(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ハウジングと、該ハウジングに対して開閉自在に取付けられたフードと、前記ハウジング内に取付けられ空気の吸引と加温空気の送風を行うブロワと、前記ブロワからの加温空気を前記フード内に戻すための前記ハウジングに形成された吹出口と、該吹出口よりの送風によってフード内にオゾンを吹き出し被施術者の毛髪に噴触するオゾン噴触装置と、前記オゾン噴触装置から上方に向けて備えられたオゾン配管と、前記吹出口の近傍に配置され、前記オゾン配管の端に備えられて前記オゾン配管よりも広角の噴出口であり、前記オゾン噴触装置よりのオゾンを放出するオゾン噴触部と、被施術者の毛髪が巻き付けられ通気穴が形成された複数のロッドと、該ロッドに接続され前記ブロワによる吸引力によって前記オゾンを吸引し前記ロッド内を負圧状態とするチューブとから構成したことを特徴とするパーマネントウェーブ処理促進装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記特許文献によるオゾンを被施術者の毛髪に吹き付ける手段としては、熱風を吹き出すケーシングと通気孔が形成された隔板とによって形成された空間の一端部に対してオゾン発生器よりのオゾンをオゾン導入路より外側フードに向かって吹き出し、該外側フードに形成された通気孔から被施術者の毛髪にオゾンが吹き付けられるものである。
【0006】
このように、オゾン発生器よりのオゾンはオゾン導入路を介して前記空間の一端部に吹き出されるので、前記温風によって外側フードに吹き出されるオゾンの量はオゾン導入路側が多く、該オゾン導入路から離れた空間側のオゾンの量は少なくなる。従って、毛髪全体に対して吹き付けられるオゾンの量が異なることから、薬剤のオゾンによる酸化作用が均一とならず仕上げがムラになるといった問題があった。
【0007】
また、オゾンによる酸化作用を利用する方法では、適切なオゾン濃度に対して高くても低くても大きなリスク問題が生じる。すなわち、オゾン濃度が高すぎると被施術者がオゾン臭を不快に感じ、逆にオゾン濃度が低すぎると十分な酸化作用が得られず、仕上がりを大きく損なう可能性がある。特に、特許文献にあってはフードの開口部がオープン状態となっているため、前記したオゾン濃度が高い場合にはより被施術者に対して不快な影響を与えるといった問題があった。
【0008】
このようなオゾン濃度を調整する必要が生じた場合に、特許文献にあってはオゾンの濃度は一定でありシャッターの開度を調整して行うことになるが、シャッターの開度調整によるオゾン濃度の調整は非常に面倒な操作になるといった問題があった。
【0009】
また、薬剤を毛髪に塗布するには前記したように毛髪をロッドに巻き付けながら行うことから、薬剤を毛髪に塗布する作業に時間が掛かると共に塗布作業に熟練を要するといった問題があった。
【0010】
本発明は前記した問題点を解決せんとするもので、その目的とするところは、フードの開口部を被施術者の頭部を挿入した状態で密閉状態とし、かつ、オゾン発生器より発生するオゾンを温風吹出口の近傍の比較的広い面積より吹き出すようにしたので、オゾンはフード内のみに均一量で充満し、また、毛髪を巻いたロッド内を負圧状態としたことで被施術者の毛髪に均一に噴触させることができると共に薬剤のオゾンによる酸化作用が促進され処理時間を短縮できると共に毛髪への酸化作用も均一、かつ、仕上げがムラになることがなく、さらに、オゾンの発生量をオゾン発生器の動作制御によって行うことで適正なオゾン濃度調整が行えるので、オゾン濃度が高い状態や低い状態への調整が容易であることから被施術者や施術者の安全性、快適性を確保することが可能である。
【0011】
さらに、湾曲した薬剤噴霧管をフード内の内周面に沿って回転しながらロッドに巻かれた毛髪に対して薬剤を噴霧して薬剤を毛髪に塗布すると共に毛髪が巻かれたロッド内を負圧状態とすることで、毛髪に対して均一に薬剤を塗布することができ、かつ、従来の薬剤塗布と比較して作業の簡素化が図れると共に施術者の熟練を必要としないものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のパーマネントウェーブ処理促進装置は前記した目的を達成せんとするもので、請求項1の手段は、ハウジングと、該ハウジングに対して開閉自在に取付けられたフードと、前記ハウジング内に取付けられ空気の吸引と加温空気の送風を行うブロワと、前記ブロワからの加温空気を前記フード内に戻すための前記ハウジングに形成された吹出口と、該吹出口よりの送風によってフード内にオゾンを吹き出し被施術者の毛髪に噴触するオゾン噴触装置と、被施術者の毛髪が巻き付けられ通気穴が形成された複数のロッドと、該ロッドに接続され前記ブロワによる吸引力によって前記オゾンを吸引し前記ロッド内を負圧状態とするチューブとから構成したことを特徴とする。
【0013】
請求項2の手段は、前記した請求項1において、前記オゾン噴触装置よりのオゾンを前記吹出口の近傍に配置された広角の噴出口であるオゾン噴触部より放出したことを特徴とする。
【0014】
請求項3の手段は、前記した請求項1において、前記フードに被施術者が頭部を挿入した状態においてフードの開口部を密閉状態とし、この密閉状態において前記オゾン噴触装置よりのオゾンを吹き出してオゾンが外部に噴出しないようにしたことを特徴とする。
【0015】
請求項4の手段は、ハウジングと、該ハウジングに対して開閉自在に取付けられたフードと、前記ハウジング内に取付けられ空気の吸引と加温空気の送風を行うブロワと、前記ブロワからの加温空気を前記フード内に戻すための前記ハウジングに形成された吹出口と、被施術者の毛髪が巻き付けられ通気穴が形成された複数のロッドと、該ロッドに接続され前記ブロワによる吸引力によって前記ロッド内を負圧状態とするチューブと、パーマネント、カラー、トリートメントの薬剤を霧化する薬剤霧化装置と、前記薬剤霧化装置よりのミスト状の薬剤を前記フードに取付けられフードの内周面に沿って往復回動しながら被施術者の毛髪に吹き付ける薬剤噴霧パイプとより構成したことを特徴とする。
【0016】
請求項5の手段は、前記した請求項4において、前記薬剤霧化装置よりのミスト状の薬剤を前記薬剤噴霧パイプを介して噴霧する時に、前記ロッド内を負圧状態としてミスト状の薬剤が被施術者の毛髪に対して均一に塗布されるようにしたことを特徴とする。
【0017】
請求項6の手段は、ハウジングと、該ハウジングに対して開閉自在に取付けられたフードと、前記ハウジング内に取付けられ空気の吸引と加温空気の送風を行うブロワと、前記ブロワからの加温空気を前記フード内に戻すための前記ハウジングに形成された吹出口と、前記フードに被施術者が頭部を挿入した状態においてフードの開口部を密閉状態とする密閉手段と、被施術者の毛髪が巻き付けられ通気穴が形成された複数のロッドと、該ロッドに接続され前記ブロワによる吸引力によって前記ロッド内を負圧状態とするチューブと、パーマネント、カラー、トリートメンの薬剤を霧化する薬剤霧化装置と、該薬剤霧化装置よりのミスト状の薬剤を前記フードに取付けられフードの内周面に沿って往復回動しながら被施術者の毛髪に吹き付ける薬剤噴霧パイプと、前記吹出口よりの送風によってフード内にオゾンを吹き出し被施術者の毛髪に噴触するオゾン噴触装置とより構成したことを特徴とする。
【0018】
請求項7の手段は、前記した請求項6において、前記オゾン噴触装置よりのオゾンが前記吹出口より吹き出される時に、前記ロッド内を負圧状態としてオゾンを被施術者の毛髪に対して均一に噴触するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明は前記したように、フード内に加温空気を送風する吹出口の近傍にオゾン噴触装置よりのオゾンを吹き出し、かつ、この状態においてロッド内を負圧とすることで、該ロッドに巻かれた毛髪に全体に対してオゾンが噴触して毛髪の酸化を確実に行うことが可能となる。
【0020】
また、前記オゾン噴触装置より吹き出す口を平面形状として面積を大きくしたので、フード内にオゾンを均一状態に維持することが可能となり、従って、毛髪の全面に、かつ、均一状態でオゾンを噴触させることができる。
【0021】
さらに、前記フードに被施術者が頭部を挿入した状態においてフードの開口部を密閉状態とし、この密閉状態において前記オゾン噴触装置よりのオゾンを吹き出してオゾンが外部に噴出しないようにしたので、オゾンによる被施術者、施術者に対して悪影響を与えることを防止できる。
【0022】
また、フードの内周面に沿って往復回動する薬剤パイプを設け、該薬剤パイプに対してパーマネント、カラー、トリートメントの薬剤を霧化する薬剤霧化装置よりのミスト状の薬剤を送ることで、フード内の毛髪に対して均一に前記薬剤を吹き付けることが可能となる。
【0023】
さらに、前記薬剤の毛髪への吹き付け時において、毛髪を巻き付けたロッド内を負圧状態とすることで、ロッドに巻かれた毛髪の全面に薬剤を吹き付けることができる。
【0024】
また、フード内に被施術者の頭部を挿入した状態においてフードの内周面に沿って往復回動する薬剤パイプを設け、該薬剤パイプに対してパーマネント、カラー、トリートメントの薬剤を霧化する薬剤霧化装置よりのミスト状の薬剤を送ることで、フード内の毛髪に対して均一に前記薬剤を吹き付けることができ、かつ、薬剤を吹き付けた状態でフード内に加温空気を送風する吹出口の近傍にオゾン噴触装置よりのオゾンを吹き出し、かつ、この状態においてロッド内を負圧とすることで、該ロッドに巻かれた毛髪全体に対してオゾンが噴触して毛髪の酸化を確実に行うという一連の処理を行うことが可能であることから、作業の簡素化が図れると共に施術者の熟練を必要としない。
【0025】
さらに、オゾン噴触装置よりのオゾンを吹き出し、かつ、この状態においてロッド内を負圧とすることで、該ロッドに巻かれた毛髪に全体に対してオゾンが噴触して毛髪の酸化を確実に行うことができる等の効果を有するものである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の要旨である被施術者の毛髪をカールした状態においてオゾンを吹き付けるオゾン噴触装置、パーマ剤やトリートメント剤である薬剤を塗布する薬剤霧化装置を取付けるためのパーマネントウェーブ処理促進装置の基本構造について説明する。なお、この基本構造は本出願人が出願し特許となった特許第4567644号に該当するものである。
【0028】
図1〜
図7は前記特許第4567644号の基本構造の概略を示し、フード内にブロワによって温風を供給し被施術者の毛髪に多数の通気孔が形成されたロッドを巻き付けると共に該ロッドにチューブを接続してブロワによって吸引し、かつ、フード内の温度が予め設定した温度より高くなった場合には外気導入装置によって外気を導入して所定の温度となるようにした。
【0029】
以下、特許文献の基本構造を図面と共に説明する。
パーマネントウェーブ処理促進装置は大きく分けて、ヒーターHによって加温した温風を排出すると共に毛髪が巻かれたロッドRから吸引した前記温風を吸引して再びヒーターHによって加温する循環式ブロワ1と、該ブロワ1によって吸引した温風と水分やパーマネントウェーブ用の薬剤や異物を分離する汽水分離装置2と、外気を導入して前記ブロワ1よりの温風に混合して冷却する外気導入装置24とが収容されたハウジング3とからなる本体Aと、該ハウジング3の上部に取り外し可能で、かつ、2つに分離され開閉自在なフードFとから構成されている。なお、
図1においてCは被施術者がパーマネントウェーブ処理を行う時に着座する椅子である。また、本体Aにはキャスター31が取付けられ移動自在となっている。
【0030】
次に、本体Aの詳細について説明するに、モータとファンとから構成されたブロワ1は、前記ハウジング3内の中央部に固定されており、ロッドR内を負圧状態とすることでロッドRに巻かれている毛髪を介してフードF内の温風を吸引して下部に配置されている汽水分離装置2に供給し、該汽水分離装置2によって薬剤等の液体や異物が除去された空気を吸引し、吸引した空気を上方に取付けられているヒーターHに向かって排出し、該ヒーターHによって所定の温度に加熱された空気をハウジング3に形成された吹出口32からフードF内に戻す動作をするものである。
【0031】
また、前記汽水分離装置2からヒーターHを介して前記吹出口32に温風を吹き出すための管路における吹出口32に近い部分に吸引口24aに設けられ、かつ、該吸引口24aの近傍にファン24bが取付けられた外気導入装置24が一体的に取付けられている。また、外気導入装置24におけるフードF内に外気を供給する吹出口は前記吹出口32と同一となっている。
【0032】
そして、外気導入装置24は前記汽水分離装置2からの温風と一緒に(この場合における外気導入装置24のファン24bはフードF内に取付けられている温度センサ(図示せず)よりの出力で駆動する)、あるいは、ブロワ1から供給される温風とは関係なく外気のみをフードF内に供給する動作のみを行うことも可能である。なお、前記外気導入装置24によって外気を取り入れるための外気取り入れ口33が前記ハウジング3の側面に形成されている。
【0033】
汽水分離装置2は前記ブロワ1の真下に位置し、吸引した空気に渦流を発生させ下方に排出する渦流発生器21と、該渦流発生器21の下側に着脱自在に取付けられブロワ1からの汽水に含まれている薬剤や異物を貯留するカップ22と、該カップ22内に抜き差し自在に収容され渦流内に含まれている薬剤や異物をカップ22内に送り出すためのスリット23aを有する漏斗状の分離器23とから構成されている。
【0034】
前記汽水分離装置2におけるカップ22はハウジング3の前方に開閉自在に取付けられた蓋36を開放して外に取り出すことで、カップ22内に滞留している流体を排出することができる。なお、
図3において、22aは前記渦流発生器21に前記分離器23を入れた状態でロックして固定するためのハンドルであり、また、22bはカップ22に取付けられた把手である。
【0035】
前記ハウジング3における上面のフードFを取付ける斜面には前記吹出口32が取付けられ、この吹出口32の左右にはロッドR内を負圧状態とするチューブ4が引き出される引出し部材5が取付けられている。チューブ4の先端にはロッドRと脱着可能で、かつ、ロッドRに対して回動自在な取付具41が取付けられている。
【0036】
また、ロッドRには外周面に多数の空気流通孔R1が形成されているので、チューブ4を接続具41を介してロッドRに接続し、チューブ4内を負圧状態とするとロッドR内も負圧状態となり、従って、ロッドRに巻かれている毛髪の薬剤等の流体はチューブ4内に吸引され、かつ、フードF内を加温状態とすることで毛髪も加温され毛髪の処理時間を早めることが可能となる。
【0037】
前記チューブ4の引出し部材5は、チューブ4の径より大きな長孔51aが形成された固定台51と、チューブ4より僅かに大きな丸孔52aが形成され、かつ、固定台51に対してスライド可能な可動台52とより構成され、チューブ4を引出したり収納したりする場合には
図6に示すように、可動台52の丸孔52aが固定台51の長孔51aの中心に位置するようにスライドすることで容易に行え、また、チューブ4を固定状態とする場合には
図7に示すように、可動台52の丸孔52aが固定台51の長孔51aの中心より外れた位置となるようにスライドすることでチューブ4は摩擦抵抗によって固定状態となる。
【0038】
なお、引出し部材5の構造としては前記した実施例に限定されるものではなく、チューブ4の外周に対して密着したり、外周に対して隙間を作ることが可能な構造のものであれば全て含まれるものである。また、前記した固定台51はチューブ4が比較的密の状態で嵌挿されている基台53に固定されている。
【0039】
そして、この基台53には後述する吸引パイプ6の上端が気密の状態で嵌合されるように構成されている。また、ロッドRを装着しないチューブ4の接続具41には図示しないキャップを嵌合して吸引時にロッドRの吸引力が弱まらないようにする必要がある。
【0040】
前記引出し部材5から垂れ下がっているチューブ4が収納される吸引パイプ6は、合成樹脂等の材料でパイプ状に形成されており、一端が前記した引出し部材の基台53に気密の状態で嵌合され、他端が前記した汽水分離装置2の渦流発生器21の相対向する側面に気密の状態で嵌合されている。そして、吸引パイプ6はハウジング3の側面に沿って配置される。従って、ブロワ1を駆動すると渦流発生器21によって吸引パイプ6内は負圧状態となり、この負圧状態によりチューブ4内も負圧状態となり、ロッドR内は負圧となる。
【0041】
なお、気密状態で引出し部材5と渦流発生気21に嵌合されている吸引パイプ6を外すことで、吸引パイプ6はハウジング3から分離できるので、チューブ4を吸引パイプより抜き出すことが可能となり、チューブ4の洗浄を容易に行うことができる。
【0042】
フードFは略円弧状に形成された第1フード7と第2フード8とから構成され、該第1、第2フードの頂角部において回動、かつ、締め付け可能であると共に第2フード8のみをロック可能とするフード取付部材9によってハウジング3の受け凹部34に嵌め込んで取付けられている。なお、第1、第2フード7,8の形状は円弧状に限定されるものではなく、四角、六角形状等のような頭部を覆う形状であればどのような形状であってもよい。
【0043】
そして、ハウジング3の受け凹部34に取付けた状態において、第1フード7がハウジング3の上部開口縁部に密着状態で載置され、また、第2フード8の開口部には被施術者の額から襟部の頭部を覆う気密性の柔軟な覆い布8aが取り外し可能に取付けられている。前記第1フード7に対して第2フード8を重ねる方向に回動した時に、第2フード8が容易に開く方向に移動しないように、第2フード8の第1フード7の内面に形成されている突条(図示せず)と係合される止めバネ8bが取付けられている。なお、前記覆い布8に変えてエアーカーテンとすることも可能である。
【0044】
以上の説明は、本発明の要旨である毛髪をカールした状態においてオゾンを吹き付けるためのオゾン噴触装置、パーマ剤やトリートメント剤である薬剤を塗布するための薬剤霧化装置を取付けるためのパーマネントウェーブ処理促進装置である。以下、パーマネントウェーブ処理促進装置に取付けるオゾン噴触装置、薬剤霧化装置の詳細を
図8〜
図11と共に説明する。
【0045】
先ず、オゾン噴触装置の具体例を
図8,9と共に説明する。
オゾン噴触装置100としては放電法や紫外線法等の公知の装置であり、オゾン発生器101はハウジング3の上部背面側に固定され、また、オゾン噴触装置100内にはオゾン発生器101で発生したオゾンを後述するオゾン配管103に向かって放出するためのポンプ(図示せず)が内蔵されている。
【0046】
そして、オゾン発生器101に形成されたオゾン出口102にはオゾン配管103の一端が接続され、該オゾン配管103の他端には広角の噴出口であるオゾン噴触部104が取付けられている。なお、オゾン噴触部104は前記した吹出口32の上方に配置されているので、オゾン噴触部104より放出されるオゾンは吹出口32よりの送風によってフードF内に均一に放出される。
【0047】
なお、
図8,10において110は操作盤にして、時間表示、温度表示、ロッドの本数表示、毛髪の量、毛髪のダメージ、オゾン噴触装置の動作表示、薬剤の噴霧表示等の表示を行う操作表示部111が形成されている。
【0048】
前記操作表示部111の外周には前記各表示を設定するためのスイッチ112が配置されている。すなわち、
図12に示すオゾン濃度レベルを設定するためのスイッチ13b、ロッドの数を設定するためのスイッチ13c、毛髪の量を設定するスイッチ13d、毛髪のダメージを設定するためのスイッチ13eが配置されている。
【0049】
次に、薬剤霧化装置の具体例を
図10,11と共に説明する。
図10において120は後に詳述する薬剤をミスト状に霧化する薬剤霧化装置であって、超音波等を利用して前記薬剤を霧化する手段が内蔵されており、霧化された薬剤は薬剤噴霧用ファン121によりの風圧によって薬剤霧化装置120より導出された薬剤供給パイプ122に送出される。
【0050】
前記薬剤供給パイプ122の一端は前記したフード取付部材9の内側に固定されると共に先端は上方に向かって屈曲され、該屈曲された上面にL字状の薬剤供給口123が密閉状態で固定され、該薬剤供給口123には前記したフードFの内周面に沿って回動可能な形状に形成された薬剤噴霧パイプ124の一端がOリング124aを介して回転自在に嵌め込まれている。
【0051】
前記薬剤噴霧パイプ124の他端は他方のフード取付部材9の内側に回転自在に軸支されると共にギア131が取付けられている。また、フード取付部材9の内側にモータ132が取付けられており、該モータ132の回転軸に取付けられたギア133が前記ギア131と噛合されている(
図11参照)。
【0052】
従って、モータ132を回転させることでギア133を介してギア131が回転することで、薬剤噴霧パイプ124がフードFの内周面に沿って往復回転する。従って、薬剤霧化装置120から噴出される霧化された薬剤は薬剤供給パイプ122、薬剤供給口123を介して薬剤噴霧パイプ124に形成されている多数薬剤噴霧口124bより被施術者の毛髪全体に噴霧される。
【0053】
なお、前記した薬剤霧化装置120によって噴霧される薬剤としては、後述する
図15に示すフローチャートのオゾンを噴触させることなく薬剤のみで処理する場合には、一般的に市販さている薬剤であって霧化できる薬剤を収納し、また、オゾンのみを噴触してパーマネントウェーブ等の処理を行う場合、あるいは、薬剤を毛髪に噴霧した後にオゾンを噴触して酸化させてパーマネントウェーブ処理を行う場合には、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、アスコルビン酸の塩からなる群から選ばれる1または2以上の化合物を含ませた酸性の中間処理剤を使用する。
【0054】
次に、
図12の制御回路13について説明する。
13aは回路全体の動作を制御するためのCPU、13bはオゾン発生器101の例えば電流等を制御してオゾン濃度レベルを制御するためのスイッチ、13cは被施術者の毛髪を巻き付けるロッドの数を設定するためのスイッチ、13dは被施術者の毛髪の量を設定するためのスイッチ、13eは被施術者の毛髪のダメージ状態を設定するためのスイッチ、13fは前記スイッチ13c〜13eを操作することで、施術時間を何分にするかおよび施術温度を何度にするか等のデータが記憶されたROM、13gは施術者が希望に応じて各種の設定を行ったことを記憶するRAMである。
【0055】
また、13hはヒーターの温度制御を行う、例えば、ヒーターへの通電をオン・オフ制御するためのリレー等のヒーター制御部、13iは前記ROM13fによって設定された時間をスタートスイッチ13jをオンしてから減算するタイマ、13kは温風手段のオン・オフ制御や送風量の制御を行うためのブロア制御部、13lはフードFの所望個所に設置され、フードF内の温度を検出するフード内温度検出用の温度センサである。
【0056】
さらに、13mは温風を供給すると共に吸引を行うためのモータに過負荷が加わったことを検出し、および本体に組み込まれた傾斜センサが動作して本体が転倒するような状態となった時やヒーターが異常温度となった時に電源をオフにするための安全スイッチ、13rはクーリング動作時にオンとなる前記した外気導入装置24のファン24bを制御するためのファン制御部である。
【0057】
13pは前記したオゾン発生器101の動作開始やオゾン濃度レベルを制御するためのオゾン発生制御部、13qは前記オゾン発生器101内に内蔵されたオゾン発生器よりのオゾンを送り出すためのポンプ、13sは薬剤霧化装置120のファン121を駆動してミスト状の薬剤の噴霧を制御するための薬剤霧化装置制御部、13tは薬剤噴霧パイプ124を回転するためのモータ132の動作を制御する薬剤噴霧パイプ駆動用モータ制御部である。
【0058】
次に、オゾンのみをフードF内に噴触してパーマネントウェーブの処理を行う方法を
図13,14のフローチャートと共に説明する。
なお、本発明におけるパーマネントウェーブ処理促進装置によって毛髪処理を実施する以前において、以下に説明する操作を行う。すなわち、毛髪にロッドRを巻き付け、該巻き付けた毛髪に対して還元剤を含むパーマ第1剤を塗布し、所定の時間放置して毛髪を膨潤軟化させる。
【0059】
毛髪が膨潤軟化した状態において毛髪に付着しているパーマ第1剤を洗い流し、洗い流した毛髪をタオルで拭く。その後、本発明のパーマネントウェーブ処理促進装置のフードFを開放した状態において処理装置の前に着座させ、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、アスコルビン酸の塩からなる群から選ばれる1または2以上の化合物を含ませた酸性の中間処理剤を塗布する。
【0060】
前記中間処理剤を塗布した後に、毛髪が巻き付けられたロッドRにチューブ4を接続し、ロッドRに接続しないチューブ4には図示しない封止部材を取付けてチューブ4からの吸引が行われないようにする。その後、フードFを被施術者の頭部に被せ、かつ、フードF内を密閉状態とするために覆い布8aで被い、あるいはエアーカーテンによって吹出口32よりの温風が漏れないようにする。
【0061】
次に、前記した前処理の後にオゾンを吹き付けて処理を行う処理方法を
図13,14のフローチャートについて説明するに、外部交流電源を本発明のパーマネントウェーブ処理促進装置に電源を供給するための電源スイッチをオン状態とする。この状態においてプログラム設定S1の操作である施術者が操作盤110におけるスイッチ112からロッドの数はスイッチ13cを操作表示部111を見ながら操作し(ステップS11)、以下、同様に毛髪の量はスイッチ13dを操作し(ステップS12)、毛髪のダメージはスイッチ13eを操作して入力する(ステップS13)。
【0062】
以上の操作が行われると、該操作された条件に対応するタイマ、温度、ブロワ出力、オゾン濃度レベルがROM13fより読み出されモードが決定される(ステップS14)。この状態においてCPU13aはクリープのフローチャートS2に移行し、クリープスタートスイッチがオンされたか否かを監視し(ステップS21)、該スイッチが操作されたと判断すると前記プログラム設定によって設定されたタイマが始動する(ステップS22)。
【0063】
前記タイマの開始と同時に、ブロワ1と外気導入用のファン24bを駆動して吹出口32より吹き出す(ステップS23)。この状態において、フードF内の温度が一定となるようにヒーターHの制御を開始する(ステップS24)この状態において前記ROM13fで設定された温度の空気となるようにヒーターHの制御が開始され(ステップS24)、かつ、フードF内の温度を温度センサ13lで監視し、前記ROM13fで設定された温度に制御される(ステップS25)。
【0064】
このような制御を行いながらCPU13aはROM13fで設定されたタイマ時間に達したか否かを判断する。この判断において、タイマ時間に達したと判断すると、
図14のフローチャートに移行する。
【0065】
なお、操作盤110におけるガラス化用のスタートスイッチを操作する前にロッドRにチューブ4が接続されていない場合、ロッドRにチューブ4を接続した後にスタートスイッチを操作することとなる。この状態においてCPU13aはスタートスイッチを操作したか否かを監視し(ステップS31)、前記ロッドRにチューブ4を接続したと判断したことを施術者が確認した後にスタートスイッチが操作されるとROM13fで決定されたタイマが始動される(ステップS32)と共にブロアとファンが駆動して毛髪が巻かれているロッドR内を吸引する動作と、吹出口32よりの送風の吹出が開始される(ステップS33)。
【0066】
そして、前記ステップS33の動作開始と同時にオゾン発生器101よりのオゾンはポンプによってオゾン出口102、オゾン配管103を介してオゾン噴触部104から放出され温風の吹出口32よりの送風によってフードF内に均一に放出される(ステップS34)。
【0067】
このオゾンの放出が行われると前記吹出口32より放出される温風の温度を一定とするためにヒーターHの制御が開始され(ステップS35)、かつ、フードF内の温度を監視して(ステップS36)、フードF内の温度を一定に保つために前記ヒーターHの温度制御を行う。次いで、ROM13fで決定されたタイマ時間に達したか否かを監視する(ステップS37)。
【0068】
なお、フードF内の温度が予め設定された温度より高くなった場合には、外気導入装置24のファン24bを駆動してブロワ1から供給される温風とは関係なく外気のみをフードF内に供給したり、直接外気をフードF内に供給してフードF内の温度を設定温度まで下降させる。
【0069】
前記したフローチャートにおいてロッドR内は負圧状態となっているので、フードF内に供給されたオゾンは毛髪を介して吸引され、従って、毛髪に塗布された中間処理剤にオゾンが噴触されることによって酸化されて毛髪のジスルフィド結合を再結合することとなる。
【0070】
前記ステップS37によるタイマ時間に達したと判断すると、クーリングS41に移行し、操作盤110におけるクーリングのスタートスイッチを操作したか否かを監視し(ステップS41)、クーリングスタートスイッチの操作が行われたと判断するとROM13fで決定されたタイマが始動される(ステップS42)と共にブロアとファンが駆動(ヒーターHの通電は遮断)して冷風を毛髪が巻かれているロッドR内に吸引することでクーリングが開始される(ステップS43)。
【0071】
そして、タイマ時間に達したか否かを常時監視し(ステップS44)、タイマ時間に達したと判断するとパーマネントウェーブ処理促進装置の作業は終了するので、フードFを開放し、毛髪からロッドRを外すことで全ての作業は終了する。
【0072】
次に、薬剤をフードF内に噴霧してパーマネントウェーブの処理を行う方法を
図15のフローチャートと共に説明する。なお、本発明における薬剤を噴霧してパーマネント等の処理を行うパーマネントウェーブ処理促進装置にあっても、前記した
図12,13で説明したと同様に前工程である毛髪を膨潤軟化させる処理と、パーマ第1剤を洗い流す工程を終了させる。
【0073】
なお、薬剤をフードF内に噴霧してパーマネントウェーブの処理を行う場合の薬剤としては、一般的に市販されているパーマ剤やトリートメント剤のうち、施術の目的に合う薬剤で、かつ、霧化が可能な薬剤、例えば、パーマ第2剤(酸化剤)やCMC水溶液等を選択的に使用しても良い。
【0074】
次に、前記した前処理の後に薬剤をフードF内に噴霧して処理を行う処理方法を
図15のフローチャートと共に説明するに、電源スイッチをオン状態とする。この状態においてプログラム設定S5の操作である施術者が操作盤110におけるスイッチ112から使用するロッド数はスイッチ13cを操作表示部111を見ながら操作し(ステップS51)、以下、同様に毛髪のダメージはスイッチ13eを操作し(ステップS52)、また、毛髪の量はスイッチ13dを操作して入力する(ステップS53)。
【0075】
以上の操作が行われると、該操作された条件に対応するタイマ、温度、ブロワ出力、薬剤噴霧量がROM13fより読み出されモードが決定される(ステップS54)。この状態においてCPU13aは薬液噴霧のフローチャートS6に移行し、薬剤噴霧用スタートスイッチ13jがオンしたか否かを監視し(ステップS61)、該スイッチがオンされたと判断すると前記プログラム設定モードによって設定されたタイマが始動する(ステップS62)。
【0076】
前記タイマの始動と同時に薬剤霧化装置120の制御と薬剤噴霧パイプ124を駆動するモータ132を制御し、薬剤噴霧パイプ124の往復動によって毛髪にミスト状の薬剤を吹き付ける(ステップS63)。なお、毛髪の量、ダメージ、ロッド数によって噴霧量が設定されているので、より薬剤の付着量も最適な状態となる。
【0077】
次に、前記タイマの始動からの時間が設定された時間に達したか否かの監視が行われる(ステップS64)。そして、タイマ時間に達したと判断すると前記したクリープモードに移行する。なお、クリープモードについては
図13のフローチャートにおけるステップS2の動作と同じなので説明は省略する。
【0078】
クリープモードのステップS2におけるタイマ時間に達したか否かの監視において時間に達したと判断するとガラス化のフローチャートS7に移行することとなる。
【0079】
そして、操作盤110におけるガラス化用のスタートスイッチを操作する前にロッドRにチューブ4が接続されていない場合、ロッドRにチューブ4を接続した後にスタートスイッチを操作することとなる。一方、CPU13aはスタートスイッチを操作したか否かを監視し(ステップS71)、前記ロッドRにチューブ4を接続したと判断したことを施術者が確認した後にスタートスイッチが操作されるとROM13fで決定されたタイマが始動される(ステップS72)と共にブロアとファンが駆動して毛髪が巻かれているロッドR内を吸引する動作と、吹出口32よりの温風の吹出が開始されガラス化が進行する(ステップS73)。
【0080】
このガラス化において、前記吹出口32より放出される温風の温度を一定とするためにヒーターHの制御が開始され(ステップS74)、かつ、フードF内の温度を監視して(ステップS75)、フードF内の温度を一定に保つために前記ヒーターHの温度制御を行う。
【0081】
次に、前記タイマの始動からの時間が設定された時間に達したか否かの監視が行われる(ステップS76)。そして、タイマ時間に達したと判断すると前記したクーリングステップのモードに移行する。なお、クーリングモードについては
図14のフローチャートにおけるクーリングステップS4の動作と同じなので説明は省略する。
【0082】
そして、クーリングステップS4におけるタイマ時間に達したか否かの監視(ステップS44)において、タイマ時間に達したと判断するとパーマネントウェーブ処理促進装置の作業は終了するので、フードFを開放し、毛髪からロッドRを外すことで全ての作業は終了する。
【0083】
なお、前記した薬剤噴霧を行うフローチャートにあっては、薬剤霧化装置120を駆動すると共に薬剤噴霧パイプ124を回動させてミスト状の薬剤を毛髪に吹き付け、その後にクリープ処理を行うものであり、ロッドRにチューブ4が接続されていない場合、毛髪に巻き付けられたロッドRから吸引されることはない。しかし、クリープ処理の後のガラス化処理を行う直前に中間処理剤を毛髪に吹き付ける処理を行うことがある。
【0084】
このように薬剤噴霧の直後にガラス化処理を行う場合には、ガラス化時にロッドRにチューブ4が接続されていることから、ロッドF内を負圧状態として中間処理剤を吹き付けることで、ミスト状の中間処理剤はロッドR内の負圧によってロッドRに巻かれている毛髪全体に中間処理剤が均一にいきわたる。また、ロッドR内を負圧状態としているためフードF内の温風を吸引することとなり、従って、毛髪に温風が供給されて毛髪の仕上がりを良好な状態とすることができる。
【0085】
次に、薬剤をフードF内に噴霧し、次いでオゾンを噴触してガラス化を行うパーマネントウェーブの処理を行う方法を
図16のフローチャートと共に説明する。なお、この実施例にあっても薬剤の噴霧とオゾンの噴触を行う前に、前記した実施例で説明したと同様に毛髪をロッドRに巻き付けた状態において第1剤を塗布して毛髪を膨潤化させておく必要がある。
【0086】
先ず、電源スイッチをオン状態とする。次いで、プログラム設定S8の設定を行う。すなわち、使用したロッドの本数の設定(ステップS81)、毛髪のダメージレベルの設定(ステップS82)、毛髪の量の設定(ステップS83)をスイッチ13c,13e,13dを操作して決定する。これらの設定が終了するとタイマ、温度、ブロワ出力、オゾン濃度レベルおよび薬液噴霧量がROM13fによって決定され(ステップS84)。
【0087】
次いで、前記した
図15に記載したフローチャートの薬剤噴霧ステップS6に移行して薬剤噴霧の処理を行う。この薬剤噴霧に使用する薬剤としてはアスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、アスコルビン酸の塩からなる群から選ばれる1または2以上の化合物を含ませた酸性の中間処理剤を噴霧する。
【0088】
前記中間処理剤の噴霧時に、ロッドR内を負圧状態とすることで、毛髪全体に中間処理剤が均一にいきわたることで、次の工程であるクリープ処理を良好に行うことができる。
【0089】
前記薬剤噴霧処理が終了した後、前記した
図13に記載したクリープステップS2に移行してクリープ処理を行い、該クリープ処理が終了した後は前記した
図14に記載したガラス化ステップS3に移行して毛髪のガラス化処理を行い、さらに、ガラス化終了した後は、前記した
図14に記載したクーリングステップS4に移行して毛髪のクーリング処理を行い、本発明のパーマネントウェーブ処理促進装置による処理は終了するので、フードFを開放し、毛髪からロッドRを外すことで全ての作業は終了する。