特許第5930045号(P5930045)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5930045
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】セラミック電子部品
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/232 20060101AFI20160526BHJP
   H01G 4/30 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
   H01G4/12 352
   H01G4/30 301B
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-529379(P2014-529379)
(86)(22)【出願日】2013年6月25日
(86)【国際出願番号】JP2013067353
(87)【国際公開番号】WO2014024593
(87)【国際公開日】20140213
【審査請求日】2014年10月17日
(31)【優先権主張番号】特願2012-176859(P2012-176859)
(32)【優先日】2012年8月9日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100092071
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 均
(72)【発明者】
【氏名】大沢 隆司
【審査官】 堀 拓也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−135073(JP,A)
【文献】 特開平06−084687(JP,A)
【文献】 特開2011−171650(JP,A)
【文献】 特開2011−137128(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/232
H01G 4/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック素体と、セラミック素体の表面に形成された外部電極とを備えたセラミック電子部品であって、
前記外部電極が、
前記セラミック素体の端面から側面に回り込むように形成された、金属を主成分とする金属電極層と、
前記セラミック素体の前記端面および前記端面から前記側面に回り込んだ前記金属電極層の主要部を被覆し、前記金属電極層の前記セラミック素体の前記側面に回り込んだ部分の先端部である周縁部を露出させるように前記金属電極層上に形成された、絶縁性の樹脂からなる絶縁性樹脂層と、
前記絶縁性樹脂層を被覆するとともに、先端部が、前記絶縁性樹脂層により被覆されていない前記金属電極層の前記周縁部に達して、前記金属電極層と接するように前記絶縁性樹脂層上に形成された、導電性材料を含有する樹脂からなる導電性樹脂電極層と
を備えていることを特徴とするセラミック電子部品。
【請求項2】
前記絶縁性樹脂層の、前記金属電極層の前記セラミック素体の前記側面に回り込んだ部分を被覆している部分の先端部が前記セラミック素体の表面にまで達することなく、前記セラミック素体の表面と接しないように形成されていることを特徴とする請求項1記載のセラミック電子部品。
【請求項3】
前記導電性樹脂電極層の表面が、めっき膜層により被覆されていることを特徴とする請求項1または2記載のセラミック電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミック電子部品に関し、詳しくは、セラミック素体とその表面に形成された外部電極を備えたセラミック電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
代表的なセラミック電子部品の一つであるチップ型の積層セラミックコンデンサは、一般的に誘電体層であるセラミック層を介して複数の内部電極が積層された積層セラミックコンデンサ素子(セラミック素体)の、互いに対向する一対の端面に、内部電極と導通するように外部電極が配設された構造を有している。
【0003】
このような構造を有するセラミック電子部品として、例えば、図2に示すような構造を有するセラミック電子部品(積層コンデンサ)が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
このセラミック電子部品(積層コンデンサ)においては、セラミック素体110の第1および第2の端面110c,110dから第1および第2の側面に回り込むように一対の外部電極130が配置されており、一対の外部電極130はそれぞれ、第1の金属電極層132と、導電性樹脂電極層134とを有している。
【0005】
そして、第1の金属電極層132は、金属を主成分として含有しており、第1および第2の端面110c,110d上に形成された第1の部分132aと、第1および第2の側面110a,110bに回り込むように形成された第2の部分132bとを有している。
【0006】
導電性樹脂電極層134は、導電性材料を含有しており、第1の金属電極層132の第1および第2の部分132a,132b上にわたって当該第1および第2の部分132a,132bを覆うとともに、セラミック素体110に接触しないように形成されている。
【0007】
さらに、導電性樹脂電極層134上には、例えばNiめっき膜からなる第2の金属層136、および、例えばSnまたはSn合金などのめっき膜からなる第3の金属電極層138が形成されている。
【0008】
そして、この特許文献1のセラミック電子部品の場合、上述のような構成を備えていることから、導電性樹脂電極層により外部電極の撓みを吸収し、熱衝撃によるクラックの発生を抑制、防止することができるとともに、導電性樹脂電極層134の剥離を防止することが可能で、信頼性の高いセラミック電子部品を得ることができるとされている。
【0009】
しかしながら、この特許文献1のセラミック電子部品においては、外部電極に占める導電性樹脂電極層の割合が大きく、導電性樹脂電極層の形成に用いられる導電性樹脂が高価であることから材料コストが増大し、製品であるセラミック電子部品の製造コストの上昇を招くという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−181956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記課題を解決するものであり、外部電極の耐熱衝撃性や剥離しにくさを犠牲にすることなく、外部電極に占める導電性樹脂電極層の割合を低くすることが可能で、経済性に優れたセラミック電子部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明のセラミック電子部品は、
セラミック素体と、セラミック素体の表面に形成された外部電極とを備えたセラミック電子部品であって、
前記外部電極が、
前記セラミック素体の端面から側面に回り込むように形成された、金属を主成分とする金属電極層と、
前記セラミック素体の前記端面および前記端面から前記側面に回り込んだ前記金属電極層の主要部を被覆し、前記金属電極層の前記セラミック素体の前記側面に回り込んだ部分の先端部である周縁部を露出させるように前記金属電極層上に形成された、絶縁性の樹脂からなる絶縁性樹脂層と、
前記絶縁性樹脂層を被覆するとともに、先端部が、前記絶縁性樹脂層により被覆されていない前記金属電極層の前記周縁部に達して、前記金属電極層と接するように前記絶縁性樹脂層上に形成された、導電性材料を含有する樹脂からなる導電性樹脂電極層と
を備えていることを特徴としている。
【0013】
また、本発明のセラミック電子部品において、前記絶縁性樹脂層の、前記金属電極層の前記セラミック素体の前記側面に回り込んだ部分を被覆している部分の先端部が前記セラミック素体の表面にまで達することなく、前記セラミック素体の表面と接しないように形成されていることが好ましい。
上記構成を備えることにより、絶縁性樹脂層の剥離を抑制して、信頼性を向上させることができる。
【0014】
また、前記導電性樹脂電極層の表面が、めっき膜層により被覆されていることが好ましい。
上記構成を備えることにより、はんだ付け性などの特性を向上させることが可能になり、本発明をより実効あらしめることが可能になる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のセラミック電子部品は、外部電極が、セラミック素体の端面から側面に回り込むように形成された金属電極層と、前記セラミック素体の前記端面および前記端面から前記側面に回り込んだ金属電極層の周縁部を露出させるように金属電極層上に形成された絶縁性樹脂層と、絶縁性樹脂層を被覆するとともに、先端部(周縁部)が、絶縁性樹脂層により被覆されていない金属電極層の周縁部に達して、金属電極層と接する導電性樹脂電極層とを備えているので、外部電極の耐熱衝撃性や剥離しにくさを確保しつつ、高価な導電性樹脂電極層の一部を、導電性材料を含まず、安価な絶縁性樹脂層で置き換えることが可能になり、外部電極全体に占める導電性樹脂電極層の割合(体積割合)を低くして、経済性に優れたセラミック電子部品を得ることが可能になる。
【0016】
すなわち、本発明によれば、従来のように、耐熱衝撃性などの特性を導電性樹脂電極層により確保するようにした場合(絶縁性樹脂層と導電性樹脂電極層を組み合わせることなく樹脂含有層をすべて導電性樹脂電極層とした場合)に比べて、外部電極に占める導電性樹脂電極層の割合を低くして、製品全体のコストを低減することができる。
【0017】
また、本発明によれば、従来のように樹脂含有層をすべて導電性樹脂電極層とした場合と比べて、外部電極の寸法や形状を維持したまま、製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態にかかるセラミック電子部品(積層セラミックコンデンサ)の構成を示す断面図である。
図2】従来のセラミック電子部品(積層セラミックコンデンサ)を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の実施形態を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【0020】
[実施形態1]
図1は、本発明の一実施形態(実施形態1)にかかるセラミック電子部品(この実施形態1では積層セラミックコンデンサ)の構成を示す断面図である。図1に示すように、この積層セラミックコンデンサAは、誘電体層であるセラミック層3を介して複数の内部電極2a,2bが積層された積層セラミックコンデンサ素子(セラミック素体)1の互いに対向する一対の端面4a,4bに、内部電極2a,2bと導通するように一対の外部電極5a,5bが配設された構造を有している。
【0021】
そして、外部電極5a,5bは、
(a)セラミック素体1の表面に形成された、金属を主成分とする金属電極層(この実施形態1では、厚膜電極である銅電極層)51a,51bと、
(b)金属電極層51a,51bの周縁部を除く主要部は被覆するが、周縁部は露出させるような態様で、金属電極層51a,51b上に形成された、絶縁性樹脂からなる絶縁性樹脂層52a,52bと、
(c)絶縁性樹脂層52a,52bを被覆するとともに、先端部(周縁部)が、絶縁性樹脂層52a,52bにより被覆されていない金属電極層51a,51bの周縁部に達して、金属電極層51a,51bと接するような態様で、絶縁性樹脂層52a,52b上に形成された、導電性材料を含有する樹脂からなる導電性樹脂電極層53a,53bと、
(d)導電性樹脂電極層53a,53bを被覆するように配設された、ニッケルめっき膜層54a,54b、および、ニッケルめっき膜層54a,54bを被覆するように配設されたスズめっき膜層55a,55bと
を備えている。
【0022】
なお、絶縁性樹脂層52a,52bは、上述のように、金属電極層51a,51bの周縁部を除く主要部は被覆するが、その先端部(周縁部)が金属電極層51a,51bの周縁部の手前の領域までしか形成されておらず、セラミック素体1の表面と接していない。
【0023】
また、導電性樹脂電極層53a,53bも、絶縁性樹脂層52a,52bを被覆するとともに、先端部(周縁部)が、金属電極層51a,51bの周縁部に達して、金属電極層51a,51bと導通するが、セラミック素体1の表面にまでは達することがなく、セラミック素体1の表面と接しないような態様で配設されている。
【0024】
なお、この実施形態1にかかる積層セラミックコンデンサAの各部の寸法は以下の通りである。
【0025】
<セラミック素体>
長さ:3.2mm、幅:2.5mm、高さ:2.5mm
【0026】
<金属電極層>
(a)セラミック素体1の端面4a,4bにおける金属電極層51a,51bの厚さ:50μm
(b)金属電極層51a,51bの、セラミック素体1の端面から側面に回り込んだ部分の長さ(e1):400μm
【0027】
<絶縁性樹脂層>
(a)セラミック素体1の端面4a,4bにおける絶縁性樹脂層52a,52bの厚さ:80μm
(b)絶縁性樹脂層52a,52bの、セラミック素体1の端面4a,4bから側面に回り込んだ部分の寸法(e2):200μm
【0028】
<導電性樹脂電極層>
(a)セラミック素体1の端面4a,4bにおける導電性樹脂電極層53a,53bの厚さ:30μm
(b)導電性樹脂電極層53a,53bの、セラミック素体1の端面4a,4bから側面に回り込んだ部分の寸法(e3):300μm
【0029】
<ニッケルめっき膜層>
(a)セラミック素体1の端面4a,4bにおけるニッケルめっき膜層54a,54bの厚さ:3.5μm
なお、ニッケルめっき膜層54a,54bの、セラミック素体1の端面4a,4bから側面に回り込んだ部分の寸法は、金属電極51a,51bの、セラミック素体1の端面4a,4bから側面に回り込んだ部分の寸法(e1)と同じである。
【0030】
<スズめっき膜層>
(a)セラミック素体1の端面4a,4bにおけるスズめっき膜層55a,55bの厚さ:3.5μm
なお、スズめっき膜層55a,55bの、セラミック素体1の端面4a,4bから側面に回り込んだ部分の寸法は、金属電極51a,51bの、セラミック素体1の端面4a,4bから側面に回り込んだ部分の寸法(e1)と同じである。
【0031】
次に、上述の積層セラミックコンデンサAの製造方法について説明する。
(1)上述の積層セラミックコンデンサAを製造するにあたっては、まず、セラミック素体1を用意する。このセラミック素体1の作製方法に特別の制約はなく、例えば、導電性ペーストを塗布することにより表面に内部電極パターンを形成したセラミックグリーンシートを積層する工程を経て作製することができる。さらに、上述のような積層工法に限らず、セラミックスラリー、導電性ペーストなどを順次塗布して積層体を形成する工法などによっても作製することができる。
【0032】
(2)次に、セラミック素体1の表面に銅粉末を導電成分とする導電性ペーストを塗布し、焼き付けることにより、金属を主成分とする金属電極層(銅電極層)51a,51bを形成する。この実施形態1では、金属電極層(銅電極層)51a,51bはいわゆる厚膜電極である。
【0033】
(3)それから、セラミック素体1に形成された金属電極層51a,51bの、周縁部を除く主要部は被覆するが、周縁部は露出させるような態様で、ビスAエポキシ樹脂(JER828)と、イミダゾール(2E4MZ)を配合した樹脂(ビスAエポキシ樹脂/イミダゾール=100/5phr)を、銅電極層(金属電極層)51a,51b上に塗布し、硬化させることにより、絶縁性樹脂層52a,52bを形成する。なお、絶縁性樹脂層52a,52bを形成するにあたっては、その先端部(周縁部)がセラミック素体1の表面と接しないように形成する。
【0034】
(4)次に、ビスAエポキシ樹脂(JER828)と、イミダゾール(2E4MZ)と、球状銀粉末(D50=1.0μm)と、偏平状銀粉末(D50=3.5μm)と、ブチルカルビトールを配合した導電性樹脂材料(ビスAエポキシ樹脂/イミダゾール/球状銀粉末/偏平状銀粉末/ブチルカルビトール=100/5/350/350/70phr)を、絶縁性樹脂層52a,52bを被覆するとともに、先端部(周縁部)が、絶縁性樹脂層52a,52bにより被覆されていない金属電極層51a,51bの周縁部に達して、金属電極層51a,51bと接するように塗布する。
そして、塗布された導電性樹脂膜を100℃で5時間乾燥した後、120℃で1時間加熱して硬化させることにより、導電性樹脂電極層53a,53bを形成する。
【0035】
(5)次に、ニッケル電解めっきを行って、導電性樹脂電極層53a,53bを被覆するようにニッケルめっき膜層54a,54bを形成する。
【0036】
(6)さらに、スズ電解めっきを行って、ニッケルめっき膜層54a,54bは被覆するようにスズめっき膜層55a,55bを形成する。
これにより、図1に示すような構造を有する積層セラミックコンデンサAが得られる。
【0037】
この積層セラミックコンデンサにおいては、導電性物質を含まない絶縁性樹脂と、所望の導電性を備えた導電性樹脂とを組み合わせて用いているので、外部電極における樹脂層の割合が、撓みを吸収して、十分な耐熱衝撃性を実現するのに必要な割合となるようにした場合にも、高価な導電性樹脂の一部を、低コストの絶縁性樹脂に置き換えることが可能になる。その結果、耐熱衝撃性などの特性の低下を招いたりすることなく、コストダウンを図ることができる。
【0038】
具体的には、この実施形態1の構成の場合、絶縁性樹脂層と導電性樹脂電極層とを組み合わせることなく、樹脂層をすべて導電性樹脂電極層とした場合に比べて、寸法や形状を維持したまま、製品全体のコストを3.2%低減することができる。
【0039】
また、絶縁性樹脂層、導電性樹脂電極層を、その周縁先端部がセラミック素体と接しないような態様で配設するようにしているので、上述の絶縁性樹脂層、導電性樹脂電極層などの剥離を防止することが可能な、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを得ることができる。
【0040】
[実施形態2]
上記の実施形態1では、絶縁性樹脂として、ビスAエポキシ樹脂(JER828)と、イミダゾール(2E4MZ)を配合した樹脂(ビスAエポキシ樹脂/イミダゾール=100/5phr)を用いたが、この実施形態2では、絶縁性樹脂として、ビスAエポキシ樹脂(JER828)と、イミダゾール(2E4MZ)と、球状シリカ(東亜合成HPS−3500)とを、ビスAエポキシ樹脂/イミダゾール/球状シリカ=100/5/50phrの割合で配合したものを用いて、積層セラミックコンデンサを作製した。
【0041】
なお、この実施形態2では、絶縁性樹脂として上述の組成のものを用いたことを除いて、上記実施形態1の場合と同じ条件で、同じ工程を経て、積層セラミックコンデンサを作製した。
【0042】
この実施形態2の場合にも、上記実施形態1の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0043】
具体的には、この実施形態2の構成の場合、絶縁性樹脂層と導電性樹脂電極層とを組み合わせることなく、樹脂層をすべて導電性樹脂電極層とした場合に比べて、寸法や形状を維持したまま、製品全体のコストを3.8%低減することができる。
【0044】
上記実施形態1および2では、セラミック電子部品としてチップ型の積層セラミックコンデンサを例にとって説明したが、本発明は、積層セラミックコンデンサに限らず、例えば、LC複合部品や積層バリスタなどの、セラミック素体の表面に外部電極を有する種々のセラミック電子部品に適用することが可能である。
【0045】
また、上記実施形態1および2では、絶縁性樹脂層の形成に、ビスAエポキシ樹脂/イミダゾール=100/5phrの絶縁性樹脂あるいは、ビスAエポキシ樹脂/イミダゾール/球状シリカ=100/5/50phrの絶縁性樹脂を使用したが、例えば、他のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、シリコン樹脂などの他の絶縁樹脂を用いることも可能である。
【0046】
また、上記実施形態1および2では、導電性樹脂電極層の形成に、ビスAエポキシ樹脂/イミダゾール/球状銀粉末/偏平状銀粉末/ブチルカルビトール=100/5/350/70phr)の導電性樹脂を用いたが、導電性樹脂電極層を形成するための導電性樹脂としては、例えば、他のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、シリコン樹脂などの樹脂に、銅粉末、銀コート銅粉末、錫コート銅粉末、ニッケル粉末、銀コートニッケル粉末、錫粉末などの導電性粉末を配合したものなど、他の組成の導電性樹脂を用いることも可能である。
【0047】
また、上記実施形態1および2では、めっき膜層がニッケルめっき膜層およびスズめっき膜層である場合を例にとって説明したが、他の種類の材料からなるめっき膜とすることも可能である。
また、場合によっては、めっき膜層を備えていない構成とすることも可能である。
【0048】
本発明はさらにその他の点においても上記実施形態1および2に限定されるものではなく、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 セラミック素体(積層セラミックコンデンサ素子)
2a,2b 内部電極
3 セラミック層
4a,4b セラミック素体の互いに対向する一対の両端面
5a,5b 外部電極
51a,51b 金属電極層(銅電極層)
52a,52b 絶縁性樹脂層
53a,53b 導電性樹脂電極層
54a,54b ニッケルめっき膜層
55a,55b スズめっき膜層
1 金属電極層のセラミック素体の端面から側面に回り込んだ部分の長さ
2 絶縁性樹脂層のセラミック素体の端面から側面に回り込んだ部分の長さ
3 導電性樹脂電極層のセラミック素体の端面から側面に回り込んだ部分の長さ
A 積層セラミックコンデンサ(セラミック電子部品)
図1
図2