特許第5930406号(P5930406)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5930406
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】ピッキング設備
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20160526BHJP
   B65G 47/68 20060101ALI20160526BHJP
   B65G 47/90 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
   B65G1/137 A
   B65G47/68 E
   B65G47/90 B
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-173934(P2013-173934)
(22)【出願日】2013年8月23日
(65)【公開番号】特開2015-40118(P2015-40118A)
(43)【公開日】2015年3月2日
【審査請求日】2015年3月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】504044540
【氏名又は名称】東邦ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120352
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149331
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 昌人
(72)【発明者】
【氏名】森久保 光男
(72)【発明者】
【氏名】有留 逸郎
【審査官】 藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−202342(JP,A)
【文献】 特開2004−010289(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
B65G 47/68
B65G 47/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同じ種類の物品を複数個収納する収納体と、複数種類の物品を複数個収納する出荷容器と、があり、
複数種類の物品が、種類別に前記収納体に収納され、
複数の前記収納体から物品を取り出し、その取り出した複数種類の物品を前記出荷容器に収納するピッキング設備であって、
前記収納体が、収納容器であり、
前記収納容器を載置搬送する第1搬送コンベヤと、
物品を載置搬送する第2搬送コンベヤと、
前記第1搬送コンベヤ上の前記収納容器から物品を取り出し、当該物品を第2搬送コンベヤ上に移載する移載ロボットと、が設けられ、
前記第1搬送コンベヤ、前記第2搬送コンベヤ及び前記移載ロボットにて構成された物品取出装置が、複数設けられ、
前記複数の物品取出装置で異なる種類の物品が扱われ、
前記複数の物品取出装置が、前記第2搬送コンベヤにて載置搬送した物品を単一の第3搬送コンベヤに合流させるように設けられ、
前記第3搬送コンベヤが、前記複数の第2搬送コンベヤから合流した複数種の物品を搬送方向の下流側端部から投入箇所に位置する前記出荷容器に投入させ、
前記投入箇所の上流から前記投入箇所の下流に前記出荷容器を載置搬送する第4搬送コンベヤが設けられ
前記物品取出装置の夫々が、1台の前記第1搬送コンベヤ、1台の前記移載ロボット、及び、複数の前記第2搬送コンベヤにて構成され、
前記複数の第2搬送コンベヤの夫々が、前記第3搬送コンベヤの搬送方向と直交する方向に延びる状態で設けられ、
前記複数の第2搬送コンベヤが、前記第3搬送コンベヤの搬送方向に並設され、
前記移載ロボットが、1つの前記収納容器から取り出す物品について同じ前記出荷容器に収納する物品が複数ある場合は、その複数の物品を異なる第2搬送コンベヤに移載するピッキング設備。
【請求項2】
前記収納容器を収納する収納棚と、
前記収納棚から出庫箇所に前記収納容器を搬送し、且つ、前記出庫箇所とは別の箇所に設定された入庫箇所から前記収納棚に前記収納容器を搬送する搬送装置と、が設けられ、
前記第1搬送コンベヤが、前記出庫箇所に搬送された前記収納容器を前記入庫箇所に載置搬送し、
前記第1搬送コンベヤの前記出庫箇所から前記入庫箇所への搬送経路の途中に取出箇所が設定され、
前記移載ロボットが、前記第1搬送コンベヤにおける前記取出箇所に位置する前記収納容器から物品を取り出す請求項1記載のピッキング設備。
【請求項3】
前記複数の第2搬送コンベヤ、前記第3搬送コンベヤ及び第4搬送コンベヤを制御する制御装置が設けられ、
前記第3搬送コンベヤが、物品を投入する前記出荷容器の夫々に対応する複数の搬送ゾーンに区分設定され、前記搬送ゾーンは、前記第3搬送コンベヤによる搬送作動に伴って前記第3搬送コンベヤの搬送経路に沿って移動し、
前記制御装置が、
前記第2搬送コンベヤにて搬送する物品を当該物品に対応する前記搬送ゾーンに位置するように前記第3搬送コンベヤに合流させ、前記搬送ゾーンが前記第3搬送コンベヤの下流側端部に位置するときに、当該搬送ゾーンに対応する前記出荷容器を前記投入箇所に位
置するように、前記複数の第2搬送コンベヤ、前記第3搬送コンベヤ及び第4搬送コンベヤを制御する請求項1又は2に記載のピッキング設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同じ種類の物品を複数個収納する収納体と、複数種類の物品を複数個収納する出荷容器と、があり、複数種類の物品が、種類別に前記収納体に収納され、複数の前記収納体から物品を取り出し、その取り出した複数種類の物品を前記出荷容器に収納するピッキング設備に関する。
【背景技術】
【0002】
かかるピッキング設備の従来例が特開2011−079619号公報(特許文献1)に記載されている。特許文献1のピッキング設備では、複数種類の物品が、種類別に収納体に収納されており、物品を出荷する場合は、出荷する物品の種類及び個数に応じて、複数の収納体から物品を取り出し、その取り出した複数種類で且つ複数個の物品を纏めて出荷容器に収納させるようにして、ピッキング作業が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−079619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1のピッキング設備では、ピッキング作業を作業者が行っており、出荷する物品の種類及び個数に応じて複数の収納体から物品を取り出す場合、表示器ピッキングや台車ピッキングにより複数の収納体に対して2人以上の作業者が取り出し作業を行って、出荷する物品を出荷容器に収納している。
説明を加えると、台車作業ブロックで台車ピッキングにより収容体(棚72,73の収納部)から取り出された物品は容器に入れられて投入作業ブロックまで搬送され、投入作業ブロックに待機していた別の作業者が、容器から出荷容器に移し替えて物品を収納容器に収納している。この台車ピッキングでは、台車ピッキングに用いられた容器は投入作用ブロックに搬送されるため、当該容器を別の台車ピッキングで再利用するためには台車作業ブロックに返却する必要があり、ピッキング作業の作業効率が悪いものとなっていた。
また、表示器作業ブロック3では、作業者1人に対して収納体(棚31の収納部)が複数並設され、作業者は、これらの複数の収納体から必要な物品を表示器ピッキングにより取り出す。このように表示器ピッキングでは、作業者の近くに複数の収納体を設置しているため、ピッキング作業を行うためのスペースとして広いスペースが必要となる。
【0005】
そこで、複数の収納体から複数種類の物品を取り出す作業を省スペースで且つ効率よく行えるピッキング設備の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るピッキング設備の特徴構成は、同じ種類の物品を複数個収納する収納体と、複数種類の物品を複数個収納する出荷容器と、があり、複数種類の物品が、種類別に前記収納体に収納され、複数の前記収納体から物品を取り出し、その取り出した複数種類の物品を前記出荷容器に収納するピッキング設備であって、前記収納体が、収納容器であり、前記収納容器を載置搬送する第1搬送コンベヤと、物品を載置搬送する第2搬送コンベヤと、前記第1搬送コンベヤ上の前記収納容器から物品を取り出し、当該物品を第2搬送コンベヤ上に移載する移載ロボットと、が設けられ、前記第1搬送コンベヤ、前記第2搬送コンベヤ及び前記移載ロボットにて構成された物品取出装置が、複数設けられ、前記複数の物品取出装置で異なる種類の物品が扱われ、前記複数の物品取出装置が、前記第2搬送コンベヤにて載置搬送した物品を単一の第3搬送コンベヤに合流させるように設けられ、前記第3搬送コンベヤが、前記複数の第2搬送コンベヤから合流した複数種の物品を搬送方向の下流側端部から投入箇所に位置する前記出荷容器に投入させ、前記投入箇所の上流から前記投入箇所の下流に前記出荷容器を載置搬送する第4搬送コンベヤが設けられ、前記物品取出装置の夫々が、1台の前記第1搬送コンベヤ、1台の前記移載ロボット、及び、複数の前記第2搬送コンベヤにて構成され、前記複数の第2搬送コンベヤの夫々が、前記第3搬送コンベヤの搬送方向と直交する方向に延びる状態で設けられ、前記複数の第2搬送コンベヤが、前記第3搬送コンベヤの搬送方向に並設され、前記移載ロボットが、1つの前記収納容器から取り出す物品について同じ前記出荷容器に収納する物品が複数ある場合は、その複数の物品を異なる第2搬送コンベヤに移載する点にある。
【0007】
この特徴構成によれば、複数の物品取出装置の夫々において、第1搬送コンベヤにて収納容器を載置搬送し、その第1搬送コンベヤにて載置搬送された収納容器から移載ロボットが物品を取り出して第2搬送コンベヤ上に移載するようになっている。
そして、複数の物品取出装置の夫々で第2搬送コンベヤ上に移載された物品は、第2搬送コンベヤにて載置搬送されて単一の第3搬送コンベヤに合流され、その合流された物品は、第3搬送コンベヤにて載置搬送されて、搬送下流側端部から出荷容器に投入される。
【0008】
そのため、複数の収納体から複数種類の物品を取り出して出荷容器に収納するピッキング作業を、第1搬送コンベヤ、第2搬送コンベヤ、移載ロボット及び第3搬送コンベヤにて自動的に行うことができる。
そして、第1搬送コンベヤにて出荷する物品が収納されている収納容器を順次搬送することができるため、移載ロボットの近くに多数の収納容器を置いておく必要がなく、複数の収納容器から物品を取り出す作業を省スペースで行うことができる。また、収納容器から取り出した物品は別の容器に収納することなく第2コンベヤにて載置搬送することで、収納容器から取り出した物品を収納するための別の容器が必要なく、当該容器を使用した場合のように容器を再利用する為に返却する作業が必要ないため、ピッキング作業を効率よく行える。
また、物品取出装置において複数の第2搬送コンベヤにて複数の物品を載置搬送して、その複数の物品を第3搬送コンベヤに合流させる場合は、複数の第2搬送コンベヤにて別々に載置搬送される。そのため、複数の第2搬送コンベヤにて同時に第3搬送コンベヤに合流させることができ、1つの物品取出装置から第3搬送コンベヤに合流させる複数の物品を、素早く合流させることができる。
【0009】
ここで、前記収納容器を収納する収納棚と、前記収納棚から出庫箇所に前記収納容器を搬送し、且つ、前記出庫箇所とは別の箇所に設定された入庫箇所から前記収納棚に前記収納容器を搬送する搬送装置と、が設けられ、前記第1搬送コンベヤが、前記出庫箇所に搬送された前記収納容器を前記入庫箇所に載置搬送し、前記第1搬送コンベヤの前記出庫箇所から前記入庫箇所への搬送経路の途中に取出箇所が設定され、前記移載ロボットが、前記第1搬送コンベヤにおける前記取出箇所に位置する前記収納容器から物品を取り出すと好適である。
【0010】
この構成によれば、搬送装置にて収納棚から出庫箇所に搬送された収納容器は、第1搬送コンベヤにて取出箇所を経由して入庫箇所に搬送され、その入庫箇所に位置する収納容器が搬送装置にて収納棚に戻される。
つまり、第1搬送コンベヤによる出庫箇所から取出箇所への搬送経路と、取出箇所から入庫箇所への搬送経路と、が異なる。そのため、出庫箇所に出庫された収納容器を第1搬送コンベヤにて取出箇所に載置搬送しながら、取出箇所の収納容器を第1搬送コンベヤにて入庫箇所に載置搬送でき、収納容器の入出庫を効率よく行える。
【0013】
また、前記複数の第2搬送コンベヤ、前記第3搬送コンベヤ及び第4搬送コンベヤを制御する制御装置が設けられ、前記第3搬送コンベヤが、物品を投入する前記出荷容器の夫々に対応する複数の搬送ゾーンに区分設定され、前記搬送ゾーンは、前記第3搬送コンベヤによる搬送作動に伴って前記第3搬送コンベヤの搬送経路に沿って移動し、前記制御装置が、前記第2搬送コンベヤにて搬送する物品を当該物品に対応する前記搬送ゾーンに位置するように前記第3搬送コンベヤに合流させ、前記搬送ゾーンが前記第3搬送コンベヤの下流側端部に位置するときに、当該搬送ゾーンに対応する前記出荷容器を前記投入箇所に位置するように、前記複数の第2搬送コンベヤ、前記第3搬送コンベヤ及び第4搬送コンベヤを制御すると好適である。
【0014】
この構成によれば、搬送ゾーンは、第3搬送コンベヤによる搬送作動に伴って第3搬送コンベヤに沿って移動しており、その移動する搬送ゾーンに対して、複数の第2搬送コンベヤから物品を合流させることで、同じ出荷容器に投入する複数の物品を、限られた範囲に集めた状態に合流させることができる。
そして、このように同じ出庫容器に投入する複数の物品を集めた状態とすることで、この複数の物品を出荷容器に短時間で投入でき、効率よく物品を出荷容器に収納できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】ピッキング設備の平面図
図2】自動倉庫の平面図
図3】物品取出装置の平面図
図4】合流コンベヤへの合流及び出荷容器への投入を示す作用図
図5】合流コンベヤへの合流及び出荷容器への投入を示す作用図
図6】合流コンベヤへの合流及び出荷容器への投入を示す作用図
図7】合流コンベヤへの合流及び出荷容器への投入を示す作用図
図8】制御ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、ピッキング設備は、同じ種類の物品Wを収納容器C1に収納した状態で保管する複数の自動倉庫1と、自動倉庫1から出庫された収納容器C1から物品Wを取り出す複数の物品取出装置2と、複数の物品取出装置2から取り出された複数種類の物品Wを合流させて出荷容器C2に搬送する合流コンベヤ3と、出荷容器C2を載置搬送する容器コンベヤ4と、が設けられている。尚、合流コンベヤ3が、本発明の第3搬送コンベヤに相当し、容器コンベヤ4が、本発明の第4搬送コンベヤに相当する。また、収納容器C1が、本発明の収納体に相当する。
【0017】
このように、ピッキング設備には、同じ種類の物品Wを複数個収納する収納容器C1と、複数種類の物品Wを複数個収納する出荷容器C2と、があり、複数種類の物品Wが、種類別に収納容器C1に収納されている。そして、ピッキング設備では、自動倉庫1に収納容器C1を収納し、物品取出装置2にて複数の収納容器C1から物品Wを取り出し、その取り出した複数種類の物品Wを合流コンベヤ3に合流させた後に出荷容器C2に収納するようになっている。
次に、自動倉庫1や物品取出装置2等について順次説明する。尚、本実施形態では、同様に構成された自動倉庫1が3つ設けられ、その3つの夫々に対して、同様に構成された物品取出装置2が設けられている。
【0018】
(自動倉庫)
図2に示すように、自動倉庫1には、収納容器C1を収納する収納棚6と、収納棚6から出庫箇所E1に収納容器C1を搬送し、且つ、出庫箇所E1とは別の箇所に設定された入庫箇所E3から収納棚6に収納容器C1を搬送する搬送装置7と、が設けられている。
図示は省略するが、収納棚6は、収納容器C1を保管するための棚段を上下方向に複数段設けて構成されている。そして、複数の棚段毎に、収納容器C1を載置支持して走行移動する搬送台車8と、収納容器C1を載置搬送する出庫コンベヤ9及び入庫コンベヤ10と、が設けられている。
また、各段の出庫コンベヤ9から物品取出装置2(入出庫コンベヤ14の出庫箇所E1)に収納容器C1を搬送する出庫リフト11と、物品取出装置2(入出庫コンベヤ14)から各段の入庫コンベヤ10に収納容器C1を搬送する入庫リフト12と、が設けられている。
ちなみに、搬送台車8と出庫コンベヤ9と入庫コンベヤ10と出庫リフト11と入庫リフト12とで、搬送装置7が構成されている。
【0019】
この自動倉庫1では、出庫対象の収納容器C1が収納棚6に収納されている場合は、搬送台車8により、出庫対象の収納容器C1が収納棚6から出庫コンベヤ9に搬送(図2の矢印(1)参照)される。そして、出庫コンベヤ9及び出庫リフト11により、出庫対象の収納容器C1が出庫コンベヤ9から入出庫コンベヤ14の出庫箇所E1に搬送(図2の矢印(2)(3)参照)される。
また、入庫対象の収納容器C1が入出庫コンベヤ14の入庫箇所E3に位置している場合は、入庫リフト12及び入庫コンベヤ10により、入庫対象の収納容器C1が入出庫コンベヤ14の入庫箇所E3から入庫コンベヤ10に搬送(図2の矢印(4)(5)参照)される。そして、搬送台車8により、入庫対象の収納容器C1が入庫コンベヤ10から収納棚6に搬送(図2の矢印(6)参照)される。
【0020】
(物品取出装置)
物品取出装置2には、収納容器C1を載置搬送する入出庫コンベヤ14と、物品Wを載置搬送する供給コンベヤ15と、入出庫コンベヤ14上の収納容器C1から物品Wを取り出し、当該物品Wを供給コンベヤ15上に移載する移載ロボット16と、が設けられている。本実施形態では、物品取出装置2には、1台の入出庫コンベヤ14と、1台の移載ロボット16と、3台の供給コンベヤ15と、が設けられている。また、入出庫コンベヤ14が、本発明の第1搬送コンベヤに相当し、供給コンベヤ15が本発明の第2搬送コンベヤに相当する。
【0021】
移載ロボット16は、多関節のアームと、そのアームの先端に支持された吸着パッドと、を備えており、吸着パッドにて物品Wを吸着支持できるように構成されている。そして、移載ロボット16は、入出庫コンベヤ14における取出箇所E2に位置する収納容器C1から物品Wを取り出し、その取り出した物品Wを複数の供給コンベヤ15のいずれかにおける移載部15aに移載する。このとき、物品Wの平面視形状が矩形状に形成されている場合は、移載ロボット16は、物品Wの長手方向が供給コンベヤ15の搬送方向(第2方向)に沿う姿勢となるように、供給コンベヤ15に移載する。
【0022】
入出庫コンベヤ14は、出庫箇所E1に出庫された収納容器C1を入庫箇所E3に載置搬送する。この入出庫コンベヤ14は平面視でU字状に形成され、一方の端部に出庫箇所E1が設定され、他方の端部に入庫箇所E3が設定されている。そして、入出庫コンベヤ14の出庫箇所E1から入庫箇所E3への搬送経路の途中に取出箇所E2が設定されている。
つまり、自動倉庫1から出庫箇所E1に出庫された収納容器C1は、入出庫コンベヤ14にて取出箇所E2に載置搬送され、取出箇所E2に位置する収納容器C1から必要な物品Wが移載ロボット16にて取り出される。その後、入出庫コンベヤ14にて収納容器C1が取出箇所E2から入庫箇所E3に載置搬送されて、自動倉庫1に入庫される。
【0023】
3台の供給コンベヤ15の夫々は、図1に矢印Xで示す第1方向(合流コンベヤ3の搬送方向)と直交する矢印Yで示す第2方向に延びる状態で直線状に設けられ、これら3台の供給コンベヤ15の夫々は、第2方向に沿って物品Wを載置搬送するように構成されている。また、3台の供給コンベヤ15は、第1方向に沿って並設されている。
【0024】
また、供給コンベヤ15は、第2方向の上流側から順に、移載部15a、第1バッファ部15b、第2バッファ部15c、供給部15dの4つに分割されており、これら移載部15a、第1バッファ部15b、第2バッファ部15c、供給部15dの夫々は、各別に搬送作動して物品Wを載置搬送する。そのため、第1バッファ部15b上に物品Wを停止させた状態で、第2バッファ部15cから供給部15dに物品Wを搬送することや、第2バッファ部15c上に物品Wを停止させた状態で、移載部15aから第1バッファ部15bに物品Wを搬送できるようになっている。
【0025】
このように構成された物品取出装置2は3つ設けられており、その3つの物品取出装置2は、夫々において複数の供給コンベヤ15にて載置搬送した物品Wを単一の合流コンベヤ3に合流させるように設けられている。出荷容器C2に収納する複数種類の物品Wは、種類毎に異なる物品取出装置2の供給コンベヤ15にて載置搬送され、合流コンベヤ3で合流するようになっている。
【0026】
(合流コンベヤ及び容器コンベヤ)
図1及び図4図7に示すように、合流コンベヤ3は、複数の物品取出装置2の供給コンベヤ15から合流してきた出荷容器C2に複数種類の物品Wを第2方向に載置搬送して、その載置搬送した複数種類の物品Wを搬送方向の下流側端部から投入箇所E4に位置している出荷容器C2に投入する。
出荷容器C2に対しては、投入箇所E4の上流から投入箇所E4の下流に出荷容器C2載置搬送する容器コンベヤ4が設けられている。この容器コンベヤ4は、物品Wが収納されていない空の出荷容器C2を投入箇所E4に載置搬送し、当該出荷容器C2に収納する物品Wが合流コンベヤ3から投入された後、当該出荷容器C2を投入箇所E4から搬送する。
また、容器コンベヤ4は、上述の如く物品Wが投入された出荷容器C2を投入箇所E4から載置搬送するとともに、新たな空の出荷容器C2を投入箇所E4に搬送するようになっている。
【0027】
(制御装置)
ピッキング設備には、複数の自動倉庫1(搬送装置7)、複数の物品取出装置2(入出庫コンベヤ14、供給コンベヤ15、移載ロボット16)、合流コンベヤ3及び容器コンベヤ4を制御する制御装置Hが設けられている。
次に、この制御装置Hによる制御について説明する。
【0028】
制御装置Hは、出荷先からのオーダーに基づき、出荷する物品Wの種類とその個数とを定めた出荷情報を作成する。この出荷情報にて定められる物品Wの種類は、1種類の場合があれば、2種類以上の場合がある。また、出荷情報にて定められる各種類の物品Wの個数は、1個の場合もあれば、2個以上の場合もある。
そして、制御装置Hは、出荷情報に基づいて、1つの自動倉庫1に対して1つの種類の物品Wを割り当て、割り当てられた種類の物品Wが収納されている収納容器C1を取出箇所E2に搬送し、その収納容器C1から定められた個数だけ供給コンベヤ15に移載するように、自動倉庫1及び物品取出装置2の作動が制御される。
【0029】
このように、1つの出荷情報に基づいて、複数の自動倉庫1に対して別々の種類の物品Wを割り当てることで、複数の物品取出装置2で異なる種類の物品Wが扱われるようになっている。
ちなみに、オーダーに基づいて出荷する物品Wの種類が自動倉庫1の数である3を超える場合は、オーダーに基づいて、出荷情報にて定められる物品Wの種類の数を3以下とした複数の出荷情報を作成することが考えられる。
【0030】
そして、制御装置Hは、複数のオーダーにより複数の出荷情報が作成された場合は、出荷情報の作成順に、自動倉庫1に対して物品Wの種類を割り当て、割り当てられた種類の物品Wが収納されている収納容器C1を、出荷情報の作成順に取出箇所E2に搬送するよう搬送装置7及び入出庫コンベヤ14の作動を制御する。
【0031】
制御装置Hは、上述のように取出箇所E2に搬送された収納容器C1から移載ロボット16が3つの供給コンベヤ15のいずれかに移載する場合は、3つの供給コンベヤ15に対して順番に移載するように、移載ロボット16の作動を制御する。
この移載について、3つの供給コンベヤ15の夫々を、第1の供給コンベヤ15、第2の供給コンベヤ15、第3の供給コンベヤ15と称して説明を加えると、収納容器C1から2つの物品Wを取り出す場合、先に取り出した物品Wを、第1の供給コンベヤ15に移載し、後に取り出した物品Wは、第2の供給コンベヤ15に移載する。そして、次に取出箇所E2に搬送された別の収納容器C1から2つの物品Wを取り出す場合、先に取り出した物品Wを、第3の供給コンベヤ15に移載し、後に取り出した物品Wを、第1の供給コンベヤ15に移載する。このように、制御装置Hは、3つの供給コンベヤ15に対して物品Wを順番に移載するように移載ロボット16の作動を制御する。
そのため、移載ロボット16が、1つの収納容器C1から取り出す物品Wが複数(2つ又は3つ)である場合は、その複数の物品Wは異なる供給コンベヤ15に移載される。
ちなみに、この1つの収納容器C1から取り出す複数の物品Wは、1つの出荷情報に基づいて収納容器C1から取り出される物品Wであり、同じ出荷容器C2に収納される。
【0032】
制御装置Hは、複数の物品取出装置2から合流コンベヤ3に合流させる物品Wについて、同じ出荷容器C2に収納する物品Wについては、合流コンベヤ3の同じ搬送ゾーンZに合流させるべく、複数の物品取出装置2及び合流コンベヤ3の作動を制御する。
【0033】
説明を加えると、合流コンベヤ3に対して、出荷情報の夫々に対応する複数の搬送ゾーンZに区分設定されている。この複数の搬送ゾーンZの夫々は、第2方向に幅を有し、他の搬送ゾーンZと第2方向に離れて設定されている。そして、複数の搬送ゾーンZの夫々は、合流コンベヤ3による搬送作動に伴って第2方向に沿って移動する。制御装置Hは、合流コンベヤ3に対して上述のような搬送ゾーンZを出荷情報の夫々に対して設定し、供給コンベヤ15から合流コンベヤ3に物品Wを合流させるときは、当該物品に対応する搬送ゾーンZに投入するべく、供給コンベヤ15及び合流コンベヤ3の作動を制御する。
ちなみに、搬送ゾーンZは、第2方向の下流側から上流側に出荷情報の作成順に設定される。
【0034】
そして、制御装置Hは、供給コンベヤ15にて搬送する物品Wを当該物品Wに対応する搬送ゾーンZに投入させて合流コンベヤ3に合流させるように、供給コンベヤ15及び合流コンベヤ3の作動を制御する。また、搬送ゾーンZが合流コンベヤ3の下流側端部に位置するときに、当該搬送ゾーンZに対応する出荷容器C2を投入箇所E4に位置するように、合流コンベヤ3及び容器コンベヤ4を制御する。
【0035】
つまり、図4図6に示すように、搬送ゾーンZは、合流コンベヤ3の搬送作動に伴ってその合流コンベヤ3の搬送速度と同じ速度で第2方向に移動し、この第2搬送方向の移動に伴って、上流側の物品取出装置2から順に物品Wが合流する。また、図7に示すように、搬送ゾーンZが合流コンベヤ3の下流側端部まで移動するに伴って、合流コンベヤ3にて載置搬送されていた物品Wが下流側端部から落下して、投入箇所E4に位置する出荷容器C2に投入される。
【0036】
そして、搬送ゾーンZの物品Wが全て出荷容器C2に投入されると、容器コンベヤ4にて出荷容器C2が投入位置から搬送されるとともに、次の搬送ゾーンZが合流コンベヤ3の下流側端部に到達するまでに、次の出荷容器C2が投入箇所E4に搬送される。
【0037】
このようにピッキング設備では、複数の物品取出装置2の夫々で収納容器C1から供給コンベヤ15上に移載された物品Wは、供給コンベヤ15にて載置搬送されて合流コンベヤ3に合流され、その合流された物品Wは、合流コンベヤ3にて載置搬送されて、搬送下流側端部から出荷容器C2に投入される。そのため、複数の収納容器C1から複数種類の物品Wを取り出し、その取り出した複数種類の物品Wを出荷容器C2に収納するピッキング作業を自動的に行える。また、収納容器C1から取り出した複数種類の物品Wの合流及び出荷容器C2への投入を、コンベヤによる載置搬送で行うことで、物品Wを載置するトレー等を必要することなくピッキング作業を行える。
【0038】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、収納棚6と搬送装置7とで構成した自動倉庫1を設け、その自動倉庫1から出庫する物品Wを、第2搬送コンベヤに直接に搬送するように構成したが、自動倉庫1から出庫した物品Wを、床面搬送車等の中継搬送装置を介して第2搬送コンベヤに搬送するようにしてもよい。
【0040】
)上記実施形態では、第3搬送コンベヤに対して複数の搬送ゾーンZを設定して、複数の出荷容器C2に収納する物品Wを第3搬送コンベヤにて同時に搬送するようにしたが、第3搬送コンベヤに対して搬送ゾーンZを設定せずに、1つの出荷容器C2に収納する物品Wを出荷容器C2に投入した後、次の出荷容器C2に収納する物品Wを合流コンベヤ3に合流させるようにしてもよい。
【0041】
)上記実施形態では、自動倉庫1の搬送装置7を、搬送台車8と出庫コンベヤ9と入庫コンベヤ10と出庫リフト11と入庫リフト12とで構成したが、自動倉庫1の搬送装置7を、スタッカークレーンにて構成してもよい。
また、上記実施形態では、移載ロボット16を、物品Wを吸着により支持するように構成したが、移載ロボット16を、物品Wを挟持により支持するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0042】
2 物品取出装置
3 合流コンベヤ(第3搬送コンベヤ)
4 容器コンベヤ(第4搬送コンベヤ)
6 収納棚
7 搬送装置
14 入出庫コンベヤ(第1搬送コンベヤ)
15 供給コンベヤ(第2搬送コンベヤ)
16 移載ロボット
C1 収納容器(収納体)
C2 出荷容器
E1 出庫箇所
E2 取出箇所
E3 入庫箇所
E4 投入箇所
H 制御装置
W 物品
Z 搬送ゾーン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8