【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成23年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「生活支援ロボット実用化プロジェクト 安全技術を導入した移動作業型(自律が中心)生活支援ロボットの開発」に係る委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
計測対象領域内を走行移動自在な走行車と、前記走行車の走行を制御する走行制御部と、前記計測対象領域内での前記走行車の位置及び前記計測対象領域内における複数の干渉物の位置を計測する位置計測部と、が設けられ、
前記走行制御部が、前記位置計測部によって計測された前記計測対象領域における前記走行車及び複数の前記干渉物の位置情報に基づいて、前記走行車の走行を制御するように構成された走行車制御システムであって、
前記走行車の走行方向前方側における前記干渉物の存在を検出する存否検出部が設けられ、
前記走行制御部は、前記存否検出部の検出情報に基づいて、干渉物との干渉を回避すべく走行車の走行を制御するように構成され、
前記位置計測部は、前記計測対象領域を複数の区分領域に区分して管理するように構成され、かつ、前記区分領域における前記干渉物の存在個数である領域内干渉物個数を、前記複数の区分領域の夫々について各別に管理するように構成され、
前記走行制御部は、複数の走行モードのいずれかの走行モードにより前記走行車の走行を制御するように構成され、かつ、前記位置計測部の計測情報に基づいて、前記領域内干渉物個数が設定上限個数を超過している混雑状態であるか否かを前記複数の区分領域の夫々について各別に判別し、
前記走行制御部が、前記走行車を前記混雑状態でないと判別した前記区分領域において走行させる場合には、前記走行モードとして通常走行モードを設定し、前記走行車を前記混雑状態であると判別した前記区分領域において走行させる場合には前記走行モードとして混雑領域用走行モードを設定するように構成され、
前記走行制御部が、前記混雑領域用走行モードとして、前記走行車の上限走行速度を、前記通常走行モードにおける上限走行速度よりも遅い混雑用上限走行速度に設定するように構成されている走行車制御システム。
前記位置計測部が、位置計測用の無線信号である測位用無線信号を出力自在でかつ前記走行車及び複数の前記干渉物の夫々に装備された無線タグ、同時に1つの前記無線タグからの前記測位用無線信号のみを受信可能な形態で前記計測対象領域に存在する複数の前記無線タグからの前記測位用無線信号を受信自在に構成された受信部、及び、前記受信部の受信情報に基づいて1つの前記無線タグの位置を算出するために設定処理時間を要する形態で前記無線タグの前記計測対象領域における位置を算出する位置算出部を備えて、前記走行車及び前記干渉物の前記計測対象領域における位置を計測する位置計測処理を処理時間ごとに繰り返し実行することで、前記走行車及び複数の前記干渉物の夫々の位置を前記処理時間ごとに計測するように構成されている請求項1又は2に記載の走行車制御システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これらの位置計測部は、複数の干渉物の数が多くなると、それら複数の干渉物すべての位置を計測するための処理に要する時間が長くなる傾向があるため、一つの干渉物に注目すると、前回の位置計測が行われてから次の位置計測が行われるまでの時間(計測サイクル時間)が長くなる虞がある。干渉物が作業者や搬送される物品等である場合には、位置計測が行われてから次の位置計測が行われるまで当該干渉物が移動する可能性があるので、計測された位置が実際の干渉物の位置からずれた位置となってしまうことが考えられる。その為、上記のように計測サイクル時間が長くなると、計測結果と実際の位置とのずれが大きくなる虞があり、走行車及び干渉物の位置を適切に管理できない虞があった。そして、このような状態で走行車を走行させると、予期しない位置に走行車又は干渉物が存在する可能性があり、走行車と干渉物との干渉を適切に回避できない虞があった。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、計測対象領域に存在する干渉物の数量が多い場合でも、走行車と干渉物との干渉を極力回避することが可能な走行車制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る走行車制御システムの第1特徴構成は、計測対象領域内を走行移動自在な走行車と、前記走行車の走行を制御する走行制御部と、前記計測対象領域内での前記走行車の位置及び前記計測対象領域内における複数の干渉物の位置を計測する位置計測部と、が設けられ、前記走行制御部が、前記位置計測部によって計測された前記計測対象領域における前記走行車及び複数の前記干渉物の位置情報に基づいて、前記走行車の走行を制御するように構成された走行車制御システムであって、
前記走行車の走行方向前方側における前記干渉物の存在を検出する存否検出部が設けられ、前記走行制御部は、前記存否検出部の検出情報に基づいて、干渉物との干渉を回避すべく走行車の走行を制御するように構成され、
前記位置計測部は、前記計測対象領域を複数の区分領域に区分して管理するように構成され、かつ、前記区分領域における前記干渉物の存在個数である領域内干渉物個数を、前記複数の区分領域の夫々について各別に管理するように構成され、前記走行制御部は、複数の走行モードのいずれかの走行モードにより前記走行車の走行を制御するように構成され、かつ、前記位置計測部の計測情報に基づいて、前記領域内干渉物個数が設定上限個数を超過している混雑状態であるか否かを前記複数の区分領域の夫々について各別に判別し
、前記走行制御部が、前記走行車を前記混雑状態でないと判別した前記区分領域において走行させる場合には、前記走行モードとして通常走行モードを設定し、前記走行車を前記混雑状態であると判別した前記区分領域において走行させる場合には前記走行モードとして混雑領域用走行モードを設定するように構成され
、
前記走行制御部が、前記混雑領域用走行モードとして、前記走行車の上限走行速度を、前記通常走行モードにおける上限走行速度よりも遅い混雑用上限走行速度に設定するように構成されている点にある。
【0008】
すなわち、走行制御部は、位置計測部の計測情報に基づいて、複数の区分領域の夫々の領域内干渉物個数が設定上限個数であるか否かを判別して、区分領域ごとの混雑常態を把握できる。そして、領域内干渉物個数が多いために混雑状態であると判別された区分領域については、走行モードとして混雑領域用走行モードを設定するので、混雑状態にある区分領域における走行車の走行モードを混雑状態にふさわしい走行モードに切り換えて混雑状態にある区分領域での走行車と干渉物の干渉を適切に回避することができる。
したがって、計測対象領域に存在する干渉物の数量が多い場合でも、走行車と干渉物との干渉を適切に回避することが可能な走行車制御システムを提供できるものとなる。
【0010】
また、混雑状態でないと判別された区分領域については、走行モードとして通常走行モードを設定するので、混雑状態でないために走行車と干渉物とが干渉する可能性が低い区分領域については、走行車を通常通り走行させることができる。
したがって、複数の区分領域夫々が混雑状態にあるか否かによって、適切な走行モードを設定することが可能な走行車制御システムを提供できる。
また、混雑状態が発生している区分領域を走行車が走行する場合、走行車の予定走行経路上に干渉物が存在する確率が高い。このため、走行車を混雑状態が発生している区分領域で走行させると、混雑状態が発生していない区分領域で走行させる場合に比べて、走行車と干渉物とが干渉する可能性が高くなる。本特徴構成によれば、混雑状態が発生している区分領域においては走行車の上限走行速度を通常走行モードにおける上限走行速度よりも遅い混雑用上限走行速度とするから、混雑状態が発生している区分領域での走行車と干渉物の干渉を適切に回避することができる。
【0011】
本発明に係る走行車制御システムの第
2特徴構成は、
計測対象領域内を走行移動自在な走行車と、前記走行車の走行を制御する走行制御部と、前記計測対象領域内での前記走行車の位置及び前記計測対象領域内における複数の干渉物の位置を計測する位置計測部と、が設けられ、
前記走行制御部が、前記位置計測部によって計測された前記計測対象領域における前記走行車及び複数の前記干渉物の位置情報に基づいて、前記走行車の走行を制御するように構成された走行車制御システムであって、
前記走行車の走行方向前方側における前記干渉物の存在を検出する存否検出部が設けられ、
前記走行制御部は、前記存否検出部の検出情報に基づいて、干渉物との干渉を回避すべく走行車の走行を制御するように構成され、
前記位置計測部は、前記計測対象領域を複数の区分領域に区分して管理するように構成され、かつ、前記区分領域における前記干渉物の存在個数である領域内干渉物個数を、前記複数の区分領域の夫々について各別に管理するように構成され、
前記走行制御部は、複数の走行モードのいずれかの走行モードにより前記走行車の走行を制御するように構成され、かつ、前記位置計測部の計測情報に基づいて、前記領域内干渉物個数が設定上限個数を超過している混雑状態であるか否かを前記複数の区分領域の夫々について各別に判別し、
前記走行制御部が、
前記混雑状態であると判別した前記区分領域において前記走行車を走行させる場合、及び、前記混雑状態であると判別
した前記区分領域に隣接する前記区分領域であっ
て前記混雑状態でないと判別
した前記区分領域において前記走行車を走行させる場合には、前記走行モードとして混雑領域用走行モードを設定
し、前記混雑状態でないと判別した前記区分領域であって前記混雑状態であると判別した前記区分領域に隣接する前記区分領域を除く前記区分領域において前記走行車を走行させる場合には、前記走行モードとして通常走行モードを設定するように構成され、
前記走行制御部が、前記混雑領域用走行モードとして、前記走行車の上限走行速度を、前記通常走行モードにおける上限走行速度よりも遅い混雑用上限走行速度に設定するように構成されている点にある。
【0012】
すなわち、混雑状態である区分領域では、走行車を混雑領域用走行モードで走行させるのであるが、混雑状態であると判別した区分領域との間で設定条件を満たしたと判別した区分領域でも、混雑状態でないものの、走行車の走行モードを混雑状態にふさわしい走行モードに切り換えることになる。設定条件として、例えば、混雑状態の区分領域に隣接するという条件を設定すれば、混雑状態ではないものの、混雑状態である区分領域から干渉物が移動してくる等の事象によって混雑状態に遷移する虞のある区分領域についても混雑状態にふさわしい走行モードで走行させることができる。このように、干渉物の数量が多い計測対象領域が存在する場合に、走行車と干渉物との干渉をより適切に回避することが可能な走行車制御システムを提供できる。
【0017】
本発明に係る走行車制御システムの第
3特徴構成は、上記第1
又は2のいずれかの特徴構成に加えて、前記位置計測部が、位置計測用の無線信号である測位用無線信号を出力自在でかつ前記走行車及び複数の前記干渉物の夫々に装備された無線タグ、同時に1つの前記無線タグからの前記測位用無線信号のみを受信可能な形態で前記計測対象領域に存在する複数の前記無線タグからの前記測位用無線信号を受信自在に構成された受信部、及び、前記受信部の受信情報に基づいて1つの前記無線タグの位置を算出するために設定処理時間を要する形態で前記無線タグの前記計測対象領域における位置を算出する位置算出部を備えて、前記走行車及び前記干渉物の前記計測対象領域における位置を計測する位置計測処理を処理時間ごとに繰り返し実行することで、前記走行車及び複数の前記干渉物の夫々の位置を前記処理時間ごとに計測するように構成されている点にある。
【0018】
すなわち、走行車及び複数の干渉物の夫々に装備された無線タグからの測位用無線信号に基づいて走行車及び複数の干渉物の夫々の位置を計測する構成とする場合、計測対象領域に存在する複数の無線タグからの測位用無線信号を受信する受信部は、同時に1つの無線タグからの測位用無線信号のみを受信可能に構成されるものであり、無線タグの計測対象領域における位置を算出する位置算出部は、受信部の受信情報に基づいて1つの無線タグの位置を算出するために設定処理時間を要するものであるから、無線タグの数量が多いほど、計測対象領域に存在する複数の無線タグすべての位置を計測するのに要する時間が長くなる。
【0019】
そして、位置計測部は、位置計測処理を処理時間ごとに繰り返し実行することで、各無線タグの最新の位置情報を更新して管理するのであるが、計測対象領域に存在する複数の無線タグすべての位置を計測するのに要する時間が長くなるほど、管理している無線タグの位置情報と実際の無線タグの位置との間にずれが生じる可能性が大きくなる。
このような位置計測部において、混雑常態が発生すると、管理している無線タグの位置情報と実際の無線タグの位置との間にずれが存在するために、走行車の位置と干渉物の位置とを適切に管理できなくなり、走行車と干渉物とが干渉する事態を適切に回避できない虞がある。そこで、上記のように無線式の位置計測部を備える場合において、上記第1〜第3特徴構成のような走行車制御システムを用いることによって、混雑常態となった区分領域においても、走行車と干渉物との干渉を適切に回避することが可能となる。
【0020】
本発明に係る走行車制御システムの第
4特徴構成は、上記第
3特徴構成に加えて、
前記受信部が、複数の無線受信装置にて構成され、前記区分領域が、複数の前記無線受信装置の受信対象領域として設定される区分受信領域であり、前記位置算出部は、前記区分受信領域ごとに、前記干渉物の前記区分受信領域ごとにおける前記走行車及び前記干渉物の位置を算出するように構成されている点にある。
【0021】
すなわち、
区分領域が複数の無線受信装置の受信対象領域として設定された区分受信領域であるから、無線タグからの測位用無線信号を複数の無線受信装置にて受信対象領域ごとに受信し、その測位用無線信号に基づいて、区分受信領域ごとの無線タグの個数を適切に算出することができる。
【0022】
本発明に係る走行車制御システムの第
5特徴構成は、上記第
1〜第4のいずれかの特徴構成に加えて、
前記干渉物が、前記計測対象領域内を移動する移動体である点にある。
【0023】
すなわち、
干渉物が計測対象領域内を移動する移動体である場合、複数の移動体全ての位置計測を行うために要する計測サイクル時間が長くなると、管理している無線タグの位置情報と実際の無線タグの位置との間にずれが生じる虞があり、走行車の位置と干渉物の位置とを適切に管理できない虞がある。
本特徴構成によれば、干渉物の移動によって管理している無線タグの位置情報と実際の無線タグの位置との間にずれが生じた場合であっても、走行車が混雑状態であると判別した区分領域を走行しようとする場合には、走行モードとして混雑領域用走行モードを設定するから、走行車と移動体との干渉を適切に回避することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、物品搬送設備には、走行経路Lの側脇に設けられた物品移載箇所としての複数のステーションS、複数のステーションSに亘る走行経路Lに沿って床面上を走行自在な物品搬送台車1とが設けられている。そして、物品搬送台車1が走行経路Lに沿って自律走行して複数のステーションS間で物品(パレット及びこれに載置支持された荷)を搬送するようになっている。
また、物品搬送設備では、外部から進入した作業者2が床面上を歩行しているとともに、搭乗した運転者の操縦によりフォークリフト3が床面上を自由に走行している。
なお、
図1では、走行経路Lを実線で図示しているが、これは物品搬送台車1が走行すべき仮想的な走行経路を示しているのであって物品搬送台車1を案内するレールは設置されていない。
【0026】
図2に示すように、物品搬送台車1には、駆動用走行車輪(図示せず)を回転駆動させる走行用モータ5と、従動用走行車輪(図示せず)を縦軸心周りに回転させて従動用走行車輪の向きを変更させる操向用モータ6と、が設けられている。物品搬送台車1は、走行用モータ5にて駆動用走行車輪を回転駆動させて走行し、操向用モータ6にて従動用走行車輪の向きを変更させて走行方向を変更するように構成されている。
尚、走行用モータ5と操向用モータ6とで走行駆動部7が構成されており、物品搬送台車1は、走行駆動部7の作動により走行経路Lに沿って走行自在に構成されている。
【0027】
図3に示すように、物品搬送設備には、走行経路Lの側方に位置する壁部などを利用して走行経路Lに対応するように複数の反射板9が配設されており、物品搬送台車1の上部には、レーザー光を水平面内に走査して、反射板9にて反射される反射光を受光する投受光部10が設けられている。
また、物品搬送台車1には、駆動用走行車輪の回転に伴ってパルス信号を出力するロータリーエンコーダ等の走行距離検出用の距離検出部11、及び、物品搬送台車1の向きを検出するレートジャイロ等の方位検出部12が備えられている。
尚、投受光部10と距離検出部11と方位検出部12とで、物品搬送台車1の走行位置を検出する走行位置検出部13が構成されており、この走行位置検出部13は、物品搬送台車1に備えられている。
【0028】
図2に示すように、物品搬送台車1には、走行駆動部7の作動を制御する走行制御部としての台車側コントローラH1が設けられている。台車側コントローラH1は、走行位置検出部13にて検出された走行位置情報と走行制御部としての地上側コントローラH2からの走行指令情報とに基づいて、物品搬送台車1を走行経路Lに沿って目標走行位置に向けて目標走行速度で走行させるべく、走行駆動部7の作動を制御するように構成されている。
つまり、台車側コントローラH1は、投受光部10にて受光する反射光の走査角情報及び複数の反射板9の位置情報に基づいて物品搬送台車1の現在位置を確認しながら、その現在位置情報、距離検出部11の検出情報、及び、方位検出部12の検出情報に基づいて、地上側コントローラH2から指令される走行指令にて指定されたステーションSに対応する目標走行位置に物品搬送台車1を走行経路Lに沿って目標走行速度で走行させるべく、走行用モータ5及び操向用モータ6の作動を制御するように構成されている。
走行経路Lは、上述の通り物品搬送台車1が走行すべき仮想の経路である。走行経路Lの経路情報がマップデータとして台車側コントローラH1に記憶されており、台車側コントローラH1は、走行指令が指令されると走行経路Lに沿ったルートの設定を行う。
【0029】
図4に示すように、台車側コントローラH1には、通常走行速度として、物品搬送台車1が走行経路Lにおける直線状の経路部分を走行するときの高速走行速度と、物品搬送台車1が走行経路Lにおける曲線状の経路部分を走行するときの中速走行速度と、クリープ走行速度とが設定されている。また、高速走行速度や中速走行速度として、低負荷で走行するときの走行速度と高負荷で走行するときの走行速度とが設定されている。
ちなみに、本実施形態では、低負荷時の高速走行速度は200m/min、高負荷時の高速走行速度は160m/min、低負荷時の中速走行速度は60m/min、高負荷時の中速走行速度は40m/min、クリープ走行速度は5m/minに設定されており、低負荷時の高速走行速度、高負荷時の高速走行速度、低負荷時の中速走行速度、高負荷時の中速走行速度、クリープ走行速度の順に低速になるように設定されている。
尚、低負荷で走行するときとは、物品を支持していない空荷状態で走行するときであり、高負荷で走行するときとは、物品を支持している実荷状態で走行するときである。
【0030】
そして、
図4に示すように、台車側コントローラH1は、走行経路Lに沿って物品搬送台車1を走行させるときに、直線状の経路部分を走行させるときは目標走行速度を高速走行速度として物品搬送台車1を走行させ、曲線状の経路部分を走行させるときは目標走行速度を中速走行速度として物品搬送台車1を走行させ、クリープ走行速度まで減速させた後に目標停止位置に停止させるべく、走行駆動部7の作動を制御するように構成されている。
図4では、物品搬送台車1が、低負荷において、直線状の経路部分、曲線状の経路部分、直線状の経路部分の順で走行する場合の目標走行速度を示している。
【0031】
また、
図2に示すように、物品搬送台車1には、当該物品搬送台車1の走行方向前方側における干渉物の存在を検出する存否検出部としての干渉物センサ15と、干渉物センサ15の検出情報に基づいて走行駆動部7の作動を制御する補助走行制御部としてのセンサ制御部16と、物品搬送台車1のバンパに干渉物が接触したことを検出するバンパセンサ26と、走行駆動部7(走行用モータ5及び操向用モータ6)に対して電力を供給する電源17(バッテリー)と、その電源17から走行駆動部7への電力の供給を遮断自在な電力遮断部18とが設けられている。
ちなみに、干渉物センサ15及びバンパセンサ26が検出する干渉物とは、作業者2、フォークリフト3及び床面上に載置された物品等の物品搬送台車1と干渉する虞のあるものである。
【0032】
センサ制御部16は、干渉物センサ15に内装されており、干渉物センサ15にて干渉物の存否が検出されると、その干渉物センサ15の検出情報に基づいて物品搬送台車1から干渉物までの距離を判別するように構成されている。
また、走行経路Lの横側方に、壁が設置されている場合や、走行経路Lを走行する物品搬送台車1と干渉しないように床面上に物品保管棚が設置されている場合や、物品が床面上に直接置かれる場合があるが、このような壁や棚等の床面上に設置されている干渉物又は床に直接載置される物品のように床面上に存在が予定される干渉物の位置は、レイアウトマップとしてセンサ制御部16に予め記憶されている。そして、センサ制御部16は、予め位置が記憶されている干渉物を干渉物センサ15にて検出されたとしてもその検出情報はキャンセルして干渉物が存在していると判別しないようになっている。
【0033】
そして、センサ制御部16は、目標走行速度が通常走行速度に設定されている状態で、干渉物センサ15にて干渉物の存在が検出されると、その検出情報に基づく物品搬送台車1から干渉物までの距離により、台車側コントローラH1にて設定される目標走行速度の上限速度を制限して減速させる、又は、走行駆動部7に対する電力の供給を電力遮断部18により遮断して物品搬送台車1を減速させて非常停止させるようになっている。
【0034】
説明を加えると、
図5に示すように、センサ制御部16には、減速用距離として、遠距離(20m)、遠距離より短い中距離(8m)、中距離より短い短距離(2m)が予め設定されている。
そして、低速用領域として、上記夫々の減速用距離を半径とし、物品搬送台車1の位置を中心として物品搬送台車1の前方に広がる半円形状の領域、すなわち、遠距離を半径とする半円形状の領域(A1エリア)と、中距離を半径とする半円形状の領域(A2エリア)と、短距離を半径とする半円形状の領域(A3エリア)とが予め設定されている。
センサ制御部16は、干渉物がA1エリアに進入しており、物品搬送台車1から干渉物までの距離が遠距離以下で且つ中距離を超えていると、遠距離接近情報を台車側コントローラH1に送信するように構成されている。
また、センサ制御部16は、干渉物がA2エリアに進入しており、物品搬送台車1から干渉物までの距離が中距離以下で且つ短距離を越えていると、中距離接近情報を台車側コントローラH1に送信するように構成されている。
また、センサ制御部16は、干渉物がA3エリアに進入しており、物品搬送台車1から干渉物までの距離が近距離以下になると、電力遮断部18にて走行駆動部7に対する電力を遮断して物品搬送台車1を非常停止させるべく、電力遮断部18の作動を制御するように構成されている。
【0035】
図6及び
図7に示すように、台車側コントローラH1には、減速走行速度として、高速走行速度より低速で且つ中速走行速度と同じ速度である第1上限速度(60m/min)と、中速走行速度より低速である第2上限速度(30m/min)とが設定されている。
そして、台車側コントローラH1は、センサ制御部16から遠距離接近情報を受信した場合は、目標走行速度の上限速度を第1上限速度とし、センサ制御部16から中距離接近情報を受信した場合は、目標走行速度の上限を第2上限速度とするように構成されている。
【0036】
そのため、例えば、
図6に示すように、物品搬送台車1が高速走行速度(低負荷)で走行しているときに、目標走行速度の上限速度が第1上限速度や第2上限速度に制限されると、物品搬送台車1の目標走行速度は上限速度の第1上限速度や第2上限速度に設定変更される。
【0037】
また、例えば、
図7に示すように、物品搬送台車1が中速走行速度(高負荷)で走行しているときに、目標走行速度の上限速度が第1上限速度に制限されても、物品搬送台車1の目標走行速度は中距離走行速度から設定変更されず、目標走行速度の上限速度が第2上限速度に制限されると、物品搬送台車1の目標走行速度は上限速度の第2上限速度に設定変更される。
【0038】
バンパセンサ26は、物品搬送台車1のバンパに内装されており、テープスイッチにて構成されている。そして、バンパセンサ26にてバンパに干渉物が接触したことが検出されるに伴って、電力遮断部18が走行駆動部7に対する電力を遮断するように構成されている。
【0039】
物品搬送設備の地上側には、物品搬送台車1に走行指令を指令する地上側コントローラH2が設けられており、台車側コントローラH1及び地上側コントローラH2には、互いに各種情報を送受信するための送受信装置14が設けられている。尚、地上側に設けられているとは、物品搬送台車1に設けるのではなく、物品搬送設備の床面や天井、又は、物品搬送設備に設置されている物品収納棚等に設けることである。
そして、地上側コントローラH2は、物品を搬送する搬送元のステーションSや搬送先のステーションSを指定する走行指令を台車側コントローラH1に送信するように構成されている。台車側コントローラH1は、走行位置情報と走行指令情報とに基づいて走行駆動部7の作動を制御し、物品搬送台車1の走行位置情報を地上側コントローラH2に送信するように構成されている。
【0040】
また、物品搬送設備の地上側には、走行経路Lが設定された領域を含む計測対象領域Eに存在する干渉物の位置を検出する位置検出部19、及び、位置検出部19からの干渉物の位置情報と物品搬送台車1の走行位置情報とに基づいて、物品搬送台車1から干渉物までの距離が低速用距離以下になると、物品搬送台車1に減速指令を指令する外部管理部としての外部管理サーバH3が設けられている。
【0041】
上記に加えて、物品搬送設備には、位置計測部として、計測対象領域E内での物品搬送台車1の位置及び計測対象領域E内で移動可能な複数の干渉物の位置を計測する無線式位置計測システム21を備えている。
【0042】
図1及び
図2に示すように、無線式位置計測システム21は、物品搬送台車1や作業者2、フォークリフト3に装備され、位置計測用の無線信号である測位用無線信号を出力自在な無線タグ22と、計測対象領域Eに存在する無線タグ22から測位用無線信号を受信自在に構成された複数の親機23と、親機23の受信情報に基づいて無線タグ22の位置を算出する位置計測処理を実行するタグ位置計測装置24とを備えて構成されている。なお、この無線式位置計測システム21では、無線タグ22は、親機23に対してUWB方式の無線通信により位置計測用の情報を送信自在に構成されている。
また、無線式位置計測システム21は、位置測定機能により検出した無線タグ22の位置を、当該無線タグ22を装備した干渉物の位置とするように構成されている。
【0043】
図1に示すように、親機23は、計測対象領域Eに8個設けられている。本実施形態では、計測対象領域Eは、領域の一部が重複する状態で隣り合う2つのエリアにて構成されている。具体的には、親機231〜234で囲まれた領域である第1区分エリアE1と、親機235〜238で囲まれた領域である第2区分エリアE2とが領域の一部が重複する状態で設定されている。
【0044】
タグ位置計測装置24は、第1区分エリアE1及び第2区分エリアE2の夫々を形成する4台の親機23のうち少なくとも2台の親機23が受信する無線信号に基づいて、無線タグ22の位置を算出する。すなわち、親機231〜234のうち無線タグと通信接続状態である親機23が受信した無線信号に基づいて第1区分エリアE1における無線タグ22の位置を計測し、同様に、親機235〜238のうち無線タグ22と通信接続状態である親機23が受信した無線信号に基づいて第2区分エリアE2における無線タグ22の位置を計測する。
【0045】
無線式位置計測システム21が検出する干渉物とは、無線タグ22を装備した作業者2やフォークリフト3であり、無線式位置計測システム21は、検出した干渉物の位置情報を外部管理サーバH3に送信するように構成されている。ちなみに、物品等の無線タグ22が装備されていないものについては干渉物として検出されない。
そして、無線タグ22から送信される情報には、無線タグ22が装備されたものの属性情報が送信されており、無線式位置計測システム21は、無線タグ22の情報から無線タグ22が装備されている干渉物の属性(作業者2やフォークリフト3)を判別できるように構成されている。
【0046】
すなわち、計測対象領域E内を走行移動自在な物品搬送台車1と、物品搬送台車1の走行を制御する台車側コントローラH1と、計測対象領域E内での物品搬送台車1の位置及び計測対象領域E内における複数の干渉物(作業者2、又は、フォークリフト3)の位置を計測する無線式位置計測システム21と、が設けられている。
【0047】
作業者2及びフォークリフト3の夫々には、各別に無線タグ22が装備されている。
本実施形態では、無線式位置計測システム21が、計測対象領域Eに存在する無線タグ22の総数及び計測対象領域Eに存在する無線タグ22ごとの識別情報を管理している(識別情報を管理する管理部は、親機23に備えてもタグ位置計測装置24に備えてもよい)。無線式位置計測システム21は、計測対象領域Eの第1区分エリアE1及び第2区分エリアE2の夫々に存在する無線タグ22の夫々に対しての位置の問合せを行うためのポーリング用無線信号を、複数の親機23から一斉に送信する形態で、所定のポーリング順序で無線タグ22ごとに順次位置の問合せを行う。具体的には、ポーリング用無線信号は、4個の親機23(すなわち、第1区分エリアE1については親機231〜234、第2区分エリアE2については親機235〜238)から一斉に送信される。ポーリング用無線信号を受信した無線タグ22は、応答として測位用無線信号を送信する。この測位用無線信号を4個の親機23(すなわち、第1区分エリアE1については親機231〜234、第2区分エリアE2については親機235〜238)のうちの複数の親機23にて受信し、タグ位置計測装置24が、TDOAやTOA等の既知の測位方式を用いて無線タグ22の位置を算出するのである。なお、タグ位置計測装置24が、TDOAやTOA等の既知の測位方式を用いて無線タグ22の位置を算出するためには、設定処理時間(例えば数十ミリ秒)を要する。
すなわち、受信装置は、同時に1つの無線タグ22からの測位用無線信号のみを受信可能に構成され、タグ位置計測装置24は、1つの無線タグ22の位置を算出するために設定処理時間を要する形態で無線タグ22の第1区分エリアE1又は第2区分エリアE2における位置を算出するように構成されている。
【0048】
無線式位置計測システム21は、第1区分エリアE1内又は第2区分エリアE2内に存在する全ての無線タグ22について、上記ポーリング順序に従って順次無線タグ22の位置を算出し、算出した無線タグ22の位置に基づいて、物品搬送台車1、作業者2、又はフォークリフト3の位置を計測する位置計測処理を実行するように構成されている。
このため、第1区分エリアE1に存在する全ての無線タグ22、又は、第2区分エリアE2内に存在する全ての無線タグ22について位置計測処理を実行するためには、設定処理時間と各区分エリアに存在する無線タグ22の個数との積として算出されるトータルの処理時間(計測サイクル時間)が少なくとも必要となる。したがって、各区分エリアに存在する無線タグ22の個数が多いほど、トータルの処理時間が長くなり、一の無線タグ22に注目すると、前回の位置算出が実行されてからその次の位置算出が実行されるまでの時間間隔が長くなる。
【0049】
外部管理サーバH3は、干渉物が物品搬送台車1の走行方向前方側に位置するときの減速用距離と干渉物が物品搬送台車1の後方側に位置するときの減速用距離とを異なった距離に設定自在に構成されている。
そして、本実施形態では、
図5に示すように、外部管理サーバH3には、干渉物が物品搬送台車1の走行方向前方側に位置するときの低速用距離として、遠隔距離(25m。
図5において符号D1で示す。)と、この遠隔距離より短い近傍距離(15m。
図5において符号D2で示す。)とが設定されている。干渉物が物品搬送台車1の後方側に位置するときの減速用距離として0mが設定されている。このように、干渉物が物品搬送台車1の後方側に位置するときの減速用距離を干渉物が物品搬送台車1の走行方向前方側に位置するときの減速用距離より短い距離に設定自在に構成されている。
ちなみに、遠隔距離は、遠距離より長く設定されており、低速用近傍距離は遠距離より短く且つ中距離より長く設定されている。
【0050】
そして、外部管理サーバH3は、監視カメラ20や無線式位置計測システム21から送信された干渉物の位置情報と地上側コントローラH2からの物品搬送台車1の走行位置情報とに基づいて、干渉物がD1エリアに進入しており、物品搬送台車1から干渉物までの距離が遠隔離以下で且つ近傍距離を超えていると、遠隔接近情報を地上側コントローラH2に送信し、干渉物がD2エリアに進入しており、物品搬送台車1から干渉物までの距離が近傍距離以下となると、近傍接近情報を地上側コントローラH2に送信するように構成されている。
地上側コントローラH2は、外部管理サーバH3から遠隔接近情報や近傍接近情報を受信すると、これら遠隔接近情報や近傍接近情報を台車側コントローラH1に送信するように構成されている。
【0051】
そして、台車側コントローラH1は、センサ制御部16から遠隔接近情報を受信した場合は、目標走行速度の上限速度を第1上限速度とし、センサ制御部16から近傍接近情報を受信した場合は、目標走行速度の上限を第2上限速度とするように構成されている。
【0052】
台車側コントローラH1には、センサ制御部16から長距離接近情報や中距離接近情報、及び、外部管理サーバH3から遠隔接近情報及び近傍接近情報が送信される。
そして、物品搬送台車1が高速走行速度(低負荷)で走行しているときに、物品搬送台車1が干渉物に向けて走行し、干渉物がD1エリア、A1エリア、D2エリア、A2エリアの順に進入してきた場合は、次のように上限速度が設定変更される。
つまり、
図9に示すように、干渉物がD1エリアに進入して地上側コントローラH2から遠隔接近情報が送信されると、目標走行速度の上限速度を第1上限速度に設定変更し、干渉物がA1エリアに進入してセンサ制御部16から遠距離接近情報が送信されると、目標走行速度の上限速度を第1上限速度に維持する。また、干渉物がD2エリアに進入して地上側コントローラH2から近傍接近情報が送信されると、目標走行速度の上限速度を第2上限速度に設定変更し、干渉物がA2エリアに進入してセンサ制御部16から近距離接近情報が送信されると、目標走行速度の上限速度を第2上限速度に維持する。
ちなみに、その後、干渉物がエリアA3まで進入すると、センサ制御部16により電力遮断部18の作動が制御されて走行駆動部7に対する電力が遮断され、物品搬送台車1は非常停止するようになっている。
【0053】
このように、台車側コントローラH1には、センサ制御部16から長距離接近情報や中距離接近情報、及び、外部管理サーバH3から遠隔接近情報及び近傍接近情報が送信されるが、長距離接近情報と中距離接近情報とでは後に受信した接近情報に基づいて目標走行速度を制限し、遠隔接近情報と近傍接近情報とでも後に受信した接近情報に基づいて目標走行速度を制限するように構成されている。そして、センサ制御部16からの接近情報と外部管理サーバH3からの接近情報とでは、上限速度が小さくなる接近情報を優先して目標走行速度を制限するように構成されている。
【0054】
また、台車側コントローラH1は、無線式位置計測システム21の計測情報に基づいて、第1区分エリアE1及び第2区分エリアE2の夫々について、各区分エリア内に存在する無線タグ22の個数が設定上限個数Tmaxを超過している混雑状態であるか否かを各別に判別自在に構成されている。設定上限個数Tmaxは、上記各区分エリアに存在する無線タグ22夫々についての位置算出を、無線式位置計測システム21が管理している無線タグ22の位置と実際の無線タグ22の位置との間に生じるずれが、通常走行モードでの走行速度において物品搬送台車1と干渉物との干渉が回避可能な程度の距離となるような時間間隔で実行できる無線タグ22の個数に設定されている。
【0055】
台車側コントローラH1は、複数の走行モードのいずれかの走行モードにより物品搬送台車1の走行を制御するように構成されている。具体的には、物品搬送台車1を混雑状態でないと判別した区分エリアにおいて走行させる場合には走行モードとして通常走行モードを設定し、物品搬送台車1を混雑状態であると判別した区分エリアにおいて走行させる場合には走行モードとして混雑領域用走行モードを設定するように構成されている。
ここで、通常走行モードとは、物品搬送台車1を通常走行速度(高速走行速度、中速走行速度、又はクリープ走行速度)で走行させるように制御する走行モードである。また、台車側コントローラH1は、第1区分エリアE1又は第2区分エリアE2のうち混雑状態であるエリアに対しては、台車側コントローラH1にて設定される目標走行速度の上限速度を、上記通常走行速度におけるクリープ走行速度以外の何れの速度よりも遅い速度である第2上限速度(30m/min)に制限して減速させる混雑領域用走行モードを設定する。
【0056】
すなわち、台車側コントローラH1が、混雑領域用走行モードとして、物品搬送台車1の上限走行速度を、通常走行モードにおける上限走行速度としての通常走行速度(高速走行速度、中速走行速度)よりも遅い混雑用上限走行速度として、第2上限速度に設定するように構成されている。
【0057】
次に、
図9のフローチャートに基づいて、台車側コントローラH1が実行する処理を説明する。なお、以下のフローチャートでは、区分エリアが2エリア以上である場合でも適用できるように、区分エリア数を一般化してNmaxエリア存在するとして説明する。
台車側コントローラH1は、無線式位置計測システム21の計測情報を取得し(ステップ#101)、引き続き、第n区分エリア内に存在する無線タグ数Tnを計数する処理を、区分エリアの存在数(Nmax)分繰り返す(ステップ#102〜#105)。
ステップ#103において、全ての区分エリアについて、その区分エリア内に存在する無線タグ数Tnの計数が完了すると、続いて、台車側コントローラH1は、無線タグ数Tnが設定上限個数Tmaxを超過しているか否かを判別し(ステップ#107)、超過していればその区分エリアを混雑領域に設定し(ステップ#108)、超過していなければ、その区分領域を非混雑領域に設定する(ステップ#109)処理を、区分エリアの存在数(Nmax)分繰り返す(ステップ#106〜#111)。
【0058】
このようにして、複数の区分エリア夫々は、その区分エリア内に存在する無線タグ22の数量に応じて混雑領域か非混雑領域の何れかに設定されることになり、台車側コントローラH1は、混雑領域に設定された区分エリアについては、物品搬送台車1がその区分エリアを走行しようとするとき、又は、物品搬送台車1がその区分エリアにすでに存在しているときのいずれの場合であっても、物品搬送台車1を低速で走行させるように走行モードを切換えることになる。したがって、物品搬送台車1がこれから走行しようとする区分エリア、又は、物品搬送台車1が存在する区分エリアが混雑状態であっても、干渉物と物品搬送台車1との干渉を回避することができるようになっている。
【0059】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態を説明するが、この第2実施形態は、第1実施形態において、区分エリアの設定形態と台車側コントローラH1が実行する処理とが異なるのみであるため、異なる部分のみを説明して重複する部分については説明を省略する。
本第2実施形態においては、
図10に示すように、計測対象領域Eを第1区分エリアE1〜第12区分エリアE12に分割している(なお、本実施形態では区分エリアの分割数を12エリアとしているが、区分エリアの分割数は12エリアに限定されるものではなく、任意である)。また、区分エリアの分割数を変更するには、親機23の配置数及び設置箇所を適切に設定する必要がある。すなわち、各区分エリアに対して4つの親機23を対応付ける形態で、隣接する区分エリアの一部が重複するように親機23を配置する。
【0060】
第2実施形態では、台車側コントローラH1は、走行車を走行させる区分領域が混雑状態でないと判別された区分領域であっても、その区分領域が、混雑状態であると判別された区分領域に隣接する場合には、走行モードとして混雑領域用走行モードを設定するようになっている。
【0061】
図10の模式図を例に説明する。
図10にて濃い網がけで示す第2区分エリアE2が混雑状態となっていると仮定する。このとき、第2区分エリアE2に隣接する区分エリアである第1区分エリアE1、第3区分エリアE3、第5区分エリアE5〜第7区分エリアE7(
図10にて薄い網がけで示す)については、混雑状態である第2区分エリアE2から干渉物が移動してくる可能性がある。したがって、ある時点では第1区分エリアE1、第3区分エリアE3、第5区分エリアE5〜第7区分エリアE7は混雑状態でなかったとしても、第2区分エリアE2からの干渉物が移動によって、第1区分エリアE1、第3区分エリアE3、第5区分エリアE5〜第7区分エリアE7が混雑状態に遷移する虞がある。
そこで、混雑状態である第2区分エリアに隣接する第1区分エリアE1、第3区分エリアE3、第5区分エリアE5〜第7区分エリアE7については、台車側コントローラH1は、走行モードとして混雑領域用走行モードを設定するのである。
【0062】
続いて、
図11のフローチャートに基づいて、台車側コントローラH1が実行する処理を説明する。
台車側コントローラH1は、無線式位置計測システム21の計測情報を取得し(ステップ#201)、引き続き、第n区分エリア内に存在する無線タグ数Tnを計数する処理を、区分エリアの存在数(Nmax)分繰り返す(ステップ#202〜#205)。
ステップ#203において、全ての区分エリアについて、その区分エリア内に存在する無線タグ数Tnの計数が完了すると、続いて、台車側コントローラH1は、無線タグ数Tnが設定上限個数Tmaxを超過しているか否かを判別し(ステップ#207)、超過していればその区分エリアを混雑領域に設定し(ステップ#208)、超過していなければ、その区分領域を非混雑領域に設定する(ステップ#209)処理を、区分エリアの存在数(Nmax)分繰り返す(ステップ#206〜#211)。
【0063】
続いて、台車側コントローラH1は、第n区分エリアが、ステップ#208にて混雑領域に設定された区分エリアに隣接するか否かを判別して、混雑領域に設定された区分エリアに隣接すると判別すると、その区分エリアを混雑予備領域に設定変更する(ステップ#213、#214)。また、ステップ#213にて、第n区分エリアが混雑領域に設定された区分エリアに隣接する領域であると判別した場合には、その区分エリアは非混雑領域に設定したままとする。台車側コントローラH1は、上記ステップ213、#214の処理を、区分エリアの存在数(Nmax)分繰り返す(ステップ#212〜#216)。
【0064】
このようにして、複数の区分エリア夫々は、混雑領域、混雑予備領域、又は非混雑領域の何れかに設定されることになる。台車側コントローラH1は、混雑領域又は混雑予備領域に設定された区分エリアについては、物品搬送台車1がその区分エリアを走行しようとするとき、又は、物品搬送台車1がその区分エリアにすでに存在しているときのいずれの場合であっても、物品搬送台車1を低速で走行させるように走行モードを切換える。したがって、物品搬送台車1がこれから走行しようとする区分エリア、又は、物品搬送台車1が存在する区分エリアが混雑状態または混雑領域に隣接する混雑予備領域であっても、干渉物と物品搬送台車1との干渉を回避することができるようになっている。
すなわち、台車側コントローラH1が、混雑状態でないと判別しかつ混雑状態であると判別した区分エリアとの間で設定条件を満たしたと判別した区分エリアにおいて物品搬送台車1を走行させる場合には、走行モードとして混雑領域用走行モードを設定するように構成されている。
【0066】
〔別実施形態〕
(
1)上記実施形態では、位置計測部を無線式位置計測システム21にて構成したが、位置計測部は、物品搬送台車1の位置及び干渉物(作業者2及びフォークリフト3)の位置を計測できるものであればよく、例えば、カメラにて撮像した画像や動画に基づいて物品搬送台車1の位置及び干渉物(作業者2及びフォークリフト3)の位置を計測するものであってもよい。
【0067】
(
2)上記実施形態では、混雑領域用走行モードとして、台車側コントローラH1にて設定される目標走行速度の上限速度を第2上限速度に制限して減速させる構成を例示したが、目標走行速度の上限速度を第1上限速度、或いはそれ以外の速度に設定してもよい。
【0068】
(
3)上記実施形態では、無線式位置計測システム21が、作業者2やフォークリフト3に装備された無線タグ22の位置を計測する構成を例示したが、無線タグ22を、搬送対象の物品Bの夫々に装備するものであってもよい。このような場合においても、各区分エリアにおける無線タグ22の数量が多くなると、搬送中の物品Bの位置を適正に管理できなくなる等の不都合が生じるが、上記のように混雑状態と判別された区分エリアについては混雑領域用走行モードを設定することによって、走行車と干渉物との干渉を極力回避することが可能となる。
【0069】
(
4)上記実施形態では、区分エリア数を2つとして説明したが、区分エリア数は3つ又はそれ以上設定してもよい。また、上記実施形態では、台車側コントローラH1が物品搬送台車1の走行を制御する構成を例示したが、台車側コントローラH1が走行を制御する対象は、物品搬送台車1に限定されるものではなく、例えば、物品搬送以外の作業を行う作業車であってもよい。また、上記実施形態では、物品搬送台車1を、自律走行式の走行車としたが、これを作業者が搭乗して作業を行う有人の作業車としてもよい。