される決済処理の流れを例示するフローチャートの一部である。
図8】第3実施形態においてサーバの制御部にて実行される集計処理の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
以下、本発明の決済システムを具現化した第1実施形態について図を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る決済システム10の構成を概略的に例示する説明図である。図2は、図1に示す決済端末20の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る決済システム10は、決済用の記録媒体に記録された電子マネー等の金銭情報を利用して決済を行う複数の決済端末20をそれぞれ管理するシステムである。当該決済システム10は、複数の決済端末20と、これら各決済端末20に対してインターネットや専用回線等のネットワークNを介して通信可能なサーバ30とを備えるように構成される。特に、本実施形態では、決済端末20にて取り扱う決済用の記録媒体の1つとして、Mifareカード等のように決済端末20から受信した減額後金銭情報を単に記憶する形式のICカード(以下、単にICカードCという)が採用されている。
【0021】
決済端末20は、ICカードCを含めた決済用の記録媒体に記録された電子マネー等を利用して決済を行う携帯型の端末であり、当該決済端末20全体を制御する制御部21を備えている。この制御部21は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インターフェース等を有しており、メモリ22と協働して情報処理手段として機能する。メモリ22には、後述する決済処理等を実行可能な所定のプログラムや、媒体情報を取得した記録媒体が上述した精算不明状態であることを示す精算不明情報に関する情報などが記憶される。なお、メモリ22は、特許請求の範囲に記載の「記憶手段」の一例に相当し得る。
【0022】
また、図2に示すように、制御部21には、キー入力部23、表示部24、外部通信部25および電源制御部26などが制御可能に接続されている。キー入力部23は、外部に露出する複数の操作キーを備えており、操作キーの操作に応じた所定の情報を制御部21に対して出力するように構成されている。表示部24は、液晶モニタ等によって構成されており、制御部21からの表示処理に関する指示を受けて各種情報を表示するように動作する。外部通信部25は、制御部21により制御されて、精算不明情報や後述する集計情報等についてサーバ30との間で送受信可能に構成されている。電源制御部26は、バッテリ26aからの電力供給を受け、制御部21や各種電気部品に電力を供給している。
【0023】
また、制御部21には、情報コード読取部27およびICカード通信部28がそれぞれ制御可能に接続されている。
情報コード読取部27は、商品に付されたバーコード等の情報コードを光学的に読み取る機能を有するもので、画像認識モジュール27aを備えている。この画像認識モジュール27aは、照明光源や受光センサ(図略)等を備えており、照明光源からの照射光が情報コードにて反射され反射光が読取口を介して受光センサにて受光されると、この反射光に応じた受光信号を受光センサから制御部21に出力するように構成されている。制御部21では、この受光信号に基づいて情報コードの情報が取得されることとなる。なお、図2では、商品Gに表示されたバーコードBが、情報コード読取部27により光学的に読み取られる状態を例示している。なお、情報コード読取部27は、特許請求の範囲に記載の「取得手段」および「読取手段」の一例に相当し得る。
【0024】
ICカード通信部28は、ICカードリーダ制御部28aとICカードリーダ通信部28bとを備えている。ICカードリーダ制御部28aは、ICカードリーダ通信部28bを制御することで当該ICカードリーダ通信部28bおよびアンテナ29を介して、ICカードCとの間で電磁波による非接触通信(無線通信)を行ない、当該ICカードCに記憶される金銭情報を含めた媒体情報を読み書き可能に機能するものである。なお、ICカード通信部28は、特許請求の範囲に記載の「受信手段」の一例に相当し得る。
【0025】
サーバ30は、1または2以上の決済端末20における決済処理に関する情報を管理するコンピュータとして構成され、図1に示すように、当該サーバ30全体を制御する制御部31を備えている。この制御部31は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インターフェース等を有しており、メモリ32と協働して情報処理手段として機能する。
【0026】
メモリ32には、後述する集計処理等を実行可能な所定のプログラムや、各決済端末20から受信した精算不明情報を記録媒体ごとに区別して集計した集計情報の情報ファイルなどが記憶されている。また、サーバ30は、集計情報などについて各決済端末20との間で送受信するための通信部33を備えている。
【0027】
次に、本実施形態の特徴的構成について詳述する。
本実施形態では、上述したように減額後金銭情報を受信している途中でICカードCがアンテナ29から離されたことからICカードCの金銭情報が破損して決済不能となった場合であっても、この決済不能な状態を解消するために、決済端末20にて以下に示す決済処理を実施するとともに、サーバ30にて以下に示す集計処理を実施する。
【0028】
以下、決済端末20にて実施される決済処理およびサーバ30にて実施される集計処理について、図3図5を用いて説明する。なお、図3および図4は、決済端末20の制御部21にて実行される決済処理の流れを例示するフローチャートである。図5は、サーバ30の制御部31にて実行される集計処理の流れを例示するフローチャートである。なお、以下に示す例では、購入金額等のその商品に関する情報が記録されたバーコードBが付された商品Gを電子マネー利用可能なICカードCを利用して購入する場合について説明する。
【0029】
まず、決済端末20の制御部21にて実行される決済処理のうち、通常の決済の流れと精算不明状態の発生までの流れとについて、図3に示すフローチャートを用いて詳述する。
決済端末20が作動状態になり、制御部21により決済処理が開始されると、図3のステップS101に示す判定処理がなされ、サーバ30から後述する集計情報を受信したか否かについて判定される。ここで、集計情報を受信していなければ(S101でNo)、ステップS105に示す判定処理がなされ、購入商品の支払いに関する支払情報が取得されたか否かについて判定される。ここで、支払情報を取得指定なければ(S105でNo)、上記ステップS101からの処理が繰り返される。
【0030】
ステップS101,S105でのNoとの繰り返し判定中に、後述するようにサーバ30から送信される集計情報を受信すると(S101でYes)、ステップS103に示す集計情報更新処理がなされる。この処理では、受信した集計情報に応じてメモリ22に記憶された集計情報の情報ファイルが最新の状態に更新される。そして、上記ステップS105以降の処理がなされる。
【0031】
また、ステップS101,S105でのNoとの繰り返し判定中に、購入対象の商品Gに付されているバーコードBが情報コード読取部27を用いて光学的に読み取られることで支払情報が取得されると(S105でYes)、ステップS107に示す媒体情報取得処理がなされる。この処理では、商品Gの購入に利用されるICカードCの媒体情報を読み取るための処理がなされ、当該ICカードCを特定するカード番号や金銭情報等を取得するための処理がなされる。そして、ステップS109に示す判定処理にて、媒体情報の取得が成功したか否かについて判定され、媒体情報が取得されない状態(S109でNo)が一定時間継続すると、ステップS111に示す判定処理にてタイムアウトと判定されて(S111でYes)、再度、上記ステップS101からの処理がなされる。
【0032】
一方、ICカードCがアンテナ29にかざされることで、当該ICカードCに記録される媒体情報がICカード通信部28を用いて取得されると(S109でYes)、ステップS113に示す判定処理にて、ICカードCの金銭情報が決済不能な情報であるか否かについて判定される。ここで、取得した媒体情報の金銭情報が破損等しておらず決済可能(有効)な情報である場合には、ステップS113にてNoと判定される。なお、ステップS113に示す処理を実行する制御部21は、特許請求の範囲に記載の「第2判定手段」の一例に相当し得る。
【0033】
次に、ステップS115に示す減額後金銭情報生成処理がなされ、受信した有効な金銭情報を取得した支払情報に応じて減額するように計算し、この減額計算結果に基づいて減額後金銭情報が生成される。続いて、ステップS117に示す更新情報送信処理がなされる。この処理では、上述のように生成した減額後金銭情報を含めた更新情報がICカード通信部28によりICカードCに対して送信される。なお、ステップS117に示す処理を実行する制御部21は、特許請求の範囲に記載の「第1送信手段」の一例に相当し得る。
【0034】
その後、ICカードCにおいて、受信した更新情報に応じて金銭情報が減額後金銭情報に減額されるように媒体情報が更新されると、当該ICカードCから媒体情報の更新が完了したことを示す更新完了情報が決済端末20に向けて送信される。このように送信される更新完了情報がICカード通信部28により受信されると(S119でYes)、制御部21によりICカードCを利用した決済処理の完了が認識される。その後、上述したステップS101からの処理が繰り返される。なお、ステップS119に示す処理を実行する制御部21は、特許請求の範囲に記載の「第1判定手段」の一例に相当し得る。
【0035】
一方、更新情報の送信から所定時間経過しても更新完了情報が受信されない場合には(S119でNo)、ステップS121に示す精算不明情報生成処理がなされる。この処理では、アンテナ29を介してICカードCから媒体情報を受信した直後に当該ICカードCがアンテナ29から離されたために、上述した精算不明状態が生じているとして、当該減額後金銭情報の減額前の金銭情報である減額前金銭情報と当該ICカードCのカード番号とを含めるように精算不明情報が生成される。例えば、残高が1000円で100円の商品を購入する際に更新完了情報が受信されない場合には、上記精算不明情報として、減額前金銭情報は、減額前の残高そのものである1000円に設定される。
【0036】
続いて、ステップS123に示す精算不明情報送信処理がなされ、上述のように生成された精算不明情報がサーバ30に対して送信される。すなわち、ICカードCの金銭情報が決済不能な情報であり金銭情報が破損している可能性がある場合には、常に当該ICカードCの上記情報が精算不明情報としてサーバ30に対して送信されることとなる。そして、上述したステップS101以降の処理がなされる。なお、ステップS121に示す処理を実行する制御部21は、特許請求の範囲に記載の「生成手段」の一例に相当し、ステップS123に示す処理を実行する制御部21は、特許請求の範囲に記載の「第2送信手段」の一例に相当し得る。
【0037】
次に、サーバ30の制御部31にて実行される集計処理のうち集計情報の更新の流れおよび集計情報の送信の流れについて、図5に示すフローチャートを用いて詳述する。
サーバ30の制御部31により集計処理が開始されると、図5のステップS201に示す判定処理がなされて、精算不明情報を受信しているか否かについて判定され、いずれかの決済端末20から精算不明情報を受信するまでNoと判定される。そして、ステップS207に示す判定処理がなされて、いずれかの決済端末20から後述する削除情報を受信するまでNoと判定される。すなわち、精算不明情報および削除情報のいずれかが受信されるか、本集計情報送信を終了させるための所定の操作がなされるまで、ステップS201,S207,S213にてNoとの判定が繰り返される。
【0038】
そして、いずれかの決済端末20から送信される精算不明情報が通信部33を介して受信されると(S201でYes)、ステップS203に示す情報追加処理がなされる。この処理では、既にメモリ32に記憶されている集計情報の情報ファイルに対して、受信した精算不明情報に含まれるカード番号および減額前金銭情報等の情報が新たに追加されるように、集計情報の情報ファイルが更新(生成)される。このように、精算不明情報が受信されるごとに集計情報の情報ファイルが更新されるので、当該集計情報は、全ての決済端末20にて発生した精算不明状態を反映して集計した最新の情報となる。
【0039】
続いて、ステップS205に示す集計情報送信処理がなされる。この処理では、上述のように更新(生成)されている集計情報が、管理対象の各決済端末20に対してそれぞれ送信される。すなわち、いずれかの決済端末20での処理にてICカードCの金銭情報が決済不能な情報になると(S119でNo)、その精算時点での当該ICカードCの減額前金銭情報等が精算不明情報としてサーバ30に送信されて(S123)、この精算不明情報を追加等した集計情報が各決済端末20に対してそれぞれ送信されるため(S205)、各決済端末20のメモリ22に記憶される集計情報の情報ファイルが、常に最新の状態に保たれることとなる。
【0040】
次に、決済端末20の制御部21にて実行される決済処理のうち、決済不能な金銭情報が記録されたカードIC、すなわち、残高情報が破損しているICカードCが利用された場合の流れについて、図3および図4に示すフローチャートを用いて詳述する。
上述したステップS113において、ICカードCの金銭情報が決済不能な情報であることからYesと判定されると、図4のステップS125に示す精算前金銭情報取得処理がなされる。この処理では、メモリ22に記憶されている集計情報の情報ファイルから、ステップS107にて取得したカード番号に対応する精算前金銭情報が読み出されて取得される。
【0041】
続いて、ステップS127に示す減額後金銭情報生成処理がなされる。この処理では、上記ステップS125にて取得した精算前金銭情報を上記ステップS105にて取得した支払情報に応じて減額するように計算し、この減額計算結果に基づいてが減額後金銭情報が生成される。例えば、集計情報の精算前金銭情報が1000円であり、支払情報が200円であれば、減額計算結果である800円が減額後金銭情報として生成される。
【0042】
このように減額後金銭情報が生成されると、ステップS129に示す更新情報送信処理がなされる。この処理では、上述のように生成した減額後金銭情報を含めた更新情報がICカード通信部28によりICカードCに対して送信される。これにより、ICカードCにおいて、受信した更新情報に応じて金銭情報が減額後金銭情報に減額されるように媒体情報が上書き更新されて、金銭情報が決済可能な状態となり、ICカードCの金銭情報が決済不能である状態が解消されることとなる。
【0043】
続いて、ステップS131に示す削除情報送信処理がなされる。この処理では、各決済端末20のメモリ22に記憶されている集計情報の情報ファイルから上述のように金銭情報が決済不能である状態が解消されたICカードCに関する情報を取り除くための削除情報が、サーバ30に対して送信される。その後、上述したステップS119以降の処理がなされる。なお、ステップS131に示す処理を実行する制御部21は、特許請求の範囲に記載の「削除情報送信手段」の一例に相当し得る。
【0044】
次に、サーバ30の制御部31にて実行される集計処理のうち集計情報の情報ファイルの一部削除の流れについて、図5に示すフローチャートを用いて詳述する。
いずれかの決済端末20から送信される削除情報が通信部33を介して受信されると、ステップS207にてYesと判定されて、ステップS209に示す情報削除処理がなされる。この処理では、既にメモリ32に記憶されている集計情報の情報ファイルから、受信した削除情報に含まれるカード番号に関連する情報が削除されるように、集計情報の情報ファイルが更新(生成)される。
【0045】
続いて、ステップS211に示す集計情報送信処理がなされ、上述のように更新(生成)されている集計情報が、管理対象の各決済端末20に対してそれぞれ送信される。これにより、各決済端末20のメモリ22に記憶される集計情報の情報ファイルから上述のように金銭情報が決済不能である状態が解消されたICカードCに関する情報を取り除くことができる。
【0046】
以上説明したように、本実施形態に係る決済システム10では、決済端末20にて、情報コード読取部27により支払情報が取得され、ICカードCの媒体情報が受信されると、減額後金銭情報を含めた更新情報がICカード通信部28によりICカードCに送信される。そして、更新情報の送信後に更新完了情報を受信していないと判定されると、精算不明情報が生成されて外部通信部25によりサーバ30に送信される。サーバ30により各決済端末20からの精算不明情報を集計して集計情報が生成されると、当該集計情報が各決済端末20にそれぞれ送信されてメモリ22に記憶される。そして、金銭情報が決済不能な情報であると判定されると、当該ICカードCに対して、メモリ22の対応する精算不明情報の減額前金銭情報を支払情報に応じて減額して減額後金銭情報を生成しこの減額後金銭情報を含めた更新情報が、ICカード通信部28によりICカードCに送信される。
【0047】
これにより、ICカードCから媒体情報を受信した直後に当該ICカードCが決済端末20のアンテナ29等から離される場合、すなわち、金銭情報が決済不能な情報であり金銭情報が破損している可能性がある場合には、精算不明情報が生成されてサーバ30に送信され、サーバ30にて精算不明情報が集計された集計情報が各決済端末20のメモリ22に記憶されるので、各決済端末20にて精算不明情報を共有することができる。そして、金銭情報が決済不能であるICカードCがいずれかの決済端末20で使用されると、その決済端末20のメモリ22の対応する精算不明情報の減額前金銭情報を支払情報に応じて減額して減額後金銭情報が生成されて、この減額後金銭情報がICカードCに上書きされる。すなわち、金銭情報が破損したICカードCを再度決済端末20にて使用するだけで、ICカードCの金銭情報が決済不能である状態を解消することができる。特に、減額前金銭情報から減額するので、二重精算による損害をICカードCの所持者が被ることもない。
したがって、決済用の記録媒体の金銭情報が破損したために決済不能となる状態をなくすことができる。
【0048】
また、ステップS113に示す判定処理により金銭情報が決済不能な情報であると判定されたICカードCに更新情報が送信されると(S129)、当該ICカードCに対応する精算不明情報を集計情報から削除するための削除情報が、ステップS131に示す削除情報送信処理によりサーバ30に送信される。
【0049】
金銭情報が決済不能な情報であると判定されたICカードCの金銭情報が再び決済可能な状態になると、集計情報のうち上記ICカードCに対応する精算不明情報は、不要な情報となる。そこで、このような場合には上記削除情報をサーバ30に送信することで、不要となった精算不明情報を迅速に削除することができる。
【0050】
特に、情報コード読取部27は、商品Gに付されたバーコードB等の情報コードからの反射光に基づいて当該情報コードに記録されている支払情報を光学的に読み取る読取手段であるため、例えば、支払情報を取得するためのキー入力操作をその都度実施する場合と比較して、支払情報を容易に取得することができる。
【0051】
[第2実施形態]
次に、本第2実施形態に係る決済システムについて、図6を参照して説明する。図6は、第2実施形態において決済端末20の制御部21にて実行される決済処理の流れを例示するフローチャートの一部である。
本第2実施形態では、より実情に沿うように金銭情報の決済不能状態を解消するため、上述した決済処理について図3および図4に示すフローチャートに代えて図3および図6に示すフローチャートに基づいて演算処理する点が、上記第1実施形態に係る決済システムと主に異なる。したがって、第1実施形態の決済システムと実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0052】
以下、本実施形態において決済端末20の制御部21にて実行される決済処理について、図3および図6に示すフローチャートを参照して説明する。
本実施形態における決済処理では、図3のステップS121に示す精算不明情報生成処理において、精算不明情報は、減額前金銭情報およびカード番号に加えて、減額後金銭情報と、当該精算不明情報が生成される生成日時情報とを含めるように生成される。これにより、各決済端末20のメモリ22に記憶される集計情報の情報ファイルには、精算不明情報として、カード番号、減額前金銭情報、減額後金銭情報および生成日時情報が含まれることとなる。
【0053】
そして、金銭情報が決済不能な状態のICカードCが使用されたことから図3のステップS113にてYesと判定されると、図6のステップS301に示す精算不明情報取得処理がなされる。この処理では、メモリ22に記憶されている集計情報の情報ファイルから、ステップS107にて取得したカード番号に対応する精算不明情報、すなわち、減額前金銭情報、減額後金銭情報および生成日時情報が読み出されて取得される。
【0054】
次に、ステップS303に示す判定処理がなされ、商品購入時に利用したICカードCの金銭情報が決済不能な情報になった直後に同じ商品に対して同じICカードCを利用した支払いか、すなわち、再精算の支払いであるか否かについて判定される。
【0055】
ここで、ステップS105にて取得した支払額が上記ステップS301にて取得した減額前金銭情報から減額後金銭情報を減額した値である減額値に一致し、取得した生成日時からの経過時間が所定期間内である場合、例えば、数秒〜数十秒程度である場合には、再精算の支払いであると判定されて(S303でYes)、ステップS305に示す再精算用減額後金銭情報生成処理がなされる。
【0056】
この処理では、商品購入時に利用したICカードCの金銭情報が決済不能になった直後の再精算の支払いであることから、上記ステップS301にて取得した減額前金銭情報を、取得した支払情報に応じて減額するように計算し、この減額計算結果に基づいて減額後金銭情報が新たに生成される。金銭情報が破損してからの経過日時が上記所定期間内のICカードCが使用される場合には、他の精算が行われている可能性が低く、すなわち、再精算である可能性が高く、減額値に応じた商品またはサービスが未だ提供されていない可能性が高いことから、二重精算による損害を防止するため、減額前金銭情報から減額して減額後金銭情報を生成する。そして、上記ステップS129に示す更新情報送信処理がなされ、上述のように集計情報の情報ファイルの減額前金銭情報に基づいて生成された減額後金銭情報を含めた更新情報が、ICカード通信部28によりICカードCに対して送信されることで、ICカードCの金銭情報が決済不能である状態が解消される。
【0057】
また、ステップS105にて取得した支払額が上記ステップS301にて取得した減額前金銭情報から減額後金銭情報を減額した値である減額値に一致しないか、取得した生成日時からの経過時間が所定期間内でない場合、例えば、数日後である場合には、再精算の支払いでないと判定されて(S303でNo)、ステップS307に示す別精算用減額後金銭情報生成処理がなされる。
【0058】
この処理では、金銭情報が決済不能になったときの前回の精算(他の精算)にて既に商品またはサービスが既に提供されている可能性が高いとして、上記ステップS301にて取得した減額後金銭情報を、取得した支払情報に応じて減額するように計算し、この減額計算結果に基づいて減額後金銭情報が新たに生成される。そして、上記ステップS129に示す更新情報送信処理がなされ、上述のように集計情報の情報ファイルの減額後金銭情報に基づいて生成された減額後金銭情報を含めた更新情報が、ICカード通信部28によりICカードCに対して送信されることで、ICカードCの金銭情報が決済不能である状態が解消される。
【0059】
以上説明したように、本実施形態に係る決済システム10では、ステップS113に示す判定処理により金銭情報が決済不能な情報であると判定されると、当該ICカードCに対して、メモリ22の対応する精算不明情報の生成日時からの経過日時が所定期間内であって支払額が上記減額値に一致する場合に、当該精算不明情報の減額前金銭情報を支払情報に応じて減額して減額後金銭情報を生成しこの減額後金銭情報を含めた更新情報がICカード通信部28により送信される。また、精算不明情報の生成日時からの経過日時が上記所定期間を超える場合または支払額が上記減額値に一致しない場合には、当該精算不明情報の減額後金銭情報を支払情報に応じて減額して減額後金銭情報を生成しこの減額後金銭情報を含めた更新情報がICカード通信部28により送信される。
【0060】
このように、金銭情報が破損してからの経過日時が上記所定期間を超えたICカードCが使用される場合には、他の精算にて再度金銭情報が破損されている可能性が高く、減額値に応じた商品またはサービスが既に提供されている可能性が高いため、減額前金銭情報ではなく減額後金銭情報から減額することで、より実情に沿うように金銭情報の決済不能状態を解消することができる。一方、金銭情報が破損してからの経過日時が上記所定期間内のICカードCが使用される場合には、他の精算が行われている可能性が低く、減額値に応じた商品またはサービスが未だ提供されていない可能性が高いため、減額前金銭情報から減額することで、二重精算による損害の防止を重視して金銭情報の決済不能状態を解消することができる。
【0061】
なお、ステップS303における判定処理では、上記減額値を考慮することなく、生成日時情報のみに基づいて再精算の支払いであるか否かを判定してもよい。
【0062】
[第3実施形態]
次に、本第3実施形態に係る決済システムについて、図7および図8を参照して説明する。図7は、第3実施形態において決済端末20の制御部21にて実行される決済処理の流れを例示するフローチャートの一部である。図8は、第3実施形態においてサーバ30の制御部31にて実行される集計処理の流れを例示するフローチャートである。
【0063】
本第3実施形態では、不正目的で金銭情報を破損させた記録媒体を検知するため、上述した決済処理について図3および図4に示すフローチャートに代えて図3および図7に示すフローチャートに基づいて演算処理するとともに、上述した集計処理について図5に示すフローチャートに代えて図8に示すフローチャートに基づいて演算処理する点が、上記第1実施形態に係る決済システムと主に異なる。したがって、第1実施形態の決済システムと実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0064】
まず、本実施形態においてサーバ30の制御部31にて実行される集計処理について、図8に示すフローチャートを参照して説明する。
本実施形態における集計処理では、削除情報を受信して(図8のS207でYes)、ステップS209に情報削除処理がなされた後に、ステップS501に示すカウント処理がなされる。この処理では、上記ステップS209にて集計情報の情報ファイルから情報が削除されたICカードCのカード番号について、金銭情報が決済不能な情報であると判定される回数(以下、決済不能回数Nという)がカウントされ、このカウントが上記ステップS209にて更新(生成)された集計情報の情報ファイルに反映される。
【0065】
例えば、初めて金銭情報が決済不能になったICカードCのカード番号について、N=1が設定されると、この決済不能回数N=1と対応するカード番号とが上記精算不明情報と別に蓄積されるように集計情報が更新される。また、例えば、金銭情報が決済不能になった回数が2回目のICカードCのカード番号について、N=2が設定されると、この決済不能回数N=2と対応するカード番号とが上記精算不明情報と別に蓄積されるように集計情報が更新される。なお、ステップS501に示す処理を実行する制御部21は、特許請求の範囲に記載の「カウント手段」の一例に相当し得る。
【0066】
このように決済不能回数Nが上記精算不明情報と別に蓄積されるように集計情報が更新されると、ステップS503に示す集計情報送信処理がなされ、この決済不能回数Nを含む集計情報が、管理対象の各決済端末20に対してそれぞれ送信される。すなわち、いずれかの決済端末20でICカードCの金銭情報が決済不能な情報になり(S119でNo)、その削除情報がサーバ30にて受信されると(S207でYes)、決済不能回数Nがカウントされた集計情報が各決済端末20に対してそれぞれ送信されるため(S503)、各決済端末20のメモリ22には、常に最新の決済不能回数Nが記憶されることとなる。
【0067】
次に、本実施形態において決済端末20の制御部21にて実行される決済処理について、図3および図7に示すフローチャートを参照して説明する。
本実施形態における決済処理では、上述のように決済不能回数Nがカウントされた集計情報がサーバ30から送信されてこの集計情報を受信すると(図3のS101でYes)、ステップS103に示す集計情報更新処理において、受信した決済不能回数N等を含む集計情報に応じて、メモリ22に記憶された集計情報の情報ファイルが最新の状態に更新される。
【0068】
そして、金銭情報が決済不能な状態のICカードCが使用されたことからステップS113にてYesと判定されると、図7のステップS401に示す判定処理がなされ、そのカード番号に対応する決済不能回数Nが所定回数Ntを超えるか否かについて判定される。ここで、所定回数Ntは、例えば、3回に設定されており、使用環境等に応じて任意の値に設定することができる。
【0069】
金銭情報が決済不能な状態で使用されたICカードCのカード番号に対応してメモリ22に記憶される決済不能回数Nが所定回数Nt以下であれば(S401でNo)、上記ステップS125以降の処理がなされる。なお、初めて金銭情報が決済不能になったICカードCでは、そのカード番号について決済不能回数Nが設定されていないため、その場合にもステップS401にてNoと判定される。
【0070】
一方、金銭情報が決済不能な状態で使用されたICカードCのカード番号に対応してメモリ22に記憶される決済不能回数Nが所定回数Ntを越えると(S401でYes)、ステップS403に示す警告処理がなされる。この処理では、金銭情報が決済不能な状態で使用されたICカードCの使用回数(決済不能回数N)が所定回数(Nt)を越えておりそのICカードCが使用不能になったことが表示部24に表示されて警告(報知)される。なお、表示部24は、特許請求の範囲に記載の「報知手段」の一例に相当し得る。
【0071】
このように、本実施形態に係る決済システム10では、ステップS113に示す判定処理により金銭情報が決済不能な情報であると判定される決済不能回数Nが所定回数Ntを超えるとその旨が表示部24により表示されて報知される。これにより、不正目的でICカードCの金銭情報を破損させても、その破損回数、すなわち決済不能回数Nが上記所定回数Ntを超えるとその旨が報知されるので、不正目的で金銭情報を破損させたICカードCを容易に検知して使用不能にすることができる。
【0072】
なお、上記警告処理では、表示部24により表示されて報知されることに限らず、決済端末20に採用される他の報知可能な手段を用いて報知してもよいし、その旨をサーバ30に送信してサーバ30を利用して報知してもよい。
【0073】
なお、カウントした決済不能回数Nが所定回数Ntを超える場合にその旨が報知される構成は、他の実施形態に適用されてもよい。
【0074】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)本発明に係る決済端末は、携帯型の端末に適用されることに限らず、据え置き型の端末に適用されてもよい。また、決済端末は、携帯型の端末のように決済端末として必要な構成要素が1つの筐体に収容されることに限らず、例えば、POSレジスターとその上位機器とのように、決済端末として必要な構成要素が分離するように構成されてもよい。
【0075】
(2)また、決済端末は、情報コード読取部27を有しない端末に適用されてもよい。この場合には、支払いに関する支払情報を、例えば、非接触通信手段を用いて商品等に付されたRFIDタグと非接触通信することで取得してもよいし、キー入力部のキー操作等に応じて取得してもよい。なお、RFIDタグとしては、例えば、食堂などのオートレジで採用される食器に付されるRFIDタグがあげられる。
【符号の説明】
【0076】
10…決済システム
20…決済端末
21…制御部(第1送信手段,第1判定手段,生成手段,第2送信手段,第2判定手段,削除情報送信手段,カウント手段)
22…メモリ(記憶手段)
25…外部通信部
27…情報コード読取部(取得手段,読取手段)
28…ICカード通信部(受信手段)
29…アンテナ
30…サーバ
31…制御部
C…ICカード(記録媒体)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8