(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1において、集電部材84の端子接続部84bは平坦な板状に形成され、電極端子85において、端子接続部84bとの電気的な接続部となる部位も平坦な板状に形成されている。このため、電極端子85と端子接続部84bとを接続する際、電極端子85が端子接続部84bに対し移動してしまい、電極端子85を端子接続部84bの所定位置に接続できない虞がある。
【0006】
本発明は、導電部材に対する電極端子の位置ずれを防止することができる蓄電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、開口部を有するケース本体と、前記開口部を閉塞する蓋と、前記ケース本体内に収容された電極組立体と、前記電極組立体に対し電気的に接続される導電部材と、前記導電部材と当接する電極端子と、を有する蓄電装置であって、前記導電部材は、前記電極端子と当接する第1の当接面を有し、前記電極端子は、前記第1の当接面と当接する第2の当接面を有し、前記第1の当接面及び前記第2の当接面のいずれか一方に形成され他方に向けて突出する嵌合凸部と、他方に形成され前記嵌合凸部と嵌合し、貫通孔又は凹部からなる被嵌合部との嵌合構造、及び前記
電極端子の前記第2の当接面の縁部に形成され前記導電部材の側面に向けて突出する一対の係合凸部と、前記係合凸部によって挟まれる前記導電部材の一対の側面とから形成されている係合構
造を有していることを要旨とする。
【0008】
これによれば、導電部材と電極端子とは、第1の当接面と第2の当接面とが当接した状態で電気的に接続されている。そして、導電部材と電極端子との間に形成された、嵌合構造及び係合構造の少なくとも一方により、導電部材と電極端子とを接続する時に、電極端子が第1の当接面に沿う方向へ移動することが防止でき、電極端子の位置ずれを防止することができる。
【0010】
また、導電部材の第1の当接面に、電極端子の第2の当接面を当接させると、一対の係合凸部が導電部材の側面に係合する。このため、導電部材と電極端子とを接続する時に、一対の係合凸部の対向方向に向けた電極端子の移動を防止することができる。
【0011】
また
、前記嵌合構造は、前記電極端子の前記第2の当接面に形成された前記嵌合凸部と、前記導電部材の前記第1の当接面に形成された真円状の前記被嵌合部とから形成されていてもよい。
【0012】
これによれば、嵌合凸部と被嵌合部の嵌合構造、及び係合凸部と側面との係合構造により、第1の当接面に沿う方向への電極端子の移動が防止される。また、電極端子が嵌合凸部を回動中心として回動しようとしても、係合凸部の側面への係合により、電極端子の回動を防止することができ、電極端子を所定位置に位置決めすることができる。
【0015】
また、前記蓄電装置は二次電池である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、導電部材に対する電極端子の位置ずれを防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を具体化した一実施形態を
図1〜
図6にしたがって説明する。
図1及び
図2に示すように、蓄電装置としての二次電池10において、金属製のケース12には電極組立体20が収容されている。ケース12は、直方体状のケース本体13と、ケース本体13の開口部13dを閉塞する矩形平板状の蓋14とからなる。ケース本体13と蓋14は、何れも金属製(例えば、ステンレスやアルミニウム)であり、ケース本体13と蓋14はレーザー溶接によって接合されている。ケース本体13は、長方形状の底板13aと、底板13aの対向する一対の短側縁から立設された短側壁13bと、底板13aの対向する一対の長側縁から立設された長側壁13cとから形成されている。また、本実施形態の二次電池10は、その外周が角型をなす角型電池である。また、本実施形態の二次電池10は、リチウムイオン電池である。
【0019】
図5(b)に示すように、電極組立体20は、正極電極21と負極電極22と、を備えるとともに、正極電極21と負極電極22の間を絶縁するセパレータ23を介在させて層状をなす積層体とされている。正極電極21は、矩形状の正極用金属箔(本実施形態ではアルミニウム箔)21aと、その正極用金属箔21aの両面に形成された正極活物質層21bとを有する。負極電極22は、矩形状の負極用金属箔(本実施形態では銅箔)22aと、その負極用金属箔22aの両面に形成された負極活物質層22bとを有する。
【0020】
図1及び
図3に示すように、正極電極21の一辺方向(長辺方向)の一部には、正極用金属箔21aを延出させて形成された正極集電タブ31が設けられている。正極集電タブ31は、電極組立体20を構成する各正極電極21において同位置に同一形状で形成されている。負極電極22の一辺方向(長辺方向))の一部には、負極用金属箔22aを延出させて形成された負極集電タブ32が設けられている。負極集電タブ32は、電極組立体20を構成する各負極電極22において同位置に同一形状で形成されている。
【0021】
電極組立体20を構成する正極電極21は、それぞれの正極集電タブ31が積層方向に沿って列状に配置されるように積層される。同様に、電極組立体20を構成する負極電極22は、それぞれの負極集電タブ32が、正極集電タブ31と重ならないように積層方向に沿って列状に配置されるように積層される。そして、複数の正極集電タブ31は、電極組立体20における積層方向の一端から他端までの範囲に集められる。また、複数の負極集電タブ32も同様に、電極組立体20における積層方向の一端から他端までの範囲に集められる。
【0022】
電極組立体20には、正極集電タブ31を集めてなる正極タブ群45が形成されている。この正極タブ群45の少なくとも最外の正極集電タブ31が、導電部材としての正極導電部材33と溶接されている。また、電極組立体20には、負極集電タブ32を集めてなる負極タブ群46が形成されている。この負極タブ群46の少なくとも最外の負極集電タブ32が、導電部材としての負極導電部材37と溶接されている。
【0023】
図1及び
図6(a)に示すように、正極導電部材33及び負極導電部材37は、矩形板状をなす端子側接合部34を有する。端子側接合部34において、後述の正極端子41又は負極端子42が当接し、かつ溶接される面を、第1の当接面34aとし、この第1の当接面34aと反対側の面を裏面34bとする。端子側接合部34における第1の当接面34aの長手方向及び短手方向のほぼ中央には、真円状の貫通孔よりなる被嵌合部34dが端子側接合部34を厚み方向に貫通して形成されている。
【0024】
正極導電部材33及び負極導電部材37は、裏面34bから第1の当接面34aに向けて立ち上がる立上げ部35を有するとともに、端子側接合部34から離れる方向に向けて立上げ部35から延びるタブ溶接部36を有し、タブ溶接部36は矩形板状に形成されている。タブ溶接部36において、電極組立体20側の面がタブ溶接面36aとなっており、タブ溶接面36aと反対側の面が蓋側対向面36bとなっている。
【0025】
正極導電部材33の端子側接合部34(第1の当接面34a)には、電極端子としての正極端子41が溶接されるとともに、負極導電部材37の端子側接合部34(第1の当接面34a)には、電極端子としての負極端子42が溶接されている。
【0026】
正極端子41及び負極端子42は、それぞれ板状をなす基部43を有するとともに、この基部43の平面形状は、各端子側接合部34における第1の当接面34aの平面形状とほぼ同じになっている。また、
図5(a)に示すように、基部43の厚みは、第1の当接面34aからの立上げ部35の高さと同じになっている。ただし、基部43の厚みは、これに限定されるものではない。基部43において、蓋14の内面14aに対向する面を蓋側端面43aとする。また、基部43において、厚み方向に蓋側端面43aと反対側の面を第2の当接面43bとすると、蓋側端面43aはタブ溶接部36の蓋側対向面36bと同一面上に位置している。ただし、蓋側端面43aの位置は、これに限定されるものではない。
【0027】
図6(a)に示すように、第2の当接面43b(一方の当接面)の中央には、円環状の嵌合凸部43gが、端子側接合部34の第1の当接面34a(他方の当接面)に向けて突設されている。嵌合凸部43gの外径は、被嵌合部34dの直径より僅かに小さく設定されている。ただし、嵌合凸部43gの外径は、これに限定されず、嵌合凸部43gの外径と被嵌合部34dの直径がほぼ同じで、嵌合凸部43gを被嵌合部34dに圧入してもよい。また、基部43において、第2の当接面43bの対向する一対の縁部には、それぞれ係合凸部43kが端子側接合部34の一対の側面34cに向けて突設されている。対向する係合凸部43kの内面間の距離は、端子側接合部34の短手方向への長さより僅かに長く設定されている。
【0028】
図5(a)、
図5(b)、及び
図6(b)に示すように、端子側接合部34の被嵌合部34dに、基部43の嵌合凸部43gが嵌合された状態で、嵌合凸部43gの外周縁と、被嵌合部34dの周縁とが溶接されて溶接部Yが形成されている。端子側接合部34(正極導電部材33)と基部43(正極端子41)とは、溶接部Y以外では、第1の当接面34aと第2の当接面43bとが当接している。また、係合凸部43kは、端子側接合部34において、長手方向に延びる一対の側面34cに係合している。
【0029】
基部43の中央からは円筒状の極柱部44が立設され、蓋側端面43aは極柱部44を取り囲んでいる。極柱部44の外周面には雄ねじ44aが形成されるとともに、極柱部44の内周面には雌ねじ44bが形成されている。基部43において、蓋側端面43a及び第2の当接面43bに垂直に交わる面であり、基部43の外形を形成する面を基部43の側面43cとすると、基部43には、極柱部44を挟む一対の側面43cの組が二つ形成されている。
【0030】
図1及び
図5に示すように、基部43には、樹脂製の絶縁部材50が装着されている。絶縁部材50は、基部43の蓋側端面43aと、蓋14の内面14aとの間に挟持される蓋側絶縁板51を備える。蓋側絶縁板51には、極柱部44が挿通される挿通部51aが厚み方向に貫通形成され、蓋側絶縁板51の内周縁は円弧状に形成されている。また、蓋側絶縁板51には、挿通部51aを蓋側絶縁板51の一側方に開口させる切れ込み状の連通部51bが形成され、挿通部51aと連通部51bが形成されることで、蓋側絶縁板51は平面視U字状に形成されている。蓋側絶縁板51の内側縁には、連通部51bを挟んで対向する突部51cが連通部51bに向けて形成されている。
【0031】
蓋側絶縁板51の端縁のうち、挿通部51aを挟んだ連通部51bの反対側の端縁には、ケース側絶縁板52が蓋14から離れる方向に向けて延設されている。ケース側絶縁板52は矩形板状に形成されるとともに、蓋側絶縁板51に対し垂直に延びている。ここで、蓋側絶縁板51における突部51cの対向する方向を、絶縁部材50の幅方向とすると、この幅方向に沿ったケース側絶縁板52の長さは、極柱部44を挟んだ一組の側面43c同士の距離よりも若干長くなっている。
【0032】
また、ケース側絶縁板52の蓋側絶縁板51からの延設長さは、基部43の厚みより長く設定されている。ケース側絶縁板52において、蓋14から離れた側の先端には、矩形板状の組立体側絶縁板53が蓋側絶縁板51と同じ方向に向けて、かつ第2の当接面43bに沿って延設されている。そして、蓋側絶縁板51と組立体側絶縁板53の対向面同士の間隔は、基部43の厚みより若干長く設定されている。また、絶縁部材50の幅方向に沿った組立体側絶縁板53の長さは、極柱部44を挟んだ一組の側面43c同士間の距離よりも短くなっている。
【0033】
上記構成の絶縁部材50は、正極端子41及び負極端子42に対し、ケース本体13の短側壁13b側から装着されている。
図4に示すように、蓋側絶縁板51の挿通部51aには極柱部44が挿通され、蓋側絶縁板51が極柱部44のほぼ全周を取り囲んでいる。また、蓋側絶縁板51は基部43の蓋側端面43a上に支持されている。
【0034】
基部43の蓋側端面43a上には、シール部材としてのOリング56が極柱部44を取り囲む状態に設けられている。Oリング56は、蓋側絶縁板51の挿通部51a内に配置されるとともに、Oリング56は、ほぼ全周が蓋側絶縁板51によって取り囲まれている。すなわち、Oリング56は、連通部51bと対向する部位以外は、蓋側絶縁板51の内周縁によって取り囲まれ、蓋側絶縁板51によって極柱部44の外周に位置する状態に位置決めされている。
【0035】
図5(a)及び
図5(b)に示すように、ケース側絶縁板52の内面が、基部43の一つの側面43cに当接している。組立体側絶縁板53は、基部43の第2の当接面43bより電極組立体20側に配置されている。蓋側絶縁板51は、基部43の蓋側端面43aと蓋14とで挟持されている。そして、絶縁部材50における蓋側絶縁板51により、蓋14と正極端子41及び負極端子42が電気的に絶縁されている。また、ケース側絶縁板52により、ケース本体13と、正極端子41及び負極端子42とが電気的に絶縁されている。さらに、組立体側絶縁板53により、電極組立体20と正極端子41及び負極端子42とが電気的に絶縁されている。
【0036】
蓋側絶縁板51の挿通部51aに挿通された極柱部44は、蓋14に所定の間隔をあけて並設された一対の挿通孔14bからケース12の外部に突出(露出)している。蓋14の挿通孔14bの内周縁と、極柱部44の外周面とは、絶縁リング19によって絶縁されている。絶縁リング19は、円環状のリング19aと、このリング19aの一端縁から外方へ延設されたフランジ部19bと、から形成されている。リング19aは、挿通孔14bの内周縁と、極柱部44の外周面との間に介装されている。フランジ部19bは、蓋14の外面14cにおいて挿通孔14bの外側に係止されている。
【0037】
極柱部44にはナット55が螺合されている。ナット55と蓋14の外面14cとの間には、絶縁リング19のフランジ部19bが介装され、フランジ部19bによってナット55と蓋14が絶縁されている。そして、ナット55が極柱部44に螺合されることによって、ナット55と基部43によってフランジ部19b、蓋14、及び蓋側絶縁板51が挟持されている。そして、ナット55の螺合により、極柱部44が蓋14に締結されている。この締結状態では、Oリング56は、蓋14の内面14aと、基部43の蓋側端面43aとの間で圧縮され、蓋14の内面14a及び基部43の蓋側端面43aに密接し、挿通孔14bの周囲をシールしている。
【0038】
次に、二次電池10の作用を製造方法とともに説明する。
図6(b)に示すように、正極導電部材33及び負極導電部材37において、各端子側接合部34の第1の当接面34aに、基部43の第2の当接面43bを当接させ、嵌合凸部43gを被嵌合部34dに嵌合し、端子側接合部34(正極導電部材33及び負極導電部材37)と基部43(正極端子41及び負極端子42)の間に嵌合構造を形成する。また、第1の当接面34aと、第2の当接面43bを当接させる。さらに、係合凸部43kを、端子側接合部34の長手方向に延びる一対の側面34cに係合させ、端子側接合部34(正極導電部材33及び負極導電部材37)と基部43(正極端子41及び負極端子42)の間に係合構造を形成する。
【0039】
そして、端子側接合部34の裏面34b側から、嵌合凸部43gの外周縁と、被嵌合部34dの周縁とを溶接し、溶接部Yを形成するとともに、基部43(正極端子41及び負極端子42)を端子側接合部34(正極導電部材33及び負極導電部材37)に電気的に接続する。この接続作業時、嵌合凸部43gと被嵌合部34dの嵌合構造により、基部43が、第1の当接面34a及び第2の当接面43bに沿う方向へ移動することが防止される。また、係合凸部43kと、端子側接合部34の側面34cとの係合構造により、基部43が、第1の当接面34aに沿う方向のうち、一対の係合凸部43kの対向する方向へ移動することが防止される。
【0040】
その結果、正極導電部材33と正極端子41が一体化されるとともに、負極導電部材37と負極端子42が一体され、それぞれ電気的に接続される。次に、正極導電部材33のタブ溶接部36を、電極組立体20の正極タブ群45に溶接し、負極導電部材37のタブ溶接部36を、電極組立体20の負極タブ群46に溶接する。
【0041】
次に、正極端子41に絶縁部材50を装着し、基部43の蓋側端面43aに蓋側絶縁板51を支持させるとともに、組立体側絶縁板53を基部43における第2の当接面43bに沿って配置する。また、絶縁部材50は、ケース側絶縁板52が対向する基部43の一つの側面43cに当接するまで正極導電部材33に向けて押し込む。同様に、負極端子42に絶縁部材50を装着する。
【0042】
図3に示すように、蓋側絶縁板51上に蓋14を載せるとともに、挿通孔14bに極柱部44を挿通させる。そして、極柱部44の雄ねじ44aにナット55を螺合する。その結果、ナット55と基部43によってフランジ部19b、蓋14、及び蓋側絶縁板51が挟持され、極柱部44が蓋14に締結される。最後に、電極組立体20をケース本体13に収容するとともに、蓋14をケース本体13に溶接する。その結果、ケース12が形成されるとともに、二次電池10が製造される。
【0043】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)正極導電部材33及び負極導電部材37において、端子側接合部34に被嵌合部34dを形成するとともに、正極端子41及び負極端子42において、基部43に嵌合凸部43gを形成した。また、基部43に、係合凸部43kを形成した。そして、正極端子41及び負極端子42を正極導電部材33及び負極導電部材37に溶接して電気的に接続する際、被嵌合部34dと嵌合凸部43gの嵌合構造と、係合凸部43kと、端子側接合部34の側面34cとの係合構造を形成した。このため、正極端子41及び負極端子42の接続の際、正極端子41及び負極端子42が、第1の当接面34aの面に沿う方向へ移動することを防止できる。したがって、正極端子41及び負極端子42を端子側接合部34の所定位置に接続することができる。その結果、端子側接合部34の外形線上から基部43が飛び出したりすることがなく、正極端子41及び負極端子42をケース本体13内に収容したとき、正極端子41及び負極端子42がケース本体13に接触したりすることを無くすことができる。
【0044】
(2)係合凸部43kは、端子側接合部34の対向する一対の側面34cに係合する。このため、係合凸部43kにより、正極端子41及び負極端子42が端子側接合部34の短手方向に移動することを防止することができる。
【0045】
(3)被嵌合部34dは真円状に形成されている。嵌合凸部43gを被嵌合部34dに嵌合したとき、嵌合凸部43gは、被嵌合部34dに対し回動可能であるが、係合凸部43kが端子側接合部34の側面34cに係合しているため、基部43が回動することを防止することができる。
【0046】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○
図7に示すように、嵌合凸部43gを多角筒状に形成し、被嵌合部34dを多角孔状に形成してもよい。すなわち、被嵌合部34dを、直径の異なる部分を有する内周形状にする。そして、正極端子41及び負極端子42を端子側接合部34に溶接する際、嵌合凸部43gと被嵌合部34dの嵌合構造を形成した状態で接続(溶接)を行ってもよい。この場合、嵌合凸部43gの被嵌合部34dへの嵌合により、基部43の回動が規制される。そして、嵌合構造により、第1の当接面34aに沿う方向への基部43の移動が防止される。よって、嵌合凸部43g及び被嵌合部34dを多角形状の嵌合構造とする場合は、係合凸部43kと端子側接合部34の側面34cとの係合構造は無くてもよい。
【0047】
○
図7では嵌合凸部43gを多角筒状に形成し、被嵌合部34dを多角孔状に形成したが、嵌合凸部43gを楕円筒状に形成し、被嵌合部34dを楕円孔状に形成してもよい。すなわち、被嵌合部34dは直径の異なる部分を有する内周形状を有しており、真円以外の孔であれば、形状は適宜変更してもよい。
【0048】
○ 実施形態では、嵌合構造と係合構造の両方を備えるとしたが、係合構造のみを備えるものとしてもよい。この場合、端子側接合部34の被嵌合部34dと、基部43の嵌合凸部43gは削除される。
【0049】
○ 実施形態では、係合凸部43kを、端子側接合部34の一対の側面34cに係合するように、一対設けたが、端子側接合部34において、立上げ部35が形成された側縁を除いた三つの側面34cに係合できるように、係合凸部43kを三箇所に形成してもよい。
【0050】
○ 実施形態では、係合凸部43kを正極端子41及び負極端子42に形成したが、これに限らない。端子側接合部34において、第1の当接面34aの縁部から基部43に向けて係合凸部を突設し、この係合凸部を基部43の側面43cに係合させてもよい。
【0051】
○ 実施形態では、被嵌合部34dを正極導電部材33及び負極導電部材37に形成し、嵌合凸部43gを正極端子41及び負極端子42に形成したが、その逆でもよい。例えば、正極導電部材33及び負極導電部材37の第1の当接面34aから、正極端子41及び負極端子42の第2の当接面43bに向けて突出する嵌合凸部を形成し、基部43の第2の当接面43bに、凹部よりなる被嵌合部を形成してもよい。
【0052】
○ 実施形態では、被嵌合部34dを一つ形成し、嵌合凸部43gを一つだけ形成したが、被嵌合部34dを複数形成し、嵌合凸部43gも複数形成してもよい。
○ 実施形態では、被嵌合部として端子側接合部34の厚み方向への貫通孔としたが、厚み方向に貫通しない凹部(溝)としてもよい。
【0053】
○ 電極組立体20を構成する正極電極21、及び負極電極22の枚数は適宜変更してもよい。
○ ケース12の形状は、円柱状や、左右方向に扁平な楕円柱状に形成してもよい。
【0054】
○ 本発明は、蓄電装置としてのニッケル水素二次電池や、電気二重層キャパシタとして具体化してもよい。