(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5928888
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月1日
(54)【発明の名称】細胞観察装置
(51)【国際特許分類】
C12M 1/34 20060101AFI20160519BHJP
C12M 1/00 20060101ALI20160519BHJP
G01N 1/28 20060101ALI20160519BHJP
G02B 21/26 20060101ALI20160519BHJP
【FI】
C12M1/34 A
C12M1/00 A
G01N1/28 W
G02B21/26
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-131998(P2012-131998)
(22)【出願日】2012年6月11日
(65)【公開番号】特開2013-255437(P2013-255437A)
(43)【公開日】2013年12月26日
【審査請求日】2015年4月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】根津 多一郎
【審査官】
福澤 洋光
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−317957(JP,A)
【文献】
特開2001−141735(JP,A)
【文献】
特開2007−108445(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0141345(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00−3/10
CA/MEDLINE/BIOSIS/WPIDS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus(JDreamIII)
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顕微鏡で細胞観察を行うための細胞観察装置であって、
細胞試料が培養される少なくとも1つのウェルが設けられた培養容器と、
この培養容器を配置するための開口部が設けられた支持プレートと、
前記培養容器の一端を固定支持するように所定の形状に形成され前記支持プレートの開口部の一端に設けられた第1の支持部材と、
前記培養容器の他端を固定支持するように所定の形状に形成され前記支持プレートの開口部の他端に設けられた第2の支持部材と、
これら第1の支持部材と第2の支持部材の少なくともいずれかを前記支持プレートの開口部に配置される前記培養容器に押し付けるように付勢するばねを設け、
前記培養容器は、その底面が前記支持プレートの開口部の底面から突出した水平状態で前記第1の支持部材と第2の支持部材で挟持され、
前記第1の支持部材および第2の支持部材の一部には、
先端部分が対向する前記培養容器の外壁に刺し込まれることにより前記培養容器を固定支持する複数の突起片が設けられている
ことを特徴とする細胞観察装置。
【請求項2】
前記突起片は、ナイフエッジとして形成されていることを特徴とする請求項1に記載の細胞観察装置。
【請求項3】
顕微鏡で細胞観察を行うための細胞観察装置であって、
細胞試料が培養される少なくとも1つのウェルが設けられた培養容器と、
この培養容器を配置するための開口部が設けられた支持プレートと、
前記培養容器の一端を固定支持するように所定の形状に形成され前記支持プレートの開口部の一端に設けられた第1の支持部材と、
前記培養容器の他端を固定支持するように所定の形状に形成され前記支持プレートの開口部の他端に設けられた第2の支持部材と、
これら第1の支持部材と第2の支持部材の少なくともいずれかを前記支持プレートの開口部に配置される前記培養容器に押し付けるように付勢するばねを設け、
前記培養容器は、その底面が前記支持プレートの開口部の底面から突出した水平状態で前記第1の支持部材と第2の支持部材で挟持され、
前記第1の支持部材および第2の支持部材の一部には、ナイフエッジ形状の突起片が少なくとも1つずつ設けられており、
前記第1の支持部材と第2の支持部材とで前記培養容器を固定支持するときに、前記培養容器の外壁に前記突起片が押圧するように接触する
ことを特徴とする細胞観察装置。
【請求項4】
前記ばねは、トーションばねであることを特徴とする請求項1または3に記載の細胞観察装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞観察装置に関し、詳しくは、培養細胞などを顕微鏡で観察するときに用いる容器の保持構造に関する。
【0002】
植物や動物の細胞観察にあたっては、培養容器で培養中の細胞試料を顕微鏡で観察することも行われている。
【0003】
図7は、従来から行われている培養細胞観察の一例を示す概念構成図である。
図7において、培養容器1は矩形状に形成され、内部には1つまたは複数のウェルが設けられている。各ウェルには観察対象となる細胞試料が培養されている。なお、各ウェルの底面は、観察面として機能するように透明部材で形成されている。
【0004】
細胞観察にあたり、培養容器1は、支持プレート2に取付部21として設けられているロの字形の開口部に嵌め合わされて取り付けられる。ここで、開口部21の長手方向の両端には、培養容器1の長手方向の両端底面を支持するように底面22、23が設けられている。
【0005】
そして、培養容器1が取り付けられた支持プレート2を図示しない顕微鏡のステージに載置し、支持プレート2を対物レンズ3に対して移動させることにより所望のウェルを対物レンズ3に対向させて、所望の培養細胞を観察する。
【0006】
図8は
図7の断面図であり、(A)は支持プレート2の円で囲んだ取付部21のコーナー部分を含む全体を示し、(B)は(A)の円で囲んだ取付部21のコーナー部分の拡大図を示している。
【0007】
図8において、培養容器1の底面は、観察面として機能するように、透明部材で平坦に形成されている。支持プレート2の取付部21のコーナー部分には、培養容器1の長手方向の端部の底面を支持するように、底面22が設けられている。
【0008】
特許文献1には、マイクロプレートで培養されている細胞を顕微鏡で観察する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−27855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
支持プレート2の取付部21のコーナー部分に設けられている底面22の板厚tは、培養容器1の底面に対する段差になってしまう。この板厚tによる段差は、培養容器1が取り付けられた支持プレート2を対物レンズ3に対して移動させるのにあたり、対物レンズ3の先端部が衝突して移動を妨げる障害物になり、支持プレート2の可動範囲を制限することになる。
【0011】
この結果、
図9に示すように、対物レンズ3の中心部分が支持プレート2の取付部21における各コーナーの円で囲まれた部分の中心位置まで移動できないことから、その位置における培養細胞が観察できなくなる。
【0012】
また、顕微鏡による細胞観察にあたっては、対物レンズ3として高倍率(40倍、60倍、100倍など)のものを使用することから、培養容器1を確実に支持プレート2に固定しておかないと、わずかな振動や衝撃などによって数ミクロン程度の位置ずれを生じてしまい、観察画像の結像焦点がぼけて正確な観察が行えなくなってしまう。
【0013】
本発明は、これらの問題点に着目したものであって、その目的は、観察面側に段差がなくて観察面の全域を観察できるとともに、培養容器を確実に支持プレートに固定できる細胞観察装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
このような課題を達成する請求項1の発明は、
顕微鏡で細胞観察を行うための細胞観察装置であって、
細胞試料が培養される少なくとも1つのウェルが設けられた培養容器と、
この培養容器を配置するための開口部が設けられた支持プレートと、
前記培養容器の一端を固定支持するように所定の形状に形成され前記支持プレートの開口部の一端に設けられた第1の支持部材と、
前記培養容器の他端を固定支持するように所定の形状に形成され前記支持プレートの開口部の他端に設けられた第2の支持部材と、
これら第1の支持部材と第2の支持部材の少なくともいずれかを前記支持プレートの開口部に配置される前記培養容器に押し付けるように付勢するばねを設け、
前記培養容器は、その底面が前記支持プレートの開口部の底面から突出した水平状態で前記第1の支持部材と第2の支持部材で挟持
され、
前記第1の支持部材および第2の支持部材の一部には、
先端部分が対向する前記培養容器の外壁に刺し込まれることにより前記培養容器を固定支持する複数の突起片が設けられている
ことを特徴とする。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1に記載の細胞観察装置において、
前記突起片は、ナイフエッジとして形成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明は、
顕微鏡で細胞観察を行うための細胞観察装置であって、
細胞試料が培養される少なくとも1つのウェルが設けられた培養容器と、
この培養容器を配置するための開口部が設けられた支持プレートと、
前記培養容器の一端を固定支持するように所定の形状に形成され前記支持プレートの開口部の一端に設けられた第1の支持部材と、
前記培養容器の他端を固定支持するように所定の形状に形成され前記支持プレートの開口部の他端に設けられた第2の支持部材と、
これら第1の支持部材と第2の支持部材の少なくともいずれかを前記支持プレートの開口部に配置される前記培養容器に押し付けるように付勢するばねを設け、
前記培養容器は、その底面が前記支持プレートの開口部の底面から突出した水平状態で前記第1の支持部材と第2の支持部材で挟持され、
前記第1の支持部材および第2の支持部材の一部には、ナイフエッジ形状の突起片が少なくとも1つずつ設けられており、
前記第1の支持部材と第2の支持部材とで前記培養容器を固定支持するときに、前記培養容器の外壁に前記突起片が押圧するように接触する
ことを特徴とする。
【0017】
請求項3の発明は、請求項1
または3に記載の細胞観察装置において、
前記ばねは、トーションばねであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
これらにより、培養容器の底面全体が顕微鏡の対物レンズと対向することになり、培養容器の底面全体を顕微鏡で観察できる。
【0020】
また、培養容器は支持部材に設けられている複数の突起片とばねの付勢力により支持プレートに安定した状態で固定支持されることになり、振動や衝撃などによる支持プレートに対する培養容器の位置ずれ発生を防止でき、安定した観察画像が得られる。
【0021】
さらに、培養容器を安定した状態で固定支持する支持プレートは、マグネットを介して顕微鏡本体と磁気的に結合されるので、振動や衝撃などによる顕微鏡本体に対する支持プレートの位置ずれ発生を防止でき、安定した観察画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図2】
図1で用いる治具4の具体例を示す構成説明図である。
【
図3】
図1で用いる支持プレート5の具体例を示す構成説明図である。
【
図4】培養容器1と支持プレート5の組立工程図である。
【
図6】本発明の他の実施例を示す構成説明図である。
【
図7】従来から行われている培養細胞観察の一例を示す概念構成図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明について、図面を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例を示す構成説明図であり、(A)は組立状態の斜視図、(B)は(A)のA−A部分断面図であって、
図7と共通する部分には同一の符号を付けている。
【0024】
図1において、培養容器1は支持プレート5に固着保持されている。培養容器1を支持プレート5に固着保持させるのにあたっては、治具4の所定位置に培養容器1をセットした後、培養容器1に支持プレート5を実装することにより行われる。
【0025】
図2は、
図1で用いる治具4の具体例を示す構成説明図である。治具4は矩形の平板状に形成されたものであり、表面には矩形の外枠41と内枠42よりなる二重枠が形成されている。
【0026】
外枠41の各辺には、支持プレート5を所定の位置関係で治具4に取り付けるように案内するためのガイドピン43a〜43eが離散的に取り付けられている。内枠42は、培養容器1を配置するための載置部として機能するものであり、外枠41で囲まれた矩形領域の中央部分に設けられている。治具4の裏面の各角部近傍には、脚部44a〜44dが設けられている。
【0027】
図3は、
図1で用いる支持プレート5の具体例を示す構成説明図である。支持プレート5も矩形の平板状に形成されていて、中央部分には培養容器1を配置するためのほぼ矩形の開口部51が設けられている。
【0028】
この開口部51の一端側には、培養容器1の一端に嵌め合うように所定の形状(本実施例ではコの字形)に形成された第1の支持部材52がねじ止め固着されている。開口部51の他端側には、培養容器1の他端に嵌め合うように所定の形状(本実施例ではコの字形)に形成された第2の支持部材53が移動可能に取り付けられている。
【0029】
培養容器1の一端が嵌め合うように形成された第1の支持部材52において、培養容器1の一端の両側の角部と対向する部分52a、52bには、突起片として機能するナイフエッジが設けられている。
【0030】
培養容器1の他端が嵌め合うように形成された第2の支持部材53において、培養容器1の他端の両側の角部と対向する部分53a、53bには、突起片として機能するナイフエッジが設けられている。
【0031】
第2の支持部材53の主平面の中央には、手動操作のためのつまみ53cが設けられている。
【0032】
第2の支持部材53の主平面の長手方向に沿った両側近傍には、長手方向に平行なガイド穴53d、53eが設けられている。これらガイド穴53d、53eは、支持プレート5の本体の長手方向に沿った両側近傍に長手方向と平行に設けられているガイドブロック53f、53gに、長手方向に沿って移動可能に嵌め合わされている。
【0033】
第2の支持部材53は、培養容器1を第1の支持部材52と挟んだ状態で第1の支持部材52に向かって押し付けるように、たとえばトーションばね54により矢印Bで示す方向に付勢されている。
【0034】
支持プレート5の表面の両端近傍には持ち運び作業のためのハンドル55a、55bが設けられ、各角近傍には図示しない顕微鏡本体のステージ部に磁気的に固定するためのマグネット56a〜56dが設けられている。これらのマグネット56a〜56dを設けることは、水浸や油浸などの液浸対物レンズを用いる場合における一体化された培養容器1および支持プレート5の液体の浮力による浮き上がり防止対策として有効である。
【0035】
図4は、培養容器1と支持プレート5の組立工程図である。これら一連の組立作業は、クリーンルームで行われる。すなわち、工程Aに示すように、治具4をクリーンルームに設置しておく。
【0036】
次に、工程Bに示すように、培養容器1の載置部として機能する治具4の内枠42の所定の位置に、培養容器1を配置する。
【0037】
そして、工程Cに示すように、ガイドピン43a〜43eに沿って支持プレート5を取り付け固定する。
【0038】
具体的には、
図3に示すつまみ53cと右側のハンドル55bを親指と人差し指でつまむようにして、第2の支持部材53をトーションばね54による付勢を打ち消す右方向にガイドブロック53f、53gに沿って移動させると、治具4の所定の位置に配置された培養容器1に嵌め合わせられるように開口部51を大きく開く。
【0039】
開口部51を大きく開いた状態でガイドピン43a〜43eに沿って支持プレート5を治具4に対して徐々に押し下げていく。この過程で、培養容器1が開口部51から徐々に突出する。
【0040】
さらに押し下げていくと、
図1(B)に示すように、支持プレート5の両端の底面に設けられている段付部57a、57bが治具4の両端近傍に設けられている段付部45a、45bに嵌め合って停止する。
【0041】
なお、これら治具4の段付部45a、45bと支持プレート5の段付部57a、57bは、このように嵌め合って停止した状態において、治具4の底面に設けられている内枠42との相互作用によって培養容器1の底面の観察面が治具4の底面に対して水平な平行面となり、微小間隔を保って接触しないように高精度で加工調整されている。
【0042】
このように支持プレート5の段付部57a、57bと治具4の段付部45a、45bが嵌め合って停止した状態でつまみ53cの指を静かに離すと、支持プレート5の第2の支持部材53は再び
図3に示すように、トーションばね54により矢印Bで示す方向に付勢されることになる。
【0043】
この結果、トーションばね54の付勢力と第1の支持部材52のナイフエッジ52a、52bと第2の支持部材53のナイフエッジ53a、53bとの相乗効果により、培養容器1は第1の支持部材52と第2の支持部材53とで堅固に安定した状態で挟持されることになる。
【0044】
図5は本発明に基づく細胞観察装置の観察動作説明図であり、(A)は断面図、(B)は平面図であって、
図8および
図9と共通する部分には同一符号を付けている。支持プレート5に支持されている培養容器1の底面に着目すると、支持プレート5の底面から突き出ていて、支持プレート5の底面の板厚が
図8のような段差を生じることはない。
これにより、培養容器1が取り付けられた支持プレート5を対物レンズ3に対して移動させるのにあたり、対物レンズ3の先端部が衝突して移動を妨げる障害物になるものはなく、各角を含む培養容器1の全底面を対物レンズ3の先端部に対向させて観察対象とすることができる。
【0045】
なお、上記実施例では、
図6(A)に示すように、矩形状に形成され内部に8つのウェルが設けられた培養容器CV1を、培養容器CV1の長手方向の両端から培養容器CV1の端部に嵌め合うようにほぼコの字形に形成され培養容器CV1の角部と対向する部分に突起片としてナイフエッジが設けられた支持部材SM1、SM2を押し付けて挟持固定する例を説明したが、これに限るものではなく、以下に示すような各種の培養容器と支持部材との組み合わせであってもよい。
【0046】
(B)は、(A)と同様な支持部材SM1、SM2を用いて、円盤状の培養容器CV2をその両端から挟持固定するように構成されたものである。
【0047】
(C)は、(A)と同様な矩形状に形成された培養容器CV1の長手方向の両端に、先端部分に対向する培養容器CV1の外壁に刺し込み可能な針状の複数の突起片が設けられた支持部材SM3、SM4を押し付けることにより、培養容器CV1の長手方向の両端から支持部材SM3、SM4で挟持固定するように構成されたものである。
【0048】
(D)は、(A)と同様な矩形状に形成された培養容器CV1の長手方向と直交する両辺の一方にはその辺に嵌め合うようにほぼコの字形に形成され培養容器CV1の角部と対向する部分に突起片としてナイフエッジが設けられた支持部材SM5を押し付けて嵌め合わせ、他方の辺には先端部分に対向する培養容器CV1の外壁に刺し込み可能な針状の複数の突起片が設けられた支持部材SM6を押し付けることにより、培養容器CV1の長手方向と直交する両辺から支持部材SM5、SM6で挟持固定するように構成されたものである。
【0049】
(E)は、矩形状のマイクロプレートとして形成された培養容器CV3の長手方向の両端から、培養容器CV3の端部に嵌め合うようにほぼコの字形に形成され培養容器CV3の角部と対向する部分に突起片としてナイフエッジが設けられた支持部材SM7、SM8を押し付けて挟持固定するように構成されたものである。
【0050】
なお、これら各実施例における培養容器CVはいずれもコンタミネーションの影響を受けているので廃棄するが、支持部材SMが組み込まれている図示しない支持プレートは突起片が摩耗するまではたとえばアルコールによる滅菌処理を施すことにより繰り返して使用できる。
【0051】
また、移動可能に設けられた支持部材を培養容器に押し付けるように付勢するばねはトーションばねに限るものではなく、板ばねやコイルばねなどであってもよい。
【0052】
また、上記実施例では、一方の支持部材をトーションばねで培養容器に押し付けるように付勢する例を説明したが、両方の支持部材をばねで培養容器に押し付けるように構成してもよい。
【0053】
以上説明したように、本発明によれば、培養容器の底面全体を顕微鏡で観察でき、振動や衝撃などによる支持プレートに対する培養容器の位置ずれ発生を防止でき、振動や衝撃などによる顕微鏡本体に対する支持プレートの位置ずれ発生を防止できて、安定した観察画像が得られる細胞観察装置が実現できる。
【符号の説明】
【0054】
1 培養容器
3 対物レンズ
4 治具
41 外枠
42 内枠
43a〜43e ガイドピン
45a、45b 段付部
5 支持プレート
51 開口部
52 第1の支持部材
52a、52b 突起片(ナイフエッジ)
53 第2の支持部材
53a、53b 突起片(ナイフエッジ)
53c つまみ
53d、53e ガイド穴
53f、53g ガイドブロック
54 トーションばね
55a、55b ハンドル
56a〜56d マグネット
57a、57b 段付部