【実施例】
【0016】
図1は本発明の一実施例を示す番号印刷機の全体構成図、
図2は同じく要部拡大平断面図、
図3は同じく要部拡大側面図、
図4は排紙切替の制御ブロック図である。
【0017】
図1に示すように、本番号印刷機は給紙部(シート供給装置)10と印刷部(印刷装置)20と排紙部(シート排出装置)40とから概ね構成される。
【0018】
前工程で両面印刷(例えば両面オフセット印刷)が施された紙(シート)Wの積載された給紙部10には、当該給紙部10のサッカ機構で上層から一枚ずつ送り出された紙Wを受けて印刷見当を合わせる差板11が連絡している。差板11には、当該差板11上の紙Wをくわえて揺動するスイング装置12が配設されている。
【0019】
印刷部20においては、前記スイング装置12に、くわえ爪を周方向に沿って等間隔で3つ配設されて3枚のゴム製のブランケットを取り付けできる、いわゆる3倍胴の圧胴21が3本の渡胴13〜15を介して連絡している。
【0020】
前記渡胴13〜15には、上記圧胴21の上記くわえ爪と同様なくわえ爪が設けられており、スイング装置12からくわえ替えた紙Wを順次くわえ替えして圧胴21のくわえ爪にくわえ替えさせることができるようになっている。
【0021】
前記圧胴21には、紙搬送方向上流側から順に紙Wに対し、印章を加刷する印章胴22と番号を加刷する第1番号胴23及び第2番号胴24がそれぞれ所定間隔離間して対接している。これら印章胴22と第1番号胴23及び第2番号胴24には、インキ装置25〜27がそれぞれ対接しており、それぞれのインキ壺25a〜27a内に蓄えられたインキが多数のローラ群25b〜27bを経て供給されるようになっている。
【0022】
図示例では、第1番号胴23と第2番号胴24のインキ装置26,27は、単一のインカー28内に収容され、このインカー28は、前記第1番号胴23と第2番号胴24に接離する方向に移動可能になっている(
図1中の鎖線参照)。
【0023】
また、圧胴21には、第2番号胴24の紙搬送方向下流側に位置して渡胴29が対接され、この渡胴29に3倍胴からなる検査胴30が対接している。この検査胴30には、前記印章胴22と第1番号胴23及び第2番号胴24で印章と番号が加刷された紙Wの印刷状態を検査するCCD−ラインカメラ等の検査カメラ31が対向配置される。
【0024】
排紙部40においては、前記検査胴30に排紙胴41が対接している。そして、排紙胴41に同軸をなして設けられている図示しない一対のスプロケットには、排紙部40の後段に設けたもう一対のスプロケット42との間で排紙チェーン(搬送チェーン)43がエンドレスに巻回されている。この排紙チェーン43には、一定間隔をおいて図示しないくわえ爪と爪台とを有した爪竿44が設けられている。
【0025】
また、排紙チェーン43の下方には、紙Wの搬送方向に沿って、その上流側から2つの正紙パイル(正常シート積載装置)45,46と1つの損紙パイル(不良シート積載装置)47が配置される。
【0026】
そして、排紙チェーン43の一側方には、正紙パイル45の上方に位置して第一紙放しカム48が、また正紙パイル46の上方に位置して第二紙放しカム49が設けられると共に、損紙パイル47の上方に位置して紙放しカム50が設けられる。これら紙放しカム48〜50は、前記爪竿44側に設けられた図示しないカムフォロアと係合することでくわえ爪を開き、くわえていた紙Wを放して所定のパイル上に積載する公知のものである。
【0027】
また、第一紙放しカム48と第二紙放しカム49は第一紙放しカム用アクチュエータ51と第二紙放しカム用アクチュエータ52により爪竿44のカムフォロアと対接してくわえ爪を開かせて紙Wを解放する作動位置と爪竿44のカムフォロアとは係合しない退避位置との間で移動される移動型で、紙放しカム50は移動不能に固定される固定型で構成されることも公知であるが、本実施例では、第一紙放しカム用アクチュエータ51と第二紙放しカム用アクチュエータ52は、
図4に示すように、前述した検査カメラ31の検出信号に応じて作動するようにもなっている。
【0028】
即ち、検査カメラ31の検出信号は、カウンタ53の検出信号と共に制御装置54に入力され、これらの検出信号に基づいて、制御装置54は正紙か損紙、即ち正常シートであるか不良シートであるかを判断し、前記第一紙放しカム用アクチュエータ51と第二紙放しカム用アクチュエータ52への作動信号を出力するのである。
【0029】
具体的には、検査カメラ31の検出信号により正紙と判断された紙Wは、2つの正紙パイル45,46の何れかに排出される。2つの正紙パイル45,46への排出は、カウンタ53による所定枚数のカウントにより、第一紙放しカム用アクチュエータ51をON・OFFさせる。この際、第二紙放しカム用アクチュエータ52はONしたままである。ここで、ONとは紙放しが行われるように紙放しカム48,49を作動位置に位置させる状態にあることで、OFFは紙放しを行わないように紙放しカム48,49を退避位置に位置させる状態にあることである。
【0030】
また、検査カメラ31の検出信号の何れかにより損紙(印刷不良)と判断されると、第一紙放しカム48と第二紙放しカム49の両方を退避位置に位置させるべく第一紙放しカム用アクチュエータ51と第二紙放しカム用アクチュエータ52をともにOFFさせる。これにより、当該紙Wは紙放しカム50により損紙パイル47上に排出される。
【0031】
そして、前記印刷部20における印章胴22と第1番号胴23と第2番号胴24は、
図3に示すように、左右一対の偏心軸受55a,55b〜57a,57bとこれらを、環状ブラケット58a,58b〜60a,60bとリンク機構61〜63を介して、任意に回動させるステッピングモータ64〜66等からなる印圧調整機構により、圧胴21に対する位置(印圧)が調整可能になっていると共に、その着脱(胴入れ・胴抜き)も可能になっている。
【0032】
前記各胴22〜24の印圧調整機構は、印章胴22のリンク機構61において若干異なるが、略同様に構成されるので、その具体的な構成を各胴22〜24の保持機構を含めて、第1番号胴23に例をとり、
図2を用いて説明する。
【0033】
即ち、第1番号胴(胴本体)23における番号軸67の左,右両端部にはテーパ環(テーパ孔)68a,68bがそれぞれ嵌着され、このテーパ環68a,68bに嵌合するコーン69a,69bを備えた中空の支持軸(支持部材)70a,70bがそれぞれテーパ環68a,68bにボルト71a,71bで結合されている。コーン69a,69bは皿ばね(ばね)72a,72bにより常時外方へ突出する方向(テーパ環68a,68bに嵌合する方向)に付勢され、左方のコーン69aは当該コーン69aに一体結合されたボルト73aに螺合したナット73bにより、また右方のコーン69bは突起74によりそれぞれ支持軸70a,70bに規制されて抜け止めされている。尚、左方のコーン69a側にあっては、ボルト73aのねじ込み量によって皿ばね72aの硬さ(ばね定数)が調整可能となっている。
【0034】
前記左方の支持軸70aは、偏心軸受56aにローラベアリング75aを介して回動自在に支持されると共にスリーブ76により軸方向にも移動可能に支持される。偏心軸受56aは操作側フレーム77aの軸受孔78aに嵌着された軸受メタル79aにローラベアリング80aを介して回動自在に支持される。尚、図中81aはベアリング押えである。
【0035】
前記支持軸70aの左端部には連結筒82がボルト83で結合され、この連結筒82の左端部に内向きフランジ状部材84がボルト85で結合される。連結筒82内には、ボルト86と中空軸状のナット(部材)87からなる送りねじ機構の当該ナット87の右半部が、スリーブ88を介して前記内向きフランジ状部材84を相対回転自在でかつ軸方向へ相対移動可能に貫通して臨入される。
【0036】
前記ナット87の右半部上には、内向きフランジ状部材84の両側に位置してスラストベアリング89a,89bと摺動リング90a,90bが嵌装され、右側の摺動リング90bとスプリング受け91との間に皿ばね92が介装されると共に、左側の摺動リング90aとスプリング受け93との間にコイルスプリング94が介装される。スプリング受け91はナット87の右端面にボルト95で結合され、スプリング受け93はナット87の左端面にボルト96で結合される。
【0037】
前記スプリング受け93には複数本(例えば4本)の支持脚97が左方へ延設され、これら支持脚97はボルト86と同様に操作側補助フレーム98aを貫通してそれらの端部がリング状板99で連結されている。尚、各支持脚97は左右方向へ移動可能に操作側補助フレーム98aを貫通しているが、ボルト86は回動可能ではあるが左右方向には移動不能に操作側補助フレーム98aを貫通している。従って、ボルト86のねじ込みによりナット87が左右方向に移動可能となる。尚、図中100はボルト86を回転させる六角レンチである。
【0038】
一方、前記右方の支持軸70bは、偏心軸受56bにローラベアリング75bを介して回動自在に支持されると共に右端部において原動側補助フレーム98bにストッパリング101を介して軸方向へ移動不能に貫通している。偏心軸受56bは原動側フレーム77bの軸受孔78bに嵌着された軸受メタル79bにローラベアリング80bを介して回動自在に支持される。尚、図中81bはベアリング押えである。
【0039】
前記支持軸70b上には原動側補助フレーム98b内に位置してギア102が嵌着され、このギア102に連係するギアトレインを介して左,右両支持軸70a,70bに、即ち、第1番号胴23に図示しない原動モータの回転駆動力が伝達されるようになっている。
【0040】
従って、第1番号胴23の回転下で、当該第1番号胴23を含む各部材が熱膨張した際には、左方の支持軸70a側が偏心軸受56a内を左方へ移動可能であると共に内向きフランジ状部材84においてスラストベアリング89a,89bにより回転可能な状態が保持されたままコイルスプリング94の付勢力に抗してナット87上を左方へ移動可能になっているので、当該熱膨張が効果的に吸収される(各部材の熱膨張を吸収する機構)。
【0041】
そして、操作側フレーム77aと原動側フレーム77bとに跨って支軸103が回動自在に架設され、この支軸103に前述したリンク機構62が組み付けられる。
【0042】
即ち、支軸103の左,右両端部にレバー104a,104bがそれぞれ固設され、左方のレバー104aと左方の環状ブラケット59a(偏心軸受56aに一体結合されている)とがリンク105aで連結されると共に、右方のレバー104bと右方の環状ブラケット59b(偏心軸受56bに一体結合されている)とがリンク105bで連結される。そして、支軸103の左端部に固設されたレバー106にステッピングモータ65の伸縮ロッド65a先端がピン結合されるのである。
【0043】
従って、ステッピングモータ65の伸縮ロッド65aを伸縮させることで、リンク機構62を介して偏心軸受56a,56bが任意の方向に回動して、偏心軸受56a,56bの内周軸孔の中心位置が変化し、第1番号胴23が圧胴21に対して接離する方向に移動可能となる。これにより、ステッピングモータ65を操作することで、第1番号胴23の圧胴21に対する印圧が調整可能となると共に着脱(胴入れ・胴抜き)も可能となる。
【0044】
また、第1番号胴23の交換等の際には、
図2に示す状態からボルト71aを取り外した後、ボルト86を六角レンチ100で所定方向に回転させてナット87を引き込むことで、内向きフランジ状部材84及び連結筒82を介して支持軸70aが左方へ移動すると共にコーン69aがテーパ環68aから抜け出し、当該支持軸70aと第1番号胴23との間に間隙が形成される。
【0045】
次に、第1番号胴23を図示しないホイスト等で吊ってからボルト71bを取り外し、この後ホイスト等で第1番号胴23を左方へ移動させればテーパ環68bが支持軸70bから離間してコーン72bから抜け出す。この状態からホイスト等で吊り上げることで第1番号胴23は取り外される。
【0046】
一方、第1番号胴23を取り付ける場合は、上述した取り外しの逆の手順で行うことは自明であるが、この際、右方の支持軸70bが軸方向に固定されているため、ホイスト等で吊った状態で第1番号胴23の右方のテーパ環68bを前記支持軸70bの端面に突き当てることで左右方向の位置決めがなされる。
【0047】
この後、ボルト86を六角レンチ100で所定方向に回転させてナット87を押し出すことで、内向きフランジ状部材84及び連結筒82を介して支持軸70aが右方へ移動し、やがて第1番号胴23のテーパ環68aに突き当たる。この際、第1番号胴23は左右のコーン69a,69bで芯出しが行われる。この後、左右の支持軸70a,70bと左右のテーパ環68a,68bとをそれぞれボルト71a,71bで結合することで、第1番号胴23は取り付けられる。
【0048】
尚、上述した第1番号胴23(第2番号胴24も同様であるが)の取り外し及び取り付けは、
図1に示すように、インカー28を第1番号23及び第2番号胴24から後退させた状態で行われる。
【0049】
このような番号印刷機においては、給紙部10から差板11上へ一枚ずつ送り出された紙W(前工程でオフセット印刷等が施されている)がスイング装置12から渡胴13〜15を経て圧胴21のくわえ爪にくわえ替えられて搬送される一方、各インキ装置25〜27のインキが印章胴22,第1番号胴23及び第2番号胴24に供給される。
【0050】
そして、前記紙Wが圧胴21と印章胴22との間を通過する時に印章が加刷され、次いで圧胴21と第1番号胴23との間を通過する時に第1段目の番号が加刷され、最後に圧胴21と第2番号胴24との間を通過する時に第2段目の番号が加刷された後、当該紙Wが排紙胴41を介して排紙部40の排紙チェーン43で搬送されて所定のパイル45〜47上に排紙される。
【0051】
この際、本実施例では、前述した検査胴30で検査カメラ31により紙Wの印刷状態が検査される。この検査結果に応じて、制御装置54が第一紙放しカム用アクチュエータ51と第二紙放しカム用アクチュエータ52を駆動制御し、2つの正紙パイル45,46と1つの損紙パイル47に対する排出切替を行うことは前述したとおりである。
【0052】
そして、本実施例では、校正紙を用いた試し刷り時(印刷時)において、検査カメラ31により番号の印刷状態が検査され、この検査結果に応じて制御装置54により損紙パイル47に排出された校正紙をオペレータが看ながら操作盤(操作部)におけるボタン操作で各ステッピングモー65,66を操作(伸縮)し、第1番号胴23と第2番号胴24の圧胴21に対する印圧を調整することができる。
【0053】
このように本番号印刷機によれば、試し刷り時(印刷時)に、印刷された結果を確認しながら、第1番号胴23と第2番号胴24の圧胴21に対する印圧を適正なものに調整することができるので、本刷り時における印刷品質を高められる。
【0054】
また、本実施例では、各胴22〜24の右端部を支持する支持軸70bを原動側フレーム77bに対し軸方向移動不能に設けると共に、各胴22〜24の左端部を支持する支持軸70aを操作側フレーム77aに対し軸方向移動可能に設けたので、各胴22〜24を取り付ける際には、各胴22〜24の右端側を支持軸70bの左端側(外向きフランジ状の当接部70ba)に当てることで、各胴22〜24の左右方向の位置決めが自動的になされる。
【0055】
また、各胴22〜24の左,右両端部にはテーパ環68a,68bが固設される一方、これに対応するコーン69a,69bがそれぞれ支持軸70a,70b側に皿ばね72a,72bにより常時飛び出し方向に付勢されて嵌装されているので、各胴22〜24の取付時に、左方の支持軸70aがボルト86の回転で右方へ移動する際に各胴22〜24の芯出しが自動的になされる。
【0056】
これらの結果、各胴22〜24の取付け・取外し作業(交換作業)が頗る容易となると共に、芯出しと軸方向位置において精度良く取り付けられる。
【0057】
尚、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、印圧調整機構や熱膨張吸収機構の構造変更等各種変更が可能であることはいうまでもない。また、検査カメラの撮像結果をモニターで表示し、オペレータはこのモニターを見ながらステッピングモータを手動で操作するようにしても良い。