(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5930189
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】保全作業推定装置および保全作業推定方法
(51)【国際特許分類】
B66B 5/00 20060101AFI20160526BHJP
B66B 3/00 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
B66B5/00 G
B66B3/00 Z
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-119639(P2012-119639)
(22)【出願日】2012年5月25日
(65)【公開番号】特開2013-245061(P2013-245061A)
(43)【公開日】2013年12月9日
【審査請求日】2014年10月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100117776
【弁理士】
【氏名又は名称】武井 義一
(72)【発明者】
【氏名】芹澤 研二
(72)【発明者】
【氏名】安部 諭
(72)【発明者】
【氏名】山佐 礼司
(72)【発明者】
【氏名】阪田 恒次
(72)【発明者】
【氏名】井上 淳
(72)【発明者】
【氏名】掛野 真弘
【審査官】
葛原 怜士郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−184121(JP,A)
【文献】
特開平07−049712(JP,A)
【文献】
特開2006−151529(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 3/00
B66B 5/00
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保全作業対象装置の動作を示す情報である動作情報を取得し、取得した前記動作情報に基づいて、前記保全作業対象装置についての保全作業の実施を推定する保全作業推定装置であって、
複数の保全作業を複数の上位保全作業と各前記上位保全作業に含まれる複数の下位保全作業とに分類し、複数の前記上位保全作業のそれぞれについての実施の推定に用いられる情報と複数の前記下位保全作業のそれぞれについての実施の推定に用いられる情報とを含む基準情報を予め記憶する保全作業データベースと、
前記動作情報と前記基準情報とを用いて、複数の前記上位保全作業の中から実施された前記上位保全作業を先に推定し、推定された前記上位保全作業に含まれる複数の前記下位保全作業の中から実施された前記下位保全作業を推定する推定装置と
を備えたことを特徴とする保全作業推定装置。
【請求項2】
前記基準情報は、複数の前記上位保全作業の間における優先順位の情報をさらに含み、
前記推定装置は、前記優先順位にしたがって複数の前記上位保全作業の中から1つの前記上位保全作業を順に選択し、選択された前記上位保全作業についての実施の推定に用いられる情報と前記動作情報とを比較して、最初に一致した前記上位保全作業を実施された前記上位保全作業として推定することを特徴とする請求項1に記載の保全作業推定装置。
【請求項3】
前記基準情報は、複数の前記下位保全作業の間における優先順位の情報をさらに含み、
前記推定装置は、前記優先順位にしたがって複数の前記下位保全作業の中から1つの前記下位保全作業を順に選択し、選択された前記下位保全作業についての実施の推定に用いられる情報と前記動作情報とを比較して、最初に一致した前記下位保全作業を実施された前記下位保全作業として推定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の保全作業推定装置。
【請求項4】
複数の保全作業を複数の上位保全作業と各前記上位保全作業に含まれる複数の下位保全作業とに分類し、複数の前記上位保全作業のそれぞれについての実施の推定に用いられる情報と複数の前記下位保全作業のそれぞれについての実施の推定に用いられる情報とを含む基準情報を予め記憶し、実施された前記上位保全作業および実施された前記下位保全作業を推定する保全作業推定装置を用いて、保全作業対象装置についての保全作業の実施を推定する保全作業推定方法であって、
前記保全作業対象装置の動作を示す情報である動作情報を取得する動作情報取得工程と、
前記動作情報取得工程で取得した前記動作情報と前記基準情報とを用いて、複数の前記上位保全作業の中から実施された前記上位保全作業を推定する上位保全作業推定工程と、
前記動作情報取得工程で取得した前記動作情報と前記基準情報とを用いて、前記上位保全作業推定工程で推定された前記上位保全作業に含まれる複数の前記下位保全作業の中から実施された前記下位保全作業を推定する下位保全作業推定工程と
を備えたことを特徴とする保全作業推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、保全作業対象装置についての保全作業の実施を推定する保全作業推定装置および保全作業推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベータ装置の動作を示す情報である動作情報を取得し、取得した動作情報と、予め設定された情報であって複数の保全作業の手順を示す正規保全作業手順情報とを用いて、実施された保全作業を推定する保全作業推定装置が知られている。これにより、全ての保全作業を推定するための範囲とすることが必要なくなり、推定の精度を向上させることができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−184121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、作業者が正規保全作業手順に従わずに保全作業を実施した場合には、保全作業推定装置は、実施された保全作業について実施されたと推定することができないという問題点があった。
【0005】
この発明は、実施された保全作業をより確実に推定することができる保全作業推定装置および保全作業推定方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る保全作業推定装置は、保全作業対象装置の動作を示す情報である動作情報を取得し、取得した前記動作情報に基づいて、前記保全作業対象装置についての保全作業の実施を推定する保全作業推定装置であって、複数の保全作業を複数の上位保全作業と各前記上位保全作業に含まれる複数の下位保全作業とに分類し、複数の前記上位保全作業のそれぞれについての実施の推定に用いられる情報と複数の前記下位保全作業のそれぞれについての実施の推定に用いられる情報とを含む基準情報を予め記憶する保全作業データベースと、前記動作情報と前記基準情報とを用いて、複数の前記上位保全作業の中から実施された前記上位保全作業を先に推定し、推定された前記上位保全作業に含まれる複数の前記下位
保全作業の中から実施された前記下位保全作業を推定する推定装置とを備えている。
【0007】
この発明に係る保全作業推定方法は、複数の保全作業を複数の上位保全作業と各前記上位保全作業に含まれる複数の下位保全作業とに分類し、複数の前記上位保全作業のそれぞれについての実施の推定に用いられる情報と複数の前記下位保全作業のそれぞれについての実施の推定に用いられる情報とを含む基準情報を予め記憶し、実施された前記上位保全作業および実施された前記下位保全作業を推定する保全作業推定装置を用いて
、保全作業対象装置についての保全作業の実施を推定する保全作業推定方法であって、前記保全作業対象装置の動作を示す情報である動作情報を取得する動作情報取得工程と、前記動作情報取得工程で取得した前記動作情報と前記基準情報とを用いて、複数の前記上位保全作業の中から実施された前記上位保全作業を推定する上位保全作業推定工程と、前記動作情報取得工程で取得した前記動作情報と前記基準情報とを用いて、前記上位保全作業推定工程で推定された前記上位保全作業に含まれる複数の前記下位
保全作業の中から実施された前記下位保全作業を推定する下位保全作業推定工程とを備えている。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る保全作業推定装置によれば、複数の保全作業を複数の上位保全作業と各上位保全作業に含まれる複数の下位保全作業とに分類し、複数の上位保全作業のそれぞれについての実施の推定に用いられる情報と複数の下位保全作業のそれぞれについての実施の推定に用いられる情報とを含む基準情報を予め記憶する保全作業データベースと、保全作業対象装置の動作を示す動作情報と保全作業データベースに記憶された基準情報とを用いて、複数の上位保全作業の中から実施された上位保全作業を先に推定し、推定された上位保全作業に含まれる複数の下位保守作業の中から実施された下位保全作業を推定する推定装置とを備えているので、作業者が正規保全作業手順に従わずに保全作業を実施した場合であっても、実施された保全作業について実施されたと推定することができる。その結果、実施された保全作業をより確実に推定することができる。
【0009】
この発明に係る保全作業推定方法によれば、保全作業対象装置の動作を示す情報である動作情報を取得する動作情報取得工程と、動作情報取得工程で取得した動作情報と予め記憶する基準情報とを用いて、複数の上位保全作業の中から実施された上位保全作業を推定する上位保全作業推定工程と、動作情報取得工程で取得した動作情報と予め記憶する基準情報とを用いて、上位保全作業推定工程で推定された上位保全作業に含まれる複数の下位保守作業の中から実施された下位保全作業を推定する下位保全作業推定工程とを備えているので、作業者が正規保全作業手順に従わずに保全作業を実施した場合であっても、実施された保全作業について実施されたと推定することができる。その結果、実施された保全作業をより確実に推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】この発明の実施の形態1に係る保全作業推定装置を示すブロック図である。
【
図2】
図1の保全作業推定装置により実施が推定される保全作業を示す図である。
【
図3】
図1の保全作業データベースに記憶される基準情報を示す図である。
【
図4】
図1の保全作業推定装置の動作を示すフローチャートである。
【
図5】
図1の推定装置が実施された保全作業を推定する動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る保全作業推定装置を示すブロック図である。図において、保全作業推定装置は、エレベータ装置(保全作業対象装置)についての保全作業の実施を推定するものであって、エレベータ制御盤(制御装置)1から制御信号を受信し、また、エレベータ装置の中に含まれるセンサ装置2から検出信号を受信するデータ抽出装置3と、時刻情報を生成し、生成した時刻情報をデータ抽出装置3に送信するタイマ4とを備えている。エレベータ制御盤1が出力する制御信号およびセンサ装置2が出力する検出信号からエレベータ装置の動作を示す動作情報が構成されている。データ抽出装置3は、動作情報と時刻情報とを対応させた時刻情報付動作情報を出力する。
【0012】
また、保全作業推定装置は、データ抽出装置3から出力された時刻情報付動作情報を記憶する記憶装置5と、記憶装置5に記憶された時刻情報付動作情報を取得し、実施された保全作業を推定する推定装置6と、推定装置6が推定する際に用いる基準情報を記憶する保全作業データベース7とを備えている。
【0013】
図2は
図1の保全作業推定装置により実施が推定される保全作業を示す図である。図において、保全作業は、概念的に階層化されている。この例では、保全作業は、三階層に分類されている。最上位階層である第1階層には、保全作業全般が割り当てられている。中間階層である第2階層には、第1階層に割り当てられた保全作業に含まれる保全作業が割り当てられている。第2階層に割り当てられた保全作業としては、ピット作業、かご上作業、昇降路作業などが挙げられる。第2階層に割り当てられた保全作業は、エレベータ装置における保全作業場所に基づいて区分けされている。最下位階層である第3階層には、第2階層に割り当てられた保全作業に含まれる保全作業が割り当てられている。第3階層に割り当てられた保全作業としては、ドアインターロックスイッチ点検、制御盤点検、乗場ドア点検などが挙げられる。第3階層に割り当てられた複数の保全作業の中で、エレベータ装置における保全作業場所が共通の保全作業は、第2階層に割り当てられた同一の保全作業に含まれている。
【0014】
上位保全作業とは、第1階層に割り当てられた保全作業と第2階層に割り当てられた保全作業との関係においては、第2階層に割り当てられた保全作業を含む第1階層に割り当てられた保全作業であり、第2階層に割り当てられた保全作業と第3階層に割り当てられた保全作業との関係においては、第3階層に割り当てられた保全作業を含む第2階層に割り当てられた保全作業である。この例では、第1階層に割り当てられた保全作業は、第2階層に割り当てられた保全作業の全てを含んでいるので、第2階層に割り当てられた全ての保全作業に対して、上位保全作業となる。また、例えば、第2階層に割り当てられた保全作業であるかご上作業は、第3階層に割り当てられた保全作業であるドアインターロックスイッチ点検を含んでいるので、ドアインターロックスイッチ点検に対して、上位保全作業となる。
【0015】
下位保全作業とは、第1階層に割り当てられた保全作業と第2階層に割り当てられた保全作業との関係においては、第1階層に割り当てられた保全作業に含まれる第2階層に割り当てられた保全作業であり、第2階層に割り当てられた保全作業と第3階層に割り当てられた保全作業との関係においては、第2階層に割り当てられた保全作業に含まれる第3階層に割り当てられた保全作業である。この例では、第2階層に割り当てられた保全作業は、全て、第1階層に割り当てられた保全作業に含まれているので、第1階層に割り当てられた保全作業に対して、下位保全作業となる。また、例えば、第3階層に割り当てられた保全作業であるドアインターロックスイッチ点検は、第2階層に割り当てられたかご上作業に含まれているので、かご上作業に対して、下位保全作業となる。
【0016】
図3は
図1の保全作業データベース7に記憶される基準情報を示す図である。図において、基準情報には、保全作業を特定する保全作業名と、保全作業名により特定された保全作業が割り当てられた階層を示す階層名と、保全作業名により特定された保全作業に対する上位保全作業を示す上位保全作業名と、同一の階層に割り当てられた複数の保全作業の間における優先順位の情報と、複数の保全作業の実施のそれぞれに対応するエレベータ装置の動作を示す情報である推定条件情報とが含まれている。推定条件情報には、エレベータ装置の動作情報から保全作業を推定するための開始条件と終了条件とが予め設定されている。
【0017】
推定装置6は、記憶装置5から取得した時刻情報付動作情報と保全作業データベース7に記憶されている基準情報とを用いて、実施された保全作業を推定する。
【0018】
次に、保全作業推定装置の動作について説明する。
図4は
図1の保全作業推定装置の動作を示すフローチャートである。図において、まず、推定装置6は、記憶装置5から時刻情報付動作情報を読み出す(動作情報取得工程)(ステップS101)。
【0019】
その後、推定装置6は、時刻情報付動作情報と基準情報とを用いて、第1階層に割り当てられた保全作業の中で、実施された保全作業を推定する(第1推定工程)(ステップS102)。
【0020】
その後、推定装置6は、時刻情報付動作情報と基準情報とを用いて、第2階層に割り当てられた保全作業の中であって、ステップS102で推定された保全作業に含まれる保全作業の中で、実施された保全作業を推定する(第2推定工程)(ステップS103)。
【0021】
その後、推定装置6は、時刻情報付動作情報と基準情報とを用いて、第3階層に割り当てられた保全作業の中で、ステップS103で推定された保全作業に含まれる保全作業の中で、実施された保全作業を推定する(第3推定工程)(ステップS104)。
【0022】
以上により、保全作業推定装置の動作が終了する。ここで、第1推定工程は、第1階層に割り当てられた保全作業と第2階層に割り当てられた保全作業との関係においては、上位保全作業推定工程となる。また、第2推定工程は、第1階層に割り当てられた保全作業と第2階層に割り当てられた保全作業との関係においては、下位保全作業推定工程となり、第2階層に割り当てられた保全作業と第3階層に割り当てられた保全作業との関係においては、上位保全作業推定工程となる。また、第3推定工程は、第2階層に割り当てられた保全作業と第3階層に割り当てられた保全作業との関係においては、下位保全作業推定工程となる。
【0023】
次に、推定装置6の動作について説明する。
図5は
図1の推定装置6が実施された保全作業を推定する動作を示すフローチャートである。各階層において推定装置6の動作が共通するので、ここでは、第X階層(Xは、1〜3)における保全作業の推定について説明する。図において、まず、推定装置6は、保全作業データベース7から第X階層の基準情報を読み出す(基準情報取得工程)(ステップS201)。
【0024】
その後、推定装置6は、第X階層の保全作業の数Nを算出する(保全作業数算出工程)(ステップS202)。ここで算出する保全作業の数Nとは、第1階層の場合には、第1階層に割り当てられた全ての保全作業の数、この例では、1個であり、第2階層の場合には、第1推定工程で推定された保全作業に含まれる保全作業の数、この例では、第2階層に割り当てられた全ての保全作業の数であり、第3階層の場合には、第2推定工程で推定された全ての保全作業に含まれる保全作業の数である。
【0025】
その後、推定装置6は、保全作業順序カウンタCに0を設定する(カウンタリセット工程)(ステップS203)。
【0026】
その後、推定装置6は、保全作業順序カウンタCが保全作業の数Nよりも小さいか否かを判定する(ステップS204)。ステップS204で、保全作業順序カウンタCが保全作業の数Nよりも小さいと推定装置6が判定すると、推定装置6は、基準情報の中から、優先順位にしたがって推定条件情報を読み出し(ステップS205)、動作情報の中から開始条件との一致点を検索し(ステップS206)、動作情報の中から終了条件との一致点を検索する(ステップS207)。
【0027】
その後、推定装置6は、開始条件および終了条件に一致した動作情報の部分を実施された保全作業と推定し、さらに、開始条件および終了条件により検索された動作情報の部分を保全作業時刻範囲として記録する(ステップS208)。保全作業時刻範囲として記録された動作情報の部分は、次回の保全作業の推定の際に読み飛ばされるようになっている。つまり、推定装置6は、最初に一致した保全作業を実施された保全作業として推定する。その後、推定装置6は、保全作業順序カウンタCをインクリメントして(ステップS209)、ステップS204に戻る。
【0028】
ステップS204で、保全作業順序カウンタCが保全作業の数Nよりも大きいと推定装置6が判定すると、実施された保全作業の推定装置6による推定が終了する。
【0029】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係る保全作業推定装置によれば、複数の保全作業を複数の上位保全作業と各上位保全作業に含まれる複数の下位保全作業とに分類し、複数の上位保全作業のそれぞれについての実施の推定に用いられる情報と複数の下位保全作業のそれぞれについての実施の推定に用いられる情報とを含む基準情報を予め記憶する保全作業データベース7と、エレベータ装置の動作を示す動作情報と保全作業データベース7に記憶された基準情報とを用いて、複数の上位保全作業の中から実施された上位保全作業を先に推定し、推定された上位保全作業に含まれる複数の下位保守作業の中から実施された下位保全作業を推定する推定装置6とを備えているので、作業者が正規保全作業手順に従わずに保全作業を実施した場合であっても、実施された保全作業について実施されたと推定することができる。その結果、実施された保全作業をより確実に推定することができる。また、保全作業推定装置は、全ての保全作業を推定するための範囲とすることが必要なくなり、推定の精度を向上させることができる。
【0030】
また、基準情報は、複数の上位保全作業の間における優先順位の情報をさらに含み、推定装置6は、優先順位にしたがって複数の上位保全作業の中から1つの上位保全作業を順に選択し、選択された上位保全作業についての実施の推定に用いられる情報とエレベータ装置の動作を示す動作情報とを比較して、最初に一致した上位保全作業を実施された上位保全作業として推定するので、特定の上位保全作業により生じるエレベータ装置の動作を示す信号が、他の上位保全作業により生じるエレベータ装置の動作を示す信号と同一の信号を包含する場合であっても、包含する方の上位保全作業を先に推定することにより、包含される方の上位保全作業を確実に推定することができる。
【0031】
また、基準情報は、複数の下位保全作業の間における優先順位の情報をさらに含み、推定装置6は、優先順位にしたがって複数の下位保全作業の中から1つの下位保全作業を順に選択し、選択された下位保全作業についての実施の推定に用いられる情報とエレベータ装置の動作を示す動作情報とを比較して、最初に一致した下位保全作業を実施された下位保全作業として推定するので、特定の下位保全作業により生じるエレベータ装置の動作を示す信号が、他の下位保全作業により生じるエレベータ装置の動作を示す信号と同一の信号を包含する場合であっても、包含する方の下位保全作業を先に推定することにより、包含される方の下位保全作業を確実に推定することができる。
【0032】
また、この発明の実施の形態1に係る保全作業推定方法によれば、エレベータ装置の動作を示す情報である動作情報を取得する動作情報取得工程と、動作情報取得工程で取得した動作情報と予め記憶する基準情報とを用いて、複数の上位保全作業の中から実施された上位保全作業を推定する上位保全作業推定工程と、動作情報取得工程で取得した動作情報と予め記憶する基準情報とを用いて、上位保全作業推定工程で推定された上位保全作業に含まれる複数の下位保守作業の中から実施された下位保全作業を推定する下位保全作業推定工程とを備えているので、作業者が正規保全作業手順に従わずに保全作業を実施した場合であっても、実施された保全作業について実施されたと推定することができる。その結果、実施された保全作業をより確実に推定することができる。
【0033】
なお、上記実施の形態1では、保全作業が実施される保全作業対象装置として、エレベータ装置を例に説明したが、これに限らず、例えば、エスカレータ装置等の乗客コンベヤ装置であってもよい。
【0034】
また、上記実施の形態1では、保全作業が三階層に分類される構成について説明したが、保全作業が複数の階層に分類される構成であればよい。
【符号の説明】
【0035】
1 エレベータ制御盤(制御装置)、2 センサ装置、3 データ抽出装置、4 タイマ、5 記憶装置、6 推定装置、7 保全作業データベース。