(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
液体を収容する内容器と、該内容器を収納一体化した容器本体と、該容器本体の一側に設けた把手部と、前記容器本体の上部にあって前記内容器上部の開口を閉蓋する蓋体と、前記容器本体の前記把手部と反対側に設けられた注出口と、前記内容器内の液体を加熱する加熱手段とを備え、前記把手部を把持して前記容器本体を前記注出口側に傾けることにより前記内容器内の液体を前記注出口から注出し得るように構成された電気ケトルであって、前記蓋体内に、前記内容器内において発生する蒸気を導入し、冷却して結露させる蒸気冷却流路と、該蒸気冷却流路を通して冷却された残存蒸気を前記注出口内に放出する蒸気通路と、前記内容器内と前記注出口とを連通する湯注出用の連通路と、該連通路を開閉する開閉弁とを備えるとともに、前記蒸気通路の下流端は、前記開閉弁の中心部よりも前方側において上流側よりも高く位置して開口された後に、前記注出口内に連通されていることを特徴とする電気ケトル。
液体を収容する内容器と、該内容器を収納一体化した容器本体と、該容器本体の一側に設けた把手部と、前記容器本体の上部にあって前記内容器上部の開口を閉蓋する蓋体と、前記容器本体の前記把手部と反対側に設けられた注出口と、前記内容器内の液体を加熱する加熱手段とを備え、前記把手部を把持して前記容器本体を前記注出口側に傾けることにより前記内容器内の液体を前記注出口から注出し得るように構成された電気ケトルであって、前記蓋体内に、前記内容器内において発生する蒸気を導入し、冷却して結露させる蒸気冷却部と、前記内容器内と前記注出口とを連通する湯注出用の連通路と、該連通路を開閉する開閉弁とを備え、前記蒸気冷却部は、その底部面が前記開閉弁の上部に向けて下降傾斜した状態で延設されるとともに、同延設端底部が前記開閉弁の上部に開口され、前記蒸気冷却部内において生じた結露水が前記開閉弁上に滴下し、前記開閉弁の下降時において前記内容器内に戻るように構成されていることを特徴とする電気ケトル。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記のような蒸気排出口から蒸気が排出される構成の電気ケトルの場合、子供等が蒸気排出口から放出される蒸気に触れるおそれがある。また、多量の蒸気が室内空間に放出されると、ふすまや壁紙等が湿るし、必要以上に沸騰状態を続けると、消費電力も大きくなる等の問題がある。
【0007】
したがって、何らかの方法で、蒸気自体を外部に出さなくすることが好ましい。
【0008】
しかるに、上述のような電気ケトルにおいて、これまで、そのような対策を取ったものは見られず、有効な対策が求められている。
【0009】
本願発明は、このような事情に基づいてなされたもので、内容器内で発生した蒸気が外部へ出ないようにした電気ケトルを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明は、上記の目的を達成するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
【0011】
(1) 請求項1の発明
この発明は、液体を収容する内容器と、該内容器を収納一体化した容器本体と、該容器本体の一側に設けた把手部と、前記容器本体の上部にあって前記内容器上部の開口を閉蓋する蓋体と、前記容器本体の前記把手部と反対側に設けられた注出口と、前記内容器内の液体を加熱する加熱手段とを備え、前記把手部を把持して前記容器本体を前記注出口側に傾けることにより前記内容器内の液体を前記注出口から注出し得るように構成された電気ケトルであって、前記蓋体内に、前記内容器内において発生する蒸気を導
入し、冷却して結露させる蒸気
冷却流路
と、該蒸気
冷却流路を通して冷却された残存蒸気を前記注出口内に放出する蒸気通路と、前記内容器内と前記注出口とを連通する湯注出用の連通路と、該連通路を開閉する開閉弁とを備えるとともに、前記蒸気通路の下流端は、前記
開閉弁の中心部よりも前方側において上流側よりも高く位置して開口された後に、前記注出口内に連通されていることを特徴としている。
【0012】
このような構成によると、蓋体内に
、内容器内において発生する蒸気を導入し、冷却して結露させる蒸気冷却流路と該蒸気冷却流路を通して冷却された残存蒸気を注出口の内側に放出する蒸気通路とからなる蒸気経路が
形成されることになり、内容器内の蒸気が蒸気冷却流路を通して効率良く冷却され、結露する。他方、蒸気冷却流路を通して冷却された残存蒸気は蒸気通路を介して容器本体の注出口内側に放出される。そのため、蓋体の上面に蒸気排出口を設ける必要がなくなる。また、蒸気経路が長くなり、導入された蒸気
の殆どが注出口に達するまでに結露水となる。
【0013】
しかも、前記蒸気通路の下流端は、前記開閉弁の中心部よりも前方側において上流側よりも高く位置して開口された後に、前記注出口内に連通されている。したがって、蒸気通路内で生じた結露水は、注出口側に供給されることなく、自然流下により蒸気冷却流路側に戻される。
【0014】
さらに、把手部を把持して容器本体を注出口側に傾けることにより内容器内の液体を注出口から注出し得るように構成された電気ケトルの場合、注出口は上向きに形成されることから、蒸気経路を通って結露した結露水は、注出口から内容器内へ還流されるし、未凝縮の蒸気があっても、注出口付近で殆ど結露してしまう。
【0015】
したがって、内容器内で発生した蒸気が蓋体外部へ出ないようにすることができる。その結果、子供等が放出される蒸気に触れることもなく、室内の湿度が高くなって、ふすまや壁紙等が湿る等の問題も解消されることとなる。
【0016】
(2) 請求項2の発明
この発明は、液体を収容する内容器と、該内容器を収納一体化した容器本体と、該容器本体の一側に設けた把手部と、前記容器本体の上部にあって前記内容器上部の開口を閉蓋する蓋体と、前記容器本体の前記把手部と反対側に設けられた注出口と、前記内容器内の液体を加熱する加熱手段とを備え、前記把手部を把持して前記容器本体を前記注出口側に傾けることにより前記内容器内の液体を前記注出口から注出し得るように構成された電気ケトルであって、前記蓋体内に、前記内容器内において発生する蒸気を導
入し、冷却して結露させる蒸気
冷却部と、前記内容器内と前記注出口とを連通する湯注出用の連通路
と、該連通路を開閉する開閉弁
とを備え、前記蒸気
冷却部は、
その底部面が前記開閉弁の上部
に向けて下降傾斜した状態で延設されるとともに、同延設端底部が前記開閉弁の上部に開口され、前記蒸気
冷却部内において生
じた結露水
が前記開閉弁上に滴下
し、前記開閉弁の下降時において前記内容器内に戻るように構成されていることを特徴としている。
【0017】
このような構成によると、
まず蓋体内に
設けられた蒸気
冷却部が、
内容器内において発生する蒸気を導入して効率良く冷却し、結露させる。そのため、蓋体の上面に蒸気排出口を設ける必要がなくなる。
【0018】
しかも、同蒸気冷却部は、その底部面が、内容器内と注出口とを連通する湯注出用の連通路を開閉する湯注出用の開閉弁の上部に向けて下降傾斜した状態で延設されているとともに、該延設端底部が前記開閉弁の上部に開口されており、前記蒸気冷却部内において生じた結露水が当該開閉弁上に滴下し、当該開閉弁の下降時において前記内容器内に戻るように構成されている。
【0019】
したがって、前記蒸気冷却部内において生じた結露水が、前記開閉弁を開操作したときに前記内容器内へ還流され、また未凝縮の蒸気があったとしても、当該開閉弁の上部付近に注がれることになるので、その時点で凝縮される。
【0020】
その結果、
内容器内で発生した蒸気を殆ど蓋体外部へ出さないようにすることができ、子供等が放出される蒸気に触れることもなく、室内の湿度が高くなって、ふすまや壁紙等が湿る等の問題も解消されることとなる。
【発明の効果】
【0021】
以上の結果、本願発明によれば、蒸気レス構造で、省エネ性の高い電気ケトルを提供することができる。
【0022】
また、蓋部に蒸気排出口がなくなるので、電気ケトル全体の見映えも良くなる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付の図面を参照して、本願発明の幾つかの好適な実施の形態について説明する。
【0025】
〈第1の実施の形態〉
図1ないし
図6には、本願発明の第1の実施の形態にかかる電気ケトルが示されている。
【0026】
この電気ケトルは、
図1に示すように、内側に貯湯用の内容器3を備えた容器本体1と、該容器本体1の上部側開口部を開閉する蓋体2と、前記内容器3を湯沸かし時に加熱する加熱手段である湯沸かしヒータ4と、前記内容器3内の湯を外部へ給湯するための注出口5と、前記容器本体1の背面部(即ち、前記注出口5の反対側)において上端側から下端側に延びる状態で取り付けられた側面視コ字形状の把手部6とを備えて構成されている。なお、本実施の形態においては、前記注出口5は、前記把手部6を把持して容器本体1を注出口5側に傾けることにより内容器3内の液体を注出口5から注出し得るように斜め上向きに形成されている。
【0027】
前記容器本体1は、板金製の円筒形状の本体ケース1aと、該本体ケース1aの下端開口に対して係合配置された合成樹脂製の皿状の底部材1bと、前記本体ケース1aの上端開口に対して係合配置された合成樹脂製の環状の肩部材1cとからなっており、該肩部材1cを介して前記内容器3を支持一体化している。
【0028】
前記内容器3は、例えば1枚板構造のステンレス製の有底円筒形状の筒体からなっており、その底部には、前記湯沸かしヒータ4が配設されている。
【0029】
そして、本実施の形態においては、前記容器本体1は、卓上型の電源台20に対して着脱可能とされており、給湯時には容器本体1を電源台20から取り外した状態で、前記把手部6を把持して容器本体1を注出口5側に傾けることにより内容器3内の液体を注出口5から注出し得るようになっている。
【0030】
前記湯沸かしヒータ4の下面側には、受電カプラ20bが設けられており、該受電カプラ20bに対して前記電源台20に設けられた給電カプラ20aを嵌合することにより、AC電源が供給され、前記湯沸かしヒータ4、空焚き検知用のバイメタル(図示省略)、後述する沸騰検知センサ10などに電源が供給されるようになっている。
【0031】
前記蓋体2は、合成樹脂製の上板2aと、該上板2aに対して外周縁が結合された合成樹脂製の下板2bと、該下板2bの下方に位置する金属製の内カバー2cとからなっており、前記肩部材1c内側の開口部に対して上下方向に着脱自在に嵌合されている。前記内カバー2cの適所には、前記内容器3内と連通する連通孔(図示省略)が形成されている。
【0032】
前記上板2aと下板2bとの間の空間は、前記内容器3内において発生した蒸気Sの通路となる蒸気経路11を配設するための空間とされている。
【0033】
本実施の形態の場合、前記蒸気経路11は、例えば
図2に示すように、前記上板2aと前記下板2bとの間において内外2枚の平行な隔壁12a,12b,12c,12d(外側の隔壁12a,12cは相互に連続)によって円弧状に区画された第1、第2の蒸気冷却部11a,11cと、第1の蒸気冷却部11aの出口部分に連通し且つ前記蓋体2の前方側へ向かった後に同蓋体2の外周部内側に沿って略半周した後に第2の蒸気冷却部11cの入口部分に連通するパイプ形状の蒸気通路11bとによって構成されている。前記第1の蒸気冷却部11aの出口部分と前記第2の蒸気冷却部11cの入口部分とは相互に開放されて連通可能に対向されており、同対向部分は、内側の隔壁12b,12dの内側に連通した開放部分11dとされている。
【0034】
このように構成したことにより、蒸気経路11の経路長を可及的に長く形成することが可能となり、蒸気経路11内を流通する蒸気Sの殆どを結露させることが可能となる。
【0035】
なお、前記蒸気通路11bは、本実施の形態においては、前記蓋体2の外周部内側に沿った形状とされているが、前記蓋体2の外周部外側に沿った形状とすることもできる。このように構成した場合、蒸気通路11bの経路長をさらに長くできることになる結果、蒸気経路11の経路長をさらに長くすることが可能となる。
【0036】
そして、前記開放部分11dの下方側には、内容器3と注出口5とを連通する湯注出用の連通路13を開閉する開閉弁14の上部に連通する連通空間が臨まされている。なお、第1の蒸気冷却部11aの出口部分と第2の蒸気冷却部11cの入口部分とが連通されている開放部分11dの下面は、
図2に示すように、第1、第2の蒸気冷却部11a,11cを仕切る浅い仕切壁11fが設けられているとともに、当該部分において生ずる結露水を前記開閉弁14の上部に導き易くするために同開閉弁14の上部側に向かって所定の角度の下り傾斜面とされている。
【0037】
符号15は前記開閉弁14を開作動させる際に押圧操作される注出操作部、16は前記注出操作部15を開閉弁14の閉方向(上昇方向)に付勢する付勢手段(コイルスプリング)である。
【0038】
前記注出口5は、前記蓋体2の前端側中央に位置し、上向きに延びて延設されており、前記容器本体1の肩部材1cに設けられた注出口支持部1e部分に支持されている。また、この注出口5の内端は、前記内容器3内に連通した前述の湯注出用連通路13を介して上述した第1、第2の蒸気冷却部11a,11cが合流する開放部分11dに前記開閉弁14を介して開閉される結露水流出口Dを介して連通するようになっている。
【0039】
すなわち、前記注出操作部15が押圧された開閉弁14の下降時(開弁時)に、当該結露水流出口Dが内容器3内に連通せしめられて、結露水が内容器3内に戻される。
【0040】
また、前記第1の蒸気冷却部11aは、前記内容器3側の蒸気導入口21aと連通する蒸気導入通路21b部分に転倒止水弁17(これは無くても良い)を備え、且つ次に述べる前記把手部6の上端部に配設された沸騰検知用の沸騰検知手段(温度検知センサ)10が臨む位置にまで延びる沸騰検知通路11eが設けられている。
【0041】
他方、蓋体2よりも外側に位置する把手部6上端側の肩部材1c部分への取付部6b部分の内側には、上記内容器3内の水が沸騰を始めたことを検知して、前述した加熱手段である湯沸かしヒータ4に対する電源の供給をOFFにする沸騰検知手段(この場合は、上述のように温度検知センサよりなる)が設けられている。
【0042】
すなわち、把手取付部6bの内側には、肩部材1c側の開口32aを介して、前述した沸騰検知通路11eとパッキンP1を介して連通する沸騰検知手段設置部38が設けられており、この沸騰検知手段設置部38の上流側が前述の内容器3側からの蒸気が供給される沸騰検知通路11eに臨まされている。
【0043】
このように構成したことにより、内容器3内で発生した蒸気Sの温度を沸騰検知通路11eに続く沸騰検知手段設置部38の部分において応答性良く検知することが可能となる。
【0044】
さらに、前記第2の蒸気冷却部11cの出口部分は、パッキンP2および開口32bを介して前記把手取付部6bの上部空間部分Aに開放されており、当該空間部分Aに置いて、前記容器本体1の側面側と前記把手部6との間に形成された下向きの側面側蒸気通路18に連通されている。そして、該側面側蒸気通路18の下端18aは、前記把手部6の下端部6aにおいて外部に向かって開口されている。
【0045】
このように構成したことにより、上記蒸気経路11において未凝縮の蒸気および蒸気経路11において結露した結露水は、前記容器本体1の側面側と前記把手部6との間に形成された下向きの側面側蒸気通路18を介して把手部6の下端部から外部へ排出されることとなる。したがって、蓋体2の上板2aには、蒸気排出口を形成する必要がなくなる。
【0046】
そして、上記のように構成された電気ケトルにおいては、上記蓋体2内に形成された蒸気経路11の第1の蒸気冷却部11aが、上記沸騰検知手段(温度検知センサ)10の先端部分を経由して上記開放部11d部分に供給され、同開放部11dから前方に延びる連通空間を介して内容器3内と注出口5とを連通する湯注出用連通路13を開閉する開閉弁14の上部付近に開放され、前記蒸気経路11内において生ずる結露水が、当該開閉弁14上に滴下するように構成されている。そのため、蒸気経路11の第1、第2の蒸気冷却部11a,11cを通る蒸気Sのうち、結露したものは、開閉弁14を開操作したときに開放される結露水流出口Dを介して内容器3内へ還流される。また、未凝縮の蒸気があったとしても、開閉弁14の上部付近に注がれることから、同部分で殆ど冷却凝縮されて液滴化される。その結果、蓋体2の上面に蒸気排出口を設ける必要がなくなる。
【0047】
したがって、内容器3内で発生した蒸気Sが蓋体2の外部へ出ないようにすることができる。その結果、子供等が放出される蒸気に触れることもなく、室内の湿度が高くなって、ふすまや壁紙等が湿る等の問題も解消されることとなる。しかも、蒸気経路11が、その上流側で沸騰検知手段(即ち、温度検知センサ)10を経由することとなっているので、沸騰検知が確実かつ速やかに行えることとなり、消費電力を必要最小限に抑えることが可能となる。
【0048】
〈第2の実施の形態〉
次に、
図7ないし
図13には、本願発明の第2の実施の形態にかかる電気ケトルが示されている。
【0049】
この実施の形態の場合、蒸気経路21は、実施の形態1のものと同様の蓋体2における上板2aと下板2bとの間の空間部において、上下両方向から相互に対応するケーシング壁22によって区画形成され、内容器3内の蒸気を導入し、冷却して結露させるチャンバー構造の蒸気冷却ユニットBと該蒸気冷却ユニットBを通して冷却された残存蒸気を注出口5の内側付近に放出するパイプ構造の蒸気通路23とからなっている。
【0050】
蒸気冷却ユニットBは、蓋体2内の平面視円形空間の把手部6側半円部分を占有して設置されており、左右幅方向に長円形状に延びるとともに把手部6側円弧面に向けて沸騰検知手段を備えた蓋体2外の把手部6側蒸気通路に連通する第1,第2の連絡通路部24a,24bが前後方向にストレートに延びている。
【0051】
前記蒸気冷却ユニットBは、上記長円形状のケーシング壁22内を第2の連絡通路部24b側第1の隔壁25a、中間部側第2の隔壁25b、中央側第3の隔壁25c、第3の隔壁25cの先端側迂回部に設けられた鉤状の第4の隔壁25dの4つの隔壁を交互に対向面側から所定の間隔を置いて延設することによって、平面視ジグザグ形状の通路長の長い蒸気冷却流路26a〜26dを形成している。
【0052】
第3の隔壁25cの基端側下方には、蒸気経路21の最上流端側蒸気導入口21a、蒸気導入通路21bが設けられており、蒸気導入通路21bの下流側が下方側から上方に延びて、上述した把手部6側第1の連絡通路部24aに向けて開口されている。
【0053】
一方、前記蒸気冷却ユニットB内の前記蒸気冷却流路26dの下流部分には、同蒸気冷却流路26dの下流部分を蓋体2前端側の注出口5の内端部分の上方側上板2aの裏面部分に上り傾斜させた状態で延設開口されたパイプ状の蒸気通路23の基端23a側が連通状態で接続されている。
【0054】
この蒸気通路23は、その通路途中部分を、ストレートではなく、
図8のように蓋体2の前側外周部に沿って湾曲させた形で延設され、その延設端23bを上述のように注出口5の内端部上方の高い位置に位置させて開口させている。
【0055】
そして、同開口部をその下方側に設けた上方から下方に延びる筒状部29を介して注出口5の内端部分に連通させている。
【0056】
このため、この蒸気通路23内で生じた結露水は、前記注出口5側に供給されることなく、自然流下により蒸気冷却ユニットB内の蒸気冷却流路26d部分に戻され、さらに
図7に示すように、前述の実施の形態1の場合と全く同様に開閉弁14によって開閉される結露水流出口D部分に供給されるので、湯注出時に注出操作部15のON操作で、開閉弁14が開かれると、それに対応して内容器3内に戻される。
【0057】
他方、蓋体2よりも外側に位置する把手部6上端側の肩部材1c部分への取付部6b部分の内側には、上記内容器3内の水が沸騰を始めたことを検知して、前述した加熱手段(湯沸かしヒータ)4に対する電源の供給をOFFにする沸騰検知手段(この実施の形態の場合は、バイメタル)10が設けられている。
【0058】
すなわち、この把手取付部6bの内側には、肩部材1c側の開口32a,32bを介して、前述した蒸気冷却ユニットB側の第1,第2の連絡通路24a,24bとパッキンを介して連通するU状の温度検知手段設置通路28が設けられており、この温度検知手段設置通路28の上流側28aが前述の内容器3側からの蒸気Sが最初に供給される第1の連絡通路24aに、また下流側28bが前述の第2の連絡通路24b側に連通されている。
【0059】
そして、これら上流側通路28aおよび下流側通路28bをつなぐ通路Uターン部分に位置して、上記沸騰検知手段10が設置されている。
【0060】
したがって、このような構成の場合、上記内容器3側から供給される沸騰開始時の蒸気Sは、蒸気経路21の蒸気導入口21a、蒸気導入通路21bを経て、蒸気冷却ユニットB内の第1の連絡通路24a部分に導かれ、つづいてパッキンP1を備えた肩部材1cの開口32aを介して温度検知手段設置通路28の上流側28aから温度検知手段10に応答性良く供給されて、沸騰開始と略同時に沸騰が検知され、加熱手段4に対する電源が遮断される。
【0061】
その後、同部分の蒸気Sは、同通路28の下流側28b部分から、肩部材1c部分の開口32b、パッキンP2を経て、蒸気冷却ユニットBの第2の連絡通路24bから蒸気冷却流路26a〜26dに導入されて、左右両方向に交互に蛇行しながら、時間をかけて流れ、同蛇行状態において、上記蓋体2の広い上板2a面側に蒸気の熱を放熱し、凝縮液化されて結露水となる。
【0062】
この結露水は、上記蒸気冷却流路26a〜26dが次第に下り勾配で傾斜していることから、最終的に最下流側の蒸気冷却流路26d部分に集められ、やがて
図7に示す湯注出用の開閉弁14によって開閉される結露水流出口D部分に集められ、湯注出時の開閉弁14の開放によって内容器3内に戻される。
【0063】
また、同蒸気冷却流路26a〜26d部分で凝縮されなかった未凝縮の蒸気Sは、上述のように蒸気通路23を経て再び冷却されながら、上記注出口5の内端部上方に開口された延設端23bに向かい、一部の蒸気および蒸気圧力は、同延設端23bおよび筒状部29を介した開口部分で、注出口5側に放出、開放されるが、この時点での蒸気の温度は高くなく、量も少なくなっているので、注出口5内側の開放空間で殆ど消失してしまい、注出口5から外部に出るようなことはない。
【0064】
したがって、ほぼ完全な蒸気レス構造とすることができる。
【0065】
また、これは必須の要件ではないが、前記温度検知手段設置通路28は、その一部を、例えば
図7、
図11に示すように、前記容器本体1の側面側と前記把手部6との間に形成された下向きの側面側蒸気通路18に連通させるようにしてもよい。このようにすると、沸騰検知部において沸騰検知手段10と接触した蒸気Sの一部が、側面側蒸気通路18を流下する過程において凝縮結露することによって生じた結露水を、把手部6の下部側に設けた開口18aから外部へ排出させることができる。
【0066】
その他の構成および作用効果は、上記第1の実施の形態におけるものと同様なので、説明を省略する。
【0067】
(変形例)
この出願の発明は、決して上記各実施の形態の構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能なことはもちろんである。