特許第5929537号(P5929537)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5929537
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】インバータの共通電源装置
(51)【国際特許分類】
   H02P 5/74 20060101AFI20160526BHJP
【FI】
   H02P7/74 G
   H02P7/74 A
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-135605(P2012-135605)
(22)【出願日】2012年6月15日
(65)【公開番号】特開2014-3741(P2014-3741A)
(43)【公開日】2014年1月9日
【審査請求日】2014年10月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(72)【発明者】
【氏名】石田 尚
【審査官】 マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−144535(JP,A)
【文献】 特開2003−319699(JP,A)
【文献】 特開2009−112163(JP,A)
【文献】 特開2007−236082(JP,A)
【文献】 特開2007−313982(JP,A)
【文献】 特開2007−168177(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電圧を直流電圧に変換する共通電源部と、
第1電動機を駆動する第1インバータに接続され、前記共通電源部が出力した直流電力を前記第1インバータに供給する第1直流母線部と、
前記第1電動機とは異なる電圧クラスの第2電動機を駆動する第2インバータに接続され、前記第2インバータに直流電力を供給する第2直流母線部と、
前記第1直流母線部と前記第2直流母線部との間で直流電力変換を行う電流可逆チョッパ部と、
前記第2直流母線部の電圧を検出する電圧検出部と、
前記第2直流母線部の電圧に基づいて、前記電流可逆チョッパ部の運転状態を力行運転及び回生運転のどちらにするべきかを判定する判定部と、
前記第2直流母線部の電圧が所望の値になるように、前記電流可逆チョッパ部の運転状態に応じて、前記電流可逆チョッパ部の通流率を調整する通流率調整部と、
を備え
前記共通電源部は、前記第1直流母線部と前記第2直流母線部のうち、対応した電動機の消費電力の合計値が大きい直流母線部側に接続されたことを特徴とするインバータの共通電源装置。
【請求項2】
前記第1直流母線部の電圧を検出する電圧検出部、
を備え、
前記通流率調整部は、前記所望の値と前記第1直流母線部の電圧の値とに基づいて、前記通流率を調整することを特徴とする請求項1記載のインバータの共通電源装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記所望の値と前記第2直流母線部の電圧の値の偏差が所定の範囲内の場合には、前記電流可逆チョッパ部の運転状態を現状の運転状態に維持すべきと判定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインバータの共通電源装置。
【請求項4】
前記通流率調整部は、前記所望の値と前記第2直流母線部の電圧の値との偏差をPI制御することにより、前記通流率を調整することを特徴とする請求項1記載のインバータの共通電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、インバータの共通電源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄鋼、紙パルプ等の産業プラントにおいては、アクチュエータとして数多くの交流電動機が使用される。当該電動機の仕様(容量、回転数、過負荷耐量等)は、用途によって異なる。通常、高圧主機・準主機以外の低圧可変速電動機の駆動装置は、各電動機をそれぞれ駆動する複数のインバータと、これらのインバータの共通直流母線に直流電力を供給する共通電源装置(順変換器)を備える(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3367734号公報
【0004】
当該駆動装置によれば、各インバータには、1つの共通電源装置から直流電力が供給される。このため、同時駆動されていない電動機の容量を共通電源装置の必要容量から省くことができる。また、回生動作する電動機の電力は力行電力と打ち消しあう。このため、各インバータに対応して順変換器を設ける場合に比べて、共通電源装置の容量とその上位の変圧器の容量とを低減することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記共通電源装置を用いると必然的にそれに接続されるインバータの直流電圧は同じとなる。このため、異なる電圧クラスの電動機が混在する場合、電動機の電圧クラス毎に共通電源装置7を設ける必要があり、不経済である。また、サージ耐量の異なる電動機が混在する場合、低い方のサージ耐量に合わせて全てのインバータの直流電圧を設定する必要があり、インバータの容量を十分に活用できない。
【0006】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、異なる電圧レベルの複数の直流母線を持つことができるインバータの共通電源装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るインバータの共通電源装置は、交流電圧を直流電圧に変換する共通電源部と、第1電動機を駆動する第1インバータに接続され、前記共通電源部が出力した直流電力を前記第1インバータに供給する第1直流母線部と、前記第1電動機とは異なる電圧クラスの第2電動機を駆動する第2インバータに接続され、前記第2インバータに直流電力を供給する第2直流母線部と、前記第1直流母線部と前記第2直流母線部との間で直流電力変換を行う電流可逆チョッパ部と、前記第2直流母線部の電圧を検出する電圧検出部と、前記第2直流母線部の電圧に基づいて、前記電流可逆チョッパ部の運転状態を力行運転及び回生運転のどちらにするべきかを判定する判定部と、前記第2直流母線部の電圧が所望の値になるように、前記電流可逆チョッパ部の運転状態に応じて、前記電流可逆チョッパ部の通流率を調整する通流率調整部と、を備え、前記共通電源部は、前記第1直流母線部と前記第2直流母線部のうち、対応した電動機の消費電力の合計値が大きい直流母線部側に接続されたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、異なる電圧レベルの複数の直流母線を持つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】この発明の実施の形態1におけるインバータの共通電源装置の構成図である。
図2】この発明の実施の形態1におけるインバータの共通電源装置に利用される電流可逆チョッパ部の主回路の図である。
図3】この発明の実施の形態1におけるインバータの共通電源装置に利用される力行/回生モード判定部の動作を説明するための図である。
図4】この発明の実施の形態1におけるインバータの共通電源装置に利用される通流率調整部と電流可逆チョッパ部との動作を説明するための図である。
図5】この発明の実施の形態1におけるインバータの共通電源装置に利用される通流率調整部と電流可逆チョッパ部との動作を説明するための図である。
図6】この発明の実施の形態2におけるインバータの共通電源装置の力行運転時におけるPI制御を説明するための構成図である。
図7】この発明の実施の形態2におけるインバータの共通電源装置の回生運転時におけるPI制御を説明するための構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0011】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるインバータの共通電源装置の構成図である。
【0012】
図1において、1は複数の第1電動機である。2は複数の第2電動機である。例えば、第1電動機1と第2電動機2とは、鉄鋼、紙パルプ等の産業プラントのアクチュエータとして数多く使用される。第1電動機1の電圧クラスと第2電動機2の電圧クラスとは異なる。例えば、第1電動機1の電圧クラスは460Vである。第2電動機2の電圧クラスは690Vである。
【0013】
3は第1インバータ群である。第1インバータ群3には、複数のインバータが設けられる。各インバータの出力側には、対応した第1電動機1の入力側が接続される。4は第2インバータ群である。第2インバータ群4には、複数のインバータが設けられる。各インバータの出力側には、対応した第2電動機2の入力側が接続される。
【0014】
5は遮断器である。例えば、遮断器5の入力側には、商用電源が接続される。遮断器5の出力側には、上位の変圧器6が接続される。変圧器6の出力側には、共通電源装置7の入力側が接続される。共通電源装置7の出力側には、第1インバータ群3の入力側と第2インバータ群4の入力側とが接続される。
【0015】
共通電源装置7は、共通電源部7a、第1直流母線部7b、第2直流母線部7c、電流可逆チョッパ部7d、第1直流電圧検出部7e、第2直流電圧検出部7f、力行/回生モード判定部7g、通流率調整部7hを備える。
【0016】
共通電源部7aの入力側は、上記変圧器6の出力側に接続される。第1直流母線部7bは、共通電源部7aの出力側に接続される。第1直流母線部7bは、第1インバータ群3の入力側に接続される。第2直流母線部7cは、第2インバータ群4の入力側に接続される。電流可逆チョッパ部7dは、第1直流母線部7bと第2直流母線部7cとの間に接続される。
【0017】
第1直流電圧検出部7eは、第1直流母線部7bの直流電圧Vdc_1を検出する機能を備える。第2直流電圧検出部7fは、第2直流母線部7cの直流電圧Vdc_2を検出する機能を備える。力行/回生モード判定部7gは、第2直流母線部7cの直流電圧Vdc_2の値に基づいて、電流可逆チョッパ部7dの運転状態を力行運転及び回生運転のどちらにするべきかを判定する機能を備える。通流率調整部7hは、第2直流母線部7cの直流電圧Vdc_2が所望の指令値Vdc_2になるように、電流可逆チョッパ部7dの通流率を調整する機能を備える。
【0018】
上記共通電源装置7においては、共通電源部7aは、変圧器6から出力された交流電力を交流−直流変換(順変換)する。その結果、第1直流母線部7bには、直流電圧Vdc_1が発生する。この第1直流母線部7bの直流電力により、第1インバータ群3が各第1電動機1を駆動する。
【0019】
電流可逆チョッパ部7dは、第1直流母線部7bの直流電力を直流‐直流変換する。その結果、第2直流母線部7cに直流電圧Vdc_2が発生する。この第2直流母線部7cの直流電力により、第2インバータ群4が第2電動機2を駆動する。
【0020】
この際、第2直流母線部7cの直流電圧Vdc_2の値は、力行/回生モード判定部7gへ入力される。直流電圧Vdc_2の値に基づいて、力行/回生モード判定部7gは、電流可逆チョッパ部7dの運転状態を力行運転及び回生運転のどちらにするべきかを判定する。
【0021】
第1直流母線部7bの直流電圧Vdc_1の値、第2直流母線部7cの電圧Vdc_2の値、力行/回生モード判定部7gによる判定結果は、通流率調整部7hへ入力される。これらの情報に基づいて、通流率調整部7hは、第2直流母線部7cの直流電圧Vdc_2が所望の指令値Vdc_2になるように、電流可逆チョッパ部7dへスイッチング指令を出力する。
【0022】
次に、図2を用いて、電流可逆チョッパ部7dの構成を説明する。
図2はこの発明の実施の形態1におけるインバータの共通電源装置に利用される電流可逆チョッパ部の主回路の図である。
【0023】
図2に示すように、第1直流母線部7bの一方と第2直流母線部7cの一方とは、電流可逆チョッパ部7dを介して接続される。電流可逆チョッパ部7dは、第1スイッチS1、第2スイッチS2、第1ダイオードD1、第2ダイオードD2、リアクトルL、コンデンサCを備える。
【0024】
第1スイッチS1と第2スイッチS2とは、第2直流母線部7cの双方間に直列に接続される。第1ダイオードD1は、第1スイッチS1と並列に接続される。第2ダイオードD2は、第2スイッチS2と並列に接続される。
【0025】
リアクトルLの一端は、第1直流母線部7bの他方に接続される。リアクトルLの他端は、第1スイッチS1と第2スイッチS2との間に接続される。コンデンサCは、第1スイッチS1、第2スイッチS2、第1ダイオードD1、第2ダイオードD2よりも、第2インバータ群4側で第2直流母線部7cの双方間に接続される。
【0026】
次に、図3を用いて、力行/回生モード判定部7gの動作を説明する。
図3はこの発明の実施の形態1におけるインバータの共通電源装置に利用される力行/回生モード判定部の動作を説明するための図である。
【0027】
図3に示すように、力行/回生モード判定部7gは、第2直流母線部7cの指令値Vdc_2と電圧Vdc_2の値との偏差ΔVdc_2に基づいて、電流可逆チョッパ部7dが行うべき運転状態を判定する。
【0028】
具体的には、偏差ΔVdc_2が正の閾値Th_1を超えた場合、電流可逆チョッパ部7dは力行運転すべきと判定される。偏差ΔVdc_2が負の閾値Th_2を下回った場合、電流可逆チョッパ部7dは回生運転すべきと判定される。偏差ΔVdc_2が閾値Th_2と閾値Th_1との間の場合は、電流可逆チョッパ部7dは現状の運転状態を維持すべきと判定される。
【0029】
次に、図4を用いて、力行運転時における通流率調整部7hと電流可逆チョッパ部7dとの動作を説明する。
図4はこの発明の実施の形態1におけるインバータの共通電源装置に利用される通流率調整部と電流可逆チョッパ部との動作を説明するための図である。
【0030】
図4の上段は、力行運転時における電流可逆チョッパ部7dの図である。図4の中段は、力行運転時に通流率調整部7hが出力するスイッチング指令の図である。図4の下段は、力行運転時における電流可逆チョッパ部7dの電流の図である。
【0031】
この場合、第1直流母線部7bから第2直流母線部7cに電力を供給する必要がある。すなわち、図4の上段に示すように、第1直流母線部7b側から第2直流母線部7c側に向かって、電流iを流す必要がある。
【0032】
この際、図4の中段に示すように、通流率調整部7hは、第1スイッチS1にOFF指令を出力する。通流率調整部7hは、第2スイッチS2にON指令とOFF指令とを交互に出力する。ON指令とOFF指令の1周期に占めるON指令の期間を通流率αとすると、通流率αと第2直流母線部7cの指令値Vdc_2との関係は、以下の(1)式で表される。
【0033】
【数1】
【0034】
(1)式より通流率αは、以下の(2)式で表される。
【0035】
【数2】
【0036】
通流率調整部7hからのスイッチング指令に基づいて、第2スイッチS2は、ONとOFFとを繰り返す。その結果、図4の下段に示すように、第2スイッチS2の動作に応じて、電流iは、所定の範囲内で増減する。
【0037】
次に、図5を用いて、回生運転時における通流率調整部7hと電流可逆チョッパ部7dとの動作を説明する。
図5はこの発明の実施の形態1におけるインバータの共通電源装置に利用される通流率調整部と電流可逆チョッパ部との動作を説明するための図である。
【0038】
図5の上段は、回生運転時における電流可逆チョッパ部7dの図である。図5の中段は、回生運転時に通流率調整部7hが出力するスイッチング指令の図である。図5の下段は、回生運転時における電流可逆チョッパ部7dの電流の図である。
【0039】
この場合、第2直流母線部7cから第1直流母線部7bに電力を供給する必要がある。すなわち、図5の上段に示すように、第2直流母線部7c側から第1直流母線部7b側に向かって、電流iを流す必要がある。
【0040】
この際、図5の中段に示すように、通流率調整部7hは、第2スイッチS2にOFF指令を出力する。通流率調整部7hは、第1スイッチS1にON指令とOFF指令とを交互に出力する。ON指令とOFF指令の1周期に占めるON指令の期間を通流率αとすると、通流率αと第2直流母線部7cの指令値Vdc_2との関係は、以下の(3)式で表される。
【0041】
【数3】
【0042】
(3)式より通流率αは、以下の(4)式で表される。
【0043】
【数4】
【0044】
通流率調整部7hからのスイッチング指令に基づいて、第1スイッチS1は、ONとOFFとを繰り返す。その結果、図5の下段に示すように、第1スイッチS1の動作に応じて、電流iは、所定の範囲内で増減する。
【0045】
以上で説明した実施の形態1によれば、第2直流母線部7cの直流電圧Vdc_2が所望の値になるように、電流可逆チョッパ部7dの運転状態に応じて、電流可逆チョッパ部7dの通流率αが調整される。このため、異なる電圧レベルの複数の直流母線を持つことができる。
【0046】
その結果、例えば、460V系と690V系のインバータに1つの共通電源装置7で直流電圧を供給することができる。このため、遮断器5、変圧器6、共通電源部7aを省略することができる。また、異なるサージ耐量の電動機が混在する場合でも、サージ耐量毎に適切な直流電圧を供給することができる。このため、インバータの容量を十分に活用することができる。
【0047】
また、所望の値と第1直流母線部7bの直流電圧Vdc_1の値とに基づいて、通流率αが調整される。このため、簡単な構成で、異なる電圧レベルの複数の直流母線を持つことができる。
【0048】
また、所望の値と第2直流母線部7cの電圧Vdc_2の値の偏差が所定の範囲内の場合には、電流可逆チョッパ部7dは、現状の運転状態に維持される。このため、電流可逆チョッパ部7dの運転状態の切り替えが頻繁に発生することを防止することができる。
【0049】
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2におけるインバータの共通電源装置の力行運転時におけるPI制御を説明するための構成図である。図7はこの発明の実施の形態2におけるインバータの共通電源装置の回生運転時におけるPI制御を説明するための構成図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0050】
実施の形態1においては、(1)式、(2)式のように、第1直流母線部7bの電圧Vdc_1の値と第2直流母線部7cの指令値Vdc_2とに基づいて、通流率αが求められる。この場合、第2直流母線部7cの直流電圧Vdc_2はいずれ整定される。
【0051】
しかしながら、第2直流母線部7cに繋がる第2電動機2の負荷変動が激しいと、第2直流母線部7cの直流電圧Vdc_2が追従できない場合がある。
【0052】
この場合、図6図7に示すように、第2直流母線部7cの指令値Vdc_2と電圧Vdc_2の値との偏差をPI制御器8によってPI制御して、通流率αを求めてもよい。この際、αが0と1との間に収まるように、リミッタ9で調整すればよい。
【0053】
以上で説明した実施の形態2によれば、第2直流母線部7cの指令値Vdc_2と電圧Vdc_2の値との偏差をPI制御することにより、通流率αが求められる。このため、電圧制御の追従性を向上することができる。
【0054】
なお、電流可逆チョッパ部7dの運転状態の切り替えは頻繁に発生しない方が好ましい。このため、第1直流母線部7bと第2直流母線部7cのうち、対応した複数の電動機の消費電力の合計値が大きい直流母線部側に共通電源部7aを接続した方が好ましい。
【符号の説明】
【0055】
1 第1電動機、 2 第2電動機、 3 第1インバータ群、
4 第2インバータ群、 5 遮断器、 6 変圧器、 7 共通電源装置
7a 共通電源部、 7b 第1直流母線部、 7c 第2直流母線部、
7d 電流可逆チョッパ部、 7e 第1直流電圧検出部、
7f 第2直流電圧検出部、 7g 力行/回生モード判定部、
7h 通流率調整部、 8 PI制御器、 9 リミッタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7