(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5928598
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月1日
(54)【発明の名称】自動車用照明装置
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/068 20060101AFI20160519BHJP
F21S 8/12 20060101ALI20160519BHJP
F21W 101/10 20060101ALN20160519BHJP
【FI】
B60Q1/068 100
F21S8/12 253
F21S8/12 263
F21W101:10
【請求項の数】18
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-534882(P2014-534882)
(86)(22)【出願日】2013年1月17日
(65)【公表番号】特表2015-502280(P2015-502280A)
(43)【公表日】2015年1月22日
(86)【国際出願番号】AT2013050015
(87)【国際公開番号】WO2013123537
(87)【国際公開日】20130829
【審査請求日】2014年4月14日
(31)【優先権主張番号】A50042/2012
(32)【優先日】2012年2月24日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】513057681
【氏名又は名称】ツィツァラ リヒトシステメ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ラプレヒト,ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】クレン,イルムガード
(72)【発明者】
【氏名】ハウアー,クレメンス
【審査官】
田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−040266(JP,A)
【文献】
特開平09−142198(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0207626(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0198617(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/068
F21S 8/12
F21W 101/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
合同で配光を生成する光源モジュール(2)を提供する、2つまたはそれ以上の光源モジュール(2)及び、その上に少なくとも2つの光源モジュール(2)が固定された、共有の支持体(3)を含み、そのとき少なくとも1つの光源モジュール(2)が、少なくとも1つの軸(H、V)を中心に、前記支持体(3)に対して回動可能に、前記支持体(3)に軸支され、そしてそのとき、前記少なくとも1つの回動可能な光源モジュール(2)が、前記支持体(3)に、継ぎ手接続部(4)を使って間接式に、前記少なくとも1つの軸(H、V)を中心に回動可能に軸支され、そのときさらに少なくとも1つの付勢手段(5)が設けられ、それによって前記少なくとも1つの移動可能な光源モジュール(2)が、前記支持体(3)における付勢によって、前記継ぎ手接続部(4)を中心に回動可能に支持され、そしてそのときさらに少なくとも1つの調節器具(6、7)が設けられ、前記少なくとも1つの調節器具(6、7)の移動は、前記少なくとも1つの移動可能な光源モジュール(2)の移動に作用し、そしてそのとき前記少なくとも1つの調節器具(6、7)の移動により、前記少なくとも1つの移動可能な光源モジュール(2)を、前記少なくとも1つの調節器具(6、7)の係合点において、実質的に付勢力の方向に、またはその逆方向に移動することができるため、前記光源モジュール(2)が、前記継ぎ手接続部(4)を通して延在
する接続ライン(V、H)を中心に回動し、前記継ぎ手接続部(4)と前記調節器具(6、7)の間の接続ラインに垂直に配置され、そしてそのとき全ての前記光源モジュール(2)はヒートシンク(24)を具備し、前記継ぎ手接続部(4)は、前記ヒートシンク(24)に配設される半球または部分的球体(4a)、及び、前記半球または部分的球体(4a)が回転可能に支承される前記支持体(3)における、連絡用の凹部、あるいはボールソケット(4b)から成り、そのとき、前記付勢手段(5)が前記光源モジュール(2)に軸架されたネジ(50)から成ることにより、前記付勢手段(5)が、前記支持体(3)及び前記ヒートシンク(24)を共に保持し、そのとき前記ネジ(50)は、直接前記ヒートシンク(24)のネジの中に、または前記ヒートシンク(24)に固定されたナット(2b)の雌ネジに咬合する逆ネジを具備し、そのとき前記ネジ(5)は孔(3a)を通し、前記支持体(3)に貫入され、そのとき
・前記ネジ(5)は、前記支持体(3)の前記孔(3a)に配置されたスリーブ(51)を通じて貫入されるか、または
・前記ネジ(5)は、段付きネジとして形成されるため、
前記ネジ(5)は、前記ヒートシンク(24)に支えられ、
そしてそのとき前記付勢手段(5)はさらに、前記支持体(3)と前記ネジ(50)のネジ頭部(50a)の間で軸架され、前記ネジ(50)が締められるとき、伸張するバネ(52)を含むため、前記半球または部分的球体(4a)は前記凹部あるいはソケット(4b)に押圧されることを特徴とする自動車用照明装置(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの調節器具(6、7)が前記支持体(3)に軸支されることを特徴とする、請求項1に記載の車両用前照灯。
【請求項3】
前記少なくとも1つの光源モジュール(2)が、2つの軸(V、H)を中心に回動可能に軸支されることを特徴とする、請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記2つの軸(V、H)が、互いに対して垂直であることを特徴とする、請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記光源モジュール(2)を前記2つの軸(V、H)を中心に回動可能にする、第二の調節器具(6、7)が設けられることを特徴とする、請求項3または4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記2つの調節器具(6、7)と前記継ぎ手接続部(4)が四角形の角を形成することを特徴とする、請求項4または5に記載の車両用前照灯。
【請求項7】
前記付勢手段(5)が第四の前記四角形の角に配設されることを特徴とする、請求項6に記載の車両用前照灯。
【請求項8】
軸(H)が、前記照明装置(1)の取り付け位置で水平に延びることを特徴とする、請求項1から7のうちいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項9】
軸(V)が、前記照明装置(1)の取り付け位置で垂直に延びることを特徴とする、請求項1から8のうちいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項10】
前記継ぎ手接続部(4)が、玉継ぎ手であることを特徴とする、請求項1から9のうちいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの調節器具(6、7)が、前記支持体(3)に回転可能に軸支され、停止部(6b、7b)で前記従属する光源モジュール(2)の停止面(2a)に当接する、ネジ(6a、7a)として形成されることを特徴とする、請求項1から10のうちいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項12】
回動軸(H、V)を中心とした前記光源モジュール(2)の回動のための調節器具(6、7)が、この回動軸(H、V)に、定義された標準間隔で配置されることを特徴とする、請求項1から11のうちいずれか一項に記載の自動車用照明装置。
【請求項13】
回動軸(H、V)を中心とした前記光源モジュール(2)の回動のための調節器具(6、7)が、前記継ぎ手接続部(4)を通る前記回動軸(H、V)に垂直な軸(V、H)上に配設されることを特徴とする、請求項1から12のうちいずれか一項に記載の自動車用照明装置。
【請求項14】
n個の光源モジュール(2)のとき、nは整数であり、n>1であり、少なくとも(n-1)個の光源モジュール(2)は、前記少なくとも1つの軸(H、V)を中心に回動可能であることを特徴とする、請求項1から13のうちいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項15】
n個の光源モジュール(2)のとき、nは整数であり、n>1であり、少なくとも(n-1)個の光源モジュール(2)は、2つの軸(V、H)を中心に回動可能であることを特徴とする、請求項1から14ののうちいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項16】
n個の光源モジュール(2)のとき、nは整数であり、n>1であり、全てのn個の光源モジュールは前記少なくとも1つの軸(H、V)を中心に回動可能であることを特徴とする、請求項1から15のうちいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項17】
n個の光源モジュール(2)のとき、nは整数であり、n>1であり、全てのn個の光源モジュールは2つの軸(V、H)を中心に回動可能であることを特徴とする、請求項1から16のうちいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項18】
少なくとも1つの照明装置を有する、請求項1から17のうちいずれか一項に記載の車両用前照灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つ以上の光源モジュールを含み、共同の配光を生成するための光源モジュールを設ける車両用照明装置に関わる。
【0002】
さらに本発明は、少なくとも1つのそのような照明装置を有する、自動車用の車両用前照灯に関わる。
【背景技術】
【0003】
最適かつ特に合法的な光像を生成するためには、個々の光源モジュール相互の調整ができることが不可欠である。従来技術からは、複合的な軸受けを有する位置調節シムテム、調節ネジ用の玉継ぎ手接続部を有するコスト高なスライドガイドなどの、複雑な解決法が示される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、光源モジュール相互の簡単な調節を可能にする照明装置を製造することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、冒頭で言及された照明装置により、次のようにして解決される。本発明により、上に少なくとも2つの光源モジュールが固定される共有の支持体が設けられ、そのとき、少なくとも1つの光源モジュールが、少なくとも1つの軸を中心に、支持体に対して回動可能に支持体に軸支され、そしてそのとき、少なくとも1つの回動可能な光源モジュールが、支持体に、継ぎ手接続部によって、少なくとも1つの軸を中心に、間接式に回動可能に軸支され、そのときさらに、少なくとも1つの付勢手段が設けられ、それによって、少なくとも1つの移動可能な光源モジュールが、支持体における付勢によって、継ぎ手接続部を中心に回動可能に支えられ、そしてそのときさらに、好適には少なくとも1つの移動可能な光源モジュールに係合する支持体に軸支された、少なくとも1つの調節器具が設けられ、そしてそのとき少なくとも1つの調節器具の移動によって、少なくとも1つの移動可能な光源モジュールが、少なくとも1つの調節器具の係合点で、実質的に付勢力の方向または逆方向に移動するため、光源モジュールは、継ぎ手接続部を通して延在
する
接続ラインを中心に回動し、継ぎ手接続部と調節器具の間の接続ラインに垂直に配置される。
【0006】
継ぎ手接続部を介して、光源モジュールは回動可能に支承され、付勢手段によって光源モジュールは一方で固定され、もう一方では、光源モジュールは一定の範囲で可動のままである。少なくとも1つの調節器具によって、光源モジュールは、調節器具の係合点において、ほとんど直線的に移動され、調節器具を通じ、付勢手段の復元力に抗して、または、調節器具が発光モジュールを「解除する」とき、光源モジュールは、この解除された道を中心として、付勢手段の復元力によって移動する。
【発明の効果】
【0007】
このように、本発明によって、冒頭で従来技術から記述された、光源モジュールの移動のための公知のシステムよりも、明らかに簡単な解決法が提供される。
【0008】
少なくとも1つの移動可能な光源モジュールの、最適な調節の可能性を保証するために、少なくとも1つの光源モジュールが、2つの軸を中心に回動可能に軸支されることが好適になされる。
【0009】
1つ、または好適には2つの軸が設けられるかとは無関係に、それらはいずれにせよ継ぎ手接続部を通して延設される。
【0010】
その場合、両方の軸が
互いに垂直であるとき有利である。
【0011】
独立した調節の可能性を確保するために、光源モジュールを2つの軸を中心に回動させる、 第二の調節器具を設けることができる。
【0012】
法律では、光像が垂直及び/または水平方向に調節可能であることが定められている。それに従い、該当する光源モジュールの光像が、垂直方向に調節されるように、照明装置の設置位置の軸が水平に延在することができ、及び/または、光像が水平方向に調節されるように、照明装置の設置位置の軸が、垂直に延在することができる。
【0013】
光源モジュールの自由な回動の可能性を、少なくとも2つの回動軸を中心に可能にするためには、継ぎ手接続部が玉継ぎ手として形成されると有利である。
【0014】
照明装置の具体的な実施形態において、少なくとも1つの調節器具は、支持体の中で回転可能に軸支され、従属する光源モジュールの当接面の止め部と係合する、ネジとして形成される。
【0015】
さらに、光源モジュールの回動のための調節器具は、回動軸を中心に、定義された正常間隔で、この回動軸に配置され、好適には実質的に
継ぎ手接続部を通る回動軸に垂直な軸上に設置される。
【0016】
小さな回動を実現するためには、光源モジュールの比較的大きな直線的な移動が必要となるため、そのとき好適には、それぞれの調節器具が、可能な限り、継ぎ手接続部から離れて配置されることに留意される。このような方法で、回動が非常に繊細かつ正確に調節される。
【0017】
2つの調節器具及び継ぎ手接続部が、実質的に四角形の角を形成し、好適には第四の角に調節器具が配置されることは、具体的に合目的的であると判明した。
【0018】
調節器具は、つまり実質的に長方形の対角線上にある。
【0019】
さらに本発明の具体的な実施形態において、調節器具は、光源モジュールに回転可能に軸支されたネジからなり、そのときネジは支持フレームの孔を通し、好適には支持フレームの孔に配置されたスリーブに貫入し、そしてそのとき、付勢手段はさらに、支持フレームとネジ頭部の間に軸架され、ネジを締めると伸張するバネを含む。
【0020】
典型的には、少なくとも2つの、好適には複数の光源モジュールが、例えば3、4、5個の、またはそれ以上の光源モジュールが、支持体に設けられる。個々の光源モジュール相互の最適な調節の可能性を保証するために、n個の光源モジュールの場合、nは整数であり、n>1(すなわちn=2、3、4、5...)であり、少なくとも(n−1)個の光源モジュールは、少なくとも1つの、好適には2つの軸を中心に回動可能である。そのとき、事実上全てのn個の光源モジュールが、少なくとも1つの、好適には2つの軸を中心に回動可能であるとき、特に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
次に本発明は図を元に詳しく説明される。
【0022】
【
図1】
図1は、本発明の照明装置を正面から見た斜視図で示し、
【
図4】
図4は、
図2のA-A線に沿った照明装置の断面図であり、
【
図5】
図5は、
図2のB-B線に沿った照明装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、共有の支持体3あるいは支持フレームに固定された、4つの光源モジュール2を有する照明装置1を示す。図示された実施形態では、支持体3の個々の部分は、水平方向に、光源モジュール2の該当する段差と共に、相互に階段状に後方に向かって低くなる。しかし、支持体は他の形態も備えることができ、例えば、これは全体的に平らに形成されることもできる。
【0024】
光源モジュール2の光像が垂直方向に調節されることができるように、全ての光源モジュール2は、水平軸Hを中心に回動可能に、支持体3に軸支される。光像が水平方向にも調節されることができるように、さらに、光像が水平方向にも調節されることができるように、全ての光源モジュール2は、垂直軸Vを中心に支持体3に軸支される。全ての光源モジュール2は、合同で1つの共同の光像を生成する。
【0025】
例として、左の車両用前照灯は、照明装置1を備える。右の前照灯は、1つの、原則的な構造において比較可能な照明装置を備える。2つの前照灯は合同で、例えばハイビーム、またはロービームなどの、所望の光像を生成し、そのとき好適には、配光がセグメントごとに、それぞれの光源モジュールに相応してスイッチを切り替えることができる。
【0026】
特にロービームのとき、左右の前照灯が、それら自体で完全なロービーム配光を形成することも考えられる。部分ハイビームのとき、例えば、左の前照灯が光像の左部分を生成し、右の前照灯が光像の右部分を生成し、両方の光像を合わせて1つの完全なハイビームをもたらすことができる。
【0027】
根本的に、本発明は、特定の配光に限定されず、相互に独立して駆動できる個々の光源モジュールを有する特殊な構造のため、-上記にすでに言及したように- セグメント化された配光の生成に特に良く適している。このような配光のとき、個々の光源モジュールから生成された、個々の光セグメントからなる全配光が組み合わされる。目的に合わせて特定のセグメントのスイッチを入れる、あるいは切ることにより、車道上の所望の領域を目的に合わせて照射でき、または照射せずにおくことができる。
【0028】
特に適しているのは、セグメント化したハイビームの生成のための、図示された配列である。
【0029】
全ての場合において、本発明の照明装置、あるいは1つ(または2つの)該当する前照灯によって、SAE、CCCまたはECEのような法規格の要求を満たす配光が生成される。
【0030】
2つの回動軸H、Vは、個々の光源モジュールのための
図2で示される。
【0031】
回動のために、光源モジュール2は、継ぎ手接続部4によって支持体3に回動可能に軸支され、2つの軸H、Vは、この継ぎ手接続部4を通して延在し、
互いに対して垂直である。
【0032】
さらに
図2は、これによって光源モジュール2が、付勢により支持体3に、継ぎ手接続部4を中心に回動可能に軸支される、付勢手段5を示す。
【0033】
回動そのもののために、光源モジュール2、すなわち支持体3に向けられた光源モジュールの背面に係合する、2つの調節器具6、7が、支持体3に軸支される。上部調節器具6により、光源モジュール2の、垂直軸Vを中心とした回動が行われ、下部調節器具7により、光源モジュール2の、平行軸Hを中心とした回動が行われる。
【0034】
次に、文脈がよりよくわかる
図3から5を元に、機能方法をより詳しく説明する。
【0035】
個々の光源モジュール2の実際の形成は、本発明にとって劣後の問題であることを断っておきたい。図示された実施形態において、光源モジュール2はレンズ20(二次光学系)から成り、それを介して、図示されていない光源から、光が照明装置1の前の領域に照射される。また、光源の光は、一次光学系23に連結し、一次光学系23から、その後、光が発生し、レンズ20を介して照射される。
【0036】
光源モジュール2は背面に、上に光源のための支持ボードを載せたヒートシンク24を備え、一次光学系23はヒートシンク24(または支持ボード)とホルダ23aを介して接続している。
【0037】
レンズ20は、開口部21を使ってレンズホルダ22に具設され、このレンズホルダ22はまた、例えば図示されているように、該当するネジ25で、ヒートシンクに固定される。開口部21は主に、レンズ20をレンズホルダ22に固定するための役割を果たすが、同時に、その形状によって、望ましくない方向への光の放射を防止する。
【0038】
継ぎ手接続部4は、そのため、特にヒートシンク24に具設される球体、半球または部分的球体4a、及び、球体4aが回転可能に支承される支持フレーム3(特に
図4を参照のこと)の、連絡用の凹部、あるいはボールソケット4bから成る。
【0039】
付勢手段5により、支持フレーム3及び光源モジュール2、あるいはヒートシンク24は、共に保持され、つまり球体4aは、ソケット4bに押圧される。
【0040】
本発明の図示された実施形態では、付勢手段5は、特に
図3及び4を参照すると、光源モジュール2、つまりヒートシンク24に回転可能に軸支されたネジ50から成る。その上で、例えばヒートシンク24に、雌ネジを有するナット2bが固定され、その中に、相応する逆ネジを有するネジ50が回転可能に軸支される。しかしネジは、ヒートシンク24に直接取り付けられることもでき、その場合にはナット2bは省略できる。
【0041】
ネジ50は、支持フレーム3の孔3aに配置される、スリーブ51に貫入される。
【0042】
その際、スリーブ51は、その一方の端をヒートシンク24に、もう一方の端をネジ頭部50a(あるいはワッシャ53)に置く。スリーブ51を使う代わりに、(バネの付勢、ヒートシンク24の止めという)同じ機能を果たす、段付きネジを使用することもできる。
【0043】
スリーブ51の周囲に、バネ52が、ここでは、ネジ頭部50aと支持フレーム3の間で軸架される、コイルバネの形で配置されている。通常、ネジ頭部50aは、バネ52よりも小さい直径を有するため、ネジ頭部50aとバネ52の間にワッシャ53が設けられる。ネジはもちろん、相応に拡大されたネジ頭部を有することができ、または、例えばネジと一体に形成され、バネを軸架する継ぎ輪を、ネジ上に設けることもできる。
【0044】
ネジ50が締められるとき、この実施形態では圧縮バネであるバネ52は、ネジ頭部50aと支持フレーム3の間に軸架され、ヒートシンク24及び支持フレーム3は、このようにして相互に保持され、しかしそのとき、ヒートシンク24は、支持フレーム3に関し、相応な力作用において、回動可能のままである。バネ52の付勢によって、バネ力は二方向に働く。
【0045】
継ぎ手接続部4a、4bを介して、光源モジュール2は回動可能に軸支され、付勢手段5によって、光源モジュール2は、一方で固定され、他方で光源モジュール2は限られた範囲で移動可能である。2つの調節器具6、7によって、光源モジュール2は、調節器具6、7のヒートシンクとの係合点で、いわば直線的に移動されることができ(事実上それは継ぎ手接続部4を中心とした回動である)、 調節器具6、7によって付勢手段5の復元力(バネ52によって行使される)に抗するか、または、調節器具が光源モジュールを「解放する」とき、光源モジュールはこの解放された道を中心として、付勢手段の復元力によって移動する。
【0046】
例えば
図5を見ると、調節器具6を左に移動すると、すなわち調節器具がヒートシンク24を押圧すると、ヒートシンク24及び、それに応じて光源モジュール2が、垂直軸Vを中心に回動する。また、ネジ50は、固定された支持体3に対しても、左に、つまりヒートシンク24の移動方向に動く。スリーブ51も相応に、支持体3の孔3aの中で、左に移動する。バネ52は、さらに引き続き伸張されている。
【0047】
調節器具6が、今再び逆方向に、つまり
図5で右に移動するとき、調節器具6は、ヒートシンク24を同行しない。なぜなら、これらは互いに恒常的には結合されていないからである。ただし、このときバネ52は相応に収縮するため、ヒートシンク24は再び相応に、調節器具6とともに移動する。
【0048】
調節器具7にも、同様の考え方が適用される。
【0049】
図3から5でわかるように、2つの調節器具6、7は、好適には、支持体3の該当する孔3b、3cに回転可能に軸支される、ネジ6a、7aとして形成される。ネジ6a、7aはまた、それらのネジを該当する孔3b、3cの逆ネジに軸支する、ネジ山を具有する。ネジ6a、7aが回転するとき、これらは相応に、軸方向に前方(光源モジュールの方向)、または後方に(これから遠ざかるように)移動する。
【0050】
調節器具6、7の実質的な課題は、ヒートシンク(または一般的に言うと光源モジュール)が着接する一定の位置に、ヒートシンクを移動することにある。そのためには、つまり調節器具は実質的に、直線的に前後に移動可能であり、所望の位置に固定可能でなければならない。最も簡単な方法は、図示されているように、調節器具をネジの形態で実現することによって可能になり、もちろん、また他の、通常はしかし技術的に複雑な、使用の難しい実現法(例えばロック手段付きスライドボルト)も考えられる。
【0051】
ネジ6a、7aは、好適には平らな停止部6b、7b(ネジの前面6b、7b)で光源モジュール2の停止面2aに当接する。停止面2aは、そのときヒートシンク24のネジに対向する側で形成される。
【0052】
ネジ6aが回転するとき、光源モジュール2は垂直軸Vを中心に水平に回動し、そのときこの軸Vは、玉継ぎ手4及び、ヒートシンク24に当接するネジ7aの停止部7bによって形成される。
【0053】
ネジ7aが回転するとき、光源モジュール2は水平軸Hを中心に垂直に回動し、そのときこの軸Hは、玉継ぎ手4及び、ヒートシンク24に当接するネジ6aの停止部6bによって形成される。