特許第5930379号(P5930379)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5930379
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】冷房装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/00 20110101AFI20160526BHJP
   F24F 1/02 20110101ALI20160526BHJP
   F25D 3/00 20060101ALI20160526BHJP
   F25D 7/00 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
   F24F1/00 331
   F24F1/02 341
   F25D3/00 D
   F25D7/00 Z
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-41013(P2012-41013)
(22)【出願日】2012年2月28日
(65)【公開番号】特開2013-177995(P2013-177995A)
(43)【公開日】2013年9月9日
【審査請求日】2015年1月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000169499
【氏名又は名称】高砂熱学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】中川 清二
(72)【発明者】
【氏名】大和瀬 靖司
(72)【発明者】
【氏名】清水 保夫
(72)【発明者】
【氏名】高倉 健一
【審査官】 河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3115995(JP,U)
【文献】 特開平07−229633(JP,A)
【文献】 米国特許第06357251(US,B1)
【文献】 特開平09−257352(JP,A)
【文献】 米国特許第05056588(US,A)
【文献】 実開昭59−098217(JP,U)
【文献】 実開平04−020919(JP,U)
【文献】 実開昭59−038621(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0078704(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 5/00
F24F 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンを有し、前記ファンの回転によって空気を吸い込む吸込部と、
前記吸込部の下流側に設けられ、前記吸込部から吸込まれた空気を吹き出す吹出部と、
前記吸込部と前記吹出部との間の流路に配設されており、冷熱を蓄える潜熱蓄熱材が収容され、出し入れ自在な複数の蓄熱材収容器から構成されている蓄熱部と、水を貯留するタンクと、前記タンクに貯留された水を吸水し、前記空気の流路方向と平行に複数配設されている吸水材とを有する気化冷却部と、前記蓄熱部と前記気化冷却部との間に配設され開口部を有する仕切り板と、を有する冷却部と、
を備え、
前記蓄熱部と前記気化冷却部とは、前記流路に沿って直列に配設され、
前記流路の空気は、前記蓄熱部の潜熱や前記蓄熱部との熱交換、前記気化冷却部の潜熱、前記気化冷却部との熱交換によって温度が調節可能であり、
前記冷却部は、前記仕切り板によって、前記蓄熱部が配置されている空間と、前記気化冷却部が配置されている空間とに分けられている、
ことを特徴とする冷房装置。
【請求項2】
ファンを有し、前記ファンの回転によって空気を吸い込む吸込部と、
前記吸込部の下流側に設けられ、前記吸込部から吸込まれた空気を吹き出す吹出部と、
前記吸込部と前記吹出部との間の流路に配設されており、冷熱を蓄える潜熱蓄熱材が収容され、出し入れ自在な複数の蓄熱材収容器から構成されている蓄熱部と、水を貯留するタンクと、前記タンクに貯留された水を吸水し、前記空気の流路方向と平行に複数配設されている吸水材とを有する気化冷却部と、前記蓄熱部と前記気化冷却部との間に配設され開口部を有する仕切り板と、を有する冷却部と、
を備え、
前記蓄熱部と前記気化冷却部とは、前記流路に沿って直列に配設され、
前記流路の空気は、前記蓄熱部の潜熱や前記蓄熱部との熱交換、前記気化冷却部の潜熱、前記気化冷却部との熱交換によって温度が調節可能であり、
前記気化冷却部が前記蓄熱部の下方かつ前記流路における下流側に配設され、前記開口部が前記気化冷却部の前記流路における最上流側に配設されている、
ことを特徴とする冷房装置。
【請求項3】
ファンを有し、前記ファンの回転によって空気を吸い込む吸込部と、
前記吸込部の下流側に設けられ、前記吸込部から吸込まれた空気を吹き出す吹出部と、
前記吸込部と前記吹出部との間の流路に配設されており、冷熱を蓄える潜熱蓄熱材が収容され、出し入れ自在な複数の蓄熱材収容器から構成されている蓄熱部と、水を貯留するタンクと、前記タンクに貯留された水を吸水し、前記空気の流路方向と平行に複数配設されている吸水材とを有する気化冷却部と、前記蓄熱部と前記気化冷却部との間に配設され開口部を有する仕切り板と、を有する冷却部と、
を備え、
前記蓄熱部と前記気化冷却部とは、前記流路に沿って直列に配設され、
前記流路の空気は、前記蓄熱部の潜熱や前記蓄熱部との熱交換、前記気化冷却部の潜熱、前記気化冷却部との熱交換によって温度が調節可能であり、
前記気化冷却部が前記蓄熱部の下方かつ前記流路における上流側に配設され、前記開口部が前記気化冷却部の前記流路における最下流側に配設されている、
ことを特徴とする冷房装置。
【請求項4】
ファンを有し、前記ファンの回転によって空気を吸い込む吸込部と、
前記吸込部の下流側に設けられ、前記吸込部から吸込まれた空気を吹き出す吹出部と、
前記吸込部と前記吹出部との間の流路に配設されており、冷熱を蓄える潜熱蓄熱材が収容され、出し入れ自在な複数の蓄熱材収容器から構成されている蓄熱部と、水を貯留するタンクと、前記タンクに貯留された水を吸水し、前記空気の流路方向と平行に複数配設されている吸水材とを有する気化冷却部と、前記蓄熱部と前記気化冷却部との間に配設され開口部を有する仕切り板と、を有する冷却部と、
を備え、
前記蓄熱部と前記気化冷却部とは、前記流路に沿って直列に配設され、
前記流路の空気は、前記蓄熱部の潜熱や前記蓄熱部との熱交換、前記気化冷却部の潜熱、前記気化冷却部との熱交換によって温度が調節可能であり、
前記吸込口と前記ファンとは離間して配設され、前記ファンと前記開口部とは離間して配設され、前記開口部と前記吹出口とは離間して配設され、前記ファンから前記冷却部を通過して前記吹出部から吹き出す流路が屈曲する、
ことを特徴とする冷房装置。
【請求項5】
ファンを有し、前記ファンの回転によって空気を吸い込む吸込部と、
前記吸込部の下流側に設けられ、前記吸込部から吸込まれた空気を吹き出す吹出部と、
前記吸込部と前記吹出部との間の流路に配設されており、冷熱を蓄える潜熱蓄熱材が収容され、出し入れ自在な複数の蓄熱材収容器から構成されている蓄熱部と、水を貯留するタンクと、前記タンクに貯留された水を吸水し、前記空気の流路方向と平行に複数配設されている吸水材とを有する気化冷却部と、前記蓄熱部と前記気化冷却部との間に配設され開口部を有する仕切り板と、を有する冷却部と、
を備え、
前記蓄熱部と前記気化冷却部とは、前記流路に沿って直列に配設され、
前記流路の空気は、前記蓄熱部の潜熱や前記蓄熱部との熱交換、前記気化冷却部の潜熱、前記気化冷却部との熱交換によって温度が調節可能であり、
前記吸込口と前記ファンとは離間して配設され、前記吸込口と前記ファンとの間の流路が屈曲するとともに、前記ファンと前記開口部とは離間して配設され、前記開口部と前記吹出口とは離間して配設され、前記ファンから前記冷却部を通過して前記吹出部から吹き出す流路が屈曲する、
ことを特徴とする冷房装置。
【請求項6】
前記仕切り板は、その上面に前記蓄熱材収容器を載置する、
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の冷房装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、吸込部と吹出部との間の流路に出し入れ可能に配置された潜熱蓄熱材を使用した冷房装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エア・コンディショナなどの空気調和設備は、電力を使用してコイルなどの温調器を制御して、空気を調温する。このため、外気温と設定温度との差が大となる夏季や冬季は、温調器の制御に使用する電力が大となる。
【0003】
そこで、とくに製氷機で氷を作り、その氷と装置内に送り込まれた空気とを直接接触させることにより冷熱を発生させるようにした可搬式冷房装置に関する技術(例えば、特許文献1参照。)が知られている。また、冷熱源雪氷は、専用の収納セイロを仕立てこれに充填して通風孔を加工し、冷熱源ユニットとする冷熱源雪氷のセイロ収納による冷房装置の構成方法に関する技術(例えば、特許文献2参照。)が知られている。さらに、機筐内を流れる気流に平行な間隙を存して併設した複数枚の板状含水材を、調温装置により適温とした水で濡らした湿式熱交換器で、熱交換部を構成した室内空気調和装置に関する技術(例えば、特許文献3参照。)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−213330号公報
【特許文献2】特開2000−230763号公報
【特許文献3】特許第2923765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1は、散水したり、氷を製造したりする装置が必要となるため電力を消費してしまうものである。また、特許文献2は、雪氷を利用して冷房を行うので、雪氷を確保できない場合は実施が困難となる。さらに、特許文献3は、調温装置は外部の熱源を採用しているので、配管接続などの工事が必要で簡便に使用できるものではなく、構成が比較的複雑となり製造コストが高くなるという問題がある。
【0006】
また、近年は、節電、省エネルギーに対する関心、需要が高まっていることや、特に夏季の昼間の電力負荷軽減に対する要請が高まっていることもあり、消費電力を抑制可能な冷房装置が望まれている。ところが、家庭や小規模な事務所などでは、大規模な事務所に比べて節電の取り組みが弱いとされている。これら建物への簡便かつ低コストでの冷房対策が望まれる一方、冷房装置の冷房需要は使用電力の均一化の隘路となっており、改善の余地がある。
【0007】
この発明は、前記の課題を解決し、コイルなどの調温器を用いることなく、簡易な構成で消費電力を抑制し十分な冷房を行うことが可能な冷房装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するために、請求項1の発明は、ファンを有し、前記ファンの回転によって空気を吸い込む吸込部と、前記吸込部の下流側に設けられ、前記吸込部から吸込まれた空気を吹き出す吹出部と、前記吸込部と前記吹出部との間の流路に配設されており、冷熱を蓄える潜熱蓄熱材が収容され、出し入れ自在な複数の蓄熱材収容器から構成されている蓄熱部と、水を貯留するタンクと、前記タンクに貯留された水を吸水し、前記空気の流路方向と平行に複数配設されている吸水材とを有する気化冷却部と、前記蓄熱部と前記気化冷却部との間に配設され開口部を有する仕切り板と、を有する冷却部と、を備え、前記蓄熱部と前記気化冷却部とは、前記流路に沿って直列に配設され、前記流路の空気は、前記蓄熱部の潜熱や前記蓄熱部との熱交換、前記気化冷却部の潜熱、前記気化冷却部との熱交換によって温度が調節可能であり、前記冷却部は、前記仕切り板によって、前記蓄熱部が配置されている空間と、前記気化冷却部が配置されている空間とに分けられている、ことを特徴とする冷房装置である。
【0009】
この発明によれば、吸込部から吸い込まれた空気は、蓄熱部の潜熱蓄熱材と気化冷却部の吸水材との熱交換によって温度が調節されて、吹出部から吹き出される。
【0010】
請求項2の発明は、ファンを有し、前記ファンの回転によって空気を吸い込む吸込部と、前記吸込部の下流側に設けられ、前記吸込部から吸込まれた空気を吹き出す吹出部と、前記吸込部と前記吹出部との間の流路に配設されており、冷熱を蓄える潜熱蓄熱材が収容され、出し入れ自在な複数の蓄熱材収容器から構成されている蓄熱部と、水を貯留するタンクと、前記タンクに貯留された水を吸水し、前記空気の流路方向と平行に複数配設されている吸水材とを有する気化冷却部と、前記蓄熱部と前記気化冷却部との間に配設され開口部を有する仕切り板と、を有する冷却部と、を備え、前記蓄熱部と前記気化冷却部とは、前記流路に沿って直列に配設され、前記流路の空気は、前記蓄熱部の潜熱や前記蓄熱部との熱交換、前記気化冷却部の潜熱、前記気化冷却部との熱交換によって温度が調節可能であり、前記気化冷却部が前記蓄熱部の下方かつ前記流路における下流側に配設され、前記開口部が前記気化冷却部の前記流路における最上流側に配設されている、ことを特徴とする冷房装置である。
請求項3の発明は、ファンを有し、前記ファンの回転によって空気を吸い込む吸込部と、前記吸込部の下流側に設けられ、前記吸込部から吸込まれた空気を吹き出す吹出部と、前記吸込部と前記吹出部との間の流路に配設されており、冷熱を蓄える潜熱蓄熱材が収容され、出し入れ自在な複数の蓄熱材収容器から構成されている蓄熱部と、水を貯留するタンクと、前記タンクに貯留された水を吸水し、前記空気の流路方向と平行に複数配設されている吸水材とを有する気化冷却部と、前記蓄熱部と前記気化冷却部との間に配設され開口部を有する仕切り板と、を有する冷却部と、を備え、前記蓄熱部と前記気化冷却部とは、前記流路に沿って直列に配設され、前記流路の空気は、前記蓄熱部の潜熱や前記蓄熱部との熱交換、前記気化冷却部の潜熱、前記気化冷却部との熱交換によって温度が調節可能であり、前記気化冷却部が前記蓄熱部の下方かつ前記流路における上流側に配設され、前記開口部が前記気化冷却部の前記流路における最下流側に配設されている、ことを特徴とする冷房装置である。
【0011】
請求項の発明は、ファンを有し、前記ファンの回転によって空気を吸い込む吸込部と、前記吸込部の下流側に設けられ、前記吸込部から吸込まれた空気を吹き出す吹出部と、前記吸込部と前記吹出部との間の流路に配設されており、冷熱を蓄える潜熱蓄熱材が収容され、出し入れ自在な複数の蓄熱材収容器から構成されている蓄熱部と、水を貯留するタンクと、前記タンクに貯留された水を吸水し、前記空気の流路方向と平行に複数配設されている吸水材とを有する気化冷却部と、前記蓄熱部と前記気化冷却部との間に配設され開口部を有する仕切り板と、を有する冷却部と、を備え、前記蓄熱部と前記気化冷却部とは、前記流路に沿って直列に配設され、前記流路の空気は、前記蓄熱部の潜熱や前記蓄熱部との熱交換、前記気化冷却部の潜熱、前記気化冷却部との熱交換によって温度が調節可能であり、前記吸込口と前記ファンとは離間して配設され、前記ファンと前記開口部とは離間して配設され、前記開口部と前記吹出口とは離間して配設され、前記ファンから前記冷却部を通過して前記吹出部から吹き出す流路が屈曲する、ことを特徴とする冷房装置である
【0012】
請求項の発明は、ファンを有し、前記ファンの回転によって空気を吸い込む吸込部と、前記吸込部の下流側に設けられ、前記吸込部から吸込まれた空気を吹き出す吹出部と、前記吸込部と前記吹出部との間の流路に配設されており、冷熱を蓄える潜熱蓄熱材が収容され、出し入れ自在な複数の蓄熱材収容器から構成されている蓄熱部と、水を貯留するタンクと、前記タンクに貯留された水を吸水し、前記空気の流路方向と平行に複数配設されている吸水材とを有する気化冷却部と、前記蓄熱部と前記気化冷却部との間に配設され開口部を有する仕切り板と、を有する冷却部と、を備え、前記蓄熱部と前記気化冷却部とは、前記流路に沿って直列に配設され、前記流路の空気は、前記蓄熱部の潜熱や前記蓄熱部との熱交換、前記気化冷却部の潜熱、前記気化冷却部との熱交換によって温度が調節可能であり、前記吸込口と前記ファンとは離間して配設され、前記吸込口と前記ファンとの間の流路が屈曲するとともに、前記ファンと前記開口部とは離間して配設され、前記開口部と前記吹出口とは離間して配設され、前記ファンから前記冷却部を通過して前記吹出部から吹き出す流路が屈曲する、ことを特徴とする冷房装置である。
【0013】
請求項の発明は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の冷房装置において、前記仕切り板は、その上面に前記蓄熱材収容器を載置する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、吸込部から吸い込まれた空気は、潜熱蓄熱材の潜熱や吸水材の気化熱などの熱交換によって温度が調節されるので、空気の冷却にコイルなどが不要となり、簡易な構成で十分な冷房を行うことができる。つまり、吸込部のファンによって空気を吸い込むだけで、空気の温度を調節することができるため、電力を使用して温調器を制御する必要がなく、消費電力を抑制できる。また、温度の調節は、潜熱蓄熱材の潜熱と吸水材に含まれる水の気化熱の両方によって2段階で行われるので、効率的に温度を調節可能である。具体的には、潜熱蓄熱材が、固体から液体へと相転移する際に吸収する融解熱と、吸水材に含まれた水の気化熱によって、流路の空気を低下させることができる。つまり、この冷房装置の運転時には、大きな電力を使用せずに、温度調節が可能である。また、潜熱蓄熱材が蓄熱材収容器から出し入れが可能であり、冷却部が、蓄熱部が配置されている空間と、気化冷却部が配置されている空間とに分けられているため、潜熱蓄熱材が潜熱を失った場合、すなわち、冷房の効果が低下した場合は、開閉部から、潜熱を有する蓄熱材収容器と容易に交換することが可能であり、さらに、潜熱蓄熱材の収容数を調整することにより、効率的な温度調節が可能になる。
【0015】
請求項2、3に記載の発明によれば、気化冷却部が前記蓄熱部の下方に配設され、空気の流路が蓄熱部から開口部を経由して気化冷却部へと流れるように形成され、または気化冷却部から開口部を経由して蓄熱部へと流れるように形成されているので、空気が蓄熱部及び気化冷却部の全体に接触することが可能になるため、十分な冷却効果を得ることが可能になる。
【0016】
請求項4、5に記載の発明によれば、吸込口とファンとは、離間して配設されているため、ファンで発生した騒音が吸込口に到達するまでの間に、気流方向変換の過程で騒音を十分に吸収することが可能となる。また、ファンと開口部とは離間して配設され、開口部と吹出口とは離間して配設され、ファンから冷却部を通過して吹出部から吹き出す流路が屈曲しているため、吸込部から吸い込まれた空気が冷房装置内に滞留する時間が長くなることで、十分な冷却効果を得ることができる。しかも、冷房装置内において流路を屈曲させることで、冷房装置全体を省スペース化することができる。
【0017】
請求項に記載の発明によれば、仕切り板は、その上面に蓄熱材収容器を載置するので、空気の流路を形成するための仕切り板を蓄熱材収容器の載置台としても使用することにより、冷房装置全体を省スペース化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】この発明の実施の形態1に係る冷房装置の斜視図である。
図2図1の冷房装置のA−A断面図であり、説明のために吸込口を図示している。
図3図1の冷房装置のB−B断面図である。
図4図1の冷房装置の上蓋部を開放した状態の平面図である。
図5図1の冷房装置の仕切り板の平面図である。
図6図1の冷房装置の気化冷却部の吸水材を取外した状態の斜視図である。
図7図1の冷房装置の気化冷却部の吸水材を取り付けた状態の斜視図である。
図8図1の冷房装置の上蓋部を開放した状態の斜視図である。
図9図1の冷房装置のドレン取出口を開放した状態の斜視図である。
図10】この発明の実施の形態2に係る冷房装置のB−B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1ないし図9は、この発明の実施の形態1を示している。冷房装置1は、図1および図2に示すように、主として、吸込部2と、吹出部3と、蓄熱部4と気化冷却部5と冷却部仕切り板61とを有する冷却部6と、これらを収容している筺体7とを有している。この冷房装置1は、住宅内の部屋や事務室などの屋内の床面に設置されるものである。
【0022】
筺体7は、図1ないし図3に示すように、本体部71と、上蓋部72と、垂直仕切り板73とを有しており、防錆加工が施された金属、または、強化プラスチックなどの合成樹脂などで形成されている。本体部71は、上部が開口した略直方体に形成されている。本体部71は、底面パネル71b、正面パネル71e、背面パネル71f、側面パネル71c、71dを嵌合させて形成されている。底面パネル71bには、図1に示すようにキャスタ75a〜75dが配設されており、冷房装置1は床面を移動可能となっている。正面パネル71eの上側には、後述する吹出部3が配設されている。背面パネル71fには、図9に示すように開閉自在なドレン取出口74が取り付けられており、ドレン取出口74を開閉することによって、後述する気化冷却部5のドレンパン51を筺体7内に収容したり、取り出したりできるようになっている。この本体部71の上側には、上蓋部72が開閉自在に取り付けられている。
【0023】
上蓋部72は、その内部が中空のエアチャンバとして構成され具体的には、本体部71の背面パネル71fの上端部にヒンジを介して回動自在に配設されている。この上蓋部72は中空に形成されており、本体部71の開口を覆うことができるような形状、大きさに設定されている。この上蓋部72の中空部は後述する吸込部2の吸込口21とファン22との間の空気Kの流路(第1の空間部S1)を形成している。上面パネル72aは、奥行き側(本体部71の背面パネル71f側)が手前側(本体部71の正面パネル71e側)に対して段差を有するように形成されている。この上面パネル72aの奥行き側には後述する吸込部2の吸込口21が配設されている。また、底面パネル72bの手前側には後述するファン22が配設されている。また、上蓋部72を開閉することによって、蓄熱材収容器としての飲料用容器41を本体部71内に収容したり、取り出したりすることができるようになっている。上蓋部72の正面パネル72cには、後述するスイッチ8が配設されている。また、正面パネル72cの下端側にはツバ状の把持部72Hが形成されており、把持部72Hを把持して上蓋部72を本体部71に対して回動できるようになっている。さらに、上蓋部72内には、ファン22の周辺部に吸音材が配設されており、駆動音、回転音などの騒音を吸収するようになっている。
【0024】
垂直仕切り板73は、図3に示すように、本体部71内に正面パネル71eから所定距離だけ離れ、本体部71の下側部から吹出部3の上端高さまたはさらに上方の高さまで略垂直に延びており、水平仕切板73aは垂直仕切板73の上端から正面パネル71eの内壁面まで水平に延びている。そして、正面パネル71eと垂直仕切り板73と水平仕切板73aとの間に、後述する冷却部6で冷却された空気Kの流路(第4の空間部S4)を形成している。
【0025】
吸込部2は、図1ないし図3に示すように、筺体7の上蓋部72に配設され、吸込口21と、ファン22とを有し、ファン22の回転によって空気Kを吸い込むものである。吸込口21は、上蓋部72の上面パネル72aに配設されており、吸込口21の開口量を調節するためのスライド蓋21Cが配設されている。つまり、空気Kを吸い込む場合にはスライド蓋21Cをスライドして吸込口21を露出し、空気Kの吸込を停止する場合にはスライド蓋21Cをスライドして吸込口21を覆うようになっている。また、スライド蓋21Cのスライド位置を調節して吸込口21の露出量を調節することによって、空気Kの吸込量が調節自在である。
【0026】
ファン22は、商用電源からの電力によって駆動するモータ(図示略)を備え、スイッチ8を介して電源の入切を制御可能となっている。そして、吸込口21とファン22とは離間して配設されており、吸込口21とファン22との間の空気Kの流路が屈曲するように設定されている。このような吸込部2によって、外部から筺体7内に空気Kを吸い込むことができるようになっている。
【0027】
吹出部3は、図1および図3に示すように、筺体7の本体部71の正面パネル71eの上部に配設され、吸込部2の下流側に設けられ、吸込部2から吸込まれた空気Kを吹き出すものである。吹出部3は、縦および横向きの羽根を有し、気流の方向、到達距離を調節自在となっており、図1においては、吹出部3は開状態であり、室内の上部に冷気を吹き出すようにする。
【0028】
冷却部6は、図2および図3に示すように、吸込部2と吹出部3との間の流路に配設されており、蓄熱部4と、蓄熱部4の下流側に配設されている気化冷却部5と、蓄熱部4と気化冷却部5との間に配設され開口部を有する仕切り板としての冷却部仕切り板61とを有している。
【0029】
蓄熱部4は、図2ないし図4に示すように、筺体7の本体部71の略中央部(気化冷却部5の上方、冷却部仕切り板61の上方)の吸込部2と吹出部3との間の空気Kの流路(第2の空間部S2)に出し入れ可能に配置されている。この実施の形態では、蓄熱部4は、冷熱を蓄える潜熱蓄熱材としての水W1と、この水W1を収容する出し入れ自在な12本の飲料用容器41から構成されている。具体的には、蓄熱部4は、凝固させた水(氷)W1の融解熱を利用するようになっている。また、6本の飲料用容器41が1組となって、軟質プラスチック材などの合成樹脂材で形成されたケース42に収容されている。ケース42は、正面パネル71eに沿った方向に2個並んで収容されており、各ケース42には、飲料用容器41が正面パネル71eに沿った方向に2個、側面パネル71cに沿った方向に3個並んで収容されている。つまり、蓄熱部4内には、飲料用容器41が正面パネル71eに沿った方向に4個、側面パネル71cに沿った方向に3個並んで収容されている。また、ケース42は、上側に把持部42Hが形成されており、飲料用容器41の取り出し、運搬などの取り回しが容易となっている。つまり、具体的には、筺体7の上蓋部72を開放して、把持部42Hを把持した状態で飲料用容器41をまとめて取り出したり、収容したりすることができるようになっている。
【0030】
気化冷却部5は、図2および図3に示すように、筺体7の本体部71の下側(蓄熱部4の下方、冷却部仕切り板61の下方)の吸込部2と吹出部3との間の空気Kの流路(第3の空間部S3)に出し入れ可能に配設されており、空気Kの流路に沿って蓄熱部4の下流側に直列に配設されている。つまり、蓄熱部4で冷却された空気Kが、後述する冷却部仕切り板61の開口部61Aを通過して、この気化冷却部5に流入するようになっている。気化冷却部5は、水W2を貯留するタンクとしてのドレンパン51と、支持部材52と、ドレンパン51に貯留された水W2を吸水し、空気Kの流路方向と平行に複数配設されている吸水材53とを有している。ドレンパン51は、蓄熱部4の飲料用容器41外面において結露した水を回収して貯留するものである。具体的には、水W2は、後述する冷却部仕切り板61を通過して、ドレンパン51に回収、貯留されるようになっている。
【0031】
支持部材52は、図5および図6に示すように、ドレンパン51の上端部より上方まで延設され、吸水材53の上端側を支持可能なパイプ状部材52aと、ドレンパン51内に配設され、吸水材53の下端側を狭持可能な狭持部52bとを有している。この支持部材52によって、吸水材53が略垂直に立設した状態で、ドレンパン51に取り付けることができるようになっている。
【0032】
吸水材53は、吸水性、耐水性を有する紙や不織布などで構成され、支持部材52によって支持された状態で下端部側がドレンパン51内に貯留された水W2に浸ることによって、水W2を吸水し、全体が浸潤するようになっている。また、この吸水材53は、その面の方向が第3の空間部S3内を流れる空気Kの流路方向と平行に複数が配設されている。具体的には、吸水材53は、1枚のシート状部材を一端側が狭持部52bによって狭持され、他端側がドレンパン51の上端より上方に突出するように、筺体7の本体部71の側面71cに沿って平行に複数が配設されている。また、吸水材53は、背面パネル71f側、すなわち、開口部61Aの下方側(空気Kの流路上流側)を空けて配置することで、開口部61Aから第3の空間部S3に流入する空気Kが、吸水材53に接触して妨げられることなく、側面パネル71c側および側面パネル71d側にもスムーズに流れるようになっている。
【0033】
冷却部仕切り板61は、図2ないし図4図7に示すように、蓄熱部4と気化冷却部5との間に配設され、筺体7の本体部71の内周と略同等の大きさ、形状に設定され、底面パネル71bから所定距離だけ上方に離れて略平行に配設されている。冷却部仕切り板61は、上面に飲料用容器41を載置するようになっている。ここで、冷却部仕切り板61は、防錆加工が施された金属、または、強化プラスチックなどの合成樹脂などで形成されている。冷却部仕切り板61の外縁部には、一部が切欠かれた開口部61Aが形成されており、本体部71に取り付けられた状態で、背面パネル71fとの間に、開口部61Aによって開口が形成されるようになっている。また、開口部61Aと吸込部2のファン22とは離間して配設され、開口部61Aと吹出部3とは離間して配設され、ファン22から冷却部6を通過して吹出部3から吹き出す空気Kの流路が屈曲するように設定されている。
【0034】
また、冷却部仕切り板61には、蓄熱部4が載置される位置に複数の通水孔としての小孔61Bが形成されている。つまり、上面に飲料用容器41を載置した状態では、小孔61Bは塞がれた状態となっており、蓄熱部4の飲料用容器41外面において結露した水が、小孔61Bを通過して下方に落下し、ドレンパン51に回収、貯留されるようになっている。
【0035】
このように、第2の空間部S2の蓄熱部4に流入した空気Kは、ファン22による押込気流により開口部61Aから下方の第3の空間部S3に向かって流れるようになる。
【0036】
スイッチ8は、図1に示すように、筺体7の正面71aに配設され、ファン22の電源の入切を制御する機能を有している。
【0037】
次に、このような構成の冷房装置1の使用方法および作用について説明する。ここで、この冷房装置1を使用する場合は、既設の空気調和設備は、停止または設定温度を高くしたり風量を少なくしたりして使用する。
【0038】
まず、図8に示すように、筺体7の上蓋部72が開放されて、冷凍庫で凝固(凍結)させておいた複数の飲料用容器41がケース42ごと第2の空間部S2に収容された後に、再び上蓋部72が閉じられる。また、図9に示すように、ドレン取出口74が開放されて水を貯留させた状態のドレンパン51が収容されて、再びドレン取出口74が閉じられる。
【0039】
そして、吹出部3を人の執務区域など冷却したい区域に向くように風向が調節されて、吸込部2のスライド蓋21Cがスライドされて吸込口21が露出されるとともに、スイッチ8によってファン22の電源が投入されて、冷房装置1が起動される。このとき、スライド蓋21Cのスライド量が調節されることで、吸込口21からの空気Kの吸込量(風量)が調節される。
【0040】
そして、吸込部2のファン22が回転することによって吸込口21から空気Kが筺体7内に吸い込まれる。
【0041】
そして、吸込部2からファン22の回転によって吸い込まれた空気Kによって、第1の空間部S1、第2の空間部S2、第3の空間部S3、第4の空間部S4を順次通過し、吹出部3から吹き出される流路が形成される。具体的には、吸込部2から吸い込まれた空気Kは、第1の空間部S1から第2の空間部S2へと流入する際には、筺体7の上蓋部72の正面側から蓄熱部4が配設されている第2の空間部S2に吹き出される。
【0042】
そして、第2の空間部S2へ流入した空気Kは、ケース42に収容された飲料用容器41の全体と接触しながら、冷却部仕切り板61の開口部61Aへ向かって送出される。このとき、飲料用容器41に収容された水W1が、固体(氷)から液体(水)へと相転移する際に吸収する融解熱によって、空気Kの温度が低下させられる。このように蓄熱部4によって冷却された空気Kは、ケース42に沿って蓄熱部4の下端側に到達すると、冷却部仕切り板61の開口部61Aを通過して、第3の空間部S3に吹き出される。
【0043】
そして、第3の空間部S3に流入した空気Kは、第4の空間部S4に向かって送出されるとともに吸水材53の全体と接触する。この際に、吸水材53に含まれる水W2の気化熱によって、空気Kの温度がさらに低下させられる。
【0044】
ここで、蓄熱部4の飲料用容器41およびケース42の外面において結露した水は、冷却部仕切り板61の小孔61Bを通過して下方に落下されて、ドレンパン51に貯留される。
【0045】
そして、第3の空間部S3から第4の空間部S4に流入した空気Kは、吹出口3から室内へ吹き出される。
【0046】
また、水W1が融解して潜熱を失った場合、すなわち、冷房の効果が低下した場合は、筺体7の上蓋部72が開放されて、冷凍庫で凝固(凍結)させておいた水W1が収容された複数の飲料用容器41がケース42ごと交換される。
【0047】
以上のように、この実施の形態に係る発明によれば、吸込部2から吸い込まれた空気Kは、水W1の潜熱や吸水材53に含まれる水W2の気化熱などの熱交換によって温度が調節されるので、空気Kの冷却にコイルなどが不要となり、簡易な構成で十分な冷房を行うことができる。つまり、吸込部2のファン22によって空気Kを吸い込むだけで、空気Kの温度を調節することができるため、電力を使用して温調器を制御する必要がなく、消費電力を抑制できる。また、温度の調節は、水(氷)W1の潜熱と吸水材53に含まれる水W2の気化熱の両方によって2段階で行われるので、効率的に温度を調節可能である。例えば、暑さの厳しい夏季昼間の時間帯においては、水W1の潜熱と水W2の気化熱を利用して冷却し、融解して潜熱を失った後でも負荷が少なくなる夕方から夜においては、水W1に残っている顕熱と水W2の気化熱によっても充分な冷却効果が得られる。具体的には、水W1が、固体から液体へと相転移する際に吸収する融解熱と、吸水材53に含まれる水W2の気化熱によって、流路の空気を低下させることができる。つまり、この冷房装置1の運転時には、大きな電力を使用せずに、温度調節が可能である。
【0048】
また、蓄熱部4の飲料用容器41は、ケース42に収容されているため、飲料用容器41と空気Kとが直接接触する面積を縮小し、飲料用容器41を保温できるとともに、空気Kの過冷却を防止することができる。つまり、空気Kを適温でより長時間冷却することが可能となり、冷房装置1の冷房効果を長時間持続することが可能である。また、飲料用容器41は誰でも容易に入手でき、他の部材の構成も簡易であるので、家庭や小規模な事務所などでも簡便かつ低コストでの冷房対策として導入しやすい。
【0049】
また、冷却部仕切り板61の小孔61Bによって、飲料用容器41の外面に付着した水滴を、下方へ通過させてドレンパン51で回収するので、別途回収タンクやドレンなどを設置する必要がないため、冷房装置全体を省スペース化することができる。
【0050】
また、吸込口21とファン22とは、離間して配設され、吸込口21とファン22との間の流路が屈曲しているため、ファン22で発生した騒音が吸込口21に到達するまでの間に、気流方向変換の過程で駆動音、回転音などの騒音を十分に吸収することが可能となる。また、ファン22と開口部61Aとは離間して配設され、開口部61Aと吹出部3とは離間して配設され、ファン22から冷却部6を通過して吹出部3から吹き出す流路が屈曲しているため、吸込部2から吸い込まれた空気Kが冷房装置1内に滞留する時間を長くし、空気Kを蓄熱部4および気化冷却部5の全体に接触するようにすることが可能である。つまり、空気Kが、蓄熱部4および気化冷却部5においてショートサーキットを起こさずに、全体を通過するように流路を形成することによって、十分な冷却効果を得ることができる。しかも、冷房装置1内において空気Kの流路を屈曲させることで、冷房装置1全体を省スペース化することができる。
【0051】
また、ファン22は、蓄熱部4および気化冷却部5の上流側に配設されていることにより、結露を防止し、発錆や装置の故障を防ぐことができるので、メンテナンスが容易である。
【0052】
また、吸水材53は、その面の方向が空気Kの流路方向と平行に配設されているので、気化冷却部5における気流の圧力損失を低減できるため、ファン22で使用する消費電力を削減することが可能である。
【0053】
さらに、蓄熱部4は、潜熱蓄熱材と、潜熱蓄熱材を収容する複数の飲料用容器41から構成されているので、飲用後の飲料用容器41を利用することで、取り扱いが容易で、蓄熱部4の製作コストを低減することができる。また、潜熱蓄熱材を収容した飲料用容器41は、筺体7の上蓋部72を開放して、出し入れが自由であるため、潜熱蓄熱材に蓄えた冷熱が小となった場合には、取り出して十分に冷熱を蓄えているものと容易に入れ替えすることができる。このため、冷房装置1の冷房の効果を長く、一定に持続させることができる。
【0054】
特に、冷房時に使用する蓄熱部4は、潜熱蓄熱材として水W1と、飲用後の飲料用容器41とを利用することで、蓄熱部4をオフィスや家庭に設置されている冷凍庫などで容易に凝固(凍結)させることができる。特に、飲料用容器41に収容した水W1を、電力使用量が減る夜間に冷凍庫で凍結させて、昼間に冷房装置1の蓄熱部4として使用することによって、昼間は電気使用量を削減しながら、つまり、電力を使用して蓄熱部4を冷却することなく、高い冷房効果を得ることができる。
【0055】
さらにまた、冷房装置1と既設の空気調和設備とともに使用すると、冷房装置1によって、室内に冷房した空気Kを吹き出すことができるので、既設の空気調和設備の吸込温度が低温になる。このため、既設の空気調和設備のヒートポンプエアコンなどの圧縮機や、弁開度、ファンコイルなどの送風機の運転を抑制することができる。このように、冷房の電力使用量を削減しながらも、冷房の効果を高めることができる。
【0056】
(実施の形態2)
図10は、この発明の実施の形態2を示している。この実施の形態では、冷房装置100は、主として吸込部200、吹出部300、蓄熱部4、気化冷却部5の配置が、実施の形態1と異なる。このため、実施の形態1と同等の構成については、同一符号又は対応する符号を付することで、その説明を省略する。
【0057】
筺体700は、本体部710と、上蓋部720と、垂直仕切り板730とを有している。本体部710は、奥行き側(背面パネル710f側)が手前側(正面パネル710e側)に対して段差を有するように形成されており、背面パネル710fは正面パネル710eより上蓋部720の高さ分だけ小に形成されている。本体部710の内側には、垂直仕切り板730が、正面パネル710eから所定距離だけ離れ、本体部710の下側部から正面パネル710eと同じ高さまで略垂直に延びており、正面パネル710eと垂直仕切り板730との間に、吸込部200からファン220に向かって流れる空気Kの流路(第1の空間部S11)を形成している。
【0058】
本体部710の上面パネル710aの正面側には吸込部200の吸込口210が配設され、第1の空間部S11の出口側、すなわち、垂直仕切り板730の下端側には、ファン220が配設されている。
【0059】
本体部710の上側には、上蓋部720が開閉自在に取り付けられており、上蓋部72の中空部は上蓋部720の底面720bの正面側に形成された開口部720Aと上蓋部720の背面720f側に配設された吹出部300との間の空気Kの流路(第4の空間部S14)を形成している。
【0060】
このような構成の冷房装置100において空気Kは、吸込部200のファン220によって、吸込口210で吸い込まれて、第1の空間部S11を通過してファン220を介して第2の空間部S12に吹き出される。
【0061】
そして、空気Kは、第2の空間部S12において冷却部5によって冷却されて、冷却部仕切り板61の開口部61Aを通過して、第3の空間部S13に吹き出される。
【0062】
そして、空気Kは、第3の空間部S13において蓄熱部4によって冷却されて、上蓋部720の開口部720Aを通過して、第4の空間部S14に吹き出される。
【0063】
そして、空気Kは、第4の空間部S14を通過して、吹出部300から吹き出される。
【0064】
この冷房装置100によれば、冷房装置1と同様に空気Kを冷却することが可能である。つまり、蓄熱部4と気化冷却部5とはいずれを上流にした場合であっても、同様な冷却効果を得ることが可能である。また、空気Kを吸い込むためのファン220が、筺体700の本体部710の下側に、すなわち、吸込口210と離間して配設されているため、駆動音、回転音などの騒音の発生を抑制できる。
【0065】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、この実施の形態では、水W1を収容する蓄熱材収容器は、飲料用容器41を用いる場合について説明したが、蓄熱材収容器は水W1を含有する高吸水性樹脂材料などを収容した合成樹脂材の他の容器や袋であってもよい。また、潜熱蓄熱材は、0℃から略10℃で相転移(融解)するものであれば、この実施の形態にあげたものに限定されないことはもちろんである。
【0066】
また、蓄熱材収容器は飲料用容器41には限定されず、ペットボトルなどに代表される合成樹脂製の蓋付きの容器で、飲料水以外にも、洗剤、調味料などが収容されて市販されているものを、内容物を消費して空にした後に用いることもできる。また、材質は飲料用容器41に広く用いられるポリエチレンテレフタラートに限らずポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどでもよいことはもちろんである。
【0067】
また、飲料用容器41の数は12本には限定されないことはもちろんであり、設置場所などに応じて増減させることで、所望の冷却効果を得られるようにすればよい。
【0068】
また、筺体7に、水W1の状態、すなわち、氷の溶け具合を確認するための窓部を設けてもよい。
【0069】
また、筺体7の例えば、スイッチ8が配設されている周辺部に温度表示部を配設し、空気Kの吹出部温度と室温(吸込部温度)を表示するようにして、冷房効果を視認しやすくしてもよい。
【0070】
さらに、吸込部2のスライド蓋21Cにより風量を調整する構成に限らず、吹出部3にシャッタ等を設けて、その開度により風量を調整する構成としてもよい。
【0071】
さらにまた、支持部材52は、吸水材53がその下端を狭持部52で狭持されるだけで立設できる場合は、パイプ状部材52aを設けない構成としてもよい。また、吸水材53は、1枚の長い吸水材53をジグザク状に複数回折ってその折り目を支持部材52の狭持部52bに狭持するようにしてもよい。さらに、支持部材52を別途設けることなく狭持部52bをドレンパン51の底部に一体的に形成する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 冷房装置
2 吸込部
22 ファン
3 吹出部
4 蓄熱部
41 飲料用容器
42 ケース
5 気化冷却部
51 ドレンパン(タンク)
53 吸水材
6 冷却部
61 冷却部仕切り板(仕切り板)
61A 開口部
61B 小孔(通水孔)
7 筺体
72 上蓋部(開閉部)
W1 水(潜熱蓄熱材)
W2 水
K 空気
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10