(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する吸着パッド、ロボットハンドおよびロボットの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0014】
また、以下では、ロボットが、被搬送物としてウェハを搬送する基板搬送用ロボットである場合を例に挙げて説明を行う。ウェハには、符号「W」を付す。また、以下では、「機械構造を構成し、互いに相対運動可能な個々の剛体要素」を「リンク」とし、かかる「リンク」を「アーム」と記載する場合がある。また、ロボットハンドについては「ハンド」と記載する。
【0015】
まず、実施形態に係るロボット1の構成について
図1を用いて説明する。
図1は、実施形態に係るロボット1の斜視模式図である。
【0016】
なお、説明を分かりやすくするために、
図1には、鉛直上向きを正方向とし、鉛直下向きを負方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を図示している。したがって、XY平面に沿った方向は、「水平方向」を指す。かかる直交座標系は、以下の説明に用いる他の図面においても示す場合がある。
【0017】
また、以下では、説明の便宜上、ロボット1の旋回位置や手先の向きが
図1に示す状態であるものとして、ロボット1における各部位の位置関係を説明する。
【0018】
また、以下では、複数個で構成される構成要素については、複数個のうちの一部にのみ符号を付し、その他については符号の付与を省略する場合がある。かかる場合、符号を付した一部とその他とは同一の構成であるものとする。
【0019】
図1に示すように、ロボット1は、基台2と、昇降部3と、第1関節部4と、第1アーム5と、第2関節部6と、第2アーム7と、第3関節部8と、ハンド10とを備える。
【0020】
基台2は、ロボット1のベース部であり、床面や壁面と固定されるほか、ベース部上面にて、装置と固定されることもある。昇降部3は、かかる基台2から鉛直方向(Z軸方向)にスライド可能に設けられ(図中の両矢印a0参照)、ロボット1のアーム部を鉛直方向に沿って昇降させる。
【0021】
第1関節部4は、軸a1まわりの回転関節である。第1アーム5は、かかる第1関節部4を介し、昇降部3に対して回転可能に連結される(図中の軸a1まわりの両矢印参照)。
【0022】
また、第2関節部6は、軸a2まわりの回転関節である。第2アーム7は、かかる第2関節部6を介し、第1アーム5に対して回転可能に連結される(図中の軸a2まわりの両矢印参照)。
【0023】
また、第3関節部8は、軸a3まわりの回転関節である。ハンド10は、かかる第3関節部8を介し、第2アーム7に対して回転可能に連結される(図中の軸a3まわりの両矢印参照)。
【0024】
なお、ロボット1には、モータなどの駆動源(図示略)が搭載されており、第1関節部4、第2関節部6および第3関節部8のそれぞれは、かかる駆動源の駆動に基づいて回転する。
【0025】
ハンド10は、ウェハWを真空吸着して保持するエンドエフェクタである。ハンド10の構成の詳細については、
図2以降を用いて後述する。なお、
図1では、ロボット1が1個のハンド10を備える場合を図示しているが、ハンド10の個数を限定するものではない。
【0026】
たとえば、軸a3を同心として重ねて設けられ、それぞれ独立して軸a3まわりに回転可能となるようにハンド10を複数個設けてもよい。
【0027】
そして、ロボット1は、昇降部3による昇降動作、各アーム5,7およびハンド10の回転動作を組み合わせることによって、ウェハWを搬送する。なお、これら各種動作は、通信ネットワークを介してロボット1と相互通信可能に接続された制御装置20からの指示によって行われる。
【0028】
制御装置20は、ロボット1の動作制御を行うコントローラである。たとえば、制御装置20は、上述の駆動源の駆動を指示する。そして、ロボット1は、かかる制御装置20からの指示に従って駆動源を任意の角度だけ回転させることで、アーム部を回転動作させる。
【0029】
なお、かかる動作制御は、あらかじめ制御装置20に格納されている教示データに基づいて行なわれるが、やはり相互通信可能に接続された上位装置30から教示データを取得する場合もある。
【0030】
次に、ハンド10の構成について、
図2を用いて説明する。
図2は、ハンド10の平面模式図である。なお、
図2には、規定位置にあるウェハWを二点鎖線で示している。かかる規定位置にあるウェハWの中心には、以下、符号「C」を付す。
【0031】
図2に示すように、ハンド10は、第2アーム7の先端部において、第3関節部8を介し、軸a3まわりに回転可能に設けられる。ハンド10は、プレート支持部11と、プレート12と、吸着パッド13と、真空路14とを備える。
【0032】
プレート支持部11は、第3関節部8に連結され、プレート12を支持する。プレート12は、ハンド10の基部にあたる部材であり、セラミックス等により形成される。なお、
図2には、先端側が二股に分かれた形状のプレート12を例示しているが、プレート12の形状を限定するものではない。
【0033】
吸着パッド13は、真空吸着することでウェハWをハンド10上へ保持する部材である。本実施形態では、かかる吸着パッド13が、
図2に示す位置に3個設けられ、ウェハWを3点で吸着して保持するものとする。なお、吸着パッド13の個数は限定されるものではなく、たとえば、3個以上設けられてもよい。また、吸着パッド13の構成については、
図3A以降を用いて詳しく述べる。
【0034】
真空路14は、吸着パッド13それぞれから真空源(図示略)に延びる吸気経路であり、
図2に一例として示すように、プレート12の内部に形成される。なお、真空源は、吸着パッド13にウェハWが置かれることでかかる真空路14を介して吸引を行い、吸着パッド13にウェハWを吸着させる。なお、真空路14は、真空源からの吸引が可能な形態であれば、どこに形成されてもよい。
【0035】
ところで、ウェハWに生じる反りの態様には、中心Cにかけて徐々に盛り上がるいわゆる「ドーム型」や、中心Cにかけて徐々にへこんだいわゆる「椀型」、またウェハW内にてこれら両方の変形が混在した「ランダム型」等がある。ただし、実際の変形における吸着パッド13上の局所的部分については、「ドーム型」あるいは「椀型」のいずれかを想定しておけば十分であるため、以下では、これら「ドーム型」および「椀型」の場合を例に挙げて、吸着パッド13の挙動を説明する。
【0036】
すなわち、ウェハWは、径方向をたわみ方向とする反りの態様をとると言える。本実施形態は、このような反りを生じたウェハWであっても、かかるウェハWに吸着パッド13を確実に倣わせ、真空吸着するものである。
【0037】
次に、吸着パッド13の構成について説明する。なお、以下の説明では、
図2に示した吸着パッド13のうち、閉曲線P1で囲まれた吸着パッド13を主たる例に挙げる。
【0038】
図3Aは、吸着パッド13の平面模式図である。また、
図3Bは、
図3Aに示すA−A’線略断面図である。
図3Aおよび
図3Bに示すように、吸着パッド13は、パッド部13aと、固定部13bと、支持部13cとを備える。なお、これら各部位を分かりやすく示すため、以下では、平面視した場合の支持部13cについては、点状のパターンで塗りつぶして示すこととする(
図3A参照)。
【0039】
かかる吸着パッド13は、樹脂等の種々の材料を用いて形成することができる。たとえば、その材料は、ウェハWの変形に倣うことができるという点からは、可撓性を有するものが好ましい。
【0040】
また、高温状態のウェハWに接触するという点からは、耐熱性に優れるものが好ましい。したがって、一例としては、ポリイミド樹脂等を好適に用いることができる。本実施形態では、吸着パッド13が、かかるポリイミド樹脂を用いて一体成形されているものとする。
【0041】
パッド部13aは、被吸着物を吸着する部位であり、接触部13aaと、主面部13abと、吸気孔13acとをさらに備える。接触部13aaは、被吸着物であるウェハWに接触する部位である。主面部13abは、吸着パッド13のいわば基板にあたる部位であり、その外周を接触部13aaによって囲まれる。なお、
図3Aには、略円状の主面部13abを例示しているが、主面部13abの形状を限定するものではない。この点については、
図7に別例を示し、後述する。
【0042】
また、主面部13abの中央部には、吸気孔13acが形成される。吸気孔13acは、接触部13aaに囲まれた空間を、後述するシール部材15(
図4Aまたは
図4B参照)を通って真空源に連通させる。
【0043】
固定部13bは、パッド部13aから離間した位置でこのパッド部13aを挟んで対向するように設けられ、パッド部13aの固定端となる1対の部位である。固定部13bには、たとえば、ボルトやネジといった締結部材SC(後述)が挿通される貫通孔13baが形成される。なお、
図3Aでは、固定部13bを略円状として示しているが、その形状を限定するものではない。
【0044】
支持部13cは1対設けられ、パッド部13aの中心軸線ax−c上の周縁端から固定部13bまでをそれぞれ連結する。かかる支持部13cは、パッド部13aおよび固定部13bの離間距離dよりも長い「延べ長さ」をそれぞれ有する。ここで、「延べ長さ」は、支持部13cの一端から他端までの外形の形状に沿った長さのことを指す。
【0045】
たとえば、離間距離dよりも長い「延べ長さ」を有する一例として
図3Aに示すように、支持部13cは、パッド部13aの外周に沿って回りこむように設けられ、一端が上記周縁端の一方に、他端が上記周縁端の他方の側にある固定部13bへそれぞれ連結される。
【0046】
このとき、
図3Aに示すように、パッド部13aが略円状であれば、支持部13cはパッド部13aのほぼ半円周に沿うように設けられることが好ましい。これにより、支持部13cの「延べ長さ」をより長くとることが可能となる。この「延べ長さ」を長くとることによって、支持部13cの弾性を高め、吸着パッド13をウェハWに倣って変形しやすくすることができる。この点については後ほどまた
図6Bを用いて述べる。
【0047】
また、支持部13cは、同一円周CC上に設けられることが好ましい。具体的には、
図3Aに示すように、たとえば支持部13cがパッド部13aの中心軸線ax−c上の周縁端からそれぞれ延びるように設けられるのに対して、上述の固定部13bを中心軸線ax−cとは異なる中心軸線(図中のB−B’線参照)上に配置することで可能となる。これにより、支持部13cをパッド部13aの外周により接近させて設けることができるので、吸着パッド13の外形全体を略円形にコンパクトに構成することができる。
【0048】
次に、吸着パッド13の取り付け構造について説明する。
図4Aおよび
図4Bは、吸着パッド13の取り付け構造を示す略断面図(その1)および(その2)である。なお、
図4Aおよび
図4Bに示す略断面は、
図3Aに示したB−B’線に対応している。
【0049】
図4Aに示すように、プレート12には、真空路14に連なる吸気孔12aと、締結部材SCおよび貫通孔13baに対応する孔部12bと、環状壁部12cとがあらかじめ形成される。すなわち、プレート12は、本実施形態に係る吸着構造の固定ベースである。
【0050】
また、吸着パッド13とプレート12との間には、シール部材15が設けられる。シール部材15は、略環状に形成された弾性体であって、たとえば、シリコン樹脂等を用いて形成される。また、シール部材15は、吸着パッド13がプレート12へ取り付けられた状態における吸着パッド13とプレート12との間隔h2(
図4B参照)よりも大きい高さh1を有して形成される。
【0051】
そして、
図4Aおよび
図4Bに示すように、吸着パッド13は、吸気孔13acの外周、シール部材15の内周および吸気孔12aの外周をそれぞれ係合させつつ、貫通孔13baへ挿通させた締結部材SCを孔部12bへ挿入して締結させることでプレート12へ取り付けられる。
【0052】
なお、締結部材SCを用いることで、接着剤を用いることなく吸着パッド13をプレート12へ取り付けることができるので、ウェハWが高温の場合に接着剤に含まれる有機物が揮発して製品に影響を及ぼすのを防止する効果を得ることができる。また、締結部材SCは、
図4Aおよび
図4Bに示したような皿ネジもしくは低頭ボルトといった頭部上面が平らなものが好ましい。このように頭部上面が平らな締結部材SCを用いることによって、締結部材SC自体がウェハWに干渉するのを防ぐことができる。
【0053】
また、シール部材15は、吸着パッド13とプレート12との間隔h2よりも大きい高さh1を有しているので、押しつぶされた状態で圧着されることになる。これにより、吸気孔13ac,12aの間を確実に封止して気密空間を確保することができる。
【0054】
そして、このように吸着パッド13が取り付けられた状態で、支持部13cの下方には空間が形成される。これは、上述の環状壁部12cが、支持部13cの外縁よりも外側となる内径を有して形成されるためであり、これにより支持部13cの一端から他端までを自由状態にして支持部13cに弾性を与え、吸着パッド13をウェハWに倣って変形しやすくすることができる。
【0055】
なお、ここでは、プレート12に対し、シール部材15を用いてパッド部13aを支持させる場合を例に挙げたが、これに限定されるものではない。たとえば、プレート12の吸気孔12aまわりに沿って環状に立設される環状支持部(図示略)によってパッド部13aを支持させることとしてもよい。
【0056】
また、ここでは、締結部材SCを用いる取り付け例を挙げたが、締結部材SCを用いることなく吸着パッド13をプレート12へ取り付けられるように固定部13bを構成してもよい。ここで、かかる固定部13bの変形例について説明しておく。
【0057】
図5Aおよび
図5Bは、固定部13bの変形例を示す略断面図(その1)および(その2)である。なお、
図5Aおよび
図5Bに示す略断面もまた、
図3Aに示したB−B’線に対応している。また、
図5Aおよび
図5Bでは、吸着パッドに「13’」の符号を付している。
【0058】
図5Aに示すように、吸着パッド13’の変形例に係る固定部13bは、プレート12側へ下垂させて設けられ、先割れ形状で頭部に返しとなる突起を有した先割れピン部13bbを備える。なお、先割れピン部13bbは、自由状態で拡開する弾性を有して設けられることが好ましい。
【0059】
また、
図5Bに示すように、かかる吸着パッド13’に応じては、プレート12には、先割れピン部13bbの頭部の返しに係合する形状を有する貫通孔12dがあらかじめ形成される。
【0060】
そして、吸着パッド13’は、かかる貫通孔12dへ先割れピン部13bbが挿し込まれることによって、プレート12へ取り付けられる。ここで、先割れピン部13bbは、自由状態で拡開する弾性を有し、その頭部には返しを有しているので、工具を用いることなく吸着パッド13’をプレート12へ緊合させることができる。すなわち、吸着パッド13’をプレート12へ容易に取り付けることができるので、エンドユーザの現場等において効率よく交換作業を実施することができる。
【0061】
また、締結部材SCを用いる場合と同様に、接着剤を用いることなく、吸着パッド13’をプレート12へ取り付けることができるので、やはり接着剤に含まれる有機物が揮発して製品に影響を及ぼすのを防ぐことができる。
【0062】
吸着パッド13の説明に戻り、次に、吸着パッド13の配置例とその動きについて説明する。
図6Aは、吸着パッド13の配置例を示す平面模式図である。また、
図6Bは、吸着パッド13の動きを示す平面模式図である。
【0063】
図6Aに示すように、一例として吸着パッド13は、規定位置にあるウェハWの径方向に対して、支持部13cの一端が存在する中心軸線ax−cが略直交する向きとなるように配置される。言い換えれば、中心軸線ax−cが、規定位置にあるウェハWの中心Cから仮想的に描かれる同心円の接線方向を向くように配置される。
【0064】
かかる配置により、
図6Bに示すように、まず、吸着パッド13を径方向に略直交する中心軸線ax−cまわりに傾動させやすくすることができる(図中の矢印601参照)。すなわち、ドーム型や椀型といった径方向に沿った反りの態様をとりやすいウェハWに対して、吸着パッド13を倣わせやすくすることができる。
【0065】
また、これまで説明し、
図6Bにも示したように、吸着パッド13は、支持部13cがパッド部13aおよび固定部13bの離間距離d(
図3A参照)よりも長い「延べ長さ」を有し、環状壁部12cによって形成された空間にいわば浮く状態で取り付けられる。
【0066】
このため、支持部13cは、離間距離dと同等の長さでパッド部13aおよび固定部13bを直結する場合に比べてより大きな弾性を付与されて、吸着パッド13全体をいわば運動させやすい状態で支持することとなる。
【0067】
言い換えれば、本実施形態における支持部13cは、その付与された弾性によって吸着パッド13を中心軸線ax−cまわりにねじれやすくする構成となっている。なお、このときのねじり力には、吸着パッド13自体の可撓性や、上述のシール部材15の弾性があわせて作用し、さらに吸着パッド13を傾動しやすくしている。
【0068】
これにより、ウェハWに反りが生じた場合であっても、吸着パッド13を容易に倣わせることができる。すなわち、確実にウェハWを吸着することができる。
【0069】
ところで、吸着パッド13の形状は、これまで示してきた例に限られない。そこで、次に、吸着パッド13の変形例について、
図7および
図8を用いて説明する。なお、
図7に示す変形例は、第1の変形例とする。また、
図8に示す変形例は、第2の変形例とする。
【0070】
図7は、第1の変形例に係る吸着パッド13Aの平面模式図である。第1の変形例に係る吸着パッド13Aは、パッド部13aが略角丸長方形状に形成され、支持部13cがこのパッド部13aよりも大きい角丸長方形の同一外周に沿って設けられる点が、上述してきた吸着パッド13とは異なる。
【0071】
かかる吸着パッド13Aの場合、長軸方向をこれまで説明してきた中心軸線ax−cとして設けられることが好ましい。これにより、ドーム型や椀型といった径方向をたわみ方向とする反りの態様をとるウェハWに対して、吸着パッド13Aを短軸方向において効果的に倣わせることができる。
【0072】
具体的には、いわばウェハWは、径方向に略直交する向きでは反り量が小さく、径方向では反り量が大きいと言えるが、吸着パッド13Aの短軸方向を径方向に沿わせれば、吸着パッド13A上ではウェハWの反り量は小さくなる。すなわち、吸着パッド13Aが大きく変形しなくともウェハWに倣うことができる。したがって、真空吸着におけるリークを起こりにくくし、確実にウェハWを吸着することができる。
【0073】
また、これまでは、支持部13cが、パッド部13aの外周に沿って回りこむように設けられる場合を例に挙げたが、外周に沿って回りこまなくともよい。
図8は、第2の変形例に係る吸着パッド13Bの平面模式図である。
【0074】
すなわち、
図8に示すように、支持部13cは、平面視で蛇行形状をなし、パッド部13aの中心軸線ax−c上の周縁端と、かかる周縁端の側(すなわち、近傍)にある固定部13bとを連結することとしてもよい。
【0075】
この場合によっても、支持部13cは、パッド部13aおよび固定部13bの離間距離d(
図3A参照)よりも長い「延べ長さ」を有することとなるので、パッド部13aおよび固定部13bを離間距離dで連結する場合に比べてより大きな弾性を得ることができる。すなわち、ウェハWに反りが生じた場合であっても、吸着パッド13を容易に倣わせ、確実にウェハWを吸着することができる。
【0076】
上述してきたように、実施形態に係る吸着パッドは、パッド部と、1対の固定部と、1対の支持部とを備える。パッド部は、被吸着物を吸着する。1対の固定部は、パッド部から離間した位置でこのパッド部を挟んで対向するように設けられ、パッド部の固定端となる。
【0077】
1対の支持部は、パッド部および固定部の離間距離よりも長い延べ長さをそれぞれ有し、パッド部の中心軸線上の周縁端から固定部までをそれぞれ連結する。
【0078】
したがって、実施形態に係る吸着パッド、それを備えるロボットハンドおよびロボットによれば、反りが生じた場合であっても基板を確実に吸着することができる。
【0079】
なお、上述した実施形態で説明した先割れピン部等に対しては、たとえば、プレート支持部の方から導体を導くこととしてもよい。これにより、ウェハの帯電防止に資することが可能となるので、ウェハにパーティクル等が付着するのを防ぐことができる。
【0080】
また、上述した実施形態では、パッド部の主面部の形状の一例に略角丸長方形状を挙げたが、楕円形状をも含むオーバル形状であってもよい。
【0081】
また、上述した実施形態では、単腕ロボットを例に挙げて説明したが、双腕以上の多腕ロボットに適用することとしてもよい。また、腕の数だけでなく、上述した実施形態によって、ロボットのハンドの数や軸数などが限定されるものではない。
【0082】
また、上述した実施形態では、被吸着物がウェハである場合を例に挙げたが、これに限定されるものではなく、薄板状の基板であればよい。ここで、基板は、その種別を問われるものではなく、たとえば、液晶パネルディスプレイのガラス基板などであってもよい。
【0083】
なお、ガラス基板などの場合、上述してきた径方向は、被吸着物の中心から仮想的に描かれる同心円の径方向、あるいは、被吸着物の中心から放射状に伸びる方向ということになる。また、被吸着物は、薄板状のワークであれば基板でなくともよい。
【0084】
また、上述した実施形態では、ロボットが、ウェハ等の基板を搬送する基板搬送用ロボットである場合を例に挙げたが、搬送作業以外の作業を行うロボットであってもよい。たとえば、吸着パッドを備えたハンドを用いて薄板状のワークを真空吸着しながら所定の組立作業を行う組立ロボット等であってもよい。
【0085】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。