特許第5929547号(P5929547)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5929547
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/00 20060101AFI20160526BHJP
   B65H 37/04 20060101ALI20160526BHJP
   B65H 43/06 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
   G03G15/00 431
   B65H37/04 D
   G03G15/00 460
   B65H43/06
【請求項の数】4
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2012-142007(P2012-142007)
(22)【出願日】2012年6月25日
(65)【公開番号】特開2014-6384(P2014-6384A)
(43)【公開日】2014年1月16日
【審査請求日】2015年2月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085187
【弁理士】
【氏名又は名称】井島 藤治
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 義久
【審査官】 西本 浩司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−027266(JP,A)
【文献】 特開2006−096467(JP,A)
【文献】 特開2002−087683(JP,A)
【文献】 特開2005−017692(JP,A)
【文献】 特開昭60−178464(JP,A)
【文献】 特開平11−255414(JP,A)
【文献】 特開平11−189365(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/00
B65H 37/00 − 37/06
B65H 41/00、45/00 − 47/00
B65H 7/00 − 7/20
B65H 43/00 − 43/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に画像を形成する画像形成部と、
画像が形成された前記用紙に用紙処理を施す用紙処理部と、
前記用紙処理部で用紙処理された用紙が排出される複数の排紙部と、
前記画像形成部での画像形成と前記用紙処理部での用紙処理と前記排紙部への用紙排出を制御する制御部と、を備えた画像形成システムであって、
操作者から規定部数Lの入力を受け付ける操作表示部を備え、
入力されるジョブデータに基づいて1部あたりM枚の用紙束をN部として、画像形成と用紙処理とを実行して出力する際に、
前記制御部は、
前記Mが前記用紙処理部の処理可能用紙枚数を超えるときに、前記Nが前記規定部数以下であれば、前記画像形成部でM枚×N部の用紙に画像を形成するよう制御すると共に、画像が形成された前記用紙について前記用紙処理部での用紙処理を行わず、通常時とは別の前記排紙部に排出するよう制御する、
ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記Mが前記用紙処理部の処理可能用紙枚数を超えるときに、前記Nが前記規定部数を超えていれば、前記画像形成部でM枚の用紙に画像を形成するよう制御すると共に、画像が形成されたM枚の前記用紙について、前記用紙処理部での用紙処理を行わずに、通常時とは別の前記排紙部に排出するよう制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記用紙処理部は、用紙処理として、用紙端部をステープルで綴じる平綴じ処理と、用紙中央部をステープルで綴じる中綴じ処理とが可能であり、
前記操作表示部は、前記規定部数について、平綴じ処理に対する平綴じ規定部数と中綴じ処理に対する中綴じ規定部数別個に指定を受付可能である、
ことを特徴とする請求項または請求項に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記規定部数Lは、5以下の自然数であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像形成システムに関し、特に、画像形成に続いて用紙処理がなされる場合において効率的な処理が可能な像形成システム関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の後段に各種の用紙処理装置を後処理装置として接続することで、画像形成システムとしてさまざまな製本処理が可能になり、プロダクションプリントの分野において印刷装置として使用することができる。
【0003】
たとえば、用紙端部における通常のステープル処理(平綴じ処理)とは別に、用紙の中央で用紙を中折りにした用紙束として、その用紙束の折り目部分にステープル処理(中綴じ処理)をして中綴じ製本した冊子として出力することが可能である。
【0004】
この場合、平綴じ処理や中綴じ処理の能力により冊子1部あたりの処理可能用紙枚数が決定される。この場合、ステープル針や綴じ機構の構造により、処理可能用紙枚数を超えることはできない。また、用紙サイズや坪量に加え、用紙処理部の内部構造によっても、処理可能用紙枚数が決定される。この場合、用紙処理部内での支持部や搬送部の構造や部品強度などにより、処理可能用紙枚数を超えることができない。
【0005】
なお、このような処理可能用紙枚数を超える場合における画像形成装置の制御については、以下の特許文献に関連した技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−189365号公報
【特許文献2】特開2005−17692号公報
【特許文献3】特開2005−119788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上の特許文献1に記載の発明では、ステープル処理の適/不適を判断し、ステープル処理が不適であると判断された用紙は通常とは別のトレイに排出して、正常出力物と非正常出力物とを区別するようにしている。
【0008】
以上の特許文献2記載の発明では、用紙処理可能用紙枚数を超えるジョブが存在する場合には、実行継続/実行中止の問い合わせ選択画面を表示部に表示して、オペレータの選択に基づいて制御する技術が提案されている。
【0009】
以上の特許文献3記載の発明では、最大綴じ枚数の用紙が検知された場合には、ステープル処理を中止して出力すると共に、その後に画像形成を中止するように制御している。
【0010】
プロダクションプリントの分野においては、大量の印刷物を出力する状況で使用されるため、高信頼性(停止時間の削減)の確保、最終出力物とされない無駄紙の抑制が重要視されている。
【0011】
ここで、上記引用文献1では、画像形成は中止されず、正常出力物と区別されるものの、ステープル処理が不適と判断されたジョブについては、設定された枚数の用紙が全て無駄紙として出力されてしまうことになる。ここで、無駄紙が少なければ、人力でステープル処理を行うことも可能であるが、プロダクションプリントでは大量の出力があるため人力でステープル処理をすることは極めて困難である場合が多い。
【0012】
また、上記引用文献2では、オペレータが指示を与えなければ処理は一時停止したままであり、また、実行継続と指示された場合には、設定された枚数の用紙が全て無駄紙として出力されてしまうことになる。
【0013】
また、上記引用文献3では、動作中断により無駄紙の出力はある程度抑制されるものの、やはり無駄紙の出力を有効に押さえることができない。
【0014】
すなわち、従来の技術によると、処理可能用紙枚数を超えるジョブが発生した場合には、
・中断したジョブにより後続ジョブの処理が遅れてしまう、
・中断したジョブを手動で解除するまで後続ジョブの処理が遅れてしまう、
・中断したジョブの後処理を解除して別トレイに出力することで無駄紙が膨大な量になってしまう、
という問題が生じている。
【0015】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、用紙処理において処理可能用紙枚数を超えた枚数の用紙についてのジョブが指定された場合に、無駄紙の出力を最低限に抑えた状態で、後続ジョブの出力を遅らせることなく、画像形成システムを効率的に動作させることが可能な、像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
(1)本発明の一態様は、画像形成部と、用紙処理部と、複数の排紙部と、制御部とを備えた画像形成システムにおいて、操作者から規定部数Lの入力を受け付ける操作表示部を備え、入力されるジョブデータに基づいて1部あたりM枚の用紙束をN部として、画像形成と用紙処理とを実行して出力する際に、Mが用紙処理部の処理可能用紙枚数を超えるときに、前記Nが前記規定部数以下であれば、画像形成部でM枚×N部の用紙に画像を形成すると共に、画像が形成された用紙について用紙処理部での用紙処理を行わず、通常時とは別の前記排紙部に排出する。
【0017】
(2)また、(1)において、Mが用紙処理部の処理可能用紙枚数を超えるときに、前記Nが前記規定部数を超えていれば、画像形成部でM枚の用紙に画像を形成すると共に、画像が形成されたM枚の用紙について、用紙処理部での用紙処理を行わずに、通常時とは別の前記排紙部に排出する。
【0018】
(3)また、(1)−(2)において、用紙処理部での用紙処理として、用紙端部をステープルで綴じる平綴じ処理と、用紙中央部をステープルで綴じる中綴じ処理とが可能であり、前記規定部数について、平綴じ処理に対する平綴じ規定部数と中綴じ処理に対する中綴じ規定部数別個に指定を受付可能である。
【0019】
(4)また、(1)−(3)において、前記規定部数Lは、5以下の自然数である。
【発明の効果】
【0020】
(1)本発明の一態様では、画像形成システムにおいて、操作者から規定部数Lの入力を受け付け、入力されるジョブデータに基づいて1部あたりM枚の用紙束をN部として画像形成と用紙処理とを実行して出力する際に、Mが用紙処理部の処理可能用紙枚数を超え、Nが定部数以下であれば、M枚×N部の用紙に画像を形成すると共に、用紙処理部での用紙処理を行わず、通常時とは別の前記排紙部に排出するため、用紙処理において処理可能用紙枚数を超えた枚数の用紙についてのジョブが指定された場合にも、定部数以下のN部の出力であるため、無駄紙の出力を最低限に抑えた状態で、後続ジョブの出力を遅らせることなく、画像形成システムを効率的に動作させることが可能になる。
【0021】
(2)また、(1)において、Mが用紙処理部の処理可能用紙枚数を超えるときに、Nが定部数を超えていれば、画像形成部でM枚の用紙に画像を形成すると共に、画像が形成されたM枚の用紙について、用紙処理部での用紙処理を行わずに、通常時とは別の前記排紙部に排出するため、用紙処理において処理可能用紙枚数を超えた枚数の用紙についてのジョブが指定された場合にも、1部のみの出力であるため、無駄紙の出力を最低限に抑えた状態で、後続ジョブの出力を遅らせることなく、画像形成システムを効率的に動作させることが可能になる。
【0022】
(3)また、(1)−(2)において、出力する部数として入力される規定部数について、平綴じ処理に対する平綴じ規定部数と中綴じ処理に対する中綴じ規定部数別個に指定を受付可能とすることで、用紙処理において処理可能用紙枚数を超えた枚数の用紙についてのジョブが指定された場合にも、用紙処理内容に応じて予め指定された平綴じ規定部数,中綴じ規定部数以下のN部の出力であるため、無駄紙の出力を最低限に抑えた状態で、後続ジョブの出力を遅らせることなく、画像形成システムを効率的に動作させることが可能になる。
【0023】
(4)また、(1)−(3)において、規定部数Lは5以下の自然数であり、無駄紙を出力せずに、後続ジョブの出力を遅らせることなく、画像形成システムを効率的に動作させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態の画像形成システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態の画像形成システムの構成を示す構成図である。
図3】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
図5】本発明の実施形態の用紙処理装置の設定画面を示す説明図である。
図6】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
図7】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
図8】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
図9】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
図10】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
図11】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
図12】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
図13】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
図14】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
図15】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
図16】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
図17】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
図18】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態(以下、実施形態)を詳細に説明する。
【0026】
〔画像形成システムの構成〕
図1図2とを参照して、本実施の形態に係る用紙処理装置を備える画像形成システムの構成について説明する。
【0027】
図1図2とに示すように、この画像形成システム10は、画像形成装置100と、用紙処理装置300とを有して構成されている。なお、画像形成装置100と用紙処理装置300との間に別な用紙処理装置が存在していても良い。また、画像形成装置100と用紙処理装置300とは、一体に構成されていても良いし、分離可能に接続された構成であっても良い。
【0028】
画像形成装置100は、画像形成装置100内の各部を制御すると共に画像形成システム10全体を制御する制御部101と、接続されている他の装置と通信するための通信部102と、操作者による操作入力に応じた操作入力信号を制御部101に通知すると共に画像形成装置100の状態表示とを行う操作表示部103と、制御プログラム及び各種設定データを記憶すると共に制御プログラムのワークエリアとして使用される記憶部104と、収容されている用紙を給紙する給紙部105と、給紙され画像形成される用紙を所定速度で搬送する搬送部110と、原稿をスキャンして画像データを生成する原稿読込部120と、画像形成する際のイメージデータや各種データを記憶する画像データ記憶部130と、画像形成に必要な各種画像処理を実行する画像処理部140と、画像形成命令とイメージデータとに基づいて画像形成(印刷)を実行する画像形成部150と、を備えて構成されている。なお、画像形成装置100で画像形成された用紙は、後段の用紙処理装置300に向けて搬出される。
【0029】
用紙処理装置300は、後処理装置として画像形成装置100の下流側(後段)に接続されており、用紙処理装置300内の各部を制御する制御部301と、画像形成装置100と通信するための通信部302と、制御プログラム及び各種設定データを記憶すると共に制御プログラムのワークエリアとして使用される記憶部304と、用紙処理装置300内で用紙を所定速度で搬送する搬送部310と、用紙に穿孔するパンチ部320と、用紙端部の所定位置にステープルによる平綴じ処理をして冊子を生成する平綴じ部330と、用紙を中折り又は3つ折りに折る折り部340と、折り部340で折られた用紙中央部にステープルによる中綴じ処理をして冊子を生成する中綴じ部350と、用紙を第1トレイ380Tに排出する第1トレイ排出部380と、用紙を第2トレイ390Tに排出する第2トレイ排出部390と、を備えて構成される。
【0030】
また、図1図2における、画像形成装置100と用紙処理装置300の接続は画像形成システム10の一例であって、このような接続や用紙処理に限定されるものではない。
【0031】
また、ここで、第1トレイ380と第2トレイ390とが、複数の排紙部を構成している。ジョブでは、第1トレイ380と第2トレイ390のいずれか一方が出力先として指定される。
【0032】
〔基本動作〕
以下、図3のフローチャートを参照して、本実施形態の基本動作についての説明を行う。ここでは、図1図2の接続状態の画像形成システム10における用紙処理装置300で、画像形成された複数枚の用紙を冊子として排出する際の制御を中心にして説明する。なお、この実施形態では、入力されるジョブデータに基づいて、1部あたりM枚の用紙束をN部の冊子として、画像形成と用紙処理とを実行して出力することを想定している。
【0033】
画像形成装置100において画像形成の開始が指示されてジョブが入力されると、制御部101は、ページデータカウントを初期化した後に(図3中のステップS101)、そのジョブのデータを展開してページデータを記憶部130に格納しつつ(図3中のステップS102,S103)、頁データカウントする(図3中のステップS104)。
【0034】
制御部101は、最終ページまでカウントした時点で(図3中のステップS104,S105でYES)、用紙の両面に画像を形成するのか片面に画像を形成するのかを判断し(図3中のステップS106)、両面画像形成モードであれば(図3中のステップS106でYES)、1部あたりの転写紙枚数M=ページデータカウント/2と算出し(図3中のステップS107)、片面画像形成モードであれば(図3中のステップS106でNO)、1部あたりの転写紙枚数M=ページデータカウントと算出する(図3中のステップS108)。
【0035】
そして、制御部101は、算出された1部あたりの転写紙枚数Mに応じて、用紙処理モード別のリミット枚数対応処理を行う(図3中のステップS109)。
【0036】
なお、以下の説明において、リミット枚数とは、各モードや各条件における処理可能用紙枚数を意味している。従って、制御部101は、各モードや各条件でのリミット枚数を算出し比較することで、最終的な処理可能用紙枚数を決定する。
【0037】
なお、この用紙処理モードとして、以下の動作説明では、平綴じ処理(用紙端部をステープルで綴じる処理)モード、中綴じ処理(用紙中央部の折り目をステープルで綴じる処理)モード、中折り処理(用紙中央部で折り、ステープルで綴じない処理)モード、三つ折り処理(用紙を2箇所で折る処理)モード、を具体例としているが、これに限定されるものではない。
【0038】
なお、この用紙処理モード別のリミット枚数対応処理については、図4以降のフローチャートを参照して詳細に説明するが、入力されるジョブデータに基づいて1部あたりM枚の用紙束をN部として画像形成と用紙処理とを実行して出力する際に、Mが用紙処理のモード毎の処理可能用紙枚数を超えるときに、Nが予め指定される規定部数L以下であれば、画像形成部でM枚×N部の用紙に画像を形成すると共に、画像が形成された用紙について用紙処理部での用紙処理を行わず、通常時とは別の排紙部に排出する、という処理である。
【0039】
〔用紙処理モード別リミット枚数対応処理〕
制御部101は、この用紙処理モード別リミット枚数対応処理(図3中のステップS109)として、入力されたジョブにおいて指定されている用紙処理が平綴じモードであれば(図4中のステップS1091でYES)、後述する平綴じモードリミット枚数対応処理のサブルーチンを実行する(図4中のステップS1092)。
【0040】
また、入力されたジョブにおいて指定されている用紙処理が中綴じモードであれば(図4中のステップS1091でNO、ステップS1093でYES)、後述する中綴じモードリミット枚数対応処理のサブルーチンを実行する(図4中のステップS1094)。
【0041】
また、入力されたジョブにおいて指定されている用紙処理が中折りモードであれば(図4中のステップS1093でNO、ステップS1095でYES)、後述する中折りモードリミット枚数対応処理のサブルーチンを実行する(図4中のステップS1096)。
【0042】
また、入力されたジョブにおいて指定されている用紙処理が三つ折りモードであれば(図4中のステップS1095でNO、ステップS1097でYES)、後述する三つ折りモードリミット枚数対応処理のサブルーチンを実行する(図4中のステップS1098)。
【0043】
なお、用紙サイズや坪量に加え、用紙処理装置300の内部構造により、各用紙処理モード(平綴じモード、中綴じモード、中折りモード、三つ折りモード)毎に、処理可能用紙枚数が決定される。すなわち、用紙処理装置300の各用紙処理に使用される用紙支持部や用紙搬送部の構造や部品強度などにより、処理可能用紙枚数を超えることができない。
【0044】
この処理可能用紙枚数、すなわち、用紙処理モード毎のリミット枚数を以下の表1と表2とに示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
表1は、用紙サイズから決定されるリミット枚数の一覧の一例である。ここでは、装置#1、装置#2、装置#3、装置#4の異なる用紙処理装置300の例を示している。なお、表中で「−」とある部分は、未対応であることを意味している。
【0047】
また、表2は、用紙坪量から決定されるリミット枚数の一覧の一例である。ここでも、装置#1、装置#2、装置#3、#4の異なる用紙処理装置300の例を示している。なお、表中で「−」とある部分は、未対応であることを意味している。
【0048】
そして、実際には、後述するように、用紙サイズから定まるリミット枚数と、用紙坪量から定まるリミット枚数を比較して、より小さいリミット枚数を処理可能用紙枚数として採用することで、制御部101が画像形成と用紙処理との統括的な制御を行う。
【0049】
〔処理可能用紙枚数超過時の規定部数設定〕
この実施形態の画像形成システム10では、入力されるジョブデータに基づいて1部あたりM枚の用紙束をN部として画像形成と用紙処理とを実行して出力する際に、Mが用紙処理装置300の処理可能用紙枚数を超えるときに、Nが予め指定される規定部数L以下であれば、画像形成装置100でM枚×N部の用紙に画像を形成すると共に、画像が形成された用紙について用紙処理装置300での用紙処理を行わずに通常時とは別の排紙部に排出する制御を行うものである。また、Mが用紙処理装置300の処理可能用紙枚数を超えるときに、Nが予め指定される規定部数Lを超えていれば、画像形成装置100でM枚の用紙(1部相当の用紙)に画像を形成すると共に、画像が形成されたM枚の用紙について、用紙処理装置300での用紙処理を行わずに、通常時とは別の排紙部に排出する制御を行うものである。
【0050】
ここで、制御部101は、以上の規定部数Lについて予め操作表示部103を介して、操作者から指定を受け付ける。すなわち、制御部101は、操作表示部103において図5に示す設定メニュー画面103Aを表示して、各用紙処理(平綴じ処理、中綴じ処理、中折り処理、三つ折り処理等)において、処理可能用紙枚数を超えるときに何部相当までの用紙の出力を許可するかについて、上記規定部数Lに相当する部数の入力を受け付ける。
【0051】
この規定部数Lとは、画像形成された用紙束について用紙処理を解除して出力することで、画像形成がなされたことを確認し、及び、出力された用紙束を手動で処理(平綴じ処理、中綴じ処理、折り処理等)するための部数である。
【0052】
図5に示される具体例では、平綴じにおける規定部数(平綴じ規定部数)Lは2部(図5の103a1)、中綴じにおける規定部数(中綴じ規定部数)Lは5部(図5の103a2)、中折りにおける規定部数(中折り規定部数)Lは3部(図5の103a3)、三つ折りにおける規定部数(三つ折り規定部数)Lは4部、(図5の103a4)、の様子を示している。なお、この入力は、テンキー部103akを介して行われてもよいし、操作表示部103のハードキーを用いて行われてもよい。
【0053】
また、ここで、出力された用紙束を手動で処理するための規定部数として、平綴じにおける規定部数と中綴じにおける規定部数とを少なくとも個別に設定できるようにすることで、手動による平綴じや中綴じの操作性や実施容易性に応じて制御可能になり、無駄紙が発生する可能性を抑制できて望ましい。また、平綴じ、中綴じ、中折り、三つ折りそれぞれの処理で規定部数を独立に設定できることによっても、無駄紙が発生する可能性を抑制できて望ましい。
【0054】
〔平綴じモードリミット枚数対応処理〕
制御部101は、この用紙処理モード別リミット枚数対応処理(図3中のステップS109)として、入力されたジョブにおいて指定されている用紙処理が平綴じモードであれば(図4中のステップS1091でYES)、以下の平綴じモードリミット枚数対応処理のサブルーチン(図6)を実行する(図4中のステップS1092)。なお、ここでは平綴じモードとは用紙端部にステープルによる平綴じ処理するモードであり、後述する中綴じは含まれないものとする。
【0055】
この平綴じモードリミット枚数対応処理(図6)において、制御部101は、図7のサブルーチンのフローチャートに示す平綴じサイズリミット枚数算出処理を実行する(図6中のステップS201)。図7に示す平綴じサイズリミット枚数算出処理のフローチャートは、前述した表1の装置#2の場合を具体例にしている。
【0056】
ここで、転写紙サイズがA3、11×17、12×18、SRA3の場合には(図7中のステップS2011でYES、S2012でYES、S2013でYES、S2014でYES)、平綴じモードにおけるサイズリミット枚数は50枚になる(図7中のステップS2015)。
【0057】
また、ここで、転写紙サイズがA3、11×17、12×18、SRA3以外の場合には(図7中のステップS2011でNO、S2012でNO、S2013でNO、S2014でNO)、平綴じモードにおけるサイズリミット枚数は100枚になる(図7中のステップS2016)。
【0058】
また、この平綴じモードリミット枚数対応処理において、制御部101は、図8のサブルーチンのフローチャートに示す平綴じ坪量リミット枚数算出処理を実行する(図6中のステップS202)。図8に示す平綴じ坪量リミット枚数算出処理のフローチャートは、前述した表2の装置#2の場合を具体例にしており、用紙としては塗工紙以外の通常の用紙を具体例にしている。なお、坪量の単位として、Gram per Square Meterをgsmと表記する。
【0059】
ここで、転写紙の坪量が50−91gsmであれば(図8中のステップS2021でYES)、平綴じモードにおける坪量リミット枚数は50枚になる(図8中のステップS2022)。また、転写紙の坪量が92−135gsmであれば(図8中のステップS2023でYES)、平綴じモードにおける坪量リミット枚数は50枚になる(図8中のステップS2024)。また、転写紙の坪量が136−162gsmであれば(図8中のステップS2025でYES)、平綴じモードにおける坪量リミット枚数は40枚になる(図8中のステップS2026)。また、転写紙の坪量が163−244gsmであれば(図8中のステップS2027でYES)、平綴じモードにおける坪量リミット枚数は50枚になる(図8中のステップS2028)。また、転写紙の坪量が244gsmを超えていれば(図8中のステップS2027でNO)、平綴じモードにおける坪量リミット枚数は10枚になる(図8中のステップS2029)。
【0060】
そして、制御部101は、以上のように算出された平綴じモードのサイズリミット枚数と坪量リミット枚数との大小関係を比較する(図6中のステップS203)。
【0061】
ここでは、サイズリミット枚数と坪量リミット枚数とのいずれか小さい方、すなわち、より厳しく制限される方を、平綴じモードの処理可能用紙枚数としてのリミット枚数として制御部101が決定する。よって、坪量リミット枚数がサイズリミット枚数より小さければ(図6中のステップS203でYES)、坪量リミット枚数を平綴じモードのリミット枚数とする(図6中のステップS204)。サイズリミット枚数が坪量リミット枚数より小さければ(図6中のステップS203でNO)、サイズリミット枚数を平綴じモードのリミット枚数とする(図6中のステップS205)。
【0062】
そして、制御部101は、以上のように算出したリミット枚数と、ジョブで指定された1部あたり転写紙枚数Mとを比較する(図6中のステップS206)。
【0063】
ここで、1部あたりの転写紙枚数Mがリミット枚数以下であれば(図6中のステップS206でNO)、平綴じ部330での平綴じ処理に何ら問題は生じないため、平綴じモードリミット枚数対応処理を終了する(図6でエンド、図4中のステップS1092〜エンド、図3中のS109〜エンド)。
【0064】
よって、この場合には、入力されるジョブデータに基づいて、1部あたりM枚の用紙束をステープルによる平綴じでN部の冊子となるように、画像形成装置100での画像形成と用紙処理装置300での平綴じ処理とを実行するように、制御部101が制御する。
【0065】
一方、1部あたりの転写紙枚数Mがリミット枚数を超えていれば(図6中のステップS206でYES)、平綴じ部330での平綴じ処理には何らかの問題が生じる可能性があるため、制御部101は、ジョブとして指定されている用紙処理(ここでは、平綴じ部330の平綴じ処理)を解除すると共に、排出先として指定されている通常のトレイ以外の別のトレイに排出先を変更する(図6中のステップS207)。このように通常とは別のトレイに用紙束を排出するように指定を変更することにより、用紙処理がなされていないことが操作者にとっても明らかになる。
【0066】
また、制御部101は、ジョブとして設定されている部数Nと、図5に示される設定メニュー画面で設定された規定部数Lとを比較する(図6中のステップS208)。ジョブとして設定されている部数Nが規定部数L以下であれば(図6中のステップS208でYES)、平綴じモードリミット枚数対応処理を終了する(図6でエンド、図4中のステップS1092〜エンド、図3中のS109〜エンド)。
【0067】
この結果、制御部101の制御により、画像形成装置100でM枚×N部の用紙に画像を形成すると共に、画像が形成された用紙について用紙処理装置300での用紙処理を行わずに、通常時とは別のトレイに用紙を排出する。なお、ジョブで第1トレイ380Tが指定されていれば、この場合には用紙処理されない用紙が第2トレイ390に排出される。
【0068】
これにより、用紙処理において処理可能枚数を超えた枚数の用紙についてのジョブが指定された場合にも、予め指定された規定部数L以下のN部の出力であるため、無駄紙の出力を最低限に抑えた状態で、後続ジョブの出力を遅らせることなく、画像形成システム10を効率的に動作させることが可能になる。
【0069】
また、制御部101は、ジョブとして設定されている部数Nと、図5に示される設定メニュー画面で設定された規定部数Lとを比較して(図6中のステップS208)、ジョブとして設定されている部数Nが規定部数Lを超えていれば(図6中のステップS208でNO)、ジョブとして設定されている部数Nを強制的に1に変更して(図6中のステップS209)、画像形成装置100でM枚の用紙に画像を形成すると共に、画像が形成されたM枚の用紙について、用紙処理装置300での用紙処理を行わずに、通常時とは別のトレイに排出するように制御部101が制御する。
【0070】
これにより、用紙処理において処理可能枚数を超えた枚数の用紙についてのジョブが指定された場合にも、1部のみの出力であるため、無駄紙の出力を最低限に抑えた状態で、後続ジョブの出力を遅らせることなく、画像形成システムを効率的に動作させることが可能になる。
【0071】
〔中綴じモードリミット枚数対応処理〕
制御部101は、この用紙処理モード別リミット枚数対応処理(図3中のステップS109)として、入力されたジョブにおいて指定されている用紙処理が中綴じモードであれば(図4中のステップS1093でYES)、以下の中綴じモードリミット枚数対応処理のサブルーチン(図9)を実行する(図4中のステップS1094)。なお、ここでは中綴じモードとは用紙中央部の折り目をステープルにより中綴じ処理するモードである。
【0072】
この中綴じモードリミット枚数対応処理(図9)において、制御部101は、図10のサブルーチンのフローチャートに示す中綴じサイズリミット枚数算出処理を実行する(図9中のステップS301)。
【0073】
図10に示す中綴じサイズリミット枚数算出処理のフローチャートは、前述した表1の装置#2の場合を具体例にしている。ここで、中綴じモードにおけるサイズリミット枚数は50枚になる(図10中のステップS3011)。
【0074】
また、この中綴じモードリミット枚数対応処理において、制御部101は、図11のサブルーチンのフローチャートに示す中綴じ坪量リミット枚数算出処理を実行する(図9中のステップS302)。図11に示す中綴じ坪量リミット枚数算出処理のフローチャートは、前述した表2の装置#2の場合を具体例にしており、用紙としては塗工紙以外の通常の用紙を具体例にしている。
【0075】
ここで、転写紙の坪量が50−61gsmであれば(図11中のステップS3021でYES)、中綴じモードにおける坪量リミット枚数は25枚になる(図11中のステップS3022)。また、転写紙の坪量が62−91gsmであれば(図11中のステップS3023でYES)、中綴じモードにおける坪量リミット枚数は20枚になる(図11中のステップS3024)。また、転写紙の坪量が91gsmを超えていれば(図11中のステップS3023でNO)、中綴じモードにおける坪量リミット枚数は5枚になる(図11中のステップS3025)。
【0076】
そして、制御部101は、以上のように算出された中綴じモードのサイズリミット枚数と坪量リミット枚数との大小関係を比較する(図9中のステップS303)。
【0077】
ここでは、サイズリミット枚数と坪量リミット枚数とのいずれか小さい方、すなわち、より厳しく制限される方を、中綴じモードの処理可能用紙枚数としてのリミット枚数として制御部101が決定する。よって、坪量リミット枚数がサイズリミット枚数より小さければ(図9中のステップS303でYES)、坪量リミット枚数を中綴じモードのリミット枚数とする(図9中のステップS304)。サイズリミット枚数が坪量リミット枚数より小さければ(図9中のステップS303でNO)、サイズリミット枚数を中綴じモードのリミット枚数とする(図9中のステップS305)。
【0078】
そして、制御部101は、以上のように算出したリミット枚数と、ジョブで指定された1部あたり転写紙枚数Mとを比較する(図9中のステップS306)。
【0079】
ここで、1部あたりの転写紙枚数Mがリミット枚数以下であれば(図9中のステップS306でNO)、中綴じ部350での中綴じ処理に何ら問題は生じないため、中綴じモードリミット枚数対応処理を終了する(図9でエンド、図4中のステップS1094〜エンド、図3中のS109〜エンド)。
【0080】
よって、この場合には、入力されるジョブデータに基づいて、1部あたりM枚の用紙束を中綴じ処理して、N部の冊子となるように、画像形成装置100での画像形成と用紙処理装置300での中綴じ処理とを実行するように、制御部101が制御する。
【0081】
一方、1部あたりの転写紙枚数Mがリミット枚数を超えていれば(図9中のステップS306でYES)、中綴じ部350での中綴じ処理には何らかの問題が生じる可能性があるため、制御部101は、ジョブとして指定されている用紙処理(ここでは中綴じ部350による中綴じ処理)を解除すると共に、排出先として指定されている通常のトレイ以外の別のトレイに排出先を変更する(図9中のステップS307)。このように通常とは別のトレイに用紙束を排出するように指定を変更することにより、用紙処理がなされていないことが操作者にとっても明らかになる。
【0082】
また、制御部101は、ジョブとして設定されている部数Nと、図5に示される設定メニュー画面で設定された規定部数Lとを比較する(図9中のステップS308)。ジョブとして設定されている部数Nが規定部数L以下であれば(図9中のステップS308でYES)、中綴じモードリミット枚数対応処理を終了する(図9でエンド、図4中のステップS1094〜エンド、図3中のS109〜エンド)。この結果、制御部101の制御により、画像形成装置100でM枚×N部の用紙に画像を形成すると共に、画像が形成された用紙について用紙処理装置300での用紙処理を行わずに、通常時とは別のトレイに排出する。
【0083】
これにより、用紙処理において処理可能枚数を超えた枚数の用紙についてのジョブが指定された場合にも、予め指定された規定部数L以下のN部の出力であるため、無駄紙の出力を最低限に抑えた状態で、後続ジョブの出力を遅らせることなく、画像形成システム10を効率的に動作させることが可能になる。
【0084】
また、制御部101は、ジョブとして設定されている部数Nと、図5に示される設定メニュー画面で設定された規定部数Lとを比較して(図9中のステップS308)、ジョブとして設定されている部数Nが規定部数Lを超えていれば(図9中のステップS308でNO)、ジョブとして設定されている部数Nを強制的に1に変更して(図9中のステップS309)、画像形成装置100でM枚の用紙に画像を形成すると共に、画像が形成されたM枚の用紙について、用紙処理装置300での用紙処理を行わずに、通常時とは別のトレイに排出するように制御部101が制御する。
【0085】
これにより、用紙処理において処理可能枚数を超えた枚数の用紙についてのジョブが指定された場合にも、1部のみの出力であるため、無駄紙の出力を最低限に抑えた状態で、後続ジョブの出力を遅らせることなく、画像形成システムを効率的に動作させることが可能になる。
【0086】
なお、以上の説明で、リミット枚数と転写紙枚数Mとを比較し(図9中のステップS306)、転写紙枚数Mがリミット枚数を超えていた場合(図9中のステップS306でYES)、通常とは別トレイに中綴じ処理をしない状態の用紙束を排出していたが、これに限定されるものではない。
【0087】
すなわち、中綴じ処理されない用紙束に対して、手動で中綴じ処理を施すには、専用の大型ステイプラーが必要になる。従って、中綴じ処理されていない用紙束が排出されたとしても、平綴じの場合と比較して、手動での中綴じ処理ができずに無駄紙になる場合がある。
【0088】
そこで、図12に示すように、1部あたりの転写紙枚数Mがリミット枚数を超えていた場合には(図12中のステップS306でYES)、ジョブを削除(図12中のステップS310)することも可能である。なお、この場合には、画像形成装置100での画像形成も用紙処理装置300での用紙処理も実行されず、用紙は出力されない。このため、制御部101は、1部あたりの転写紙枚数Mがリミット枚数を超えているためジョブを削除した旨を操作表示部103に表示することが望ましい。
【0089】
〔中折りモードリミット枚数対応処理〕
制御部101は、この用紙処理モード別リミット枚数対応処理(図3中のステップS109)として、入力されたジョブにおいて指定されている用紙処理が中折りモードであれば(図4中のステップS1095でYES)、以下の中折りモードリミット枚数対応処理のサブルーチン(図13)を実行する(図4中のステップS1096)。なお、ここでは中折りモードとは用紙中央部で二つ折りに処理するモードである。
【0090】
この中折りモードリミット枚数対応処理(図13)において、制御部101は、図14のサブルーチンのフローチャートに示す中折りサイズリミット枚数算出処理を実行する(図13中のステップS401)。
【0091】
図14に示す中折りサイズリミット枚数算出処理のフローチャートは、前述した表1の装置#2の場合を具体例にしている。ここで、中折りモードにおけるサイズリミット枚数は5枚になる(図14中のステップS4011)。
【0092】
また、この中折りモードリミット枚数対応処理において、制御部101は、図15のサブルーチンのフローチャートに示す中折り坪量リミット枚数算出処理を実行する(図13中のステップS402)。図15に示す中折り坪量リミット枚数算出処理のフローチャートは、前述した表2の装置#2の場合を具体例にしており、用紙としては塗工紙以外の通常の用紙を具体例にしている。
【0093】
ここで、転写紙の坪量が50−61gsmであれば(図15中のステップS4021でYES)、中折りモードにおける坪量リミット枚数は5枚になる(図15中のステップS4022)。また、転写紙の坪量が61gsmを超えていれば(図15中のステップS4021でNO)、中折りモードにおける坪量リミット枚数は1枚になる(図15中のステップS4023)。
【0094】
ここでは、サイズリミット枚数と坪量リミット枚数とのいずれか小さい方、すなわち、より厳しく制限される方を、中折りモードの処理可能用紙枚数としてのリミット枚数として制御部101が決定する。よって、坪量リミット枚数がサイズリミット枚数より小さければ(図13中のステップS403でYES)、坪量リミット枚数を中折りモードのリミット枚数とする(図13中のステップS404)。サイズリミット枚数が坪量リミット枚数より小さければ(図13中のステップS403でNO)、サイズリミット枚数を中折りモードのリミット枚数とする(図13中のステップS405)。
【0095】
そして、制御部101は、以上のように算出したリミット枚数と、ジョブで指定された1部あたり転写紙枚数Mとを比較する(図13中のステップS406)。
【0096】
ここで、1部あたりの転写紙枚数Mがリミット枚数以下であれば(図13中のステップS406でNO)、折り部350での中折り処理に何ら問題は生じないため、中折りモードリミット枚数対応処理を終了する(図13でエンド、図4中のステップS1096〜エンド、図3中のS109〜エンド)。
【0097】
よって、この場合には、入力されるジョブデータに基づいて、1部あたりM枚の用紙束を中折り処理して、N部の冊子となるように、画像形成装置100での画像形成と用紙処理装置300での中折り処理とを実行するように、制御部101が制御する。
【0098】
一方、1部あたりの転写紙枚数Mがリミット枚数を超えていれば(図13中のステップS406でYES)、折り部350での中折り処理には何らかの問題が生じる可能性があるため、制御部101は、ジョブとして指定されている用紙処理(ここでは折り部340による中折り処理)を解除すると共に、排出先として指定されている通常のトレイ以外の別のトレイに排出先を変更する(図13中のステップS407)。このように通常とは別のトレイに用紙束を排出するように指定を変更することにより、用紙処理がなされていないことが操作者にとっても明らかになる。
【0099】
また、制御部101は、ジョブとして設定されている部数Nと、図5に示される設定メニュー画面で設定された規定部数Lとを比較する(図13中のステップS408)。ジョブとして設定されている部数Nが規定部数L以下であれば(図13中のステップS408でYES)、中折りモードリミット枚数対応処理を終了する(図13でエンド、図4中のステップS1096〜エンド、図3中のS109〜エンド)。この結果、制御部101の制御により、画像形成装置100でM枚×N部の用紙に画像を形成すると共に、画像が形成された用紙について用紙処理装置300での用紙処理を行わずに、通常時とは別のトレイに排出する。
【0100】
これにより、用紙処理において処理可能枚数を超えた枚数の用紙についてのジョブが指定された場合にも、予め指定された規定部数L以下のN部の出力であるため、無駄紙の出力を最低限に抑えた状態で、後続ジョブの出力を遅らせることなく、画像形成システム10を効率的に動作させることが可能になる。
【0101】
また、制御部101は、ジョブとして設定されている部数Nと、図5に示される設定メニュー画面で設定された規定部数Lとを比較して(図13中のステップS408)、ジョブとして設定されている部数Nが規定部数Lを超えていれば(図13中のステップS408でNO)、ジョブとして設定されている部数Nを強制的に1に変更して(図13中のステップS409)、画像形成装置100でM枚の用紙に画像を形成すると共に、画像が形成されたM枚の用紙について、用紙処理装置300での用紙処理を行わずに、通常時とは別のトレイに排出するように制御部101が制御する。
【0102】
これにより、用紙処理において処理可能枚数を超えた枚数の用紙についてのジョブが指定された場合にも、1部のみの出力であるため、無駄紙の出力を最低限に抑えた状態で、後続ジョブの出力を遅らせることなく、画像形成システムを効率的に動作させることが可能になる。
【0103】
〔三つ折りモードリミット枚数対応処理〕
制御部101は、この用紙処理モード別リミット枚数対応処理(図3中のステップS109)として、入力されたジョブにおいて指定されている用紙処理が三つ折りモードであれば(図4中のステップS1097でYES)、以下の三つ折りモードリミット枚数対応処理のサブルーチン(図16)を実行する(図4中のステップS1098)。なお、ここでは三つ折りモードとは、用紙を二カ所で折ることで三片で折られた状態に処理するモードである。
【0104】
この三つ折りモードリミット枚数対応処理(図16)において、制御部101は、図17のサブルーチンのフローチャートに示す三つ折りサイズリミット枚数算出処理を実行する(図16中のステップS501)。
【0105】
図17に示す三つ折りサイズリミット枚数算出処理のフローチャートは、前述した表1の装置#2の場合を具体例にしている。ここで、三つ折りモードにおけるサイズリミット枚数は5枚になる(図17中のステップS5011)。
【0106】
また、この三つ折りモードリミット枚数対応処理において、制御部101は、図18のサブルーチンのフローチャートに示す三つ折り坪量リミット枚数算出処理を実行する(図16中のステップS502)。図18に示す三つ折り坪量リミット枚数算出処理のフローチャートは、前述した表2の装置#2の場合を具体例にしており、用紙としては塗工紙以外の通常の用紙を具体例にしている。
【0107】
ここで、転写紙の坪量が50−91gsmであれば(図18中のステップS5021でYES)、三つ折りモードにおける坪量リミット枚数は3枚になる(図18中のステップS5022)。また、転写紙の坪量が91gsmを超えていれば(図18中のステップS5021でNO)、三つ折りモードにおける坪量リミット枚数は1枚になる(図18中のステップS5023)。
【0108】
ここでは、サイズリミット枚数と坪量リミット枚数とのいずれか小さい方、すなわち、より厳しく制限される方を、三つ折りモードの処理可能用紙枚数としてのリミット枚数として制御部101が決定する。よって、坪量リミット枚数がサイズリミット枚数より小さければ(図16中のステップS503でYES)、坪量リミット枚数を三つ折りモードのリミット枚数とする(図16中のステップS504)。サイズリミット枚数が坪量リミット枚数より小さければ(図16中のステップS503でNO)、サイズリミット枚数を三つ折りモードのリミット枚数とする(図16中のステップS505)。
【0109】
そして、制御部101は、以上のように算出したリミット枚数と、ジョブで指定された1部あたり転写紙枚数Mとを比較する(図16中のステップS506)。
【0110】
ここで、1部あたりの転写紙枚数Mがリミット枚数以下であれば(図16中のステップS506でNO)、折り部350での三つ折り処理に何ら問題は生じないため、三つ折りモードリミット枚数対応処理を終了する(図16でエンド、図4中のステップS1098〜エンド、図3中のS109〜エンド)。
【0111】
よって、この場合には、入力されるジョブデータに基づいて、1部あたりM枚の用紙束を三つ折り処理して、N部となるように、画像形成装置100での画像形成と用紙処理装置300での三つ折り処理とを実行するように、制御部101が制御する。
【0112】
一方、1部あたりの転写紙枚数Mがリミット枚数を超えていれば(図16中のステップS506でYES)、折り部350での三つ折り処理には何らかの問題が生じる可能性があるため、制御部101は、ジョブとして指定されている用紙処理(ここでは折り部340による三つ折り処理)を解除すると共に、排出先として指定されている通常のトレイ以外の別のトレイに排出先を変更する(図16中のステップS507)。このように通常とは別のトレイに用紙束を排出するように指定を変更することにより、用紙処理がなされていないことが操作者にとっても明らかになる。
【0113】
また、制御部101は、ジョブとして設定されている部数Nと、図5に示される設定メニュー画面で設定された規定部数Lとを比較する(図16中のステップS508)。ジョブとして設定されている部数Nが規定部数L以下であれば(図16中のステップS508でYES)、三つ折りモードリミット枚数対応処理を終了する(図16でエンド、図4中のステップS1098〜エンド、図3中のS109〜エンド)。この結果、制御部101の制御により、画像形成装置100でM枚×N部の用紙に画像を形成すると共に、画像が形成された用紙について用紙処理装置300での用紙処理を行わずに、通常時とは別のトレイに排出する。
【0114】
これにより、用紙処理において処理可能枚数を超えた枚数の用紙についてのジョブが指定された場合にも、予め指定された規定部数L以下のN部の出力であるため、無駄紙の出力を最低限に抑えた状態で、後続ジョブの出力を遅らせることなく、画像形成システム10を効率的に動作させることが可能になる。
【0115】
また、制御部101は、ジョブとして設定されている部数Nと、図5に示される設定メニュー画面で設定された規定部数Lとを比較して(図16中のステップS508)、ジョブとして設定されている部数Nが規定部数Lを超えていれば(図16中のステップS508でNO)、ジョブとして設定されている部数Nを強制的に1に変更して(図16中のステップS509)、画像形成装置100でM枚の用紙に画像を形成すると共に、画像が形成されたM枚の用紙について、用紙処理装置300での用紙処理を行わずに、通常時とは別のトレイに排出するように制御部101が制御する。
【0116】
これにより、用紙処理において処理可能枚数を超えた枚数の用紙についてのジョブが指定された場合にも、1部のみの出力であるため、無駄紙の出力を最低限に抑えた状態で、後続ジョブの出力を遅らせることなく、画像形成システムを効率的に動作させることが可能になる。
【0117】
〔各実施形態により得られる効果〕
以上の各実施形態では、操作者から規定部数Lの入力を受け付け、入力されるジョブデータに基づいて1部あたりM枚の用紙束をN部として画像形成と用紙処理とを実行して出力する際に、Mが用紙処理部の処理可能用紙枚数を超え、Nが定部数以下であれば、M枚×N部の用紙に画像を形成すると共に、用紙処理部での用紙処理を行わず、通常時とは別の排紙部に排出するため、用紙処理において処理可能用紙枚数を超えた枚数の用紙についてのジョブが指定された場合にも、定部数以下のN部の出力であるため、無駄紙の出力を最低限に抑えた状態で、後続ジョブの出力を遅らせることなく、画像形成システムを効率的に動作させることが可能になる。
【0118】
また、Mが用紙処理部の処理可能用紙枚数を超えるときに、Nが定部数を超えていれば、画像形成部でM枚の用紙に画像を形成すると共に、画像が形成されたM枚の用紙について、用紙処理部での用紙処理を行わずに、通常時とは別の排紙部に排出するため、用紙処理において処理可能用紙枚数を超えた枚数の用紙についてのジョブが指定された場合にも、1部のみの出力であるため、無駄紙の出力を最低限に抑えた状態で、後続ジョブの出力を遅らせることなく、画像形成システムを効率的に動作させることが可能になる。
【0119】
また、出力する部数として入力される規定部数について、平綴じ処理に対する平綴じ規定部数と、中綴じ処理に対する中綴じ規定部数別個に指定を受付可能とすることで、用紙処理において処理可能用紙枚数を超えた枚数の用紙についてのジョブが指定された場合にも、用紙処理内容に応じて予め指定された平綴じ規定部数,中綴じ規定部数以下のN部の出力であるため、無駄紙の出力を最低限に抑えた状態で、後続ジョブの出力を遅らせることなく、画像形成システムを効率的に動作させることが可能になる。
【0120】
また、入力されるジョブデータに基づいて1部あたりM枚の用紙束をN部として、画像形成と用紙処理とを実行して出力する際に、ジョブにおいてMが用紙処理部の処理可能用紙枚数を超えるときに、ジョブを削除すると共に画像形成を実行しないことで、用紙処理において処理可能用紙枚数を超えた枚数の用紙についてのジョブが指定された場合にも無駄紙を出力せずに、後続ジョブの出力を遅らせることなく、画像形成システムを効率的に動作させることが可能になる。
【0121】
〔その他の実施形態〕
以上の実施形態で示される用紙処理の具体的処理内容や処理可能用紙枚数などは一例であって、示された具体例に限定されるものではなく各種の変形が可能である。
【0122】
また、図1に示される画像形成システム10については、画像形成装置100と用紙処理装置300とが一体に構成されたものであっても良いし、また、画像形成装置100と用紙処理装置300との間に他の処理装置が挿入されていても良い。
【符号の説明】
【0123】
100 画像形成装置
101 制御部
102 通信部
103 操作表示部
104 記憶部
105 給紙部
110 搬送部
120 原稿読込部
130 画像データ記憶部
140 画像処理部
150 画像形成部
300 用紙処理装置
301 制御部
302 通信部
310 搬送部
320 パンチ部
330 平綴じ部
340 折り部
350 中綴じ部
380T 第1トレイ
380 第1トレイ排出部
390T 第2トレイ
390 第2トレイ排出部
400 用紙処理装置
図1
図2
図3
図4
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図17
図18
図5