(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、建設機械としては、特開平4−366235号公報(特許文献1)に記載のものがある。
【0003】
この従来の建設機械は、走行装置と、この走行装置上の旋回体と、この旋回体の傾斜角度を検出するジャイロセンサと、旋回体に搭載されたブーム、アームおよびバケットからなる作業機構と、ブーム用の油圧アクチュエータ、アーム用の油圧アクチュエータおよびバケット用の油圧アクチュエータと、ブーム用の油圧アクチュエータへの流量および方向を制御する流量方向制御弁と、この流量方向制御弁をジャイロセンサの出力に基づいて制御する制御手段とを備えている。
【0004】
そして、上記ブームによって、旋回体が所定量ジャッキアップされて、旋回体が傾斜したことをジャイロセンサで検出すると、制御手段によって、パイロット圧用の圧力制御弁を介して、流量方向制御弁を制御して、ブーム用の油圧アクチュエータを、建設機械をジャッキアップする側と反対側に作動させて、過大なジャッキアップを防止し、過大なジャッキアップからの衝撃的な落下を防止して、走行装置や電気回路等の故障を防止するようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の建設機械では、過大なジャッキアップおよびそれからの衝撃的な落下を防止できるが、旋回体の姿勢に起因して、操作性が悪化するという問題がある。
【0007】
具体的に説明すると、油圧ショベル等の建設機械では、
図9に示すように、油圧ポンプ1から旋回台用の油圧モータ2への作動油の供給方向および供給量をコントロールバルブ3で制御し、このコントロールバルブ3は操作用リモコン弁5からのパイロット圧力や操作信号によって制御している。
【0008】
なお、41はブーム用の油圧シリンダであって、油圧モータ2と同様な図示しないコントロールバルブに接続される。図示しないが、コントロールバルブは、アーム用の油圧シリンダ、バケット用の油圧シリンダ等の油圧アクチュエータ毎に設けられる。
【0009】
上記コントロールバルブ3は、スプール弁であって、
図10に模式的に示すように、ブリードオフ通路31、メータイン通路32およびメータアウト通路33を有する。このブリードオフ通路31、メータイン通路32およびメータアウト通路32の操作量に対する開口面積(開口特性)は、スプール弁に機械加工された図示しない溝状の通路によって、
図10の各グラフに示すように、予め定められている。
【0010】
また、
図9に示すコントローラ7は、操作用リモコン弁5から、操作対象、操作量、操作方向を表す操作信号(操作用リモコン弁のパイロット圧力や操作レバー角電気信号など)を受けて、操作対象、操作量および操作方向から、最適な吐出量を演算して、この最適な吐出量を表す吐出量指令信号を油圧ポンプ1に出力して、油圧ポンプ1の吐出量を制御する。なお、コントローラ7は、図示しないが、ネガコン圧信号(ポンプ余剰流量により発生する圧力をセンサで検知した電気信号)などを取り込んで、油圧ポンプの吐出量を制御する場合もある。上記操作信号に対する油圧ポンプ1の吐出量は、
図10の油圧ポンプ1の横の実線のグラフに示すように設定されている。
【0011】
ところで、上記コントロールバルブ3の開口特性は、スプール弁の機械加工された溝状の通路によって定まるため、この開口特性は容易に変更できなくて、作業頻度の高い機体の平坦地の条件で定めている。換言すると、コントロールバルブ3の開口特性を変更しようとすると、極めて複雑な制御になって、コストが高くなって、現実的には開口特性は変更することができない。
【0012】
一方、油圧ショベルの使用条件は、作業現場によって千差万別であって、作業姿勢や作業状態など条件の組合せによっては、操作性が大きく悪化する場合があった。
【0013】
例えば、油圧モータ2による機体の旋回操作の場合、コントロールバルブ3を平坦地での旋回操作の最適条件で設定していると、傾斜地での作業において、負荷が増大する持ち上げ側に操作したときに、平坦地に対して旋回の負荷が増大するため、通常以上の操作量が必要となって、操作性が悪化してしまうという問題がある。これは、喩えていうと、自動車の坂道発進で、アクセルの踏み込み量が多くなることと同じ状態となって、操作性が悪化するのである。
【0014】
そこで、この発明の課題は、簡単安価な構成で、建設機械の機体の姿勢に関わらず、リモコンによる操作性の悪化を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するため、この発明の建設機械は、
走行装置と、
この走行装置に設けた機体と、
上記機体の姿勢を検知するジャイロセンサと、
油圧ポンプと、
アクチュエータと、
上記アクチュエータに供給する油を制御するコントロールバルブと、
上記油圧ポンプとコントロールバルブを操作するリモコンと、
上記ジャイロセンサからの出力に基づいて、上記機体の姿勢に応じて上記油圧ポンプの吐出量を補正制御するコントローラと
を備え
、
上記機体は、上記走行装置上の旋回台を含み、
上記アクチュエータは、上記旋回台を旋回させる油圧モータを含み、
上記コントローラは、上記旋回台が同一の角度だけ傾斜した状態で、その旋回台が負荷を持ち上げる方向で旋回させる方向に上記油圧モータを回転させるときに、その旋回台が負荷を下げる方向で旋回させる方向に上記油圧モータを回転させるときに比べて、上記油圧ポンプ(1)の吐出量を増大させる方向に補正制御する
ことを特徴としている。
【0016】
上記構成によれば、上記コントローラは、上記ジャイロセンサからの出力に基づいて、上記機体の姿勢に応じて上記油圧ポンプの吐出量を補正制御する。
【0017】
このように、上記機体の姿勢に応じて上記油圧ポンプの吐出量を補正制御するので、簡単安価な構成で、様々な機体姿勢においても、通常時と同等の操作性が確保でき、建設機械の機体の姿勢に関わらず、リモコンによる操作性の悪化を抑制することができる。
また、上記コントローラは、上記旋回台が傾斜した状態で、その旋回台が負荷を持ち上げる方向で旋回させる方向に上記油圧モータを回転させるときに、上記油圧ポンプの吐出量を増大させる方向に補正制御するので、通常並のリモコンの操作量で旋回台を旋回させ始めることが可能になって、操作性の悪化を抑制できる。
【0018】
上記油圧ポンプの吐出量を補正制御する仕方としては、例えば、機体の姿勢に応じて、操作信号に対するポンプ吐出量の変化のゲインを上げて、操作開始時のポンプ圧力を上昇させる方法がある。
【0019】
1実施形態では、
上記コントローラは、上記機体の姿勢に応じて、上記アクチュエータの負荷が増大するときに、上記油圧ポンプの吐出量が増大するように補正制御する。
【0020】
上記実施形態によれば、上記コントローラが、上記機体の姿勢に応じて、上記アクチュエータの負荷が増大するときに、上記油圧ポンプの吐出量が増大するように補正制御するので、例えば、アクチュエータが負荷を持ち上げる状態であっても、通常並のリモコンの操作量で操作し始めることが可能になって、操作性の悪化を抑制できる。
【0021】
【0022】
【0023】
1実施形態では、
上記旋回台上に設けられたブームと、
上記ブームの回転角を検出するブーム回転角センサと
を備え、
上記コントローラは、上記吐出量を増大させる方向に補正制御された上記油圧ポンプの吐出量を、上記ブーム回転角センサの出力に基づく上記ブームの倒伏度に応じて予め定められた補正係数でさらに補正する。
この明細書で、「ブームの倒伏度」とは、ブームが旋回台の上の平面に近づくように傾斜する程、大きな値をとり、ブームが旋回台の上の平面に対して起立するにつれて、小さな値をとるもので、端的に言うと、旋回台の上の平面に対するブームの傾斜角に逆比例する値である。
【0024】
上記実施形態によれば、上記吐出量を増大させる方向に補正制御された上記油圧ポンプの吐出量を、上記ブーム回転角センサの出力に基づく上記ブームの倒伏度に応じて予め定められた補正係数でさらに補正するので、リモコンによる操作性、操作感の悪化がより抑制される。
【0025】
1実施形態では、
上記コントロールバルブは、メータイン通路、メータアウト通路およびブリードオフ通路を含む。
【0026】
上記実施形態によれば、上記コントロールバルブが、メータイン通路、メータアウト通路およびブリードオフ通路を含んで、操作性、操作感が良くなっている上に、さらに、上記ジャイロセンサの出力に基づいて、機体の姿勢に応じて、コントローラで油圧ポンプの吐出量を補正制御するので、機体の姿勢変化による操作性、操作感の悪化を抑制できる。
【0027】
1実施形態では、
上記リモコンは、リモコン弁である。
【0028】
上記実施形態によれば、上記リモコンは、リモコン弁であるので、操作量に応じて、油圧信号であるパイロット圧力を制御したり、操作量に応じた電気信号である操作信号を出力することができる。
【0029】
尤も、上記リモコン弁は、油圧信号のみを発生するものであってもよい。
【発明の効果】
【0030】
この発明によれば、ジャイロセンサからの出力に基づいて、コントローラが機体の姿勢に応じて油圧ポンプの吐出量を補正制御するので、簡単安価な構成で建設機械の機体の姿勢に関わらず、リモコンによる操作性を良くすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、この発明を図示の実施形態により詳細に説明する。
【0033】
(第1実施形態)
図1に示すように、この第1実施形態の建設機械の一例としての油圧ショベルは、走行装置11と、この走行装置11に設けた機体12とを備え、この機体12は、走行装置11に支持された下部21と、この下部21に旋回機構22を介して旋回可能に設けた上部の旋回台23とを備える。この旋回台23の前方片側には、キャブ24を設け、旋回台23の前方の中央に、ブーム25を俯仰可能に設けている。このブーム25の先端にアーム26を上下に回転可能に設け、このアーム26の先端にバケット27を回転可能に設けている。
【0034】
上記ブーム25は、ブーム用の油圧シリンダ41で俯仰させ、アーム26はアーム用の油圧シリンダ42で回転させ、バケット27はバケット用の油圧シリンダ43で回転させるようにしている。上記油圧シリンダ41,42,43は、アクチュエータの一例である。
【0035】
上記旋回台23の上には、この旋回台23を、旋回機構22を介して旋回させるための油圧モータ2と、旋回台23の旋回角を検出する旋回角センサ45と、旋回台23の姿勢を検知するジャイロセンサ8とを設けている。
【0036】
また、上記ブーム25の回転角をブーム回転角センサ51で検出し、上記アーム26の回転角をアーム回転角センサ52で検出し、上記バケット27の回転角をバケット回転角センサ53で検出するようにしている。
【0037】
上記旋回台23,ブーム25,アーム26,バケット27,油圧モ−タ2,ブーム用の油圧シリンダ41,アーム用の油圧シリンダ42およびバケット用の油圧シリンダ43などは、作業機40を構成する。
【0038】
図2は、この第1実施形態の建設機械の要部のブロック図である。
図2に示すように、油圧ポンプ1から旋回台用の油圧モータ2への作動油の供給方向および供給量をコントロールバルブ3で制御し、このコントロールバルブ3はリモコンの一例としての操作用リモコン弁5からのパイロット圧力によって制御している。
【0039】
また、上記ブーム25(
図1を参照)を駆動するアクチュエータとしての油圧シリンダ41にも、
図2に示すように、油圧モータ2と同様に、図示しないコントロールバルブを接続して、油圧ポンプ1からの油を制御する。図示しないが、コントロールバルブは、アーム用の油圧シリンダ42、バケット用の油圧シリンダ43等のアクチュエータ毎に設けられている。
【0040】
上記コントロールバルブ3は、スプール弁であって、
図3に模式的に示すように、ブリードオフ通路31、メータイン通路32およびメータアウト通路33を有する。このブリードオフ通路31、メータイン通路32およびメータアウト通路32の操作量に対する開口面積(開口特性)は、スプール弁に機械加工された図示しない溝状の通路によって、
図3の各グラフにおいて実線で示すように、予め定められている。このような開口特性を有するコントロールバルブ3を用いることによって、操作性、操作感が良くなっている。
【0041】
また、
図2に示すように、上記ジャイロセンサ8は、機体姿勢情報、つまり、機体12の水平面に対する傾斜角(旋回台23の水平面に対する傾斜角)と、旋回台23の向き、つまり、作業機40の平面視の向き(ブーム25の平面視の向き)とを表す信号を、コントローラ70に出力する。上記コントローラ70は、リモコンの一例としての操作用リモコン弁5から受ける操作信号(操作レバー角に応じた圧力や角度信号)と、上記ジャイロセンサ8の出力である上記機体姿勢情報とに基づいて、吐出量指令信号を作成して油圧ポンプ1に出力する。
【0042】
この吐出量指令信号によって、油圧ポンプ1の吐出量は、
図3において、油圧ポンプ1の横のグラフにおいて破線で示されるように補正制御される。このグラフにおいて、実線は、油圧ポンプ1の吐出量の補正がされない通常時の操作量に対する油圧ポンプ1の吐出量である。なお、上記油圧ポンプ1は、可変容量型の油圧ポンプであるが、固定容量型の油圧ポンプを用い、回転速度を制御して、吐出量を制御するようにしてもよい。
【0043】
この補正制御は、
図4に示すステップS1〜S4の手順で行われる。
図4に示すように、まず、上記コントローラ70はジャイロセンサ8の出力を取り込み(ステップS1)、旋回台23が予め定められた値以上傾斜しているか否かを判別する(ステップS2)。否ならば、このステップS2の判別を繰り返し、是ならば、ステップS3に進む。
【0044】
ステップS3では、旋回台23の旋回方向が負荷の増大する方向か否かを、ジャイロセンサ8からの機体姿勢情報および操作用リモコン弁5からの操作信号に基づいて判別する。ステップS3で、否と判別すれば、この補正を終了し、是と判別すれば、ステップS4に進んで、図示しないメモリに予め記憶している
図5に破線で示すパターンで、操作量に対する油圧ポンプ1の吐出量を補正制御する。
【0045】
この
図5の破線で示すパターンでは、操作始めのゲインを大きくし、動き始め想定位置での油圧ポンプ1の吐出量を通常時よりも増加させて、ポンプ圧力を高めて、傾斜による油圧モ−タ2の負荷の増加を補正する。
【0046】
上記構成の建設機械において、今、
図6に示すように、建設機械が予め定められた値以上に傾斜した斜面上に位置しているとする。そして、操作用リモコン弁5によって、
図6および7において、矢印Xに示すように、機体12の旋回台23を、負荷を持ち上げる方向に旋回させるとする。
【0047】
このとき、上記コントローラ70は、ジャイロセンサ8からの機体姿勢情報に基づいて、旋回台23が予め定められた値以上に傾斜していると判別し(
図4のステップS2)、さらに、上記ジャイロセンサ8からの機体姿勢情報および操作用リモコン弁5からの操作信号に基づいて、旋回台23の矢印Xの旋回方向が負荷の増大する方向であると判別する(ステップS3)。そして、
図5に破線で示すパターンで、操作量に対する油圧ポンプ1の吐出量を補正制御する(ステップS4)。
【0048】
この
図5の破線で示すように、操作始めのゲインを大きくし、動き始めの想定位置での油圧ポンプ1の吐出量を通常時よりも増加させて、ポンプ圧力を高めて、傾斜による油圧モ−タ2の負荷の増加に対処する。
【0049】
これにより、建設機械が斜面上に位置して、旋回台23が負荷を持ち上げる方向に旋回するときでも、水平な平坦地に位置している通常時と同等の操作量で旋回を始めることができて、操作性、操作感の悪化を抑制できる。
【0050】
(第2実施形態)
この第2実施形態の建設機械の一例としての油圧ショベルは、
図1に示すブーム回転角センサ51の出力で、
図5に示す補正時の油圧ポンプ1の吐出量のパターンをさらに補正する点のみが、第1実施形態の油圧ショベルと異なる。
【0051】
したがって、第2実施形態のハードウェアは、第1実施形態と同じであるので、
図1〜3および
図5およびそれらの説明を援用し、異なる構成のみを以下に説明する。
【0052】
この第2実施形態の
図8に示すフローチャートは、第1実施形態の
図4に示すフローチャートとは、ステップS5を追加した点のみが、
図4と異なるので、ステップS1〜S4については、第1実施形態の説明を援用して省略し、ステップS5のみについて、以下に説明する。
【0053】
コントローラ70は、
図8のステップS5で、ステップS4で求められた
図5の破線で示すように補正された油圧ポンプ1の吐出量に、ブーム25(
図1を参照)の倒伏度に応じて予め定められた補正係数を乗算して、油圧ポンプ1の吐出量をさらに補正する。この補正係数は、図示しないメモリに予め記憶されており、ブーム25の倒伏度が最も大きいとき(最も旋回台23上の平面に近いとき)、最大となり、ブーム25の倒伏度が小さくなる(ブーム25が起立する)につれて、順次、小さくなる。そして、この補正係数は、上記ブーム回転角センサ51の出力に基づいて、上記メモリから読み出される。
この明細書で、「ブームの倒伏度」とは、ブーム25が旋回台23の上の平面に近づくように傾斜する程、大きな値をとり、ブームが旋回台23の上の平面に対して起立するにつれて、小さな値をとるもので、端的に言うと、旋回台23の上の平面に対するブーム25の傾斜角に逆比例する値である。
【0054】
ここで、建設機械が斜面上に位置して、旋回台23が負荷を持ち上げる方向に旋回するとき、負荷の大きさは、旋回台23の傾斜角のみならず、ブーム25の倒伏度によっても、影響されて、ブーム25が倒伏している程、負荷が大きくなるから、コントローラ70は、ブーム回転角センサ51で検出したブーム25の回転角に基づいて、ブーム25の倒伏度に応じた補正係数(例えば、1.0を超え、1.5迄の間の数)で、
図5の破線で示された油圧ポンプ1の補正吐出量をさらに増大するように補正する。これにより、リモコン5による操作性、操作感の悪化がより抑制される。
【0055】
なお、この補正は、ブーム回転角センサ51の出力に加えて、アーム回転角センサ52の出力を用いて、あるいは、アーム回転角センサ52およびバケット回転角センサ53の出力を用いて、作業機40全体の倒伏度(低さ)に基づいて、行ってもよい。しかし、作業機40のうちでブーム25の倒伏度が負荷の増大の主たる要因なので、この第2実施形態では、ブーム25の回転角に基づいて、補正係数を定めている。
【0056】
このように、コントローラ70は、旋回体23の傾斜角およびブーム25の倒伏度によって補正された補正吐出量を、ブーム25の回転角度に応じて変化する補正係数によって、逐次、修正し、この修正後の補正吐出量に、油圧ポンプ1の吐出量を制御するので、リモコン5による操作性、操作感の悪化がより抑制される。
【0057】
上記第1、第2実施形態では、操作量に対する油圧ポンプ1の吐出量の補正を、
図5の破線の折れ線に示すようにしているが、この補正は、折れ線に限らず、図示しない直線や湾曲した曲線に沿って補正するようにしてもよい。
【0058】
また、上記第1および第2実施形態では、上記ジャイロセンサ8からの出力である機体姿勢情報および操作用リモコン弁5からの操作信号によって、旋回台23が負荷を持ち上げる方向に旋回するときに、油圧ポンプ1の吐出量を増大する方向に補正制御しているが、旋回台23が負荷を持ち下げる方向に旋回するときに、油圧ポンプ1の吐出量を減少する方向にゲインを下げる補正制御をするようにしてもよい。
【0059】
また、上記第1、第2実施形態では、機体12が斜面に位置し、旋回台23が負荷を持ち上げる方向に旋回するときに、油圧ポンプ1の吐出量を増大する方向に補正制御しているが、機体が斜面に位置することによって、負荷の状態が変化するどの油圧アクチュエータについても、同様な補正を適用することができる。
【0060】
また、上記第1、第2実施形態では、リモコンとして、パイロット油圧信号と電気信号を出力する操作用リモコン弁5を用いたが、電気信号のみを出力するリモコンを用いてもよい。
【0061】
また、上記第1、第2実施形態では、コントロールバルブ3は、メータイン通路32、メータアウト通路33およびブリードオフ通路31を有する単一の弁であったが、コントロールバルブは、夫々がメータイン通路、メータアウト通路およびブリードオフ通路に対応する複数の弁からなる複合弁であってもよい。また、コントロールバルブは、メータイン通路とメータアウト通路とを有し、ブリードオフ通路を有さないコントロールバルブであってもよい。
【0062】
また、上記第1、第2実施形態では、建設機械は油圧ショベルであったが、この発明は、油圧ショベルに限らず、クレーン等のような建設機械にも適用可能である。例えば、トラッククレーン等のように、ブームとアームを有して、旋回台を有さない建設機械であってもよい。
【0063】
上記第1、第2実施形態および変形例で述べた構成要素は、適宜、組み合わせてもよく、また、適宜、選択、置換、あるいは、削除してもよいのは、勿論である。