特許第5928520号(P5928520)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5928520画像出力システム、画像出力方法、ドキュメントサーバー及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5928520
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月1日
(54)【発明の名称】画像出力システム、画像出力方法、ドキュメントサーバー及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20160519BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20160519BHJP
【FI】
   G06F3/12 309
   G06F3/12 328
   G06F3/12 347
   G06F3/12 387
   G06F3/12 388
   B41J29/38 Z
【請求項の数】14
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-82471(P2014-82471)
(22)【出願日】2014年4月14日
(65)【公開番号】特開2015-203937(P2015-203937A)
(43)【公開日】2015年11月16日
【審査請求日】2015年10月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117651
【弁理士】
【氏名又は名称】高垣 泰志
(72)【発明者】
【氏名】佐貫 裕介
【審査官】 白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−20391(JP,A)
【文献】 特開2013−121699(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドキュメントサーバーと、情報処理端末と、画像出力装置とがネットワークを介して接続される画像出力システムであって、
前記情報処理端末は、前記ドキュメントサーバーに記憶されているドキュメントの中から出力対象ドキュメントを指定して前記画像出力装置にジョブを出力することを指示し、
前記ドキュメントサーバーは、前記画像出力装置が前記出力対象ドキュメントのファイル形式をそのまま出力可能なダイレクト出力対応装置でない場合に、前記出力対象ドキュメントを所定ファイル形式の画像データに変換し、出力設定を定義したジョブ制御情報と、前記画像データをページ記述言語で出力対象に指定したジョブ実体情報とを含むジョブデータを生成して前記画像出力装置に送信し、
前記画像出力装置は、前記ドキュメントサーバーから出力されるジョブデータに基づき前記出力対象ドキュメントを出力することを特徴とする画像出力システム。
【請求項2】
前記ドキュメントサーバーは、前記画像出力装置が前記出力対象ドキュメントのファイル形式をそのまま出力可能なダイレクト出力対応装置である場合、出力設定を定義したジョブ制御情報と、前記出力対象ドキュメントで構成されるジョブ実体情報とを含むジョブデータを生成して前記画像出力装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の画像出力システム。
【請求項3】
前記ドキュメントサーバーは、
前記出力対象ドキュメントを出力する際の出力設定を定義したジョブ制御情報を生成し、当該ジョブ制御情報を含むジョブ雛形データを生成する雛形データ生成手段と、
前記画像出力装置が前記出力対象ドキュメントのファイル形式をそのまま出力可能なダイレクト出力対応装置でない場合に、前記出力対象ドキュメントを読み出し、前記出力対象ドキュメントを所定ファイル形式の画像データに変換する画像変換手段と、
前記雛形データ生成手段によって生成されるジョブ雛形データに対し、前記画像変換手段によって生成される前記画像データをページ記述言語で出力対象に指定したジョブ実体情報を付加し、ジョブデータを生成するジョブ生成手段と、
前記ジョブ生成手段により生成されるジョブデータを前記画像出力装置へ出力するジョブ出力手段と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像出力システム。
【請求項4】
前記雛形データ生成手段は、前記出力対象ドキュメントの属性情報に基づき、前記属性情報と同一属性を有するダミー画像データを生成し、当該ダミー画像データをページ記述言語で出力対象に指定したジョブ実体情報を更に含むジョブ雛形データを生成し、
前記ジョブ生成手段は、前記ジョブ雛形データの前記ジョブ実体情報に含まれる前記ダミー画像データを、前記画像変換手段によって生成される前記画像データに差し替えることによりジョブデータを生成することを特徴とする請求項3に記載の画像出力システム。
【請求項5】
前記ダミー画像データは、同一ピクセルが連続した画像データであることを特徴とする請求項4に記載の画像出力システム。
【請求項6】
前記ドキュメントサーバーは、
前記出力対象ドキュメントを印刷ジョブとFAXジョブとのいずれのジョブとして出力するかの指定を受け付ける受付手段を更に備え、
前記ジョブ生成手段は、前記出力対象ドキュメントをFAXジョブとして出力する場合、前記画像変換手段によって生成される前記画像データをページ記述言語で出力対象に指定したジョブ実体情報を生成し、当該ジョブ実体情報を前記ジョブ雛形データに付加してジョブデータを生成することを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の画像出力システム。
【請求項7】
ドキュメントサーバーと、情報処理端末と、画像出力装置とがネットワークを介して接続され、前記ドキュメントサーバーにおいて記憶されるドキュメントを出力する画像出力方法であって、
前記情報処理端末において前記ドキュメントサーバーに記憶されているドキュメントの中から出力対象ドキュメントを指定して前記画像出力装置にジョブを出力することを指示するステップと、
前記画像出力装置が前記出力対象ドキュメントのファイル形式をそのまま出力可能なダイレクト出力対応装置でない場合に、前記ドキュメントサーバーにおいて前記出力対象ドキュメントを所定ファイル形式の画像データに変換し、出力設定を定義したジョブ制御情報と、前記画像データをページ記述言語で出力対象に指定したジョブ実体情報とを含むジョブデータを生成して前記画像出力装置に送信するステップと、
前記ドキュメントサーバーから出力されるジョブデータに基づき前記画像出力装置において前記出力対象ドキュメントを出力するステップと、
を備えることを特徴とする画像出力方法。
【請求項8】
ドキュメントを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されたドキュメントの中から出力対象ドキュメントの指定を受け付けると共に、当該出力対象ドキュメントを出力する画像出力装置の指定を受け付ける受付手段と、
前記出力対象ドキュメントを出力する際の出力設定を定義したジョブ制御情報を生成し、当該ジョブ制御情報を含むジョブ雛形データを生成する雛形データ生成手段と、
前記記憶手段から前記出力対象ドキュメントを読み出し、前記出力対象ドキュメントを所定ファイル形式の画像データに変換する画像変換手段と、
前記雛形データ生成手段によって生成されるジョブ雛形データに対し、前記画像変換手段によって生成される前記画像データをページ記述言語で出力対象に指定したジョブ実体情報を付加し、ジョブデータを生成するジョブ生成手段と、
前記ジョブ生成手段により生成されるジョブデータを前記画像出力装置へ出力するジョブ出力手段と、
を備えることを特徴とするドキュメントサーバー。
【請求項9】
前記画像出力装置が前記出力対象ドキュメントのファイル形式をそのまま出力可能なダイレクト出力対応装置であるか否かを判別する出力装置判別手段を更に備え、
前記画像変換手段は、前記出力装置判別手段により前記画像出力装置がダイレクト出力対応装置でないと判別された場合に、前記出力対象ドキュメントを前記画像データに変換し、
前記ジョブ生成手段は、前記出力装置判別手段により前記画像出力装置がダイレクト出力対応装置でないと判別された場合に、前記画像変換手段によって生成される前記画像データをページ記述言語で出力対象に指定したジョブ実体情報を生成し、当該ジョブ実体情報を前記ジョブ雛形データに付加してジョブデータを生成することを特徴とする請求項8に記載のドキュメントサーバー。
【請求項10】
前記ジョブ生成手段は、前記出力装置判別手段により前記画像出力装置がダイレクト出力対応装置であると判別された場合、前記記憶手段から前記出力対象ドキュメントを読み出し、前記雛形データ生成手段によって生成されるジョブ雛形データに対し、前記出力対象ドキュメントをジョブ実体情報として付加したジョブデータを生成することを特徴とする請求項9に記載のドキュメントサーバー。
【請求項11】
前記雛形データ生成手段は、前記出力対象ドキュメントの属性情報に基づき、前記属性情報と同一属性を有するダミー画像データを生成し、当該ダミー画像データをページ記述言語で出力対象に指定したジョブ実体情報を更に含むジョブ雛形データを生成し、
前記ジョブ生成手段は、前記ジョブ雛形データの前記ジョブ実体情報に含まれる前記ダミー画像データを、前記画像変換手段によって生成される前記画像データに差し替えることによりジョブデータを生成することを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載のドキュメントサーバー。
【請求項12】
前記ダミー画像データは、同一ピクセルが連続した画像データであることを特徴とする請求項11に記載のドキュメントサーバー。
【請求項13】
前記受付手段は、前記出力対象ドキュメントを印刷ジョブとFAXジョブとのいずれのジョブとして出力するかの指定を更に受け付け、
前記ジョブ生成手段は、前記出力対象ドキュメントをFAXジョブとして出力する場合、前記画像変換手段によって生成される前記画像データをページ記述言語で出力対象に指定したジョブ実体情報を生成し、当該ジョブ実体情報を前記ジョブ雛形データに付加してジョブデータを生成することを特徴とする請求項8乃至12のいずれかに記載のドキュメントサーバー。
【請求項14】
ドキュメントを記憶する記憶手段を備えたドキュメントサーバーにおいて実行されるプログラムであって、前記ドキュメントサーバーを、
前記記憶手段に記憶されたドキュメントの中から出力対象ドキュメントの指定を受け付けると共に、当該出力対象ドキュメントを出力する画像出力装置の指定を受け付ける受付手段、
前記出力対象ドキュメントを出力する際の出力設定を定義したジョブ制御情報を生成し、当該ジョブ制御情報を含むジョブ雛形データを生成する雛形データ生成手段、
前記記憶手段から前記出力対象ドキュメントを読み出し、前記出力対象ドキュメントを所定ファイル形式の画像データに変換する画像変換手段、
前記雛形データ生成手段によって生成されるジョブ雛形データに対し、前記画像変換手段によって生成される前記画像データをページ記述言語で出力対象に指定したジョブ実体情報を付加し、ジョブデータを生成するジョブ生成手段、及び、
前記ジョブ生成手段により生成されるジョブデータを前記画像出力装置へ出力するジョブ出力手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像出力システム、画像出力方法、ドキュメントサーバー及びプログラムに関し、特にドキュメントサーバーが画像出力装置に対してジョブを出力する際のジョブ生成技術に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータを用いてPDF(Portable Document Format)に代表されるドキュメントファイルを印刷する際、ユーザーは、ドキュメントファイルの閲覧や編集が可能なアプリケーションに対して印刷指示を行うことにより、プリンタドライバが起動してジョブデータが生成される。すなわち、アプリケーションは、ドキュメントファイルに基づく印刷用データを、オペレーティングシステムが提供するGDI(Graphics Device Interface)などのインタフェースを介してプリンタドライバに出力し、プリンタドライバがその印刷用データをPS(PostScript)やPCL(Printer Control Language)などのページ記述言語に変換し、ユーザーによって指定された印刷設定などをPJL(Printer Job Language)コマンドなどで表したジョブ制御情報を付加して印刷用のジョブデータを生成する。
【0003】
一方、近年では、MFP(Multifunction Peripherals)などのような印刷出力を行う画像出力装置においてダイレクト印刷形式(ダイレクト出力形式)のジョブデータを受け付けて印刷出力を行うことができるものも存在する(例えば特許文献1)。ダイレクト印刷では、ドキュメントファイルのヘッダー部分に直接PJLコマンドなどのジョブ制御情報が付加されることによりジョブデータが生成される。そのため、プリンタドライバを経由させることなくジョブデータを生成することができるので、利便性が高い。ただし、ダイレクト印刷で印刷出力を行うためには、画像出力装置がダイレクト印刷形式のジョブデータに対応していることが必要である。
【0004】
また近年では、例えばクラウドなどのネットワーク上に設けられたドキュメントサーバーにドキュメントファイルを保存して管理することが行われている。ユーザーがドキュメントサーバーに保存されているドキュメントファイルを印刷する際には、いわゆるクラウド印刷と呼ばれる手法が採用される。クラウド印刷は、ユーザーが手元の情報処理端末を操作してドキュメントサーバーにアクセスし、印刷対象となるドキュメントファイルを指定して印刷指示を行うと、ドキュメントサーバーがユーザーによって指定された画像出力装置に対してジョブデータを直接送信することにより印刷出力を行わせる手法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−269157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、クラウド印刷においてドキュメントサーバーから画像出力装置に直接ジョブデータを送信する際には、画像出力装置のモデルに対応したジョブデータを送信する必要がある。例えば、ユーザーによって指定された画像出力装置がダイレクト印刷対応モデルであれば、プリンタドライバを経由させることなく、ジョブデータを生成することができる。
【0007】
一方、ユーザーによって指定された画像出力装置がダイレクト印刷非対応モデルであれば、ドキュメントサーバーは、その画像出力装置に対応したプリンタドライバを起動し、印刷用データを、画像出力装置のモデルに対応したページ記述言語に変換してジョブデータを生成することが必要となる。しかし、ドキュメントサーバーには、印刷対象として指定されたドキュメントファイルを取り扱うことが可能なアプリケーションがインストールされていないことがあり、必ずしもドキュメントファイルに基づく印刷用データをプリンタドライバに出力することができるとは限らない。仮に、ドキュメントサーバーにアプリケーションがインストールされているとしても、情報処理端末を用いた遠隔操作によってそのようなアプリケーションをドキュメントサーバーで起動させることが予め制限されていることもある。このようにドキュメントファイルに基づいて印刷用データを生成することができるアプリケーションをドキュメントサーバーにおいて起動させることができない状況では、ドキュメントサーバーが画像出力装置のモデルに対応したジョブデータを生成することができなくなる。そのため、ドキュメントサーバーがジョブデータを画像出力装置に直接送信して印刷出力を行うことができないという問題がある。
【0008】
本発明は、上記のような問題点を解決課題としており、画像出力装置がダイレクト出力形式のジョブデータに対応していない場合でも、ドキュメントサーバーから画像出力装置に対してジョブデータを直接送信して印刷出力を行えるようにした画像出力システム、画像出力方法、ドキュメントサーバー及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、ドキュメントサーバーと、情報処理端末と、画像出力装置とがネットワークを介して接続される画像出力システムであって、前記情報処理端末は、前記ドキュメントサーバーに記憶されているドキュメントの中から出力対象ドキュメントを指定して前記画像出力装置にジョブを出力することを指示し、前記ドキュメントサーバーは、前記画像出力装置が前記出力対象ドキュメントのファイル形式をそのまま出力可能なダイレクト出力対応装置でない場合に、前記出力対象ドキュメントを所定ファイル形式の画像データに変換し、出力設定を定義したジョブ制御情報と、前記画像データをページ記述言語で出力対象に指定したジョブ実体情報とを含むジョブデータを生成して前記画像出力装置に送信し、前記画像出力装置は、前記ドキュメントサーバーから出力されるジョブデータに基づき前記出力対象ドキュメントを出力することを特徴とする構成である。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の画像出力システムにおいて、前記ドキュメントサーバーは、前記画像出力装置が前記出力対象ドキュメントのファイル形式をそのまま出力可能なダイレクト出力対応装置である場合、出力設定を定義したジョブ制御情報と、前記出力対象ドキュメントで構成されるジョブ実体情報とを含むジョブデータを生成して前記画像出力装置に送信することを特徴とする構成である。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の画像出力システムにおいて、前記ドキュメントサーバーは、前記出力対象ドキュメントを出力する際の出力設定を定義したジョブ制御情報を生成し、当該ジョブ制御情報を含むジョブ雛形データを生成する雛形データ生成手段と、前記画像出力装置が前記出力対象ドキュメントのファイル形式をそのまま出力可能なダイレクト出力対応装置でない場合に、前記出力対象ドキュメントを読み出し、前記出力対象ドキュメントを所定ファイル形式の画像データに変換する画像変換手段と、前記雛形データ生成手段によって生成されるジョブ雛形データに対し、前記画像変換手段によって生成される前記画像データをページ記述言語で出力対象に指定したジョブ実体情報を付加し、ジョブデータを生成するジョブ生成手段と、前記ジョブ生成手段により生成されるジョブデータを前記画像出力装置へ出力するジョブ出力手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の画像出力システムにおいて、前記雛形データ生成手段は、前記出力対象ドキュメントの属性情報に基づき、前記属性情報と同一属性を有するダミー画像データを生成し、当該ダミー画像データをページ記述言語で出力対象に指定したジョブ実体情報を更に含むジョブ雛形データを生成し、前記ジョブ生成手段は、前記ジョブ雛形データの前記ジョブ実体情報に含まれる前記ダミー画像データを、前記画像変換手段によって生成される前記画像データに差し替えることによりジョブデータを生成することを特徴とする構成である。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の画像出力システムにおいて、前記ダミー画像データは、同一ピクセルが連続した画像データであることを特徴とする構成である。
【0014】
請求項6に係る発明は、請求項3乃至5のいずれかに記載の画像出力システムにおいて、前記ドキュメントサーバーは、前記出力対象ドキュメントを印刷ジョブとFAXジョブとのいずれのジョブとして出力するかの指定を受け付ける受付手段を更に備え、前記ジョブ生成手段は、前記出力対象ドキュメントをFAXジョブとして出力する場合、前記画像変換手段によって生成される前記画像データをページ記述言語で出力対象に指定したジョブ実体情報を生成し、当該ジョブ実体情報を前記ジョブ雛形データに付加してジョブデータを生成することを特徴とする構成である。
【0015】
請求項7に係る発明は、ドキュメントサーバーと、情報処理端末と、画像出力装置とがネットワークを介して接続され、前記ドキュメントサーバーにおいて記憶されるドキュメントを出力する画像出力方法であって、前記情報処理端末において前記ドキュメントサーバーに記憶されているドキュメントの中から出力対象ドキュメントを指定して前記画像出力装置にジョブを出力することを指示するステップと、前記画像出力装置が前記出力対象ドキュメントのファイル形式をそのまま出力可能なダイレクト出力対応装置でない場合に、前記ドキュメントサーバーにおいて前記出力対象ドキュメントを所定ファイル形式の画像データに変換し、出力設定を定義したジョブ制御情報と、前記画像データをページ記述言語で出力対象に指定したジョブ実体情報とを含むジョブデータを生成して前記画像出力装置に送信するステップと、前記ドキュメントサーバーから出力されるジョブデータに基づき前記画像出力装置において前記出力対象ドキュメントを出力するステップと、を備えることを特徴とする構成である。
【0016】
請求項8に係る発明は、ドキュメントサーバーであって、ドキュメントを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されたドキュメントの中から出力対象ドキュメントの指定を受け付けると共に、当該出力対象ドキュメントを出力する画像出力装置の指定を受け付ける受付手段と、前記出力対象ドキュメントを出力する際の出力設定を定義したジョブ制御情報を生成し、当該ジョブ制御情報を含むジョブ雛形データを生成する雛形データ生成手段と、前記記憶手段から前記出力対象ドキュメントを読み出し、前記出力対象ドキュメントを所定ファイル形式の画像データに変換する画像変換手段と、前記雛形データ生成手段によって生成されるジョブ雛形データに対し、前記画像変換手段によって生成される前記画像データをページ記述言語で出力対象に指定したジョブ実体情報を付加し、ジョブデータを生成するジョブ生成手段と、前記ジョブ生成手段により生成されるジョブデータを前記画像出力装置へ出力するジョブ出力手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0017】
請求項9に係る発明は、請求項8に記載のドキュメントサーバーにおいて、前記画像出力装置が前記出力対象ドキュメントのファイル形式をそのまま出力可能なダイレクト出力対応装置であるか否かを判別する出力装置判別手段を更に備え、前記画像変換手段は、前記出力装置判別手段により前記画像出力装置がダイレクト出力対応装置でないと判別された場合に、前記出力対象ドキュメントを前記画像データに変換し、前記ジョブ生成手段は、前記出力装置判別手段により前記画像出力装置がダイレクト出力対応装置でないと判別された場合に、前記画像変換手段によって生成される前記画像データをページ記述言語で出力対象に指定したジョブ実体情報を生成し、当該ジョブ実体情報を前記ジョブ雛形データに付加してジョブデータを生成することを特徴とする構成である。
【0018】
請求項10に係る発明は、請求項9に係るドキュメントサーバーにおいて、前記ジョブ生成手段は、前記出力装置判別手段により前記画像出力装置がダイレクト出力対応装置であると判別された場合、前記記憶手段から前記出力対象ドキュメントを読み出し、前記雛形データ生成手段によって生成されるジョブ雛形データに対し、前記出力対象ドキュメントをジョブ実体情報として付加したジョブデータを生成することを特徴とする構成である。
【0019】
請求項11に係る発明は、請求項8乃至10のいずれかに記載のドキュメントサーバーにおいて、前記雛形データ生成手段は、前記出力対象ドキュメントの属性情報に基づき、前記属性情報と同一属性を有するダミー画像データを生成し、当該ダミー画像データをページ記述言語で出力対象に指定したジョブ実体情報を更に含むジョブ雛形データを生成し、前記ジョブ生成手段は、前記ジョブ雛形データの前記ジョブ実体情報に含まれる前記ダミー画像データを、前記画像変換手段によって生成される前記画像データに差し替えることによりジョブデータを生成することを特徴とする構成である。
【0020】
請求項12に係る発明は、請求項11に記載のドキュメントサーバーにおいて、前記ダミー画像データは、同一ピクセルが連続した画像データであることを特徴とする構成である。
【0021】
請求項13に係る発明は、請求項8乃至12のいずれかに記載のドキュメントサーバーにおいて、前記受付手段は、前記出力対象ドキュメントを印刷ジョブとFAXジョブとのいずれのジョブとして出力するかの指定を更に受け付け、前記ジョブ生成手段は、前記出力対象ドキュメントをFAXジョブとして出力する場合、前記画像変換手段によって生成される前記画像データをページ記述言語で出力対象に指定したジョブ実体情報を生成し、当該ジョブ実体情報を前記ジョブ雛形データに付加してジョブデータを生成することを特徴とする構成である。
【0022】
請求項14に係る発明は、ドキュメントを記憶する記憶手段を備えたドキュメントサーバーにおいて実行されるプログラムであって、前記ドキュメントサーバーを、前記記憶手段に記憶されたドキュメントの中から出力対象ドキュメントの指定を受け付けると共に、当該出力対象ドキュメントを出力する画像出力装置の指定を受け付ける受付手段、前記出力対象ドキュメントを出力する際の出力設定を定義したジョブ制御情報を生成し、当該ジョブ制御情報を含むジョブ雛形データを生成する雛形データ生成手段、前記記憶手段から前記出力対象ドキュメントを読み出し、前記出力対象ドキュメントを所定ファイル形式の画像データに変換する画像変換手段、前記雛形データ生成手段によって生成されるジョブ雛形データに対し、前記画像変換手段によって生成される前記画像データをページ記述言語で出力対象に指定したジョブ実体情報を付加し、ジョブデータを生成するジョブ生成手段、及び、前記ジョブ生成手段により生成されるジョブデータを前記画像出力装置へ出力するジョブ出力手段、として機能させることを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、画像出力装置がダイレクト出力形式のジョブデータに基づいてジョブを実行することができない場合でも、ドキュメントサーバーにおいてそのような画像出力装置に対応したジョブデータを生成して画像出力装置に直接ジョブを送信することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】画像出力システムの一構成例を示す図である。
図2】ドキュメントサーバーのハードウェア構成及び機能構成の一例を示す図である。
図3】第1実施形態において画像出力装置がダイレクト出力非対応装置である場合の出力処理部における詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。
図4】ジョブ雛形データの概念を示す図である。
図5】画像出力装置がダイレクト出力非対応装置である場合にジョブ生成部によって生成されるジョブデータの一例を示す図である。
図6】第1実施形態において画像出力装置がダイレクト出力対応装置である場合の出力処理部における詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。
図7】画像出力装置がダイレクト出力対応装置である場合にジョブ生成部によって生成されるジョブデータの一例を示す図である。
図8】ドキュメントサーバーによって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
図9】第2実施形態において画像出力装置がダイレクト出力非対応装置である場合の出力処理部における詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。
図10】第2実施形態において画像出力装置がダイレクト出力対応装置である場合の出力処理部における詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に関する好ましい幾つかの実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0026】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態である画像出力システム1の一構成例を示す図である。この画像出力システム1は、ドキュメントサーバー2と、MFPなどで構成される画像出力装置4と、パーソナルコンピュータ(PC)やタブレット端末などで構成される情報処理端末5とがネットワーク6を介して通信可能な構成である。ネットワーク6は、LAN(Local Area Network)やインターネットなどを含むネットワークである。ドキュメントサーバー2は、例えばインターネット上に設けられるクラウドサーバーであり、ネットワーク6を介してアップロードされるドキュメントファイルD1を記憶する不揮発性の記憶装置3を備えている。記憶装置3には複数のドキュメントファイルD1を記憶することが可能である。画像出力装置4は、例えばオフィスなどに設置され、印刷機能やFAX機能などを備えた装置であり、ネットワーク6を介してそれぞれの機能に対応するジョブデータJBを受信すると、そのジョブデータJBに基づくジョブを実行して画像出力を行う。情報処理端末5は、例えばオフィス又はオフィス以外の場所でネットワーク6に接続して使用される。尚、図1では、ネットワーク6に対して画像出力装置4が1つだけ接続される場合を例示しているが、複数の画像出力装置4がネットワーク6に接続されていても良い。
【0027】
ユーザーは、情報処理端末5を操作することによりドキュメントサーバー2にアクセスし、記憶装置3に記憶されているドキュメントファイルD1を指定してドキュメントサーバー2に対して印刷出力を指示することができる。このとき、ユーザーは、ジョブデータJBの出力先となるが画像出力装置4を指定することができる。情報処理端末5は、ユーザーによる印刷出力の指示を検知すると、ドキュメントサーバー2に対して出力指示CDを送信する。この出力指示CDには、出力対象となるドキュメントファイルD1を特定するための情報や、ジョブデータJBの出力先となる画像出力装置4を特定するための情報などが含まれる。
【0028】
ドキュメントサーバー2は、情報処理端末5からの出力指示CDを受信すると、その出力指示CDに基づき出力対象となるドキュメントファイルD1を記憶装置3から読み出して画像出力装置4に対応するジョブデータJBを生成し、そのジョブデータJBを画像出力装置4に対して出力する。このとき、画像出力装置4がダイレクト出力形式のジョブデータJBに基づいてジョブを実行可能なダイレクト出力対応装置である場合、ドキュメントサーバー2は、ダイレクト出力形式のジョブデータJBを生成して画像出力装置4に送信する。また画像出力装置4がダイレクト出力形式のジョブデータJBに基づいてジョブを実行することができないダイレクト出力非対応装置である場合、ドキュメントサーバー2は、ダイレクト出力形式でないジョブデータJBであって、画像出力装置4でジョブを実行可能なジョブデータJBを生成して画像出力装置4に送信する。以下、そのようなドキュメントサーバー2の構成及び動作について詳しく説明する。
【0029】
図2は、ドキュメントサーバー2のハードウェア構成及び機能構成の一例を示す図である。ドキュメントサーバー2は、上述した記憶装置3の他、CPUとメモリとを備えて構成される制御部10及びネットワークインタフェース11を備えている。
【0030】
記憶装置3は、ドキュメントファイルD1の他、制御部10のCPUによって実行されるプログラム12及びドライバプログラム13を記憶する。プログラム12は、ドキュメントサーバー2の制御部10を後述する各種処理部として機能させるためのプログラムであり、記憶装置3に予めインストールされている。ドライバプログラム13は、ジョブデータJBの出力先となる画像出力装置4に対応するジョブデータJBを生成するためのプログラムである。このドライバプログラム13は、例えばユーザーが出力先として指定可能な画像出力装置4がドキュメントサーバー2に登録されるときに予め記憶装置3にインストールされるものであっても良い。ただし、それに限られるものではなく、例えばユーザーによって画像出力装置4が出力先として指定されたときに、ドキュメントサーバー2がインターネット検索を行い、画像出力装置4に対応するドライバプログラム13を取得して記憶装置3に記憶する態様であっても構わない。
【0031】
記憶装置3に記憶されるドキュメントファイルD1は、例えばPDF(Portable Document Format)やXPS(XML Paper Specification)などのファイルであり、特定のアプリケーションによってドキュメントの閲覧や編集を行うことができるファイルである。このドキュメントファイルD1には、ドキュメントの実体部分であるドキュメント情報D2と、ページサイズやページ数などのドキュメントに関する属性情報D3とが含まれる。尚、記憶装置3は、そのようなドキュメントファイルD1を複数記憶することができる。
【0032】
制御部10は、CPUがプログラム12を読み出して実行することにより、ドキュメント管理部15、出力指示受付部16、出力装置判別部17及び出力処理部18として機能する。ネットワークインタフェース11は、ドキュメントサーバー2をネットワーク6に接続し、画像出力装置4及び情報処理端末5との通信を行うものである。
【0033】
ドキュメント管理部15は、記憶装置3に記憶されているドキュメントファイルD1を管理する。例えば情報処理端末5を操作するユーザーがドキュメントサーバー2にログインすると、ドキュメント管理部15は、記憶装置3に記憶されている複数のドキュメントファイルの中からログインユーザーが利用可能なドキュメントファイルD1を抽出し、情報処理端末5にリスト情報を送信する。このとき、ドキュメント管理部15は、例えばドキュメントサーバー2に予め登録されている複数の画像出力装置4の中からユーザーが利用可能な少なくとも1つの画像出力装置4を特定し、その特定した画像出力装置4をジョブの出力先として指定可能であることを示す情報を送信する。そのため、ユーザーは、情報処理端末5において表示されるリスト情報の中から出力対象であるドキュメントファイルD1を選択して印刷出力を指示することができると共に、印刷出力を行う画像出力装置4を指定することもできる。
【0034】
出力指示受付部16は、情報処理端末5から送信される出力指示CDを受信することにより機能する。出力指示受付部16は、出力指示CDに含まれる情報に基づき、記憶装置3に記憶された複数のドキュメントファイルの中から出力対象となるドキュメントファイルD1を特定すると共に、ドキュメントファイルD1の出力先となる画像出力装置4を特定する。
【0035】
出力装置判別部17は、ドキュメントファイルD1の出力先として指定された画像出力装置4がダイレクト印刷(ダイレクト出力)に対応したダイレクト出力対応装置であるか否かを判別する。例えば、出力装置判別部17は、ドキュメントサーバー2に予め登録されている複数の画像出力装置4に関する情報の中からユーザーによって出力先として指定された画像出力装置4に関する情報を読み出し、その読み出し情報に基づいて出力先である画像出力装置4がダイレクト出力対応装置であるか否かを判別する。ただし、これに限られるものではなく、ユーザーによって指定された画像出力装置4と通信を行うことによって画像出力装置4からモデル情報などをその都度取得し、そのモデル情報に基づいてダイレクト出力対応装置であるか否かを判別するものであっても良い。出力装置判別部17によってダイレクト出力対応装置であるか否かが判別されると、制御部10は、出力処理部18を機能させる。
【0036】
出力処理部18は、ユーザーによって指定されたドキュメントファイルD1に基づいてジョブデータJBを生成し、出力先である画像出力装置4にジョブデータJBを送信する処理部である。
【0037】
図3は、出力処理部18の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。出力処理部18は、図3に示すように、雛形データ生成部20と、ドキュメント処理部30と、ジョブ生成部40と、ジョブ出力部50とを備えており、出力装置判別部17によって画像出力装置4がダイレクト出力対応装置であると判定された場合と、画像出力装置4がダイレクト印刷に対応していないダイレクト出力非対応装置であると判定された場合とで異なる処理を行ってジョブデータJBを生成する。尚、図3では、出力先である画像出力装置4がダイレクト出力非対応装置である場合を例示している。
【0038】
雛形データ生成部20は、出力先として指定された画像出力装置4に対応するジョブの雛形となるジョブ雛形データD20を生成する処理部である。この雛形データ生成部20は、ダミー画像生成部21と、プリンタドライバ22と備える。
【0039】
ダミー画像生成部21は、出力対象として指定されたドキュメントファイルD1からページサイズやページ数などの属性情報D3を読み出し、その属性情報D3と同一属性のダミー画像データD10を生成する。ダミー画像データD10は、ドキュメントファイルD1に含まれるドキュメント情報D2と同じページサイズ及びページ数を有し、且つ、白又は黒の同一ピクセルを連続的に配置して構成される画像データである。同一ピクセルを連続的に配置したダミー画像データD10を生成することにより、ダミー画像データD10の圧縮率を高めることができる。尚、画像データD10を高圧縮率で圧縮するためには同一ピクセルが連続していれば良いため、白又は黒に限られるものではなく、グレーレベルのピクセルを連続配置したものであっても良い。例えばドキュメントファイルD1がA4サイズで10ページからなるドキュメントを含んでいる場合、ダミー画像生成部21は、A4サイズで白紙のダミー画像データD10を10ページ分生成する。またダミー画像生成部21は、ダミー画像データD10を、例えばビットマップやJPEGなどの所定データフォーマットの画像ファイルとして生成する。つまり、ダミー画像データD10は、ドキュメントファイルD1とは異なるファイルとして生成される。
【0040】
ダミー画像生成部21によってダミー画像データD10が生成されると、雛形データ生成部20は、出力先の画像出力装置4に対応するプリンタドライバ22を起動する。例えば雛形データ生成部20は、ユーザーによって指定された画像出力装置4に対応するドライバプログラム13が予め記憶装置3にインストールされているときには、記憶装置3からドライバプログラム13を読み出して実行することにより、プリンタドライバ22を起動させる。またユーザーによって指定された画像出力装置4に対応するドライバプログラム13が記憶装置3に予めインストールされていないときには、雛形データ生成部20はインターネット検索などを行って画像出力装置4に対応するドライバプログラム13をインターネット経由で取得し、その取得したドライバプログラム13を実行することによりプリンタドライバ22を起動させる。そしてダミー画像生成部21は、ドキュメントファイルD1の属性情報D3と同一属性を有するダミー画像データD10をそのプリンタドライバ22に供給する。このとき、雛形データ生成部20は、ユーザーによって設定されたカラー印刷や両面印刷などの印刷出力時の設定情報があれば、その設定情報もプリンタドライバ22に供給する。
【0041】
プリンタドライバ22は、ダミー画像生成部21によって生成されたダミー画像データD10を入力すると、そのダミー画像データD10に基づいてジョブ雛形データD20を生成する。すなわち、プリンタドライバ22は、ユーザーによって設定された設定情報をPJL(Printer Job Language)コマンドなどに変換したジョブ制御情報D21を生成する。またプリンタドライバ22は、ダミー画像生成部21によって生成されたダミー画像データD10をJPEGなどの所定フォーマットに変換し、所定フォーマットのダミー画像データD10をPCL(Printer Control Language)などのページ記述言語で出力対象に指定したジョブ実体情報D22を生成する。尚、プリンタドライバ22に入力するダミー画像データD10が既にJPEGなどの所定フォーマットで生成されていれば、プリンタドライバ22は、ダミー画像データD10のデータフォーマットを変換しなくても良い。そしてプリンタドライバ22は、ジョブ制御情報D21とジョブ実体情報D22とを含むジョブ雛形データD20を生成する。
【0042】
図4は、プリンタドライバ22によって生成されるジョブ雛形データD20の概念を示す図である。図4に示すようにジョブ雛形データD20は、印刷出力時の出力設定を定義したジョブ制御情報D21と、ページ記述言語で表現されたジョブ実体情報D22とを有する。そしてジョブ実体情報D22においては、例えばJPEGなどの所定フォーマットのダミー画像データD10がページ記述言語によって出力対象として指定される。例えば図4に示すように、ダミー画像データD10は、ページ記述言語の画像データの始まりを示す第1コマンド26と、画像データの終わりを示す第2コマンド27との間に挟まれた状態に配置される。ダミー画像データD10が複数のページを有する場合、各ページの画像データがそれぞれ第1コマンド26と第2コマンド27とに挟まれた状態に配置され、それぞれのページが個別に出力対象として指定される。またページ記述言語は、出力対象であるダミー画像データD10がどのようなフォーマットの画像データであるかを示す情報を含んでいる。このようにプリンタドライバ22は、ページ記述言語でダミー画像データD10を1ページずつ出力対象に指定したジョブ実体情報D22を生成し、そのジョブ実体情報D22のヘッダー部分にジョブ制御情報D21を付加することにより、ジョブ雛形データD20を生成する。
【0043】
ドキュメント処理部30は、ユーザーによって出力対象として指定されたドキュメントファイルD1に対する処理を行う。このドキュメント処理部30は、ドキュメント取得部31と、画像変換モジュール32とを備える。
【0044】
ドキュメント取得部31は、記憶装置3からユーザーによって出力対象として指定されたドキュメントファイルD1を読み出すものである。出力装置判別部17によって画像出力装置4がダイレクト出力非対応装置であると判定された場合、ドキュメント取得部31によってドキュメントファイルD1が読み出されると、そのドキュメントファイルD1は画像変換モジュール32に供給される。
【0045】
画像変換モジュール32は、ジョブの出力先である画像出力装置4がダイレクト出力非対応装置である場合に機能し、ドキュメントファイルD1に含まれる実体的なドキュメント情報D2をJPEGなどの所定フォーマットの画像データD31に変換する処理部である。この画像変換モジュール32は、ドキュメント情報D2を、プリンタドライバ22によって生成されるジョブ雛形データD20のジョブ実体情報D22に含まれるダミー画像データD10のフォーマットと同じフォーマットの画像データD31に変換する。例えば図3に示すように、ジョブ雛形データD20に含まれるダミー画像データD10がJPEGフォーマットである場合、画像変換モジュール32は、ドキュメントファイルD1に含まれるドキュメント情報D2に基づきJPEGフォーマットの画像データD31を生成する。またドキュメントファイルD1が複数ページのドキュメントで構成される場合、画像変換モジュール32は、1ページずつ個別の画像データD31を生成する。
【0046】
ジョブ生成部40は、出力先である画像出力装置4に対して出力すべきジョブデータJBを生成する処理部である。ジョブ生成部40は、ジョブの出力先である画像出力装置4がダイレクト出力非対応装置である場合、雛形データ生成部20によって生成されるジョブ雛形データD20を入力し、そのジョブ雛形データD20においてジョブ実体情報D22のページ記述言語の内部に含まれるダミー画像データD10を画像変換モジュール32によって生成された画像データD31に置き換えることによりジョブデータJBを生成する。
【0047】
図5は、画像出力装置4がダイレクト出力非対応装置である場合にジョブ生成部40によって生成されるジョブデータJBの一例を示す図である。このジョブデータJBは、図4のジョブ雛形データD20に基づいて作成される。画像出力装置4がダイレクト出力非対応装置である場合、図5に示すように画像変換モジュール32によって生成された画像データD31がダミー画像データD10と置き換えられることにより、ドキュメントファイルD1に基づく画像データD31がページ記述言語の第1コマンド26と第2コマンド27とに挟まれた状態となる。つまり、画像データの置き換えにより、ドキュメントファイルD1に基づく画像データD31がページ記述言語によって出力対象として指定された状態となる。このとき、ページ記述言語の内部から取り除かれるダミー画像データD10と、ページ記述言語の内部に新たに埋め込まれる画像データD31とは互いにデータフォーマットが同じであるため、ジョブ生成部40は、プリンタドライバ22によって生成されたページ記述言語に対しては何ら変更を加えることなく、画像データだけを置き換えるだけで、ダイレクト印刷に対応していない画像出力装置4のためのジョブデータJBを生成することができる。
【0048】
ジョブ生成部40によって上記のようなジョブデータJBが生成されると、そのジョブデータはジョブ出力部50へ供給される。ジョブ出力部50は、ジョブ生成部40からジョブデータJBを取得すると、そのジョブデータJBを出力先である画像出力装置4に対して出力し、画像出力装置4にジョブを実行させる。
【0049】
このように画像出力装置4がダイレクト出力非対応装置である場合、ドキュメントサーバー2は、出力対象であるドキュメントファイルD1を所定ファイル形式の画像データD31に変換し、その画像データD31をページ記述言語で出力対象に指定したジョブ実体情報D22を生成してジョブ雛形データD20に付加することにより、画像出力装置4において実行可能なジョブデータJBを生成する。したがって、ダイレクト出力非対応装置である画像出力装置4は、ドキュメントサーバー2から受信するジョブデータJBに基づいてジョブを正常に実行することが可能であり、ドキュメントファイルD1に基づく印刷出力を行うことができる。
【0050】
また上記のような構成では、ドキュメントサーバー2においてドキュメントファイルD1を取り扱うことが可能な専用のアプリケーションを起動する必要がないため、画像出力装置4がダイレクト出力非対応装置であっても、ドキュメントサーバー2は、ジョブデータJBを画像出力装置4に直接送信してジョブを実行させることができるという利点がある。
【0051】
次に出力先として指定された画像出力装置4がダイレクト出力対応装置である場合について説明する。図6は、画像出力装置4がダイレクト出力対応装置である場合の出力処理部18の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。この場合、出力処理部18におけるドキュメント処理部30及びジョブ生成部40による処理が上述したものと異なる。これに対し、雛形データ生成部20は、画像出力装置4がダイレクト出力非対応装置である場合と同様にしてジョブ雛形データD20を生成し、そのジョブ雛形データD20をジョブ生成部40へ出力する。
【0052】
画像出力装置4がダイレクト出力対応装置である場合、ドキュメント処理部30は、ドキュメント取得部31だけを機能させる。ドキュメント取得部31は、記憶装置3から出力対象であるドキュメントファイルD1を取得し、そのドキュメントファイルD1をジョブ生成部40へ出力する。
【0053】
ジョブ生成部40は、ジョブの出力先である画像出力装置4がダイレクト出力対応装置である場合、雛形データ生成部20によって生成されるジョブ雛形データD20と、ドキュメント取得部31によって取得されるドキュメントファイルD1とを入力する。そしてジョブ生成部40は、ジョブ雛形データD20のジョブ実体情報D22に含まれるページ記述言語の部分全体をドキュメントファイルD1に置き換えることによりダイレクト印刷形式のジョブデータJBを生成する。
【0054】
図7は、画像出力装置4がダイレクト出力対応装置である場合にジョブ生成部40によって生成されるジョブデータJBの一例を示す図である。このジョブデータJBもまた、図4のジョブ雛形データD20を元にして作成される。画像出力装置4がダイレクト出力対応装置である場合、ジョブ雛形データD20のページ記述言語で表現されたジョブ実体情報D22の全体がドキュメントファイルD1に置き換えられる。そのため、ジョブデータJBのジョブ実体情報D22は、図7に示すようにドキュメントファイルD1によって構成される。
【0055】
そしてジョブ出力部50は、ジョブ生成部40によって生成される図7に示すようなジョブデータJBを、ダイレクト出力対応装置である画像出力装置4に対して出力する。つまり、ドキュメントサーバー2は、ダイレクト印刷形式のジョブデータJBを画像出力装置4に対して直接送信することにより、画像出力装置4にジョブを実行させる。
【0056】
このように画像出力装置4がダイレクト出力対応装置である場合、ドキュメントサーバー2は、雛形データ生成部20によって生成されるジョブ雛形データD20に対し、記憶装置3から読み出したドキュメントファイルD1をジョブ実体情報D22として付加することにより、画像出力装置4において実行可能なジョブデータJBを生成する。したがって、ダイレクト出力対応装置である画像出力装置4は、ドキュメントサーバー2から受信するジョブデータJBに基づいてジョブを正常に実行することが可能であり、ドキュメントファイルD1に基づく印刷出力を行うことができる。またこの場合においても、ドキュメントサーバー2においてドキュメントファイルD1を取り扱うことが可能な専用のアプリケーションを起動する必要はない。
【0057】
次にドキュメントサーバー2における具体的な処理手順について説明する。図8は、ドキュメントサーバー2によって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。ドキュメントサーバー2は、この処理を開始すると、情報処理端末5からユーザーによる出力指示CDを受信したか否かを判断し(ステップS10)、出力指示CDを受信すると(ステップS10でYES)、ステップS11以降の処理を順次実行する。情報処理端末5から出力指示CDを受信した場合、ドキュメントサーバー2は、その出力指示CDに基づき、出力対象として指定されたドキュメントファイルD1を特定し(ステップS11)、そのドキュメントファイルD1の属性情報D3を読み出す(ステップS12)。そしてドキュメントサーバー2は、上述の雛形データ生成部20を機能させ、ドキュメントファイルD1の属性情報D3と同一属性となるダミー画像データD10を生成する(ステップS13)。
【0058】
次にドキュメントサーバー2は、ユーザーによって指定された出力先となる画像出力装置4を判別する(ステップS14)。このとき、画像出力装置4のモデルなどが特定されると共に、画像出力装置4がダイレクト出力対応装置であるか否かが特定される。そしてドキュメントサーバー2は、ステップS14で特定された画像出力装置4に対応するプリンタドライバ22を起動し(ステップS15)、ステップS13で生成されたダミー画像データD10をそのプリンタドライバ22に供給することにより、ダミー画像データD10を含むジョブ雛形データD20を生成する(ステップS16)。
【0059】
そしてドキュメントサーバー2は、記憶装置3からドキュメントファイルD1を読み出す(ステップS17)。続いてドキュメントサーバー2は、出力先となる画像出力装置4がダイレクト出力対応装置であるか否かを判断する(ステップS18)。その結果、ダイレクト出力対応装置でない場合(ステップS18でNO)、ドキュメントサーバー2は、ドキュメントファイルD1に基づいて画像データD31を生成し(ステップS19)、ジョブ雛形データD20に含まれるダミー画像データD10をドキュメントファイルD1に基づいて作成した画像データD31に置き換えてジョブデータJBを生成する(ステップS20)。
【0060】
一方、画像出力装置4がダイレクト出力対応装置である場合(ステップS18でYES)、ドキュメントサーバー2は、ジョブ雛形データD20のページ記述言語で表現されたジョブ実体情報D22をドキュメントファイルD1に置き換えてジョブデータJBを生成する(ステップS21)。その後、ドキュメントサーバー2は、ステップS20又はS21で生成したジョブデータJBを画像出力装置4に出力し、全ての処理が終了する。
【0061】
以上のように本実施形態の画像出力システム1は、情報処理端末5が、ドキュメントサーバー2に記憶されているドキュメントファイルの中から出力対象となるドキュメントファイルD1を指定して画像出力装置4に対するジョブを出力することを指示する。そしてドキュメントサーバー2は、画像出力装置4が出力対象となるドキュメントファイルD1のファイル形式をそのまま出力可能なダイレクト出力対応装置でない場合に、そのドキュメントファイルD1を所定ファイル形式の画像データD31に変換し、出力設定を定義したジョブ制御情報D21と、画像データD31をページ記述言語で出力対象に指定したジョブ実体情報D22とを含むジョブデータJBを生成して画像出力装置4に送信する。これにより、ダイレクト出力対応装置でない画像出力装置4は、ドキュメントサーバー2から出力されるジョブデータJBに基づきドキュメントファイルD1に基づいて印刷出力などを行うことができる。
【0062】
またドキュメントサーバー2は、画像出力装置4がドキュメントファイルD1のファイル形式をそのまま出力可能なダイレクト出力対応装置である場合、出力設定を定義したジョブ制御情報D21と、出力対象のドキュメントファイルD1で構成されるジョブ実体情報D22とを含むジョブデータJBを生成して画像出力装置4に送信する。そのため、ドキュメントサーバー2は、ダイレクト出力対応装置に対してダイレクト印刷形式のジョブデータJBを送信してジョブを実行させることができる。
【0063】
ところで、上記においては、主としてドキュメントサーバー2から画像出力装置4に対して送信するジョブが印刷出力のための印刷ジョブである場合について説明したが、ドキュメントサーバー2は、印刷ジョブだけでなく、FAX送信のためのFAXジョブを画像出力装置4に送信することも可能である。この場合、出力指示受付部16は、情報処理端末5から送信される出力指示CDに基づきドキュメントファイルD1に基づくジョブを印刷ジョブとFAXジョブとのいずれのジョブとして出力するかを判別する。そしてFAXジョブとして出力する場合、出力処理部18は、ダイレクト出力非対応装置の場合と同様の処理を行ってジョブデータJBを生成する。すなわち、FAXジョブの場合、ドキュメントサーバー2は、図5に示したように画像変換モジュール32によってドキュメントファイルD1から生成された画像データD31がページ記述言語のジョブ実体情報D22に包含されたジョブデータJBを生成する。このようなジョブデータJBでは、JPEGなどの所定フォーマットの画像データD31がページ記述言語によって出力対象として指定される。FAXジョブの場合にそのようなジョブデータJBが生成されて送信されることにより、画像出力装置4がジョブデータJBに基づいてFAX送信を行うときには、画像データD31に基づいて各ピクセルのデータをそのままラスター送信することができる。そのため、画像出力装置4においてラスタライズ処理を行う必要がなくなるので、FAX送信時の処理負担を軽減することができるという利点がある。
【0064】
また本実施形態のドキュメントサーバー2は、ドキュメントファイルD1の属性情報D3と同一属性を有するダミー画像データD10を生成するとき、同一ピクセルが連続したダミー画像データD10を生成する。そのため、ジョブデータJBの生成過程において途中で破棄されるダミー画像データD10を高圧縮率で圧縮することができるので、ダミー画像データD10によるメモリ占有率などを低減することができ、ダミー画像データD10による処理効率の低下を抑制することができるという利点がある。
【0065】
(第2実施形態)
次に第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、雛形データ生成部20がジョブ雛形データD20を生成するとき、ドキュメントファイルD1の属性情報D3に基づいてダミー画像データD10を生成する形態について説明した。しかし、そのようなダミー画像データD10は、画像出力装置4に対して送信されるジョブデータJBが生成される過程において途中で破棄される。そこで、本実施形態では、ダミー画像データD10を生成することなく、出力先である画像出力装置4に対応したジョブデータJBを生成する構成例について説明する。
【0066】
図9は、第2実施形態における出力処理部18の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。この出力処理部18は、第1実施形態と同様、雛形データ生成部20と、ドキュメント処理部30と、ジョブ生成部40と、ジョブ出力部50とを備えており、出力装置判別部17によって画像出力装置4がダイレクト出力対応装置であると判定された場合と、画像出力装置4がダイレクト印刷に対応していないダイレクト出力非対応装置であると判定された場合とで異なる処理を行ってジョブデータJBを生成する。尚、図9では、出力先である画像出力装置4がダイレクト出力非対応装置である場合を例示している。
【0067】
雛形データ生成部20は、出力先として指定された画像出力装置4に対応するジョブの雛形となるジョブ雛形データD20を生成する処理部であり、プリンタドライバ22を備える。つまり、第2実施形態の雛形データ生成部20は、ダミー画像生成部21を備えておらず、ダミー画像データD10を生成しない。プリンタドライバ22は、ユーザーによって設定された設定情報をPJL(Printer Job Language)コマンドなどに変換したジョブ制御情報D21を生成し、そのジョブ制御情報D21だけを含むジョブ雛形データD20を生成する。つまり、本実施形態では、ジョブ実体情報D22を含まないジョブ雛形データD20が生成される。したがって、本実施形態では、プリンタドライバ22を起動するために雛形データ生成部20が実行するドライバプログラム13は、必ずしも画像出力装置4に専用のプログラムであることは必要でなく、画像出力装置4が解釈可能なジョブ制御情報D21を作成することができる汎用的なプログラムであっても構わない。汎用的なプログラムの場合には、ドライバプログラム13を予め記憶装置3にインストールしておくことができるため、出力指示CDを受信したタイミングでインターネット検索などを行う必要がなくなるという利点がある。そして雛形データ生成部20は、ジョブ雛形データD20をジョブ生成部40へ出力する。
【0068】
ドキュメント処理部30は、第1実施形態と同様である。すなわち、画像出力装置4がダイレクト出力非対応装置である場合、図9に示すように画像変換モジュール32が機能し、ドキュメント取得部31によって取得されたドキュメントファイルD1に含まれる実体的なドキュメント情報D2がJPEGなどの所定フォーマットの画像データD31に変換される。そしてドキュメント処理部30は、ドキュメントファイルD1に基づいて作成した画像データD31をジョブ生成部40へ出力する。
【0069】
ジョブ生成部40は、画像出力装置4がダイレクト出力非対応装置である場合、ジョブ制御情報D21を含むジョブ雛形データD20と、ドキュメントファイルD1に基づいて作成された画像データD31とを入力し、ジョブデータJBを生成する。ジョブ生成部40は、画像データD31を入力すると、画像出力装置4で解釈可能なページ記述言語で画像データD31を出力対象に指定したジョブ実体情報D22を作成し、そのジョブ実体情報D22をジョブ制御情報D21に付加してジョブデータJBを生成する。したがって、画像出力装置4がダイレクト出力非対応装置である場合にジョブ生成部40によって生成されるジョブデータJBは第1実施形態と同様のデータであり、例えば図5に示したようなジョブデータJBが生成される。
【0070】
次に画像出力装置4がダイレクト出力対応装置である場合について説明する。図10は、画像出力装置4がダイレクト出力対応装置である場合の出力処理部18の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。この場合、出力処理部18におけるドキュメント処理部30及びジョブ生成部40による処理が上述したものと異なる。一方、雛形データ生成部20は、画像出力装置4がダイレクト出力非対応装置である場合と同様にジョブ雛形データD20を生成し、そのジョブ雛形データD20をジョブ生成部40へ出力する。
【0071】
画像出力装置4がダイレクト出力対応装置である場合、ドキュメント処理部30は、第1実施形態と同様にドキュメント取得部31だけを機能させ、記憶装置3から出力対象であるドキュメントファイルD1を取得してジョブ生成部40へ出力する。
【0072】
ジョブ生成部40は、ジョブの出力先である画像出力装置4がダイレクト出力対応装置である場合、雛形データ生成部20によって生成されるジョブ雛形データD20と、ドキュメント取得部31によって取得されるドキュメントファイルD1とを入力する。そしてジョブ生成部40は、ドキュメントファイルD1をジョブ実体情報D22として取り扱い、そのジョブ実体情報D22をジョブ雛形データD20に含まれるジョブ制御情報D21に付加してジョブデータJBを生成する。したがって、画像出力装置4がダイレクト出力対応装置である場合においても、ジョブ生成部40によって生成されるジョブデータJBは第1実施形態と同様のデータとなり、例えば図7に示したようなジョブデータJBが生成される。
【0073】
このような第2実施形態においては、ジョブデータJBが生成される過程において破棄されるダミー画像データD10を作成する必要がないため、メモリ使用量を増加させることなく、効率的にジョブデータJBを生成することができる。尚、その他の点については、第1実施形態と同様であり、本実施形態においても第1実施形態で説明した作用効果と同様の作用効果を奏する。
【0074】
(変形例)
以上、本発明に関する一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態において説明した内容のものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0075】
例えば上記実施形態では、ドキュメントサーバー2は、1台のサーバー装置で構成される場合を例示したが、上述したドキュメントサーバー2の機能は複数のサーバー装置で実現されるものであっても構わない。例えばドキュメントファイルD1を記憶して管理するサーバーと、ジョブデータJBを生成するサーバーとが別のサーバー装置として実現されるものであっても良い。
【0076】
また上記実施形態では、ドキュメントサーバー2がインターネット上のクラウドサーバーとして設けられる場合を例示したが、それに限られるものでもない。例えばドキュメントサーバー2は、オフィス環境などのローカルネットワークに設置されるものであっても良い。
【0077】
また上記実施形態では、一例としてユーザーが情報処理端末5を操作し、情報処理端末5からドキュメントサーバー2に対して出力指示CDが送信される場合を例示したが、これに限らず、例えばユーザーが画像出力装置4を操作することにより画像出力装置4からドキュメントサーバー2に出力指示CDが送信される場合であっても上述したジョブデータJBの生成手法を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 画像出力システム
2 ドキュメントサーバー
3 記憶装置(記憶手段)
4 画像出力装置
5 情報処理端末
6 ネットワーク
16 出力指示受付部(受付手段)
17 出力装置判別部(出力装置判別手段)
20 雛形データ生成部(雛形データ生成手段)
32 画像変換モジュール(画像変換手段)
40 ジョブ生成部(ジョブ生成手段)
50 ジョブ出力部(ジョブ出力手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10