特許第5930296号(P5930296)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5930296温度感知部材の固定構造、並びに、熱源機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5930296
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】温度感知部材の固定構造、並びに、熱源機
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/20 20060101AFI20160526BHJP
   F24H 1/10 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
   F24H9/20 B
   F24H1/10 303A
【請求項の数】3
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-103532(P2012-103532)
(22)【出願日】2012年4月27日
(65)【公開番号】特開2013-231546(P2013-231546A)
(43)【公開日】2013年11月14日
【審査請求日】2015年3月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 和則
【審査官】 吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】 実公平07−025560(JP,Y2)
【文献】 実開昭60−102847(JP,U)
【文献】 実開昭61−063745(JP,U)
【文献】 実開昭63−123947(JP,U)
【文献】 特開平09−045200(JP,A)
【文献】 特開2009−293821(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00
F24H 1/06 − 1/16
F24H 9/20
F28F 9/00 − 9/26
H01H 37/58 − 37/76
H01H 39/00
H01H 69/02
H01H 85/00 − 87/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
感温部と、当該感温部に接続された導線とを有し、外観形状が略線状である温度感知部材を被固定部材に固定するための温度感知部材の固定構造であって、
前記温度感知部材は、少なくとも燃焼用のバーナを含む各種機器を筐体内に内蔵した熱源機の筐体内の温度を感知するものであり、前記筐体の外壁の内側には、必要に応じて遮熱板が取り付けられるものであって、前記筐体の外壁又は前記遮熱板の一部を筐体の内方へ凸となるように隆起させて形成される隆起部を有しており、
前記被固定部材には、前記温度感知部材に対して接触又は非接触状態であり、前記温度感知部材の先端側の位置ずれを阻止する先端側位置決め部と、
少なくとも一方側が開放された長尺状の面を有し、前記温度感知部材に対して接触又は非接触状態であり、前記温度感知部材の先端側から離れた位置の位置ずれを阻止する中間位置決め部と、
前記温度感知部材を支持可能な固定手段とを有しており、
前記中間位置決め部は、前記隆起部に形成され、前記隆起部の隆起方向と交わる方向に延びる溝状の部分であり、
前記温度感知部材の先端側から離れた部分で一定の長さに亘って延びる掛止対象部の周囲に前記中間位置決め部が位置しており、前記掛止対象部の少なくとも一部が前記固定手段によって支持された状態で前記温度感知部材が前記被固定部材に固定されており、
前記固定手段が前記隆起部に固定されると共に、前記温度感知部材が前記中間位置決め部に嵌入された状態で前記固定手段に支持されることを特徴とする温度感知部材の固定構造。
【請求項2】
前記先端側位置決め部が、前記温度感知部材の先端側の部分を囲繞していることを特徴とする請求項1に記載の温度感知部材の固定構造。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の温度感知部材の固定構造を備えており、当該固定構造によって前記温度感知部材を固定可能であることを特徴とする熱源機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーミスタや熱電対、温度ヒューズといった温度感知部材を取付け対象に対して固定するための温度感知部材の固定構造に関するものであり、特に、バーナ等の熱を発する機構を備えた熱源機に対して温度ヒューズを取り付ける場合に好適な温度感知部材の固定構造に関する。また、そのような温度感知部材の固定構造によって温度感知部材を取り付けた熱源機に関する。
【背景技術】
【0002】
回路のショートや、構成部品の故障等の機器の異常発熱に起因する発火事故等を防止すべく、一般機器の内部にサーミスタや熱電対、温度ヒューズといった温度感知部材を取付け、異常発熱が温度感知部材によって感知されたことを条件に回路を遮断したり、所定の機器の稼働を停止するといった安全動作を実施する技術が広く知られている。
【0003】
このような技術は、給湯装置や温風暖房装置といった熱源機にも採用されている。ここで熱源機は、燃料ガスや液体燃料等の可燃性燃料をバーナ等の燃焼用の機器に供給する構造となっている。そのため、熱源機で発火事故が発生してしまい、仮にこのような可燃性燃料に引火してしまうと、重篤な事故が発生してしまう可能性がある。したがって、熱源機のような可燃性燃料を扱う機器では、特に異常発熱に対する安全動作が重要となる。
【0004】
ここで、熱源機に対して温度感知部材を取り付ける技術として、例えば、特許文献1に開示された技術がある。この特許文献1の技術は、温度ヒューズ(感熱装置)を支持する金具のクリップ部分を熱交換器の水管に取り付けることにより、温度ヒューズの取付けを簡易化するものである。すなわち、温度ヒューズを取付板に取り付け、この取付板を熱交換器とケーシングの間に配設された遮熱板に対してネジ止めする構成に比べて、温度ヒューズの取付けを簡易化するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公平7−25560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、鉛やカドミウムを含まない環境対応型と称される温度ヒューズが近年普及してきている。この環境対応型の温度ヒューズは、廃棄後に有害金属が溶出することがないので、地中や地下水等に深刻な汚染をもたらすことがなく、環境汚染を未然に防止可能となっている。
【0007】
しかし、この環境対応型の温度ヒューズは、作動温度が比較的高くなってしまうので、微小な温度上昇に対して早急な対応ができないという構造上の問題がある。そのため、特に異常発熱に対する安全動作が重要となる熱源機では、この種の温度ヒューズを採用する場合、実験等によって予め有効な配置位置を特定し、特定された有効な位置に温度ヒューズを取り付けることで早急な安全運転を実施する必要がある。つまり、故障、破損等に起因して異常な温度上昇が発生した際に周囲よりも高温となる位置を実験等で特定し、特定した位置に温度ヒューズを正確に配することにより、温度上昇に対して早急な対応を実施する必要がある。
【0008】
ところが、特許文献1に開示された技術では、温度ヒューズを支持した金具のクリップ部分で配管を挟持して固定するため、支持した温度ヒューズが位置ずれしてしまう可能性がある。つまり、一般的に配管は外形が丸みを帯びた形状となっていることから、クリップ部分で配管を挟持した状態で温度ヒューズの自重等による力が金具に作用すると、金具が配管を挟持したまま回動してしまうおそれがある。そして、このように金具が回動してしまうことで、金具に支持される温度ヒューズの位置が意図しない移動をしてしまうことが考えられる。
また、上記した特許文献1に開示された技術では、配管に金具を取り付ける構成であるため、当然のことながら、配管のある部分にしか温度ヒューズ(感熱装置)を取り付けることができない。したがって、配管の配置位置によっては、実験で特定された有効な配置位置に温度ヒューズを取り付けることができない可能性がある。
【0009】
そこで、温度ヒューズを一体に取付けた金具(取付板)をネジ止めする構成について考える。このような構成では、金具のクリップ部で配管を挟持する構成に比べて取付作業がやや煩雑化するものの、温度ヒューズを強固に固定できる。すなわち、取付け後の温度ヒューズの予期しない位置ずれを防止できる。また、配管が位置しない場所であっても温度ヒューズを配置することができる。
【0010】
しかしながら、温度ヒューズを一体に取付けた金具を遮熱板に対してネジ止めする構造では、ネジ止め作業時に温度ヒューズが配置予定位置から位置ずれしてしまうことがあった。
【0011】
具体的に説明すると、ネジ止めする場合、ネジには回転する力と押し込まれる力とが加わることとなる。そして、金具の取付け対象となる部分、つまり、熱源機の筐体壁面や遮熱板等の部分に対してネジに加わった力が伝わってしまうと、力が伝わった部分が部分変形してしまうことがある。このように取付け対象となる部分が部分変形すると、それに伴って金具の取付け姿勢も変わってしまうため、金具に支持される温度ヒューズが配置予定位置からずれた状態で取り付けられてしまう。
このような取付け対象の部分変形は、エアドライバー等でネジ止めする場合、取付け対象となる部分が筐体壁面や遮熱板等の一枚板を切り起こして屈曲させた取付台である場合、タッピングネジのようにネジを捩じ込むことで取付け孔を拡径するようなネジ止めを実施する場合等において、特に発生可能性が高くなる。
【0012】
そこで本発明は、上記した従来技術の問題に鑑み、取付作業時と取付作業後の別を問わず温度感知部材が配置予定位置から大きくずれてしまうことのない温度感知部材の固定構造を提供することを課題とする。
また、このような温度感知部材の固定構造によって温度感知部材を正確に配置することで、異常発熱等に対していち早く対応が可能な熱源機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、感温部と、当該感温部に接続された導線とを有し、外観形状が略線状である温度感知部材を被固定部材に固定するための温度感知部材の固定構造であって、前記温度感知部材は、少なくとも燃焼用のバーナを含む各種機器を筐体内に内蔵した熱源機の筐体内の温度を感知するものであり、前記筐体の外壁の内側には、必要に応じて遮熱板が取り付けられるものであって、前記筐体の外壁又は前記遮熱板の一部を筐体の内方へ凸となるように隆起させて形成される隆起部を有しており、前記被固定部材には、前記温度感知部材に対して接触又は非接触状態であり、前記温度感知部材の先端側の位置ずれを阻止する先端側位置決め部と、少なくとも一方側が開放された長尺状の面を有し、前記温度感知部材に対して接触又は非接触状態であり、前記温度感知部材の先端側から離れた位置の位置ずれを阻止する中間位置決め部と、前記温度感知部材を支持可能な固定手段とを有しており、前記中間位置決め部は、前記隆起部に形成され、前記隆起部の隆起方向と交わる方向に延びる溝状の部分であり、前記温度感知部材の先端側から離れた部分で一定の長さに亘って延びる掛止対象部の周囲に前記中間位置決め部が位置しており、前記掛止対象部の少なくとも一部が前記固定手段によって支持された状態で前記温度感知部材が前記被固定部材に固定されており、前記固定手段が前記隆起部に固定されると共に、前記温度感知部材が前記中間位置決め部に嵌入された状態で前記固定手段に支持されることを特徴とする温度感知部材の固定構造である。
【0014】
本発明の温度感知部材の固定構造では、先端側位置決め部と中間位置決め部とを有しており、温度感知部材の異なる部分の位置ずれをそれぞれ阻止している。このように、外観形状が線状となる温度感知部材に対し、離間した2以上の部分でそれぞれ位置ずれを防止することにより、線状の温度感知部材全体の大きな位置ずれを防止できる。
さらに、本発明の温度感知部材の固定構造では、先端側から離れた位置の位置ずれを阻止する中間位置決め部が、少なくとも一方側が開放された長尺状の面を有し、前記温度感知部材の先端側から離れた部分で一定の長さに亘って延びる掛止対象部の周囲に位置している。つまり、中間位置決め部が一定の長さに亘って前記温度感知部材の周囲に位置することで、先端側から離れた位置では、温度感知部材の長手方向に沿うように広範囲に亘って位置ずれを防止する構造となっている。このように、温度感知部材を広範囲に亘って位置ずれを防止することにより、より確実に温度感知部材の大きな位置ずれを防止できる。
【0015】
加えて、本発明の温度感知部材の固定構造では、前記掛止対象部の少なくとも一部が前記固定手段によって支持された状態で前記温度感知部材を前記被固定部材に固定している。つまり、中間位置決め部が温度感知部材の広範囲に亘って位置ずれを防止しており、この中間位置決め部によって位置ずれが阻止される部分(掛止対象部)を固定手段が支持する構造となっている。
ここで、上記したように、固定手段(金具等)をネジ止めする場合に固定手段の取付け対象となる部分が部分変形してしまう可能性がある。この場合、この部分変形に伴って固定手段の取付け姿勢も変化してしまう。
これに対し、本発明の温度感知部材の固定構造では、温度感知部材の固定手段によって支持された部分(固定手段と接触する部分)とその近傍は、中間位置決め部により位置ずれが防止されている。このため、仮に固定手段の取付け対象となる部分が部分変形してしまい、固定手段の取付け姿勢が変化しようとしても、固定手段と一体の温度感知部材が大きく位置ずれしないので、温度感知部材と一体の固定手段もまた大きく姿勢変形をすることがない。つまり、中間位置決め部により、温度感知部材の固定手段と近接する部分(掛止対象部)を配置位置から大きく移動しない構造とすることで、固定手段の大きな姿勢変形、延いては、取付け対象となる部分の大きな部分変形を防止する。このことにより、ネジ止め作業時に発生する温度感知部材の位置ずれを防止できる。
【0016】
本発明の参考例となる温度感知部材の固定構造は、前記温度感知部材は、少なくとも燃焼用のバーナを含む各種機器を筐体内に内蔵した熱源機の筐体内の温度を感知するものであり、前記筐体の外壁の内側には、必要に応じて遮熱板が取り付けられるものであって、前記先端側位置決め部と前記中間位置決め部のいずれか一方又は両方の少なくとも一部は、前記筐体の外壁、又は前記遮熱板と一体に形成される。
【0017】
本発明は、前記温度感知部材は、少なくとも燃焼用のバーナを含む各種機器を筐体内に内蔵した熱源機の筐体内の温度を感知するものであり、前記筐体の外壁の内側には、必要に応じて遮熱板が取り付けられるものであって、前記筐体の外壁又は前記遮熱板の一部を筐体の内方へ凸となるように隆起させて形成される隆起部を有しており、前記中間位置決め部は、前記隆起部に形成され、前記隆起部の隆起方向と交わる方向に延びる溝状の部分であり、前記固定手段が前記隆起部に固定されると共に、前記温度感知部材が前記中間位置決め部に嵌入された状態で前記固定手段に支持される。
【0018】
本発明の温度感知部材の固定構造では、前記筐体外壁又は前記遮熱板の一部を筐体の内方へ凸となるように隆起させて形成される隆起部を有しており、この隆起部に固定手段を固定している。このような構成によると、固定手段の取付け対象となる部分を簡易且つ高強度に形成できる。そのため、ネジ止め等の固定手段の取付作業時において、固定手段の取付け対象となる部分が部分変形してしまうことがなく、固定手段によって支持される温度感知部材の配置位置がずれてしまうことがない。
また、この隆起部に溝を形成して中間位置決め部とすることにより、これらを別途形成するような構成に比べて加工工数、製造コスト等を削減できる。
【0019】
請求項2に記載の発明は、前記先端側位置決め部が、前記温度感知部材の先端側の部分を囲繞していることを特徴とする請求項1に記載の温度感知部材の固定構造である。
【0020】
本発明の温度感知部材の固定構造では、温度感知部材の先端側の部分を先端側位置決め部が取り囲んでおり、温度感知部材の先端側の部分は、多くの方向への移動が規制された状態となっている。このことにより、温度感知部材の先端側の部分における配置位置のずれをより確実に防止可能な構造となっている。
【0021】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の温度感知部材の固定構造を備えており、当該固定構造によって前記温度感知部材を固定可能であることを特徴とする熱源機である。
【0022】
本発明の熱源機は、請求項1又は2に記載の温度感知手段の固定構造で温度感知部材を固定可能であるので、ネジ止め等の温度感知部材の取付作業中に温度感知部材が大きく位置ずれしてしまうことがない。さらに、温度感知部材の取付作業後においても、先端側位置決め部と中間位置決め部によって温度感知部材の大きな位置ずれを防止できる。このことにより、異常発熱を感知する上で有効な場所に温度感知部材を正確に配することが可能となり、温度感知部材を温度上昇に対していち早く反応させることができる。このため、異常発熱に対する安全動作がいち早く実施可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の温度感知部材の固定構造では、温度感知部材の離間した2以上の部分でそれぞれ位置ずれを防止すると共に、温度感知部材の固定手段と近接する部分で広範囲に亘って位置ずれを防止している。このことにより、温度感知部材の取付作業中及び取付作業後において発生し得る温度感知部材の大きな位置ずれを防止できるという効果がある。
また、本発明の熱源機は、異常発熱を感知する上で有効な場所から大きく位置ずれしないように温度感知部材を取付け可能であるので、温度感知部材を温度上昇に対していち早く反応させることが可能であり、異常発熱等に素早く対応できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態にかかる燃焼装置を示す構成図であり、筐体の前方蓋部を外し、一部構成部材を透過して示す。
図2図1の筐体、遮熱板、温度ヒューズ、並びに固定金具を示す分解斜視図である。
図3図2の遮熱板の感知部材固定部を拡大して示す斜視図である。
図4図3の感知部材固定部を示す右側面図である。
図5図2の固定部材を示す斜視図である。
図6図2の固定部材を背面側からみた状態を示す斜視図である。
図7図2の温度ヒューズを示す斜視図である。
図8図2の感知部材固定部に対して温度ヒューズを取り付ける様子を示す説明図である。
図9図2の感知部材固定部に対して温度ヒューズを取り付けた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態にかかる燃焼装置1(熱源機)と、この燃焼装置1に対して温度ヒューズ20(温度感知部材)を取り付けるための固定構造について詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また以下の説明において、上下左右の位置関係については特に断りのない限り通常の設置状態を基準として説明する。
【0026】
燃焼装置1は、図1に示すように、筐体2の内部に燃焼部3と、主に顕熱を回収する一次熱交換器4と、主に潜熱を回収する二次熱交換器5(熱交換器)とを備えた所謂潜熱回収型と称されるものである。
【0027】
筐体2は、いずれも長方形板状である天板部10、底板部11、左側壁部12、右側壁部13、前方蓋部(図示せず)、背板部14から構成されている。これらは天板部10、底板部11、2つの側壁部(左側壁部12、右側壁部13)、背板部14で囲われて正面が開放された箱体を形成しており、前方蓋部は正面の開放部分を覆うように取付け可能となっている。
【0028】
燃焼部3は、図示しないバーナによって、下方に向けて火炎を形成可能となっている。すなわち、燃焼部3は、所謂逆燃焼式バーナを備えた構成となっている。
【0029】
また、燃焼装置1では、燃焼部3が筐体2の上端よりに内蔵されており、燃焼部3の下方に一次熱交換器4が位置している。さらに、一次熱交換器4の下方に二次熱交換器5を収納する収納ケース7があり、収納ケース7の上側であって一次熱交換器4の側方に消音部8が位置している。また、消音部8の上方には排気部9が設けられており、排気部9は筐体2の天面から上方に突出している。
そして、燃焼部3の内部から一次熱交換器4、収納ケース7、消音部8、排気部9の各内部を連通する空間が形成され、燃焼部3で発生した燃焼ガスが流動可能となっている。
【0030】
したがって、この燃焼装置1を稼働すると、燃焼部3で発生した燃焼ガスが一次熱交換器4、収納ケース7、消音部8へと流れ、排気部9へと至る。そして、排気部9の上方に形成された排気口から外部へ放出される。その一方、外部から供給されてきた湯水が入水配管(図示せず)を介して二次熱交換器5へと供給される。そして湯水が二次熱交換器5で予備加熱された後に一次熱交換器4へ流入し、一次熱交換器4で本加熱される。そして、加熱された湯水は一次熱交換器4の出水口から流出し、必要に応じて低温の湯水と混合され、湯水給湯栓となるカランや浴槽等に向けて供給される。
【0031】
ここで、燃焼ガスが流動する空間を形成する部分、すなわち、燃焼部3、一次熱交換器4、収納ケース7、消音部8、排気部9等はそれぞれの連結部分が気密に封止されている。そのため、通常、燃焼ガスが筐体2の内部空間に漏れ出してしまうことはない。
しかしながら、燃焼装置1の組み立て時にシール部材を装着し忘れてしまったり、燃焼装置1の経年使用によりシール部材が劣化、破損してしまったり、何らかの原因により一次熱交換器4、収納ケース7、消音部8等の機器そのものが破損して孔が空いてしまったりした場合、筐体2の内部に燃焼ガスが漏れ出してしまうおそれがある。
【0032】
そこで、本実施形態の燃焼装置1では、筐体2の内部に温度ヒューズ20(温度感知部材)を取り付けている。そして、筐体2の内部空間の温度が上昇することで温度ヒューズ20が溶断されたことを条件に、燃焼部3の燃焼動作等を停止する安全動作を実施可能となっている。
【0033】
本実施形態の特徴的な部分である温度ヒューズ20の固定構造について、以下で詳細に説明する。
【0034】
本実施形態の燃焼装置1では、図2で示されるように、背板部14の前方に遮熱板6(被固定部材)が取り付けられており、この遮熱板6の一部が加工されて感知部材固定部21が形成されている。そして、この感知部材固定部21と固定金具22(固定手段)によって温度ヒューズ20が遮熱板6に対して一体に固定されている。
【0035】
遮熱板6は、外形が略長方形平板状の部材であり、その背面と背板部14の前面との間に所定の範囲に亘って空隙が形成されるように筐体2に取り付けられている。
このように、遮熱板6と背板部14の間に空気層を形成すると、遮熱板6自体が背板部14への熱伝達を抑制するだけでなく、この空気層もまた背板部14への熱伝達を抑制するので、高い遮熱効果を奏することができる。
つまり、この遮熱板6は、燃焼ガスの漏れ出し等によって筐体2の内部が異常に高温になってしまった場合において、燃焼装置1の外郭(筐体2)が加熱されて高温となることを防止するものである。
そして、この遮熱板6の角部分、より具体的には、遮熱板6の左端近傍且つ上端近傍の部分には、温度ヒューズ20を取付けるための感知部材固定部21が形成されている。
【0036】
感知部材固定部21は、図3で示されるように、左右方向に離間した位置に形成される先端側規制片23(先端側位置決め部)と取付台部24(隆起部)とよって構成されている。
【0037】
先端側規制片23は、図3で示されるように、遮熱板6の一部を切り起こして形成される規制片本体28に対し、この規制片本体28を厚さ方向(左右方向)に貫通する先端挿通用孔29を設けて形成される環状板体である。
【0038】
規制片本体28は、外形が上下方向に起立した略正方形平板状であって、遮熱板6と略垂直に交わるものであり、遮熱板6の前面から前方へ突出している。そして、規制片本体28は、上端面、下端面、突出端面の面積が比較的小さくなっており、左端面及び右端面が平面的な広がりを持った比較的広い面となっている。そして、この左端面から右端面までを先端挿通用孔29が貫通している。
【0039】
先端挿通用孔29は、開口形状が略円形で左右方向に延びる貫通孔である。この先端挿通用孔29は、規制片本体28の左端面の中心部分から右端面の中心部分までを貫通するものであり、先端挿通用孔29の中心軸の位置と、規制片本体28の左右端面それぞれの中心とは、略同一の位置となっている。そして、先端挿通用孔29の孔径は、規制片本体28の上下方向の長さ及び突出方向の長さの2分の1以上の長さとなっている。
【0040】
取付台部24は、図3で示されるように、遮熱板6を板厚方向(前後方向)に段押成形して形成される部分であり、外形が略直方体状であって、前方へ凸となっている。すなわち、取付台部24は、遮熱板6の一部を後方から押し出すことで形成された周辺部分よりも盛り上がった部分であり、別言すると、瘤状に隆起した部分であるともいえる。
具体的には、取付台部24は、正面視した形状が略長方形状であって取付台部24の突端(前端)に位置する隆起端部32と、この隆起端部32の外側部分を環状に取り囲む傾斜部33によって構成されている。そして、隆起端部32と傾斜部33の連結部分、及び傾斜部33と周辺部分との連結部分は丸みを帯びた形状となっている。換言すると、隆起端部32から傾斜部33を経て周辺部分(遮熱板6のうちで傾斜部33の外側に位置する部分)に至るまでの部分は、丸みを帯びて連続している。
【0041】
そして、隆起端部32の左右方向の中心近傍であり、且つ、上端からやや下方に位置する部分には、固定金具22(詳しくは後述する)をネジ止めするための金具取付用貫通孔34が形成されている。この金具取付用貫通孔34は、隆起端部32を厚さ方向(前後方向)に貫通する貫通孔である。
【0042】
傾斜部33は、隆起端部32の上下端及び左右端と、遮熱板6の前面との間に位置してこれらと連続するものであり、詳細には、隆起端部32の上側に位置する上側傾斜部33aと、隆起端部32の左側に位置する左側傾斜部33bと、隆起端部32の下側に位置する下側傾斜部33cと、隆起端部32の右側に位置する右側傾斜部33dとが環状に連続して形成されるものである。
また、傾斜部33は、図3図4で示されるように、隆起端部32側から外側へ離れる方向に向かってなだらかに傾斜している。より具体的には、上側傾斜部33aでは後方上側へ向かう方向に、左側傾斜部33bでは後方左側へ向かう方向に、下側傾斜部33cでは後方下側へ向かう方向に、右側傾斜部33dでは後方右側へ向かう方向にそれぞれなだらかな傾斜面を形成している。
【0043】
ここで、取付台部24の下端よりやや上側の部分には、図3で示されるように、左右方向に沿って延びる横溝部35(中間位置決め部)が形成されている。
【0044】
横溝部35は、正面視が略長方形となる溝状の部分であり、左側傾斜部33bから隆起端部32を経て右側傾斜部33dまで延びている。そして、横溝部35は、図3図4で示されるように、左側傾斜部33bと右側傾斜部33dにおいて、これらの前端部分から前後方向の中心近傍までの部分を切り欠いている。別言すると、横溝部35は、取付台部24の側面において、取付台部24の突出端から突出方向の中心近傍までの部分を切り欠いている。加えて、横溝部35は、左側傾斜部33bと右側傾斜部33dとの間に位置する隆起端部32において、幅方向(左右方向)の一方端から他方端まで(左端から右端まで)延びており、この隆起端部32を厚さ方向(前後方向)で貫通している。
【0045】
このように、横溝部35は、左側傾斜部33bに形成した切欠き部分と、隆起端部32に形成した貫通孔と、右側傾斜部33dに形成した切欠き部分とが連続して形成された溝部分である。より具体的には、横溝部35は、左側傾斜部33bと、隆起端部32と、右側傾斜部33dのそれぞれの一部を欠落させて形成されており、左側傾斜部33bと、隆起端部32と、右側傾斜部33dとをそれぞれ厚さ方向に貫通している。このことから、横溝部35の開口部分は、取付台部24の内側に形成される内部空間36、すなわち、隆起端部32及び傾斜部33に囲まれて形成される内部空間36と、外部とを連通した状態となっている。
換言すると、横溝部35は、溝底と溝壁(溝の内壁)を有さず、溝底と溝壁にあたる部分が開放された溝状の部分であり、横溝部35の内側に位置する空間と、取付台部24の内側に形成される内部空間36とは連続した状態となっている。
【0046】
また、この横溝部35は、図4で示されるように、側面視した状態において、先端側規制片23に形成された先端挿通用孔29と少なくとも一部が重なる位置に形成されている。より具体的には、横溝部35の開口部分より内側に位置する空間(領域)に、先端挿通用孔29の中心軸が位置するように形成されている。そして、横溝部35の上端は先端挿通用孔29の上端よりやや上側に位置しており、横溝部35の下端は先端挿通用孔29の下端よりやや下側に位置している。
【0047】
固定金具22は、図5図6で示されるように、上下方向に長い長方形平板状の本体部40と、本体部40の背面側下端部分に位置する下側環状体部41と、下側環状体部41の上部と隣接する上側環状体部42とが一体に形成された金具である。
【0048】
本体部40には、上下方向で並列し、それぞれ本体部40を厚さ方向(前後方向)で貫通する3つの貫通孔43が形成されている。より詳しくは、上側から、開口形状が左右方向(本体部40の幅方向)に延びる楕円形である第1貫通孔43aと、開口形状が円形である第2貫通孔43bと、開口形状が正方形である第3貫通孔43cとが間隔を空けて並列した状態となっている。
【0049】
下側環状体部41は、図6で示されるように、外形が略横倒円筒形であり、左右方向(本体部40の幅方向)に沿って延びている。この下側環状体部41は、本体部40の幅方向の一方端から他方端(左端から右端)まで延設されており、中心部分に本体部40の幅方向(左右方向)に沿って延びる開口形状が円形の貫通孔が形成されている。
【0050】
上側環状体部42は、図6で示されるように、断面形状略「C」字状で左右方向(本体部40の幅方向)に沿って延びている。そして、上側環状体部42は、本体部40の幅方向において、中心近傍に相当する部分にのみ形成されている。すなわち、上側環状体部42の左右方向(本体部40の幅方向)の長さは、下側環状体部41の左右方向の長さよりも短くなっている。
また、上側環状体部42の中心部分にもまた、本体部40の幅方向(左右方向)に沿って延びる貫通孔が形成されている。なお、この貫通孔と下側環状体部41の外周面を一部欠落した部分(図6では図示せず)とが連続することで、開口形状が円形で延びる貫通孔を形成している。
【0051】
温度ヒューズ20は、図7で示されるように、先端側に配された感温部47と、感温部47から延出する2本のリード線48,49(導線)によって構成されている。そして、感温部47と2本のリード線48,49の先端側の一部分は、保護部材50によって被覆された状態となっている。
【0052】
感温部47は、2本のリード線48,49の各先端部間に可溶金属を橋設し、可溶金属部分及びその周辺部分を絶縁ケース等に収納して形成される部分である。そして、感温部47は、周辺温度が所定温度以上に上昇した場合、可溶金属部分が溶断されることで2本のリード線48,49を電気的に断絶する。すなわち、感温部47は、周辺の雰囲気温度の変化に応じて状態が変化する部分であるといえる。
【0053】
2本のリード線48,49は、それぞれ公知のそれと同様のものであり、金属等の導電性を有する物質で形成された芯線と、この芯線の表面を被覆する絶縁体によって形成されている。そして、これら2本のリード線48,49は、先端側から基端側に向かって並列配置されている。
なお、この並列配置された2本のリード線48,49の一部分であり、先端側から離れた位置で一定の長さに亘って並列して延びた部分は、上記した固定金具22と係合するための掛止対象部51となっている。
【0054】
続いて、遮熱板6に対して温度ヒューズ20を取り付けるときの、手順について説明する。
【0055】
まず、図2で示されるように、固定金具22を温度ヒューズ20に一体に取り付けた状態とする。
【0056】
詳しくは、固定金具22を形成するための平板状の部材に2本のリード線48,49を載置し、この平板状の部材をカシメ加工する。このことにより、平板状の部材(固定金具22)に下側環状体部41及び上側環状体部42が形成され、2本のリード線48,49のそれぞれが、その一部を下側環状体部41と上側環状体部42のそれぞれに取り囲まれた状態となる。このことにより、固定金具22と温度ヒューズ20とが一体に取り付けられた状態となる。
ここで、固定金具22は、温度ヒューズ20の掛止対象部51に対して固定されている。そのため、固定金具22を温度ヒューズ20に取り付けた状態では、固定金具22は温度ヒューズ20の掛止対象部51のみと接触した状態となっている。
【0057】
そして、図8で示されるように、遮熱板6の感知部材固定部21に対して温度ヒューズ20を取り付ける。
【0058】
具体的には、温度ヒューズ20の先端側部分を先端側規制片23の先端挿通用孔29に挿通し、温度ヒューズ20のリード線48,49の一部を取付台部24の横溝部35に嵌入した状態とする。この状態では、横溝部35の開口部分より内側に位置する空間(領域)に線状に延びる温度ヒューズ20の一部が配された状態となる。なお、温度ヒューズ20の横溝部35に嵌入される部分は、固定金具22と接触する部分とその周辺に位置する部分である。
【0059】
そして、温度ヒューズ20の先端側部分が先端挿通用孔29に挿通され、温度ヒューズ20の基端側部分が横溝部35に嵌入された状態で、固定金具22の貫通孔43(43b)と、取付台部24の金具取付用貫通孔34とを重ね合わせ、固定金具22を取付台部24に対してネジ止めし、固定金具22及び温度ヒューズ20を遮熱板6の感知部材固定部21に対して固定する。
【0060】
本実施形態では、温度ヒューズ20の先端側近傍を先端挿通用孔29に挿通し、温度ヒューズ20の基端側の一部分を横溝部35に嵌入した状態とすることで、温度ヒューズ20の取付けに際して、固定金具22及び温度ヒューズ20の大まかな位置決めが可能となっている。
【0061】
具体的に説明すると、温度ヒューズ20の先端側の部分が先端挿通用孔29に挿通されている状態では、温度ヒューズ20の先端側の部分が先端側規制片23によって環状に取り囲まれた状態となっている。そのため、温度ヒューズ20の先端側の部分は、挿通方向及び挿通解除方向(左右方向)を除いた方向への移動が制限された状態となる。つまり、仮に温度ヒューズ20の先端側の部分が前後方向や上下方向へ移動したとしても、温度ヒューズ20の一部分が先端挿通用孔29の内周面に当接してその移動が阻止されることとなる。
また、温度ヒューズ20の横溝部35に嵌入された部分である掛止対象部51近傍もまた、所定方向への移動が制限された状態となる。つまり、仮に温度ヒューズ20の横溝部35に嵌入された部分が上下方向へ移動したとしても、温度ヒューズ20の一部(又は温度ヒューズ20と一体に取り付けられた固定金具22の一部)が横溝部35の開口縁に当接してその移動が阻止されることとなる。
このように、温度ヒューズ20の先端側の部分と掛止対象部51近傍の部分のそれぞれにおいて所定方向への移動が規制された状態となると、温度ヒューズ20の先端側から掛止対象部51の近傍に至るまでの部分が、配置予定位置から大きくずれてしまうことがない状態となる。すなわち、温度ヒューズ20が大まかに位置決めされた状態となる。
【0062】
本実施形態では、このように大まかな位置決めを実施した状態で、固定金具22の貫通孔43(43b)と取付台部24の金具取付用貫通孔34とを重ね合わせるといった細かい位置合わせを実施できるので、比較的容易に正確な位置合わせを実施できる。このことにより、本実施形態では、温度ヒューズ20を配置予定位置に正確に配することができる。
【0063】
本実施形態では、固定金具22の取付け対象となる部分、すなわち、金具取付用貫通孔34が設けられた隆起端部32の上側部分が、上側傾斜部33a、左側傾斜部33b、右側傾斜部33dの3つの板状の部分によって支持された状態となっている。
具体的に説明すると、隆起端部32において横溝部35より上側の部分では、その上端と上側傾斜部33aが連続しており、その左右端と、左側傾斜部33b、右側傾斜部33dがそれぞれ連続している。そして、上側傾斜部33a、左側傾斜部33b、右側傾斜部33dは、それぞれ周囲に位置する遮熱板6の前面に対して起立した状態となっている。つまり、隆起端部32の上側の部分は、起立する3つの板状の部分に3方から支えられた状態で、周囲より盛り上がった位置(周囲より前側の位置)に支持されている。そして、3つの板状の部分である上側傾斜部33a、左側傾斜部33b、右側傾斜部33dは一体に連結した状態となっている。
このように、固定金具22の取付け対象となる部分を複数の起立する板状体によって異なる方向から支持すると共に、複数の起立する板状体の少なくとも一部を一体に連結する構造によると、この固定金具22の取付け対象となる部分の捻じれに対する強度を高くすることができる。
【0064】
つまり、固定金具22をネジ止めするとき、固定金具22の取付け対象となる部分(隆起端部32の上側部分)には、締め込むネジからネジを押し込む方向(前方から後方へ向かう方向)へ力が加わると共に、ネジを締める方向(正面視で時計回り又は反時計回り)へ力が加わる。このため、固定金具22の取付け対象となる部分の捻じれに対する強度が低いと、この取付け対象となる部分がネジから加わる力によって変形してしまう。
しかしながら、本実施形態では、固定金具22の取付け対象となる隆起端部32の上側部分を起立する3つの板状の部分で3方から支持すると共に、3つの板状の部分を一体に連結した捻じれに強い構成であるので、ネジ止めによって加わる力により固定金具22の取付け対象となる部分が変形することはない。このことにより、固定金具22の取付け対象となる部分が変形してしまうことによる温度ヒューズ20の位置ずれの発生を防止できるので、温度ヒューズ20を配置予定位置に正確に配することができる。
【0065】
また、仮に、固定金具22の取付け対象となる部分が何らかの理由によって変形してしまった場合であっても、上記したように、温度ヒューズ20の先端側の部分と掛止対象部51近傍の部分のそれぞれにおいて所定方向への移動が規制された状態とすることにより、温度ヒューズ20の位置ずれを防止することができる。
【0066】
具体的に説明すると、固定金具22の取付け時において、固定金具22の取付け対象となる部分(隆起端部32の上側部分)が変形してしまい、固定金具22の姿勢が通常の状態から変化していくと、固定金具22の姿勢変化に伴って温度ヒューズ20の姿勢もまた変化していく。すなわち、温度ヒューズ20が通常の配置位置から移動しようする。
ここで、本実施形態では、上記したように、温度ヒューズ20の先端側の部分が先端挿通用孔29に挿通され、且つ、温度ヒューズ20の掛止対象部51近傍が横溝部35に嵌入されており、温度ヒューズ20の先端側から掛止対象部51の近傍に至るまでの部分の所定量以上の移動が制限された状態となっている。
したがって、固定金具22の姿勢変化に伴って温度ヒューズ20の姿勢が変化しようとしても、温度ヒューズ20の一部(又は温度ヒューズ20と一体に取り付けられた固定金具22の一部)が先端挿通用孔29の内周面や横溝部35の開口縁に当接し、温度ヒューズ20の姿勢の変化が阻止される。このことにより、温度ヒューズ20と一体の固定金具22の姿勢の変化もまた阻止される。すなわち、温度ヒューズ20自身(又は温度ヒューズ20と一体に取り付けられた固定金具22)がつっかえ棒(支持棒)のように機能することにより、温度ヒューズ20、延いては固定金具22の大きな姿勢変形を防止する。
【0067】
このように、本実施形態では、仮に、固定金具22の取付け対象となる部分が何らかの理由によって変形してしまった場合であっても、固定金具22の姿勢が大きく変化しない構造となっている。このため、温度ヒューズ20を配置予定位置から大きくずれることがなく、温度ヒューズ20を配置予定位置に正確に配することができる。
【0068】
そして、固定金具22がネジ止めされ、固定金具22及び温度ヒューズ20が感知部材固定部21に対して固定される。
【0069】
ここで、固定金具22及び温度ヒューズ20が感知部材固定部21に対して固定された状態では、図8図9で示されるように、温度ヒューズ20が先端側規制片23及び取付台部24と接触しない状態となっている。
【0070】
具体的に説明すると、温度ヒューズ20の先端側の部分は、先端側規制片23に形成された先端挿通用孔29の内周面と接触しないように、先端挿通用孔29に挿通されている。すなわち、温度ヒューズ20は、温度ヒューズ20の外表面と先端挿通用孔29の内周面とが離間した状態で、先端挿通用孔29の中心よりの位置に配されている。
また、温度ヒューズ20の横溝部35に嵌入された部分は、横溝部35の開口縁部分に接触しない状態となっている。より具体的には、図9で示されるように、固定金具22の一部である上側環状体部42の上端部分と、横溝部35の開口縁の上側部分とが接触した状態となっており、温度ヒューズ20は、横溝部35の開口縁から離間した位置に配された状態となっている。
【0071】
ここで、仮に温度ヒューズ20(リード線48,49)が先端側規制片23や取付台部24と接触する構成とすると、取付け時に不意に力が加わってしまった場合等において、接触部分が断線してしまうおそれがある。
これに対して、本実施形態では、温度ヒューズ20(リード線48,49)と先端側規制片23及び取付台部24が接触しない構成となっている。そのため、上記したような取付対象との接触に起因するリード線48,49の断線が発生することはない。
【0072】
本実施形態では、図1で示されるように、筐体2の上端近傍に温度ヒューズ20が取り付けられており、温度ヒューズ20の先端側に位置する感温部47が、筐体2の左側壁部12に形成されたガラリ55と対向する位置に配されている。
ここで、燃焼ガスが流動する空間を形成する部分から燃焼ガスが漏れ出してしまった場合、漏れ出した燃焼ガスは自然対流を形成する。すなわち、燃焼ガスは筐体2の上側へ向かって流れ、ガラリ55から外部へと流出する流れを形成する。
したがって、本実施形態のようにガラリ55の近傍に温度ヒューズ20を配置する構成によると、燃焼ガスが流動する空間を形成する機器のいずれの部分から燃焼ガスが漏れ出した場合であっても、筐体2内の温度上昇を確実に感知することができるという利点がある。
【0073】
また本実施形態では、図3で示されるように、取付台部24の金具取付用貫通孔34が前面側に位置している。そのため、固定金具22をネジ止めする場合、上記したように、前方から後方へネジを捩じ込んでいくこととなる。
ここで、燃焼装置1は、正面の開放部分を覆う前方蓋部(図示せず)を取り外し、図1で示されるように、内部の機器を露出させた状態で設置作業やメンテナンス作業等の各種作業を実施することが一般的である。
したがって、前方から後方へネジを捩じ込んで固定金具22をネジ止めする構成によると、取付台部24の上方や側方、下方等の取付け孔を設けた場合に比べ、燃焼装置1の前方で作業する作業者がネジ止め作業を容易に実施可能であるという利点もある。
【0074】
加えて、本実施形態では、固定金具22が取付台部24にネジ止めされた状態では、図9で示されるように、ネジの軸部が取付台部24の内部空間36に収容された状態となる。このような構造によると、固定金具22を固定するためのネジによって筐体2の壁面等が傷つかないので望ましい。
【0075】
上記した実施形態では、感知部材固定部21と固定金具22によって温度ヒューズ20を固定する例を示したが、本発明はこれに限るものではない。本発明の固定構造で固定する温度感知部材は適宜変更してよい。例えば、感知した温度に応じて抵抗値が変化する感温部を有するサーミスタや、感知した温度に応じた電圧を発生させる感温部を有する熱電対等を固定してもよい。
【0076】
上記した実施形態では、固定金具22を固定するための取付台部24の一部を欠落させて横溝部35を形成する例を示したが、本発明はこれに限るものではない。固定金具22を固定するための部分(取付台部24)と、温度感知部材(温度ヒューズ20)の先端から離れた位置で所定の長さに亘って延びる部分(掛止対象部51)の位置ずれを防止する部分とは、別途形成してもよい。
【0077】
そして横溝部35もまた、切欠き溝やスリット溝等に限るものではなく、筐体2、遮熱板6等の所定の部分、又は所定の部材をプレス加工等により窪ませた凹溝であってもよい。
【0078】
上記した実施形態では、固定金具22を取付台部24にネジ止めする例を示したが、固定金具22の取付け方法はこれに限るものではない。本発明の固定金具は、リベット、釘、鋲等の他の締結要素(ネジ、釘等の上位概念であり、2つの部材間に介在してこれらを締結するもの)で固定してもよい。また、スポット溶接といった所定の固定方法であってもよい。
【0079】
上記した実施形態では、先端側規制片23を環状板体とし、先端側規制片23に形成した先端挿通用孔29に対して温度感知部材(温度ヒューズ20)を挿通することで温度感知部材の先端側の位置ずれを防止する例を示したが、本発明はこれに限るものではない。本発明の先端側位置決め部は、例えば、断面視が略L字状で延びる鉤突起のような屈曲した片状体でもよい。また、周囲より隆起させた部分や切り起こした板体に形成した切欠き溝であってもよい。例えば、延び方向がL字となるような屈曲して延びる切欠き溝であってもよい。本発明の先端側位置決め部は、温度感知部材(温度ヒューズ20)の先端部分の所定量以上の移動が阻止できればよい。
【符号の説明】
【0080】
1 燃焼装置(熱源機)
2 筐体
6 遮熱板(被固定部材)
20 温度ヒューズ(温度感知部材)
22 固定金具(固定手段)
23 先端側規制片(先端側位置決め部)
24 取付台部(隆起部)
35 横溝部(中間位置決め部)
47 感温部
48,49 リード線(導線)
51 掛止対象部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9