(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電解質溶液はリチウム塩を含有し、リチウム塩の塩濃度が1.1〜1.7mol/Lであることを特徴とする請求項1から請求項3に記載のリチウムイオン二次電池。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに以下に記載した構成要素は、適宜組み合わせることができる。
【0016】
(リチウムイオン二次電池)
本発明に係るリチウムイオン二次電池について
図1を参照して簡単に説明する。
リチウムイオン二次電池はリチウムを吸蔵放出可能な正極、負極およびセパレータより構成される。正極、負極、およびセパレータはケースまたは外装体に封入されており、電解質溶液が含浸された状態で充電および放電がおこなわれる。リチウムイオン二次電池100は、主として、積層体30、積層体30を密閉した状態で収容するケース50、及び積層体30に接続された一対のリード60,62を備えている。
【0017】
積層体30は、一対の正極10、負極20がセパレータ18を挟んで対向配置されたものである。正極10は、正極集電体12上に正極活物質層14が設けられた物である。負極20は、負極集電体22上に負極活物質層24が設けられた物である。正極活物質層14及び負極活物質層24がセパレータ18の両側にそれぞれ接触している。正極集電体12及び負極集電体22の端部には、それぞれリード60,62が接続されており、リード60,62の端部はケース50の外部にまで延びている。
【0018】
(正極)
正極10は、
図2に示すように、板状(膜状)の正極集電体12と、正極集電体12上に形成された正極活物質層14とを有している。
【0019】
以下、本実施形態に係る正極10について、詳細に説明する。本実施形態にかかる正極10は、正極活物質として下記式(1)で表される化合物を用い、電極密度が3.75〜4.1g/cm
3であり、正極の電極としてのBET比表面積が1.3〜3.5m
2/gである。
Li
a(Ni
xCo
yAl
1−x−y)O
2 ・・・(1)
(0.95≦a≦1.05、0.5≦x≦0.9、0.05≦y≦0.2、0.7≦x+y≦1.0である。)
正極活物質には重量当りの容量が大きい点でLi
a(Ni
xCo
yAl
1−x−y)O
2(0.95≦a≦1.05、0.5≦x≦0.9、0.05≦y≦0.2、0.7≦x+y≦1.0)の組成で表される化合物が好適に用いられる。中でも0.70≦x≦0.90の範囲にあるものは容量とレート特性のバランスが良いためにより好ましい。
【0020】
この正極10を用いると、以下の理由により高レート放電特性に優れるリチウムイオン二次電池が得られるものと推察される。
電極密度が3.75〜4.1g/cm
3であることにより、正極活物質および導電助剤との接触が良好になり、電子伝導性に優れ、抵抗が減少して高レート放電容量が向上したものと考えられる。
それに加えて、正極10の電極としてのBET比表面積が1.3〜3.5m
2/gであることにより、より電解液との親和性が高く、イオン伝導性が向上するものと考えられる。
【0021】
電極密度は電極の重量と塗膜の厚みから計算することができる。この場合の電極は活物質、導電助剤、結着剤からなる塗膜であり、電極密度を計算する場合の電極重量は揮発成分が除かれた状態の活物質、導電助剤、結着剤からなる塗膜の重量である。
【0022】
BET比表面積は通常用いられる方法として圧力を変化させながら窒素の吸着脱離をおこない、BETの吸着等温式により求めることができる。電極のBET比表面積を測定するには電極の一部を切断してサンプル管に電極を挿入することによって測定することができる。
【0023】
正極10の細孔体積は0.005〜0.02cm
3/gであると好ましい。これにより、より優れた高レート放電特性が得られる。
その理由としては以下の現象が考えられる。正極10の細孔には電解液が含浸されイオン伝導性を確保する。その際に必要十分な細孔が確保されることにより優れた高レート放電特性が得られるものと考えられる。
【0024】
細孔体積は窒素の吸着脱離により求めることができる。この方法より得られる細孔体積はおよそ1000Å以下の細孔が持つ細孔体積であると考えられる。
【0025】
正極10の電極活物質担持量が20〜30mg/cm
2であるとさらに好ましい。電極活物質担持量がこの範囲であることにより、優れた高レート放電特性が得られる。
【0026】
正極10の導電助剤としてはカーボンブラック類、黒鉛類、カーボンナノチューブ(CNT)、気相成長炭素繊維(VGCF)などの炭素が挙げられる。カーボンブラック類としてはアセチレンブラック、オイルファーネス、ケッチェンブラック、などがあるが、中でも導電性に優れるという点でケッチェンブラックを用いることが好ましい。またカーボンブラック類および黒鉛類、カーボンナノチューブ(CNT)、気相成長炭素繊維(VGCF)など含む1種類以上の炭素を含むことがより好ましい。これら導電助剤の種類および混合比により電極の比表面積を調整することができる。導電助剤の混合比は正極全体に対して0.5〜2.5重量%であることが好ましい。導電助剤の量が少なすぎると電子伝導性が低くなり、レート特性が低下する。導電助剤の量が多すぎると集電体との結着力が不足する。
【0027】
正極10の結着剤としてはポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、芳香族ポリアミド、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム等を用いてもよい。また、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物等の熱可塑性エラストマー状高分子を用いてもよい。更に、シンジオタクチック1、2−ポリブタジエン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン・α−オレフィン(炭素数2〜12)共重合体等を用いてもよい。電極密度を高くするという観点から結着剤として用いられる高分子の比重は1.2g/cm
3より大きいことが好ましい。また電極密度を高くし、且つ接着力を高める点から重量平均分子量が70万以上であることが好ましい。
【0028】
正極活物質層14に含まれる結合剤の含有率は、活物質層の質量を基準として0.5〜6質量%であることが好ましい。結合剤の含有率が0.5質量%未満となると、結合剤の量が少なすぎて強固な活物質層を形成できなくなる傾向が大きくなる。また、結合剤の含有率が6質量%を超えると、電気容量に寄与しない結合剤の量が多くなり、十分な体積エネルギー密度を得ることが困難となる傾向が大きくなる。また、この場合、特に結合剤の電子伝導性が低いと活物質層の電気抵抗が上昇し、十分な電気容量が得られなくなる傾向が大きくなる。
【0029】
上述の活物質と必要に応じた量の導電助剤と混合する。活物質と導電助剤を混合する場合に分散の程度を調整することによって電極の比表面積を調整することができる。具体的には活物質と導電助剤を混合し、乾式ボールミル、気流粉砕機、乾式粉砕機、湿式粉砕機等と用いることにより活物質と導電助剤の混合状態を変えることにより電極の比表面積を調整することができる。活物質と導電助剤の混合物に、溶媒に添加してスラリーを調整する。溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等を用いることができる。溶媒を混合する量を調整することによって混錬と呼ばれる固練りの工程を入れることができる。混錬をする際の固形分濃度と混錬時間を調整することによって細孔体積を調整することができる。混錬時の固形分濃度と混錬時間によって活物質と導電助剤および結着剤の複合のされ方に違いが出るためであると考えられる。
【0030】
正極集電体12は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミ、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。
【0031】
<正極の製造方法>
本実施形態に係る電極の製造方法は、スラリー作製工程と、電極塗布工程、および圧延工程とを備える。
【0032】
[スラリー作製工程]
(原料混合物)
スラリー作製工程において、まず、原料混合物を準備する。原料混合物は、正極活物質としてLi
a(Ni
xCo
yAl
1−x−y)O
2(0.95≦a≦1.05、0.5≦x≦0.9、0.05≦y≦0.2、0.7≦x+y≦1.0)、導電助剤および結着剤とを含む。正極活物質のBET比表面積は0.3〜1.0の範囲であることが好ましい。この範囲にあるものは放電容量が高く、高レート放電特性に優れる。活物質の混合比は電極密度とレート特性の点から正極全体に対して93〜98.5重量%であることが好ましい。
【0033】
[電極作製工程]
混錬した後に粘度調整したスラリーはドクターブレード、スロットダイ、ノズル、グラビアロールなどの方法より適宜選択される方法によって塗布することができる。塗布の量やライン速度の調整により正極活物質として20〜30mg/cm
2の担持量になるように正極担時量を調整することができる。塗布の後に乾燥をおこなう。乾燥の方法は特に限定されないが、乾燥の速度により電極の細孔体積を調整することができる。
【0034】
[圧延工程]
塗布、乾燥後の電極はロールプレスにより圧延をおこなう。ロールを加熱し結着剤を柔らかくすることにより、より高い電極密度を得ることができる。ロールの温度は100℃〜200℃の範囲が好ましい。ロールプレスの圧力、ロール間の隙間および、ロールの温度によりまた、ロール表面の表面粗さを調整することによって電極の比表面積を調整することができる。
【0035】
このようにして得られた正極10を、リチウムイオン二次電池の電極として用いると、高い高レート放電特性を得ることができる。
【0036】
(負極)
負極20は、板状の負極集電体22と、負極集電体22上に形成された負極活物質層2
4を備える。負極集電体22、結合材、導電助剤は、それぞれ、正極と同様のものを試用できる。また、負極活物質は特に限定されず、公知の電池用の負極活物質を使用できる。負極活物質としては、例えば、リチウムイオンを吸蔵・放出(インターカレート・デインターカレート、或いはドーピング・脱ドーピング)可能な黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温度焼成炭素等の炭素材料、Al、Si、Sn等のリチウムと化合することのできる金属、SiO、SiO
2、SnO
2等の酸化物を主体とする非晶質の化合物、チタン酸リチウム(Li
4Ti
5O
12)等を含む粒子が挙げられる。中でも正極からのリチウムイオンの受け入れ性が高いSiOを用いることが高レート放電特性を高めるために好ましい。
【0037】
(電解質溶液)
電解質溶液は、正極活物質層14、負極活物質層24、及び、セパレータ18の内部に含有させるものである。電解質溶液としては、特に限定されず、例えば、本実施形態では、リチウム塩を含む電解質溶液(電解質水溶液、有機溶媒を使用する電解質溶液)を使用することができる。ただし、電解質水溶液は電気化学的に分解電圧が低いことにより、充電時の耐用電圧が低く制限されるので、有機溶媒を使用する電解質溶液(非水電解質溶液)であることが好ましい。電解質溶液としては、リチウム塩を非水溶媒(有機溶媒)に溶解したものが好適に使用される。リチウム塩としては、例えば、LiPF
6、LiClO
4、LiBF
4、LiAsF
6、LiCF
3SO
3、LiCF
3、CF
2SO
3、LiC(CF
3SO
2)
3、LiN(CF
3SO
2)
2、LiN(CF
3CF
2SO
2)
2、LiN(CF
3SO
2)(C
4F
9SO
2)、LiN(CF
3CF
2CO)
2、LiBOB等の塩が使用できる。なお、これらの塩は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0038】
電解液中のリチウム塩の塩濃度は1.1〜1.7mol/Lであることが好ましい。上記範囲の塩濃度を用いることによって正極の細孔にリチウム塩が均一に分布し、高レート特性に優れるものと考えられる。リチウム塩の塩濃度が1.1mol/Lよりも低い場合にはリチウムイオンの泳動に必要な過電圧が大きくなり、定電流の場合には分極が大きくなって現れることにより高レート放電特性が劣るものと考えられる。リチウム塩濃度が1.7mol/Lよりも大きくなると電解液の粘度が高くなり、正極の細孔にリチウム塩が十分に浸透しないものと考えられる。
【0039】
また、有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、及び、ジエチルカーボネート等が好ましく挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で混合して使用してもよい。
【0040】
なお、本実施形態において、電解質溶液は液状以外にゲル化剤を添加することにより得られるゲル状電解質であってもよい。また、電解質溶液に代えて、固体電解質(固体高分子電解質又はイオン伝導性無機材料からなる電解質)が含有されていてもよい。
【0041】
セパレータ18は、電気絶縁性の多孔体であり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの単層体、積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いは、セルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。
【0042】
ケース50は、その内部に積層体30及び電解液を密封するものである。ケース50は、電解液の外部への漏出や、外部からの電気化学デバイス100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されない。例えば、ケース50として、
図1に示すように、金属箔52を高分子膜54で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムを利用できる。ケース50は外装体とも呼ばれる。また、金属ラミネートフィルムを外装体に用いると高レート放電特性に優れたリチウムイオン二次電池が得られる。その理由は定かでないが、電極にリチウムイオンが挿入される際に電極は膨張または収縮する。金属ラミネートフィルムは電極の膨張および収縮に追従し、リチウムイオンの移動を阻害しないため、高レート放電特性に優れるものと推測される。金属箔52としては例えばアルミ箔を、高分子膜54としてはポリプロピレン等の膜を利用できる。例えば、外側の高分子膜54の材料としては融点の高い高分子例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等が好ましく、内側の高分子膜54の材料としてはポリエチレン、ポリプロピレン等が好ましい。
【0043】
リード60,62は、アルミ等の導電材料から形成されている。
【0044】
そして、公知の方法により、リード60、62を正極集電体12、負極集電体22にそれぞれ溶接し、正極10の正極活物質層14と負極20の負極活物質層24との間にセパレータ18を挟んだ状態で、電解液と共にケース50内に挿入し、ケース50の入り口をシールすればよい。
【実施例】
【0045】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0046】
(実施例1)
[評価用セルの作製]
Li
1.03(Ni
0.85Co
0.1Al
0.05)O
2とケッチェンブラックを混合し、ボールミルで1時間混合をおこなった。ポリフッ化ビニリデン(PVdF)を加え、重量比がLi
1.03(Ni
0.85Co
0.1Al
0.05)O
2:ケッチェンブラック:PVdF= 96:2:2となるように混合した。溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加えてスラリーを調製した。固練りを1時間行い、その後NMPを追加して粘度を5000cPsに調整した。ドクターブレード法により集電体であるアルミニウム箔上に塗布し、100℃で10分間乾燥を行った。その後100℃に加熱したロールプレスにより線圧1t cm
−1で圧延をおこない、正極を作製した。正極の活物質担持量は23mg/cm
2、電極密度が
3.75g/cm
3となるように調整した。
【0047】
次に、負極として酸化ケイ素とケイ素の複合体とアセチレンブラックとポリイミド樹脂のNメチルピロリドン(NMP)溶液を酸化ケイ素とケイ素の複合体:アセチレンブラック:ポリイミド樹脂=70:10:20の割合になるように混合し、スラリー状の塗料を作製した。塗料を集電体である銅箔に塗布し、乾燥、圧延することによって負極を作製した。
【0048】
正極と、負極とを、それらの間にポリエチレン微多孔膜からなるセパレータを挟んで積層し、積層体(素体)を得た。この積層体を、アルミラミネートパックに入れた。
電解液はエチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)を体積比3:7で混合し、支持塩としてLiPF
6を1.5mol/Lになるよう溶解した。
積層体を入れたアルミラミネートパックに、上記電解液を注入した後、真空シールし、実施例1の評価用セルを作製した。
【0049】
(実施例2〜5)
電極のプレス圧、活物質と導電助剤の混合、スラリーの混錬を変えることにより、電極密度、電極BET比表面積、細孔体積を変更したこと以外は実施例1と同様の方法で、実施例2〜5の評価用セルを作製した。
【0050】
(実施例6〜8、16、17)
リチウム塩濃度を変更したこと以外は実施例3と同様の方法で、実施例6〜8、14、15の評価用セルを作製した。
【0051】
(実施例12〜15)
活物質と導電助剤の混合、スラリーの混錬を変えることにより、電極BET比表面積、細孔体積を変更したこと以外は実施例2と同様の方法で、実施例12、13の評価用セルを作製した。
【0052】
(実施例9〜11、18〜21)
塗布量、電極のプレス圧、活物質と導電助剤の混合、スラリーの混錬を変えることにより、正極担持量、電極密度、電極BET比表面積、細孔体積を変更したこと以外は実施例2と同様の方法で、実施例9〜11、16〜19の評価用セルを作製した。
【0053】
(実施例22)
負極として酸化ケイ素とケイ素の複合体と黒鉛とを重量比で1:9となるように混合したものを負極活物質とし、負極活物質とアセチレンブラックとポリイミド樹脂のNメチルピロリドン(NMP)溶液を負極活物質:アセチレンブラック:ポリイミド樹脂=85:5:10の割合になるように混合し、スラリー状の塗料を作製した。塗料を集電体である銅箔に塗布し、乾燥、圧延することによって負極を作製した。それ以外は実施例1と同様にして実施例22の評価用セルを作製した。
【0054】
(実施例23)
負極活物質として黒鉛を用い、黒鉛とアセチレンブラックとPVdF溶液を黒鉛:アセチレンブラック:PVdF=92:2:6の割合になるように混合し、スラリー状の塗料を作製した。塗料を集電体である銅箔に塗布し、乾燥、圧延することによって負極を作製した。それ以外は実施例1と同様にして実施例23の評価用セルを作製した。
【0055】
(実施例24)
正極活物質としてLi
1.03(Ni
0.9Co
0.07Al
0.03)O
2を用いたこと以外は実施例3と同様にして実施例24の評価用セルを作製した。
【0056】
(実施例25)
正極活物質としてLi
1.03(Ni
0.8Co
0.15Al
0.05)O
2を用いたこと以外は実施例3と同様にして実施例25の評価用セルを作製した。
【0057】
(実施例26)
正極活物質としてLi
1.03(Ni
0.7Co
0.2Al
0.1)O
2を用いたこと以外は実施例3と同様にして実施例26の評価用セルを作製した。
【0058】
(比較例1〜4)
電極のプレス圧、活物質と導電助剤の混合、スラリーの混錬を変えることにより、電極密度、電極BET比表面積、細孔体積を変更したこと以外は実施例1と同様の方法で、比較例1〜4の評価用セルを作製した。
【0059】
(比較例5)
正極活物質としてLi
1.03(Ni
0.4Co
0.55Al
0.05)O
2を用いたこと以外は実施例3と同様にして比較例5の評価用セルを作製した。
【0060】
(比較例6)
正極活物質としてLi
1.03(Ni
0.95Co
0.03Al
0.02)O
2を用いたこと以外は実施例3と同様にして比較例6の評価用セルを作製した。
【0061】
(比較例7)
正極活物質としてLi
1.03(Ni
0.5Co
0.45Al
0.05)O
2を用いたこと以外は実施例3と同様にして比較例7の評価用セルを作製した。
【0062】
[レート特性の評価]
実施例1のレート特性(単位:%)をそれぞれ求めた。なお、レート特性とは、0.1Cでの放電容量を100%とした場合の1Cでの放電容量の比率である。結果を表1に示す。レート特性は大きいほど好ましいが、75%以上を良好なものと判断した。
【0063】
表1の実施例1〜5および比較例1〜2の結果から正極活物質Li
a(Ni
xCo
yAl
1−x−y)O
2の組成が1.00≦a≦1.03、0.70≦x≦0.90、0.07≦y≦0.2の範囲であり、電極密度が3.75〜4.1g/cm
3であり、正極の電極としてのBET比表面積が1.3〜3.5m
2/gである場合にレート特性が優れていることがわかる。実施例6〜8、13、14の結果から、リチウム塩の塩濃度が1.1〜1.7mol/Lである場合にさらに優れた特性を示すことがわかる。実施例9〜11、15、16の結果から電極活物質担持量が20〜30mg/cm
2の場合に特に優れたレート特性を示すことがわかる。
【0064】
【表1】