【文献】
両澤淳, 外1名,OCT用高コヒーレンス高速波長掃引光源=次世代OCTとして注目されるSS-OCTに要求される高コヒーレンス光源=,光アライアンス,日本工業出版,2009年 8月 1日,vol.20, no.8,pp.25-29
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る光干渉断層画像生成装置であるOCT装置1について詳細に説明する。
【0025】
[OCT装置の構成の概要]
OCT装置1の構成の概要について、OCT装置1によって撮影する被写体(サンプルS)を、歯科の患者の診断対象の歯牙(前歯)である場合を例に挙げて説明する。
図1及び
図2に示すように、OCT装置1は、光学ユニット部10(光学ユニット)と、診断プローブ部30(プローブ)と、制御ユニット部50(制御ユニット)と、を主に備える。
OCT装置1は、光源11から照射されたレーザ光をサンプルS(被写体)に照射する計測光と、参照ミラー21とに照射する参照光にカップラ12(光分割器)で分配し、診断プローブ部30で、前記計測光をサンプルSに照射しサンプルSの内部から散乱して戻って来た散乱光と、参照ミラー21からの反射光と、をカップラ16(光合波器)で合成させた干渉光を解析して、光干渉断層画像を生成する光干渉断層画像生成装置である。
【0026】
≪光学ユニット部≫
光学ユニット部(光学ユニット)10は、一般的な光コヒーレンストモグラフィの各方式が適用可能な光源、光学系、検出部を備えている。
図2に示すように、光学ユニット部10は、サンプル(被写体)Sに
広帯域な波長のレーザ光を続けて(周期的に)照射する光源11と、レーザ光をサンプルSに照射する計測光と参照ミラー21に照射する参照光に分配するカップラ12(光分割器)と、計測光をサンプルSに照射しこのサンプルSの内部で散乱して戻って来た散乱光を受光する診断プローブ部30(プローブ)と、参照光が参照ミラー21から反射して戻って来た反射光と散乱光とを合成させて干渉光を生成するカップラ16(光合波器)と、その干渉光からサンプルSの内部情報を検出するディテクタ(検出器)23と、光源11とディテクタ23との間の光路中に設けられた光ファイバ19d,(60)やその他光学部品等を備えている。
【0027】
ここで、光学ユニット部10の概略を説明する。
光源11から射出された光は、光分割器であるカップラ12により、計測光と参照光とに分けられる。計測光は、サンプルアーム13のサーキュレータ14から診断プローブ部30に入射する。この計測光は、診断プローブ部30のシャッタ機構31のシャッタ312が開状態において、受光レンズ32(コリメータレンズ)、走査手段33(ガルバノミラー)を経て集光レンズ34によってサンプルSに集光され、そこで散乱、反射した後に再び集光レンズ34、走査手段33、受光レンズ32を経てサンプルアーム13のサーキュレータ14に戻る。戻ってきた計測光の偏光成分は、偏光コントローラ15によってより偏光の少ない状態に戻され、光合波器としてのカップラ16を介してディテクタ23に入力される。
【0028】
一方、光分割器用のカップラ12により分離された参照光は、レファレンスアーム17のサーキュレータ18からコリメータレンズ19、光路長変更手段24を経て参照光集光レンズ20によって参照ミラー21(レファレンスミラー)に集光され、そこで反射した後に再び参照光集光レンズ20、コリメータレンズ19を経てサーキュレータ18に戻る。戻ってきた参照光の偏光成分は、偏光コントローラ22によってより偏光の少ない状態に戻され、光合波器用のカップラ16を介してディテクタ23に入力される。つまり、カップラ16が、サンプルSで散乱、反射して戻ってきた計測光と、参照ミラー21で反射した反射光とを合波するので、合波により干渉した光(干渉光)をディテクタ23がサンプルSの内部情報として検出することができる。
【0029】
<光源>
光源11としては、例えばSS−OCT方式用のレーザ光源を用いることができる。
この場合、光源11は、例えば、中心波長1310nm、掃引波長幅100nm、掃引速度50kHz、可干渉距離(コヒーレント長)が14mmの性能のものが好ましい。
ここで、可干渉距離とは、パワースペクトルの減衰が6dBとなるときの距離に相当する。なお、レーザ光の可干渉距離は10mm以上で、48mm未満の高コヒーレント光が好ましいが、これに限定されるものではない。
【0030】
<参照光のコリメータレンズ>
参照光のコリメータレンズ19(
図2参照)は、カップラ12(光分割器)で分割された参照光を平行光に収束させるレンズであり、
図3に示すように、コリメータレンズユニット19’のコリメータ19dの略円筒状のレンズホルダ19a内に収容されている。
コリメータレンズユニット19’は、コリメータ19dと、コリメータ19dを抱持するコリメータ保持体19eと、コリメータ保持体19eを支持するブロック19fと、ブロック19fを光軸に直交する方向に微調整可能に支持するブラケット19hと、ブラケット19hを保持する支持台191と、支持台191を支持フレーム部材194に係合させるためのガタ防止部材192と、支持台191を支持フレーム部材194に固定するための固定具193と、前記支持フレーム部材194と、を主に備えている。
【0031】
コリメータ19dは、前記コリメータレンズ19と、コリメータレンズ19を内嵌した略円筒状のレンズホルダ19aと、レンズホルダ19aに取り付けられたコネクタ19cと、一端がコネクタ19cに接続され、他端がレンズホルダ19aとサーキュレータ18(
図2参照)とに接続された光ファイバ19bと、を備えている。
【0032】
レンズホルダ19aは、光軸上の一端側に光ファイバ19bが取り付けられコネクタ19cを固定し、他端側に参照ミラー21に向けて開口され参照光、反射光が出入りする開口部が形成されている。
コリメータ保持体19eは、レンズホルダ19aを光軸方向へ進退させて微調整可能にねじ止めし、ブロック19f上に固定されている。
ブロック19fは、正面視して略コ字状のブラケット19h内に圧縮コイルばねSPを介在して光軸に直交する方向に微調整可能に支持されている。
ブラケット19hは、支持台191に固定されて一体化されている。
【0033】
支持台191は、この支持台191に固定したコリメータレンズユニット19’を載設して、コリメータレンズユニット19’を支持フレーム部材194に対して光軸方向に位置調整可能に支持する部材である。支持台191は、支持フレーム部材194上に光軸方向に摺動自在に係合された略コ字状の厚板部材であり、支持フレーム部材194の上方を跨ぐようにして連設されている。この支持台191には、ブラケット19hが当接された状態で配置される摺動面191aと、摺動面191aが形成される平板形状部位の両端部から支持フレーム部材194側に突設された左右一対の係合突起191bと、この左右の係合突起191b間に形成されて支持フレーム部材194のレール状部位に当接する凸部191cと、が形成されている。
【0034】
固定具193は、支持台191の一方の係合突起191bに係合されたガタ防止部材192をその係合突起191bに固定するための締結部材からなり、支持フレーム部材194の所定位置に固定するためのものである。
かかる構成により、前記コリメータ19dは、サンプルS(被写体)光側の光路長と参照光側の光路長が等しくなるように予め設定された光軸上の位置に配置することができる。
【0035】
参照光集光レンズ20は、コリメータレンズ19により収束された平行光を参照ミラー21に集光させるレンズであり、例えば、支持フレーム部材194上のコリメータレンズ19と参照ミラー21との間の予め設定された光軸上の位置に配置されている。参照光集光レンズ20は、この参照光集光レンズ20の傾きを調整可能に支持台20aに支持されると共に、その支持台20aが支持フレーム部材194に光軸方向へ移動及び固定可能に締結される固定具20bで支持フレーム部材194の所定位置に固定される。
【0036】
支持フレーム部材194は、光軸方向に延設された板状の部材であり、この支持フレーム部材194上のそれぞれの所定位置に適宜な間隔でコリメータレンズユニット19’、参照光集光レンズ20、及び参照ミラー21が載設されている。支持フレーム部材194には、例えば、一端部に参照ミラー21が固定され、この参照ミラー21から適宜な間隔を介して参照光集光レンズ20とコリメータ19dとが順に配置されて、コリメータ19dを移動することによって光路長が変更できるように設けられている。
【0037】
<参照光の光路長変更手段>
図2に示すように、参照光の光路長変更手段24は、コリメータ19dを光軸方向に移動させて、カップラ12(光分割器)から参照ミラー21までの光路長を変更したり、初期設定する際に使用する装置である。参照光の光路長変更手段24は、例えば、コリメータ19dを保持してそのコリメータ19dと共に光軸に沿って手動式または電動式に進退可能に配置されたコリメータレンズユニット19’と、前記参照光集光レンズ20と、前記参照ミラー21と、コリメータレンズユニット19’、参照光集光レンズ20及び参照ミラー21を支持する支持フレーム部材194と、を備えて構成されている。
【0038】
≪診断プローブ部≫
図2に示すように、診断プローブ部30(プローブ)は、レーザ光を2次元走査する走査手段33(ガルバノミラー)を含み、光学ユニット部10からのレーザ光をサンプルSに導くと共に、サンプルS内で散乱して反射した散乱光を受光して光学ユニット部10に導くものである。この診断プローブ部30は、それぞれ後記するケーブル60と、ハウジング3と、フレーム本体300と、シャッタ機構31と、受光レンズ32と、走査手段(ガルバノミラー)と、集光レンズ34と、集光点調整機構35と、ノズル37と、を備えている。
【0039】
<ケーブル>
ケーブル60(
図1参照)は、診断プローブ部30と、光学ユニット部10及び制御ユニット部50とを光学的及び電気的に接続するためのものである。ケーブル60は、光学ユニット部10に接続された光ファイバと、制御ユニット部50に接続された通信線とを内蔵している。
【0040】
撮影中以外のときには、診断プローブ部30のハウジング3を、
図1(a)に示すように、OCT装置1の上部に配置された表示装置54の下部側から水平方向に延伸した単関節アーム70の先端のホルダ71に保持させておく。これにより、収納時には、長いケーブル60であってもケーブル60を捻じったりすることなく収納し、収納スペースを低減することができる。
【0041】
一方、撮影時には、利用者は、診断プローブ部30を単関節アーム70のホルダ71から外して把持し、手振れ防止等のため診断プローブ部30を患者の歯(サンプルS)に対して当接させる。このとき利用者の両手が塞がっていたとしても撮影開始の操作ボタンSW(
図4参照)を操作するために、制御ユニット部50に有線または無線で通信可能に接続されたフットコントローラ80(
図1参照)を用いることもできる。
【0042】
図1(b)に示すOCT装置1Aは、撮影中以外のときには、診断プローブ部30を、OCT装置1Aの上部に配置された表示装置54の上部側から水平方向に延伸した多関節アーム70Aの先端のホルダ71に保持させておくことができるようにした点以外は、
図1(a)に示すOCT装置1と同様なものである。多関節アーム70Aは、単関節アーム70に比べて、基端から先端のホルダ71までの長さが長く、床からより高い位置に配置されている。そのため、ケーブル60の垂れ下がりが低減できる。これにより、操作性を向上させ、垂れ下がったケーブル60を誤って踏んだりすることを防止できる。
【0043】
<ハウジング>
図4及び
図5に示すように、ハウジング3は、フレーム本体300や診断プローブ部30の構成部品を覆ったり、支持したりするケース体であり、側面視して略十字形状(略ピストル形状)に形成されている。このため、持ち易くて操作性がよく、前記ホルダ71にも容易に取り付けることもできる形状をしている。ハウジング3には、それぞれ後記する走査手段収納部3aと、グリップ部3bと、集光レンズ収納部3cと、X方向ガルバノミラー収納部3dと、Y方向ガルバノミラー収納部3eと、が形成されている。このハウジング3内には、フレーム本体300、受光レンズ32、走査手段33、集光レンズ34、シャッタ機構31、が主に設けられている。ハウジング3は、例えば、中央部を縦断面して左右に二分した2つのケース体を合致させてなる。
【0044】
走査手段収納部3aは、略十字形状のハウジング3の略中央部に配置された走査手段33を収納する部位である。
グリップ部3bは、利用者が手で診断プローブ部30を持つ際に握る部位であると共に、ホルダ71(
図2参照)で抱持される部位である。グリップ部3bは、走査手段収納部3aの配置位置から下方(矢印B方向)に延びて、略円筒状に形成されている。グリップ部3bは、ノズル37側の外周面に操作ボタンSWが配置されて、その内部に受光レンズ32等が収納され、下面にケーブル60が引き出された状態に配線されている。
【0045】
集光レンズ収納部3cは、集光レンズ34及び集光点調整機構35を収納すると共に、ノズル37及び操作ノブ351を支持する部位である。集光レンズ収納部3cは、グリップ部3bに対して直交する方向に延びて形成されると共に、走査手段収納部3aから前方向(矢印A方向)に向けて略円筒状に形成されている。
X方向ガルバノミラー収納部3dは、X方向ガルバノミラー33Xの駆動モータやコネクタ部等が収納される部位であり、走査手段収納部3aの配置位置から後方向に膨らんだ状態に突設されている。
Y方向ガルバノミラー収納部3eは、Y方向ガルバノミラー33Yの駆動モータやコネクタ部等が収納される部位であり、走査手段収納部3aの配置位置から上方に膨らんだ状態に突設されている。
【0046】
<フレーム本体>
図6に示すように、フレーム本体300は、シャッタ機構31、光軸調整機構321、走査手段33及び集光点調整機構35を保持する厚板状の部材であり、ハウジング3内にねじ止めされている。フレーム本体300は、ハウジング3の形状に合わせて、側面視して略十字形状(略ピストル形状)に形成されている。このフレーム本体300には、中央部に走査手段33が固定されるL字型部300aと、中央部から下側に延びて形成され、シャッタ機構31及び光軸調整機構321が固定される垂直部300bと、中央のL字型部300aから前側に延びて形成されて、集光点調整機構35が固定されている水平部300cと、垂直部300bに上下方向に延設された位置調整孔301と、水平部300cに水平方向に延設された位置調整孔302と、が形成されている。
【0047】
位置調整孔301は、垂直部300bに計測光の光軸方向に延びて形成された長孔であり、受光レンズブラケット324を光軸方向に移動可能及び傾動可能に支持すると共に、その受光レンズブラケット324を所定の向き及び位置に締結するブラケット締結具327が上下動可能に挿入される。
位置調整孔302は、集光レンズ34を光軸に沿って進退させる集光点調整機構35を移動自在の設置するための長孔であり、調整ねじ353が移動自在に挿入されている。
【0048】
<シャッタ機構>
図6に示すように、シャッタ機構31は、サーキュレータ14(
図2参照)から送られて来た計測光と、サンプルSに計測光が当たって反射した散乱光とが診断プローブ部30を通過するのを遮断する装置であり、例えば、グリップ部3b内の受光レンズ32と走査手段収納部3a内の走査手段33との間に介在されている。このシャッタ機構31は、例えば、シャッタ基体311と、シャッタ312と、シャッタ駆動手段313と、シャッタ基体締結具314と、を備えている。シャッタ機構31は、シャッタ312によってサンプルSからの反射光を遮断して、表示画面上に写るノイズ(像)をソフト的に除去するゼロ点補正を行うためのものである。
【0049】
シャッタ基体311は、シャッタ312及びシャッタ駆動手段313が取り付けられる部材であり、シャッタ基体締結具314によってフレーム本体300に上下動可能な状態に固定されている。シャッタ基体311には、計測光及び散乱光が通過する透孔311aが上下方向に向けて光軸上に形成されている。シャッタ基体311は、シャッタ基体締結具314の締結を緩めることによって、シャッタ基体締結具314を中心として回動可能となっている。
シャッタ312は、透孔311aを通過する計測光及び散乱光を遮断する部材であり、シャッタ駆動手段313の駆動軸(図示省略)を中心に回動して、透孔311aを開閉するように配置された板部材からなる。
【0050】
シャッタ駆動手段313は、シャッタ312を光軸上に移動させたり、光軸上から退避させたりして開閉駆動させて、透孔311aを開閉させるアクチュエータである。シャッタ駆動手段313は、例えば、シャッタ312を回動させて透孔311aを開閉させるモータ、または、シャッタ312を進退移動させて透孔311aを開閉させるソレノイド等からなる。
シャッタ基体締結具314は、シャッタ基体311をフレーム本体300に上下方向に移動可能に固定するためのねじ部材である。このシャッタ基体締結具314は、フレーム本体300の位置調整孔301に挿入してシャッタ基体311に螺着される。
なお、シャッタ機構31は、手動でシャッタ312が動かすものであっても構わない。
【0051】
<受光レンズ>
図5及び
図6に示すように、受光レンズ32は、カップラ12(
図2参照)からサーキュレータ14を介して送られた計測光を受光してレーザ径を調整するレンズであり、例えば、平行光に収束させるコリメータレンズからなる。受光レンズ32は、略円筒状の受光レンズユニット322に内設されて、受光レンズホルダ323及び受光レンズブラケット324を介在してフレーム本体300の下部に回動可能に取り付けられている。
【0052】
<光軸調整機構>
図6に示すように、光軸調整機構321は、受光レンズ32を内設した受光レンズユニット322を光軸に対して傾けたり、進退して受光レンズ32の向きと位置とを調整する装置である。光軸調整機構321は、それぞれ後記する受光レンズユニット322と、受光レンズホルダ323と、受光レンズブラケット324と、ユニット締結具325と、ホルダ締結具326と、ブラケット締結具327と、を備えて構成されている。
【0053】
受光レンズユニット322は、受光レンズ32を内設した略筒状の部材あり、光軸に沿って上下方向に向けて配置されている。
受光レンズホルダ323は、受光レンズユニット322を光軸を中心として回動自在に保持する部材であり、受光レンズユニット322が挿入される貫通孔323aと、貫通孔323aに切欠成形された切欠部323bと、ユニット締結具325及びホルダ締結具326が螺合されるねじ穴(図示省略)と、を有している。
【0054】
受光レンズブラケット324は、受光レンズホルダ323を水平方向の一方向(
図6のA方向、光軸に直交する方向)に配設されたホルダ締結具326を中心として回動自在に保持している。そして、受光レンズブラケット324は、水平方向の他方向(
図6のB方向、光軸に直交する一方向に直交する方向)に配設されたホルダ締結具326を中心として回動自在に保持するフレーム本体300に固定されている。
また、受光レンズブラケット324は、ハウジング3内のフレーム本体300に対して
図6のB方向に位置調整可能に取り付けられる部材であり、平面視して略L字状の厚板材からなる。受光レンズブラケット324には、ホルダ締結具326が挿入される孔(図示省略)と、ブラケット締結具327が螺合されるねじ穴(図示省略)と、が形成されている。
ユニット締結具325は、受光レンズホルダ323に回動自在に挿入された受光レンズユニット322を緩めて回動可能にしたり、締め付けて受光レンズユニット322を受光レンズホルダ323に固定したりするための締結具である。ユニット締結具325は、受光レンズホルダ323の切欠部32bに直交するように形成されたねじ穴(図示省略)に螺入される。
【0055】
ホルダ締結具326は、受光レンズブラケット324に回動自在に内嵌された受光レンズホルダ323を緩めて回動可能にしたり、締め付けて受光レンズ32の前後方向の傾きを固定したりするための締結具である。ホルダ締結具326は、先端部が受光レンズブラケット324を挿通して受光レンズホルダ323に螺着される。
ブラケット締結具327は、受光レンズブラケット324を上下動及び回動自在に位置調整孔301に取り付けるための締結具であり、位置調整孔301を挿通して受光レンズブラケット324に形成されたねじ穴(図示省略)に螺合される。このブラケット締結具327は、受光レンズブラケット324の締め付けを緩めることにより回動可能にして、受光レンズブラケット324及び受光レンズ32の光軸の傾きを調整することができる。
【0056】
<走査手段>
図5及び
図6に示すように、走査手段33は、受光レンズ32を通過したレーザ光の照射方向を変化させるためのミラーであり、受光レンズ32を透過した計測光の光軸を90度変換するX方向ガルバノミラー33X(第1ガルバノミラー)と、X方向ガルバノミラー33Xで変換する光軸の向きに対して90度相違する向きに光軸を変換するY方向ガルバノミラー33Y(第2ガルバノミラー)と、を備えて構成されている。
【0057】
光源11から照射されたレーザ光は、X方向ガルバノミラー33Xと、Y方向ガルバノミラー33Yとを介してサンプルS(
図2参照)に照射され、診断プローブ部30のノズル先端が正対するサンプルSの表面から内部に進む深さ方向(A方向)の内部情報をディテクタ23が取得する。後記するように1回のスキャンで1152ポイントからなるA方向のデータ(以下、Aラインデータという)を取得し、その後の周波数解析の画像処理を取得する。
【0058】
ここで、X方向及びY方向とは、診断プローブ部30のノズル先端が正対するサンプルSの表面において横方向及び縦方向(Y軸方向)に対応する。
【0059】
X方向ガルバノミラー33Xは、受光レンズ32側に設けられている。X方向ガルバノミラー33Xは、ミラー面(A−V平面)を、A方向を軸としてモータ駆動により回転するものである。このとき、取得されるデータの方向は、サンプルSの表面において横方向(X軸方向)のデータであり、B方向のデータとなる。仮にガルバノミラーの動作回転角が例えば−3°〜+3°で128ポイントのB方向のデータが必要な場合、後記するように128ポイントのB方向のデータ(以下、Bラインデータという)を取得する。
【0060】
Y方向ガルバノミラー33Yは、集光レンズ34側に設けられ、ミラー面(B−V平面)を、B方向を軸としてモータ駆動により回転するものである。このとき、取得されるデータの方向は、サンプルSの表面において縦方向(Y軸方向)のデータであり、V方向のデータ(以下、Vラインデータという)となる。
【0061】
<集光レンズ>
図5及び
図6に示すように、集光レンズ34は、走査手段33による走査光を集光すると共に、計測光をサンプルSに集光させて照射するレンズであり、レンズ収納筒体352に内設されている。レンズ収納筒体352は、ハウジング3の集光レンズ収納部3c内に位置調整孔302に沿って進退自在に配置されている。このレンズ収納筒体352の下面部には、利用者の指が遊嵌するリング状の操作ノブ351が一体形成されている。
【0062】
<集光点調整機構>
図6に示すように、集光点調整機構35は、集光レンズ34とノズル37に当接されたサンプルS(被写体)との間の距離を調整して集光点を調整する装置であり、ハウジング3の集光レンズ収納部3cに操作ノブ351を露出した状態で内設されている。集光点調整機構35は、フレーム本体300の水平部300cに水平方向に向けて延設された位置調整孔302と、この位置調整孔302に挿入されてレンズ収納筒体352を光軸に沿って形成された位置調整孔302の適宜な位置に固定する調整ねじ353と、レンズ収納筒体352に一体に形成されて集光レンズ34を位置調整孔302の適宜な位置に移動操作するための前記操作ノブ351と、ノズル支持体36を介在して前歯用ノズル37A(ノズル37)をフレーム本体300に固定するための連結用筒体354と、を備えて構成されている。
集光点調整機構35は、操作ノブ351を操作して移動させることによって、操作ノブ351と共に集光レンズ34が光軸方向に進退して、集光点を調整できるようになっている。
【0063】
<ノズル>
図8に示すように、ノズル37(前歯用ノズル37A)は、集光レンズ34の前方に配置され計測光をサンプルSに照射して散乱光を回収する開口部37Aeを有する筒状の部材である。前歯用ノズル37Aは、ハウジング3の先端部の集光レンズ収納部3cに、連結用筒体354、ノズル支持体36、スプリングSP、球体SB及び外環部材38を介在して着脱自在(交換可能)、かつ、回動自在に装着されている。
前歯用ノズル37Aは、診断プローブ部30で前歯(サンプルS)を撮影する際に(
図5参照)、円筒状の前歯用ノズル37Aの開口部37AeをサンプルSに当接させて、その間隔を保持しながら計測光をサンプルSに照射して、反射された散乱光を回収するための部材である。
【0064】
図7及び
図8に示すように、前歯用ノズル37Aには、基端部側に当該前歯用ノズル37Aをノズル支持体36に内嵌させるための係合筒部37Aaと、この係合筒部37Aaの外球面に形成され球体SBが係合する環状溝37Abと、係合筒部37Aaの先端に係止されたフランジ部37Acと、このフランジ部37Acから先端側に延設された円筒部37Adと、が一体形成されている。
【0065】
図8に示すように、ノズル支持体36は、連結用筒体354と前歯用ノズル37Aとの間に介在されて外環部材38に内嵌される略円筒状の部材である。ノズル支持体36は、基端部側に連結用筒体354に内嵌される係合部36aと、外環部材38に内嵌されると共に、円筒コイルばねからなるスプリングSPの基端側を支持するばね受け部36bと、そのスプリングSPが外嵌されるスプリング外装部36cと、球体SBが移動自在に内嵌される球体挿入孔36dと、が形成されている。
【0066】
外環部材38は、ノズル支持体36及びスプリングSPを覆うようにその外側に配置される略筒状の部材であり、その内面に、圧縮された状態のスプリングSPの先端部を支持するばね受け凸部38aが形成されている。
【0067】
≪制御ユニット部≫
制御ユニット部50(制御ユニット)は、
図2に示すように、AD変換回路51と、DA変換回路52と、ガルバノミラー制御回路53と、表示装置54と、OCT制御装置100とを備える。
【0068】
AD変換回路51は、ディテクタ23(検出器)のアナログ出力信号をデジタル信号に変換するものである。本実施形態では、AD変換回路51は、光源11であるレーザ出力装置から出力されるトリガ(trigger)に同期して信号の収得を開始し、同じくレーザ出力装置から出力されるクロック信号ckのタイミングに合わせて、ディテクタ(検出器)23のアナログ出力信号を収得し、デジタル信号に変換する。このデジタル信号は、OCT制御装置100に入力する。
【0069】
DA変換回路52は、OCT制御装置100のデジタル出力信号をアナログ信号に変換するものである。本実施形態では、DA変換回路52は、光源11であるレーザ出力装置から出力されるトリガ(trigger)に同期して、OCT制御装置100のデジタル信号をアナログ信号に変換する。このアナログ信号は、ガルバノミラー制御回路53に入力する。
【0070】
ガルバノミラー制御回路53は、診断プローブ部30の走査手段33を制御するドライバである。ガルバノミラー制御回路53は、OCT制御装置100のアナログ出力信号に基づいて、光源11から出照されるレーザの出力周期に同期して、X方向ガルバノミラー33XまたはY方向ガルバノミラー33Yのモータを駆動または停止させるモータ駆動信号を出力する。
【0071】
ガルバノミラー制御回路53は、X方向ガルバノミラー33Xの軸を回転させてミラー面の角度を変更する処理と、Y方向ガルバノミラー33Yの軸を回転させてミラー面の角度を変更する処理と、を異なるタイミングで行う。ガルバノミラー制御回路53のこれらの処理を、単に、ガルバノミラーX,Y軸変更と呼ぶ。ガルバノミラーX,Y軸変更を行うタイミングの例については後記する。
【0072】
表示装置54は、OCT制御装置100によって生成される光干渉断層画像(以下、OCT画像という)を表示するものである。表示装置54は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、EL(Electronic Luminescence)、CRT(Cathode Ray Tube)、PDP(Plasma Display Panel)等から構成される。
【0073】
OCT制御装置100は、OCT装置1の制御装置であって、レーザ光に同期して走査手段33を制御することで撮影を行うと共に、ディテクタ23の検出信号を変換したデータからサンプルSのOCT画像を生成する制御を行うものである。OCT制御装置100は、不図示の入出力手段と、記憶手段と、演算手段と、を備えたコンピュータと、このコンピュータにインストールされたプログラムとから構成される。
【0074】
[作用]
次に、OCT装置1(光干渉断層画像生成装置)を使用してサンプルS(前歯)を撮影する場合を説明する。
不図示の電源スイッチをONした後、操作ボタンSW(
図4参照)を操作して、
図6に示すシャッタ機構31のシャッタ駆動手段313を駆動させてシャッタ312を開放状態にする。
また、光軸が傾いている場合には、
図6に示すホルダ締結具326を緩めて、V方向の傾きを調整すると共に、ブラケット締結具327を緩めてA方向の傾きを調整する。
【0075】
診断プローブ部30は、撮影する際に、集光レンズ34と、ノズル37の先端に当接させたサンプルSとの間の距離を調整して集光点を調整する集光点調整機構35を備えていることによって、撮影する断層画像をサンプルSの基準面から深さ方向に位置調整して、深さ方向に広い範囲に亘って断層画像を得ることができる。
【0076】
また、
図2に示すように、OCT装置1は、コリメータ19dを光軸方向に移動させて、カップラ12(光分割器)から参照ミラー21までの光路長を変更する光路長変更手段24と、前記集光レンズ34とサンプルSとの距離を調整して集光点を調整する集光点調整機構35と、を有し、両者を作動させて互いの光路長を一致させることによって、所望の可干渉距離内の鮮明な断層画像を得ることができる。
【0078】
次に、高コヒーレント光の可干渉距離について説明する。
表1に示す従来使用されているOCT装置1では、可干渉距離が6mmある。可干渉距離が6mmの場合、撮影可能な範囲が浅く、深さ方向に広範囲にデータをとることができなかった。可干渉距離は、歯牙特有のもの(う蝕等)を撮影するためには光軸方向における深さ方向のデータが深い方がよい。
また、可干渉距離が48mm以上の場合は、光源から照射される波長を階段上にあげていくため電源が複雑になる。また、光源が大きくなり小型化が難しい。さらに撮影スピードが遅く手ぶれが起き易くなる。
そこで、本発明では、解像度が可干渉距離6mmのものより劣るが、深さ方向のデータをより多く取得でき、撮影スピードが速く、可干渉距離が14mmのものを実際に使用してその効果を確認した。
【0079】
なお、OCT装置1は、高コヒーレント光の可干渉距離が48mm以上の可干渉距離を有する光源を搭載する理論上可能であるが、この光源が波数(波長)を階段状に掃引するというSS−OCT方式であるため、掃引速度や分解能などを含めた総合的性能をこの光源に求めると、光源自体の製作が困難になるので、可干渉距離を48mm未満とする。
このため、可干渉距離は、10mm以上48mm未満が適切である。
【0080】
≪第1変形例≫
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。なお、既に説明した構成は同じ符号を付してその説明を省略する。
図9は、本発明の実施形態に係る光干渉断層画像生成装置の第1変形例を示す図であり、診断プローブ部の要部分解斜視図である。
【0081】
前記実施形態では、集光レンズ34の位置を操作ノブ351を手動で光軸方向に移動させる集光点調整機構35を説明したが(
図6参照)、これに限定されるものではない。集光点調整機構35Aは、
図9に示す診断プローブ部30Aのように、集光レンズ34Aを電動モータ35Abで計測光の光軸方向に移動して、集光レンズ34AとサンプルSとの間の距離を調整する電動式の集光レンズ移動機構35Aaであっても構わない。
【0082】
この場合、集光点調整機構35Aの集光レンズ移動機構35Aaは、集光レンズ34Aを光軸方向に移動自在に収納したレンズケース35Acと、レンズケース35Acを軸方向に進退させる超音波リニアアクチュエータ等からなる電動モータ35Abと、レンズケース35Acと一体に移動する電動モータ35Abの移動を案内するガイド部材35Adと、を備えている。集光レンズ移動機構35Aaは、集光レンズ34Aの移動を移動させて焦点位置を変えることによって、診断プローブ部30Aの先端よりさらに深い位置に焦点を合わすことを可能にする。
【0083】
レンズケース35Acは、例えば、集光レンズ34Aを収納した略円筒状の部材からなり、中心線を光軸に合わせて配置される。このレンズケース35Acは、電動モータ35Abにねじ止めされている。なお、レンズケース35Acは、電動モータ35Abによってフレーム本体300に対して光軸方向へ移動すればよく、電動モータ35Abを一体に移動するものに限定されるものではない。
【0084】
電動モータ35Abは、操作ボタンSW(
図4参照)を操作することで駆動し、ガイド部材35Adのレール部35Aeにガイドされて光軸方向に進退するようになっている。電動モータ35Abは、超音波リニアアクチュエータに限定されるものではなく、歯車減速機構等を介在してレンズケース35Acを移動させるものであっても構わない。
ガイド部材35Adは、例えば、電動モータ35Abの移動をガイドする一対のレール部35Aeと、このレール部35Aeを保持してフレーム本体300に固定されるホルダ基台34Afと、からなる。
【0085】
≪第2変形例≫
図10は、本発明の実施形態に係る光干渉断層画像生成装置の第2変形例を示す図であり、診断プローブ部の斜視図である。
図11は、本発明の実施形態に係る光干渉断層画像生成装置の第2変形例を示す図であり、診断プローブ部の要部分解斜視図である。
図12は、本発明の実施形態に係る光干渉断層画像生成装置の第2変形例を示す図であり、診断プローブ部の中部縦断面図である。
図13は、本発明の実施形態に係る光干渉断層画像生成装置の第2変形例を示す図であり、ノズルの設置状態を示す要部拡大縦断面図である。
【0086】
前記実施形態では、OCT装置1の一例として、前歯(切歯)をサンプルSとし、
図4及び
図5に示すストレートタイプの前歯用ノズル37Aを備えた診断プローブ部30を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。
図10〜
図13に示すように、診断プローブ部30Bは、サンプルSを臼歯としてアングルタイプの臼歯用ノズル37Bに交換して使用しても構わない。
【0087】
この場合、臼歯用ノズル37Bは、集光レンズ34の光軸を直交する方向に変換する斜鏡37Baを筒部37Bbの先端部内壁37Bcに有すると共に、集光レンズ34の光軸に対して直交する方向に開口部37Bdが形成されて、臼歯用ノズル37Bの長手方向に対して直交する方向にあるサンプルSに照射して散乱光を回収するようになっている。臼歯用ノズル37Bは、前歯用ノズル37Aと同様にハウジング3に対して着脱自在(交換可能)、かつ、回動自在に装着されている。
【0088】
臼歯用ノズル37Bは、診断プローブ部30Bで臼歯を撮影する際に、臼歯用ノズル37Bの開口部37BdをサンプルS(臼歯)に当接させてその間隔を保持しながら計測光をサンプルSに照射して、反射された散乱光を回収する。
図13に示すように、臼歯用ノズル37Bには、基端部側に当該臼歯用ノズル37Bをノズル支持体36に内嵌させるための中空状の係合筒部37Beと、この係合筒部37Beの外側表面に形成され球体SBが係合する環状溝37Bfと、係合筒部37Beの先端側に形成されたフランジ部37Bgと、このフランジ部37Bgから先端側に向けて延設された筒部37Bbと、斜鏡37Baが斜めに配置される先端部内壁37Bcと、先端部内壁37Bcの下側に開口された開口部37Bdと、が一体形成されている。
【0089】
このように、臼歯用ノズル37Bは、光軸を90度変換する斜鏡37Baと、筒部37Bbの先端の90度直交する方向に開口された開口部37Bdと、を有して、筒部37Bbを回動させれば、開口部37Bdの向き(撮影する方向)を自由に変えられるため、口腔内の奥にある臼歯を容易に撮影することができる。
【0090】
≪第3変形例≫
図14は、本発明の実施形態に係る光干渉断層画像生成装置の第3変形例を示す図であり、ノズル伸縮機構を備えた診断プローブ部の要部分解斜視図である。
図15は、本発明の実施形態に係る光干渉断層画像生成装置の第3変形例を示す図であり、ノズル伸縮機構を備えた診断プローブ部の要部拡大縦断面図である。
図16は、本発明の実施形態に係る光干渉断層画像生成装置の第3変形例を示す図であり、光路長変更手段の要部斜視図である。
【0091】
本発明の実施形態に係る光干渉断層画像生成装置の第3変形例は、前記した集光点調整機構35(
図5及び
図6参照)に代えて、
図14及び
図15に示すように、ノズル37Cを進退、または、ノズル長L1を可変して、集光レンズ34とサンプルSとの距離を調整するノズル伸縮機構39と、
図16に示す参照光の光路長をノズル37Cの伸縮に合わせて変更する光路長変更手段と、を備えたものである。
【0092】
<ノズル伸縮機構>
ノズル伸縮機構39は、ノズル37Cをハウジング3に対して進退させて、集光レンズ34とサンプルSとの距離を調整する集光点調整機構を形成する。
【0093】
この場合、診断プローブ部30C(プローブ)のノズル37Cは、ノズル支持体36の先端部に着脱自在に内嵌されるノズル基体37C1と、このノズル基体37C1に対して伸縮した状態に取り付けられるノズル伸縮体37C2と、を備えて構成されている。
ノズル基体37C1は、先端部の開口部内に雌ねじ部37Caが形成されている。
ノズル伸縮体37C2は、基端側の外周面に、雌ねじ部37Caに螺合する雄ねじ部37Cbが形成され、このノズル伸縮体37C2を正転・反転させることによって、ノズル長L1を所望の長さに調整して、集光レンズ34とサンプルSとの距離も調整できるようになっている。
【0094】
<光路長変更手段>
図16に示すように、光路長変更手段24は、支持台191に対してコリメータレンズユニット19’(
図3参照)を光軸方向に移動自在に配設し、コリメータレンズユニット19’を移動させることにより、カップラ12(光分割器)から参照ミラー21までの光路長を変更する装置である。このため、
図3におけるコリメータレンズユニット19’と対比させながら相違点を主として説明する。
光路長変更手段24は、コリメータ19dを保持するコリメータ保持体19eを搭載するブラケット19hと、ブラケット19hを光軸方向に移動させるレンズ移動装置195と、を備えている。
【0095】
レンズ移動装置195は、アクチュエータ196と、支持台191に固定されたアクチュエータ支持体198と、アクチュエータ196が動く際のガイドをするレール部材197と、から主に構成されている。
アクチュエータ196は、例えば、超音波リニアアクチュエータ等の電動装置からなり、不図示のコントロールスイッチを操作することによって、摺動自在に支持されたアクチュエータ支持体198に対し光軸方向に移動するようになっている。
アクチュエータ支持体198は、レンズ移動装置195の移動をガイドして支持するガイド部材であり、ブラケット19hを光軸方向に摺動自在に載置している。
【0096】
かかる構成により、本発明の第3変形例に係る光干渉断層画像生成装置は、光分割器から参照ミラーまでの光路長を変更する光路長変更手段を備えたことによって、前記ノズル伸縮機構により被写体から光合波器までの光路長を変更した場合においても、散乱光と反射光の光路長を一致させることができるため、前記干渉光の解析を容易に実行することができる。
【0097】
図14及び
図15に示す診断プローブ部30Cで撮影する断層画像は、ノズル37Cを伸縮させて、撮影する画像の対象点を移動させて焦点位置を通過すると、断層画像の反転が起きるため、
図16に示す参照光側のコリメータ19dを移動させることで断層画像の反転を回避することができる。断層画像は、焦点位置を変えることによって断層画像の一部分が折り返すように写る。これを防ぐために、参照光側のコリメータ19dを動かす。参照光側のコリメータ19dと同じことが診断プローブ部30C内でも起きる。しかし、プローブ内は、スペースが限られているので参照光側で行うことが望ましい。