(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下で説明する実施形態に係る照明装置1において、筒状の化粧枠300は、貫通孔300aが形成される。また、光源ユニット100は、発光素子が実装される。また、回転リング200は、内壁の対向する位置間を結ぶ回転軸により光源ユニット100を回転可能に支持する支持部221a及び221bと、化粧枠300の貫通孔300aと面一な内壁を形成し、貫通孔300aの縁320上を摺動することで光源ユニット100と一体となって回動可能な第1環状部261と、第1環状部261の内径よりも大きい内径により形成され、化粧枠300の外壁301の少なくとも一部を環囲する第2環状部262とを有する。
【0008】
また、以下で説明する実施形態において、固定金具411、412及び413は、一端が化粧枠300の外壁301に取り付けられ、他端が回転リング200の第2環状部262を覆う。
【0009】
また、以下で説明する実施形態において、回転リング200は、第2環状部262から化粧枠300の外壁301に沿って突起した突起部270を有する。また、化粧枠300は、突起部270を係止する係止部352を外壁301に有する。
【0010】
また、以下で説明する実施形態において、光源ユニット100は、外壁の対向する位置において支持部221a及び221bによりに支持される筒状のベース部材120を具備する。また、ベース部材120は、化粧枠300の貫通孔300aに向かう方向に開口した下端開口部の縁に切欠部128a及び128bが形成される。
【0011】
また、以下で説明する実施形態において、ベース部材120は、2個の切欠部128a及び128bが形成され、2個の切欠部128a及び128bを結ぶ直線と回転軸とが略直角である。
【0012】
また、以下で説明する実施形態において、可撓性を有する可変色フィルタ160は、特定波長の光を選択的に透過させる。また、ベース部材120は、内壁から内側方向に突き出した突出部124を有する。また、可変色フィルタ160は、突出部124により形成される開口部に挿入可能な大きさに形成され、化粧枠300の貫通孔300aから挿入されて突出部124の開口部を挿通することで、外縁部から突き出した突出部161a及び161bがベース部材120の突出部124に載置される。
【0013】
また、以下で説明する実施形態において、ベース部材120は、可変色フィルタ160の突出部161a及び161bが載置される突出部124の載置面に、突出部161a及び161bを係止する切欠部125a及び125bが形成される。
【0014】
また、以下で説明する実施形態において、可変色フィルタ160は、周縁部の一部が欠けている切欠部162a及び162bが形成される。
【0015】
また、以下で説明する実施形態において、ベース部材120は、突出部124に載置された可変色フィルタ160の切欠部162a及び162bとの間に隙間を形成する。
【0016】
また、以下で説明する実施形態において、ベース部材120は、切欠部162a及び162bとの間に隙間を形成するように、突出部124における載置面の裏面が斜面である。
【0017】
また、以下で説明する実施形態において、ベース部材120は、突出部124における載置面の裏面のうち、切欠部128a及び128bの近傍に平坦部129a及び129bが形成される。
【0018】
また、以下で説明する実施形態において、回転リング200は、回転可能な光源ユニット100の少なくも一部を覆うカバー210を有する。
【0019】
また、以下で説明する実施形態において、カバー210は、回転した光源ユニット100と第1環状部261との間に形成される隙間を覆う。
【0020】
また、以下で説明する実施形態において、光源ユニット100は、ベース部材120との間で発光素子が実装された基板140を挟んだ状態でベース部材120に固設さえる基材111を有する。また、基材111には、光源ユニット100から発生する熱を放熱する放熱部材を有する。
【0021】
以下、図面を参照して、実施形態に係る照明装置を説明する。実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0022】
(照明装置の外観例)
図1及び
図2は、実施形態に係る照明装置1の外観例を示す斜視図である。
図1では、照明装置1を斜め上方向から見た例を示し、
図2では、照明装置1を斜め下方向から見た例を示す。
【0023】
図1及び
図2に示した照明装置1は、例えば、屋内の天井に埋め込み設置されるダウンライト型の照明器具であり、内部に実装されたLED等の発光素子を発光させることにより、
図1及び
図2に示した下方向に位置する室内等を照明する。かかる照明装置1は、光源ユニット100と、回転リング200と、化粧枠300とを具備する。
【0024】
光源ユニット100は、熱伝導性の高い金属製であり、例えばアルミダイカストにより成型される。かかる光源ユニット100は、後に
図6等を用いて説明するが、固定ネジ等により放熱器110がベース部材120に固定されることで形成される。また、光源ユニット100は、LED等の発光素子が実装された基板を内部に具備する。かかる基板は、放熱器110及びベース部材120によって挟持され、
図1及び
図2に示した下方向に発光する。
【0025】
放熱器110は、
図1に示すように、
図1に示した上方向に立設された平面部材である複数の放熱フィンを具備し、光源ユニット100内部の基板から発生する熱を外部に放出する。これにより、放熱器110は、照明装置1の温度上昇を抑制することができる。
【0026】
ベース部材120は、上記の通り放熱器110が固定される。また、ベース部材120は、外壁120aに、かかる外壁120aから突起した円柱形状の突起部121a及び121bを有する(
図6を参照)。これらの突起部121a及び121bは、互いに対向する位置に形成される。
【0027】
回転リング200は、金属製であり、例えばアルミダイカストにより成型される。かかる回転リング200は、上下両端がそれぞれ略円形に開口された円筒形状に形成され、光源ユニット100の一部を覆うカバー210を有する(
図8を参照)。また、回転リング200は、
図1及び
図2に示すように、それぞれ対向する位置に支持部221a及び221bを有する(
図8を参照)。
【0028】
なお、詳細については後述するが、上述したベース部材120の突起部121aは、回転リング200の支持部221aに回転可能に支持され、ベース部材120の突起部121bは、回転リング200の支持部221bに回転可能に支持される。これにより、光源ユニット100は、突起部121aと突起部121bとを結ぶ直線を回転軸として回転(傾動)することが可能となる。
【0029】
化粧枠300は、例えばABS樹脂等の合成樹脂製であり、上下両端がそれぞれ略円形に開口された円筒形状である。具体的には、化粧枠300には、
図2(
図7も参照)に示すように、貫通孔300aが形成される。かかる化粧枠300は、光源ユニット100が具備する発光素子により発光される光の配光を調整する。具体的には、
図2に示すように、光源ユニット100の発光面100aから照射される光は、化粧枠300の貫通孔300aを通過するので、化粧枠300の円筒形状により照射方向が調整される。
【0030】
なお、詳細については後述するが、化粧枠300は、回転リング200が載置された状態で、固定金具411及び412が取り付けられ、また、
図1では図示しない固定金具(固定金具413とする)が取り付けられる。かかる回転リング200は、化粧枠300上を摺動することにより、光源ユニット100と一体となって化粧枠300上を回動することが可能となる。
【0031】
また、化粧枠300は、外壁301の下端部から外向きに突出した環状フランジ310を有する。また、化粧枠300は、天板11及び取付けバネ12a〜12cが外壁301に取り付けられる。
【0032】
天板11は、図示しない端子台が取り付けられる。かかる端子台は、接続線(ハーネス)を介して、図示しない商用交流電源と接続される。また、端子台は、接続線を介して、光源ユニット100の内部に具備された基板と接続される。これにより、端子台は、商用交流電源からの電力供給を基板に中継する。
【0033】
取付けバネ12a〜12cは、金属板の弾性部材であり、化粧枠300の外壁301に取り付けられた状態で外部から上方向に押圧されることにより、化粧枠300の外壁301と略平行となる位置まで折れ曲がることが可能である。照明装置1は、天井に埋め込み設置される場合に、取付けバネ12a〜12cが化粧枠300の外壁301と略平行となる位置まで折り曲げられた状態で天井壁の埋め込み孔に挿入され、環状フランジ310が天井に接触するまで押し上げられる。そして、取付けバネ12a〜12cは、外部から押圧されなくなることで
図1に示した状態に復元し、環状フランジ310との間で天井壁を挟持する。これにより、照明装置1は、天井に埋め込み設置される。
【0034】
上記の通り、実施形態に係る照明装置1では、光源ユニット100が、突起部121aと突起部121bとを結ぶ直線を回転軸として傾動可能である。この点について、
図3及び
図4を用いて説明する。
図3及び
図4は、実施形態に係る照明装置1の外観例を示す斜視図である。
図3では、光源ユニット100が傾けられた状態の照明装置1を斜め上方向から見た例を示し、
図4では、
図3の照明装置1を斜め下方向から見た例を示す。
【0035】
図3に示した照明装置1は、
図1に示した照明装置1と比較して、光源ユニット100が傾いている。具体的には、
図1に示した照明装置1では、放熱器110に形成された放熱フィンの立設方向と、環状フランジ310(すなわち、天井)とが略垂直(略90°)の関係にある。一方、
図3に示した照明装置1では、放熱フィンの立設方向と環状フランジ310とが略垂直(略90°)でなく、光源ユニット100の上部がカバー210から離れる方向に傾動している。
【0036】
ここで、
図3のように光源ユニット100が傾動した場合、
図4に示すように、光源ユニット100の発光面100aは、
図2に示した状態から傾くこととなる。具体的には、
図2に示した例では、発光面100aが環状フランジ310と略平行であるが、
図4に示した例では、発光面100aが環状フランジ310と略平行ではなく、
図2に示した状態よりも発光面100aと環状フランジ310とのなす角度が大きくなっている。すなわち、光源ユニット100は、
図2に示した状態と
図4に示した状態とでは、異なる方向に光を照射することとなる。このように、実施形態に係る照明装置1では、光源ユニット100が傾動可能であるので、光の照射方向を変更することができる。
【0037】
なお、詳細については後述するが、実施形態に係る照明装置1では、作業者が、化粧枠300の貫通孔300aから手を挿入して光源ユニット100を押圧することにより、光源ユニット100を
図1に示した位置から
図3に示した位置まで傾動させることができる。同様に、操作者は、光源ユニット100を押圧することにより、光源ユニット100を
図3に示した位置から
図1に示した位置まで傾動させることもでき、光源ユニット100を
図1に示した位置と
図3に示した位置との間の位置に傾動させることもできる。
【0038】
また、上記の通り、実施形態に係る照明装置1では、回転リング200が、光源ユニット100と一体となって化粧枠300上を摺動可能である。この点について、
図5を用いて説明する。
図5は、実施形態に係る照明装置1の外観例を示す斜視図である。
図5では、
図3の状態から回転リング200が摺動した状態の照明装置1を斜め上方向から見た例を示す。
【0039】
図5に示した照明装置1では、
図3に示した照明装置1と比較して、回転リング200が光源ユニット100と一体となって化粧枠300上を摺動している。具体的には、
図3に示した照明装置1では、回転リング200の支持部221aが、化粧枠300に設けられた取付けバネ12aよりも右側に位置する。一方、
図5に示した照明装置1では、支持部221aが取付けバネ12aよりも左側に位置する。
【0040】
ここで、
図5のように回転リング200が摺動した場合、光源ユニット100が回転するので発光面100aも回転することとなる。すなわち、回転リング200が摺動した場合、光源ユニット100による光の照射方向が変わる。このように、実施形態に係る照明装置1は、回転リング200が光源ユニット100と一体となって回転可能であるので、光の照射方向を変更することができる。
【0041】
なお、詳細については後述するが、実施形態に係る照明装置1では、操作者が、化粧枠300の貫通孔300aから手を挿入して光源ユニット100を押圧することにより、光源ユニット100を回転リング200とともに回転させることができる。
【0042】
(光源ユニットの分解例)
次に、
図6を用いて、実施形態に係る光源ユニット100の分解例について説明する。
図6は、実施形態に係る光源ユニット100の分解例を示す斜視図である。
図6に示すように、光源ユニット100は、放熱器110と、ベース部材120と、放熱シート130と、基板140と、光学レンズ150と、可変色フィルタ160とを具備する。
【0043】
図6に示すように、放熱器110は、略円形状の基材111に複数の放熱フィンが立設されており、基板140から発生する熱を照明装置1の外部に放出する。また、
図6に示すように、基材111には、放熱器110がベース部材120に固定される際に固定ネジが貫通するネジ通孔111a及び111bが形成される。なお、図示することを省略するが、基材111には、ネジ通孔111a及び111bと同様のネジ通孔(ネジ通孔111cとする)が形成される。これらのネジ通孔111a〜111cは、基材111の周縁部に略等間隔で形成される。また、基材111には、基板140と端子台とを接続する接続線が挿通するハーネス通孔112が形成される。
【0044】
ベース部材120は、上下両端がそれぞれ略円形に開口された円筒形状に形成される。また、ベース部材120は、外壁120aから外向きに突起した円柱形状の突起部121a及び121bを有する。かかる突起部121aには、円柱形状の孔である軸孔122aが形成され、同様に、突起部121bにも円柱形状の軸孔(軸孔122bとする)が形成される。
【0045】
また、ベース部材120の上端開口部の縁には、放熱器110が固定される際に固定ネジがねじ込まれるネジ穴123a〜123cが形成される。また、ベース部材120の内壁120bには、内側方向に突き出した突出部124が形成される。かかる突出部124は、光学レンズ150を支持する。また、突出部124には、後述する可変色フィルタ160を固定するための切欠部125a及び125bが形成される。
【0046】
放熱シート130は、熱伝導性の高い合成樹脂製であり、放熱器110の下面(基材111の下面)に設置可能な大きさの平面形状に形成される。かかる放熱シート130は、放熱器110の下面と基板140との双方と密に面接触することで、基板140を放熱器110に密着させる。
【0047】
基板140は、図示しない発光素子が実装される第1面140aと、放熱シート130を介して放熱器110の下面に設置される第2面140bとを有する。基板140には、ハーネス通孔112を挿通する接続線の一端が接続される。また、かかる接続線の他端は端子台と接続される。これにより、基板140は、端子台を介して商用交流電源から供給される電力によって発光素子を発光させることで室内等に光を提供する。
【0048】
ここで、基板140は、点灯時の発光素子が発熱するので、温度上昇する可能性がある。しかし、基板140から発生する熱は、放熱シート130を介して熱伝導性の高い金属である放熱器110に伝導させられ、放熱器110を介して大気中に放出される。
【0049】
また、実施形態に係る基板140は、SMD(Surface Mount Device)形で構成されているものとし、複数の発光素子が第1面140aに実装される。ただし、基板140は、SMD形に限られず、マトリックス状や千鳥状や放射状など規則的に一定の順序をもって第1面140aの一部又は全体に複数の発光素子が配列されて実装されたCOB(Chip on Board)形であってもよい。
【0050】
光学レンズ150は、基板140に実装された発光素子からの光を発散又は集束させる。光学レンズ150は、発光素子毎に、レンズ151を有する。なお、
図6では、1個のレンズに符号151を付したが、光学レンズ150に形成されている円錐台形状の各部材はレンズ151に該当する。
【0051】
実施形態に係る光源ユニット100では、放熱シート130を介して基板140が密着させられた放熱器110と、突出部124に光学レンズ150が載置されたベース部材120とが固定ネジ等により固定される。具体的には、図示しない各固定ネジが、ネジ通孔111aを貫通してネジ穴123aにねじ込まれる。同様に、図示しない各固定ネジが、ネジ通孔111bを貫通してネジ穴123bにねじ込まれ、また、図示しない各固定ネジが、ネジ通孔111cを貫通してネジ穴123cにねじ込まれる。これにより、放熱器110及びベース部材120は、放熱シート130、基板140及び光学レンズ150を挟持した状態で固定される。
【0052】
可変色フィルタ160は、光学レンズ150により発散又は集束された光のうち、特定波長の光を選択的に透過させることで光の色を変化させるカラーフィルタである。かかる可変色フィルタ160は、可撓性を有する部材によって略円形状に形成される。また、可変色フィルタ160は、撓んだ状態である場合に、ベース部材120の突出部124により形成される開口部に挿通可能な大きさに形成される。また、可変色フィルタ160は、外縁部から突き出した突出部161a及び161bを有する。
【0053】
このような可変色フィルタ160は、例えば、突出部161aと突出部161bとが互いに近づく方向に撓まされた状態で、
図6に示した下からベース部材120の突出部124により形成される開口部を挿通する。その後に、可変色フィルタ160が元の状態(
図6に示した状態)に戻された場合に、突出部161aがベース部材120の切欠部125aに載置され、突出部161bが切欠部125bに載置される。このようにして、可変色フィルタ160は、ベース部材120の下方からベース部材120の内部に取り付けられる。
【0054】
(照明装置の分解例)
次に、
図7〜
図9を用いて、実施形態に係る照明装置1の分解例について説明する。
図7及び
図9は、実施形態に係る照明装置1の分解例を示す斜視図である。
図8は、実施形態に係る回転リング200の外観例を示す拡大斜視図である。なお、以下では、天板11及び取付けバネ12a〜12cについては説明を省略する。
【0055】
まず、光源ユニット100が回転リング200に固定される点について説明する。
図7及び
図8に示すように、回転リング200の支持部221aには、軸孔231aが形成される。また、回転リング200は、支持部221aから内側方向(支持部221bに近づく方向)に突き出した載置部241aを有する(
図10を参照)。同様に、
図7及び
図8に示すように、回転リング200は、支持部221bに軸孔231bが形成され、支持部221bから内側方向(支持部221aに近づく方向)に突き出した載置部241bを有する。
【0056】
そして、光源ユニット100の突起部121aが載置部241aに載置されるとともに、突起部121bが載置部241bに載置される。そして、図示しない円柱形上の軸部材が、支持部221aの軸孔231a及び突起部121aの軸孔122aに挿入され、同様に、図示しない円柱形上の軸部材が、軸孔231b及び軸孔122bに挿入される。これにより、光源ユニット100は、突起部121aと突起部121bとを結ぶ直線を回転軸として回転自在(傾動自在)に、回転リング200に支持される。
【0057】
続いて、回転リング200が化粧枠300に固定される点について説明する。
図8に示すように、回転リング200は、上端から下端に向かう方向に開口面が段階的に大きくなるように、かかる開口面と略平行である段部面250によって段差が形成される。
【0058】
具体的には、回転リング200は、第1環状部261と、第2環状部262とを有する。第1環状部261は、化粧枠300における貫通孔300aの縁320上を摺動することで、回転リング200と一体となって回動可能である。すなわち、第1環状部261の縁である段部面250は、化粧枠300における貫通孔300aの縁320に載置された状態で、かかる縁320上を摺動する。
【0059】
ここで、第1環状部261の段部面250における内径L11(
図8を参照)と、化粧枠300の縁320における内径L12(
図7を参照)とが略同一のサイズとなるように、回転リング200及び化粧枠300が形成される。これにより、第1環状部261は、段部面250が化粧枠300の縁320に載置された際に、化粧枠300における貫通孔300aと面一な内壁を形成する。
【0060】
第2環状部262は、第1環状部261の内径L11よりも大きい内径L13により形成され、化粧枠300の外壁301の少なくとも一部を環囲する(
図10を参照)。そして、回転リング200の外壁には、第1環状部261と第2環状部262との段差に該当する段部面260(
図10を参照)が形成される。
【0061】
また、
図9に示すように、化粧枠300は、固定金具411が取り付けられる金具取付け部331と、固定金具412が取り付けられる金具取付け部332とを有する。また、図示することを省略するが、化粧枠300は、固定金具413が取り付けられる金具取付け部(金具取付け部333とする)を有する。これらの金具取付け部331〜333は、化粧枠300の外壁301に略等間隔で形成される。
【0062】
また、
図9に示すように、金具取付け部331には、固定金具411が固定される際に固定ネジがねじ込まれるネジ穴341が形成される。同様に、金具取付け部332には、ネジ穴342が形成される。また、図示することを省略するが金具取付け部333にもネジ穴が形成される。
【0063】
また、
図9に示すように、固定金具411は、上部が略直角に折れ曲がった鉤形状に形成され、上板421を有する。また、固定金具411には、ネジ通孔431が形成される。同様に、固定金具412は、上板422を有し、ネジ通孔432が形成される。また、図示しない固定金具413についても同様に、上板を有し、ネジ通孔が形成される。
【0064】
そして、実施形態に係る光源ユニット100では、
図9に示すように、回転リング200の段部面250が化粧枠300の縁320に載置された状態で、固定金具411〜413が金具取付け部331〜333に固定される。具体的には、図示しない固定ネジが、ネジ通孔431を貫通して金具取付け部331のネジ穴341にねじ込まれる。これにより、固定金具411は、金具取付け部331に固定される。同様にして、固定金具412は金具取付け部332に固定され、固定金具413は金具取付け部333に固定される。
【0065】
このように、固定金具411〜413は、一端が化粧枠300の外壁301に取り付けられ、他端が回転リング200の第2環状部262を覆う。このとき、固定金具411の上板421(固定金具412及び413の上板も同様)は、回転リング200の段部面260を下方向(化粧枠300に近づく方向)に押圧せずに、回転リング200における段部面260の上方に位置するか、又は、段部面260に接触する。これにより、固定金具411〜413は、回転リング200が上下方向に移動することを抑制することができ、さらに、化粧枠300における貫通孔300aの縁320上で回転リング200を摺動可能に固定することができる。
【0066】
以上のように、実施形態に係る照明装置1では、回転リング200が化粧枠300に載置された際に、第1環状部261が化粧枠300の貫通孔300aと面一な内壁を形成する。このため、実施形態に係る照明装置1では、光源ユニット100の照射領域に突起部等が形成されないので、回転可能な光源ユニット100により安定した照明を行うことができる。例えば、光源ユニット100の照射領域に突起部等が形成されていると、室内等に影ができることも考えられるが、実施形態に係る照明装置1では、影をつくることなく室内等を照明することができる。また、化粧枠300は直視される可能性もあるので、化粧枠300の内壁に突起部が形成されていると照明装置自体の美観が損なわれる。しかし、実施形態に係る照明装置1では、化粧枠300の内壁に突起部が形成されないので、美観が損なわれず、意匠性を向上させることができる。
【0067】
(光源ユニットの可動範囲)
次に、
図10及び
図11を用いて、実施形態に係る光源ユニット100の可動範囲について説明する。
図10は、実施形態に係る回転リング200及び化粧枠300の外観例を示す拡大斜視図である。
図10では、
図9に示した状態と比較して、回転リング200が左方向(時計方向)に摺動した状態を示す。
図11は、実施形態に係るベース部材120に形成された突起部121aの拡大図である。
【0068】
まず、光源ユニット100の傾動範囲について説明する。
図10に示すように、回転リング200の載置部241aは、係止面242a及び243aを有する。また、回転リング200の載置部241bは、係止面242aと同様の係止面242bを有し、また、
図10では図示しないが、係止面243aと同様の係止面を有する。
【0069】
また、
図11に示すように、ベース部材120の突起部121aは、回転リング200の係止面242aに係止される係止部126aと、回転リング200の係止面243aに係止される係止部127aとを有する。
【0070】
上記の通り、光源ユニット100が回転リング200に固定される場合、ベース部材120の突起部121aは、回転リング200の載置部241aに載置され、ベース部材120の突起部121bは、回転リング200の載置部241bに載置される。このような光源ユニット100の傾動範囲は、係止部126a及び127aによって決定される。
【0071】
具体的には、ベース部材120の係止部126aは、回転リング200の係止面242aに係止されることで、光源ユニット100がカバー210に近づく方向に傾動可能な位置を決定する。例えば、係止部126aは、係止面242aに係止されることで、光源ユニット100が
図1に示した状態よりもカバー210が形成されている方向に傾動させない。
【0072】
また、係止部127aは、回転リング200の係止面243aに係止されることで、光源ユニット100がカバー210から離れる方向に傾動可能な位置を決定する。例えば、係止部127aは、係止面243aに係止されることで、光源ユニット100が
図3に示した状態よりもカバー210が形成されていない方向に傾動させない。
【0073】
続いて、回転リング200の摺動範囲について説明する。
図10に示すように、化粧枠300は、金具取付け部332の上部に係止部352を有する。ここで、化粧枠300は、金具取付け部332以外の他の金具取付け部(金具取付け部331や、
図10に図示しない金具取付け部333)の上部には、係止部352を有しない。また、
図10に示すように、回転リング200は、第2環状部262の縁から化粧枠300の外壁301に沿って突起した突起部270を有する。
【0074】
このような機構の下、回転リング200の摺動範囲は、回転リング200の突起部270と、化粧枠300の係止部352によって決定される。具体的には、回転リング200の突起部270は、化粧枠300の係止部352に係止されることで、回転リング200の摺動範囲を決定する。例えば、
図10に示した例において、回転リング200が時計方向に摺動され、突起部270が係止部352に係止された場合、回転リング200は、時計方向に摺動不可能となる。また、回転リング200が反時計方向に摺動された場合であっても、突起部270が係止部352に係止された場合、回転リング200は反時計方向に摺動不可能となる。すなわち、回転リング200は、1回転(360°)以上摺動することがない。
【0075】
ここで、上記の通り、回転リング200に取り付けられる光源ユニット100内の基板140は、ハーネス通孔112を挿通する接続線を介して、天板11に取り付けられる端子台と接続される。このため、光源ユニット100が回転リング200の摺動に伴って自由に回転可能であると、かかる接続線がねじれたり放熱器110等に絡まったりすることが考えられる。しかし、実施形態に係る照明装置1では、回転リング200が、化粧枠300上を1回転(360°)以上摺動することがないので、基板140と端子台とを接続する接続線がねじれたり放熱器110等に絡まったりすることを防止することができる。
【0076】
(回転リング及び化粧枠の断面例)
次に、実施形態に係る回転リング200及び化粧枠300の断面について説明する。
図12は、実施形態に係る回転リング200及び化粧枠300の断面を模式的に示す図である。なお、
図12では、
図3に示した固定金具412の位置と、回転リング200の中心点とを結ぶ線における回転リング200及び化粧枠300の断面を示す。
【0077】
図12に示すように、化粧枠300と回転リング200の第1環状部261とは、段差のない滑らかな内壁を形成している。また、回転リング200の第2環状部262は、化粧枠300の外壁301の上端部を環囲する。これにより、第2環状部262は、回転リング200と化粧枠300とが横方向(摺動方向)にずれることを防止できる。
【0078】
また、
図12に示すように、回転リング200は、段部面250及び260によって、上端から下端に向かう方向に開口面が段階的に大きくなるように形成されている。そして、金具取付け部332に取り付けられた固定金具412の上板422は、回転リング200の段部面260の上方に位置する。なお、上板422は、下方向に押圧しない程度に段部面260に当接してもよい。同様に、固定金具411及び413の上板についても、回転リング200の段部面260の上方に位置する。これにより、固定金具411〜413は、回転リング200と化粧枠300とが上下方向(摺動面に対する垂直方向)に外れることを防止できる。
【0079】
また、回転リング200には、支持部221a及び221bよりも上方向の延伸し、かつ、支持部221a及び221bに近づく方向に延伸したカバー210が形成される。このようなカバー210は、
図12に示すように、カバー210から最も離れる方向に傾動した光源ユニット100と回転リング200との間に形成される隙間R11を覆う形状に形成される。言い換えれば、カバー210は、光源ユニット100の係止部127aが回転リング200の係止面243aに係止されるまで傾動した状態における光源ユニット100の少なくとも一端を覆う形状に形成される。これにより、カバー210は、光源ユニット100の傾動時に形成させる隙間R11を覆うことができるので、隙間R11から室内等に埃などのゴミが落下することを防止できる。
【0080】
(傾動支援機構)
次に、光源ユニット100の傾動支援機構について説明する。
図13は、実施形態に係るベース部材120の外観例を示す拡大斜視図である。
図13では、
図6に示したベース部材120を斜め下方向から見た例を示す。
【0081】
図13に示すように、ベース部材120は、円筒形状に形成され、内壁120bから内側方向に突き出した突出部124を有する。そして、ベース部材120は、下端開口部の縁(貫通孔300a方向に延伸した側壁の縁)には、切欠部128a及び128bが形成される。切欠部128a及び128bは、下端開口部の縁が滑らかな曲線を描くように切り欠けられることで形成される。また、切欠部128a及び128bは、互いに対向する位置、かつ、切欠部128a及び128bを結ぶ直線と突起部121a及び121bを結ぶ直線とが略直角となる位置に形成される。
【0082】
また、
図13に示すように、突出部124の裏面124aは、突出部124の内壁124bからベース部材120の内壁120bに向かうほど開口部が次第に大きくなるように形成される。そして、ベース部材120は、かかる突出部124の裏面124aに、ベース部材120の開口面と略平行な平坦部129a及び129bを有する。かかる平坦部129aは、切欠部128aの近傍に形成され、平坦部129bは、切欠部128bの近傍に形成される。
【0083】
このようなベース部材120は、作業者による光源ユニット100の傾動操作及び回動操作を容易にする。具体的には、作業者は、化粧枠300の下方から貫通孔300aに手を入れ、切欠部128a及び128bに指を置くことができる。また、上記の通り、突出部124の裏面124aが傾斜になっているが、切欠部128a及び128bの近傍に平坦部129a及び129bが形成されているので、作業者は、安定した状態で切欠部128a及び128bに指を置くことができる。これにより、作業者は、光源ユニット100を容易に傾動及び回動させることができる。例えば、作業者は、切欠部128a及び128bに指を置いた状態で、平坦部129a及び129bのいずれか一方を押圧することで、光源ユニット100を容易に傾動させることができる。また、例えば、作業者は、切欠部128a及び128bに指を置いた状態で、切欠部128a及び128bの側壁を押圧することで、光源ユニット100を容易に回動させることができる。
【0084】
(可変色フィルタの着脱機構)
次に、
図14〜
図18を用いて、可変色フィルタ160の着脱機構について説明する。
図14及び
図15は、実施形態に係る可変色フィルタ160の外観例を示す拡大斜視図である。
図14では、
図6に示した可変色フィルタ160を斜め下方向から見た例を示し、
図15では、
図6に示した可変色フィルタ160を斜め上方向から見た例を示す。また、
図16は、可変色フィルタ160が装着されたベース部材120の外観例を示す拡大斜視図である。
図16では、
図6に示したベース部材120を斜め上方向から見た例を示す。また、
図17は、
図16に示したI−I線における断面を模式的に示す図である。また、
図18は、
図16に示したII−II線における断面を模式的に示す図である。
【0085】
図14に示すように、可変色フィルタ160は、側壁に突出部161a及び161bを有する。また、
図15に示すように、可変色フィルタ160の上面には、切欠部162a及び162bが形成される。なお、ここでいう可変色フィルタ160の上面とは、可変色フィルタ160が照明装置1に装着された際に、光学レンズ150と対向する面を示す。
【0086】
上記の通り、このような可変色フィルタ160は、化粧枠300の下方から挿入されベース部材120に装着される。
図16及び
図17に示すように、可変色フィルタ160は、ベース部材120に取り付けられた場合に、突出部161aがベース部材120の切欠部125aに載置され、突出部161bが切欠部125bに載置される。
【0087】
また、
図18に示すように、突出部124の裏面124aは、突出部124の内壁124bからベース部材120の内壁120bに向かうほど開口部が次第に大きくなるように傾斜形状に形成される。このため、
図18に示すように、突出部124と可変色フィルタ160の切欠部162aとの間には隙間A1が形成され、同様に、突出部124と可変色フィルタ160の切欠部162bとの間には隙間A2が形成される。これにより、作業者等は、かかる隙間A1及びA2に指を引っ掛けることで、可変色フィルタ160を撓ませることができるので、可変色フィルタ160をベース部材120から取り外すことができる。
【0088】
このように、実施形態に係る照明装置1では、天井に埋め込み設置された状態であっても、外部から光源ユニット100に可変色フィルタ160を容易に取り付けることができるとともに、光源ユニット100から可変色フィルタ160を容易に取り外すことができる。
【0089】
(実施形態の効果)
上述してきたように、実施形態に係る照明装置1によれば、回転リング200が、内壁の対向する位置間を結ぶ回転軸により光源ユニット100を回転可能に支持する支持部221a及び221bと、化粧枠300の貫通孔300aと面一な内壁を形成し、貫通孔300aの縁320上を摺動することで光源ユニット100と一体となって回動可能な第1環状部261と、第1環状部261の内径よりも大きい内径により形成され、化粧枠300の外壁301の少なくとも一部を環囲する第2環状部262とを有する。これにより、実施形態に係る照明装置1によれば、照明装置1の内壁に突起部等の段差が形成されないので、光源ユニット100により安定した照明を行うことができる。
【0090】
また、実施形態に係る照明装置1によれば、固定金具411、412及び413の一端が化粧枠300の外壁301に取り付けられ、他端が回転リング200の第2環状部262を覆う。これにより、実施形態に係る照明装置1によれば、回転リング200が化粧枠300から外れることを抑制できるとともに、貫通孔300aの縁320上で回転リング200を摺動可能に固定することができる。
【0091】
また、実施形態に係る照明装置1によれば、回転リング200が第2環状部262から化粧枠300の外壁301に沿って突起した突起部270を有し、化粧枠300が突起部270を係止するための係止部352を有する。これにより、実施形態に係る照明装置1によれば、回転リング200が1回転以上摺動しないので、基板140と端子台とを接続する接続線がねじれたり放熱器110等に絡まったりすることを防止することができる。
【0092】
また、実施形態に係る照明装置1によれば、光源ユニット100が、外壁の対向する位置において支持部221a及び221bによりに支持される筒状のベース部材120を具備し、かかるベース部材120が、化粧枠300の貫通孔300aに向かう方向に開口した下端開口部の縁に切欠部128a及び128bが形成される。これにより、実施形態に係る照明装置1によれば、光源ユニット100の傾動操作及び回動操作を容易にすることができる。
【0093】
(他の実施形態)
上記実施形態では、天井に埋め込み設置されるダウンライト型を例に挙げて説明したが、照明装置1は、天井に埋め込み設置されるタイプ以外にも、天井や壁の表面に取り付けられる直付け型の照明器具等にも適用することができる。
【0094】
また、上記実施形態に係る照明装置1は、実施形態や各図に表記した全ての部材を具備することを要しない。例えば、照明装置1は、天板11を有しなくてもよい。また、照明装置1は、3個の固定金具411、412及び413ではなく、2個の固定金具を具備してもよいし、4個以上の固定金具を具備してもよい。また、照明装置1は、金具取付け部332の上部だけでなく、金具取付け部331又は金具取付け部333の上部にも係止部352と同様の係止部を有してもよい。照明装置1は、係止部352のような係止部を複数具備することにより、回転リング200の摺動範囲を半回転等に制御することができる。
【0095】
また、上記実施形態に係る各部材の形状、原料及び材質は、実施形態や各図に表記した例に限られない。例えば、ベース部材120等は、円柱形上でなくてもよい。
【0096】
また、上記実施形態では、固定ネジによって各部材を固設する例を示したが、照明装置1は、固定ネジ以外のピン等の固定部材によって各部材が固設されてもよい。
【0097】
以上説明したとおり、上記実施形態によれば、回転可能な光源によって安定した照明を行うことができる。
【0098】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。