特許第5929851号(P5929851)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5929851印刷システム、情報処理装置およびプログラム。
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5929851
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】印刷システム、情報処理装置およびプログラム。
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20160526BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20160526BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
   G06F3/12 308
   G06F3/12 356
   G06F3/12 357
   B41J29/38 Z
   H04N1/00 107Z
【請求項の数】30
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2013-155271(P2013-155271)
(22)【出願日】2013年7月26日
(65)【公開番号】特開2015-26246(P2015-26246A)
(43)【公開日】2015年2月5日
【審査請求日】2014年9月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117651
【弁理士】
【氏名又は名称】高垣 泰志
(72)【発明者】
【氏名】福留 憲治
【審査官】 塩澤 如正
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−114288(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/093562(WO,A1)
【文献】 特開2006−159562(JP,A)
【文献】 特開2008−191954(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09 − G06F 3/12
B41J 5/00 − B41J 5/52
B41J 21/00 − B41J 21/18
B41J 29/00 − B41J 29/70
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置から送信される印刷ジョブに対し、プリントサーバーにおいて予め登録された印刷ルールを適用し、当該印刷ルールに定められた処理を行うことにより印刷出力を制御する印刷システムであって、
前記プリントサーバーは、
印刷ルールを記憶する印刷ルール記憶手段と、
前記印刷ルール記憶手段に記憶された印刷ルールを前記情報処理装置へ送信するルール送信手段と、
を備え、
前記情報処理装置は、
各種情報を表示する表示手段と、
前記プリントサーバーから送信される印刷ルールを取得するルール取得手段と、
ユーザーによる印刷指示に基づいて印刷ジョブの設定を示すヘッダー情報とジョブ本体情報とを含む印刷ジョブを生成して前記プリントサーバーへ送信するジョブ生成手段と、
前記ジョブ生成手段により生成されるヘッダー情報に基づき、前記ルール取得手段によって取得された印刷ルールが前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用されるか否かの仮判断を行い、当該仮判断の結果を前記表示手段へ表示する仮判断手段と、
前記仮判断手段による仮判断の結果が前記表示手段へ表示された後、ユーザーによる続行指示があったときには当該続行指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を続行させ、ユーザーによる中断指示があったときには当該中断指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を中断させるジョブ制御手段と、
前記仮判断手段による仮判断が行われた後、前記ジョブ生成手段により生成されるヘッダー情報とジョブ本体情報との双方に基づき、前記ルール取得手段によって取得された印刷ルールが前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用されるか否かの本判断を行う本判断手段と、
を備えることを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
情報処理装置から送信される印刷ジョブに対し、プリントサーバーにおいて予め登録された印刷ルールを適用し、当該印刷ルールに定められた処理を行うことにより印刷出力を制御する印刷システムであって、
前記プリントサーバーは、
印刷ルールを記憶する印刷ルール記憶手段と、
前記印刷ルール記憶手段に記憶された印刷ルールを前記情報処理装置へ送信するルール送信手段と、
を備え、
前記情報処理装置は、
各種情報を表示する表示手段と、
前記プリントサーバーから送信される印刷ルールを取得するルール取得手段と、
ユーザーによる印刷指示に基づいて印刷ジョブの設定を示すヘッダー情報とジョブ本体情報とを含む印刷ジョブを生成して前記プリントサーバーへ送信するジョブ生成手段と、
前記ジョブ生成手段により生成されるヘッダー情報に基づき、前記ルール取得手段によって取得された印刷ルールが前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用されるか否かの仮判断を行い、当該仮判断の結果を前記表示手段へ表示する仮判断手段と、
前記仮判断手段による仮判断の結果が前記表示手段へ表示された後、ユーザーによる続行指示があったときには当該続行指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を続行させ、ユーザーによる中断指示があったときには当該中断指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を中断させるジョブ制御手段と、
を備え、
前記仮判断手段は、仮判断の結果を前記表示手段へ表示する際、前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用すべき印刷ルールが確定していないことを示す情報を付加して表示することを特徴とする印刷システム。
【請求項3】
情報処理装置から送信される印刷ジョブに対し、プリントサーバーにおいて予め登録された印刷ルールを適用し、当該印刷ルールに定められた処理を行うことにより印刷出力を制御する印刷システムであって、
前記プリントサーバーは、
印刷ルールを記憶する印刷ルール記憶手段と、
前記印刷ルール記憶手段に記憶された印刷ルールを前記情報処理装置へ送信するルール送信手段と、
を備え、
前記情報処理装置は、
各種情報を表示する表示手段と、
前記プリントサーバーから送信される印刷ルールを取得するルール取得手段と、
ユーザーによる印刷指示に基づいて印刷ジョブの設定を示すヘッダー情報とジョブ本体情報とを含む印刷ジョブを生成して前記プリントサーバーへ送信するジョブ生成手段と、
前記ジョブ生成手段により生成されるヘッダー情報に基づき、前記ルール取得手段によって取得された印刷ルールが前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用されるか否かの仮判断を行い、当該仮判断の結果を前記表示手段へ表示する仮判断手段と、
前記仮判断手段による仮判断の結果が前記表示手段へ表示された後、ユーザーによる続行指示があったときには当該続行指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を続行させ、ユーザーによる中断指示があったときには当該中断指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を中断させるジョブ制御手段と、
を備え、
前記仮判断手段は、仮判断結果を前記表示手段へ表示する際、仮判断によって前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用されることが確定した印刷ルールと、仮判断によって前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用されることが確定していない未確定の印刷ルールとを区別する情報を付加して表示することを特徴とする印刷システム。
【請求項4】
前記ジョブ制御手段は、ユーザーによる中断指示があったとき、前記ジョブ生成手段による印刷ジョブの生成処理又は前記プリントサーバーへの印刷ジョブの送信処理を中断させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の印刷システム。
【請求項5】
前記ジョブ制御手段は、前記本判断手段による本判断の実行中にユーザーによる続行指示又は中断指示があったとき、前記本判断手段による本判断を中止させることを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記ジョブ制御手段は、ユーザーによる続行指示に基づいて前記本判断手段による本判断を中止させるとき、当該続行指示と前記仮判断手段による仮判断の結果とに基づき、前記プリントサーバーに対して印刷ジョブに適用すべき印刷ルールを指示することを特徴とする請求項5記載の印刷システム。
【請求項7】
前記本判断手段は、本判断の結果が前記仮判断手段による仮判断の結果と異なる場合、当該異なる結果を前記表示手段へ表示することを特徴とする請求項1、5又は6に記載の印刷システム。
【請求項8】
前記仮判断手段は、前記本判断手段による本判断の結果が前記仮判断手段による仮判断の結果と異なる場合、異なる結果に対応する印刷ルールについて他の印刷ルールと異なる表示形態で前記表示手段に表示することを特徴とする請求項7に記載の印刷システム。
【請求項9】
前記情報処理装置は、さらに、
前記続行指示又は前記中断指示をユーザーから受け付ける指示手段、
を備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の印刷システム。
【請求項10】
前記ヘッダー情報には、ユーザーを特定するためのユーザー情報、印刷対象ドキュメントに関するドキュメント情報、及び、ユーザーによって指定された印刷設定に関する印刷設定情報のうちの少なくとも1つが含まれることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の印刷システム。
【請求項11】
前記印刷ルールは複数の種類の印刷ルールを有し、前記仮判断手段はそれぞれの種類ごとに、当該印刷ジョブに適用される印刷ルールを仮判断することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の印刷システム。
【請求項12】
前記ルール取得手段は、前記情報処理装置が起動されたタイミングで前記プリントサーバーから印刷ルールを取得して所定の記憶手段に記憶しておくことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の印刷システム。
【請求項13】
前記ルール取得手段は、前記情報処理装置において特定のアプリケーションが起動されたタイミングで前記プリントサーバーから印刷ルールを取得して所定の記憶手段に記憶しておくことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の印刷システム。
【請求項14】
前記ルール取得手段は、前記記憶手段に印刷ルールを記憶した後、所定時間間隔で前記プリントサーバーから印刷ルールを繰り返し取得して前記記憶手段に記憶した印刷ルールを更新することを特徴とする請求項12又は13に記載の印刷システム。
【請求項15】
情報処理装置から送信される印刷ジョブに対し、プリントサーバーにおいて予め登録された印刷ルールを適用し、当該印刷ルールに定められた処理を行うことにより印刷出力を制御する印刷システムであって、
前記プリントサーバーは、
印刷ルールを記憶する印刷ルール記憶手段と、
前記印刷ルール記憶手段に記憶された印刷ルールを前記情報処理装置へ送信するルール送信手段と、
を備え、
前記情報処理装置は、
各種情報を表示する表示手段と、
前記プリントサーバーから送信される印刷ルールを取得するルール取得手段と、
ユーザーによる印刷指示に基づいて印刷ジョブの設定を示すヘッダー情報とジョブ本体情報とを含む印刷ジョブを生成して前記プリントサーバーへ送信するジョブ生成手段と、
前記ジョブ生成手段により生成されるヘッダー情報に基づき、前記ルール取得手段によって取得された印刷ルールが前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用されるか否かの仮判断を行い、当該仮判断の結果を前記表示手段へ表示する仮判断手段と、
前記仮判断手段による仮判断の結果が前記表示手段へ表示された後、ユーザーによる続行指示があったときには当該続行指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を続行させ、ユーザーによる中断指示があったときには当該中断指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を中断させるジョブ制御手段と、
を備え、
前記ルール取得手段は、ユーザーによる印刷指示が検知されたタイミングで前記プリントサーバーから印刷ルールを取得する際、前記ジョブ生成手段によって生成される印刷ジョブを前記プリントサーバーへ送信するのに要する印刷ジョブ送信時間と、前記プリントサーバーから印刷ルールを取得するのに要する印刷ルール取得時間とを比較し、印刷ジョブ送信時間が印刷ルール取得時間よりも短いときには前記プリントサーバーからの印刷ルールの取得を行わず、
前記仮判断手段は、前記ルール取得手段によって印刷ルールの取得が行われないときには、前記プリントサーバーから仮判断の結果を取得して前記表示手段へ表示することを特徴とする印刷システム。
【請求項16】
前記ルール取得手段は、前記プリントサーバーから印刷ルールを取得する際、前回取得したタイミングから今回までの間に、前記印刷ルール記憶手段において更新された印刷ルールに関する情報を取得し、当該情報に基づいて前回取得した印刷ルールを更新することを特徴とする請求項14又は15に記載の印刷システム。
【請求項17】
前記ルール送信手段は、前記印刷ルール記憶手段に記憶される印刷ルールの追加、変更又は削除が行われることに伴い、前記印刷ルール記憶手段に記憶された印刷ルールを前記情報処理装置へ送信することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の印刷システム。
【請求項18】
前記ルール送信手段は、前記プリントサーバーが起動されたタイミングで前記印刷ルール記憶手段に記憶されている印刷ルールを前記情報処理装置へ送信することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の印刷システム。
【請求項19】
前記ルール送信手段は、前記印刷ルール記憶手段に記憶されている印刷ルールを前記情報処理装置へ送信した後、前記印刷ルール記憶手段に記憶されている印刷ルールを所定時間間隔で前記情報処理装置へ送信する処理を繰り返すことを特徴とする請求項17又は18に記載の印刷システム。
【請求項20】
前記ルール送信手段は、前記印刷ルール記憶手段に記憶された印刷ルールのうち、前記情報処理装置へ送信するタイミングにおいて適用対象外となる印刷ルールを除いた一部の印刷ルールを前記情報処理装置へ送信することを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載の印刷システム。
【請求項21】
印刷ジョブに印刷ルールを適用して印刷出力を制御するプリントサーバーに対して印刷ジョブを送信する情報処理装置であって、
各種情報を表示する表示手段と、
前記プリントサーバーから印刷ルールを取得するルール取得手段と、
ユーザーによる印刷指示に基づいて印刷ジョブの設定を示すヘッダー情報とジョブ本体情報とを含む印刷ジョブを生成して前記プリントサーバーへ送信するジョブ生成手段と、
前記ジョブ生成手段により生成されるヘッダー情報に基づき、前記ルール取得手段によって取得された印刷ルールが前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用されるか否かの仮判断を行い、当該仮判断の結果を前記表示手段へ表示する仮判断手段と、
前記仮判断手段による仮判断の結果が前記表示手段へ表示された後、ユーザーによる続行指示があったときには当該続行指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を続行させ、ユーザーによる中断指示があったときには当該中断指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を中断させるジョブ制御手段と、
前記仮判断手段による仮判断が行われた後、前記ジョブ生成手段により生成されるヘッダー情報とジョブ本体情報との双方に基づき、前記ルール取得手段によって取得された印刷ルールが前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用されるか否かの本判断を行う本判断手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項22】
印刷ジョブに印刷ルールを適用して印刷出力を制御するプリントサーバーに対して印刷ジョブを送信する情報処理装置であって、
各種情報を表示する表示手段と、
前記プリントサーバーから印刷ルールを取得するルール取得手段と、
ユーザーによる印刷指示に基づいて印刷ジョブの設定を示すヘッダー情報とジョブ本体情報とを含む印刷ジョブを生成して前記プリントサーバーへ送信するジョブ生成手段と、
前記ジョブ生成手段により生成されるヘッダー情報に基づき、前記ルール取得手段によって取得された印刷ルールが前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用されるか否かの仮判断を行い、当該仮判断の結果を前記表示手段へ表示する仮判断手段と、
前記仮判断手段による仮判断の結果が前記表示手段へ表示された後、ユーザーによる続行指示があったときには当該続行指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を続行させ、ユーザーによる中断指示があったときには当該中断指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を中断させるジョブ制御手段と、
を備え、
前記仮判断手段は、仮判断の結果を前記表示手段へ表示する際、前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用すべき印刷ルールが確定していないことを示す情報を付加して表示することを特徴とする情報処理装置。
【請求項23】
印刷ジョブに印刷ルールを適用して印刷出力を制御するプリントサーバーに対して印刷ジョブを送信する情報処理装置であって、
各種情報を表示する表示手段と、
前記プリントサーバーから印刷ルールを取得するルール取得手段と、
ユーザーによる印刷指示に基づいて印刷ジョブの設定を示すヘッダー情報とジョブ本体情報とを含む印刷ジョブを生成して前記プリントサーバーへ送信するジョブ生成手段と、
前記ジョブ生成手段により生成されるヘッダー情報に基づき、前記ルール取得手段によって取得された印刷ルールが前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用されるか否かの仮判断を行い、当該仮判断の結果を前記表示手段へ表示する仮判断手段と、
前記仮判断手段による仮判断の結果が前記表示手段へ表示された後、ユーザーによる続行指示があったときには当該続行指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を続行させ、ユーザーによる中断指示があったときには当該中断指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を中断させるジョブ制御手段と、
を備え、
前記仮判断手段は、仮判断結果を前記表示手段へ表示する際、仮判断によって前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用されることが確定した印刷ルールと、仮判断によって前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用されることが確定していない未確定の印刷ルールとを区別する情報を付加して表示することを特徴とする情報処理装置。
【請求項24】
前記ジョブ制御手段は、ユーザーによる中断指示があったとき、前記ジョブ生成手段による印刷ジョブの生成処理又は前記プリントサーバーへの印刷ジョブの送信処理を中断させることを特徴とする請求項21乃至23のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項25】
前記ジョブ制御手段は、前記本判断手段による本判断の実行中にユーザーによる続行指示又は中断指示があったとき、前記本判断手段による本判断を中止させることを特徴とする請求項21に記載の情報処理装置。
【請求項26】
印刷ジョブに印刷ルールを適用して印刷出力を制御するプリントサーバーに対して印刷ジョブを送信する情報処理装置であって、
各種情報を表示する表示手段と、
前記プリントサーバーから印刷ルールを取得するルール取得手段と、
ユーザーによる印刷指示に基づいて印刷ジョブの設定を示すヘッダー情報とジョブ本体情報とを含む印刷ジョブを生成して前記プリントサーバーへ送信するジョブ生成手段と、
前記ジョブ生成手段により生成されるヘッダー情報に基づき、前記ルール取得手段によって取得された印刷ルールが前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用されるか否かの仮判断を行い、当該仮判断の結果を前記表示手段へ表示する仮判断手段と、
前記仮判断手段による仮判断の結果が前記表示手段へ表示された後、ユーザーによる続行指示があったときには当該続行指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を続行させ、ユーザーによる中断指示があったときには当該中断指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を中断させるジョブ制御手段と、
を備え、
前記ルール取得手段は、ユーザーによる印刷指示が検知されたタイミングで前記プリントサーバーから印刷ルールを取得する際、前記ジョブ生成手段によって生成される印刷ジョブを前記プリントサーバーへ送信するのに要する印刷ジョブ送信時間と、前記プリントサーバーから印刷ルールを取得するのに要する印刷ルール取得時間とを比較し、印刷ジョブ送信時間が印刷ルール取得時間よりも短いときには前記プリントサーバーからの印刷ルールの取得を行わず、
前記仮判断手段は、前記ルール取得手段によって印刷ルールの取得が行われないときには、前記プリントサーバーから仮判断の結果を取得して前記表示手段へ表示することを特徴とする情報処理装置。
【請求項27】
印刷ジョブに印刷ルールを適用して印刷出力を制御するプリントサーバーに対し、ヘッダー情報とジョブ本体情報とを含む印刷ジョブを送信する情報処理装置において実行されるプログラムであって、前記情報処理装置を、
前記プリントサーバーから印刷ルールを取得するルール取得手段、
ユーザーによる印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブの設定を示すヘッダー情報を取得し、当該ヘッダー情報に基づき、前記ルール取得手段によって取得された印刷ルールが前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに適用されるか否かの仮判断を行い、当該仮判断の結果を所定の表示手段へ表示する仮判断手段、
前記仮判断手段による仮判断の結果が前記表示手段へ表示された後、ユーザーによる続行指示があったときには前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに対する処理を続行させ、ユーザーによる中断指示があったときには前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに対する処理を中断させるジョブ制御手段、及び、
前記仮判断手段による仮判断が行われた後、前記印刷指示に基づいて生成されるヘッダー情報とジョブ本体情報との双方に基づき、前記ルール取得手段によって取得された印刷ルールが前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに適用されるか否かの本判断を行う本判断手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項28】
印刷ジョブに印刷ルールを適用して印刷出力を制御するプリントサーバーに対し、ヘッダー情報とジョブ本体情報とを含む印刷ジョブを送信する情報処理装置において実行されるプログラムであって、前記情報処理装置を、
前記プリントサーバーから印刷ルールを取得するルール取得手段、
ユーザーによる印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブの設定を示すヘッダー情報を取得し、当該ヘッダー情報に基づき、前記ルール取得手段によって取得された印刷ルールが前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに適用されるか否かの仮判断を行い、当該仮判断の結果を所定の表示手段へ表示する仮判断手段、及び、
前記仮判断手段による仮判断の結果が前記表示手段へ表示された後、ユーザーによる続行指示があったときには前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに対する処理を続行させ、ユーザーによる中断指示があったときには前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに対する処理を中断させるジョブ制御手段、
として機能させ、
前記仮判断手段は、仮判断の結果を前記表示手段へ表示する際、前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに適用すべき印刷ルールが確定していないことを示す情報を付加して表示することを特徴とするプログラム。
【請求項29】
印刷ジョブに印刷ルールを適用して印刷出力を制御するプリントサーバーに対し、ヘッダー情報とジョブ本体情報とを含む印刷ジョブを送信する情報処理装置において実行されるプログラムであって、前記情報処理装置を、
前記プリントサーバーから印刷ルールを取得するルール取得手段、
ユーザーによる印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブの設定を示すヘッダー情報を取得し、当該ヘッダー情報に基づき、前記ルール取得手段によって取得された印刷ルールが前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに適用されるか否かの仮判断を行い、当該仮判断の結果を所定の表示手段へ表示する仮判断手段、及び、
前記仮判断手段による仮判断の結果が前記表示手段へ表示された後、ユーザーによる続行指示があったときには前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに対する処理を続行させ、ユーザーによる中断指示があったときには前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに対する処理を中断させるジョブ制御手段、
として機能させ、
前記仮判断手段は、仮判断結果を前記表示手段へ表示する際、仮判断によって前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに適用されることが確定した印刷ルールと、仮判断によって前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに適用されることが確定していない未確定の印刷ルールとを区別する情報を付加して表示することを特徴とするプログラム。
【請求項30】
印刷ジョブに印刷ルールを適用して印刷出力を制御するプリントサーバーに対し、ヘッダー情報とジョブ本体情報とを含む印刷ジョブを送信する情報処理装置において実行されるプログラムであって、前記情報処理装置を、
前記プリントサーバーから印刷ルールを取得するルール取得手段、
ユーザーによる印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブの設定を示すヘッダー情報を取得し、当該ヘッダー情報に基づき、前記ルール取得手段によって取得された印刷ルールが前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに適用されるか否かの仮判断を行い、当該仮判断の結果を所定の表示手段へ表示する仮判断手段、及び、
前記仮判断手段による仮判断の結果が前記表示手段へ表示された後、ユーザーによる続行指示があったときには前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに対する処理を続行させ、ユーザーによる中断指示があったときには前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに対する処理を中断させるジョブ制御手段、
として機能させ、
前記ルール取得手段は、ユーザーによる印刷指示が検知されたタイミングで前記プリントサーバーから印刷ルールを取得する際、前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブを前記プリントサーバーへ送信するのに要する印刷ジョブ送信時間と、前記プリントサーバーから印刷ルールを取得するのに要する印刷ルール取得時間とを比較し、印刷ジョブ送信時間が印刷ルール取得時間よりも短いときには前記プリントサーバーからの印刷ルールの取得を行わず、
前記仮判断手段は、前記ルール取得手段によって印刷ルールの取得が行われないときには、前記プリントサーバーから仮判断の結果を取得して前記表示手段へ表示することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷システム、情報処理装置およびプログラムに関し、特にプリントサーバーにおいて印刷ジョブに印刷ルールを適用することにより印刷出力を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドキュメントなどの印刷出力を行う際、その印刷ジョブに含まれる情報に基づいて予め登録された印刷ルールを適用し、その印刷ルールを適用した結果に基づいて印刷出力を行う技術が提案されている。例えば特許文献1には、印刷装置に対し、印刷用途ごとに印刷設定を定義した印刷ルールを予め登録しておく技術が開示されている。この従来技術では、印刷装置が印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブに含まれるテンプレート情報に基づいて印刷用途を特定する。そして、その特定した印刷用途に対応する印刷ルールを適用して両面印刷や割付印刷などの印刷設定を行って印刷出力する構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−338237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、印刷ジョブに印刷ルールを適用して印刷出力を行う場合、ユーザーにとって意図しない出力結果となってしまうことがある。例えば、上記従来技術のように、印刷ジョブに対して印刷ルールが適用されることによって両面印刷と2in1割付印刷とが自動設定されるような場合には、仮にユーザーが印刷対象ドキュメントの1ページを印刷用紙の片面全体に印刷することを意図していたとしても、強制的に両面印刷と2in1割付印刷との設定が行われる。それ故、このような場合には、出力結果がユーザーにとって意図しないものであるため、印刷物が無駄になることがあり、印刷ルールの目的である印刷コストを削減することができないという問題がある。
【0005】
このような問題点を解決するため、例えば印刷装置が印刷ジョブを受信した場合には、その印刷ジョブに印刷ルールを適用した処理を進める前に、その印刷ルールの適用結果を提示してユーザーに確認させるようにすれば良い。この場合、ユーザーは、印刷ルールの適用結果を確認したうえで、印刷出力を進めるか否かを決定することができるため、印刷出力が無駄になってしまうことを未然に防止することができる。
【0006】
ところが、近年においては、印刷ジョブに適用される印刷ルールが多様化する傾向にある。例えば、出力枚数が所定枚数を超える印刷ジョブの場合には2in1割付印刷で印刷出力を行う、という印刷ルールが登録されることもある。このような印刷ルールが登録されている場合には、当該印刷ルールを印刷ジョブに適用するか否かを判断する際に、受信した印刷ジョブに含まれる全てのデータを解析して出力枚数を検出することが必要となる。
【0007】
しかし、データサイズの大きい印刷ジョブの場合、印刷ジョブの受信が完了するまでに要する時間が長くなり、しかも印刷ジョブに含まれるデータの解析に要する時間も長くなる。そのため、印刷ジョブを投入したユーザーに対して印刷ルールの適用結果が提示されるまでに非常に長い時間を要するケースが発生する。そのような場合、ユーザーが印刷ルールの適用結果を確認できるようになるまでに非常に長い待ち時間が発生するという問題がある。またユーザーにとっては、印刷ジョブの送信操作を行った後、しばらくの時間が経っても表示画面が変化しないため、印刷ルールの適用結果が表示されることに気付かずに、印刷物を取得しようとして印刷装置の設置場所まで移動して待機することも考えられる。その場合には印刷装置の前でユーザーが長時間待機していても印刷出力は開始されないため、ユーザーにとって無駄な時間や労力が発生し得るという問題もある。
【0008】
そこで本発明は、上記従来の問題点を解決すべくなされたものであり、印刷ルールを適用して印刷出力を行う際に、印刷ジョブを投入したユーザーに対して速やかに印刷ルールの適用結果を提示できるようにして無駄な時間が発生しないようにした印刷システム、情報処理装置およびプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、情報処理装置から送信される印刷ジョブに対し、プリントサーバーにおいて予め登録された印刷ルールを適用し、当該印刷ルールに定められた処理を行うことにより印刷出力を制御する印刷システムであって、前記プリントサーバーは、印刷ルールを記憶する印刷ルール記憶手段と、前記印刷ルール記憶手段に記憶された印刷ルールを前記情報処理装置へ送信するルール送信手段と、を備え、前記情報処理装置は、各種情報を表示する表示手段と、前記プリントサーバーから送信される印刷ルールを取得するルール取得手段と、ユーザーによる印刷指示に基づいて印刷ジョブの設定を示すヘッダー情報とジョブ本体情報とを含む印刷ジョブを生成して前記プリントサーバーへ送信するジョブ生成手段と、前記ジョブ生成手段により生成されるヘッダー情報に基づき、前記ルール取得手段によって取得された印刷ルールが前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用されるか否かの仮判断を行い、当該仮判断の結果を前記表示手段へ表示する仮判断手段と、前記仮判断手段による仮判断の結果が前記表示手段へ表示された後、ユーザーによる続行指示があったときには当該続行指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を続行させ、ユーザーによる中断指示があったときには当該中断指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を中断させるジョブ制御手段と、前記仮判断手段による仮判断が行われた後、前記ジョブ生成手段により生成されるヘッダー情報とジョブ本体情報との双方に基づき、前記ルール取得手段によって取得された印刷ルールが前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用されるか否かの本判断を行う本判断手段と、を備えることを特徴とする構成である。
請求項2に係る発明は、情報処理装置から送信される印刷ジョブに対し、プリントサーバーにおいて予め登録された印刷ルールを適用し、当該印刷ルールに定められた処理を行うことにより印刷出力を制御する印刷システムであって、前記プリントサーバーは、印刷ルールを記憶する印刷ルール記憶手段と、前記印刷ルール記憶手段に記憶された印刷ルールを前記情報処理装置へ送信するルール送信手段と、を備え、前記情報処理装置は、各種情報を表示する表示手段と、前記プリントサーバーから送信される印刷ルールを取得するルール取得手段と、ユーザーによる印刷指示に基づいて印刷ジョブの設定を示すヘッダー情報とジョブ本体情報とを含む印刷ジョブを生成して前記プリントサーバーへ送信するジョブ生成手段と、前記ジョブ生成手段により生成されるヘッダー情報に基づき、前記ルール取得手段によって取得された印刷ルールが前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用されるか否かの仮判断を行い、当該仮判断の結果を前記表示手段へ表示する仮判断手段と、前記仮判断手段による仮判断の結果が前記表示手段へ表示された後、ユーザーによる続行指示があったときには当該続行指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を続行させ、ユーザーによる中断指示があったときには当該中断指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を中断させるジョブ制御手段と、を備え、前記仮判断手段は、仮判断の結果を前記表示手段へ表示する際、前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用すべき印刷ルールが確定していないことを示す情報を付加して表示することを特徴とする構成である。
請求項3に係る発明は、情報処理装置から送信される印刷ジョブに対し、プリントサーバーにおいて予め登録された印刷ルールを適用し、当該印刷ルールに定められた処理を行うことにより印刷出力を制御する印刷システムであって、前記プリントサーバーは、印刷ルールを記憶する印刷ルール記憶手段と、前記印刷ルール記憶手段に記憶された印刷ルールを前記情報処理装置へ送信するルール送信手段と、を備え、前記情報処理装置は、各種情報を表示する表示手段と、前記プリントサーバーから送信される印刷ルールを取得するルール取得手段と、ユーザーによる印刷指示に基づいて印刷ジョブの設定を示すヘッダー情報とジョブ本体情報とを含む印刷ジョブを生成して前記プリントサーバーへ送信するジョブ生成手段と、前記ジョブ生成手段により生成されるヘッダー情報に基づき、前記ルール取得手段によって取得された印刷ルールが前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用されるか否かの仮判断を行い、当該仮判断の結果を前記表示手段へ表示する仮判断手段と、前記仮判断手段による仮判断の結果が前記表示手段へ表示された後、ユーザーによる続行指示があったときには当該続行指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を続行させ、ユーザーによる中断指示があったときには当該中断指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を中断させるジョブ制御手段と、を備え、前記仮判断手段は、仮判断結果を前記表示手段へ表示する際、仮判断によって前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用されることが確定した印刷ルールと、仮判断によって前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用されることが確定していない未確定の印刷ルールとを区別する情報を付加して表示することを特徴とする構成である。
【0010】
請求項に係る発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の印刷システムにおいて、前記ジョブ制御手段は、ユーザーによる中断指示があったとき、前記ジョブ生成手段による印刷ジョブの生成処理又は前記プリントサーバーへの印刷ジョブの送信処理を中断させることを特徴とする構成である。
【0012】
請求項に係る発明は、請求項に記載の印刷システムにおいて、前記ジョブ制御手段は、前記本判断手段による本判断の実行中にユーザーによる続行指示又は中断指示があったとき、前記本判断手段による本判断を中止させることを特徴とする構成である。
【0013】
請求項に係る発明は、請求項に記載の印刷システムにおいて、前記ジョブ制御手段は、ユーザーによる続行指示に基づいて前記本判断手段による本判断を中止させるとき、当該続行指示と前記仮判断手段による仮判断の結果とに基づき、前記プリントサーバーに対して印刷ジョブに適用すべき印刷ルールを指示することを特徴とする構成である。
【0014】
請求項に係る発明は、請求項1、5又は6に記載の印刷システムにおいて、前記本判断手段は、本判断の結果が前記仮判断手段による仮判断の結果と異なる場合、当該異なる結果を前記表示手段へ表示することを特徴とする構成である。
【0015】
請求項に係る発明は、請求項に記載の印刷システムにおいて、前記仮判断手段は、前記本判断手段による本判断の結果が前記仮判断手段による仮判断の結果と異なる場合、異なる結果に対応する印刷ルールについて他の印刷ルールと異なる表示形態で前記表示手段に表示することを特徴とする構成である。
【0016】
請求項に係る発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の印刷システムにおいて、前記情報処理装置は、さらに、前記続行指示又は前記中断指示をユーザーから受け付ける指示手段、を備えることを特徴とする構成である。
【0019】
請求項10に係る発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の印刷システムにおいて、前記ヘッダー情報には、ユーザーを特定するためのユーザー情報、印刷対象ドキュメントに関するドキュメント情報、及び、ユーザーによって指定された印刷設定に関する印刷設定情報のうちの少なくとも1つが含まれることを特徴とする構成である。
【0020】
請求項11に係る発明は、請求項1乃至10のいずれかに記載の印刷システムにおいて、前記印刷ルールは複数の種類の印刷ルールを有し、前記仮判断手段はそれぞれの種類ごとに、当該印刷ジョブに適用される印刷ルールを仮判断することを特徴とする構成である。
【0021】
請求項12に係る発明は、請求項1乃至11のいずれかに記載の印刷システムにおいて、前記ルール取得手段は、前記情報処理装置が起動されたタイミングで前記プリントサーバーから印刷ルールを取得して所定の記憶手段に記憶しておくことを特徴とする構成である。
【0022】
請求項13に係る発明は、請求項1乃至11のいずれかに記載の印刷システムにおいて、前記ルール取得手段は、前記情報処理装置において特定のアプリケーションが起動されたタイミングで前記プリントサーバーから印刷ルールを取得して所定の記憶手段に記憶しておくことを特徴とする構成である。
【0023】
請求項14に係る発明は、請求項12又は13に記載の印刷システムにおいて、前記ルール取得手段は、前記記憶手段に印刷ルールを記憶した後、所定時間間隔で前記プリントサーバーから印刷ルールを繰り返し取得して前記記憶手段に記憶した印刷ルールを更新することを特徴とする構成である。
【0024】
請求項15に係る発明は、情報処理装置から送信される印刷ジョブに対し、プリントサーバーにおいて予め登録された印刷ルールを適用し、当該印刷ルールに定められた処理を行うことにより印刷出力を制御する印刷システムであって、前記プリントサーバーは、印刷ルールを記憶する印刷ルール記憶手段と、前記印刷ルール記憶手段に記憶された印刷ルールを前記情報処理装置へ送信するルール送信手段と、を備え、前記情報処理装置は、各種情報を表示する表示手段と、前記プリントサーバーから送信される印刷ルールを取得するルール取得手段と、ユーザーによる印刷指示に基づいて印刷ジョブの設定を示すヘッダー情報とジョブ本体情報とを含む印刷ジョブを生成して前記プリントサーバーへ送信するジョブ生成手段と、前記ジョブ生成手段により生成されるヘッダー情報に基づき、前記ルール取得手段によって取得された印刷ルールが前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用されるか否かの仮判断を行い、当該仮判断の結果を前記表示手段へ表示する仮判断手段と、前記仮判断手段による仮判断の結果が前記表示手段へ表示された後、ユーザーによる続行指示があったときには当該続行指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を続行させ、ユーザーによる中断指示があったときには当該中断指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を中断させるジョブ制御手段と、を備え、前記ルール取得手段は、ユーザーによる印刷指示が検知されたタイミングで前記プリントサーバーから印刷ルールを取得する際、前記ジョブ生成手段によって生成される印刷ジョブを前記プリントサーバーへ送信するのに要する印刷ジョブ送信時間と、前記プリントサーバーから印刷ルールを取得するのに要する印刷ルール取得時間とを比較し、印刷ジョブ送信時間が印刷ルール取得時間よりも短いときには前記プリントサーバーからの印刷ルールの取得を行わず、前記仮判断手段は、前記ルール取得手段によって印刷ルールの取得が行われないときには、前記プリントサーバーから仮判断の結果を取得して前記表示手段へ表示することを特徴とする構成である。
【0026】
請求項16に係る発明は、請求項14又は15に記載の印刷システムにおいて、前記ルール取得手段は、前記プリントサーバーから印刷ルールを取得する際、前回取得したタイミングから今回までの間に、前記印刷ルール記憶手段において更新された印刷ルールに関する情報を取得し、当該情報に基づいて前回取得した印刷ルールを更新することを特徴とする構成である。
【0027】
請求項17に係る発明は、請求項1乃至11のいずれかに記載の印刷システムにおいて、前記ルール送信手段は、前記印刷ルール記憶手段に記憶される印刷ルールの追加、変更又は削除が行われることに伴い、前記印刷ルール記憶手段に記憶された印刷ルールを前記情報処理装置へ送信することを特徴とする構成である。
【0028】
請求項18に係る発明は、請求項1乃至11のいずれかに記載の印刷システムにおいて、前記ルール送信手段は、前記プリントサーバーが起動されたタイミングで前記印刷ルール記憶手段に記憶されている印刷ルールを前記情報処理装置へ送信することを特徴とする構成である。
【0029】
請求項19に係る発明は、請求項17又は18に記載の印刷システムにおいて、前記ルール送信手段は、前記印刷ルール記憶手段に記憶されている印刷ルールを前記情報処理装置へ送信した後、前記印刷ルール記憶手段に記憶されている印刷ルールを所定時間間隔で前記情報処理装置へ送信する処理を繰り返すことを特徴とする構成である。
【0030】
請求項20に係る発明は、請求項1乃至19のいずれかに記載の印刷システムにおいて、前記ルール送信手段は、前記印刷ルール記憶手段に記憶された印刷ルールのうち、前記情報処理装置へ送信するタイミングにおいて適用対象外となる印刷ルールを除いた一部の印刷ルールを前記情報処理装置へ送信することを特徴とする構成である。
【0031】
請求項21に係る発明は、印刷ジョブに印刷ルールを適用して印刷出力を制御するプリントサーバーに対して印刷ジョブを送信する情報処理装置であって、各種情報を表示する表示手段と、前記プリントサーバーから印刷ルールを取得するルール取得手段と、ユーザーによる印刷指示に基づいて印刷ジョブの設定を示すヘッダー情報とジョブ本体情報とを含む印刷ジョブを生成して前記プリントサーバーへ送信するジョブ生成手段と、前記ジョブ生成手段により生成されるヘッダー情報に基づき、前記ルール取得手段によって取得された印刷ルールが前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用されるか否かの仮判断を行い、当該仮判断の結果を前記表示手段へ表示する仮判断手段と、前記仮判断手段による仮判断の結果が前記表示手段へ表示された後、ユーザーによる続行指示があったときには当該続行指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を続行させ、ユーザーによる中断指示があったときには当該中断指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を中断させるジョブ制御手段と、前記仮判断手段による仮判断が行われた後、前記ジョブ生成手段により生成されるヘッダー情報とジョブ本体情報との双方に基づき、前記ルール取得手段によって取得された印刷ルールが前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用されるか否かの本判断を行う本判断手段と、を備えることを特徴とする構成である。
請求項22に係る発明は、印刷ジョブに印刷ルールを適用して印刷出力を制御するプリントサーバーに対して印刷ジョブを送信する情報処理装置であって、各種情報を表示する表示手段と、前記プリントサーバーから印刷ルールを取得するルール取得手段と、ユーザーによる印刷指示に基づいて印刷ジョブの設定を示すヘッダー情報とジョブ本体情報とを含む印刷ジョブを生成して前記プリントサーバーへ送信するジョブ生成手段と、前記ジョブ生成手段により生成されるヘッダー情報に基づき、前記ルール取得手段によって取得された印刷ルールが前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用されるか否かの仮判断を行い、当該仮判断の結果を前記表示手段へ表示する仮判断手段と、前記仮判断手段による仮判断の結果が前記表示手段へ表示された後、ユーザーによる続行指示があったときには当該続行指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を続行させ、ユーザーによる中断指示があったときには当該中断指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を中断させるジョブ制御手段と、を備え、前記仮判断手段は、仮判断の結果を前記表示手段へ表示する際、前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用すべき印刷ルールが確定していないことを示す情報を付加して表示することを特徴とする構成である。
請求項23に係る発明は、印刷ジョブに印刷ルールを適用して印刷出力を制御するプリントサーバーに対して印刷ジョブを送信する情報処理装置であって、各種情報を表示する表示手段と、前記プリントサーバーから印刷ルールを取得するルール取得手段と、ユーザーによる印刷指示に基づいて印刷ジョブの設定を示すヘッダー情報とジョブ本体情報とを含む印刷ジョブを生成して前記プリントサーバーへ送信するジョブ生成手段と、前記ジョブ生成手段により生成されるヘッダー情報に基づき、前記ルール取得手段によって取得された印刷ルールが前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用されるか否かの仮判断を行い、当該仮判断の結果を前記表示手段へ表示する仮判断手段と、前記仮判断手段による仮判断の結果が前記表示手段へ表示された後、ユーザーによる続行指示があったときには当該続行指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を続行させ、ユーザーによる中断指示があったときには当該中断指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を中断させるジョブ制御手段と、を備え、前記仮判断手段は、仮判断結果を前記表示手段へ表示する際、仮判断によって前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用されることが確定した印刷ルールと、仮判断によって前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用されることが確定していない未確定の印刷ルールとを区別する情報を付加して表示することを特徴とする構成である。
【0032】
請求項24に係る発明は、請求項21乃至23のいずれかに記載の情報処理装置において、前記ジョブ制御手段は、ユーザーによる中断指示があったとき、前記ジョブ生成手段による印刷ジョブの生成処理又は前記プリントサーバーへの印刷ジョブの送信処理を中断させることを特徴とする構成である。
【0034】
請求項25に係る発明は、請求項21に記載の情報処理装置において、前記ジョブ制御手段は、前記本判断手段による本判断の実行中にユーザーによる続行指示又は中断指示があったとき、前記本判断手段による本判断を中止させることを特徴とする構成である。
請求項26に係る発明は、印刷ジョブに印刷ルールを適用して印刷出力を制御するプリントサーバーに対して印刷ジョブを送信する情報処理装置であって、各種情報を表示する表示手段と、前記プリントサーバーから印刷ルールを取得するルール取得手段と、ユーザーによる印刷指示に基づいて印刷ジョブの設定を示すヘッダー情報とジョブ本体情報とを含む印刷ジョブを生成して前記プリントサーバーへ送信するジョブ生成手段と、前記ジョブ生成手段により生成されるヘッダー情報に基づき、前記ルール取得手段によって取得された印刷ルールが前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに適用されるか否かの仮判断を行い、当該仮判断の結果を前記表示手段へ表示する仮判断手段と、前記仮判断手段による仮判断の結果が前記表示手段へ表示された後、ユーザーによる続行指示があったときには当該続行指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を続行させ、ユーザーによる中断指示があったときには当該中断指示に基づき前記ジョブ生成手段で生成される印刷ジョブに対する処理を中断させるジョブ制御手段と、を備え、前記ルール取得手段は、ユーザーによる印刷指示が検知されたタイミングで前記プリントサーバーから印刷ルールを取得する際、前記ジョブ生成手段によって生成される印刷ジョブを前記プリントサーバーへ送信するのに要する印刷ジョブ送信時間と、前記プリントサーバーから印刷ルールを取得するのに要する印刷ルール取得時間とを比較し、印刷ジョブ送信時間が印刷ルール取得時間よりも短いときには前記プリントサーバーからの印刷ルールの取得を行わず、前記仮判断手段は、前記ルール取得手段によって印刷ルールの取得が行われないときには、前記プリントサーバーから仮判断の結果を取得して前記表示手段へ表示することを特徴とする構成である。
【0035】
請求項27に係る発明は、印刷ジョブに印刷ルールを適用して印刷出力を制御するプリントサーバーに対し、ヘッダー情報とジョブ本体情報とを含む印刷ジョブを送信する情報処理装置において実行されるプログラムであって、前記情報処理装置を、前記プリントサーバーから印刷ルールを取得するルール取得手段、ユーザーによる印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブの設定を示すヘッダー情報を取得し、当該ヘッダー情報に基づき、前記ルール取得手段によって取得された印刷ルールが前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに適用されるか否かの仮判断を行い、当該仮判断の結果を所定の表示手段へ表示する仮判断手段、前記仮判断手段による仮判断の結果が前記表示手段へ表示された後、ユーザーによる続行指示があったときには前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに対する処理を続行させ、ユーザーによる中断指示があったときには前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに対する処理を中断させるジョブ制御手段、及び、前記仮判断手段による仮判断が行われた後、前記印刷指示に基づいて生成されるヘッダー情報とジョブ本体情報との双方に基づき、前記ルール取得手段によって取得された印刷ルールが前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに適用されるか否かの本判断を行う本判断手段、として機能させることを特徴とする構成である。
請求項28に係る発明は、印刷ジョブに印刷ルールを適用して印刷出力を制御するプリントサーバーに対し、ヘッダー情報とジョブ本体情報とを含む印刷ジョブを送信する情報処理装置において実行されるプログラムであって、前記情報処理装置を、前記プリントサーバーから印刷ルールを取得するルール取得手段、ユーザーによる印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブの設定を示すヘッダー情報を取得し、当該ヘッダー情報に基づき、前記ルール取得手段によって取得された印刷ルールが前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに適用されるか否かの仮判断を行い、当該仮判断の結果を所定の表示手段へ表示する仮判断手段、及び、前記仮判断手段による仮判断の結果が前記表示手段へ表示された後、ユーザーによる続行指示があったときには前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに対する処理を続行させ、ユーザーによる中断指示があったときには前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに対する処理を中断させるジョブ制御手段、として機能させ、前記仮判断手段は、仮判断の結果を前記表示手段へ表示する際、前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに適用すべき印刷ルールが確定していないことを示す情報を付加して表示することを特徴とする構成である。
請求項29に係る発明は、印刷ジョブに印刷ルールを適用して印刷出力を制御するプリントサーバーに対し、ヘッダー情報とジョブ本体情報とを含む印刷ジョブを送信する情報処理装置において実行されるプログラムであって、前記情報処理装置を、前記プリントサーバーから印刷ルールを取得するルール取得手段、ユーザーによる印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブの設定を示すヘッダー情報を取得し、当該ヘッダー情報に基づき、前記ルール取得手段によって取得された印刷ルールが前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに適用されるか否かの仮判断を行い、当該仮判断の結果を所定の表示手段へ表示する仮判断手段、及び、前記仮判断手段による仮判断の結果が前記表示手段へ表示された後、ユーザーによる続行指示があったときには前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに対する処理を続行させ、ユーザーによる中断指示があったときには前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに対する処理を中断させるジョブ制御手段、として機能させ、前記仮判断手段は、仮判断結果を前記表示手段へ表示する際、仮判断によって前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに適用されることが確定した印刷ルールと、仮判断によって前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに適用されることが確定していない未確定の印刷ルールとを区別する情報を付加して表示することを特徴とする構成である。
請求項30に係る発明は、印刷ジョブに印刷ルールを適用して印刷出力を制御するプリントサーバーに対し、ヘッダー情報とジョブ本体情報とを含む印刷ジョブを送信する情報処理装置において実行されるプログラムであって、前記情報処理装置を、前記プリントサーバーから印刷ルールを取得するルール取得手段、ユーザーによる印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブの設定を示すヘッダー情報を取得し、当該ヘッダー情報に基づき、前記ルール取得手段によって取得された印刷ルールが前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに適用されるか否かの仮判断を行い、当該仮判断の結果を所定の表示手段へ表示する仮判断手段、及び、前記仮判断手段による仮判断の結果が前記表示手段へ表示された後、ユーザーによる続行指示があったときには前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに対する処理を続行させ、ユーザーによる中断指示があったときには前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブに対する処理を中断させるジョブ制御手段、として機能させ、前記ルール取得手段は、ユーザーによる印刷指示が検知されたタイミングで前記プリントサーバーから印刷ルールを取得する際、前記印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブを前記プリントサーバーへ送信するのに要する印刷ジョブ送信時間と、前記プリントサーバーから印刷ルールを取得するのに要する印刷ルール取得時間とを比較し、印刷ジョブ送信時間が印刷ルール取得時間よりも短いときには前記プリントサーバーからの印刷ルールの取得を行わず、前記仮判断手段は、前記ルール取得手段によって印刷ルールの取得が行われないときには、前記プリントサーバーから仮判断の結果を取得して前記表示手段へ表示することを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、印刷ルールを適用して印刷出力を行う際に、印刷ジョブを投入したユーザーに対して速やかに印刷ルールの適用結果を提示することができるようになり、ユーザーが無駄な時間を費やすことがなくなる。したがって、ユーザーが印刷出力を行う際の利便性や操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】印刷システムの構成概念を示す図である。
図2】ルール情報の一例を示す図である。
図3】印刷システムのハードウェア構成及び機能構成を示すブロック図である。
図4】ジョブ生成部において生成される印刷ジョブのデータ構造の一例を示す図である。
図5】情報処理装置において本判断が行われて印刷出力される場合の処理の概要を示す図である。
図6】情報処理装置において表示される仮判断結果画面の一例を示す図である。
図7】情報処理装置において表示される本判断結果画面の一例を示す図である。
図8】情報処理装置において本判断が終了していない状態でユーザーが仮判断結果に対する続行指示又は中断指示を行った場合の処理の概要を示す図である。
図9】プリントサーバーが適用対象外となる印刷ルールを除いた一部の印刷ルールだけを情報処理装置へ送信する場合の処理の概要を示す図である。
図10】情報処理装置のルール管理部において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
図11】第2実施形態において情報処理装置のルール管理部で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
図12】情報処理装置が起動されたタイミングでプリントサーバーから印刷ルールを取得する処理の概要を示す図である。
図13】情報処理装置において特定のアプリケーションが起動されたタイミングでルール管理部がプリントサーバーから印刷ルールを取得する処理の概要を示す図である。
図14】プリントサーバーが起動されたタイミングでプリントサーバーから情報処理装置に印刷ルールを送信する処理の概要を示す図である。
図15】プリントサーバーにおいてルール情報の印刷ルールが追加、変更又は削除されたタイミングでプリントサーバーから情報処理装置に印刷ルールを送信する処理の概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0039】
(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態における印刷システム1の構成概念を示す図である。この印刷システム1は、複数の情報処理装置2,9と、プリントサーバー3と、画像形成装置5とを備えて構成されるネットワークシステムであり、例えばオフィスなどにおいて印刷出力を行うために構築されるシステムである。この印刷システム1では、複数の情報処理装置2,9、プリントサーバー3及び画像形成装置5のそれぞれが、LAN(Local Area Network)などのネットワークを介して有線又は無線によるデータ通信を行うことが可能である。
【0040】
情報処理装置2,9は、例えば一般的なコンピュータ(PC)などによって構成される。このうち、情報処理装置2はユーザーが印刷対象となるドキュメントなどを編集・作成して印刷ジョブJB1をプリントサーバー3へ出力するものである。また情報処理装置9は、管理者によって使用され、プリントサーバー3に対して様々な情報を登録することができる装置である。尚、情報処理装置2は、ユーザーごとに設けられたものであっても良い。
【0041】
画像形成装置5は、例えばMFP(Multifunction Peripherals)などで構成される。この画像形成装置5は、ネットワークを介して入力する印刷ジョブに基づき、印刷用紙などに画像形成を行って印刷出力を行うプリント機能を有している。画像形成装置5は、複数色のトナー又はインクを搭載しており、入力する印刷ジョブがカラージョブであればそれら複数色を用いた画像形成を行うことによってカラー出力を行う。これに対し、入力する印刷ジョブがモノクロジョブである場合、画像形成装置5は、黒色だけを用いた画像形成を行うことによってモノクロ出力を行う。また画像形成装置5は、入力する印刷ジョブの印刷設定に基づき、例えば1枚の印刷用紙に対して複数ページの原稿を自動割り付けして印刷出力をしたり、両面印刷を行ったりすることもできる。また画像形成装置5は、印刷設定に基づき、印刷出力時に所定の画像(ウォーターマークや文字列など)を合成して出力することもできる。
【0042】
図1では、画像形成装置5が1台である場合を示しているが、これに限られるものではない。すなわち、印刷システム1は、複数の画像形成装置5を備えるものであっても構わない。この場合、複数の画像形成装置5には、異なるタイプの画像形成装置5が含まれていても良い。例えば、上述したようにカラー出力とモノクロ出力の両方を行うことができるカラー出力機と、黒色のトナー又はインクだけが搭載されたモノクロ専用機とが混在する印刷システム1であっても構わない。
【0043】
プリントサーバー3は、印刷システム1において情報処理装置2から出力される印刷ジョブJB1を集中管理し、印刷ジョブJB1に印刷ルールを適用して画像形成装置5に出力することにより、その印刷ルールに予め定められた出力条件に適合するように印刷出力を制御する装置である。印刷ルールに定められる出力条件には、様々な条件があり、例えば印刷ジョブJB1の印刷設定を所定の設定状態に変更して出力する条件や、複数の画像形成装置5がある場合には特定の画像形成装置5を指定して出力する条件などがある。
【0044】
プリントサーバー3は、情報処理装置2から印刷ジョブJB1を受信すると、その印刷ジョブJB1に対して適用すべき印刷ルールを判断する。そしてその判断結果に基づいて印刷ジョブJB1に印刷ルールを適用し、必要に応じて印刷ジョブJB1の印刷設定や出力先装置などを変更する。つまり、プリントサーバー3は、入力する印刷ジョブJB1を、印刷ルールに適合させた印刷ジョブJB2に自動変換する。その後、プリントサーバー3は、印刷ルールに適合させた印刷ジョブJB2を画像形成装置5へ出力する。
【0045】
このプリントサーバー3は、ハードディスク装置などで構成される不揮発性の記憶装置4を備えている。この記憶装置4には、プリントサーバー3が受信する印刷ジョブJB1を一時的に保存することが可能である。また記憶装置4は、印刷ルール記憶手段として機能し、予め管理者によって登録される様々な印刷ルールが格納されたルール情報6を記憶する。このルール情報6は、管理者が操作する情報処理装置9によってプリントサーバー3に登録される情報である。
【0046】
ルール情報6には、少なくとも1つの印刷ルールが登録されている。図2は、ルール情報6の一例を示す図である。ルール情報6には、複数の印刷ルールが登録可能であり、図2に示す例では、印刷ルールA〜Gの7つのルールが登録されている。そしてルール情報6は、それらの印刷ルールごとに個別に記録される項目として、印刷ルールを識別するための名称などが記録される印刷ルール6aと、印刷ルールが適用されるユーザーが記録される適用ユーザー6bと、印刷ルールの適用対象となるジョブが記録される印刷ルール適用対象ジョブ6cと、印刷ルールを適用して行う処理が記録される印刷ルール適用処理6dと、印刷ルールの適用を除外する選択が可能であるか否かが記録される適用除外選択可否6eとを有している。
【0047】
例えば、印刷ルールAは、10ページ以上の印刷ジョブJB1を受信した場合にその印刷ジョブJB1の印刷設定を2in1設定に変更して印刷出力を行うことが定義されたルールである。尚、2in1設定は、印刷対象ドキュメントの2ページ分を1枚の印刷用紙に自動的に割り付ける設定である。また印刷ルールBは、12:00から13:00の時間帯に印刷ジョブを受信した場合にその印刷ジョブJB1を一時保留状態(スプール状態)にして13:00になったタイミングで印刷出力を行うことが定義されたルールである。印刷ルールCは、特定のエリア(6階のフロア)から送信された印刷ジョブJB1を受信した場合にその印刷ジョブJB1の印刷設定を両面印刷設定に変更して印刷出力を行うことが定義されたルールである。印刷ルールDは、ドキュメントの作成や編集を行うためのドキュメントアプリケーションで生成された印刷ジョブJB1を受信した場合にその印刷ジョブJB1の印刷設定を1ページずつナンバリングする設定に変更して印刷出力を行うことが定義されたルールである。印刷ルールEは、プレゼンテーション資料などの作成や編集を行うためのプレゼンテーションアプリケーションで生成された印刷ジョブJB1を受信した場合にその印刷ジョブJB1の印刷設定をフルカラー印刷設定に変更して印刷出力を行うことが定義されたルールである。印刷ルールFは、電子メールの送受信を行うための電子メールアプリケーションで生成された印刷ジョブJB1を受信した場合にその印刷ジョブJB1の印刷設定をモノクロ印刷設定に変更して印刷出力を行うことが定義されたルールである。印刷ルールGは、モノクロページだけを含む印刷ジョブJB1を受信した場合にその印刷ジョブJB1の出力先をモノクロ専用機に変更して印刷出力を行うことが定義されたルールである。
【0048】
そして各印刷ルールA〜Gの適用ユーザー6bの項目に、その印刷ルールを適用すべきユーザーのユーザー名やユーザーIDなどが予め登録されて記録される。尚、適用ユーザー6bの項目には、複数のユーザーが登録されていても良いし、一人のユーザーだけが登録されていても良い。
【0049】
また図2に示すように、各印刷ルールA〜Gはユーザーによる適用除外の選択が許可されたルールである。すなわち、ルール情報6において適用除外選択可否6eの項目が「許可」である印刷ルールは、ユーザーが当該印刷ルールの適用除外を選択することが可能なルールである。これに対し、適用除外選択可否6eの項目が「禁止」である印刷ルールは、ユーザーが印刷ルールの適用除外を選択することができないルールである。尚、本実施形態では、印刷ルールA〜Gの全てがユーザーによる適用除外の選択が許可されたルールとなっているが、ユーザーによる適用除外の選択を禁止するルールに設定したいときには、管理者が予め適用除外選択可否6eの項目を「禁止」に設定しておけば良い。
【0050】
図2に示すルール情報6において印刷ルールごとに登録される各項目6a〜6eには、管理者によって予め登録される情報が記録される。
【0051】
プリントサーバー3は、ネットワークを介して印刷ジョブJB1を受信すると、上記のようなルール情報6に基づき、その印刷ジョブJB1に対して適用すべき印刷ルールを決定するための判断を行う。すなわち、プリントサーバー3は、まず印刷ジョブJB1を投入したユーザーを特定し、そのユーザーに適用される印刷ルールを全て抽出する。そして受信した印刷ジョブJB1が各印刷ルールの適用対象ジョブに該当するか否かを判断することにより、印刷ジョブJB1に対して適用すべき印刷ルールを決定する。このような判断により、一の印刷ジョブJB1に適用すべき印刷ルールとして、複数の印刷ルールが決定されることもある。そしてプリントサーバー3は、受信した印刷ジョブJB1に対し、決定した印刷ルールの印刷ルール適用処理を実行することにより、印刷ルールに適合した印刷ジョブJB2を生成して出力する。
【0052】
そして本実施形態の印刷システム1は、プリントサーバー3において印刷ジョブJB1に対する印刷ルールの自動適用が行われることにより、ユーザーの意図しない出力態様での印刷出力が行われてしまうことを防止するため、図1に示すように、情報処理装置2がプリントサーバー3からユーザーに適用される印刷ルールD1を取得し、プリントサーバー3に対して印刷ジョブJB1を送信するときには、そのジョブに基づく印刷出力が開始される前にユーザーに対して印刷ルールの適用結果を提示し、ユーザーが出力態様などの事前確認作業を行うことができるように構成される。以下、このような印刷システム1について詳しく説明する。
【0053】
図3は、本実施形態における印刷システム1のハードウェア構成及び機能構成を示すブロック図である。尚、図3では、画像形成装置5と、管理者が使用する情報処理装置9との図示を省略している。
【0054】
図3に示すように、情報処理装置2は、CPU(Central Processing Unit)とメモリとを備えて構成される制御部20と、液晶ディスプレイなどで構成される表示部21と、キーボードやマウスなどで構成される操作入力部22と、ハードディスク装置などで構成される記憶部23とを備えている。記憶部23には、制御部20のCPUによって実行される様々なプログラムが予めインストールされている。本実施形態では、図3に示すように、ドキュメントアプリケーションやプレゼンテーションアプリケーション、電子メールアプリケーションなどのアプリケーションプログラム24と、ユーザーによる印刷指示に基づいて印刷ジョブJB1を生成するためのドライバプログラム25と、情報処理装置2のユーザーに適用される印刷ルールを管理するためのルール管理プログラム26とが予め記憶部23にインストールされている。制御部20のCPUによってそれらのプログラム24,25,26が実行されることにより、制御部20は、アプリケーション27、印刷ドライバ28及びルール管理部30として機能する。
【0055】
アプリケーション27は、アプリケーションプログラム24の起動に伴って作動し、ユーザーの指示操作に基づいて印刷対象となるドキュメントやプレゼンテーション資料、電子メールなどの作成、編集又は閲覧などの処理を行うものである。
【0056】
印刷ドライバ28は、例えばアプリケーション27の起動中においてユーザーによる印刷指示に基づいて起動されるドライバプログラム25によって機能する処理部である。この印刷ドライバ28は、ジョブ生成部29を備えている。ジョブ生成部29は、ユーザーによって指定された印刷対象データをアプリケーション27から取得し、その印刷対象データに基づく印刷ジョブJB1を生成してプリントサーバー3へ送信する。
【0057】
図4は、ジョブ生成部29において生成される印刷ジョブJB1のデータ構造の一例を示す図である。図4に示すように、ジョブ生成部29において生成される印刷ジョブJB1は、例えばPJL(Print Job Language)データなどで記述されたジョブ付属情報であるヘッダー情報DHと、PDL(Page Description Language)データなどで記述された描画用のジョブ本体情報DBとを含む情報である。
【0058】
ヘッダー情報DHは、印刷ジョブJB1に適用すべき印刷ルールの仮判断を行うための印刷設定などを示す各種情報を含んでおり、例えば、ユーザー情報やアプリケーション情報、ドキュメント情報、印刷設定情報などを含む情報である。ユーザー情報は、印刷ジョブJB1を発行したユーザーに関する情報であり、例えばユーザーを特定するためのユーザーIDやユーザー名などの情報を含んでいる。アプリケーション情報は、印刷対象データが生成されたアプリケーション27に関する情報であり、アプリケーションの名称や種類などの情報を含んでいる。またドキュメント情報は、印刷対象データに関する情報であり、例えば印刷対象ドキュメントのファイル名、印刷対象ドキュメントに含まれる総ページ数などの情報を含んでいる。印刷設定情報は、ユーザーによって指定された印刷設定に関する情報であり、例えば片面/両面設定やカラー/モノクロ設定、部数設定、2in1などの割り付け設定に関する情報を含んでいる。このようなヘッダー情報DHは、例えばスタート情報とエンド情報との間に上述した各種情報が記述された情報となっている。そのため、ヘッダー情報DHがプリントサーバー3へ送信されるときには、スタート情報から順に各種情報が送信され、最後にエンド情報が送信されるようになる。
【0059】
一方、ジョブ本体情報DBは、画像形成装置5が画像形成を行う際に描画用として使用されるジョブ本体の情報である。このジョブ本体情報DBには、ユーザーによって印刷対象として指定されたページ毎の画像情報が含まれる。例えばPDLデータで記述されるジョブ本体情報DBは、印刷対象として指定されたページ毎にビットマップ化された画像情報を含んでいる。ただし、ジョブ本体情報DBは、PDLデータで表現されるものに限られず、例えばポストスクリプトなどのベクターデータで表現された画像情報を含むものであっても構わない。このようなジョブ本体情報DBは、描画用となる画像情報を含むため、ヘッダー情報DHと比較して情報量が著しく大きくなる。
【0060】
図3に戻り、ルール管理部30は、ルール管理プログラム26が起動されることによって機能する処理部である。ルール管理プログラム26は、例えば情報処理装置2に電源が投入されると、制御部20によって自動的に読み出されて起動されるプログラムである。そのため、ルール管理部30は、情報処理装置2に電源が投入され、情報処理装置2が起動状態になると、制御部20に常駐する。このルール管理部30は、制御部20で起動されるアプリケーション27を監視することができると共に、印刷ドライバ28と連携した動作を行うことができる構成である。
【0061】
このルール管理部30は、図3に示すように、ルール取得部31と、ルール判断部32と、ジョブ制御部35とを備えている。ルール取得部31は、情報処理装置2のユーザーに適用される印刷ルールD1をプリントサーバー3から取得して記憶部23に格納する処理部である。
【0062】
またルール判断部32は、印刷ドライバ28のジョブ生成部29によって印刷ジョブJB1が生成されると、その印刷ジョブJB1を取得し、当該印刷ジョブJB1に適用される印刷ルールを判断する処理部である。すなわち、ルール判断部32は、ジョブ生成部29によって印刷ジョブJB1が生成されると、ルール取得部31によって取得された印刷ルールD1を記憶部23から読み出し、その印刷ジョブJB1に対して適用すべき印刷ルールを判断する。このルール判断部32は、図3に示すように、仮判断部33と本判断部34とを備えており、仮判断部33が本判断部34よりも優先的に動作する。
【0063】
仮判断部33は、ルール判断部32が機能することによって最初に動作し、ジョブ生成部29によって印刷ジョブJB1のヘッダー情報DHが生成されたタイミングでそのヘッダー情報DHを取得する。仮判断部33は、そのヘッダー情報DHに基づき、各印刷ルールの適用対象ジョブであるか否かを判定することにより、その印刷ジョブJB1に適用すべき印刷ルールの仮判断を行う。これに対し、本判断部34は、仮判断部33による仮判断が行われた後に動作し、ジョブ生成部29によって生成されるジョブ本体情報DBを詳細に解析し、ヘッダー情報DHとジョブ本体情報DBとの双方に基づいて当該印刷ジョブJB1に適用すべき印刷ルールの本判断を行うものである。このようにルール判断部32では、本判断部34よりも先に仮判断部33が機能し、その仮判断部33がヘッダー情報DHだけに基づいて当該印刷ジョブJB1に適用すべき印刷ルールの仮判断を行うことにより、早期に仮判断結果を導出できるようにしている。
【0064】
ただし、仮判断だけでは印刷ジョブJB1に適用すべき正確な印刷ルールを判断することができないこともある。例えば図2に示した印刷ルールAのように、印刷ジョブJB1の印刷ページ数が10ページ以上である場合に適用される印刷ルールがある場合、ヘッダー情報DHだけではその印刷ルールを印刷ジョブJB1に適用すべきか否かを正確に判断することができない。なぜなら、ユーザーが印刷範囲を指定して一部のページだけの印刷指示を行った場合、ヘッダー情報DHには印刷対象ドキュメントの総ページ数に関する情報が含まれるが、ユーザーによって指定された印刷ページ数に関する情報が含まれないからである。そのため、印刷ページ数が所定ページ数を越えるか否かを正確に判断するためには、ジョブ本体情報DBに含まれる描画用の画像情報を解析して印刷ページ数をカウントすることが必要となる。
【0065】
また例えば図2に示した印刷ルールGのように、モノクロページだけが含まれる印刷ジョブの場合に適用される印刷ルールがある場合にも、ヘッダー情報DHだけではその印刷ルールを印刷ジョブJB1に適用すべきか否かを正確に判断することができない。なぜなら、ヘッダー情報DHにはドキュメントの各ページがモノクロであるかカラーであるかの情報が含まれないからである。そのため、モノクロページだけが含まれる印刷ジョブであるか否かを正確に判断するためには、ジョブ本体情報DBに含まれる描画用の画像情報を詳細に解析して全てモノクロページであるか否かを判定することが必要となる。
【0066】
本判断はそのような正確な判断を行うためのものであり、仮判断部33による仮判断が行われた後に本判断部34が機能するように構成される。この本判断部34は、例えばジョブ生成部29においてヘッダー情報DHに続いてジョブ本体情報DBが生成されていくことに伴い、その生成動作と並行して逐次ジョブ本体情報DBの解析を行っていく。そしてジョブ本体情報DBの生成が完了してジョブ本体情報DBの全体の解析が完了することに伴い、ヘッダー情報DHと、ジョブ本体情報DBの解析結果との双方に基づいて当該印刷ジョブJB1に適用すべき印刷ルールの本判断を行う。このような本判断により、ジョブ本体情報DBに含まれる実際のページなどに応じた正確な判断を行うことができるようになる。また本判断部34による本判断にはジョブ本体情報DBの詳細な解析処理が含まれるため、本判断の処理を開始してから本判断の結果が導出されるまでには長時間を要することとなる。
【0067】
一方、仮判断部33は、ヘッダー情報DHに基づいて印刷ジョブJB1に適用すべき印刷ルールの仮判断の結果を導出したタイミングで、その仮判断の結果を、表示部21に表示する。つまり、仮判断部33は、ジョブ生成部29が印刷ジョブJB1の生成を開始してから比較的早期のタイミングで仮判断の結果を表示部21へ表示する。この仮判断部33による仮判断結果の表示は、ジョブ生成部29による印刷ジョブJB1の生成が完了していない場合であっても、ヘッダー情報DHが生成されたタイミングで行われる。したがって、仮判断部33は、時間のかかる本判断の処理が終了していない状態であっても、印刷指示を行ったユーザーに対してその印刷ジョブJB1に適用される印刷ルールを早期に提示することができる。
【0068】
また本判断部34は、本判断の処理を完了して本判断の結果を導出すると、その本判断の結果を、表示部21に表示する。本判断部34による本判断の結果は、仮判断の結果と同じこともあるし、また異なることもある。
【0069】
ジョブ制御部35は、ルール判断部32によって仮判断又は本判断の結果が表示部21に表示されている状態でユーザーが操作入力部22に対して行う指示操作に基づき、ジョブ生成部29によって生成された印刷ジョブJB1に対する処理を制御する。すなわち、ジョブ制御部35は、ユーザーによって続行指示が入力されたときには、その続行指示に基づき、ジョブ生成部29で生成される印刷ジョブJB1に対する処理を続行させる。またユーザーによって中断指示が入力されたときには、その中断指示に基づき、ジョブ制御部35は、ジョブ生成部29で生成される印刷ジョブJB1に対する処理を中断させる。印刷ジョブJB1の続行又は中断を行う時点において、ジョブ生成部29によって生成された印刷ジョブJB1がプリントサーバー3へ送信されている場合、ジョブ制御部35は、ユーザー指示に基づく続行指示又は中断指示をプリントサーバー3へ送信する。またジョブ制御部35は、本判断部34による本判断が完了していない状態であっても、ユーザーが仮判断結果に対して続行又は中断を指示した場合には、そのユーザー指示に基づいて印刷ジョブJB1に対する処理の続行又は中断を決定し、印刷ジョブJB1に対するその後の処理を制御する。
【0070】
次にプリントサーバー3は、CPUとメモリとを備えて構成される制御部10と、上述した記憶装置4とを備えている。記憶装置4には、上述したルール情報6が予め記憶されると共に、制御部10のCPUによって実行されるプログラム18が予めインストールされて記憶されている。そしてCPUがそのプログラム18を実行することにより、制御部10は、ジョブ受信部11、ルール適用部12、ジョブ出力部13及びルール送信部14として機能する。
【0071】
ジョブ受信部11は、情報処理装置2から送信される印刷ジョブJB1を受信する処理部である。ジョブ受信部11は、印刷ジョブJB1を受信すると、ルール適用部12を機能させる。
【0072】
ルール適用部12は、ジョブ受信部11が受信した印刷ジョブJB1に対して印刷ルールを適用する処理部である。このルール適用部12は、上述したルール判断部32と同様の手法により、印刷ジョブJB1に対して適用すべき印刷ルールを決定し、その決定した印刷ルールの印刷ルール適用処理を実行することにより、受信した印刷ジョブJB1を印刷ルールに適合する印刷ジョブJB2に変換する。またルール適用部12は、情報処理装置2から続行指示を受信した場合に、その続行指示で印刷ジョブJB1に適用すべき印刷ルールが指定されていれば、その指定された印刷ルールの印刷ルール適用処理を実行することにより、受信した印刷ジョブJB1を指定された印刷ルールに適合する印刷ジョブJB2に変換する。そしてルール適用部12は、情報処理装置2から続行指示を受信した場合に、印刷ルール適用処理によって得られた印刷ジョブJB2をジョブ出力部13へ出力する。尚、情報処理装置2から中断指示を受信した場合には、ルール適用部12は、印刷ジョブJB1又はJB2を破棄してその後の処理を行わない。
【0073】
ジョブ出力部13は、印刷ルールに適合するように変換された印刷ジョブJB2を画像形成装置5へ出力する処理部である。ジョブ出力部13は、印刷ジョブJB2において指定された出力先へ印刷ジョブJB2を出力するものであり、例えば出力先としてモノクロ専用機が指定されていれば印刷ジョブJB2をモノクロ専用機へ出力する。
【0074】
ルール送信部14は、記憶装置4に記憶されているルール情報6を読み出し、情報処理装置2のユーザーに適用される印刷ルールD1を抽出して情報処理装置2に送信する処理部である。このルール送信部14は、例えば情報処理装置2から印刷ルールの取得要求を受信することに伴い、情報処理装置2に印刷ルールD1を送信する。
【0075】
次に上記構成の印刷システム1において各装置間でのデータ通信及び各装置で行われる処理の概要について説明する。
【0076】
まず図5は、情報処理装置2において本判断が終了して印刷出力が行われる場合の処理の概要を示す図である。情報処理装置2においてユーザーによる印刷指示が検知されると(プロセスP1)、印刷ドライバ28を起動し、印刷ジョブJB1を生成してプリントサーバー3へ送信する動作を開始する。情報処理装置2は、その動作と並行してプリントサーバー3に印刷ルールの取得要求D2を送信する。このとき送信される取得要求D2には、ユーザーIDなどの情報が含まれる。プリントサーバー3は、その取得要求D2を受信すると、ルール情報6から、情報処理装置2のユーザーに適用される印刷ルールD1を抽出し、情報処理装置2へ送信する。プリントサーバー3から情報処理装置2へ送信される印刷ルールD1には、複数の印刷ルールが含まれていても良い。例えば、図2に示した印刷ルールA〜Gの全てがユーザーに適用される場合、印刷ルールD1にはそれら印刷ルールA〜Gに関する情報が含まれる。
【0077】
情報処理装置2は、プリントサーバー3から印刷ルールD1を取得すると、印刷ドライバ28で生成される印刷ジョブJB1のヘッダー情報DHに基づき、その印刷ジョブJB1に適用される印刷ルールの仮判断を行う(プロセスP2)。そして仮判断が終了すると、情報処理装置2は、その仮判断結果を表示部21に表示する(プロセスP3)。
【0078】
図6は、情報処理装置2において表示される仮判断結果画面G1の一例を示す図である。この仮判断結果画面G1は、図2のルール情報6に登録されている7つの印刷ルールA〜Gのうち、印刷ルールA,D,Gが印刷ジョブJB1に適用されることを示す画面例となっている。この仮判断結果画面G1には、仮判断によって印刷ジョブJB1に適用することが決定された印刷ルールを表示するルール表示領域R1と、仮判断によって決定された印刷ルールを適用した場合の出力レイアウトを表示するレイアウト表示領域R2とが含まれる。またレイアウト表示領域R2の更に下方には、印刷ジョブJB1に適用される印刷ルールが確定しておらず、その後の本判断の結果によって変わる可能性があることを示す情報M4が付加的に表示される。これにより、仮判断の結果が変わる可能性があることをユーザーに報知することができる。更に仮判断結果画面G1の最下部には、ユーザーが処理の続行を指示するための処理続行ボタンB5と、処理の中断を指示するための処理中断ボタンB6とが表示される。
【0079】
ルール表示領域R1には、仮判断によって印刷ジョブJB1に適用されると判断された印刷ルールが一覧形式で表示される。また一覧形式で表示される各印刷ルールには、仮判断の状態で印刷ジョブJB1に適用されることが確定した印刷ルールであることを示す情報M1と、仮判断の状態では印刷ジョブJB1に適用されることが確定していない未確定の印刷ルールであることを示す情報M2とのいずれか一方が付加された表示状態となる。図6の画面例では、「2in1で印刷出力されます」という印刷ルールAと、「モノクロ専用機で印刷出力されます」という印刷ルールGに対し、未確定を示す情報M2が付加されている。つまり、これらの印刷ルールA,Gを適用するか否かを正確に判断するためには、ジョブ本体情報DBを解析することが必要であり、仮判断では未確定となる。これに対し、「ナンバリングして印刷出力されます」という印刷ルールDには確定したルールであることを示す情報M1が付加されている。つまり、印刷ルールDに関してはヘッダー情報DHだけを判断することにより、印刷ジョブJB1に適用すべきであるか否かを正確に決定することができる。したがって、ユーザーは、印刷ジョブJB1に適用されると仮判断された印刷ルールA,D,Gのうち、印刷ジョブJB1に適用されることが確定した印刷ルールDと、未確定の印刷ルールA,Gとを区別して把握することができる。
【0080】
また一覧形式で表示される印刷ルールのうち、ユーザーによる適用除外の選択が許可された印刷ルールには、択一的選択が可能な2つのボタンB1,B2が付加された状態に表示される。ボタンB1は当該印刷ルールを適用することを承認するためのボタンであり、仮判断結果画面G1が表示された時点ではこのボタンB1が選択された状態がデフォルト表示となる。ユーザーは、当該印刷ルールの適用を除外する場合、個別にボタンB2を選択操作することにより、ボタンB1が選択された状態からボタンB2が選択された状態へと切り替わり、当該印刷ルールの適用除外が設定される。図6の画面例では、一覧表示された3つの印刷ルールA,D,Gの全てがユーザーによる適用除外の選択が許可された印刷ルールとなっており、それら印刷ルールA,D,Gのそれぞれに対してボタンB1,B2が付加されている。尚、ユーザーによる適用除外の選択が許可されていない印刷ルールの場合には、このようなボタンB1,B2が表示されないので、ユーザーは印刷ルールの適用除外を選択することができない。
【0081】
またルール表示領域R1の下部には、ユーザーによる適用除外の選択が許可された複数の印刷ルールに対して一括して承認を行うための一括承認ボタンB3と、一括して適用除外を設定するための一括除外ボタンB4とが表示される。したがって、ユーザーは、これら一括承認ボタンB3又は一括除外ボタンB4を操作することにより、ユーザーによる適用除外の選択が許可された複数の印刷ルールに対して一括的な選択操作を行うことも可能である。
【0082】
さらにレイアウト表示領域R2には、仮判断で決定された印刷ルールA,D,Gのそれぞれの印刷ルール適用処理が反映された出力レイアウトを示すレイアウト画像M3が表示される。このレイアウト表示領域R2に表示されるレイアウト画像M3は、ルール表示領域R1においてユーザーが印刷ルールを承認又は除外する選択操作を行った場合、その選択操作に基づいてリアルタイムで更新されるようになっている。それ故、ユーザーは、出力レイアウトを確認しながら、仮判断で決定された印刷ルールの適用承認や適用除外を選択することができる。
【0083】
そしてユーザーは、最終的に仮判断結果画面G1の最下部に表示される処理続行ボタンB5と処理中断ボタンB6とのいずれか一方を操作することにより、印刷ジョブJB1に対する処理の続行又は中断を、仮判断の段階で指示することができる。このような仮判断結果画面G1は、ユーザーが印刷指示を行った後、比較的早いタイミングで表示されるため、ユーザーが仮判断結果を確認できるようになるまでに無駄な時間を発生させない。
【0084】
図5に戻り、情報処理装置2は、プロセスP3において仮判断結果画面G1を表示することに伴い、本判断を開始する(プロセスP4)。すなわち、情報処理装置2は、印刷ドライバ28で生成される印刷ジョブJB1のジョブ本体情報DBを詳細に解析し、ヘッダー情報DHとジョブ本体情報DBとの双方に基づいて印刷ジョブJB1に適用される印刷ルールの正確に決定するための本判断の処理を開始する。このような本判断の処理は、例えば情報処理装置2においてプリントサーバー3への印刷ジョブJB1の送信処理と並行して行われる。
【0085】
そして仮判断結果画面G1が表示されている状態でユーザーによる続行指示や中断指示が行われることなく、本判断が終了すると(プロセスP5)、情報処理装置2は、その本判断結果を表示部21に表示する(プロセスP6)。これにより、表示部21の表示画面は、上述した仮判断結果画面G1から本判断結果画面へと切り替わる。
【0086】
図7は、このとき情報処理装置2において表示される本判断結果画面G2の一例を示す図である。この本判断結果画面G2は、本判断部34による本判断が終了することに伴い、本判断部34が仮判断結果画面G1を更新することによって表示部21に表示される。そのため、この本判断結果画面G2は、上述した仮判断結果画面G1と同様の画面構成を有し、仮判断結果画面G1に対して本判断の結果が反映された画面となる。
【0087】
図7の画面例では、ルール表示領域R1において「2in1で印刷出力されます」という印刷ルールAに確定した印刷ルールであることを示す情報M1が付加されており、印刷ジョブJB1に対して印刷ルールAが適用されることが確定した状態に更新されている。また仮判断結果画面G1において未確定であった「モノクロ専用機で印刷出力されます」という印刷ルールGが、本判断結果画面G2では削除されている。これは、本判断の結果、印刷ルールGが印刷ジョブJB1に適用されないことが確定したことを示している。更に、この本判断結果画面G2では、レイアウト表示領域R2の下方において、本判断の結果により変更されたことを示す情報M5が付加的に表示される。このような本判断結果画面G2が表示部21に表示されることにより、ユーザーは、プリントサーバー3における本判断により、先に行われた仮判断の結果が変更されたことを把握することができると共に、印刷ジョブJB1に対して適用される印刷ルールが全て確定したことを把握することができる。
【0088】
このような本判断結果画面G2に対してユーザーが行うことができる操作は、仮判断結果画面G1に対してユーザーが行うことができる操作と同様である。そのため、ユーザーは、印刷ジョブJB1に対して適用される印刷ルールのうち、予め許可されている印刷ルールの適用を除外することが可能である。またユーザーは、処理続行ボタンB5を操作することにより印刷ジョブJB1に対する処理の続行を指示することができると共に、処理中断ボタンB6を操作することにより処理の中断を指示することもできる。更にユーザーは、印刷ジョブJB1に対して適用される印刷ルールのうち、一部又は全部の適用除外を指定して処理の続行を指示することもできる。
【0089】
再び図5に戻り、情報処理装置2は、本判断結果画面G2を表示している状態でユーザーによる指示操作を検知すると(プロセスP7)、その指示操作に応じた処理を行う。例えば、ユーザーが続行指示を行った場合、情報処理装置2は、プリントサーバー3に対して続行指示D3を送信する。この続行指示D3には、ユーザーによって印刷ジョブJB1に適用させることが指定された印刷ルールに関する情報が含まれる。プリントサーバー3は、その続行指示D3を受信すると、その続行指示D3に含まれる印刷ルールに関する情報に基づき、指定された印刷ルールの印刷ルール適用処理を実行することにより、印刷ジョブJB1を印刷ジョブJB2に変換する(プロセスP8)。ただし、印刷ジョブJB1の印刷設定などがはじめから印刷ルールに適合する設定状態である場合には、あらためて印刷ルール適用処理を行う必要はない。そしてプリントサーバー3は、印刷ルールに適合する印刷ジョブJB2を画像形成装置5へ送信する。画像形成装置5は、その印刷ジョブJB2を受信すると、印刷出力を行う(プロセスP9)。このとき、画像形成装置5は、印刷ルールに適合する印刷出力であって、ユーザーが意図する出力態様での印刷出力を実行する。したがって、画像形成装置5から出力される印刷物は、ユーザーが事前に確認した通りのものとなり、無駄になることがない。
【0090】
尚、プロセスP7においてユーザーによる中断指示を検知した場合には、情報処理装置2は、印刷ジョブJB1に対するその後の処理を中断させるための処理を行う。すなわち、情報処理装置2は、プリントサーバー3に対して中断指示を送信し、印刷ジョブJB1に対するその後の処理を中断させると共に、その印刷ジョブJB1を破棄させる。
【0091】
次に図8は、情報処理装置2において本判断が終了していない状態でユーザーが仮判断結果に対する続行指示又は中断指示を行った場合の処理の概要を示す図である。尚、図8において情報処理装置2がユーザーによる印刷指示を検知した後、仮判断の結果を表示すると共に、それと並行して本判断を開始するプロセスP1〜P4は、図5と同様である。
【0092】
情報処理装置2は、仮判断結果画面G1を表示している状態でユーザーによる指示操作を検知すると(プロセスP10)、未だ終了していない本判断の処理を中止させる(プロセスP11)。そして情報処理装置2は、ユーザーによる指示操作に基づきプリントサーバー3に続行指示D3又は中断指示D4を送信する。このとき、例えば続行指示D3が送信される場合には、上記と同様、ユーザーが仮判断結果画面G1に対して印刷ジョブJB1に適用させることを指定した印刷ルールに関する情報が続行指示D3に含まれる。プリントサーバー3は、そのような続行指示D3又は中断指示D4を受信すると、その指示に基づき、印刷ジョブJB1に対する処理を行う。すなわち、続行指示D3の場合には、その続行指示D3で指定された印刷ルールを印刷ジョブJB1に適用し、その印刷ルールに適合する印刷ジョブJB2を生成する。また中断指示D4の場合には、印刷ジョブJB1に対するその後の処理を中断し、その印刷ジョブJB1を破棄する。
【0093】
このように本実施形態では、ユーザーが印刷指示を行ったタイミングで、情報処理装置2がそのユーザーに対応する印刷ルールD1をプリントサーバー3から取得し、印刷指示に基づいて生成される印刷ジョブJB1に適用される印刷ルールの仮判断を行う。そして情報処理装置2はその仮判断の結果を比較的早期に表示する。そのため、ユーザーは印刷指示を行ってから比較的早いタイミングで印刷ジョブJB1に適用される印刷ルールの仮判断結果を確認することができ、しかもその仮判断の結果に基づき印刷ジョブJB1に対する処理の続行又は中断を指示することができる。そのため、ユーザーに待ち時間などが発生することはなく、作業効率が向上する。
【0094】
一方、プリントサーバー3は、上述したように、情報処理装置2から取得要求D2を受信すると、ルール情報6から情報処理装置2のユーザーに適用される印刷ルールD1を抽出して情報処理装置2へ送信する。このとき、プリントサーバー3は、情報処理装置2のユーザーに適用される全ての印刷ルールをルール情報6から抽出して情報処理装置2へ送信するようにしても良い。
【0095】
しかし、取得要求D2を受信したタイミング又は取得要求D2の送信元アドレス(情報処理装置2のIPアドレスなど)をキーとしてルール情報6を検索すれば、情報処理装置2のユーザーに適用される全ての印刷ルールD1のうち、情報処理装置2で生成される印刷ジョブJB1に適用されない印刷ルールをプリントサーバー3で判別することが可能である。例えば図2のルール情報6に登録された印刷ルールA〜Gの全てが情報処理装置2のユーザーに適用される場合において、プリントサーバー3が情報処理装置2から取得要求D2を受信した時刻が13:00以降の時刻であった場合、そのタイミングで生成される印刷ジョブJB1には印刷ルールBが適用されないことが明らかである。またプリントサーバー3が情報処理装置2から取得した取得要求D2の送信元アドレスが4階フロアのアドレスである場合、その情報処理装置2で生成される印刷ジョブJB1には印刷ルールCが適用されないことが明らかである。そのため、プリントサーバー3のルール送信部14は、情報処理装置2からの取得要求D2に基づいて情報処理装置2のユーザーに適用される印刷ルールD1を送信する際、情報処理装置2のユーザーに適用される全ての印刷ルールのうち、適用対象外となる印刷ルールを除いた一部の印刷ルールだけを抽出して情報処理装置2へ送信するようにしても良い。
【0096】
図9は、プリントサーバー3が適用対象外となる印刷ルールを除いた一部の印刷ルールだけを情報処理装置2へ送信する場合の処理の概要を示す図である。上記と同様に、情報処理装置2は、ユーザーによる印刷指示を検知すると(プロセスP1)、プリントサーバー3へ印刷ルールの取得要求D2を送信する。プリントサーバー3は、その取得要求D2を受信すると、まず現在日時を判定し(プロセスP12)、次に送信元アドレスを判定する(プロセスP13)。次にプリントサーバー3は、情報処理装置2のユーザーに適用される印刷ルールをルール情報6から抽出する(プロセスP14)。このとき、プリントサーバー3は、現在日時及び送信元アドレスに基づいて印刷ルール適用対象ジョブ6cの項目を判定することにより、適用対象外となる印刷ルールを情報処理装置2への送信対象から除外する。そしてプリントサーバー3は、適用対象外となる印刷ルールを除いた一部の印刷ルールD1を情報処理装置2へ送信する。このようにプリントサーバー3が、情報処理装置2のユーザーに適用される印刷ルールのうち、明らかに適用対象外となる印刷ルールを除いて情報処理装置2へ送信することにより、ネットワーク付加を軽減することができると共に、情報処理装置2において仮判断又は本判断を行う際の処理負担が軽減されるため、処理効率が向上するという利点がある。
【0097】
次に情報処理装置2におけるルール管理部30の具体的な動作について説明する。図10は、情報処理装置2のルール管理部30において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。ルール管理部30は、情報処理装置2に常駐しており、ユーザーによる印刷指示が検知されるのを待機する状態となる(ステップS10)。そしてユーザーによる印刷指示が検知されると(ステップS10でYES)、ルール管理部30は、プリントサーバー3に対し、印刷ルールの取得要求D2を送信する。尚、情報処理装置2は、このルール管理部30の処理と並行して印刷ドライバ28による印刷ジョブJB1の生成を開始する。そしてルール管理部30は、プリントサーバー3から印刷ルールD1を受信すると(ステップS12でYES)、印刷ドライバ28から印刷ジョブJB1のヘッダー情報DHを取得し(ステップS13)、その印刷ジョブJB1に適用される印刷ルールの仮判断を実行する(ステップS14)。その仮判断が終了すると、ルール管理部30は、仮判断結果画面G1を表示部21に表示する(ステップS15)。これにより、ユーザーは仮判断結果を確認することができる。
【0098】
ルール管理部30は、仮判断結果を表示すると、次に印刷ドライバ28から印刷ジョブJB1のジョブ本体情報DBを取得し(ステップS16)、その印刷ジョブJB1に適用される印刷ルールの本判断の処理を開始する(ステップS17)。この本判断が完了するまでには一定の時間を要する。
【0099】
ルール管理部30は、本判断を開始した後、仮判断結果画面G1に対してユーザーによる指示操作が行われたか否かを判断し(ステップS18)、指示操作が行われていない場合(ステップS18でNO)、本判断が完了したか否かを判断する(ステップS19)。そして本判断が完了していなければステップS18へ戻る。これに対し、本判断が完了していれば、表示部21の表示画面を仮判断結果画面G1から本判断結果画面G2に更新する(ステップS20)。このとき、ルール管理部30は、本判断部34による本判断の結果が仮判断部33による仮判断の結果と異なる場合、その異なる結果を仮判断結果画面G1に反映させて更新することにより、本判断結果画面G2を生成して表示部21へ表示する。そしてステップS18へ戻る。
【0100】
ステップS18において仮判断結果画面G1又は本判断結果画面G2に対するユーザーの指示操作が検知された場合(ステップS18でYES)、ルール管理部30は、ユーザーによる指示操作が中断指示であるか否かを判断する(ステップS21)。その結果、中断指示である場合、ルール管理部30は、印刷ジョブJB1に対して実行中の全ての処理を中断させる(ステップS22)。このとき、ルール管理部30は、印刷ドライバ28において印刷ジョブJB1の生成処理中であればその生成処理を中断させると共に、プリントサーバー3への印刷ジョブJB1の送信処理を中断させる。またルール管理部30は、プリントサーバー3に対してそれまで受信した印刷ジョブJB1の中断及び破棄を指示する中断指示D4を送信する。ただし、印刷ドライバ28がプリントサーバー3への印刷ジョブJB1の送信開始前であれば、プリントサーバー3に対して中断指示D4を送信する必要はない。尚、ユーザーによる指示操作が中断指示でない場合、ステップS22の処理はスキップする。
【0101】
次にルール管理部30は、ユーザーによる指示操作が続行指示であるか否かを判断する(ステップS23)。その結果、続行指示である場合、ルール管理部30は、本判断の実行中であるか否かを判断する(ステップS24)。その結果、本判断の実行中である場合(ステップS24でYES)、ルール管理部30は、本判断の処理を中断させる(ステップS25)。一方、本判断の実行中でない場合(ステップS24でNO)、ステップS25の処理はスキップする。そしてルール管理部30は、プリントサーバー3に対して続行指示D3を送信する(ステップS26)。尚、ユーザーによる指示操作が続行指示でない場合(ステップS23でNO)、ステップS24〜S26の処理をスキップして全ての処理を終了する。
【0102】
以上のように本実施形態の印刷システム1は、情報処理装置2から送信される印刷ジョブJB1に対し、プリントサーバー3が予め登録された印刷ルールを適用して印刷ジョブJB2に変換することにより、印刷ルールに定められた印刷出力を行う構成である。プリントサーバー3に印刷ジョブJB1を送信する情報処理装置2は、プリントサーバー3から送信される印刷ルールD1を取得するルール取得部31を備えている。そして情報処理装置2は、ユーザーによる印刷指示に基づいてヘッダー情報DHとジョブ本体情報DBとを含む印刷ジョブJB1が生成されると、そのヘッダー情報DHに基づき、ルール取得部31によって取得された印刷ルールD1が印刷ジョブJB1に適用されるか否かの仮判断を行い、その仮判断の結果を表示部21へ表示する。そして更に情報処理装置2は、仮判断の結果を表示部21へ表示させた後、ユーザーによる続行指示があったときにはその続行指示に基づき印刷ジョブJB1に対するその後の処理を続行させ、ユーザーによる中断指示があったときにはその中断指示に基づき印刷ジョブJB1に対する処理を中断させる構成である。したがって、本実施形態の印刷システム1は、ユーザーによる印刷指示が行われた後、印刷ジョブJB1のヘッダー情報DHに基づく仮判断の結果を早期にユーザーに提示することができる。それ故、ユーザーにとっては、速やかに印刷ルールの適用結果を確認することができるため、無駄な待ち時間などが発生することはなく、印刷時の操作性に優れている。
【0103】
また情報処理装置2は、仮判断部33による仮判断が行われた後、印刷ジョブJB1に含まれるヘッダー情報DHとジョブ本体情報DBとの双方に基づき、ルール取得部31によって取得された印刷ルールD1がその印刷ジョブJB1に適用されるか否かの本判断を行う本判断部34を更に備えている。そのため、仮判断では印刷ジョブJB1に適用される印刷ルールを正確に判断することができない場合であっても、本判断部34による本判断により正確な判断を行うことができる。
【0104】
また情報処理装置2は、本判断部34による本判断の実行中に、ユーザーによる続行指示又は中断指示があったときには、本判断部34による本判断を中止させる構成である。またユーザーによる続行指示に基づいて本判断部34による本判断を中止させるときには、その続行指示と仮判断部33による仮判断の結果とに基づき、プリントサーバー3に対して印刷ジョブJB1に適用すべき印刷ルールを指示するように構成される。したがって、ユーザーは、比較的長時間を要する本判断の結果を待つことなく、続行指示や中断指示を行うことができる。
【0105】
また本実施形態では、情報処理装置2においてユーザーによる印刷指示が検知されると、その都度、プリントサーバー3に対して印刷ルールの取得要求D2が送信される。ところが、前回取得した印刷ルールD1と、今回取得する印刷ルールD1とが同じ内容であれば、プリントサーバー3から再度同じ印刷ルールD1を取得する必要がない。そのため、情報処理装置2のルール取得部31は、プリントサーバー3から印刷ルールを取得する際、前回取得したタイミングから今回までの間に、プリントサーバー3において更新された印刷ルールに関する情報だけを取得するようにし、その情報に基づいて前回取得した印刷ルールD1を更新する構成とすることが好ましい。このような構成によれば、プリントサーバー3から再度同じ印刷ルールD1を取得することがなくなるので、処理効率が向上するという利点がある。
【0106】
(第2実施形態)
次に第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、ユーザーによる印刷指示が検知されると、情報処理装置2がプリントサーバー3から印刷ルールD1を取得して印刷ジョブJB1に適用される印刷ルールの仮判断及び本判断を行う場合を例示した。しかし、印刷ドライバ28において生成される印刷ジョブJB1のデータ量がプリントサーバー3から取得する印刷ルールD1のデータ量よりも少ないときには、情報処理装置2がプリントサーバー3から印刷ルールD1を送信して仮判断等を行うよりも、寧ろ情報処理装置2がプリントサーバー3へ印刷ジョブJB1を送信し、プリントサーバー3から仮判断等の結果を取得する方が処理効率を向上させることができることもある。そこで、本実施形態では、上記のようなケースにおいて例外的に情報処理装置2がプリントサーバー3から仮判断等の結果を取得して表示できるようにした実施形態について説明する。尚、本実施形態においても、印刷システム1のハードウェア構成等は第1実施形態と同様である。
【0107】
本実施形態では、情報処理装置2のルール取得部31は、プリントサーバー3から過去に取得して記憶部23に格納している印刷ルールD1のデータ量に基づき、最新の印刷ルールD1を取得するのに要する印刷ルール取得時間を見積もる。またルール取得部31は、印刷ドライバ28で生成される印刷ジョブJB1のデータ量に基づき、該印刷ジョブJB1をプリントサーバー3へ送信するのに要する印刷ジョブ送信時間を見積もる。そしてルール取得部31は、それら印刷ルール取得時間と印刷ジョブ送信時間とを比較し、印刷ジョブ送信時間が印刷ルール取得時間よりも短いときには、例外的に、プリントサーバー3に対し、印刷ルールの取得要求を行わず、仮判断の結果を要求する。これに対し、印刷ジョブ送信時間が印刷ルール取得時間よりも長いときには、上記第1実施形態と同様の処理を行う。
【0108】
図11は、本実施形態において情報処理装置2のルール管理部30で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。ルール管理部30は、ユーザーによる印刷指示が検知されると(ステップS30でYES)、ルール取得判定処理を行う(ステップS31)。このルール取得判定処理では、上述したように印刷ルール取得時間と印刷ジョブ送信時間とを比較する処理が行われる。そしてルール管理部30は、印刷ルール取得時間よりも印刷ジョブ送信時間の方が短いか否かを判断する(ステップS32)。その結果、印刷ルール取得時間よりも印刷ジョブ送信時間の方が長い場合(ステップS32でNO)、ルール管理部30による処理は、第1実施形態で説明した図10のステップS11へと進む。これに対し、印刷ルール取得時間よりも印刷ジョブ送信時間の方が短い場合(ステップS32でYES)、ルール管理部30は、印刷ドライバ28に印刷ジョブJB1の送信を指示し、プリントサーバー3に対する印刷ジョブJB1の送信を開始する(ステップS33)。その後、ルール管理部30は、プリントサーバー3から仮判断結果D5を受信するまで待機し(ステップS34)、仮判断結果D5を受信すると、仮判断結果画面G1を表示部21に表示する(ステップS35)。
【0109】
その後、ルール管理部30は、仮判断結果画面G1に対してユーザーによる指示操作が行われたか否かを判断し(ステップS36)、指示操作が行われていない場合(ステップS36でNO)、プリントサーバー3から本判断結果D6を受信したか否かを判断する(ステップS37)。そして本判断結果D6を受信していないときにはステップS36へ戻る。これに対し、本判断結果D6を受信していれば、表示部21の表示画面を仮判断結果画面G1から本判断結果画面G2に更新する(ステップS38)。このとき、ルール管理部30は、本判断結果D6が仮判断結果D5と異なる場合、その異なる結果を仮判断結果画面G1に反映させて更新することにより、本判断結果画面G2を生成して表示部21へ表示する。そしてステップS36へ戻る。
【0110】
ステップS36において仮判断結果画面G1又は本判断結果画面G2に対するユーザーの指示操作が検知された場合(ステップS36でYES)、ルール管理部30は、ユーザーによる指示操作が中断指示であるか否かを判断する(ステップS39)。その結果、中断指示である場合、ルール管理部30は、プリントサーバー3へ中断指示D4を送信する(ステップS40)。尚、ユーザーによる指示操作が中断指示でない場合、ステップS40の処理はスキップする。
【0111】
次にルール管理部30は、ユーザーによる指示操作が続行指示であるか否かを判断する(ステップS41)。その結果、続行指示である場合、ルール管理部30は、プリントサーバー3に対して続行指示D3を送信する(ステップS42)。尚、ユーザーによる指示操作が続行指示でない場合、ステップS42の処理をスキップして全ての処理を終了する。
【0112】
このように本実施形態では、情報処理装置2のルール取得部31が動作すると、印刷ドライバ28によって生成される印刷ジョブJB1をプリントサーバー3へ送信するのに要する印刷ジョブ送信時間と、プリントサーバー3から印刷ルールD1を取得するのに要する印刷ルール取得時間とを比較し、印刷ジョブ送信時間が印刷ルール取得時間よりも短いときにはプリントサーバー3からの印刷ルールの取得を行わないように構成される。そして情報処理装置2の仮判断部33は、ルール取得部31によって印刷ルールの取得が行われないときには、プリントサーバー3から仮判断の結果を取得して仮判断結果画面G1を表示部21へ表示する構成である。このような構成によれば、ユーザーに対して比較的早期のタイミングで印刷ルールの適用結果を掲示できると共に、印刷ジョブJB1に対する処理を効率的に進行させることができるという利点がある。尚、上記以外の点については、第1実施形態と同様である。
【0113】
(第3実施形態)
次に第3実施形態について説明する。上記第1及び第2実施形態では、ユーザーによる印刷指示が検知されたタイミングで情報処理装置2がプリントサーバー3から印刷ルールD1を取得するようにした例について説明した。しかし、情報処理装置2がプリントサーバー3から印刷ルールD1を取得するタイミングは、必ずしもそのようなタイミングに限らない。本実施形態では、上述した第1及び第2実施形態とは異なるタイミングで情報処理装置2がプリントサーバー3から印刷ルールD1を取得する例について説明する。
【0114】
図12は、情報処理装置2が起動されたタイミングでプリントサーバー3から印刷ルールD1を取得し、その後定期的にプリントサーバー3から印刷ルールD1を取得する処理の概要を示す図である。図12に示すように、情報処理装置2に電源が投入されて情報処理装置2が起動すると(プロセスP30)、それに伴いルール管理プログラム26が実行され、ルール管理部30が起動する。そしてルール管理部30は、その起動時にプリントサーバー3へ印刷ルールの取得要求D2を送信する。プリントサーバー3は、取得要求D2を受信すると、ルール情報6から情報処理装置2のユーザーに適用される印刷ルールD1を抽出し、その印刷ルールD1を情報処理装置2へ送信する。情報処理装置2は、その印刷ルールD1を記憶部23へ記憶しておく。
【0115】
その後、図12に示すように、ルール管理部30においてルール取得部31が所定時間Tごとに機能し、プリントサーバー3に対して定期的に繰り返し印刷ルールの取得要求D2を送信する。またプリントサーバー3は、取得要求D2を受信する都度、ルール情報6から情報処理装置2のユーザーに適用される印刷ルールD1を抽出し、その印刷ルールD1を情報処理装置2へ送信する。
【0116】
ただし、ルール管理部30は、記憶部23に記憶している印刷ルールD1と同じルールを再度取得する必要がない。そのため、ルール取得部31は、プリントサーバー3から所定時間Tごとに印刷ルールを取得する際、前回取得したタイミングから今回までの間に、プリントサーバー3において印刷ルールが更新されていれば、その更新された印刷ルールに関する情報だけを取得し、記憶部23に記憶した印刷ルールD1を更新する。すなわち、ルール取得部31は、所定時間Tごとにプリントサーバー3に対して取得要求D2を送信する際、記憶部23に印刷ルールD1を記憶した時刻情報や記憶部23の印刷ルールD1を更新した時刻情報などを取得要求D2に含めて送信する。プリントサーバー3は、その取得要求D2に含まれる時刻情報などに基づきその時刻以降に更新した印刷ルールがあればその印刷ルールに関する情報だけを情報処理装置2へ送信する。これにより、情報処理装置2は、プリントサーバー3から所定時間Tごとに重複する情報を取得する必要がなくなる。
【0117】
次に上記とは異なるタイミングでルール管理部30のルール取得部31が機能し、プリントサーバー3から印刷ルールD1を取得する例について説明する。図13は、情報処理装置2において特定のアプリケーションが起動されたタイミングでルール管理部30がプリントサーバー3から印刷ルールD1を取得し、その後定期的にプリントサーバー3から印刷ルールD1を取得する処理の概要を示す図である。図13に示すように、情報処理装置2において特定のアプリケーションが起動されると(プロセスP30)、ルール管理部30は、プリントサーバー3へ印刷ルールの取得要求D2を送信する。ここで特定のアプリケーションとは、上述したアプリケーションプログラム24が起動されることによって動作するアプリケーションであり、ドキュメントアプリケーションやプレゼンテーションアプリケーション、電子メールアプリケーションなどのユーザーが印刷指示を行う可能性があるアプリケーションである。つまり、図13の例では、情報処理装置2が単に起動されただけの状態では、ルール管理部30はプリントサーバー3から印刷ルールD1を取得せず、ユーザーによって印刷指示が行われる可能性があるアプリケーションが起動されることに伴ってプリントサーバー3から印刷ルールD1を取得する動作を開始する。
【0118】
プリントサーバー3は、情報処理装置2から送信される取得要求D2を受信すると、ルール情報6から情報処理装置2のユーザーに適用される印刷ルールD1を抽出し、その印刷ルールD1を情報処理装置2へ送信する。そして情報処理装置2は、その印刷ルールD1を記憶部23へ記憶しておく。その後、図13に示すように、ルール管理部30においてルール取得部31が所定時間Tごとに機能し、プリントサーバー3に対して定期的に繰り返し印刷ルールの取得要求D2を送信する。またプリントサーバー3は、取得要求D2を受信する都度、ルール情報6から情報処理装置2のユーザーに適用される印刷ルールD1を抽出し、その印刷ルールD1を情報処理装置2へ送信する。ただし、この場合においてもルール管理部30は、記憶部23に記憶している印刷ルールD1と同じルールを再度取得する必要がないため、上述したように前回取得したタイミングから今回までの間に、プリントサーバー3において印刷ルールが更新されていれば、その更新された印刷ルールに関する情報だけを取得して記憶部23に記憶した印刷ルールD1を更新する。
【0119】
図12及び図13に示したように情報処理装置2は、ユーザーによる印刷指示が検知される前に予めプリントサーバー3から印刷ルールD1を取得しておくことにより、ユーザーによる印刷指示を検知したときにはその時点で記憶部23に記憶されている印刷ルールD1を読み出して仮判断及び本判断を行うことができる。そのため、本実施形態では、ユーザーによる印刷指示を検知したときには、プリントサーバー3から印刷ルールD1を取得する必要がないため、情報処理装置2において第1及び第2実施形態よりも更に迅速に仮判断結果画面G1を表示することができるようになる。
【0120】
尚、本実施形態では、上記以外の点については、第1実施形態と同様である。
【0121】
(第4実施形態)
次に第4実施形態について説明する。上記第1乃至第3実施形態では、情報処理装置2がプリントサーバー3に対して印刷ルールの取得要求D2を送信することにより、プリントサーバー3から印刷ルールD1を取得する例について説明した。本実施形態では、情報処理装置2からプリントサーバー3に取得要求D2を送信するのではなく、プリントサーバー3が主体的に情報処理装置2に対して印刷ルールD1を送信する例について説明する。
【0122】
図14は、プリントサーバー3が起動されたタイミングでプリントサーバー3から情報処理装置2に印刷ルールD1を送信する処理の概要を示す図である。図14に示すように、プリントサーバー3に電源が投入されてプリントサーバー3が起動すると(プロセスP40)、それに伴ってプリントサーバー3においてルール送信部14が機能する。そしてルール送信部14は、情報処理装置2のユーザーに適用される印刷ルールをルール情報6から抽出し、その抽出した印刷ルールD1を情報処理装置2へ送信する。尚、プリントサーバー3には、印刷ルールD1の送信対象となる情報処理装置2と、その情報処理装置2を使用するユーザーとを関連付けた情報が予め登録されており、プリントサーバー3はその情報に基づいて印刷ルールD1を抽出し、情報処理装置2へ送信する。情報処理装置2は、プリントサーバー3から送信される印刷ルールD1を受信すれば、その印刷ルールD1を記憶部23に格納して保存する。ただし、プリントサーバー3がその起動時に印刷ルールD1を情報処理装置2に送信したとしても、情報処理装置2がその印刷ルールD1を受信可能な状態に起動されているとは限らない。そのため、プリントサーバー3は、起動時に印刷ルールD1を送信した後、所定時間Tごとにルール送信部14を機能させ、定期的に繰り返し印刷ルールD1の送信処理を実行する。これにより、情報処理装置2は、その起動後にプリントサーバー3から受信する印刷ルールD1を記憶部23に予め記憶しておくことができる。
【0123】
次に図15は、プリントサーバー3においてルール情報6の印刷ルールが追加、変更又は削除されたタイミングでプリントサーバー3から情報処理装置2に印刷ルールD1を送信する処理の概要を示す図である。図15に示すように、プリントサーバー3に保持されているルール情報6の印刷ルールが追加、変更又は削除されると(プロセスP41)、それに伴ってプリントサーバー3においてルール送信部14が機能する。そしてルール送信部14は、情報処理装置2のユーザーに適用される印刷ルールをルール情報6から抽出し、その抽出した印刷ルールD1を情報処理装置2へ送信する。その後、プリントサーバー3は、所定時間Tごとにルール送信部14を機能させ、定期的に繰り返し印刷ルールD1の送信処理を実行する。これにより、情報処理装置2は、その起動後にプリントサーバー3から受信する印刷ルールD1を記憶部23に予め記憶しておくことができる。
【0124】
図14及び図15に示したように情報処理装置2は、プリントサーバー3から送信される印刷ルールD1を受信して予め記憶部23に記憶しておくことにより、ユーザーによる印刷指示を検知したときにはその時点で記憶部23に記憶されている印刷ルールD1を読み出して仮判断及び本判断を行うことができる。そのため、本実施形態においても、情報処理装置2がユーザーによる印刷指示を検知したときには、プリントサーバー3から印刷ルールD1を取得する必要がないため、情報処理装置2において第1及び第2実施形態よりも更に迅速に仮判断結果画面G1を表示することができるようになる。
【0125】
尚、本実施形態においても上記以外の点については、第1実施形態と同様である。
【0126】
(変形例)
以上、本発明に関する一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態において説明した内容のものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0127】
例えば、上記実施形態では、仮判断結果が表示されている状態でユーザーが続行指示を行ったとき、本判断の実行中であればその本判断の処理を中断する形態について説明した。しかし、これに限られるものではなく、仮判断の状態でユーザーが続行指示を行った場合でも、本判断の処理を続行させるようにしても良い。この場合、本判断の結果が仮判断の結果と同じであれば、本判断の終了後にそのまま処理を続行させれば良い。また本判断の結果が仮判断の結果と異なる場合には、ユーザーが意図する印刷出力とならない可能性があるか否かを判断し、その判断結果に基づいて再度ユーザーに対して本判断の結果を提示するようにしても良い。例えば、仮判断状態において未確定であった印刷ルールが本判断によって単に確定状態に変わっただけでは印刷出力に何ら影響を与えない。そのため、このようなケースでは再度ユーザーに対して本判断の結果を提示する必要はない。これに対し、仮判断結果では適用対象でなかった印刷ルールが本判断結果において適用対象として追加された場合、或いは、これとは逆に、仮判断結果において適用対象であった印刷ルールが本判断結果において適用対象から外れた場合には、印刷出力の出力態様に変化が生じることがある。そのため、そのようなケースでは再度ユーザーに対して本判断の結果を再度提示するようにしても良い。
【0128】
また上記においては、画像形成装置5がMFPによって構成される場合を例示したが、これに限られるものでもない。すなわち、画像形成装置5は、少なくとも印刷出力機能を有するものであれば良いため、プリンタ専用機であっても構わない。
【0129】
さらに上記実施形態のプリントサーバー3は、サーバー専用機として構成される場合を例示したが、それに限定されるものでもない。すなわち、上述したプリントサーバー3の機能が他の装置(例えば情報処理装置2や画像形成装置5)の一部の機能として搭載されたものであっても構わない。
【符号の説明】
【0130】
1 印刷システム
2 情報処理装置
3 プリントサーバー
4 記憶装置(印刷ルール記憶手段)
14 ルール送信部(ルール送信手段)
21 表示部(表示手段)
29 ジョブ生成部(ジョブ生成手段)
31 ルール取得部(ルール取得手段)
32 ルール判断部
33 仮判断部(仮判断手段)
34 本判断部(本判断手段)
35 ジョブ制御部(ジョブ制御手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15