(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1〜8のいずれかに記載の感光性導電ペーストを基板上に塗布し、乾燥し、露光し、現像した後に100℃以上300℃以下の温度でキュアする導電パターンの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の感光性導電ペーストは、ウレタン結合を有するエポキシアクリレート(A)、光重合開始剤(B)からなる感光性樹脂組成物中に導電フィラー(C)を分散させたものである。
【0021】
該ペーストは基板上に塗布し、必要に応じ乾燥させて溶媒を除去した後、露光、現像、100℃以上300℃以下の温度でのキュア工程を経ることで基板上に所望の導電パターンを得ることができる感光性導電ペーストである。本発明のペーストを用いて得られた導電パターンは有機成分と無機成分の複合物となっており、導電フィラー同士がキュア時の硬化収縮により互いに接触することで導電性が発現する。
【0022】
本発明の感光性導電ペーストに含まれるウレタン結合を有するエポキシアクリレート(A)は分子内にウレタン結合とエポキシ基を開環させてできた水酸基を少なくとも一つ以上有する化合物をいう。
【0023】
ウレタン結合を有するエポキシアクリレート(A)はエポキシ化合物に不飽和二重結合とカルボキシル基を有するモノカルボン酸化合物を反応させて得られるエポキシアクリレート(a)とジイソシアネート化合物(b)、ジオール化合物(c)を反応させることでウレタン結合を有するエポキシアクリレート(A)が得られる。
【0024】
また、ジオール化合物(c)を、カルボキシル基を有するジオール化合物とすることでカルボキシル基を有する化合物(A)を得ることができる。
また、ウレタン結合とカルボキシル基を有するエポキシアクリレート(A)に不飽和二重結合を有するエポキシ化合物(d)を反応させることで不飽和二重結合を有する化合物(A)を得ることができる。
【0025】
エポキシアクリレート(a)の具体例としてはエポキシエステル40EM(共栄社化学(株)製)、エポキシエステル70PA(共栄社化学(株)製)、エポキシエステル80MFA(共栄社化学(株)製)、エポキシエステル3002M(共栄社化学(株)製)、CN104(サートマー社製)、CN121(サートマー社製)、EBECRYL3702(ダイセル・サイテック(株)製)、EBECRYL3700(ダイセル・サイテック(株)製)、EBECRYL600(ダイセル・サイテック(株)製)などが挙げられる。
【0026】
ジイソシアネート化合物(b)としては分子中に2個のイソシアネート基を有するものであればよく、具体的にはトルエンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、トリデンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネト、イソホロンジイソシアネート、アリルシアンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0027】
ジオール化合物(c)としてはメタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ベンゼンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、ブチルエチルプロパンジオール、1,4−ブチンジオール、また、カルボキシル基を有するジオール化合物としてはジヒドロキシプロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸などが挙げられる。
【0028】
分子中に不飽和二重結合を有するエポキシ化合物(d)としてはグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどが挙げられる。
【0029】
エポキシアクリレート(a)にカルボキシル基を有するジオール化合物(c)を加え、ジイソシアネート化合物(b)を徐々に加えてウレタン化反応を行う。無触媒でも反応を行うことができるが、反応を促進させるために塩基性触媒を使用することもでき、該触媒の使用量は、反応物に対して10重量%以下である。この際の反応温度としては40〜120℃であり、また、反応時間は、好ましくは5〜60時間である。なお溶媒や熱重合禁止剤を使用してもよい。反応は適宜サンプリングしながら、サンプルの赤外吸収スペクトルにおける2250cm
−1付近の吸収がなくなる時点を終点とする。
【0030】
次に上述で得られた反応液に分子中に不飽和二重結合を有するエポキシ化合物(d)を加え、カルボキシル基を有するジオール化合物(c)とのエポキシアクリレート化反応を行う。無触媒でも反応を行うことができるが、反応を促進させるために塩基性触媒を使用することもでき、該触媒の使用量は反応物に対して10重量%以下である。この際の反応温度としては40〜120℃であり、反応時間は好ましいくは5〜60時間である。なお溶媒や熱重合禁止剤を使用してもよい。
【0031】
反応時には反応を促進させるために触媒を使用することが好ましく、使用する触媒の具体例としては、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジツトリメチルアンモニウムアイオダイド、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン、メチルトリフェニルスチビン、オクタン酸クロム、オクタン酸ジルコニウムなどが挙げられる。
【0032】
各成分の仕込み量はエポキシアクリレート(a)の仕込み当量をx当量、ジイソシアネート化合物(b)の仕込み当量をy当量、カルボキシル基を有するジオール化合物(c)の仕込み当量をz当量としたとき、当量比が5≧(x+z)/y≧1の範囲にあることが好ましい。(x+z)/yの値が、1未満の場合、末端にイソシアネート基が残存することになり、熱安定性が低く、保存中にゲル化する恐れがあるので好ましくない。また、この値が5を超える場合、分子量が低くなり、タック性の問題や低感度という問題が生じる恐れがある。
【0033】
こうして得られたウレタン結合を有するエポキシアクリレート(A)は、溶剤やアルカリ水溶液で現像することが可能である。アルカリ水溶液で現像を行う場合、化合物(A)の酸価としては40〜250mgKOH/gであることが好ましい。酸価が40mgKOH/g未満であると可溶部分の現像液に対する溶解性が低下する問題があり、一方、酸価が250mgKOH/gを越えると現像許容幅を広くすることができない。なお、酸価の測定は、JIS K 0070(1992)に準拠して求める。
【0034】
本発明の感光性導電ペーストに含まれるウレタン結合を有するエポキシアクリレート(A)のガラス転移温度は−10〜50℃であることが好ましく、10〜40であることがより好ましい。Tgが−10℃以上であると乾燥膜のタック性を抑制することができ、さらに10℃以上であると特に温度変化に対する形状安定性が高くなる。また、Tgが50℃以下であると室温において屈曲性を発現し、さらに50℃以下であると屈曲時の内部応力を緩和することができ、特にクラックの発生を抑制することができる。
【0035】
本発明の感光性導電ペーストに含まれるウレタン結合を有するエポキシアクリレート(A)のガラス転移温度は、感光性成分の示差走査熱量計(DSC)測定によって求めることができ、本発明ではこの方法を用いた。
【0036】
本発明の感光性導電ペーストに含まれる光重合開始剤(B)とは紫外線などの短波長の光を吸収して分解し、ラジカルを生じる化合物や水素引き抜き反応を起こしてラジカルを生じる化合物のことをいう。具体例としては、1,2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、エタノン、1−[9−エチル−6−2(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンゾスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、1−フェニル−1,2−ブタンジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、4,4’−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、カンファーキノン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、四臭化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾインおよびエオシン、メチレンブルーなどの光還元性色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の組み合わせなどが挙げられるが、特にこれらに限定されない。
【0037】
光重合開始剤(B)の添加量としては、ウレタン結合を有するエポキシアクリレート(A)100重量部に対し、好ましくは0.05〜30重量部の範囲で添加され、より好ましくは、5〜20重量部である。化合物(A)100重量部に対する光重合開始剤(B)の添加量を5重量部以上とすることにより、特に露光部の硬化密度が増加し、現像後の残膜率を高くすることができる。また、化合物(A)100重量部に対する光重合開始剤(B)の添加量を20重量部以下とすることで、特に光重合開始剤(B)による塗布膜上部での過剰な光吸収を抑制し、導電パターンが逆テーパー形状となり基材との接着性が低下することを抑制することができる。
【0038】
本発明の感光性導電ペーストは光重合開始剤(B)と共に増感剤を添加して感度を向上させたり、反応に有効な波長範囲を拡大したりすることができる。
【0039】
増感剤の具体例としては、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,3−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、ミヒラーケトン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニルビニレン)イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−カルボニルビス(4−ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−トリルジエタノールアミン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、3−フェニル−5−ベンゾイルチオテトラゾール、1−フェニル−5−エトキシカルボニルチオテトラゾールなどが挙げられる。本発明ではこれらを1種または2種以上使用することができる。増感剤を本発明の感光性導電ペーストに添加する場合、その添加量は化合物(A)100重量部に対して通常0.05〜10重量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10重量部である。化合物(A)100重量部に対する添加量を0.1重量部以上とすることにより光感度を向上させる効果が十分に発揮されやすく、化合物(A)100重量部に対する添加量を10重量部以下とすることにより、特に塗布膜上部での過剰な光吸収が起こり、導電パターンが逆テーパー形状となり、基材との接着性が低下することを抑制することができる。
本発明の感光性導電ペーストに含まれる導電フィラー(C)はAg、Au、Cu、Pt、Pb、Sn、Ni、Al、W、Mo、酸化ルテニウム、Cr、Ti、およびインジウムの少なくとも1種を含むことが好ましく、これらの導電フィラーを単独、合金、あるいは混合粉末として用いることができる。また、上述の成分で絶縁性粒子または導電性粒子の表面を被膜した導電性粒子も同様に用いることができる。中でも導電性の観点からAg、CuおよびAuが好ましく、コスト、安定性の観点からAgがより好ましい。
【0040】
導電フィラー(C)の体積平均粒子径は0.1〜10μmが好ましく、より好ましくは0.5〜6μmである。体積平均粒子径が0.1μm以上であると導電フィラー同士の接触確率が向上し、作製される導電パターンの比抵抗値、および断線確率を低くすることができ、且つ露光時の紫外線が膜中をスムーズに透過することができ、微細パターニングが容易となる。また体積平均粒子径が10μm以下であれば印刷後の回路パターンの表面平滑度、パターン精度、寸法精度が向上する。なお、体積平均粒子径は、コールターカウンター法により求めることができる。
【0041】
導電フィラー(C)の添加量としては感光性導電ペースト中の全固形分に対し、70〜95重量%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは80〜90重量%である。70重量%以上とすることにより、特にキュア時の硬化収縮における導電フィラー同士の接触確率が向上し、作製される導電パターンの比抵抗値、および断線確率を低くすることができる。また、95重量%以下とすることにより、特に露光時の紫外線が膜中をスムーズに透過することができ、微細なパターニングが容易となる。
【0042】
本発明の感光性導電ペーストに含まれるジカルボン酸またはその酸無水物(D)のジカルボン酸化合物とは、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2−メチルマロン酸、2−エチルマロン酸、2−プロピルマロン酸、2−ブチルマロン酸、2−(3−メトキシプロピル)マロン酸、2−(3−プロポキシプロピル)マロン酸、2−(3−プロポキシブチル)マロン酸、(E)−2−(ヘキサ−4−エチル)マロン酸、2−メチルサクシン酸、2−エチルサクシン酸、2−プロピルサクシン酸、2−ブチルサクシン酸、2−(3−メトキシプロピル)サクシン酸、2−(3−プロポキシプロピル)サクシン酸、2−(3−プロポキシブチル)サクシン酸、(E)−2−(ヘキサ−4−エチル)サクシン酸、2−メチルジオイック酸、2−エチルジオイック酸、2−プロピルジオイック酸、2−ブチルジオイック酸、2−(3−メトキシプロピル)ジオイック酸、2−(3−プロポキシプロピル)ジオイック酸、2−(3−プロポキシブチル)ジオイック酸、(E)−2−(ヘキサ−4−エチル)ジオイック酸、2−ヘキシルペンタンジオイック酸、3−ヘキシルペンタンジオイック酸、2−メチルマレイン酸、2−エチルマレイン酸、2−プロピルマレイン酸、2−ブチルマレイン酸、2−(3−メトキシプロピル)マレイン酸、2−(3−プロポキシプロピル)マレイン酸、2−(3−プロポキシブチル)マレイン酸、(E)−2−(ヘキサ−4−エチル)マレイン酸、2−ヘキシルマロン酸、2−(3−エトキシプロピル)サクシン酸、2−(3−エトキシブチル)サクシン酸、(E)−2(ヘキサ−1−エニル)サクシン酸、3−ヘキシルペンタンジオイック酸、(E)−2−(ヘキサ−4−エチル)サクシン酸などが挙げられる。また、酸無水物とは上記化合物のカルボン酸2分子が脱水縮合した化合物のことをいう。
【0043】
ジカルボン酸またはその酸無水物(D)の添加量としてはウレタン結合を有するエポキシアクリレート(A)100重量部に対し、好ましくは0.5〜30重量部の範囲で添加され、より好ましくは、1〜20重量部である。化合物(A)100重量部に対するジカルボン酸またはその酸無水物(D)の添加量を0.5重量部以上とすることにより、現像液への親和性を高め、良好なパターニングが可能となり、それに加え最終組成物の導電性も向上する。酸無水物の添加量を30重量部以下とすることにより現像マージン、高温高湿度下での密着性をよくすることができる。
【0044】
本発明の感光性導電ペーストは溶剤を含有してもよい。溶剤としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジアセトンアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが挙げられる。溶剤は1種を単独で用いたり、2種以上を混合して用いたりすることができる。溶剤はペースト作製後、粘度調整を目的に後から添加してもかまわない。
【0045】
本発明の感光性導電ペーストは、その所望の特性を損なわない範囲であれば分子内に不飽和二重結合を有しない非感光性ポリマー、可塑剤、レベリング剤、界面活性剤、シランカップリング剤、消泡剤、顔料などの添加剤を配合することもできる。非感光性ポリマーの具体例としてはエポキシ樹脂、ノボラック樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド前駆体、既閉環ポリイミドなどが挙げられる。
【0046】
可塑剤の具体例としてはジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ポリエチレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。レベリング剤の具体例としては特殊ビニル系重合物、特殊アクリル系重合物などが挙げられる。
【0047】
シランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0048】
本発明の感光性導電ペーストは分散機、混練機などを用いて作製される。これらの具体例としては三本ローラー、ボールミル、遊星式ボールミルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
次に本発明の感光性導電ペーストを用いた導電パターンの製造方法について説明する。導電パターンを作製するためには本発明のペーストを基板上に塗布し、加熱して溶剤を揮発させて乾燥する。その後パターン形成用マスクを介し、露光し、現像工程を経ることで基板上に所望のパターンを形成する。そして100℃以上300℃以下の温度でキュアして導電パターンを作製する。キュア温度は好ましくは120〜180℃である。加熱温度を100℃未満にすると、樹脂の体積収縮量を大きくすることができず、比抵抗率を小さくすることができない。一方、加熱温度が300℃を越えると、耐熱性が低い基板上に用いることはできず、耐熱性の低い材料と併用して用いることもできない。
【0050】
本発明で用いる基板は、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルム)、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、アラミドフィルム、エポキシ樹脂基板、ポリエーテルイミド樹脂基板、ポリエーテルケトン樹脂基板、ポリサルフォン系樹脂基板、ガラス基板、加飾層形成基板、絶縁層形成基板、シリコンウエハー、アルミナ基板、窒化アルミニウム基板、炭化ケイ素基板などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
本発明の感光性導電ペーストを基板に塗布する方法としてはスピナーを用いた回転塗布、スプレー塗布、ロールコーティング、スクリーン印刷、ブレードコーター、ダイコーター、カレンダーコーター、メニスカスコーター、バーコーターなどの方法がある。また、塗布膜厚は、塗布手法、組成物の全固形分濃度、粘度などによって異なるが、通常、乾燥後の膜厚が、0.1〜50μmの範囲内になるように塗布される。
【0052】
次に基板上に塗布した塗布膜から溶剤を除去する。溶剤を除去する方法としては、オーブン、ホットプレート、赤外線などによる加熱乾燥や真空乾燥などが挙げられる。加熱乾燥は50℃から180℃の範囲で1分から数時間行うのが好ましい。
【0053】
溶剤除去後の塗布膜上に、フォトリソグラフィー法によりパターン加工を行う。露光に用いられる光源としては水銀灯のi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)を用いるのが好ましい。
【0054】
露光後、現像液を用いて未露光部を除去することによって、所望のパターンが得られる。アルカリ現像を行う場合の現像液としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、酢酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエチルメタクリレート、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどの化合物の水溶液が好ましい。また場合によっては、これらの水溶液にN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトンなどの極性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソブチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類などを単独あるいは複数種添加したものを現像液として用いてもよい。また、これらのアルカリ水溶液に界面活性剤を添加したものを現像液として使用することもできる。有機現像を行う場合の現像液としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどの極性溶媒を単独あるいは、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、キシレン、水、メチルカルビトール、エチルカルビトールなどと組み合わせた混合溶液が使用できる。
【0055】
現像は、基板を静置または回転させながら上記の現像液を塗布膜面にスプレーする、基板を現像液中に浸漬する、あるいは浸漬しながら超音波をかけるなどの方法によって行うことができる。
【0056】
現像後、水によるリンス処理を施してもよい。ここでもエタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類などを水に加えてリンス処理をしてもよい。
【0057】
次に導電性を発現させるためにペースト組成物膜をキュアする。キュアする方法としては、オーブン、イナートオーブン、ホットプレート、赤外線などによる加熱乾燥や真空乾燥などが挙げられる。このようにキュア工程を経て導電パターンを作製することができる。
【0058】
本発明の感光性導電ペーストを用いて製造される導電パターンは、タッチパネル用周囲配線として好適に用いられる。タッチパネルの方式としては、例えば、抵抗膜式、光学式、電磁誘導式または静電容量式が挙げられるが、静電容量式タッチパネルは特に微細配線が求められることから、本発明の感光性導電ペーストを用いて製造される導電パターンが、より好適に用いられる。
【実施例】
【0059】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。各実施例および比較例で用いた材料および評価方法は以下の通りである。
【0060】
<パターニング性の評価方法>
PETフィルム上に感光性導電ペーストを乾燥厚みが7μmになるように塗布、100℃の乾燥オーブン内で5分間乾燥し、一定のラインアンドスペース(L/S)で配列する直線群を1つのユニットとし、L/Sの値が異なる9種類のユニットを有する透光パターンを有するフォトマスクを介して露光、現像し、その後、140℃で30分間乾燥オーブン内でキュアすることによって導電パターンを得た。各ユニットのL/Sの値は500/500、250/250、100/100、50/50、40/40、30/30、25/25、20/20、15/15とした(それぞれライン幅(μm)/間隔(μm)を表す)。パターンを光学顕微鏡により観察し、パターン間に残渣がなく、かつパターン剥がれのない最小のL/Sの値を持つパターンを確認し、この最小のL/Sの値を現像可能なL/Sとした。
【0061】
<比抵抗率の評価方法>
100℃の乾燥オーブン内で5分間乾燥し、
図1に示すパターンの透光部Aを有するフォトマスクを介して露光し、現像し、その後、140℃で30分間乾燥オーブン内でキュアすることによって比抵抗率測定用導電性パターンを得た。導電性パターンのライン幅は0.400mm、ライン長さは80mmである。得られたパターンの端部を表面抵抗計でつなぎ、表面抵抗値を測定し、次の計算式に当てはめて比抵抗率を算出した。
比抵抗率=表面抵抗値×膜厚×線幅/ライン長
なお膜厚の測定は触針式段差計サーフコム(登録商標)1400((株)東京精密製)を用いて行った。膜厚の測定はランダムに3箇所の位置にて測り、その3点の平均値を膜厚とした。測長は1mm、走査速度は0.3mm/secとした。線幅はパターンを光学顕微鏡でランダムに3箇所の位置を観察し、画像データを解析して得られた3点の平均値を線幅とした。
【0062】
<屈曲性の評価方法>
図2は屈曲性試験に用いたサンプルを模式的に示した図である。縦10mm、横100mmの長方形のPETフィルム(厚み40μm)上に感光性導電ペーストを乾燥厚みが7μmになるように塗布し、100℃の乾燥オーブン内で5分間乾燥し、
図1に示すパターンの透光部Aを有するフォトマスクを、透光部がサンプル中央になるように配置して露光し、現像し、その後、140℃で30分間乾燥オーブン内でキュアして導電パターンを形成し、テスターを用いて抵抗値を測定した。その後導電パターンが内側、外側と交互になるように曲げてサンプル短辺Bとサンプル短辺Cを接触させ、元に戻す屈曲動作を100回繰り返した後、再度テスターで抵抗値を測定した。その結果、抵抗値の変化量が20%以下であり、且つ導電パターンにクラック、剥がれ、断線などがないものをgoodとし、そうでないものをpoorとした。
【0063】
<ITOとの密着性評価方法>
ITO付きPETフィルムELECRYSTA(登録商標)V270L−TFS(日東電工(株)製)上に感光性導電ペーストを乾燥厚みが7μmになるように塗布し、100℃の乾燥オーブン内で5分間乾燥し、印刷面を全面露光し、その後、140℃で30分間乾燥オーブン内でキュアした後、1mm幅で10×10の碁盤目状にカッターで切れ目を入れ、85℃、85%RHの恒温恒湿槽SH−661(エスペック(株)製)に240h投入した。その後サンプルを取り出し、碁盤目状の箇所にテープを貼着して剥がし、残存マス数で判定を行った。なお、テープとしてはセロハンテープ(ニチバン(株)製)を用いて行った。
【0064】
[ウレタン結合を有するエポキシアクリレート(A)]
合成例A−1:
反応容器にエポキシアクリレート化号物(a)としてエポキシエステル3000A(共栄社化学(株)製、分子量:476.7、ビスフェノールA骨格を有する)200g、反応用溶媒としてジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート500g、熱重合禁止剤として2−メチルハイドロキノンを0.5g、カルボキシル基を有するジオール化合物としてジヒドロキシプロピオン酸(分子量:106.1)75g加え、45℃に昇温させた。この溶液にジイソシアネート化合物(b)としてヘキサメチレンジイソシアネート(分子量:168.2)84.1g加え、反応温度が50℃を超えないように徐々に滴下した。滴下終了後、温度を80℃に上昇させ、赤外吸収スペクトル測定法により、2250cm
−1付近の吸収がなくなるまで6時間反応させた。この溶液に分子中に不飽和二重結合を有するエポキシ化合物(d)としてグリシジルメタクリレート(分子量:142.2)165g添加後、95℃に昇温し、6時間反応させて本発明のウレタン結合を含むエポキシアクリレート(A−1)51.2重量%の感光性樹脂溶液を得た。得られた化合物(A−5)の酸価は89mgKOH/g、DSC測定から得られたガラス転移温度は27.2℃であった。
【0065】
合成例A−2:
反応容器にエポキシアクリレート化合物(a)としてエポキシエステル3000A(共栄社化学(株)製、分子量:476.7、ビスフェノールA骨格を有する)200g、反応用溶媒としてジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート500g、熱重合禁止剤として2−メチルハイドロキノンを0.5g、ジオール化合物として1,6−ヘキサンジオール(分子量:118.2)100g加え、45℃に昇温させた。この溶液にジイソシアネート化合物(b)としてヘキサメチレンジイソシアネート(分子量:168.2)71.0g加え、反応温度が50℃を超えないように徐々に滴下した。滴下終了後、温度を80℃に上昇させ、赤外吸収スペクトル測定法により、2250cm−1付近の吸収がなくなるまで6時間反応させて、本発明のウレタン結合を含むエポキシアクリレート(A−2)42.6重量%の感光性樹脂溶液を得た。得られた化合物(A−2)の酸価は1mgKOH/g以下、DSC測定から得られたガラス転移温度は35.5℃であった。
【0066】
合成例A−3
反応容器にエポキシアクリレート化合物(a)としてエポキシエステル3000A(共栄社化学(株)製、分子量:476.7、ビスフェノールA骨格を有する)200g、反応用溶媒としてジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート500g、熱重合禁止剤として2−メチルハイドロキノンを0.5g、ジオール化合物として1,4−ベンゼンジオール(分子量:110.1)10g加え、45℃に昇温させた。この溶液にジイソシアネート化合物(b)としてヘキサメチレンジイソシアネート(分子量:168.2)28.6g加え、反応温度が50℃を超えないように徐々に滴下した。滴下終了後、温度を80℃に上昇させ、赤外吸収スペクトル測定法により、2250cm−1付近の吸収がなくなるまで6時間反応させて、本発明のウレタン結合を含むエポキシアクリレート(A−3)32.4重量%の感光性樹脂溶液を得た。得られた化合物(A−3)の酸価は1mgKOH/g以下、DSC測定から得られたガラス転移温度は79.3℃であった。
【0067】
合成例A−4
反応容器にエポキシアクリレート化合物(a)としてエポキシエステル3000A(共栄社化学(株)製、分子量:476.7、ビスフェノールA骨格を有する)200g、反応用溶媒としてジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート500g、熱重合禁止剤として2−メチルハイドロキノンを0.5g、ジオール化合物としてジヒドロキシプロピオン酸(分子量:106.1)20g加え、45℃に昇温させた。この溶液にジイソシアネート化合物(b)としてナフタレン−1,5−ジイソシアネート(分子量:210.2)42.6g加え、反応温度が50℃を超えないように徐々に滴下した。滴下終了後、温度を80℃に上昇させ、赤外吸収スペクトル測定法により、2250cm−1付近の吸収がなくなるまで6時間反応させた。本発明のウレタン結合を含むエポキシアクリレート(A−4)34.5重量%の感光性樹脂溶液を得た。得られた化合物(A−4)の酸価は35mgKOH/g、DSC測定から得られたガラス転移温度は66.2℃であった。
【0068】
合成例A−5
反応容器にエポキシアクリレート化合物(a)としてエポキシエステル3000A(共栄社化学(株)製、分子量:476.7、ビスフェノールA骨格を有する)200g、反応用溶媒としてジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート500g、熱重合禁止剤として2−メチルハイドロキノンを0.5g、ジオール化合物としてジヒドロキシプロピオン酸(分子量:106.1)75g加え、45℃に昇温させた。この溶液にジイソシアネート化合物(b)としてヘキサメチレンジイソシアネート(分子量:168.2)62.8g加え、反応温度が50℃を超えないように徐々に滴下した。滴下終了後、温度を80℃に上昇させ、赤外吸収スペクトル測定法により、2250cm−1付近の吸収がなくなるまで6時間反応させた。本発明のウレタン結合を含むエポキシアクリレート(A−5)40.4重量%の感光性樹脂溶液を得た。得られた化合物(A−5)の酸価は112mgKOH/g、DSC測定から得られたガラス転移温度は25.4℃であった。
【0069】
合成例A−6:
反応容器にエポキシアクリレート化合物(a)としてエポキシエステル70PA(共栄社化学(株)製、分子量:332.4、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビフェニル骨格、または水添ビスフェノールA骨格を有さない)350g、反応用溶媒としてジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート500g、熱重合禁止剤として2−メチルハイドロキノンを0.5g、カルボキシル基を有するジオール化合物としてジヒドロキシプロピオン酸(分子量:106.1)80g加え、45℃に昇温させた。この溶液にジイソシアネート化合物(b)としてヘキサメチレンジイソシアネート(分子量:168.2)121.1g加え、反応温度が50℃を超えないように徐々に滴下した。滴下終了後、温度を80℃に上昇させ、赤外吸収スペクトル測定法により、2250cm
−1付近の吸収がなくなるまで6時間反応させた。この溶液に分子中に不飽和二重結合を有するエポキシ化合物(d)としてグリシジルメタクリレート(分子量:142.2)195g添加後、95℃に昇温し、6時間反応させて本発明のウレタン結合を有するエポキシアクリレート(A−6)59.9重量%の感光性樹脂溶液を得た。得られた化合物(A−6)の酸価は78mgKOH/g、DSC測定から得られたガラス転移温度は15.1℃であった。
【0070】
合成例A−7:
反応容器にエポキシアクリレート化合物(a)としてエポライト4000(共栄社化学(株)製、分子量:332.4、水添ビスフェノールA骨格を有する)のアクリル酸付加物(分子量:496.5)300g、反応用溶媒としてジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート500g、熱重合禁止剤として2−メチルハイドロキノンを0.5g、カルボキシル基を有するジオール化合物として2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(分子量:134.1)120g加え、45℃に昇温させた。この溶液にジイソシアネート化合物(b)としてトルエンジイソシアネート(分子量:174.2)104.2g加え、反応温度が50℃を超えないように徐々に滴下した。滴下終了後、温度を80℃に上昇させ、赤外吸収スペクトル測定法により、2250cm
−1付近の吸収がなくなるまで6時間反応させた。この溶液に分子中に不飽和二重結合を有するエポキシ化合物(d)としてグリシジルメタクリレート(分子量:142.2)170g添加後、95℃に昇温し、6時間反応させて本発明のウレタン結合を有するエポキシアクリレート(A−7)58.1重量%の感光性樹脂溶液を得た。得られた化合物(A−7)の酸価は102mgKOH/g、DSC測定から得られたガラス転移温度は23.4℃であった。
【0071】
合成例A−8:
反応容器にエポキシアクリレート化合物(a)としてデナコールEX−203(ナガセケムテックス(株)製、分子量:224、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビフェニル骨格、または水添ビスフェノールA骨格を有さない)のアクリル酸付加物(分子量:368)300g、反応用溶媒としてジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート500g、熱重合禁止剤として2−メチルハイドロキノンを0.5g、カルボキシル基を有するジオール化合物として2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(分子量:134.1)200g加え、45℃に昇温させた。この溶液にジイソシアネート化合物(b)としてトルエンジイソシアネート(分子量:174.2)201.3g加え、反応温度が50℃を超えないように徐々に滴下した。滴下終了後、温度を80℃に上昇させ、赤外吸収スペクトル測定法により、2250cm
−1付近の吸収がなくなるまで6時間反応させた。この溶液に分子中に不飽和二重結合を有するエポキシ化合物(d)としてグリシジルメタクリレート(分子量:142.2)120g添加後、95℃に昇温し、6時間反応させて本発明のウレタン結合を有するエポキシアクリレート(A−8)62.2重量%の感光性樹脂溶液を得た。得られた化合物(A−8)の酸価は83mgKOH/g、DSC測定から得られたガラス転移温度は12.4℃であった。
【0072】
[光重合開始剤(B)]
IRGACURE(登録商標)369(チバジャパン(株)製)
[導電フィラー(C)]
表1に記載の材料、体積平均粒子径のものを用いた。なお、体積平均粒子径は以下の方法により求めた。
【0073】
<体積平均粒子径の測定>
導電フィラー(C)の体積平均粒子径は、(株)堀場製作所製動的光散乱式粒度分布計により体積平均粒子径を測定した。
【0074】
[ジカルボン酸またはその酸無水物(D)]
2−プロピルサクシン酸(東京化成工業(株)製)
2−ヘキシルマロン酸(東京化成工業(株)製)
[モノマー]
ライトアクリレートBP−4EA(共栄社化学(株)製)
EBECRYL770(ダイセル・サイテック(株)製;酸価:120mgKOH/g)
[溶剤]
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(東京化成工業(株)製)
[ウレタン結合を含まないエポキシアクリレート]
エポキシエステル3002M(共栄社化学(株)製、ビスフェノールA骨格を有する)
ネオポール(登録商標)8317(ユピカ(株)製;臭素化ビスフェノールA骨格を有する、酸価:110mgKOH/g)
ネオポール(登録商標)8475(ユピカ(株)製;ビスフェノールF骨格を有する、酸価:55mgKOH/g)
(実施例1)
100mLクリーンボトルに感光性樹脂溶液(A−1)を10.0g、光重合開始剤IRGACURE(登録商標)369(チバジャパン(株)製)を1.0g“あわとり錬太郎”(登録商標)ARE−310((株)シンキー製)で混合し、感光性樹脂溶液11.0g(全固形分55.6重量%)を得た。
【0075】
得られた感光性樹脂溶液11.0gと体積平均粒子径2μmのAg粒子を40.9g混ぜ合わせ、3本ローラーEXAKT M−50(EXAKT社製)を用いて混練し、51.9gの感光性導電ペーストを得た。
【0076】
得られたペーストをスクリーン印刷で膜厚100μmのPETフィルム上に塗布し、乾燥オーブンで90℃、10分間の条件で乾燥した。その後、露光装置PEM−6M(ユニオン光学(株)製)を用いて露光量150mJ/cm
2(波長365nm換算)で全線露光を行い、0.25%Na
2CO
3溶液で30秒浸漬現像を行い、超純水でリンス後、乾燥オーブンで140℃、30分間キュアを行った。パターン加工された導電パターンの膜厚は7μmであった。導電パターンのラインアンドスペース(L/S)パターンを光学顕微鏡により確認したところ、L/Sが20/20μmまでパターン間残渣、パターン剥がれがなく、良好にパターン加工されていることを確認した。そして導電パターンの比抵抗率を測定したところ7.4×10
−5Ωcmであった。また屈曲性についても試験後クラックや断線などが生じておらず良好な結果が得られた。
【0077】
(実施例2〜18)
表1に示す組成の感光性導電ペーストを実施例1と同様の方法で製造し、評価結果を表2に示した。
【0078】
(比較例1〜4)
表1に示す組成の感光性導電ペーストを実施例1と同様の方法で製造し、評価結果を表2に示した。
【0079】
本願発明の要件を満たす実施例1〜18では高分解能のパターンを形成でき、かつ140℃でのキュアによって低抵抗の導電パターンを得ることができたが、感光性成分(A)を用いない比較例1〜4では高温高湿度下でITOとの密着性が低下した。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】