(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
フロントウィンドシールドの左右に、それぞれのフロントフィックスウィンドが配置され、前記フロントウィンドシールドとそれぞれの前記フロントフィックスウィンドとがそれぞれのピラー部にて接続されている、車両用ウィンドシールド構造体において、
前記フロントフィックスウィンドは、透明材質の樹脂で形成されており、
前記ピラー部は、不透明材質の樹脂で形成されており、
前記ピラー部は、前記フロントウィンドシールドと前記フロントフィックスウィンドとの境界に沿って中空部が形成された筒状部と、前記フロントウィンドシールドに沿って平行に延びるフランジ部と、が一体成形されており、
前記フロントウィンドシールドの左右の縁部には、それぞれの前記ピラー部の前記フランジ部が接着剤にて接着されており、
それぞれの前記ピラー部の前記筒状部と、それぞれの前記フロントフィックスウィンドの縁部と、が接着剤を用いることなく融着されている、
車両用ウィンドシールド構造体。
【背景技術】
【0002】
近年の車両の中には、運転者の前方の視界をより広く確保するために、フロントウィンドシールドの左右に、フロントフィックスウィンドが取り付けられている車両がある。なお、フロントウィンドシールドの面に対するフロントフィックスウィンドの面の角度は比較的大きく傾斜しているので、フロントウィンドシールドとフロントフィックスウィンドとを一体成形することは困難である。そのため、別々に形成したフロントウィンドシールドとフロントフィックスウィンドとの接続と、フロントウィンドシールドとフロントフィックスウィンドの剛性の確保と、を主な目的として、フロントウィンドシールドとフロントフィックスウィンドとの間にはピラー部が設けられている。
しかし、このピラー部があることで、せっかくフロントフィックスウィンドを設けて視界を広くしても、ピラー部によって視界の一部が遮られてしまう。
そこで、例えば特許文献1に記載された従来技術には、
図7の断面図に示すように、中空部230Kを有する鋼管である剛性部材231と、透明な樹脂で形成されたフロントウィンド233とフロントピラー232(ピラー部に相当)とサブウィンド234(フロントフィックスウィンドに相当)と、が一体成形された車両用ウィンドシールド構造体200が開示されている。そして透明な樹脂であるフロントウィンド233には、透明な中間膜220を介してフロントガラス210が接着されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された
図7に示す車両用ウィンドシールド構造体200では、フロントピラー232に剛性部材231を収容しているので、フロントピラー232の幅W232が大きくなり、運転者の前方の視界の一部を、このフロントピラー232の幅W232にて大きく遮ってしまうので好ましくない。
なお、フロントピラー232における剛性部材231の周囲は透明な樹脂で形成されているが、運転者から見るとレンズ状となっており、フロントピラー232における剛性部材231の周囲の透明な樹脂の部分をとおして前方の景色を見ても、レンズ状であるため湾曲して見えるので通常の景色として視認することができない。むしろ、景色が湾曲して見えるので、違和感を覚える可能性がある。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、よりシンプルな構造で、より広い視界を確保することができる車両用ウィンドシールド構造体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明に係る車両用ウィンドシールド構造体は次の手段をとる。
まず、本発明の第1の発明は、フロントウィンドシールドの左右に、それぞれのフロントフィックスウィンドが配置され、前記フロントウィンドシールドとそれぞれの前記フロントフィックスウィンドとがそれぞれのピラー部にて接続されている、車両用ウィンドシールド構造体において、前記フロントフィックスウィンドは、透明材質の樹脂で形成されており、前記ピラー部は、不透明材質の樹脂で形成されている。
そして、前記ピラー部は、前記フロントウィンドシールドと前記フロントフィックスウィンドとの境界に沿って中空部が形成された筒状部と、前記フロントウィンドシールドに沿って平行に延びるフランジ部と、が一体成形されており、前記フロントウィンドシールドの左右の縁部には、それぞれの前記ピラー部の前記フランジ部が
接着剤にて接着されており、それぞれの前記ピラー部の前記筒状部と、それぞれの前記フロントフィックスウィンドの縁部と、が
接着剤を用いることなく融着されている。
【0006】
この第1の発明では、ピラー部は、不透明材質の樹脂で形成され、筒状部とフランジ部とを有し、材料も構造も非常にシンプルである。また、剛性は筒状部にて確保しており、筒状部
が樹脂製のフロントフィックスウィンドと
融着されている。
これにより、筒状部とフロントフィックスウィンドとを接着するためのフランジ部が不要であり、よりシンプルな構造にするとともに、ピラー部の幅が広くなることを抑制して、より広い視界を確保することができる。
【0007】
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係る車両用ウィンドシールド構造体であって、前記筒状部における車両の外側となる位置であって前記フロントフィックスウィンドと対向する位置は、
接着剤を用いることなく前記フロントフィックスウィンドと
融着されており、前記筒状部における車両の外側となる位置であって前記フロンドウィンドシールドと対向する位置は、前記フロントウィンドシールドと
接着剤にて接着される前記フランジ部として形成されている。
【0008】
この第2の発明では、
筒状部におけるフロントフィックスウィンドとの融着個所とフランジ部が、筒状部の一部として形成されている。
これにより、ピラー部の中空部の径をより大きくすることが可能であり、ピラー部全体の強度を上げることができる。
また、フランジ部が筒状部の一部であるため、フランジ部における筒状部の周方向の両端が筒状部で支持されるので、フランジ部の強度も上げることができる。
【0009】
次に、本発明の第3の発明は、上記第1の発明に係る車両用ウィンドシールド構造体であって、前記筒状部から前記フランジ部が延びており、前記筒状部と前記フランジ部とが隣り合うように一体成形されている。
【0010】
この第3の発明では、筒状部とフランジ部とが隣り合うように一体成形されている。
これにより、ピラー部における車両の内側への張り出し量を抑えることができる。
【0011】
次に、本発明の第4の発明は、上記第1の発明〜第3の発明のいずれか1つに係る車両用ウィンドシールド構造体であって、前記ピラー部における車両の内側となる位置には、車両の内側に向かって凸状に湾曲したカバー部が設けられている。
【0012】
この第4の発明では、ピラー部には、車両の内側に向かって凸状に湾曲したカバー部が設けられている。
これにより、樹脂製のカバー部が車両内の乗員の側に向かって凸状に膨らんでいる構造となるので、乗員がピラー部に衝突するような場合が発生しても、カバー部が変形して衝撃を吸収できるので、安全性をより向上させることができる。
【0013】
次に、本発明の第5の発明は、上記第1の発明〜第4の発明のいずれか1つに係る車両用ウィンドシールド構造体であって、前記ピラー部の樹脂には、ガラス繊維が混入されている。
【0014】
この第5の発明では、ピラー部の樹脂には、ガラス繊維が混入されている。
これにより、ピラー部の剛性をより高くすることが可能であり、筒状部の径をより小さくすることができるので、ピラー部の幅をより狭くして、より広い視界を確保することができる。
【0015】
次に、本発明の第6の発明は、上記第1の発明〜第5の発明のいずれか1つに係る車両用ウィンドシールド構造体であって、それぞれの前記フロントフィックスウィンドにおける前記フロントウィンドシールドから最も遠い位置となるそれぞれの縁部は、それぞれの前記フロントフィックスウィンドに隣接する車両ドアとの間を密封する密封部材と接するように、他方の前記フロントフィックスウィンドの側に向かって湾曲されている。
【0016】
この第6の発明では、フロントフィックスウィンドにおける車両ドア側の縁部を湾曲させた湾曲部を形成して、この湾曲部と密封部材とを接触させる。
従来では、フロントフィックスウィンドの車両ドア側の縁部とドア枠部との間を密封する密封部材と接触させるための被密封面を、密封補助部材を取り付けることで実現していたが、第4発明では、樹脂製のフロントフィックスウィンドの湾曲部にて被密封面を実現している。従って、従来では必要であった密封補助部材が不要となり、車両用ウィンドシールド構造体を、よりシンプルな構造にすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明を実施するための形態を図面を用いて説明する。本発明の車両用ウィンドシールド構造体1、1A(
図1〜
図4)は、従来の車両用ウィンドシールド構造体100、200(
図5〜
図7)に対して、フロントウィンドシールド10とフロントフィックスウィンド20との間に設けられるピラー部30、35の幅をより狭くすることで、より広い視界を確保している。
【0019】
●[従来の車両用ウィンドシールド構造体100、200の構造(
図5〜
図7)]
まず
図5〜
図7を用いて、従来の車両用ウィンドシールド構造体100、200の例について説明する。
図5及び
図6は従来の車両用ウィンドシールド構造体100の例を示しており、
図7は
図5、
図6とは別の従来の車両用ウィンドシールド構造体200の例を示している。
また
図5は、車両の内部から、従来の車両用ウィンドシールド構造体100をとおして見える視界の例を示しており、
図6は
図5におけるB−B断面図を示している。また
図7は
図5、
図6とは別の従来の車両用ウィンドシールド構造体200の断面図を示している。
【0020】
図5、
図6に示す従来の車両用ウィンドシールド構造体100は、フロントウィンドシールド110と、フロントフィックスウィンド120と、ピラー部130と、にて構成されている。またピラー部130は、中空部131Kを有するように曲げた鋼板をスポット溶接等にて接続して筒状にした筒状部131と、筒状部131の周囲を覆うように設けられた樹脂製のカバー部132にて構成されている。この例では筒状部131は、スポット溶接用のフランジ部131A、131Bを有しており、ピラー部130の幅W130は、後述する本実施の形態にて説明するピラー部30の幅W30よりも広い。従って、
図6中における乗員の視点Eyからピラー部130にて遮られる遮蔽視界幅A2は、後述する本実施の形態の遮蔽視界幅A1(
図3参照)よりも広いので、好ましくない。
【0021】
またフロントウィンドシールド110の縁部には弾性部材181が設けられ、フロントフィックスウィンド120の一方の縁部には弾性部材186が設けられている。そして、フロントウィンドシールド110は接着剤180にてピラー部130(筒状部131)に接着されており、フロントフィックスウィンド120は接着剤180にてピラー部130(筒状部131)に接着されている。
またフロントフィックスウィンド120と車両ドアとの間にはドアピラー部140が設けられている。ドアピラー部140は、ピラー部130と同様に、鋼板を筒状に形成した筒状部141と、樹脂のカバー部142にて構成されている。
そしてフロントフィックスウィンド120の他方の縁部には密封補助部材185が取り付けられ、可動するドア枠部151と、固定されている筒状部141及び密封補助部材185と、の間は密封部材183にて密封される構造を有している。従って、密封補助部材185は、密封部材183が接触する被密封面を実現している。
【0022】
また
図7に示す従来の車両用ウィンドシールド構造体200は、上述したように、フロントピラー232(ピラー部に相当)に、鋼管である剛性部材231を収容しているので、フロントピラー232の幅W232が大きくなり、運転者の前方の視界の一部を大きく遮ってしまうので好ましくない。
【0023】
●[本発明の車両用ウィンドシールド構造体1の概略構造(
図1、
図2)]
図1に示すように、本発明の車両用ウィンドシールド構造体1は、フロントウィンドシールド10と、フロントウィンドシールド10の左右に配置されるフロントフィックスウィンド20と、フロントウィンドシールド10とフロントフィックスウィンド20とを接続するとともに剛性を確保するためのピラー部30と、にて構成されている。
以下、
図5〜
図7に示す従来の車両用ウィンドシールド構造体100、200との相違点について主に説明する。
【0024】
フロントウィンドシールド10はガラスで形成されており、車両の前面に配置される。
フロントフィックスウィンド20は透明材質の樹脂で形成されており、フロントウィンドシールド10の左右に配置され、車両の右前面及び左前面に配置される。
ピラー部30は不透明材質の樹脂(例えばポリカーボネート)で形成されており、フロントウィンドシールド10とフロントフィックスウィンド20との間に配置される。
なお、ピラー部30とフロントフィックスウィンド20は二色成形にて一体成形されており、ピラー部30とフロントウィンドシールド10は接着剤にて接着されている。
【0025】
図2に示すように、車両の内部から前方を見た場合、運転者等の前方視界幅V10は、右側のドアピラー部40から左側のドアピラー部40までの間が確保されている。
また
図2に示すように、前方視界幅V10内にはピラー部30によって前方視界幅V10の一部が遮られるが、ピラー部30の幅W30は、
図5に示す従来のピラー部130の幅W130より充分狭いので、遮られる視界の幅をより狭くしており、従来よりも広い視界を確保している。
【0026】
●[車両用ウィンドシールド構造体1の詳細構造(
図3、
図4)]
次に
図3を用いて、本発明の車両用ウィンドシールド構造体1の構造の詳細について説明する。
図3は、
図2におけるA−A断面図を示している。
図3に示すように、ピラー部30は、フロントウィンドシールド10とフロントフィックスウィンド20との境界に沿って中空部31Kが形成された筒状部31と、筒状部31の軸方向全域に渡って筒状部31からフロントウィンドシールド10に沿って平行に延び、フロントウィンドシールド10の左右の縁部(
図3の例では右側の縁部)に接着されるフランジ部32と、が一体成形されている。このように、筒状部31とフランジ部32とが隣り合うように一体成形されている。なお
図3の例では、筒状部31の形状を筒状の三角柱形状とした例を示しているが、筒状部の形状は、この形状に限定されるものではない。
そして筒状部31の一体成形面31Mがフロントフィックスウィンド20の一方の縁部と融着するように、ピラー部30の筒状部31とフロントフィックスウィンド20とが二色成形にて一体成形されている。
またピラー部30のフランジ部32におけるフロントウィンドシールド10と対向する面には、フロントウィンドシールド10を支持する弾性部材81が設けられている。またフロントウィンドシールド10におけるフランジ部32と対向する面には、接着剤80が塗布されており、当該接着剤80にてフロントウィンドシールド10とフランジ部32とが接着されている。
なおフロントフィックスウィンド20の先端部20Tは、フロントウィンドシールド10の縁部よりもやや前方に突出しており、ワイパの作動時に雨水がフロントフィックスウィンド20へ回り込むのを防止するために利用される。
【0027】
ピラー部30の剛性は、中空部31Kを有する筒状部31を形成することで確保されている。なお、ピラー部30を形成する樹脂に、適量のガラス繊維を混入すると、ピラー部30の剛性をさらに高くすることが可能であり、中空部31Kの径をさらに小さくしてピラー部30の幅W30をさらに細くすることができるので、より好ましい。
また、筒状部31の一体成形面31Mとフロントフィックスウィンド20とを一体成形しているので、フロントフィックスウィンド20を接着するためのフランジ部が不要であり、ピラー部30の幅W30をより狭くすることができる。
また、フロントウィンドシールド10を筒状部31から延びるフランジ部32にて支持するため、ピラー部30における車両の内側への張り出し量を抑えることができる。
これにより、
図3中における乗員の視点Eyからピラー部30にて遮られる遮蔽視界幅A1を、
図6に示す従来のピラー部130にて遮られる遮蔽視界幅A2より狭くすることができる。
【0028】
また
図3に示すように、フロントフィックスウィンド20におけるフロントウィンドシールド10から最も遠い位置となる他方の縁部の湾曲部22は、フロントフィックスウィンド20に隣接する車両ドアのドア枠部51との間を密封する密封部材83と接するように、他方のフロントフィックスウィンド20の側に向かって湾曲されている。
図3の例では、右側のフロントフィックスウィンド20を示しているので、このフロントフィックスウィンド20の湾曲部22は、他方の(図示省略されている左側の)フロントフィックスウィンドの側に向かって湾曲されている。そして湾曲部22の外周面が被密封面として密封部材83と接して、フロントフィックスウィンド20と、可動体であるドア枠部51と、の間が密封部材83にて密封されている。
図6に示す従来の車両用ウィンドシールド構造体100では、密封部材183が接する被密封面を密封補助部材185にて実現していたが、本実施の形態にて説明した車両用ウィンドシールド構造体1では湾曲部22の外周面にて被密封面を実現している。従って、
図6に示す従来の車両用ウィンドシールド構造体100に用いていた密封補助部材185を省略することができる。
なおフロントフィックスウィンド20の湾曲部22の周囲には、ブラックアウト部材21がフロントフィックスウィンド20と二色成形で一体成形されている。
【0029】
●[ピラー部の構造の他の例(
図4)]
図3に示すピラー部30の他の例として、例えば
図4に示すピラー部35が考えられる。
図4に示す車両用ウィンドシールド構造体1Aのピラー部35は、全体が中空部38Kを有する筒状部であり、筒状部における車両の外側となる位置であってフロントフィックスウィンド20と対向する位置は、フロントフィックスウィンド20と一体成形されて融着される一体成形面36Mを有する一体成形部36として形成されている。
また筒状部における車両の外側となる位置であってフロントウィンドシールド10と対向する位置は、フロントウィンドシールド10に沿って平行に延び、フロントウィンドシールド10と接着されるフランジ部37として形成されている。
そして筒状部における車両の内側となる位置は、車両の内側から見て、一体成形部36とフランジ部37とを覆うように車両の内側に向かって凸状に湾曲したカバー部38として形成されている。
【0030】
なお、ピラー部35の幅W35は、
図3に示すピラー部30の幅W30と同等であり、ピラー部35にて遮られる遮蔽視界幅を、従来よりも狭くすることができる。
また、ピラー部35は
図3に示すピラー部30より筒状部の中空部38Kを大きくすることが可能となり、強度を高めることができる。
また、フランジ部37が一体成形部36とカバー部38とで支持されるため(フランジ部37が筒状部の一部であるため、フランジ部37における筒状部の周方向の両端が筒状部で支持されるため)、フランジ部37の強度を上げることもできる。
また、乗員がピラー部35に衝突するような場合が発生しても、樹脂製のカバー部38が変形して衝撃を吸収することができるので、安全性をより向上させることができる。
【0031】
このように、本発明の車両用ウィンドシールド構造体1、1Aは、よりシンプルな構造にてピラー部30、35の幅W30、W35を従来よりも狭くしているので、より広い視界を確保することができる。
また、フロントフィックスウィンド20の他方の縁部を湾曲させた湾曲部22にて被密封面を形成し、当該被密封面と密封部材83とを接触させることで、従来の車両用ウィンドシールド構造体100にて使用していた密封補助部材185を省略できるので、従来よりもさらにシンプルな構造とすることができる。
またピラー部35の筒状部における車両の内側の位置を、車両の内側に向かって凸状に湾曲したカバー部38を形成することで、安全性をより向上させることができる。
また
図6に示す従来の車両用ウィンドシールド構造体100では、フロントフィックスウィンド120の一方の縁部(車両の前方側の縁部)に弾性部材186が取り付けられ、フロントフィックスウィンド120と弾性部材186の段差があることで、風切音の発生、空力性能の低下、見栄え悪化、等が有った。しかし、
図3、
図4に示す本実施の形態の車両用ウィンドシールド構造体1、1Aは、弾性部材186が省略されて、従来よりもさらにシンプルな構造とされている。また弾性部材186が省略されることで、前記段差が解消されているので、風切音が抑制され、空力性能が向上し、見栄えも良くなっている。
【0032】
本発明の車両用ウィンドシールド構造体1は、本実施の形態で説明した構成、構造、形状、材質等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
例えば、
図3にて示す筒状部31からフランジ部32が延びるように形成されるピラー部30における車両の内側となる位置に、
図4にて示すようにカバー部(
図3中の一点鎖線の円内の「他の例」のピラー部30´におけるカバー部38)を新たに設けても良い。
また、
図4にて示すピラー部35において、中空部38K内に閉じ断面を形成する梁(
図4中の一点鎖線の円内の「他の例」のピラー部35´における梁39)を設けることでピラー部35を補強するようにしても良い。なお、梁は
図4に記載の形状に限られず、カバー部38の強度を上げる位置に設けることができるが、衝撃吸収を妨げない箇所に設けることが望ましい。