(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5929438
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20160526BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20160526BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20160526BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20160526BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20160526BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
G06F3/12 367
G06F3/12 338
G06F3/12 374
H04N1/00 107Z
G06F3/12 305
G06F3/12 322
B41J29/00 Z
B41J29/38 Z
G03G21/00 396
G03G21/00 390
B41J29/42 F
【請求項の数】18
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-86319(P2012-86319)
(22)【出願日】2012年4月5日
(65)【公開番号】特開2013-218402(P2013-218402A)
(43)【公開日】2013年10月24日
【審査請求日】2014年11月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 光貴
(72)【発明者】
【氏名】福岡 香
(72)【発明者】
【氏名】加藤 知和
(72)【発明者】
【氏名】上田 博貴
【審査官】
田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−268785(JP,A)
【文献】
特開2007−105937(JP,A)
【文献】
特開2008−015949(JP,A)
【文献】
特開2003−125123(JP,A)
【文献】
特開平11−003004(JP,A)
【文献】
特開2007−299293(JP,A)
【文献】
特開2005−088201(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 29/00
B41J 29/38
B41J 29/42
G03G 21/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶された印刷ジョブを管理するための管理手段と、
ユーザーの操作を受け付けるための入力手段と、
タッチパネルと、
ユーザー認証を行なうための認証手段と、
前記管理手段での管理に従って、前記印刷ジョブを実行するための実行手段とを備え、
前記入力手段は動作のキャンセルまたはストップを表わすハードキーを含み、
前記管理手段は、前記認証手段での認証が成功し、かつ、前記タッチパネルに表示された認証画面においてユーザー情報が入力されてログインボタンが押下された前記ユーザー認証時に前記ハードキーが押下された状態である場合に、前記入力されたユーザー情報をリセットすることなく、前記記憶された印刷ジョブのうちの前記認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブを破棄する、画像形成装置。
【請求項2】
前記記憶された印刷ジョブは、他の装置から送信された印刷ジョブである、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記印刷ジョブは当該画像形成装置に接続されたサーバーに記憶されており、
前記管理手段が前記サーバーから前記印刷ジョブを取得することで前記実行手段で前記印刷ジョブが実行され、
前記管理手段が前記サーバーに対して前記印刷ジョブの破棄を要求することで前記印刷ジョブが破棄される、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記管理手段は、前記記憶された印刷ジョブのうちの前記認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブが複数ある場合に、前記複数の印刷ジョブを選択可能に提示し、その中から選択された印刷ジョブを破棄する、請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
記憶された印刷ジョブを管理するための管理手段と、
ユーザーの操作を受け付けるための入力手段と、
タッチパネルと、
ユーザー認証を行なうための認証手段と、
前記管理手段での管理に従って、前記印刷ジョブを実行するための実行手段とを備え、
前記入力手段は、前記タッチパネルに表示される印刷ジョブの破棄を指示するためのボタンを含み、
前記管理手段は、前記認証手段での認証が成功し、かつ、前記タッチパネルに表示された認証画面において前記ボタンが選択された状態でログインボタンがタッチされて前記認証手段で認証が行なわれた場合に、前記記憶された印刷ジョブのうちの前記認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブを破棄する、画像形成装置。
【請求項6】
記憶された印刷ジョブを管理するための管理手段と、
ユーザーの操作を受け付けるための入力手段と、
ユーザー認証を行なうための認証手段と、
前記管理手段での管理に従って、前記印刷ジョブを実行するための実行手段とを備え、
前記入力手段は順を指定するボタンを含み、
前記管理手段は、前記認証手段での認証が成功し、かつ、前記認証時に前記ボタンが押下された状態である場合に、前記記憶された印刷ジョブであって前記認証されたユーザーに関連付けられた複数の印刷ジョブのうち、発行された順が前記ボタンで特定される印刷ジョブを破棄すると判断する、画像形成装置。
【請求項7】
前記管理手段は、前記複数の印刷ジョブのうちの選択されない印刷ジョブを前記実行手段に実行させる、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
記憶された印刷ジョブを管理するための管理手段と、
ユーザーの操作を受け付けるための入力手段と、
ユーザー認証を行なうための認証手段と、
前記管理手段での管理に従って、前記印刷ジョブを実行するための実行手段とを備え、
前記管理手段は、
前記認証手段での認証が成功し、かつ、前記認証時にすでに前記入力手段において印刷ジョブの破棄の指示を受け付けている場合であって、前記記憶された印刷ジョブのうちの前記認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブが複数あるときに、前記複数の印刷ジョブを選択可能に提示し、その中から選択された印刷ジョブを破棄し、
前記複数の印刷ジョブのうちの選択されない印刷ジョブを前記実行手段に実行させる、画像形成装置。
【請求項9】
表示手段をさらに備え、
前記管理手段において前記印刷ジョブが破棄された後、認証されたユーザーのための操作画面または認証画面に表示画面が遷移する、請求項1〜8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記管理手段は、前記印刷ジョブの破棄の可否を確認する画面を提示して、前記画面において可が選択された場合に前記印刷ジョブを破棄する、請求項1〜9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
タッチパネルおよび動作のキャンセルまたはストップを表すハードキーを有する画像形成装置の、印刷ジョブの処理に関する制御方法であって、
ユーザー情報の入力を受け付けてユーザー認証を実行させるステップと、
前記ユーザー認証成功の場合であって、かつ、前記タッチパネルに表示された認証画面においてユーザー情報が入力されてログインボタンが押下された前記ユーザー認証時に前記ハードキーが押下された状態である場合に、前記入力されたユーザー情報をリセットすることなく、記憶された印刷ジョブのうち前記認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブを破棄させるステップと、
前記ユーザー認証成功の場合であって、かつ、前記タッチパネルに表示された認証画面においてユーザー情報が入力されてログインボタンが押下された前記ユーザー認証時に前記ハードキーが押下されていない状態である場合には、前記認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブを実行させるステップとを備える、画像形成装置の制御方法。
【請求項12】
タッチパネルを含む画像形成装置の印刷ジョブの処理に関する制御方法であって、
ユーザー情報の入力を受け付けてユーザー認証を実行させるステップと、
前記ユーザー認証成功の場合であって、かつ、前記タッチパネルに表示された認証画面において印刷ジョブの破棄を指示するためのボタンが選択された状態でログインボタンがタッチされて認証が行なわれた場合に、記憶された印刷ジョブのうち前記認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブを破棄させるステップと、
前記ユーザー認証成功の場合であって、かつ、前記タッチパネルに表示された認証画面において印刷ジョブの破棄を指示するためのボタンが選択されていない状態でログインボタンがタッチされて認証が行なわれた場合には、前記認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブを実行させるステップとを備える、画像形成装置の制御方法。
【請求項13】
順を指定するボタンを含む画像形成装置の印刷ジョブの処理に関する制御方法であって、
ユーザー情報の入力を受け付けてユーザー認証を実行させるステップと、
前記ユーザー認証成功の場合であって、かつ、前記認証時に前記ボタンが押下された状態である場合に、記憶された印刷ジョブであって前記認証されたユーザーに関連付けられた複数の印刷ジョブのうち、発行された順が前記ボタンで特定される印刷ジョブを破棄するステップと、
前記ユーザー認証成功の場合であって、かつ、前記認証時に前記ボタンが押下されていない状態である場合には、前記認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブを実行させるステップとを備える、画像形成装置の制御方法。
【請求項14】
画像形成装置の印刷ジョブの処理に関する制御方法であって、
ユーザー情報の入力を受け付けてユーザー認証を実行させるステップと、
前記ユーザー認証に成功し、かつ、前記認証時にすでに印刷ジョブの破棄の指示を受け付けている場合であって、記憶された印刷ジョブのうち前記認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブが複数あるときに、前記複数の印刷ジョブを選択可能に提示し、その中から選択された印刷ジョブを破棄するとともに、前記複数の印刷ジョブのうちの選択されない印刷ジョブを実行するステップと、
前記ユーザー認証成功の場合であって、かつ、前記認証時にすでに印刷ジョブの破棄の指示を受け付けていない場合では、前記認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブを実行させるステップとを備える、画像形成装置の制御方法。
【請求項15】
タッチパネルおよび動作のキャンセルまたはストップを表すハードキーを有する画像形成装置に印刷ジョブの処理を実行させるためのプログラムであって、
ユーザー情報の入力を受け付けてユーザー認証を実行するステップと、
前記ユーザー認証成功の場合であって、かつ、前記タッチパネルに表示された認証画面においてユーザー情報が入力されてログインボタンが押下された前記ユーザー認証時に前記ハードキーが押下された状態である場合に、前記入力されたユーザー情報をリセットすることなく、記憶された印刷ジョブのうち前記認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブを破棄させるステップと、
前記ユーザー認証成功の場合であって、かつ、前記タッチパネルに表示された認証画面においてユーザー情報が入力されてログインボタンが押下された前記ユーザー認証時に前記ハードキーが押下されていない状態である場合には、前記認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブを実行させるステップとを前記画像形成装置に実行させる、画像形成装置の制御プログラム。
【請求項16】
タッチパネルを含む画像形成装置に印刷ジョブの処理を実行させるためのプログラムであって、
ユーザー情報の入力を受け付けてユーザー認証を実行するステップと、
前記ユーザー認証成功の場合であって、かつ、前記タッチパネルに表示された認証画面において印刷ジョブの破棄を指示するためのボタンが選択された状態でログインボタンがタッチされて認証が行なわれた場合に、記憶された印刷ジョブのうち前記認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブを破棄させるステップと、
前記ユーザー認証成功の場合であって、かつ、前記タッチパネルに表示された認証画面において印刷ジョブの破棄を指示するためのボタンが選択されていない状態でログインボタンがタッチされて認証が行なわれた場合には、前記認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブを実行させるステップとを前記画像形成装置に実行させる、画像形成装置の制御プログラム。
【請求項17】
順を指定するボタンを含む画像形成装置に印刷ジョブの処理を実行させるためのプログラムであって、
ユーザー情報の入力を受け付けてユーザー認証を実行させるステップと、
前記ユーザー認証成功の場合であって、かつ、前記認証時に前記ボタンが押下された状態である場合に、記憶された印刷ジョブであって前記認証されたユーザーに関連付けられた複数の印刷ジョブのうち、発行された順が前記ボタンで特定される印刷ジョブを破棄するステップと、
前記ユーザー認証成功の場合であって、かつ、前記認証時に前記ボタンが押下されていない状態である場合には、前記認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブを実行させるステップとを前記画像形成装置に実行させる、画像形成装置の制御プログラム。
【請求項18】
画像形成装置に印刷ジョブの処理を実行させるためのプログラムであって、
ユーザー情報の入力を受け付けてユーザー認証を実行させるステップと、
前記ユーザー認証に成功し、かつ、前記認証時にすでに印刷ジョブの破棄の指示を受け付けている場合であって、記憶された印刷ジョブのうち前記認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブが複数あるときに、前記複数の印刷ジョブを選択可能に提示し、その中から選択された印刷ジョブを破棄するとともに、前記複数の印刷ジョブのうちの選択されない印刷ジョブを実行するステップと、
前記ユーザー認証成功の場合であって、かつ、前記認証時にすでに印刷ジョブの破棄の指示を受け付けていない場合では、前記認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブを実行させるステップとを前記画像形成装置に実行させる、画像形成装置の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムに関し、特に、機密プリント機能を有する画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンターや、コピー機などの他の機能を複合的に有するMFP(Multi-Functional Peripheral)などの画像形成装置には、セキュリティーの観点から機密プリントという機能が設けられている。
【0003】
機密プリント機能では、クライアント装置であるPC(パーソナルコンピューター)から印刷ジョブが投入されると直ちには印刷が開始されず、いったん、専用の記憶領域(たとえば機密プリントボックス)に保存される。印刷の際には、機密プリントボックスからファイルを選択し、パスワードを入力することで印刷が実行される。
【0004】
これに対して、認証機能が有効に機能している画像形成装置では、カード認証などで認証しただけで認証後に自動的に印刷する機能(以下、タッチアンドゴー機能)を有するものがある。
【0005】
この機能により、たとえばカード認証機能を有していた場合にはカードをかざすだけで当該ユーザーの投入した印刷ジョブが自動的に実行されるため、セキュリティーを確保しながら簡単に印刷することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−248539号公報
【特許文献2】特開2006−244372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、画像形成装置に送信した印刷ジョブが不要となったために当該印刷ジョブを削除するためには、たとえば、基本画面を開いてログイン操作を行ない、その後にコピー画面を開いてボックスを選択し、ボックス画面を開いてシステム画面を開き、さらに、タッチアンドゴー機能を選択する、などという多くの画面操作が必要となる。これは、タッチアンドゴー機能の利便性を大いに損なうものである。
【0008】
これに対して、たとえば特開2009−248539号公報(特許文献1)は、認証時にタッチアンドゴー機能でのジョブ一覧を表示し、設定変更を可能とする技術を開示している。
【0009】
特許文献1に開示された技術を利用する場合であっても、認証ログイン後にユーザーが印刷ジョブを破棄するための操作が必要となり、タッチアンドゴー機能で印刷を開始する際の操作よりも操作性に劣るという問題がある。
【0010】
また、たとえば特開2006−244372号公報(特許文献2)は、投入後、所定時間経過しても印刷が開始されなかった印刷ジョブを自動的に削除する技術を開示しているが、この技術を利用する場合には上記所定時間の経過を待つ必要があり、直ちに削除する場合には、多くの操作が必要となるという問題がある。
【0011】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、タッチアンドゴー機能を有する画像形成装置に印刷ジョブの投入後に、容易に当該印刷ジョブを破棄できる画像形成装置、該画像形成装置の制御方法、および該画像形成装置の制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、画像形成装置は、記憶された印刷ジョブを管理するための管理手段と、ユーザーの操作を受け付けるための入力手段と、
タッチパネルと、ユーザー認証を行なうための認証手段と、管理手段での管理に従って印刷ジョブを実行するための実行手段とを備える。
入力手段は動作のキャンセルまたはストップを表わすハードキーを含む。管理手段は、認証手段での認証が成功し、かつ、
タッチパネルに表示された認証画面においてユーザー情報が入力されてログインボタンが押下されたユーザー認証時にハードキーが押下された状態である場合に、入力されたユーザー情報をリセットすることなく、記憶された印刷ジョブのうちの認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブを破棄する。
【0013】
好ましくは、記憶された印刷ジョブは他の装置から送信された印刷ジョブである。
好ましくは、印刷ジョブは当該画像形成装置に接続されたサーバーに記憶されており、管理手段がサーバーから印刷ジョブを取得することで実行手段で印刷ジョブが実行され、管理手段がサーバーに対して印刷ジョブの破棄を要求することで印刷ジョブが破棄される。
【0016】
本発明の他の局面に従うと、画像形成装置は、記憶された印刷ジョブを管理するための管理手段と、ユーザーの操作を受け付けるための入力手段と、タッチパネルと、ユーザー認証を行なうための認証手段と、管理手段での管理に従って、印刷ジョブを実行するための実行手段とを備える。入力手段は、タッチパネルに表示される印刷ジョブの破棄を指示するためのボタンを含む。管理手段は、認証手段での認証が成功し、かつ、タッチパネルに表示された認証画面においてボタンが選択された状態でログインボタンがタッチされて認証手段で認証が行なわれた場合に、記憶された印刷ジョブのうちの認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブを破棄する。
【0017】
本発明のさらに他の局面に従うと、画像形成装置は、記憶された印刷ジョブを管理するための管理手段と、ユーザーの操作を受け付けるための入力手段と、ユーザー認証を行なうための認証手段と、管理手段での管理に従って、印刷ジョブを実行するための実行手段とを備える。管理手段は、認証手段での認証が成功し、かつ、認証時にすでに入力手段において印刷ジョブの破棄の指示を受け付けている場合であって、記憶された印刷ジョブのうちの認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブが複数あるときに、複数の印刷ジョブを選択可能に提示し、その中から選択された印刷ジョブを破棄し、複数の印刷ジョブのうちの選択されない印刷ジョブを実行手段に実行させる。
【0018】
本発明のさらに他の局面に従うと、画像形成装置は、記憶された印刷ジョブを管理するための管理手段と、ユーザーの操作を受け付けるための入力手段と、ユーザー認証を行なうための認証手段と、管理手段での管理に従って、印刷ジョブを実行するための実行手段とを備える。入力手段は順を指定するボタンを含む。管理手段は、認証手段での認証が成功し、かつ、認証時にボタンが押下された状態である場合に、記憶された印刷ジョブであって認証されたユーザーに関連付けられた複数の印刷ジョブのうち、発行された順がボタンで特定される印刷ジョブを破棄すると判断する。
【0019】
より好ましくは、管理手段は、認証されたユーザーに関連付けられた複数の印刷ジョブのうちの選択されない印刷ジョブを実行手段に実行させる。
【0020】
好ましくは、画像形成装置は表示手段をさらに備え、管理手段において印刷ジョブが破棄された後、認証されたユーザーのための操作画面または認証画面に表示画面が遷移する。
【0021】
好ましくは、管理手段は、印刷ジョブの破棄の可否を確認する画面を提示して、画面において可が選択された場合に印刷ジョブを破棄する。
【0022】
本発明の他の局面に従うと、
タッチパネルおよび動作のキャンセルまたはストップを表すハードキーを有する画像形成装置の制御方法は印刷ジョブの処理に関する制御方法であって、ユーザー情報の入力を受け付けてユーザー認証を実行させるステップと、ユーザー認証成功の場合であって、かつ、
タッチパネルに表示された認証画面においてユーザー情報が入力されてログインボタンが押下されたユーザー認証時にハードキーが押下された状態である場合に、入力されたユーザー情報をリセットすることなく、記憶された印刷ジョブのうち認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブを破棄させるステップと、ユーザー認証成功の場合であって、
かつ、タッチパネルに表示された認証画面においてユーザー情報が入力されてログインボタンが押下されたユーザー認証時にハードキーが押下されていない状態である場合には、認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブを実行させるステップとを備える。
本発明のさらに他の局面に従うと、タッチパネルを含む画像形成装置の印刷ジョブの処理に関する制御方法は、ユーザー情報の入力を受け付けてユーザー認証を実行させるステップと、ユーザー認証成功の場合であって、かつ、タッチパネルに表示された認証画面において印刷ジョブの破棄を指示するためのボタンが選択された状態でログインボタンがタッチされて認証が行なわれた場合に、記憶された印刷ジョブのうち認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブを破棄させるステップと、ユーザー認証成功の場合であって、かつ、タッチパネルに表示された認証画面において印刷ジョブの破棄を指示するためのボタンが選択されていない状態でログインボタンがタッチされて認証が行なわれた場合には、認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブを実行させるステップとを備える。
本発明のさらに他の局面に従うと、順を指定するボタンを含む画像形成装置の印刷ジョブの処理に関する制御方法は、ユーザー情報の入力を受け付けてユーザー認証を実行させるステップと、ユーザー認証成功の場合であって、かつ、認証時にボタンが押下された状態である場合に、記憶された印刷ジョブであって認証されたユーザーに関連付けられた複数の印刷ジョブのうち、発行された順がボタンで特定される印刷ジョブを破棄するステップと、ユーザー認証成功の場合であって、かつ、認証時にボタンが押下されていない状態である場合には、認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブを実行させるステップとを備える。
本発明のさらに他の局面に従うと、画像形成装置の印刷ジョブの処理に関する制御方法は、ユーザー情報の入力を受け付けてユーザー認証を実行させるステップと、ユーザー認証に成功し、かつ、認証時にすでに印刷ジョブの破棄の指示を受け付けている場合であって、記憶された印刷ジョブのうち認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブが複数あるときに、複数の印刷ジョブを選択可能に提示し、その中から選択された印刷ジョブを破棄するとともに、複数の印刷ジョブのうちの選択されない印刷ジョブを実行するステップと、ユーザー認証成功の場合であって、かつ、認証時にすでに印刷ジョブの破棄の指示を受け付けていない場合では、認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブを実行させるステップとを備える。
【0023】
本発明のさらに他の局面に従うと、画像形成装置の制御プログラムは
タッチパネルおよび動作のキャンセルまたはストップを表すハードキーを有する画像形成装置に印刷ジョブの処理を実行させるためのプログラムであって、ユーザー情報の入力を受け付けてユーザー認証を実行するステップと、ユーザー認証成功の場合であって、かつ、
タッチパネルに表示された認証画面においてユーザー情報が入力されてログインボタンが押下されたユーザー認証時にハードキーが押下された状態である場合に、入力されたユーザー情報をリセットすることなく、記憶された印刷ジョブのうち認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブを破棄するステップと、ユーザー認証成功の場合であって、
かつ、タッチパネルに表示された認証画面においてユーザー情報が入力されてログインボタンが押下されたユーザー認証時にハードキーが押下されていない状態である場合には、認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブを実行するステップとを画像形成装置に実行させる。
本発明のさらに他の局面に従うと、画像形成装置の制御プログラムはタッチパネルを含む画像形成装置に印刷ジョブの処理を実行させるためのプログラムであって、ユーザー情報の入力を受け付けてユーザー認証を実行するステップと、ユーザー認証成功の場合であって、かつ、タッチパネルに表示された認証画面において印刷ジョブの破棄を指示するためのボタンが選択された状態でログインボタンがタッチされて認証が行なわれた場合に、記憶された印刷ジョブのうち認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブを破棄させるステップと、ユーザー認証成功の場合であって、かつ、タッチパネルに表示された認証画面において印刷ジョブの破棄を指示するためのボタンが選択されていない状態でログインボタンがタッチされて認証が行なわれた場合には、認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブを実行させるステップとを画像形成装置に実行させる。
本発明のさらに他の局面に従うと、画像形成装置の制御プログラムは順を指定するボタンを含む画像形成装置に印刷ジョブの処理を実行させるためのプログラムであって、ユーザー情報の入力を受け付けてユーザー認証を実行させるステップと、ユーザー認証成功の場合であって、かつ、認証時にボタンが押下された状態である場合に、記憶された印刷ジョブであって認証されたユーザーに関連付けられた複数の印刷ジョブのうち、発行された順がボタンで特定される印刷ジョブを破棄するステップと、ユーザー認証成功の場合であって、かつ、認証時にボタンが押下されていない状態である場合には、認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブを実行させるステップとを画像形成装置に実行させる。
本発明のさらに他の局面に従うと、画像形成装置の制御プログラムは画像形成装置に印刷ジョブの処理を実行させるためのプログラムであって、ユーザー情報の入力を受け付けてユーザー認証を実行させるステップと、ユーザー認証に成功し、かつ、認証時にすでに印刷ジョブの破棄の指示を受け付けている場合であって、記憶された印刷ジョブのうち認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブが複数あるときに、複数の印刷ジョブを選択可能に提示し、その中から選択された印刷ジョブを破棄するとともに、複数の印刷ジョブのうちの選択されない印刷ジョブを実行するステップと、ユーザー認証成功の場合であって、かつ、認証時にすでに印刷ジョブの破棄の指示を受け付けていない場合では、認証されたユーザーに関連付けられた印刷ジョブを実行させるステップとを画像形成装置に実行させる。
【発明の効果】
【0024】
この発明によると、タッチアンドゴー機能を有する画像形成装置に印刷ジョブの投入後に当該印刷ジョブが不要となった場合に、煩雑な操作を必要とせずに、容易に当該印刷ジョブを破棄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】実施の形態にかかる画像形成システムの構成の具体例を示す図である。
【
図2】画像形成システムに含まれるMFP(Multi-Functional Peripheral)のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【
図3】MFPの操作パネルの具体例を示す図である。
【
図4】画像形成システムにおける動作概要を表わした図である。
【
図5】画像形成システムにおける動作概要を表わした図である。
【
図6】MFPの機能構成の具体例を示すブロック図である。
【
図7】MFPでの動作の流れを表わしたフローチャートである。
【
図11】認証画面の他の具体例を表わした図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0027】
<システム構成>
図1は、本実施の形態にかかる画像形成システムの構成の具体例を示す図である。
【0028】
図1を参照して、画像形成システムは、画像形成装置の一例としてのMFP(Multi-Functional Peripheral)100と、複数のPC(パーソナルコンピュータ)300A〜300Fと、サーバー500とを含み、これらがLAN(Local Area Network)などのネットワークで接続されている。なお、PC300A〜300Fを代表させてPC300とも称する。
【0029】
サーバー500はプリントサーバーとして機能し、PC300から発行された印刷ジョブを記憶して、MFP100に渡すことで印刷を実行させる。このような、プリントサーバーにいったん印刷ジョブを蓄積して印刷を実行させる機能は、プルプリントとも呼ばれる。
【0030】
<装置構成>
図2は、MFP100のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0031】
図2を参照して、MFP100は、全体を制御するための演算装置であるCPU(Central Processing Unit)10と、CPU10で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM(Read Only Memory)11と、CPU10でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM(Random Access Memory)12と、図示しない原稿台に載置された原稿を光学的に読み取って文書データーを得るためのスキャナー13と、文書データーを印刷用紙上に固定するためのプリンター14と、情報を表示したり当該MFP100に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル15と、文書データーを保存するためのメモリー16と、上述のネットワークを介してPC300等他の装置との通信の制御するためのネットワークコントローラー17と、ICカードと近距離無線通信を行なって記憶されている情報を読み取るための装置であるICカード読取装置18とを含む。
【0032】
メモリー16には、いわゆるボックスと言われる、たとえばユーザーやユーザーグループなどの、特定オブジェクトに関連付けられて区分された記憶領域が用意されている。メモリー16には、後述する、認証プリントボックスが用意されている。
【0033】
図3は、操作パネル15の具体例を示す図である。
図3を参照して、操作パネル15は、タッチパネル51と、操作キー群52とを含む。タッチパネル51は、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成され、操作画面を表示して、その操作画面上の指示位置を特定する。CPU10は予め記憶されている画面表示をさせるためのデーターに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。操作キー群52には、印刷動作等の開始を指示するためのスタートキー21およびその動作の中止を指示するためのストップキー22が含まれる。ストップキー22に替えて、または加えて、キャンセルキーが含まれてもよい。
【0034】
さらに、ICカード読取装置18の読取面は、
図3に表わされたように、ユーザーの操作しやすい位置に設けられている。当該MFP100を操作しようとするユーザーは、操作パネル15に向かって操作を開始する以前に携帯しているICカードをICカード読取装置18の読取面にかざすことで読み取らせて、自動的に認証動作を行なわせる。
【0035】
これら操作パネル15およびICカード読取装置18は、いずれも、ユーザーの操作を受け付けるための機能を有すると言える。
【0036】
<動作概要>
本実施の形態にかかる画像形成システムでは、PC300からプリントサーバーであるサーバー500に対していったん印刷ジョブが発行される。その後、MFP100においてユーザー認証がなされると、当該ユーザーの印刷ジョブがMFP100に渡され、印刷が実行される。この機能を、以降、認証プリントとも称する。
【0037】
プリントサーバーであるサーバー500は、印刷ジョブを記憶する。
MFP100は、サーバー500に記憶された印刷ジョブを、ユーザー認証に基づいて管理する。従って、MFP100のCPU10は、印刷ジョブの管理機能を有すると言える。
【0038】
図4および
図5は、画像形成システムにおける動作概要を表わした図である。
図4は、認証プリント実行時の動作概要を表わし、
図5は認証プリント中止時の動作概要を表わしている。
【0039】
詳しくは、
図4を参照して、認証プリント実行時には、MFP100の認証機能が有効であり認証プリントが可能な状態に設定されている状態において、ユーザーはPC300でプリント指示を行なう。これにより、PC300からサーバー500に対して印刷ジョブ(印刷文書)が送信される(ステップS11)。サーバー500はそのジョブを記憶しておく(ステップS21)。
【0040】
MFP100にICカードを携帯した当該ユーザーが接近し、ICカード読取装置18の通信範囲内に該ICカードが入ると、または、該ユーザーがICカード読取装置18の読取面にICカードをかざすと、ICカード読取装置18は該ICカードから記憶されているユーザー情報を読み取って、ユーザー認証を行なう(ステップS31)。認証成功の場合、MFP100はサーバー500に対して当該ユーザーの印刷ジョブを要求し(ステップS32)、サーバー500は要求された印刷ジョブをMFP100に対して送信する(ステップS22)。そして、MFP100はその印刷ジョブに基づいて印刷を行なう(ステップS33)。
【0041】
この動作により、印刷ジョブをPC300から発行したユーザーは、ICカードをMFP100のICカード読取装置18で読み取らせる動作を行なうのみで、すでに発行した自身の印刷ジョブをMFP100に印刷させることができる。
【0042】
一方、PC300から印刷ジョブを発行したものの、その印刷が不要となった場合、画像形成システムでは
図5の動作が行なわれて認証プリントが中止される。
【0043】
すなわち、
図5を参照して、ステップS11〜S21まで同様に行なわれてサーバー500に印刷ジョブが記憶された後、ユーザーは、その印刷ジョブの処理を中止するためには、MFP100のストップキー22を押下しながら(長押しして)ICカードをICカード読取装置18で読み取らせる動作を行なう。
【0044】
MFP100はストップキー22が押下されながらユーザー認証がなされると(ステップS41)、当該ユーザーが印刷ジョブの中止を指示しているとして、そのジョブの破棄をサーバー500に対して要求する(ステップS42)。そして、サーバー500はその要求を受け付けると、上記ステップS21で記憶した印刷ジョブを破棄し(ステップS51)、破棄したことをMFP100に対して通知する(ステップS52)。MFP100はサーバー500からこの通知を受け取ると、たとえば操作パネル15に表示するなどして、当該印刷ジョブが破棄されたことを報知する(ステップS43)。
【0045】
この動作により、いったん発行した印刷ジョブの処理を中止する際に、ユーザーは、ストップキー22を押下しながらICカードをICカード読取装置18で読み取らせる動作を行なうのみで、印刷時と同様の容易な動作で印刷を中止させることができる。
【0046】
<機能構成>
図6は、上記動作を行なうためのMFP100の機能構成の具体例を示すブロック図である。
図6に示される各機能は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行することで、主にCPU10に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が
図2に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0047】
図6を参照して、MFP100は、ICカード読取装置18がICカードから読み取ることで得られた認証情報の入力を受け付けるための認証情報入力部101と、ユーザー認証を行なうための認証部102と、印刷ジョブを要求するのか印刷ジョブの破棄を要求するのかを判断するための判断部103と、その判断に従って印刷ジョブまたは印刷ジョブの破棄をネットワークコントローラー17を介してサーバー500に要求する要求部104と、印刷ジョブの破棄の通知をネットワークコントローラー17を介してサーバー500から受け付けるための通知入力部105と、操作パネル15に所定の報知画面を表示させることで印刷ジョブの破棄を報知するための報知部106と、操作パネル15での指示入力を受け付けるための指示入力部107と、ネットワークコントローラー17を介してサーバー500から送信された印刷ジョブの入力を受け付けるためのジョブ入力部108と、プリンター14の動作を制御して当該印刷ジョブの処理を行なうためのジョブ処理部109とを含む。
【0048】
判断部103は、認証時にストップキー22が押下されているか否かを確認し、押下されている場合には認証ユーザーから印刷ジョブの破棄が指示されているものとして、印刷ジョブの破棄を要求すると判断する。そうでない場合には、印刷ジョブの送信を要求すると判断する。
【0049】
<動作フロー>
図7は、MFP100での動作の流れを表わしたフローチャートである。
図7のフローチャートに表わされた動作は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行し、
図6に表わされた各機能を発揮することによって実現される。また、
図8〜
図12は、
図7の各動作で表示されるMFP100での表示画面の具体例を表わす図である。
【0050】
図8は、認証プリント可能に設定した状態での認証画面の具体例を表わした図である。
図8の入力欄にユーザー名およびパスワードなどのユーザー情報を入力してもよいし、この画面が表示されている状態でIC読取装置18でICカードを読み取らせることで自動的にユーザー情報が入力されてもよい。そして、
図8の画面にあるログインボタンが押下されることで、ユーザー情報がCPU10に入力される。
【0051】
図7を参照して、ユーザー認証がなされ(ステップS101でYES)、その際に、キャンセルキーが押下されていることが検出されると(ステップS103でYES)、CPU10はサーバー500に対して当該ユーザーの発行した印刷ジョブの破棄を要求する(ステップS107)。
【0052】
詳しくは、ストップキー22を押下しながら
図8の画面においてログインボタンが押下されると、CPU10はユーザー認証の際にすでに印刷ジョブの破棄が指示されているものとして、認証ユーザーの発行した印刷ジョブの破棄を要求する。
【0053】
なお、ログインボタンを押下するより以前にストップキー22の押下が解除されてしまった場合には、CPU10は、
図8の画面に入力されたユーザー情報をクリアしてもよい。
【0054】
CPU10は、サーバー500に問い合わせて認証ユーザーの発行した印刷ジョブが複数あるか否かを確認し、1つしかない場合には(ステップS105でNO)当該印刷ジョブを破棄の対象の印刷ジョブと特定して、サーバー500に対して要求するようにしてもよい。
【0055】
印刷ジョブの破棄をサーバー500に要求すると、サーバー500では要求された印刷ジョブを破棄し、その旨を通知する。CPU10は、その通知をサーバー500から受け取ると(ステップS109でYES)、操作パネル15に表示するなどして印刷ジョブの破棄を報知する(ステップS111)。
【0056】
図9は、一例として操作パネル15に報知画面を表示することで報知する場合の、報知画面の具体例を表わしている。
図9に表わされるように、上記ステップS111では、印刷ジョブが破棄された旨と併せて、対象の印刷ジョブを特定する情報(ジョブID、文書名等)やそのジョブを発行したユーザー名などを報知するようにしてもよい。
【0057】
この後、CPU10は画面を
図8の、ユーザー情報が入力される以前の認証画面に戻してユーザー認証を待機してもよいし、当該ユーザーの認証を有効として当該ユーザー用の操作画面に遷移して当該ユーザーからの操作入力を待機してもよい。
【0058】
一方、認証ユーザーの発行した印刷ジョブが複数ある場合には(ステップS105でYES)、CPU10は、各ジョブを特定する情報をサーバー500から取得することで、その一覧を選択可能に表示する(ステップS113)。
図10は、ステップS113で表示される選択画面の具体例を表わしている。ここでは、各ジョブを特定する情報として、ジョブID、文書名、原稿枚数、部数をサーバー500から取得して表示する例が示されている。
【0059】
この画面において、ユーザーから削除するジョブの選択を受け付けると(ステップS115でYES)、CPU10は、選択された印刷ジョブの破棄をサーバー500に要求し(ステップS117)、選択されていない印刷ジョブの送信をサーバー500に要求する。そして、CPU10は、要求に応じてサーバー500から送信された印刷ジョブを実行する(ステップS119)。これにより、破棄を指示された印刷ジョブ以外の印刷ジョブは自動的に印刷されることになる。
【0060】
なお、ユーザー認証時にキャンセルキーが押下されていない場合には(ステップS103でNO)、通常の認証プリントを要求しているものであるため、CPU10は認証ユーザーの発行した印刷ジョブをサーバー500に対して要求し、そのジョブを処理する(ステップS121)。
【0061】
<変形例1>
上の例では、印刷ジョブの破棄を指示するために、ユーザーは、ユーザー情報の入力の際にすでにストップキー22を押下しているものとしている。つまり、ユーザーは、まずストップキー22(またはキャンセルキー)を押下して、その状態でICカードをICカード読取装置18の読取面にかざす動作を行なう。
【0062】
しかしながら、印刷ジョブの破棄を指示する動作としては、ユーザー認証の際のストップキー22(またはキャンセルキー)の押下には限定されない。
【0063】
この動作は、通常の印刷ジョブの実行の指示であるICカードを読み取らせる動作よりも以前に、印刷ジョブの破棄を指示する動作を行なうことを意味している。つまり、MFP100では、ユーザー認証のための動作に先だって印刷ジョブの破棄を指示する動作がなされ、ユーザー認証の際に印刷ジョブの破棄を指示する動作に従う入力がなされていていれば、他の動作であっても、該当する印刷ジョブの破棄をサーバー500に対して要求することができる。
【0064】
他の動作の例としては、たとえば、
図11のような認証画面を用いる例が挙げられる。すなわち、
図11を参照して、この例での認証画面には、ユーザー情報の入力欄に加えて、印刷ジョブの破棄の要否を指定する欄(チェック欄)を設けられている。その欄で印刷ジョブの破棄を指示された状態でユーザー情報が入力されると、CPU10には、操作パネル15から印刷ジョブの破棄を指示する操作信号と共にユーザー情報が入力される。この例の場合もユーザー認証の際に印刷ジョブの破棄を指示する動作に従う入力がなされている場合に該当し、CPU10は、認証ユーザーの印刷ジョブの破棄をサーバー500に対して要求する。
【0065】
さらに他の動作の例としては、たとえば、あるユーザーが5つの印刷ジョブを発行した後にそれら印刷ジョブのうちの3番目の印刷ジョブを破棄する場合、操作キー群52に含まれる数字キーのうちの「3」を押下した状態でユーザー情報を入力してログインボタンにタッチするようにしてもよい。もちろん、数字キーに限定されず、順を指定できるキーであれば、アルファベット等の文字キーであってもよい。アルファベットキーのときには、「C」を押下した状態でログインボタンにタッチすることが相当する。
【0066】
この場合、CPU10には、操作パネル15から印刷ジョブの破棄を指示する操作信号として数字キーが押されたことと、その数字キーで表わされた破棄する印刷ジョブを特定する情報とが入力されると共にユーザー情報が入力される。この例の場合もユーザー認証の際に印刷ジョブの破棄を指示する動作に従う入力がなされている場合に該当し、CPU10は、認証ユーザーの印刷ジョブのうち、指定された印刷ジョブの破棄をサーバー500に対して要求する。
【0067】
<変形例2>
なお、CPU10は、認証ユーザーの印刷ジョブの破棄をサーバー500に対して要求する際に、
図12のような確認画面を操作パネル15に表示させて、削除の可否の指示をさらに受け付けるようにしてもよい。
【0068】
先述の例では、操作パネル15のうちのキーを押下しつつICカードをかざす動作であるため、ユーザーやユーザーの衣服などが当該キーに当たった状態でICカードをかざすと、意図せずに印刷ジョブがキャンセルされてしまう可能性もある。
【0069】
そのため、
図12のような確認画面を提示することで、意図せずに印刷ジョブが削除されてしまうことを防止することができる。
【0070】
<実施の形態の効果>
MFP100において以上の動作が行なわれることで、認証プリントを行なわせるための印刷ジョブを発行した後にその印刷ジョブが不要となった際に、いくつもの操作画面を表示させて操作するなどの煩雑な操作を行なうことなく、印刷を指示する際の操作と同程度の容易な操作で印刷ジョブの破棄を指示することができる。そのため、このような場合であっても、認証プリントにおけるユーザーの利便性を損なうことがない。
【0071】
さらに、ストップキーまたはキャンセルキーは印刷ジョブの破棄をイメージするキーであるため、印刷ジョブの破棄を指示するために該キーを長押しするという操作がイメージしやすく操作性を損ねることがない。さらに、単に通常のキー押下でなく長押しとすることで、誤ってキー操作したり、前のユーザーが操作してしまったり、ということによる誤作動を防ぐことができる。これは、操作パネル15に削除ボタンを用意する場合も同様である。すなわち、上述のようにキーの長押しという操作で印刷ジョブを破棄するようにしたことで、ユーザーに明確に印刷ジョブを破棄する意図があることを確認した上で該印刷ジョブを破棄することができるため、誤って印刷ジョブを削除することがない。さらに、ユーザー認証時のキーの長押しのため、認証ユーザーの印刷ジョブを削除することができ、他のユーザーの印刷ジョブを誤って削除することもない。
【0072】
なお、本例では、MFP100とサーバー500とが別個の装置であって、MFP100がサーバー500に対して印刷ジョブの破棄を指示するものとしているが、MFP100がサーバー500を含むものであってもよい。
【0073】
さらに、上述の動作をCPU10に実行させるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM、RAMおよびメモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0074】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0075】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0076】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0077】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0078】
10 CPU、11 ROM、12 RAM、13 スキャナー、14 プリンター、15 操作パネル、16 メモリー、17 ネットワークコントローラー、18 ICカード読取装置、21 スタートキー、22 ストップキー、51 タッチパネル、52 操作キー群、100 MFP、101 認証情報入力部、102 認証部、103 判断部、104 要求部、105 通知入力部、106 報知部、107 指示入力部、108 ジョブ入力部、109 ジョブ処理部、500 サーバー。