(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記第1の期間において、前記交流電流の周波数を、設定される複数の周波数のうち所定の一つの周波数となるように制御する、請求項1に記載の放電ランプ点灯装置。
前記制御部は、前記第1の期間において、前記交流電流の周波数を、設定される複数の周波数のうち少なくとも二つの周波数となるように制御し、前記第2の期間において、前記交流電流の周波数を、直前の第1の期間における最も時間比率の大きい周波数と電流とに基づいて、当該周波数よりも低い周波数となるように制御する、請求項1に記載の放電ランプ点灯装置。
前記制御部は、前記第1の期間において、前記交流電流の周波数を、設定される複数の周波数のうち少なくとも二つの周波数となるように制御し、前記第2の期間において、前記交流電流の周波数を、直前の第1の期間における最も低い周波数と電流とに基づいて、当該周波数よりも低い周波数となるように制御する、請求項1に記載の放電ランプ点灯装置。
前記制御部は、前記交流電流の周波数を、交互に繰り返される前記第1の期間と前記第2の期間とにおいて異なる方式で制御する基本期間と、前記交流電流の周波数を、直前の基本期間の最も低い周波数よりもさらに低い周波数となるように制御する低周波期間とで、交互に繰り返して制御する、請求項1〜5の何れか1項に記載の放電ランプ点灯装置。
前記制御部は、前記低周波期間において、前記交流電流の周波数を、直前の基本期間の所定の周波数と電流とに基づいて、当該所定の周波数よりも低い周波数となるように制御する、請求項6に記載の放電ランプ点灯装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る放電ランプ点灯装置における一実施形態について、
図1〜
図9を参酌して説明する。なお、各図において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致していない。また、本実施形態に係る放電ランプ点灯装置は、画像投影装置(例えば、プロジェクタ)に用いられている。
【0021】
図1に示すように、画像投影装置100は、光を出射する光源装置101と、光源装置101から出射された光で光画像を生成し、スクリーン104に投影する投影装置本体102とを備えている。また、画像投影装置100は、光源装置101から出射された光を投影装置本体102に入射させるべく、光源装置101と投影装置本体102とに各端部を接続される光ファイバ103を備えている。
【0022】
光源装置101は、光を出射する放電ランプ10と、放電ランプ10に交流電流を供給する放電ランプ点灯装置1とを備えている。なお、図示していないが、光源装置101は、収束レンズ、コリメータレンズ等の光学系を備えている。
【0023】
投影装置本体102は、図示していないが、光源装置101から出射された光を入射して光画像を生成する画像光学系と、画像光学系から出射された光画像を入射してスクリーン104に投影する投影光学系(例えば、投影レンズ)とを備えている。また、画像光学系は、光を変調することで光画像にする空間変調素子等の光学系を備えている。
【0024】
図2及び
図3に示すように、放電ランプ10は、中空状の放電容器11と、放電容器11の内部に対向配置される一対の電極12,12とを備えている。放電ランプ10は、放電容器11の両端部に配置される封止部13,13と、封止部13に埋設される金属箔14と、金属箔14に接続される外部リード15とを備えている。
【0025】
放電容器11は、球形状に形成されている。放電容器11は、透光性を有しており、内部で発生した光を外部に向けて放射する。本実施形態においては、放電容器11は、封止部13と一体成形されており、石英ガラスで形成されている。なお、放電容器11及び封止部13の材料は、石英ガラスに限定されず、他の材料で形成されてもよい。
【0026】
電極12は、放電容器11に収容される頭部12aと、頭部12aよりも小径に形成され、放電容器11に固定される軸部12bとを備えている。電極12は、頭部12aの先端に突起部12cを備えている。該突起部12cは、放電ランプ10が点灯している際に、電極12の先端において、後述するように電極材料が凝集して形成されるものである。
【0027】
一対の電極12,12(頭部12a,12a)は、例えば、2mm以下という極めて小さい間隔で対向配置している。本実施形態においては、電極12は、タングステンで形成されている。なお、電極12の材料は、タングステンに限定されず、他の材料で形成されてもよい。
【0028】
金属箔14は、モリブデン等よりなる導電性を有する材料で形成され、例えば、シュリンクシールにより封止部13の内部に気密に埋設されている。金属箔14の一端部は、電極12の軸部12bの他端部に接合されており、金属箔14の他端部は、外部リード15の一端部に接合されている。
【0029】
放電ランプ10は、放電容器11の内部に、発光ガス、ハロゲンガス、及び希ガスを封入している。発光ガスは、放射光を得るためのものであり、本実施形態においては、水銀としている。ハロゲンガスは、ハロゲンサイクルを利用した放電ランプ10の長寿命化のためであり、本実施形態においては、ヨウ素としている。希ガスは、点灯始動性の改善のためであり、本実施形態においては、アルゴンとしている。なお、封入される各ガスは、上記ガスに限定されず、他のガスでもよい。
【0030】
水銀は、必要な可視光波長、例えば、波長360〜780nmの放射光を得るためのものである。水銀は、例えば、放電容器11の内部に0.20mg/mm
3以上封入されている。斯かる封入量は、温度条件によっても異なるが、点灯時における放電容器11の内部圧力を200気圧以上という高い蒸気圧を実現するものである。また、水銀をより多く封入することにより、点灯時の水銀蒸気圧が250気圧以上又は300気圧以上という高い水銀蒸気圧の放電ランプ10を製作することができ、水銀蒸気圧が高くなるほどプロジェクタに適した光源を実現できる。
【0031】
ハロゲンガスは、水銀又はその他の金属との化合物形態で、放電容器11の内部に封入されている。ハロゲンガスは、1×10
−6μmol/mm
3〜1×10
−2μmol/mm
3の範囲から選択され、放電容器11の内部に封入されている。ハロゲンを封入する最大の理由は、ハロゲンサイクルを利用した放電ランプ10の長寿命化のためであり、また、極めて小型で且つ高い点灯蒸気圧の放電ランプ10においては、放電容器11の失透防止という作用も得られる。
【0032】
電極12,12に対して通電がされると、電極12が白熱して高温化され、電極12を構成するタングステンが昇華する。昇華したタングステンは、比較的に低温部である放電容器11の内壁面領域において、封入されていたハロゲンガスと結合して、ハロゲン化タングステンを形成する。ハロゲン化タングステンの蒸気圧は、比較的高いことから、ガスの状態で再び電極12の先端付近に再び移動する。
【0033】
そして、この箇所で再度加熱されると、ハロゲン化タングステンは、ハロゲンとタングステンに分離される。このうちタングステンは、電極12の先端に戻って凝集され、ハロゲンは、放電容器11の内部のハロゲンガスとして復帰する。斯かる現象は、ハロゲンサイクルと呼ばれる。なお、この凝集されたタングステンが電極12の先端近傍に付着することで、突起部12cが形成される。
【0034】
放電ランプ10の一実施例として、放電容器11の最大外径が9.4mmであり、電極12,12間の距離が1.0mmであり、放電容器11の内容積が55mm
3であり、定格電力(交流)が250Wである放電ランプ10が挙げられる。
【0035】
図4に示すように、本実施形態に係る放電ランプ点灯装置1は、放電ランプ10を点灯すべく、外部リード15を経由して放電ランプ10に交流電流を供給する給電部2を備えている。また、放電ランプ点灯装置1は、給電部2が放電ランプ10に供給する交流電流を制御する制御部3を備えている。
【0036】
給電部2は、供給される直流電圧を所望の直流電圧に降圧する降圧チョッパ部21と、降圧チョッパ部21で降圧された直流電圧を所望の周波数の交流電圧に変換するDC/AC変換部22とを備えている。給電部2は、放電ランプ10が始動(点灯)する際に、DC/AC変換部22から供給される交流電圧を昇圧して放電ランプ10に供給するスタータ部23を備えている。
【0037】
制御部3は、降圧チョッパ部21を制御することにより、放電ランプ10に供給する電力値を一定となるように制御する電力制御部31を備えている。制御部3は、DC/AC変換部22にパルス信号を出力するパルス発生部32と、放電ランプ10に供給する交流電流の周波数を制御する周波数制御部33とを備えている。該周波数制御部33は、パルス発生部32で発生するパルスの周波数を制御している。
【0038】
本実施形態に係る放電ランプ点灯装置1の具体的な回路構成を説明する。なお、本発明に係る放電ランプ点灯装置1の回路構成は、斯かる構成に限られず、他の回路構成でもよい。
【0039】
降圧チョッパ部21は、スイッチング素子Qx、リアクトルLx、ダイオードDx、平滑コンデンサCx、及び抵抗Rxを備えている。
【0040】
スイッチング素子Qxは、直流電圧Vdcが供給される+側電源端子に一端が接続され、他端がリアクトルLxの一端に接続される。ダイオードDxは、カソード端子がスイッチング素子Qx及びリアクトルLxの接続点に接続され、アノード端子が−側電源端子に接続される。平滑コンデンサCxは、一端がリアクトルLxの出力側端子に接続され、他端(−側端子)が抵抗Rxの出力側端子に接続される。抵抗Rxは、平滑コンデンサCxの−側端子とダイオードDxのアノード端子の間に接続され、電流検出の機能を実現している。
【0041】
スイッチング素子Qxは、電力制御部31が出力するゲート信号Gxによって駆動される。このゲート信号Gxのデューティにより、降圧チョッパ部21は、入力直流電圧Vdcをこのデューティに応じた電圧に降圧して後段のDC/AC変換部22に出力する。
【0042】
DC/AC変換部22は、ブリッジ状に接続したスイッチング素子Q1〜Q4を備えている(フルブリッジ回路)。
【0043】
スイッチング素子Q1は、ドライバ22aから出力されるゲート信号G1により駆動される。同様に、スイッチング素子Q2は、ゲート信号G2により駆動され、スイッチング素子Q3は、ゲート信号G3により駆動され、スイッチング素子Q4は、ゲート信号G4により駆動される。ドライバ22aは、対角に配置されたスイッチング素子Q1及びQ4の組と、スイッチング素子Q2及びQ3の組に対して、交互にオン/オフを繰り返すようにゲート信号を出力する。これにより、スイッチング素子Q1及びQ2の接続点と、スイッチング素子Q3及びQ4の接続点の間に、矩形波状の交流電圧が発生する。
【0044】
スタータ部23は、コイルLh及びコンデンサChを備えている。放電ランプ10が始動する際に、コイルLh、コンデンサChからなるLC直列回路の共振周波数近傍の高いスイッチング周波数(例えば数百kHz)の交流電圧がDC/AC変換部22から印加されることにより、スタータ部23の2次側において放電ランプ10の始動に必要な高い電圧が生成され、これが放電ランプ10に供給される。なお、放電ランプ10が点灯した後は、DC/AC変換部22から供給される交流電圧の周波数を通常の周波数(例えば、1Hz〜1000Hz)に移行し、通常点灯が行われる。
【0045】
なお、上記回路において、スタータ部23に供給される交流電圧の周波数の変更は、DC/AC変換部22におけるスイッチング素子Q1及びQ4の組と、スイッチング素子Q2及びQ3の組のオン/オフ切替の周期を調整することで達成できる。また、スタータ部23に供給される交流電圧の波高値の変更は、降圧チョッパ部21におけるスイッチング素子Qxの動作デューティを調整することで達成できる。
【0046】
即ち、降圧チョッパ部21のスイッチング素子Qxは、電力制御部31が出力するゲート信号Gxのデューティに応じたスイッチング周波数でオン/オフし、これにより、放電ランプ10に供給される電力が変化する。例えば、放電ランプ10への供給電力を上昇させる場合には、電力制御部31は、所望の電力値となるようにゲート信号Gxのデューティを下げる制御を行う。
【0047】
本実施形態に係る放電ランプ点灯装置1の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係る放電ランプ点灯装置1の制御及びそれによる作用について、
図5〜
図9を参酌して説明する。
【0048】
図5に示すように、制御部3は、給電部2が放電ランプ10に供給する交流電流の周波数を、所定の制御方式で制御している。全体においては、制御部3は、交互に繰り返される基本期間T10(T10a,T10b,T10c,…)と低周波期間T20(T20a,T20b,…)とにおいて異なる方式で制御している。また、基本期間T10(
図5においては、T10bについて図示している)においては、制御部3は、交互に繰り返される固定期間(本発明における「第1の期間」ともいう)T1(T1a,T1b,T1c,T1d,…)と変動期間(本発明における「第2の期間」ともいう)T2(T2a,T2b,T2c,T2d,…)とにおいて異なる方式で制御している。
【0049】
まず、交互に繰り返される固定期間T1と変動期間T2とからなる基本期間T10の制御について、
図5〜
図8を参酌して説明する。
【0050】
固定期間(第1の期間)T1においては、制御部3は、交流電流の周波数を、設定される複数の固定周波数f1のうち所定の一つの周波数となるように制御している。即ち、固定期間T1においては、制御部3は、交流電流の周波数を、設定される複数の固定周波数f1のうち所定の一つの周波数を選択するように制御している。したがって、各固定期間T1a〜T1dにおいて、固定周波数f1は、それぞれ一つの固定周波数f1a〜f1dとしている。
【0051】
本実施形態においては、複数の固定周波数f1は、4つ設定されている。具体的には、第1〜第4固定周波数f1a〜f1dは、それぞれ960Hz、480Hz、240Hz、120Hzに設定されている。なお、斯かる固定周波数f1は、放電ランプ10の動作データ(電圧値、電流値、輝度、電極間距離、温度等)に依存しないデータ、例えば、予め実験等から求められたデータに基づいて、固定期間T1毎に変えられている。
【0052】
また、本実施形態においては、固定期間T1(T1a〜T1d)の固定周波数f1(f1a〜f1d)は、次第に低周波となるように、絶えず変えられている。具体的には、或る固定期間T1(T1a)の固定周波数f1が第1固定周波数f1aであるときは、その次の固定期間T1(T1b)の固定周波数f1は、第2固定周波数f1bである。なお、ある固定周波数f1が複数の固定期間T1を連続して続けられてもよい。例えば、ある固定期間T1(T1a)の固定周波数f1が第1固定周波数f1aであるときに、その次の固定期間T1(T1b)の固定周波数f1が再び第1固定周波数f1aでもよい。
【0053】
また、変動期間(第2の期間)T2においては、制御部3は、交流電流の周波数を、直前の固定期間T1の固定周波数f1と電流とに基づいて、当該固定周波数f1よりも低い変動周波数f2となるように制御している。具体的には、
図6に示すように、制御部3は、直前の固定期間T1の固定周波数f1に対して、直前の固定期間T1の電流に基づいた倍率に演算したものを、変動期間T2の変動周波数f2としている。
【0054】
なお、直前の固定期間T1の電流は、例えば、平均電流、当該固定期間T1の最初の電流、当該固定期間T1の最後の電流等を採用することができる。また、本実施形態においては、放電ランプ10が定電力制御されているため、直前の固定期間T1の電流に代えて、当該電流と相関関係を有する直前の固定期間T1の電圧を採用してもよい。
図5においては、各固定期間T1a〜T1dの電圧が85Vとして、
図6に示すように、各変動周波数f2a〜f2dは、直前の固定期間T1a〜T1dの固定周波数f1a〜f1dの1/3倍の周波数としている。
【0055】
ところで、電極12から金属が蒸発する領域と、蒸発した金属が電極12に帰還する位置とは、それぞれ電極12の温度に依存している。例えば、金属が蒸発できる電極12の温度は、約3000Kであり、蒸発した金属が帰還する電極12の位置の温度は、約2500Kである。また、電極12の温度は、放電ランプ10に供給する交流電流の周波数と電流とに、依存している。
【0056】
固定期間T1においては、当該固定期間T1中の電流が、殆ど変化しないため、周波数が低くなるに伴って、電極12が所定温度(例えば、2500K)になる位置は、基端側になる。例えば、
図7に示すように、周波数の高い第1固定周波数(960Hz)f1aの場合、金属が帰還する電極12の位置は、P1であり、周波数の低い第4固定周波数(120Hz)f1dの場合、金属が帰還する電極12の位置は、P2であって、突起部12cから離れる。
【0057】
また、変動期間T2においても、電流が同じである場合、周波数が低くなるに伴って、電極12が所定温度(例えば、3000K)になる領域は、基端側まで広がる。具体的には、周波数の高い第1変動周波数(320Hz)f2aの場合、金属が蒸発できる電極12の位置は、P1だけであり、周波数の低い第4変動周波数(40Hz)f2dの場合、金属が蒸発できる電極12の位置は、P1及びP2であり、即ち、P2の位置まで広がる。
【0058】
したがって、固定期間T1においては、放電ランプ10の動作データに依存しないデータに基づいて、固定期間T1毎に固定周波数f1を変えているため、電極12から蒸発した金属を、電極12の所望の位置に帰還させることができる。そして、変動期間(第2の期間)T2において、直前の固定期間T1の固定周波数f1と電流とに対応した変動周波数f2としているため、直前の固定期間T1で帰還した金属を再び蒸発させることができる。したがって、電極12の形状を維持することができる。
【0059】
また、
図8に示すように、固定期間T1の時間は、変化している。具体的には、固定期間T1の時間は、放電ランプ10の点灯時間に伴って、変化している。本実施形態においては、放電ランプ10の点灯時間に伴って、固定期間T1の時間が短い期間と、固定期間T1の時間が徐々に長くなる期間と、固定期間T1の時間が徐々に短く戻る期間とが、繰り返されている。
【0060】
このように、固定期間T1の時間が変化することにより、金属が電極12から蒸発する頻度は、変わることになる。具体的には、固定期間T1の時間が短い期間は、変動期間T2の頻度が多くなるため、主に、金属が電極12から蒸発する期間として機能する一方、固定期間T1の時間が変化する(長くなる)期間は、変動期間T2の頻度が少なくなるため、主に、金属が電極12に帰還する期間として機能する。したがって、金属が電極12から蒸発する期間と、金属が電極12に帰還する期間とが、明確になるため、ハロゲンサイクルがより効果的に行われる。
【0061】
ところで、固定期間T1の時間が急激に変化する(長くなる)場合、金属が一斉に電極12に帰還するため、金属を電極12から十分に蒸発させることができない。それに対して、本実施形態においては、固定期間T1の時間が徐々に変化している(長くしている)ため、金属が徐々に電極12に帰還し、金属を電極12から徐々に蒸発させることができる。したがって、ハロゲンサイクルがより効果的に行われる。
【0062】
なお、固定期間T1の時間は、一定となるように設定されてもよい。また、変動期間T2の時間は、変動周波数f2が少なくとも1周期以上あるように設定されることが好ましい。なお、変動期間T2の時間は、変動周波数f2が一定の周期となるように設定されてもよく、一定の時間となるように設定されてもよく、変動する時間となるように設定されてもよい。
【0063】
次に、基本期間T10と交互に繰り返される低周波期間T20の制御について、
図5及び
図9を参酌して説明する。
【0064】
図5に示すように、低周波期間T20においては、制御部3は、交流電流の周波数を、直前の基本期間T10の最も低い周波数よりもさらに低い周波数f20となるように制御している。具体的には、
図9に示すように、制御部3は、直前の基本期間T10における固定期間T1の最も低い固定周波数f1に対して、直前の基本期間T10の電流に基づいた倍率に演算したものを、低周波期間T20の周波数f20としている。
【0065】
本実施形態においては、放電ランプ10が定電力制御されているため、直前の基本期間T10の電流に代えて、当該電流と相関関係を有する直前の基本期間T10の電圧を採用してもよい。
図5においては、各基本期間T10a〜T10cの電圧が85Vとして、
図9に示すように、低周波期間T20a,T20bの各周波数f20a,f20bは、直前の基本期間T10a,T10bにおける固定期間T1の最も低い固定周波数f1の1/12倍の周波数としている。
【0066】
斯かる構成によれば、低周波期間T20の周波数f20は、直前の基本期間T10の最も低い周波数よりもさらに低い。これにより、基本期間T10の変動期間T2においては、電極12から蒸発できない位置、即ち、電極12の基端部(例えば
図7におけるP2の位置よりもさらに基端側)に帰還した金属でさえも、電極12から蒸発させることができる。
【0067】
なお、低周波期間T20の時間は、周波数f20が少なくとも1周期以上あるように設定されることが好ましい。なお、低周波期間T20の時間は、周波数f20が一定の周期となるように設定されてもよく、一定の時間となるように設定されてもよく、変動する時間となるように設定されてもよい。
【0068】
変動周波数f2a〜f2dは、固定周波数f1a〜f1dに対して自然数の逆数倍の周波数となるように、設定されている。また、低周波期間T20の周波数f20は、固定周波数f1a〜f1dに対して自然数の逆数倍の周波数となるように、設定されている。
【0069】
ところで、固定期間T1における設定される複数の固定周波数f1a〜f1dは、当該複数の固定周波数f1a〜f1dのうち最も高い周波数f1aに対して自然数の逆数倍の周波数となるように、それぞれ設定されている。具体的には、固定周波数f1a〜f1dは、それぞれ960Hz、480Hz、240Hz、120Hzであって、最も高い固定周波数f1aのそれぞれ1/1倍、1/2倍、1/4倍、1/8倍である。
【0070】
これにより、変動周波数f2a〜f2dと低周波期間T20の周波数f20とは、最も高い固定周波数f1aに対して自然数の逆数倍の周波数となるように、設定されていることになる。このように、全ての周波数f1,f2,f20が、最も高い固定周波数f1aに対して自然数の逆数倍の周波数となるように、設定されているため、投影装置本体102の信号(例えば、垂直同期信号)と、光源装置101の信号(例えば、極性反転信号)とを、同期させることが容易になる。
【0071】
次に、本実施形態に係る放電ランプ点灯装置1の効果について、
図10を参酌して説明する。
【0072】
<実施例、比較例1〜2>
実施例は、
図1〜
図9に示す上記実施形態に係る放電ランプ点灯装置1である。
比較例1は、交流電流の周波数を、単一の固定周波数からなる固定期間と、低周波期間とで制御する放電ランプ点灯装置である。
比較例2は、交流電流の周波数を、複数の固定周波数からなる固定期間で制御する放電ランプ点灯装置である。
【0073】
<実験方法>
実施例及び各比較例に係る放電ランプ点灯装置を用いて、放電ランプ10の点灯試験を行った。点灯試験は、定格電力250Wのショートアーク型放電ランプに対して、5000時間の点灯を行い、その際の放電ランプ10のランプ電圧を測定した。
【0074】
<実験結果>
比較例1に係る放電ランプ10においては、点灯初期のランプ電圧が70Vであったのに対して、点灯時間が3000時間の際に、ランプ電圧が90Vとなり、点灯時間が5000時間の際には、ランプ電圧が130Vとなった。
比較例2に係る放電ランプ10においては、点灯初期のランプ電圧が同様に70Vであったのに対して、点灯時間が1500時間の際には、ランプ電圧が既に90Vを越えており、点灯時間が5000時間の際には、ランプ電圧が127Vとなった。
それに対して、実施例に係る放電ランプ10においては、点灯初期のランプ電圧が同様に70Vであったのに対して、点灯時間が5000時間の際でも、ランプ電圧が84Vであった。
【0075】
このように、各比較例においては、点灯時間が長くなるにつれて、電極12の形状が変化しているため、ランプ電圧が非常に大きくなっている。それに対して、実施例においては、点灯時間が長くなっても、電極12の形状を維持できるため、ランプ電圧が大きくなることを抑制できている。したがって、実施例においては、電極12の形状を維持できる期間の長期化を図ることができているため、放電ランプ10の長寿命化が図れている。
【0076】
以上より、本実施形態に係る放電ランプ点灯装置1によれば、給電部2は、所定のガスが封入された放電容器11の内部に一対の電極12,12が対向配置される放電ランプ10に対して、交流電流を供給している。制御部3は、給電部2が放電ランプ10に供給する交流電流の周波数を、交互に繰り返される固定期間(第1の期間)T1と変動期間(第2の期間)T2とにおいて異なる方式で制御している。
【0077】
まず、固定期間(第1の期間)T1において、制御部3は、交流電流の周波数を、設定される複数の固定周波数f1a〜f1dのうち一つの固定周波数f1となるように制御している。ところで、電極12から蒸発した金属が電極12に帰還する位置は、電極12の温度に依存している。また、電極12の温度は、固定期間(第1の期間)T1の固定周波数f1と、固定期間(第1の期間)T1の電流とに、依存している。
【0078】
そこで、変動期間(第2の期間)T2において、制御部3は、交流電流の周波数を、直前の固定期間(第1の期間)T1の固定周波数f1と電流とに基づいて、当該固定周波数f1よりも低い変動周波数f2となるように制御している。これにより、蒸発した金属が直前の固定期間(第1の期間)T1で電極12に帰還する位置を、正確に把握することができる。
【0079】
したがって、変動期間(第2の期間)T2において、それに適した周波数の交流電流を放電ランプ10に供給することができる。よって、放電ランプ10の点灯期間が長くなっても、電極12(特に、突起部12c)の形状を維持できるため、電極12の形状を維持できる期間の長期化を図ることができる。
【0080】
なお、本発明に係る放電ランプ点灯装置は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、本発明に係る放電ランプ点灯装置は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0081】
上記実施形態に係る放電ランプ点灯装置1においては、制御部3は、固定期間(第1の期間)T1において、交流電流の周波数を、設定される複数の周波数f1a〜f1dのうち所定の一つの周波数となるように制御する、という構成である。しかしながら、本発明に係る放電ランプ点灯装置は、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係る放電ランプ点灯装置においては、制御部3は、
図11及び
図12に示すように、固定期間(第1の期間)T1において、交流電流の周波数を、設定される複数の固定周波数f1a〜f1dのうち所定の二つ以上の固定周波数となるように制御する、という構成でもよい。
【0082】
図11に係る制御方法においては、制御部3は、変動期間(第2の期間)T2において、交流電流の周波数を、直前の固定期間(第1の期間)T1における最も時間比率の大きい固定周波数f1aと当該固定期間T1の電流とに基づいて、当該周波数f1aよりも低い変動周波数f2となるように制御している。
図11においては、第1固定周波数f1aの時間Tf1aは、他の固定周波数f1b〜f1dの時間Tf1b〜Tf1dよりも長い。なお、変動周波数f2の演算は、上記実施形態に係る演算(
図6参照)と同様でもよい。
【0083】
斯かる制御方法によれば、固定期間T1においては、第1固定周波数f1aの際に金属が電極12に帰還する位置に、金属は、多く帰還している。したがって、変動期間T2で、当該位置に適した周波数の交流電流を放電ランプ10に供給することができる。よって、放電ランプ10の点灯期間が長くなっても、電極12(特に、突起部12c)の形状を維持できるため、電極12の形状を維持できる期間の長期化を図ることができる。
【0084】
また、
図12においては、制御部3は、変動期間(第2の期間)T2において、交流電流の周波数を、直前の固定期間(第1の期間)T1における最も低い固定周波数f1dと当該固定期間T1の電流とに基づいて、当該固定周波数f1dよりも低い変動周波数f2となるように制御している。
図12においては、第4固定周波数f1dの周波数は、他の固定周波数f1a〜f1cよりも、低い。なお、変動周波数f2の演算は、上記実施形態に係る演算(
図6参照)と同様でもよい。
【0085】
斯かる制御方法によれば、固定期間T1においては、第4固定周波数f1dの際に、金属が電極12の最も基端側の(突起部12cから離れた)位置に帰還している。したがって、変動期間T2で、当該位置に適した周波数の交流電流を放電ランプ10に供給することができる。よって、放電ランプ10の点灯期間が長くなっても、電極12(特に、突起部12c)の形状を維持できるため、電極12の形状を維持できる期間の長期化を図ることができる。
【0086】
また、上記実施形態に係る放電ランプ点灯装置1においては、固定期間(第1の期間)T1における設定される複数の固定周波数f1a〜f1dは、当該複数の固定周波数f1a〜f1dのうち最も高い周波数f1aに対して自然数の逆数倍の周波数となるように、それぞれ設定される、という構成である。しかしながら、本発明に係る放電ランプ点灯装置は、斯かる構成に限られない。しかも、設定される複数の固定周波数は、4つであるだけでなく、2つ、3つ、又は5つ以上である、という構成でもよい。
【0087】
また、上記実施形態に係る放電ランプ点灯装置1においては、変動期間(第2の期間)T2における変動周波数f2は、固定期間(第1の期間)T1における設定される複数の固定周波数f1a〜f1dのうち最も高い固定周波数f1aに対して自然数の逆数倍の周波数となるように、設定される、という構成である。しかしながら、本発明に係る放電ランプ点灯装置は、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係る放電ランプ点灯装置においては、
図13に示すように、制御部3は、直前の固定期間T1の固定周波数f1に対して、直前の固定期間T1の電流に基づいた倍率に演算したものを、変動期間T2の変動周波数f2としている、という構成でもよい。
【0088】
また、上記実施形態に係る放電ランプ点灯装置1においては、低周波期間T20の周波数f20は、固定期間(第1の期間)T1における設定される複数の固定周波数f1a〜f1dのうち最も高い固定周波数f1aに対して自然数の逆数倍の周波数となるように、設定される、という構成である。しかしながら、本発明に係る放電ランプ点灯装置は、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係る放電ランプ点灯装置においては、
図14に示すように、制御部3は、直前の基本期間T10における固定期間T1の最も低い固定周波数f1に対して、直前の基本期間T10の電流に基づいた倍率に演算したものを、低周波期間T20の周波数f20としている、という構成でもよい。
【0089】
また、上記実施形態に係る放電ランプ点灯装置1は、固定期間T1においては、放電ランプ10の動作データに依存しないデータに基づいて、固定期間T1毎に選択される固定周波数f1を変えている、という構成である。しかしながら、本発明に係る放電ランプ点灯装置は、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係る放電ランプ点灯装置においては、固定期間T1においては、放電ランプ10の動作データ(電圧値、電流値、輝度、電極間距離、温度等)に依存するデータに基づいて、固定期間T1毎に選択される固定周波数f1を変えている、という構成でもよい。
【0090】
また、上記実施形態に係る放電ランプ点灯装置1においては、基本期間T10と低周波期間T20とが交互に繰り返される、という構成である。例えば、本発明に係る放電ランプ点灯装置においては、制御プログラム上、基本期間T10に、低周波期間T20が割り込み挿入される構成でもよく、基本期間T10に、低周波期間T20が上書き挿入される構成でもよい。
【0091】
また、上記実施形態に係る放電ランプ点灯装置1においては、固定期間(第1の期間)T1と変動期間(第2の期間)T2とが交互に繰り返される、という構成である。例えば、本発明に係る放電ランプ点灯装置においては、制御プログラム上、固定期間(第1の期間)T1に、変動期間(第2の期間)T2が割り込み挿入される構成でもよく、固定期間(第1の期間)T1に、変動期間(第2の期間)T2が上書き挿入される構成でもよい。