特許第5930334号(P5930334)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5930334減圧治療システムにおいてキャニスタ係合外れ状態からリークを識別するシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5930334
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】減圧治療システムにおいてキャニスタ係合外れ状態からリークを識別するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 27/00 20060101AFI20160526BHJP
【FI】
   A61M27/00
【請求項の数】16
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-23068(P2014-23068)
(22)【出願日】2014年2月10日
(62)【分割の表示】特願2011-178233(P2011-178233)の分割
【原出願日】2008年2月20日
(65)【公開番号】特開2014-147787(P2014-147787A)
(43)【公開日】2014年8月21日
【審査請求日】2014年3月12日
(31)【優先権主張番号】60/902,267
(32)【優先日】2007年2月20日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508268713
【氏名又は名称】ケーシーアイ ライセンシング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ローホーン,トーマス,ピー.
【審査官】 倉橋 紀夫
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0032763(US,A1)
【文献】 特表2002−527146(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/019038(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0016152(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0078366(US,A1)
【文献】 特表2005−531340(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 27/00
A61B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
減圧治療装置において、
キャニスタと;
疎水性フィルタと;
前記キャニスタおよび前記疎水性フィルタを介して、減圧源を組織部位に流体連結するよう構成された導管と;
前記減圧源によって生成された圧力を測定するように構成されたセンサと;
アラーム表示器と;
前記センサおよび前記アラーム表示器に接続された処理ユニットとを具えており、当該処理ユニットが、
前記減圧源の実際のパワーレベルを特定するために前記減圧源から信号を受信し、
前記減圧源の前記実際のパワーレベルとターゲットパワーレベルを比較し、
前記実際のパワーレベルが前記ターゲットパワーレベルを選択された期間越え、且つ前記減圧源によって生成された圧力が第1のアラーム圧力よりも小さい場合に、キャニスタ係合外れアラーム信号を前記アラーム表示器に通信し、
前記実際のパワーレベルが前記ターゲットパワーレベルを選択された期間越え、且つ前記減圧源によって生成された圧力が第2のアラーム圧力よりも大きい場合に、リークアラーム信号を前記アラーム表示器に通信するように構成されており、
前記第2のアラーム圧力は、前記第1のアラーム圧力と等しいことを特徴とする減圧治療装置。
【請求項2】
請求項1に記載の減圧治療装置において、前記処理ユニットが、前記減圧源に関連するモータから前記減圧源の実際のパワーレベルを特定するための前記信号を受信するように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1に記載の減圧治療装置において、
前記第1のアラーム圧力が前記第2のアラーム圧力と等しく、
前記処理ユニットが、前記減圧源に関連するモータから前記減圧源の実際のパワーレベルを特定するための前記信号を受信するように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1に記載の減圧治療装置において、前記減圧源が、最初に前記ターゲットパワーレベルで動作するよう較正されたモータを具えていることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1乃至の何れか一項に記載の減圧治療装置において、前記アラーム表示器が、前記リークアラーム信号の受信に応じてリークアラームを生成し、前記キャニスタ係合外れアラーム信号の受信に応じてキャニスタアラームを生成するように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項に記載の減圧治療装置において、前記リークアラームおよび前記キャニスタアラームが可聴性であることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項に記載の減圧治療装置において、前記リークアラームおよび前記キャニスタアラームが可視的であることを特徴とする装置。
【請求項8】
減圧治療システムにおいてリーク状態をキャニスタ係合外れ状態から区別する装置において、当該装置が:
キャニスタと;
疎水性フィルタと;
前記キャニスタおよび前記疎水性フィルタを介して、減圧源を組織部位に流体連結するよう構成された導管と;
前記減圧源によって生成された圧力を特定するよう構成されたセンサと;
前記センサおよび前記アラーム表示器に接続された処理ユニットとを具えており、当該処理ユニットが、
前記減圧源の実際のパワーレベルをモニタし、
前記減圧源の実際のパワーレベルとターゲットパワーレベルを比較し、
前記減圧源によって生成された圧力を第1のアラーム圧力および第2のアラーム圧力と比較し、
前記実際のパワーレベルが前記ターゲットパワーレベルより大きく、前記減圧源によって生成された圧力が前記第1のアラーム圧力より小さい場合にキャニスタアラームを表示し、
前記実際のパワーレベルが前記ターゲットパワーレベルより大きく、前記減圧源によって生成された圧力が前記第2のアラーム圧力より大きい場合にリークアラームを表示するように構成され、
前記第2のアラーム圧力は、前記第1のアラーム圧力と等しいことを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項に記載の装置において、前記減圧源が、最初に前記ターゲットパワーレベルで動作するよう較正されたモータを具えていることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の装置において、前記リークアラームおよび前記キャニスタアラームが可聴性であることを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項8又は9に記載の装置において、前記リークアラームおよび前記キャニスタアラームが可視的であることを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項8又は9に記載の装置において、前記処理ユニットがさらに、前記実際のパワーレベルが前記ターゲットパワーレベルを選択された期間超えるまで、前記リークアラームおよび前記キャニスタアラームの表示を遅らせるように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項13】
減圧治療システムにおいて:
ターゲットパワーレベルで動作するよう構成された減圧源と;
疎水性フィルタと;
キャニスタおよび前記疎水性フィルタを介して、前記減圧源を組織部位に流体連結するよう構成された導管と;
前記導管および前記減圧源と流体連通している前記キャニスタと;
前記減圧源によって生成された圧力を特定するように前記減圧源と連通しているセンサと;
アラーム表示器と;
前記アラーム表示器と連通している処理ユニットとを具えており、当該処理ユニットが、
前記減圧源の実際のパワーレベルと前記ターゲットパワーレベルを比較し、
前記実際のパワーレベルが前記ターゲットパワーレベルを選択された期間越え、且つ前記減圧源によって生成された圧力が第1のアラーム圧力よりも小さい場合に、キャニスタ係合外れアラーム信号を通信し、
前記実際のパワーレベルが前記ターゲットパワーレベルを選択された期間越え、且つ前記減圧源によって生成された圧力が第2のアラーム圧力よりも大きい場合に、リークアラーム信号を通信するように構成され、
前記第2のアラーム圧力は、前記第1のアラーム圧力と等しく
前記アラーム表示器が、前記リークアラーム信号または前記キャニスタ係合外れアラーム信号の受信に応じてアラームを生成するよう構成されていることを特徴とする減圧治療装置。
【請求項14】
請求項13に記載の減圧治療装置において、前記アラーム表示器が、前記リークアラーム信号の受信に応じてリークアラームを生成し、前記キャニスタ係合外れアラーム信号の受信に応じてキャニスタアラームを生成するように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項14に記載の減圧治療装置において、前記リークアラームまたは前記キャニスタアラームが可聴性であることを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項14に記載の減圧治療装置において、前記リークアラームおよび前記キャニスタアラームが可視的であることを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、組織治療システムに関し、特に、リーク状態と係合が外れたキャニスタ状態とを識別するシステムを有する減圧治療システムに関する。
【背景技術】
【0002】
臨床的研究と治療は、組織部位近傍に減圧を提供することが当該組織部位における新しい組織の成長を増加させ加速させることを示している。この現象に関するアプリケーションは数多くあるが、減圧を当てることは創傷治療において特に成功している。この治療(利用関係者の間では、しばしば、「負圧創傷治療」、「減圧治療」あるいは「真空治療」と呼ばれる)は、速い回復、肉芽組織の強化形成を含め、多くの利点を提供する。典型的には、多孔性パッドあるいはその他のマニフォールドデバイスを介して組織に減圧を与える。この多孔性パッドは、減圧を組織に分散させ、組織から吸い出した体液をチャネリングさせるセルあるいは孔を含む。多孔パッドは、しばしば、治療を容易にするその他の構成要素を有するドレッシングに組み込まれている。
【0003】
現在の減圧システムの問題点の一つは、システムにリークが生じると、組織部位への減圧が妨げられる、あるいは体液回収キャニスタなどシステムの構成要素の係合が外れることである。従来の減圧システムは、減圧システムを通って移動する空気の流通量を測定する流量センサを使用していた。「高」流量を検出すると、通常、「キャニスタが係合していない」ことを表すアラーム状態になった。若干低い流量が検出されると、リークが生じたと仮定され、これを表すアラーム状態となった。これらの状態を検出するために流量センサを用いることは、ある種の欠点であった。減圧システムに流量センサを追加することは、ハードウエアの追加が必要となり、流量センサからデータを受信して処理するために関連するソフトウエアが必要である。流量センサは、ある環境状態によって正確性が低下することもある。例えば、この流量センサは、オリフィスを通る圧力低下を測定して流量を検出する際に、圧力低下を検出するハードウエアに劇的に温度条件が影響し、これによって最終的な流量検出にエラーが生じる。
【発明の概要】
【0004】
現存の検出システムにおける問題は、ここに述べる実施例のシステム及び方法によって解決される。一の実施例では、減圧治療システムが提供されており、このシステムは、処理ユニットと、減圧源と、この減圧源と患者の組織部位との間に流体連結した導管とを具える。減圧源は、組織部位に減圧を与えるターゲットパワーレベルで作動するように構成されている。この減圧治療システムは、更に、前記導管と減圧源に流体連通して、組織部位から吸い出した流体を回収するキャニスタを具える。組織部位における減圧を維持するために、ドレープが組織部位の上に配置されるように構成されている。減圧源と通信してセンサを設けて減圧源の源圧力を測定しており、処理ユニットに通信してアラーム表示器が設けられている。処理ユニットは、減圧源の実際のパワーレベルがある選択された時間ターゲットパワーレベルを超えるときに、リークアラーム信号とキャニスタ係合外れアラーム信号のうちの少なくとも一つをアラーム表示器に通信するように構成されている。アラーム表示器は、リークアラーム信号と、キャニスタ係合外れアラーム信号のうちの少なくとも一つを受信するとアラームを生成するように構成されている。
【0005】
別の実施例では、減圧治療システムにおけるリークの検出とキャニスタの係合外れを識別する方法が、減圧ポンプの実際のパワーレベルと源圧力をモニタするステップを具えている。この実際のパワーレベルは、ターゲットパワーレベルと比較されて、源圧力は第1のアラーム圧力及び第2のアラーム圧力と比較される。実際のパワーレベルがターゲットレベルより大きく、源圧力が第1のアラーム圧力より大きい場合に、リークアラームが表示される。実際のパワーレベルがターゲットパワーレベルより大きく、源圧力が第2のアラーム圧力より小さい場合は、キャニスタ係合外れアラームが表示される。
【0006】
更に別の実施例では、減圧治療システムが、減圧ポンプの実際のパワーレベルをモニタする手段と、減圧ポンプの源圧力をモニタする手段とを具えている。実際のパワーレベルをターゲットパワーレベルと比較する手段と、源圧力を第1のアラーム圧力及び第2のアラーム圧力と比較する手段も、設けられている。このシステムは、更に、実際のパワーレベルがターゲットパワーレベルより大きく、源圧力が第1のアラーム圧力より大きい場合にリークアラームを表示する手段を具えている。更に、このシステムは、実際のパワーレベルがターゲットパワーレベルより大きく、源圧力が第2のアラーム圧力より小さい場合にキャニスタ係合外れアラームを表示する手段を具えている。
【0007】
実施例のその他の目的、特徴、利点は、図面及び以下の詳細な説明を参照することで明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の一実施例による、リーク状態とキャニスタの係合外れ状態を表示するように構成した減圧治療システムを示す図である。
図2図2は、本発明の一実施例によるキャニスタの係合外れ状態からリーク状態を検出する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施例の以下の詳細な説明において、この説明の一部を成す添付図面を参照する。これらの実施例は、当業者が本発明を実施できる程度に十分詳細に記載されており、その他の実施例を用いることができ、論理的、構造的、機械的、電気的、及び化学的変更を、本発明の精神又は範囲から外れない限り行うことができると解する。当業者がここに記載した実施例を実施するのに不必要な詳細を省略するため、この説明は当業者に知られているある種の情報を削除することがある。従って、以下の詳細な説明は、限定する意味のものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ規定される。
【0010】
ここで用いられている用語「減圧」は、一般的に、治療を受ける組織部位における周囲圧より低い圧力をいう。ほとんどの場合、この減圧は、患者が位置している所の大気圧より低い。代替的に、「減圧」は組織部位における静水圧より低い圧力を言うことがある。用語「真空」及び「負圧」は、組織部位に当てる圧力を記載するのに使用することができるが、組織部位に当てる実際の圧力は、通常完全な真空に使われる圧力より有意に低い。減圧によって、初期には組織部位領域でチューブ内に流体を生じることがある。組織部位周辺の静水圧が所望の減圧に近くなると、流量が低下し、減圧が維持される。表示がない限り、ここで述べる圧力の値はゲージ圧である。同様に、減圧の上昇に対する引用は、絶対圧力の低下を意味し、一方、減圧の低下は、通常絶対圧力の上昇を意味する。
【0011】
ここで用いられている用語「組織部位」は、限定するものではないが、骨組織、脂肪組織、筋肉組織、神経組織、皮膚組織、脈管組織、結合組織、軟骨、腱、靱帯を含む、何らかの組織上あるいは組織内に位置する創傷または欠陥を意味する。用語「組織部位」は、更に、必ずしも創傷あるいは欠陥のある組織領域ではないが、更なる組織の成長を加えるあるいは促進することが望まれる領域を意味することもある。例えば、減圧組織治療は、採取されて別の組織位置に移植する所定の組織領域に追加の組織を成長させるために用いることもできる。
【0012】
図1を参照すると、本発明の一実施例に係る減圧治療システム110は、患者の組織部位114に流体連通する導管112を具える。この導管112は、配管アダプタ118と分散マニフォールド122を介して組織部位114に流体連通している。分散マニフォールド122は、生体吸収性、非生体吸収性の材料でできていても良く、減圧を組織部位114に分散させることができる。一の実施例では、分散マニフォールド122が、開セル状の、網状ポリウレタンフォームであってもよい。ドレープ128が分散マニフォールド122の上に配置されており、組織部位114の周囲を密封して、組織部位114における減圧を維持している。
【0013】
導管112は、減圧源134に流体連結されている。センサ138が源圧源134にあるいはその近傍に配置されており、減圧源134によって生じる源圧力を検出している。一の実施例では、センサ138が圧力トランスデューサである。キャニスタ142は減圧源134と組織部位114に流体連結されており、組織部位114から吸引した滲出液とその他の流体を回収する。キャニスタ142は、キャニスタ142の出口近傍に位置する疎水性フィルタ144を具えており、キャニスタから流体が出て、減圧源134を汚染することを防止している。一実装例では、キャニスタ142は、減圧源134を具える治療ユニット148と脱着自在に共働するものであっても良い。
【0014】
減圧システム110はさらに、処理ユニット152を具えており、このユニットは、減圧源134、センサ138、及びアラーム表示器156の少なくとも一つと通信する。処理ユニット152は、一又はそれ以上のプロセッサ、ロジック、アナログ部品、あるいは、減圧源における源圧力などの受信すべき情報を含む信号を生成できるその他の電子部品を具えていても良い。処理ユニット152は、この信号によって提供される情報を処理することができる。例えば、源圧力信号が処理ユニット152で受信され、リークアラーム及び/又はキャニスタ係合外れアラームを処理ユニット152によって駆動することができる。
【0015】
一の実装例では、減圧源134は、モータ166で駆動される減圧ポンプまたは真空ポンプ164である。処理ユニット152は、モータ166からのあるいはモータ166と関連する部品からの信号を受信して、真空ポンプ164を駆動するのに必要である実際のパワーレベルを検出するように構成されている。処理ユニット152は、この実際のパワーレベルを、減圧源134が最初に較正されて稼働するターゲットパワーレベルと比較する。実際のパワーレベルがこのターゲットパワーレベルを所定時間超えると、リーク状態またはキャニスタ係合はずれ状態が減圧システム110に存在している。これらのいずれかの状態において、組織部位114において、減圧の供給に少なくとも部分的な遮断が生じる。例えば、ドレープ128と組織部位114の周辺との間にリークが生じていると、組織部位114において減圧を維持することは非常に困難になる。同様に、キャニスタ142が処理ユニット148から外れていると、減圧の供給が遮断される。これらの状態のいずれの場合でも、組織部位114において特定レベルの減圧を維持しようとすると、モータ166とポンプ164による追加のパワーが必要である。
【0016】
リーク状態とキャニスタの係合外れ状態を区別するために、処理ユニット152は、センサ138によって検出した源圧力をモニタする。キャニスタ142が外れると、キャニスタ142の疎水性フィルタ144を通る負圧を維持するのに真空ポンプ164は不要であるので、源圧力はキャニスタが係合しているときより実質的に低くなる。従って、キャニスタの係合外れ状態を検出するには、処理ユニット152は、源圧力を第1のアラーム圧力と比較する。源圧力が第1のアラーム圧力より低い場合は、処理ユニットはキャニスタ係合外れアラーム信号をアラーム表示器156に送る。源圧力が高いままであれば、キャニスタ142が係合されていることを示しており、従って、状態は、デフォルト設定により、リーク状態である。一の実装例では、圧力ユニット152で源圧力を第2のアラーム圧力と比較して、源圧力が第2のアラーム圧力を超えると、リーク状態が宣言される。リーク状態が検出されると、処理ユニットがリークアラーム信号をアラーム表示器に送る。一実施例では、第1及び第2のアラーム圧力は同じである。
【0017】
アラーム表示器156は、リークアラーム信号と、キャニスタの係合外れアラーム信号の処理ユニット152からの受信に応じて別のアラームを発生することができる。アラーム表示器は、スピーカなどの可聴表示器であっても良く、あるいは、LEDsやその他の光といった可視表示器であっても良く、代替的にLCDまたはその他のディスプレイであっても良い。
【0018】
図2を参照すると、減圧治療システムにおけるリーク状態とキャニスタ係合外れ状態を区別する例示的な方法210が提供されている。この方法は、ステップ214において実際のパワーレベルをモニタするステップと、ステップ216において減圧ポンプの源圧力をモニタするステップとを具える。ステップ218では、実際のパワーレベルをターゲットパワーレベルと比較しており、ステップ222では、源圧力を第1のアラーム圧力と第2のアラーム圧力と比較している。ステップ226では、実際のパワーレベルがターゲットパワーレベルより大きく、源圧力が第1のアラーム圧力より大きい場合に、リークアラームが表示される。キャニスタ係合外れアラームは、実際のパワーレベルがターゲットパワーレベルより大きく、源圧力が第2のアラーム圧力より低い場合にステップ230において表示される。
【0019】
上述の記載から、有意な利点を有する発明が提供されていることが明らかである。本発明はその形のいくつかが示されているだけであるが、これは限定されるものではなく、本発明の精神から離れることなく様々な変更及び変形を行うことができる。
図1
図2