(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5928720
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月1日
(54)【発明の名称】電動作業機
(51)【国際特許分類】
A01D 34/68 20060101AFI20160519BHJP
A01D 34/78 20060101ALI20160519BHJP
A01D 34/81 20060101ALI20160519BHJP
【FI】
A01D34/68 B
A01D34/78 Z
A01D34/81
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-181390(P2012-181390)
(22)【出願日】2012年8月20日
(65)【公開番号】特開2014-36629(P2014-36629A)
(43)【公開日】2014年2月27日
【審査請求日】2014年12月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079290
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100136375
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 弘実
(72)【発明者】
【氏名】石川 恵
(72)【発明者】
【氏名】小杉 新悟
(72)【発明者】
【氏名】冨田 博久
【審査官】
植野 孝郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−72149(JP,A)
【文献】
実開平7−36611(JP,U)
【文献】
実開平1−134426(JP,U)
【文献】
特開2008−265374(JP,A)
【文献】
英国特許出願公開第2348101(GB,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0179757(US,A1)
【文献】
特開2006−288296(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D34/00−34/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリを着脱自在なハウジングを備え、前記ハウジングに重りを着脱自在であり、
前記ハウジングに孔部が設けられ、前記孔部に前記重りが配置され、
前記孔部の開口をカバーするカバー部を備えることを特徴とする、電動作業機。
【請求項2】
前記孔部の開口が段差部となっていて、前記カバー部が前記段差部に係合する、請求項1に記載の電動作業機。
【請求項3】
前記孔部が貫通孔であり、前記孔部の双方の開口に前記カバー部が設けられる、請求項1又は2に記載の電動作業機。
【請求項4】
少なくとも一方の前記カバー部から前記孔部内に延びる軸部を備え、前記重りは前記軸部が貫通する貫通孔をそれぞれ有する複数枚のプレートを含み、双方のカバー部が前記軸部を介して相互に着脱自在に固定される、請求項3に記載の電動作業機。
【請求項5】
前記カバー部から前記孔部内に延びる軸部を有し、前記重りは前記軸部が貫通する貫通孔をそれぞれ有する複数枚のプレートを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の電動作業機。
【請求項6】
前記軸部が貫通する貫通孔を有する弾性体を備え、前記弾性体を前記プレートに並べて配置すると前記プレートの軸方向への摺動を規制する、請求項4又は5に記載の電動作業機。
【請求項7】
バッテリを着脱自在なハウジングと、バッテリに替えて前記ハウジングに着脱自在で外部電源から電力を受信するアダプタとを備え、前記アダプタに重りが設けられている、電動作業機。
【請求項8】
バッテリを着脱自在なハウジングと、バッテリに替えて前記ハウジングに着脱自在なダミーパックと、前記ダミーパックに装着して外部電源から電力を受信するアダプタとを備え、前記ダミーパックに重りが設けられている、電動作業機。
【請求項9】
バッテリを着脱自在なハウジングと、バッテリに替えて前記ハウジングに着脱自在で外部電源から電力を受信するアダプタとを備え、前記ハウジングに重りを着脱自在である、電動作業機。
【請求項10】
電池セルを内蔵するバッテリを着脱自在なハウジングと、
前記バッテリに替えて前記ハウジングに着脱自在なアダプタと、
ケーブルを介して前記アダプタに電力を供給可能とし、作業者が身に着ける背負式バッテリとを備え、
前記ハウジングに重りを着脱自在であり、
前記ハウジングに前記アダプタ及び前記重りを装着した状態での重心位置が、前記ハウジングに前記アダプタを装着し且つ前記重りを装着しない状態での重心位置より、前記ハウジングに前記バッテリを装着し且つ前記重りを装着しない状態での重心位置に近いことを特徴とする、電動作業機。
【請求項11】
前記重りは重量が変更可能に構成されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の電動作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動刈払機などの電動作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
電動刈払機は、例えば下記特許文献1に示されるように、全体として前後に長く延びる形状である。作業者は、電動刈払機の肩掛けバンドを身に着けて全体の重量を支えながら、電動刈払機の前端側の刈刃を地面付近に位置させて刈り払い作業を行う。このため、電動刈払機は、特に力を加えなくても前端側の刈刃が地面付近に位置するような前後バランスであることが望ましい。
【0003】
一方、電池パックを着脱自在に装着するコードレス電動作業機を使用する際に、背負い式の電源装置(背負い電源)等の外部電源から電力供給を行う場合もある。外部電源は、コードレス電動作業機に直に着脱自在な電池パックと比較して電池容量が大きいため、長時間の作業に適している。外部電源から電力供給を行う場合、外部電源から延びるケーブルの先端のアダプタを、電池パックの代わりにコードレス電動作業機に装着する。アダプタは、電池セルを内蔵しないため、電池パックと比較して軽量である。このため、電池パックの代わりにアダプタをコードレス電動作業機に装着すると、電池パック装着時と比較して重心位置が変化する。また、電池パックも容量によって重量が変化するため、装着する電池パックの容量によって重心位置が変化する。特に、刈払機等の長尺状の操作棹の両端に重量物が位置する作業機においては、モーメントの影響を大きく受けるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−200673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電動刈払機の最適な前後バランスの重心位置は、電動刈払機の前後長さ及び長さ調整ユニット、並びに肩掛けバンドの位置及び長さ等の製品条件によって変化するし、作業者の身長、体型、感覚等によっても異なる。また、どのような容量の電池パックを装着して作業するか、あるいは電池パックに代えて外部電源から延びるケーブルの先端のアダプタを装着して作業するかで電動作業機の重心位置が異なると、作業者に違和感を与える。
【0006】
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その第1の目的は、重心位置の調整が可能な電動作業機を提供することにある。
【0007】
本発明の第2の目的は、電池パックの電力で動作する場合と外部電源から電力で動作する場合とで重心位置の変化が、電池パックに代えてアダプタを装着する場合と比較して小さい電動作業機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の
あるの態様は、電動作業機である。この電動作業機は、
バッテリを着脱自在なハウジングを備え、前記ハウジングに重りを着脱自在であ
り、
前記ハウジングに孔部が設けられ、前記孔部に前記重りが配置され、
前記孔部の開口をカバーするカバー部を備える
ことを特徴とする。
【0009】
前記孔部の開口が段差部となっていて、前記カバー部が前記段差部に係合してもよい。
【0010】
前記孔部が貫通孔であり、前記孔部の双方の開口に前記カバー部が設けられてもよい。
【0011】
少なくとも一方の前記カバー部から前記孔部内に延びる軸部を備え、前記重りは前記軸部が貫通する貫通孔をそれぞれ有する複数枚のプレートを含み、双方のカバー部が前記軸部を介して相互に着脱自在に固定されてもよい。
【0012】
前記カバー部から前記孔部内に延びる軸部を有し、前記重りは前記軸部が貫通する貫通孔をそれぞれ有する複数枚のプレートを含んでもよい。
【0013】
前記軸部が貫通する貫通孔を有する弾性体を備え、前記弾性体を前記プレートに並べて配置すると前記プレートの軸方向への摺動を規制してもよい。
【0014】
本発明のもう1つの態様は、電動作業機である。この電動作業機は、バッテリを着脱自在なハウジングと、バッテリに替えて前記ハウジングに着脱自在で外部電源から電力を受信するアダプタとを備え、前記アダプタに重りが設けられている。
【0015】
本発明のもう1つの態様は、電動作業機である。この電動作業機は、バッテリを着脱自在なハウジングと、バッテリに替えて前記ハウジングに着脱自在なダミーパックと、前記ダミーパックに装着して外部電源から電力を受信するアダプタとを備え、前記ダミーパックに重りが設けられている。
【0016】
本発明のもう1つの態様は、電動作業機である。この電動作業機は、バッテリを着脱自在なハウジングと、バッテリに替えて前記ハウジングに着脱自在で外部電源から電力を受信するアダプタとを備え、前記ハウジングに重りを着脱自在である。
【0018】
本発明のもう1つの態様は、電動作業機である。この電動作業機は、
電池セルを内蔵するバッテリを着脱自在なハウジングと、
前記バッテリに替えて前記ハウジングに着脱自在なアダプタと、
ケーブルを介して前記アダプタに電力を供給可能とし
、作業者が身に着ける背負式バッテリとを備え、
前記ハウジングに重りを着脱自在であり、
前記ハウジングに前記アダプタ及び前記重りを装着した状態での重心位置が、前記ハウジングに前記アダプタを装着し且つ前記重りを装着しない状態での重心位置より、前記ハウジングに前記バッテリを装着し且つ前記重りを装着しない状態での重心位置に近いことを特徴とする。
【0019】
前記重りは重量が変更可能に構成されていてもよい。
【0020】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0021】
本発明の第1の態様によれば、重心位置の調整が可能な電動作業機を実現できる。
【0022】
本発明の第2の態様によれば、電池パックの電力で動作する場合と外部電源から電力で動作する場合とで重心位置の変化が、電池パックに代えてアダプタを装着する場合と比較して小さい電動作業機を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2】作業者が
図1の刈払機を持った状態の模式図。
【
図3】
図1の刈払機の電池側ハウジング3の拡大側面図。
【
図5】(A)は
図4に示す重りユニット18の正面図、(B)は同底面図、(C)は同右側面図、(D)は同背面図。
【
図8】本発明の実施の形態に係るヘッジトリマの斜視図。
【
図9】電動作業機の重心位置を調整する構成の模式図(その1)。
【
図10】電動作業機の重心位置を調整する構成の模式図(その2)。
【
図11】電動作業機の重心位置を調整する構成の模式図(その3)。
【
図12】電動作業機の重心位置を調整する構成の模式図(その4)。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0025】
図1は、本発明の実施の形態に係る刈払機の斜視図である。
図2は、作業者が
図1の刈払機を持った状態の模式図である。
図3は、
図1の刈払機の電池側ハウジング3の拡大側面図である。
図4は、
図3のA−A断面図である。なお、
図1〜
図3は重り非装着状態を示し、
図4は重り装着状態を示す。
図5(A)は、
図4に示す重りユニット18の正面図である。
図5(B)は同底面図、
図5(C)は同右側面図、
図5(D)は同背面図である。
図6は、
図4に示す重りユニット18の分解図である。
図7は、背負い式バッテリ16の外観図である。
【0026】
電動作業機の例示である刈払機は、操作棹1と、刈刃ユニット2と、電池側ハウジング3と、バンド接続部4と、肩掛けバンド5と、長さ調整ユニット6と、ハンドル部20とを備える。刈刃ユニット2は、操作棹1の先端に設けられ、不図示の刈刃(略円板状でその周縁に鋸歯が形成されたもの)を駆動する例えばディスクモータをヘッドハウジング2a内に有する。電池側ハウジング3は、操作棹1の後端に設けられ、バッテリとしての電池パック301(バッテリ)を着脱自在である。操作棹1は、刈刃ユニット2と電池側ハウジング3とを機械的に接続する(連結する)。また、操作棹1の内部には、刈刃ユニット2と電池側ハウジング3とを電気的に接続する配線(図示せず)が挿通されている。この配線により、電池側ハウジング3から刈刃ユニット2に電力が供給される。バンド接続部4は、操作棹1の所定位置に設けられ、肩掛けバンド5を取付け可能である。長さ調整ユニット6は操作棹1の長さを調整可能とするものである。ハンドル部20は、操作棹1の所定位置に設けられる。ハンドル部20は図示の例では片手用であるが、二叉に分かれた両手用としてもよい。刈刃の回転数の調整は、操作レバー21の引き量を調整することで行う。引き量を増やせば電池側ハウジング3から刈刃ユニット2への電力供給量が増し、刈刃の回転数が高められる。
【0027】
作業者は、
図2に示すように肩掛けバンド5を身に着け、肩掛けバンド5と接続されたバンド接続部4を支点に操作棹1を傾けて刈刃ユニット2が地面付近で保たれた状態にして操作棹1を左右に往復させることで刈り払い作業を行う。このため、刈払機の前後バランスの重心位置は、地面と刈刃ユニット2の距離が最も近い状態、または地面に刈刃ユニット2が軽く接する程度の状態となることが望ましい。すなわち、重心位置が前過ぎると刈刃ユニット2が浮いてしまい作業性が悪く、一方、重心位置が後ろ過ぎると刈刃ユニット2の重さによるモーメントが大きくて作業性が悪いため、前後バランスの重心位置を適切に定めることが作業性の面で重要である。しかし、刈払機の最適な前後バランスの重心位置は、操作棹1の長さ及び長さ調整ユニット6、並びに肩掛けバンド5の位置(バンド接続部4の位置)及び長さ等の製品条件によって変化するし、作業者の身長、体型、感覚等によっても異なる。また、電池パック301を取り外して例えば
図7に示す背負い式バッテリ16のアダプタ17(バッテリ本体16aから延びるケーブル16bの先端に設けられる)を代わりに装着すると、アダプタ17は電池セルを含まず電池パック301と比較して軽量なため、刈払機の重心位置が変化する(前にシフトする)。
【0028】
そこで、本実施の形態では、刈払機の重心位置を事後的に調整可能とすることで、製品条件や作業者、あるいは電源の取り方が異なっても最適な重心位置にできるようにする。
【0029】
電池側ハウジング3は、重り(ウエイト)挿入用の孔部7を有する。孔部7は、取手として利用されることも想定し、電池側ハウジング3の上部に設けられ、指が入った際にも指に違和感のない形状としている。
図4に示すように、孔部7には、重りユニット18が装着される(取り付けられる)。
【0030】
図4〜
図6に示すように、重りユニット18は、複数枚の重り8(ウエイト)と、正面カバー14と、ネジ15と、背面カバー12と、ナット13とを有する。複数枚の重り8は、例えば相互に同形状の鉄プレートである。正面カバー14と背面カバー12は、重り8よりも一回り大きい例えば鉄プレートである。ナット13は、背面カバー12の所定位置(例えば中央部)から立ち上がるように背面カバー12に固着されている(例えば溶接一体化されている)。ネジ15はナット13に螺着する。重り8と正面カバー14には、
図6に示すように貫通孔8a,14aが設けられる。貫通孔8a,14aを、ネジ15のネジ軸15aと、背面カバー12のナット13との少なくともいずれかが貫通する。ネジ15をナット13に対して締め付けることで、重り8は正面カバー14と背面カバー12に挟持される。
【0031】
正面カバー14は、孔部7よりも大径で孔部7の一方の開口を全面的に覆う。同様に、背面カバー12は、孔部7よりも大径で孔部7の他方の開口を全面的に覆う。孔部7の開口は段差部9となっていて、正面カバー14と背面カバー12が段差部9に係合する(好ましくはちょうど嵌る)。段差部9のカバー突き当て面の幅は例えば2mmである。重り8より一回り大きい正面カバー14と背面カバー12で電池側ハウジング3に設けられた孔部7に収まった複数枚の重り8を両端から抑え込み、正面カバー14及び背面カバー12と段差部9との係合により上下左右前後方向への移動が無いよう固定する。重りユニット18の組立に際しては、背面カバー12の片側に取り付けられたナット13に重り8と正面カバー14を通し、正面カバー14側からネジ15をナット13に通して締め付ける。なお、重り8の枚数は重心位置の調整量に合わせて任意に選択できる。このとき、重り8の枚数を減らすと正面カバー14と背面カバー12の間に隙間が生じて重り8がネジ15の軸方向に動くが、重り8の枚数が減った分の隙間を
図6に示すようにスポンジ等の弾性体19で埋めることにより、重り8の動き(軸に沿った摺動)を規制することができる。
【0032】
図4に示すように、電池側ハウジング3内には孔部7の下方にあたる位置に断面L字状の放熱板32(例えばアルミ製)が固定され、放熱板32に基板31がネジ止め固定されている。放熱板32のL字状の立上り部32aは、孔部7の内面と近接対向しており、放熱性が良好となっている。
【0033】
本実施の形態によれば、電池側ハウジング3の孔部7に重りユニット18を装着することで、刈払機の重心位置を事後的に調整可能である。また、重りユニット18において重り8の使用枚数(すなわち重りユニット18の重量)は、重心位置の調整量に合わせて任意に選択でき、柔軟な重心位置調整が可能である。このため、製品条件や作業者、あるいは電源の取り方が異なっても最適な重心位置にでき、作業性が良好となる。すなわち、刈払機の仕様や装着する電池パックの容量、外部電源の使用の有無、作業者の身長、体型に対応して作業者自身の判断で作業効率が良い重心位置に調整することができる。さらに、同じ刈払機で様々な重心位置をとることが可能なため、環境負荷を低減できる。
【0034】
図8は、本発明の実施の形態に係るヘッジトリマの斜視図である。電動作業機は、
図1等に示す刈払機に限らず、例えば
図8に示すヘッジトリマであってもよい。このヘッジトリマは、電池パック301を着脱自在に装着するハウジング3の、グリップ部3aと対向する支持部3bに、重り挿入用の孔部7を有する。孔部7には刈払機の場合と同様に重りユニット18を取付け可能である。
【0035】
図9は、電動作業機の重心位置を調整する構成の模式図(その1)である。本図の例は、ハウジング3に直接的に重りを装着するものであり、前述の実施の形態に相当する。大容量の電池パック301を装着しているときは重りは取り付けず(
図9(A))、小容量の電池パック301を装着しているときは小さい重りを取り付け(
図9(B))、背負い式バッテリ16等の外部電源から電力供給するとき(電池パック301に代えてアダプタ17を装着するとき)は大きい重りを取り付ける(
図9(C))。
【0036】
図10は、電動作業機の重心位置を調整する構成の模式図(その2)である。本図の例は、背負い式バッテリ16等の外部電源から電力供給するとき(電池パック301に代えてアダプタ17を装着するとき)に、アダプタ17自体に重りを追加する。アダプタ17の内部は電池セルがなく余分な空間があるため、そこに鉄等の重りを入れればよい。重りの重量は可変であるとよい。これにより、電池パック301に代えてアダプタ17を装着する場合も最適な重心位置とすることができる。
【0037】
図11は、電動作業機の重心位置を調整する構成の模式図(その3)である。本図の例は、背負い式バッテリ16等の外部電源から電力供給するときに、電池パック301は取り外さずに、電池パック301にアダプタ17を装着する。電池パック301の容量が所定量以下になったら背負い式バッテリ16から電力を供給する。この場合、アダプタ17の分だけ重量が増すものの、アダプタ17は軽量のため全体としての重心位置に殆ど影響はない。
【0038】
図12は、電動作業機の重心位置を調整する構成の模式図(その4)である。
図11の電池パック301に代えて、ダミーパック302をハウジング3に装着し、ダミーパック302にアダプタ17を装着する。ダミーパック302は、電池パック301と同等ないし類似の外形であるが電池セルは内蔵せず、内部に重りを設けてある。重りの重量は可変であるとよい。これにより、最適な重心位置とすることができる。
【0039】
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
【0040】
電動作業機は、実施の形態で示したもののほか、ベルトサンダーやロータリバンドソー、ブロワ、チェーンソー等、種々の電動工具であってもよい。
【0041】
重りユニット18は、電池側ハウジング3の孔部7に代えて、電池側ハウジング3の例えば下面に取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 操作棹、2 刈刃ユニット、3 ハウジング、301 電池パック、302 ダミーパック、4 バンド接続部、5 肩掛けバンド、6 長さ調整ユニット、7 孔部、8 重り(ウエイト)、12 背面カバー、13 ナット、14 正面カバー、15 ネジ、16 背負い式バッテリ、17 アダプタ、18 重りユニット、19 弾性体、20 ハンドル部