(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5928909
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】流体圧式アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
F15B 15/10 20060101AFI20160526BHJP
【FI】
F15B15/10 H
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-264528(P2013-264528)
(22)【出願日】2013年12月4日
(65)【公開番号】特開2015-108436(P2015-108436A)
(43)【公開日】2015年6月11日
【審査請求日】2014年6月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】513275160
【氏名又は名称】株式会社第一医材社
(72)【発明者】
【氏名】塩谷 誠二
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 裕
【審査官】
柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭60−139905(JP,A)
【文献】
特開2009−250362(JP,A)
【文献】
米国特許第2844126(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0108491(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 15/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端が栓部材で封止され、流体が供給・排出されることにより膨張・収縮する、同じ材料から成るチューブを複数本重ねた膨張収縮体と、この膨張収縮体の外周を覆い、前記栓部材へその両端が締め付け部材によって固定され、前記膨張収縮体の膨張に応じて径が拡張しアクチュエータ軸方向の長さが収縮する被覆体と、前記栓部材へ設けられた流体の給排口を備えたことを特徴とする流体圧式アクチュエータ。
【請求項2】
前記締め付け部材は、前記膨張収縮体と前記被覆体とを前記栓部材へ締め付ける六角締め付け具と、この六角締め付け具に隣接するアクチュエータ軸方向内側に設けられ、内圧を受けた前記被覆体の拡張応力を受ける補助リング部材とから成ることを特徴とする請求項1に記載の流体圧式アクチュエータ。
【請求項3】
前記締め付け部材は、前記膨張収縮体と前記被覆体とを前記栓部材へ締め付ける六角カシメ具と、この六角カシメ具に隣接するアクチュエータ軸方向内側に設けられ、前記被覆体が膨張した時に、前記被覆体の六角カシメ具角部分に過大な拡張応力を生じなくする補助リング部材とから成ることを特徴とする請求項1に記載の流体圧式アクチュエータ。
【請求項4】
前記六角締め付け具は、前記膨張収縮体と前記被覆体とを前記栓部材へ締め付ける第1の締め付け具と、前記膨張収縮体と前記被覆材とが前記栓部材からはみ出させて折り返された部分であって、前記第1の締め付け具を覆った部分に設けられた第2の締め付け具とから成ることを特徴とする請求項2に記載の流体圧式アクチュエータ。
【請求項5】
前記被覆体が二重構造をしていることを特徴とする請求項1乃至4に記載の流体圧式アクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気等の流体の給排により駆動される流体圧式アクチュエータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、特許文献1乃至特許文献3に記載されているような弾性膨張体(以下、「流体圧式アクチュエータ」と記す。)を機器の駆動源として用いることが提案されている。
従来の流体圧式アクチュエータ、例えば空気圧式アクチュエータは、ゴム製やウレタンゴム製等のチューブの外周に伸縮性のない網状の被覆体が被せられて構成されており、空気を前記チューブ内へ供給してチューブを膨張させると、被覆体が伸縮性を有していないことから被覆体の網目が周方向へ拡張されて、被覆体が長さ方向には収縮する。結果としてアクチュエータの長さ寸法の縮小を招き、この長さの縮小により駆動力が発生される。この流体圧式アクチュエータは、構造が簡単でかつ軽量であるという特徴を有しているため、種々の産業分野での利用が期待されるものである。
【0003】
上記文献に開示されているような空気圧式アクチュエータは、動作が繰り返されると、動作回数の増加とともに被覆体と膨張収縮体であるチューブ間の摩擦が繰り返されることによりチューブの両端部の線部材近傍において被覆体側面が削られてくる。例えば、駆動力を得るために空気圧式アクチュエータへ空気を供給すると、アクチュエータは、膨張し、チューブと被覆体のそれぞれの中央部が栓部材の径よりも大きな径に膨張する。この膨張時にチューブと被覆体は栓部材近傍において長さ方向へわずかながら位置ずれが生ずる。この位置ずれはアクチュエータの収縮時にも生ずる。そしてこの位置ずれが生ずる時には、チューブが、内部圧力により、被覆体に強く押し付けられているために、その被覆体の繊維の網目の凹凸により、チューブの外側に微細な切り傷が生じてくる。例えば、本願発明者が行った実験によると、上記特許文献1乃至特許文献3等に記載された従来仕様の空気圧式アクチュエータにおいては、4回/分の頻度で膨張収縮を繰り返すと、数万回でチューブが損傷し、供給された空気が漏れ、アクチュエータの機能が損なわれることが判明した。
【0004】
この問題を解決するために、被覆体とチューブの間に、低摩擦層を入れることが特許文献4において提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−24771号公報
【特許文献2】特開2002−103270号公報
【特許文献3】国際公開WO2004/085856
【特許文献4】国際公開WO2007/058085
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本願発明者等の繰り返し動作試験によれば、上記特許文献4に開示されている空気圧式アクチュエータにおいても繰り返し動作が数十万回に及ぶと破断することが確認された。数十万回の繰り返し動作寿命の空気圧式アクチュエータは介護・福祉のような使用頻度の少ない分野においては十分な寿命を有していると考えられるが、工場における生産設備や物流分野における荷物の積み下ろしの支援用装置などの使用頻度の多い装置へ用いるアクチュエータとしては、繰り返し動作寿命の更に優れたものが求められている。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、上記したように構造が簡単でかつ軽量であるという空気圧式アクチュエータの特徴を保持しつつ、耐久性の更に優れた空気圧式アクチュエータを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る流体圧式アクチュエータは、両端が栓部材で封止され
、流体が供給・排出されることにより膨張・収縮する、同じ材料から成るチューブを複数本重ねた膨張収縮体と、この膨張収縮体の外周を覆い、前記栓部材へその両端が締め付け部材によって締め付け固定され、前記膨張収縮体の膨張に応じて径が拡張しアクチュエータ軸方向の長さが収縮する被覆体と、前記栓部材へ設けられた流体の給排口を備えたことを特徴としている。
そして、本発明に係る流体圧式アクチュエータにおける前記締め付け部材は、前記膨張収縮体と前記被覆体とを前記栓部材へ締め付ける六角締め付け具と、この六角締め付け具に隣接するアクチュエータ軸方向内側に設けられ、内圧を受けた前記被覆体の拡張応力を受ける補助リング部材とで構成するとよい。
そして、本発明に係る流体圧式アクチュエータにおける前記締め付け部材は、前記膨張収縮体と前記被覆体とを前記栓部材へ締め付ける六角カシメ具と、この六角カシメ具に隣接するアクチュエータ軸方向内側に設けられ、前記被覆体が膨張した時に、前記被覆体の六角カシメ具角部分に過大な拡張応力を生じなくする補助リング部材とで構成するとよい。
さらに、本発明に係る流体圧式アクチュエータにおける前記六角締め付け具は、前記膨張収縮体と前記被覆体とを前記栓部材へ締め付ける第1の締め付け具と、
前記膨張収縮体と前記被覆材とが前記栓部材からはみ出させて折り返された部分であって、前記第1の締め付け具を覆った部分に設けられた第2の締め付け具とで構成するとよい。
また、本発明に係る流体圧式アクチュエータにおける前記被覆体は二重構造をしていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、
流体圧式アクチュエータの膨張収縮体として同じ材料から成るチューブを複数本重ねたものを用い、さらに膨張収縮体と被覆体とを栓部材へ締め付ける部分に補助リング部材を用いることにより、膨張収縮体のキズ、ひび割れなど変形が生ずるまでの膨張・収縮の繰返し回数(耐久性)が大幅に増加し、利用分野の更なる拡大が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1の実施形態による空気圧式アクチュエータの縦断面図
【
図3】本発明の第2の実施形態による空気圧式アクチュエータのゴム栓のかしめ部分の拡大図
【
図4】第2の実施形態に用いる補強リングの形状を示す図
【
図5】空気圧式アクチュエータの耐久試験法を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による空気圧式アクチュエータの縦断面図である。
図1に示すように本発明の1実施形態の空気圧式アクチュエータは、空気を供給することによって膨張する第1の膨張収縮体(以下、「第1のインナーチューブ」と記す。)1と、この第1のインナーチューブ1の両端を封止するゴム製の栓2及び3と、ゴム栓2を貫通して第1のインナーチューブ1の内部空間へ達するように設けられた空気給排管4と、第1のインナーチューブ1の外周を覆う第2の膨張収縮体(以下、「第2のインナーチューブ」と記す。)5と、第2のインナーチューブ5の外周を覆う網状の被覆体(以下、「メッシュスリーブ」と記す。)6と、第1のインナーチューブ1、第2のインナーチューブ5及びメッシュスリーブ6をそれぞれの両端部でゴム栓2,3へ締め付けて止める止め具(かしめリング)7、8とから構成されている。なお、空気給排管4には、図示を省略された空気給排装置、例えばエアーコンプレッサーと電磁バルブを含む空気給排装置が接続されている。エアーコンプレッサーから空気給排管4を介して第1のインナーチューブ1の内部へ空気を供給し、または第1のインナーチューブ1の内部の空気を電磁バルブを介して排出することで、空気圧式アクチュエータは駆動される。
【0011】
このメッシュスリーブ単体は、荷重に対する伸びが極めて小さな樹脂製、例えばナイロン繊維、ポリエステル繊維等の高張力繊維の線材(フィラメント)を筒状に編み上げたもので、その網目はメッシュスリーブの長さ方向へ所定の角度を持って2方向からクロスするように編み上げられていて、その径が拡張されると長さ(アクチュエータ長軸方向の長さ)が短縮するようになっている。本実施形態におけるメッシュスリーブ6は、二重構造となっているが、各々のメッシュスリーブについては、線材(フィラメント)の材質及び太さ、及び網目を構成する素線数は同一であってよい。また、二重構造とされるメッシュスリーブ同士の径は、厳密には内側のメッシュスリーブと外側のメッシュスリーブとで径に相違が必要とされるが、簡易的に同一の径のものを用いることができる。
【0012】
メッシュスリーブ6の内部へ挿入されたウレタンゴム製のインナーチューブもまた二重構造となっている。すなわち、インナーチューブはアクチュエータの空気収容空間をなす第1のインナーチューブ1と、メッシュスリーブ6の内面に接する側の第2のインナーチューブ5との二重構造となっている。メッシュスリーブ6とその内部へ挿入されたインナーチューブ1、5は、それらの長さ方向両端部にゴム栓2、3が挿入され、図に示すようにゴム栓2,3部分で、カシメリング7で六角形状にかしめられ、更にインナーチューブ、メッシュスリーブ共に折り返され、カシメリング7に対応する位置でカシメリング8によって再度六角形状にかしめられている。これらのかしめによってゴム栓とインナーチューブ、メッシュスリーブとの結合と、ゴム栓部からのエアー漏れ防止を図っている。
【0013】
ゴム栓2、3の端部は、負荷へ取り付けられたフックへ繋ぐことができる形状となっている。その一例としてゴム栓2には締結用ボルト9が設けられ、他端側のゴム栓3にはねじ穴が形成された締結具10が設けられている。前記締結用ボルト9の一端はゴム栓2の内部に埋め込まれた座金によって抜け防止を図られており、ゴム栓の外部には接続用アイナット等が、取り付け可能である。また締結具10も締結用ボルト9と同様にゴム栓3の内部に埋め込まれた座金によって抜け防止を図られた金属製の締結具10の中心軸にねじ穴が形成され、そのねじ穴にアイボルト等が取り付け可能で、負荷が接続されるようになっている。本実施形態では両端で接続具が異なる態様を例示したが、同じ接続具を両端に設けてもよい。
【0014】
上記の如く構成された本発明の空気圧式アクチュエータと、従来の空気圧式アクチュエータとの両者について耐久試験を、
図5に示す態様で行なった。すなわち、空気圧式アクチュエータの仕様は、メッシュスリーブの素材6の定格径が1.5インチ,無負荷時のメッシュスリーブの外径が約30mm,最大負荷時のメッシュスリーブの外径が約50mm,空気圧式アクチュエータの無負荷時の長さが300mmである。このアクチュエータへ20kgの錘が吊るされる。そして、耐久試験として、空気給排管4へ接続された空気給排装置によって、4サイクル/分(空気の供給〜排気を1サイクルとする)で、
図5(a)は、排気時、
図5(b)は、給気時を示しており、空気圧式アクチュエータの伸縮動作を交互に繰り返す方法を採用した。
【0015】
従来の空気圧式アクチュエータは、アクチュエータを構成するインナーチューブが1層であるため、チューブ内へ供給された空気の圧力により径が拡張したメッシュスリーブに押し付けられると、メッシュスリーブの拡張された繊維の網目とインナーチューブとの間に摩擦が生じ、試験の進行が3万回を超えるとインナーチューブの外周面に局部的に切り傷状の損傷が発生し、その損傷がその後の高圧空気の供給の繰り返しにより急激にひび割れとなって拡大し、ついには微細孔がチューブの膜厚を貫通し、空気漏れが発生する。そして空気圧式アクチュエータの機能が失われる。
【0016】
これと比較して、本発明を適用した二重構造のインナーチューブ1、5を備えた空気圧式アクチュエータは、第2のインナーチューブ5、第1のインナーチューブ1共に空気圧を受け止め膨張収縮する二重構造になっている。したがって、耐久試験の繰り返し動作が進行して、たとえ外側の第2のインナーチューブ5に細かな亀裂が発生しても、その内側に第1のインナーチューブ1が存在するため、第1のインナーチューブ1へ供給された高圧空気の圧力は第1のインナーチューブ1が保持し、第2のインナーチューブ5に生じた亀裂部において応力集中が発生せず、亀裂の急拡大が防止される。そして第2のインナーチューブ5に亀裂が生じても、第2のインナーチューブ5とは別体として設けられた第1のインナーチューブ1にその亀裂が伝搬することがない。すなわち、第2のインナーチューブ5に微細な傷が発生しても、その傷がどんどん広がることが無くなる。第2のインナーチューブ5が完全に擦り切れ、内側の第1のインナーチューブ1に新たに亀裂が生じ、貫通穴が開くまでは空気圧式アクチュエータは、その機能を失うことがない。本願発明者等の試験結果によれば、本発明の第1の実施形態の二重型インナーチューブを備えた空気圧式アクチュエータは上記従来型に比較して10倍乃至20倍の動作寿命を有していることが確認された。その詳細は後述する。
【0017】
次に、本発明の第2の実施形態を
図3により説明する。
図3は、本発明の第2の実施形態の空気圧式アクチュエータのゴム栓とメッシュスリーブ、インナーチューブとのかしめ部分の拡大図である。この実施形態では、ゴム栓部材の締め付け部分の耐久性向上に関するものである。従来おこなわれてきた方法は、がっちりしたホースの端末金具の様なものが使用されてきている。しかし、このアクチュエータの主たる使用用途が着用ロボットスーツなどであるため、端末金具も極力軽量である事が望まれている。この目的で第1の実施形態に示す端末部のかしめ法があり、アクチュエータの軽量化を達成していた。
【0018】
しかし、インナーチューブの二重化により、この薄い金属リングで、六角にかしめた構造では、カシメリングの角部分において、インナーチューブへの空気供給時毎に応力が高くなることが判明した。そのことが原因となって、動作を30〜40万サイクル繰り返すと、カシメリングの角部分に金属疲労が生じカシメリングが破断することが明らかになった。これを、解決する為に、カシメリングの角部分において応力が上昇することを防止する補助部材として、円形の補強リング12を、カシメリング7、8のアクチュエータ軸方向中央寄りに挿入する。円形の補強リング11の内径は、ゴム栓2及び3のかしめ部分へインナーチューブとメッシュスリーブをはめ込んだ時の略外径とすればよい。これにより、メッシュスリーブ及びインナーチューブの径の拡張によりかしめ部分に生ずる応力(拡張応力)は補強リング12へ作用し、六角かしめリングにはそれを拡げようとする応力が、全く加わらなくなる。これでカシメリングの繰り返し金属疲労による破断はなくなる。リングの重量は、約3gであるので、重量増加は無視出来る。本実施形態による空気圧式アクチュエータは、第1の実施形態を上回る耐久性を得ることができた。なお、補強リング12の形状としては、径方向の断面が円形状(12a)又は角部を滑らかにした矩形状(12b)のいずれでもよい。
【0019】
本願発明者等が行った耐久試験結果を表1に示す。
本発明の空気圧式アクチュエータは、試験開始から破損に至るまでの繰返し動作回数が、従来の1重のインナーチューブ(資料No.1〜3)のものと2重にしたもの(資料No.4〜8)を比べると、約10〜40倍程度に改善された。また従来の一重構造の物は、そのひび割れの影響がいつ出るか想定できなかったが、二重にすることにより安定した寿命のものが得られるようになり、本結果から、本発明を適用した空気圧式アクチュエータの優位性が確認された。
【表1】
【0020】
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で変形することが可能である。本発明を要約すれば、本発明は、両端が栓部材で封止され流体が供給・排出されることにより膨張・収縮する膨張収縮体のキズ、ひび割れなど変形が生ずることを防止又は抑制する手段を備えることを特徴としている。この手段としては、上記第1の実施形態から、膨張収縮体(インナーチューブ)を2重構造としたが、膨張収縮体を3重以上の多重構造としても良い。
【0021】
また、上記実施形態では、流体として空気を用いる空気圧式アクチュエータを例に挙げて説明したが、膨張収縮体に供給される流体は空気に限定されるものではなく、用途に応じて、水、油、ガス等の各種流体を用いることができる。
【0022】
従来技術による流体圧式アクチュエータは、リハビリ用機器〈例えば、CPM(Continuous Passive Motion)装置〉や介護機器等の駆動用アクチュエータとして使用されてきたが、本発明による流体圧式アクチュエータは百万回以上の耐久性が、確認されたので、今後、一日千回以上も動作させる荷扱いなどの厳しい動作環境で人間が着用する着用形ロボットスーツの駆動用アクチュエータ、すなわち人工筋肉として使用することができ、更には産業用ロボットや建設用機械等にも使用することができる様になる。このような広範囲の用途を持つ流体圧式アクチュエータの耐久性が本発明によって改善されたことで、その用途の更なる拡大が期待される。
【符号の説明】
【0023】
1…インナーチューブ
2…ゴム栓
3…ゴム栓
4…空気給排管
5…インナーチューブ
6…メッシュスリーブ
7…カシメリング
8…カシメリング
9…締結用ボルト
10…締結具
11…アイボルト
12…補強リング