【実施例】
【0022】
以下、図面において同じ参照符号は同じ素子を示すものとする。
【0023】
図1において回転速度センサ101には基板102が含まれている。図示していない1実施形態においてこの回転速度センサは、マイクロメカニカル回転速度センサとして構成される。基板102は、矩形の形状を有する。すなわち、基板102は、矩形の基板である。図示していない別の1実施例において基板102は、正方形の形状を有し得る。図示していない別の実施例において、基板102は、三角形または多角形、例えば五角形、六角形または八角形の形状を有することも可能である。ここに図示していない殊に有利な1実施形態において基板102は、円または楕円の形状を有することも可能である。
【0024】
回転速度センサ101はさらに2つの駆動手段103を備えた駆動装置を有する。2つの駆動手段103はそれぞれ基板102の上側領域および下側領域に配置される。ここで駆動手段103は、懸架手段105を介し、基板102の固定手段107に固定される。懸架手段105は、駆動手段103がy軸方向に運動できるようにする。有利には駆動手段103は、懸架手段としてのばね(105)によって固定手段107に懸架される。このばねは有利にはU字形ばねである。
【0025】
駆動手段103にはそれぞれ駆動コーム109が含まれている。駆動コーム109は有利にはインターデジタル構造体として構成されている。駆動コーム109は、有利には静電駆動器用に構成される。
【0026】
駆動手段103は、駆動コーム109に対して垂直に配置された1つずつの結合ウェブ111を有しており、この結合ウェブにより、駆動手段103がそれぞれコリオリ素子113に結合される。すなわち、結合ウェブ111により、2つの駆動手段103と、2つのコリオリ素子113とが接続されており、これによってこれらの2つのコリオリ素子113が逆向きに振動するように駆動されるのである。2つのコリオリ素子113は、例えば橋のアーチに類似した形状を有する。コリオリ素子113は、コリオリ懸架手段117を介して固定手段107に懸架されており、ここで固定手段107は基板102に固定される。コリオリ懸架手段117は、例えばコリオリ素子113がx軸およびy軸に運動できるようにする。コリオリ懸架手段117は有利には、曲げばねとして構成され、殊にメアンダ状曲げばねとして構成される。すなわち、これらの曲げばねは、メアンダ形状を有することができるのである。例えば上記のメアンダのループは、x軸およびy軸に平行である。有利には角張ったメアンダ形状を設けることが可能である。上記のメアンダ状曲げばねは、いわばコーナを曲がるように実施されるのである。
【0027】
矢印114は、例えば半周期中の2つのコリオリ素子113の運動を示している。すなわちここには2つの駆動手段103により、2つのコリオリ素子113が逆向きの振動で駆動される場合が示されているのである。
【0028】
さらに回転速度センサ101は、ロータ119を含む検出装置を有する。ロータ119は、結合装置によって上記の2つのコリオリ素子113に結合される。ここに示した実施例では、上記の結合装置は2つの結合ばね121を有しており、これらのばねより、1つずつのコリオリ素子113がロータ119に結合される。したがって2つのコリオリ素子の振動面、すなわちx−y−面において、この振動に直交する方向の偏位、すなわちx軸方向における偏位が検出装置に結合されるように、この検出装置は上記のコリオリ素子113に接続されるのである。つまりここでは2つのコリオリ素子113がx軸方向に相応に偏位した場合、ロータ119を駆動するための回転モーメントが、2つのコリオリ素子113からロータ119に伝えられるのである。
【0029】
ロータ119それ自体は、少なくとも1つの曲げビーム123によって懸架される。すなわち、懸架のための複数の曲げビームを設けることもできる。ここで曲げビーム123は、中央に配置されるロータ基板固定手段125によって基板102に配置される。さらにロータ119は、側方に配置されたロータ基板懸架手段127を有しており、この懸架手段は、固定手段107によって基板102に固定されるかないしは留められる。例えばロータ基板懸架手段127は、U字形ばね、有利には1つまたは複数の2重U字形ばねを含むことができる。有利にはロータ基板懸架手段127は、1つまたは複数のトーションばねおよび/または1つまたは複数の曲げばねを含むことができる。
【0030】
ロータ119は、半径方向に配置された複数の検出電極129を有する。ここで示した実施例では16個の検出電極が構成されている。ここに図示していない別の1実施例では4個の検出電極を構成することもでき、また例えば16個、有利には32個、例えば64個の検出電極を構成することが可能である。図示していない別の1実施例では、検出電極の数は4で割り切れる。検出電極129は、位置固定に配置された電極(図示せず)によって両側が包囲されており、これによって検出電極129の偏位を容量式に検出することができる。この場合に、対向電極とも称することも可能な位置固定に配置された電極に対するこの回転による偏位は、図示しない評価電子回路によって回転速度に換算することができる。
【0031】
回転速度センサ101の動作時、駆動手段103は、2つのコリオリ素子113を励振してy軸に沿った逆平行かつ同一直線上にある駆動振動を発生させる。この駆動振動には、駆動コーム109および駆動手段103も関与し、また2つのコリオリ素子113も関与する。検出振動子とも称することの可能な上記の検出装置は、この駆動振動に関与しない。この駆動振動は、例えば基板102に対する適当なばね懸架部により、また個々の構成部分の間の適当なばねによって得られる。
【0032】
基板102に対して垂直な成分を有する回転速度、すなわちz軸方向の回転速度は、力の作用を及ぼし、ここでこの力の作用は、x軸に沿ったコリオリ素子113の逆平行であるが同一直線上にはない偏位を発生させる。x軸に沿ったこの偏位は、検出振動とも称することができる。この検出振動には上記の2つのコリオリ素子113が関与し、またその運動を検出装置ないしは検出振動子に伝達する。駆動コーム109は、検出振動には関与しない。コリオリ素子113の検出振動は、同一直線上で行われないため、コリオリ素子113は、検出振動子の回転運動を生じさせることができ、またコリオリ素子113はこの検出振動子に回転モーメントを伝達する。
【0033】
この回転モーメントの伝達に起因して、ロータ119は回転によって偏位する。このことは、
図1において円形に配置されかつ曲がった2つの矢印によって示されている。
【0034】
2つのコリオリ素子113は、
図1に示した実施例においてコリオリ結合ばね115によって互いに結合されている。コリオリ結合ばね115により、例えば、平行駆動モードと、逆平行駆動モードとの間の縮退が解消される。コリオリ結合ばね115は単にオプションである。すなわち回転速度センサ101は、このようなコリオリ結合ばね115を有しないことも可能である。つまり、2つのコリオリ素子113は互い結合されないのである。この点においてこれらの2つのコリオリ素子113は、図示しないこの実施例においてデカップリングされているのである。
【0035】
ここでは例えば結合ばね121を含む結合装置により、ロータ119を有する検出装置に2つのコリオリ素子113を結合するという本発明によるアイデアによって、例えば障害モード、殊に平行検出モードおよび平行駆動モードを、従来公知の回転速度センサの場合よりも高い周波数にシフトできるという利点が得られる。ここでは上記の平行検出モードにおいて2つのコリオリ素子113は、x軸に沿って同じ向きに運動する。上記の平行駆動モードにおいて駆動手段103およびコリオリ素子113は、y軸に沿って同じ方向に運動する。
【0036】
図2には
図1の回転速度センサ101が示されており、
図2に示した実施例では回転速度センサ101は、ガイドフレーム131を有する。ガイドフレーム131は、コリオリ素子113と、ロータ119を有する検出装置とを取り囲むように構成されている。ガイドフレーム131は、4つの辺133a,133b,133cおよび133dによって構成されており、辺133a,133b,133cおよび133dはそれぞれ直角のコーナ形状を有する。辺133aおよび133dはそれぞれ辺結合ばね134により、相応する辺133cおよび133bに結合されている。さらに辺133a,133b,133cおよび133dはそれぞれ別の結合ウェブ111aにより、駆動コーム109に結合されているため、駆動コーム109を駆動運動させた際には相応する辺133a,133b,133cおよび133dも駆動される。辺133a,133b,133cおよび133dは、ガイドフレーム懸架手段135によって基板に懸架されている。例えばガイドフレーム懸架手段135には、基板固定手段およびばね、殊に曲げばね、トーションばね、U字形またはS字形ばねが含まれている。この懸架部は、駆動コーム109が駆動運動される際に辺133a,133b,133cおよび133dが、仮想的な支点139を中心とした運動を行えるように配置されている。これらの辺133a,133b,133cおよび133dのこの運動は、曲がった破線の矢印137によって示されている。
【0037】
駆動手段103を互いに結合するガイドフレーム131により、平行駆動モード(障害モード)と、逆平行駆動モード(有効モード)との間における縮退が解消され、障害モードは有効モードよりも強くなる。これは、伝達ばねとも称することの可能な辺結合ばね134の剛性が、同じ向きの負荷(曲げ)と、逆向きの負荷(剪断)とに対して異なるためである。
【0038】
図3には回転速度センサ101の別の1実施形態が示されており、検出装置はここでは2つのロータ119および119aを有する。2つのロータ119,119aは
図1および
図2に示した実施例と同様に基板102に懸架される。ここでもコリオリ素子113からロータ119,119aに回転モーメントを伝達する結合ばね121により、モード、例えば障害モードの殊に効率的な抑止が行われる。コリオリ素子113は、
図3に示した実施例において2重湾曲ブリッジ形状を有する。
【0039】
図4には回転速度センサ101の別の例示的な1実施例が示されており、ここではこれまでの実施例に対して付加的に、コリオリ素子113がそれぞれ複数の別の検出電極141を有している。これらの別の検出電極141は有利にはコリオリ素子113に配置されており、および/またはコリオリ素子113の下に配置されている。殊にこれらの別の検出電極141は互いに平行に配置されている。例えばこれらの別の検出電極141は格子形構造を構成する。有利には別の2つの検出電極が構成される。例えば2つよりも大きくの別の検出電極を構成することも可能である。これらの別の検出電極は有利にはコリオリ素子113にも、またコリオリ素子113の下にも配置される。ここではまた、複数の検出電極141のうちの1つまたは複数の検出電極を、上記の回転速度センサの別の素子に配置することも、および/または別の素子の下に配置することも可能である。したがって有利には直交補償および静電正帰還を行うことができる。さらに上記の別の検出電極141により、有利にもロータ119の回転による偏位を殊に高い感度で容量式に検出することができる。
【0040】
図5には
図4の回転速度センサ101が、2つのロータ119および119aを有する1変形形態で示されている。この実施形態により、障害モードを殊に効率的に抑止できるという利点が得られる。
【0041】
図6には回転速度センサ101のさらに別の1実施形態が示されている。ここではコリオリ素子113は別の複数の電極143を有しているため、z軸およびx軸を中心とした回転速度を同時に測定することができる。この点においてこの回転速度センサ101を2チャネル回転速度センサと称することも可能である。x軸を中心とした回転速度が存在する場合、コリオリ力145がコリオリ素子113にz軸方向に作用し、この力を別の複数の電極143によって評価することができる。図示しない別の1実施形態において、
図6に示した回転速度センサ101も2つのロータを含むことができる。これらの別の電極143は、コリオリ素子113の下、有利には基板上に配置される。図示していない別の1実施形態によれば、別の複数の電極143は、ロータ119の下か、またはロータ119および119aの下で例えば基板上に配置することができる。また別の有利な1実施形態によれば、別の複数の電極143は、コリオリ素子113の上方および/またはロータ119または複数のロータ119,119aの上方に配置される。例えば1つの支柱、殊に複数の支柱を基板上に設けることができ、この支柱は、コリオリ素子113およびロータ119,119aの上でクレーンのように別の複数の電極143を支持する。
【0042】
別の有利な1実施形態によれば、別の複数の電極143を(図示しない)カバーに組み込むかまたはカバーに配置することができる。このカバーは有利には基板102に覆うため、回転速度センサケーシングが構成される。このカバーは有利には基板102に接着される。例えば、この回転速度センサケーシングの内部空間は真空状態にされる。すなわち、この内部空間は真空ないしは低圧状態にされるのである。このようなカバーに配置されているかないしは組み込まれている別の複数の電極143は、カバー電極と称することも可能である。低圧状態により、例えば、振動および回転する素子に対する運動抵抗が低減される。これによって有利にも上記の駆動装置に一層低い駆動電圧を加えることができる。有利にはロータ基板懸架手段127は、1つまたは複数のトーションばねおよび/または1つまたは複数の曲げばねを含むことができる。これにより、例えばいわゆるout-of-plane検出装置が構成される。すなわち、回転速度センサ101が相応に回転すれば、すなわちx軸の周りに回転すれば、ロータ119は、紙面から出て傾くかないし曲がることができるのである。上記の複数の電極143は、ロータ119の紙面から出るこの運動を検出して、これをx軸に対する回転速度に換算する。
【0043】
図6の図の説明に関連して述べたカバーは、
図1〜5に示した別の実施例にも使用可能である。ここではカバーが、カバー電極を有しても、またはこれを有しなくてもよい。
【0044】
図7には、例えば
図1〜6に示した実施形態に使用可能なロータ147が示されている。ロータ147には共軸に配置されたロータリング149,151および153が含まれている。ロータリング149および151により、外側の円形トラックが、またロータリング151および153により、内側の円形トラックが構成される。これらのトラックには複数の検出電極129が半径方向に、すなわち車輪のスポークと同様に配置されている。したがって有利にもロータ119および119aの場合よりも多くの検出電極129を円弧当たりに配置することができる。これにより、殊に回転速度センサの回転速度をより良好に検出することができる。したがってより良好な時間分解能を得ることができる。すなわち、この回転速度センサは、例えばμs領域またはms領域の小さい時間窓における回転速度変化を検出できるのである。図示しない別の1実施形態では、検出電極129の両側に対向電極が延びている。すなわちこれらの対向電極はそれぞれ検出電極129の右側および左側に配置されるのである。