特許第5930410号(P5930410)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5930410
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】イオンビーム試料準備装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/28 20060101AFI20160526BHJP
   H01J 37/20 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
   G01N1/28 F
   G01N1/28 G
   H01J37/20 Z
【請求項の数】26
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-503971(P2013-503971)
(86)(22)【出願日】2011年4月8日
(65)【公表番号】特表2013-527435(P2013-527435A)
(43)【公表日】2013年6月27日
(86)【国際出願番号】US2011031652
(87)【国際公開番号】WO2011130100
(87)【国際公開日】20111020
【審査請求日】2014年4月4日
(31)【優先権主張番号】61/322,870
(32)【優先日】2010年4月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/082,373
(32)【優先日】2011年4月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512256627
【氏名又は名称】ガタン インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Gatan Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】コイル,スティーヴン,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ハント,ジョン,アンドリュー
【審査官】 後藤 大思
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−091094(JP,A)
【文献】 特開2005−055428(JP,A)
【文献】 特開2003−100245(JP,A)
【文献】 特開2009−059516(JP,A)
【文献】 特開2009−025243(JP,A)
【文献】 特開2009−025133(JP,A)
【文献】 特開2009−145050(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00−1/44
H01J 37/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオンビーム試料準備装置において、
a)真空チャンバ内に配置され、イオンビームをシールドに向ける傾斜イオンビーム放射手段であって、前記傾斜イオンビーム放射手段が中央イオンビーム軸に沿ってイオンビームを放射し、前記中央イオンビーム軸の方向が、前記シールドに対して傾斜角を有することを特徴とする、傾斜イオンビーム放射手段と、
b)前記傾斜イオンビーム放射手段に動作可能に結合され、前記中央イオンビーム軸の方向を少なくとも2つの異なる傾斜角間で移動させるように構成された傾斜駆動装置と、
c)前記真空チャンバ内に配置されたシールド保持ステージであって、
i)第1の幾何学的な基準形体
ii)第2の幾何学的な基準形体
iii)少なくともシールド解放位置及びシールド保持位置を有するシールド保持手段
を備える、シールド保持ステージと、
d)少なくとも剛性平坦部を有し、前記シールド保持ステージに着脱可能且つ再配置可能に保持される前記シールドと、
を備え、前記シールドが、
i)前記試料を前記シールドに耐久的に接着するように構成された試料近接面、
ii)前記イオンビームの経路に配置され、前記シールドが前記シールド保持手段の前記シールド保持位置に保持されている場合、前記試料に向けられた前記イオンビームの部分を遮蔽するように位置決めされる第1の遮蔽面、
iii)前記シールドに一体形成される第3の幾何学的な基準形体であって、前記シールド保持位置にある前記シールド保持手段が、前記第3の幾何学的な基準形体を付勢して、前記第1の幾何学的な基準形体に当接させる、第3の幾何学的な基準形体
iv)前記シールドに一体形成される第4の幾何学的な基準形体であって、前記シールド保持位置にある前記シールド保持手段が、前記第4の幾何学的な基準形体を付勢して、前記第2の幾何学的な基準形体に当接させる、第4の幾何学的な基準形体、及び
v)前記第1の遮蔽面が前記試料近接面に接触する位置にあるシールドエッジ、をさらに備え、
前記試料の表面に対して垂直方向をx軸、前記シールドエッジが延在する方向をy軸、前記試料近接面と前記試料との当接により定義される平面上における前記シールドエッジに対して垂直方向をz軸とした場合に、前記中央イオンビーム軸の方向がxz平面上を移動することを特徴とする、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、前記シールド保持ステージが第5の幾何学的な基準形体をさらに備え、前記シールドが、前記シールドに一体形成された第6の幾何学的な基準形体をさらに備え、前記シールド保持位置にある前記シールド保持手段が、前記第6の幾何学的な基準形体を付勢して、前記第5の幾何学的な基準形体に当接させることを特徴とする、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置において、前記第1の遮蔽面が約90度未満且つ約80度を超える角度で前記試料近接面に接触することを特徴とする、装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置において、前記第1の遮蔽面が約87度未満且つ約83度を超える角度で前記試料近接面に接触することを特徴とする、装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置において、前記第1の遮蔽面が、低いスパッタリング収率を有する非磁性材料で作られることを特徴とする、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置において、前記第1の遮蔽面の少なくとも一部がタンタル又はチタンで作られることを特徴とする、装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置において、前記第3の幾何学的な基準形体が基準面であり、前記基準面の少なくとも一部が、前記試料近接面の少なくとも一部と同一の広がりを有することを特徴とする、装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置において、前記試料近接面が、前記シールドと前記試料との間で接着剤を流すように構成された少なくとも1つの溝部を有することを特徴とする、装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置において、前記シールドが、前記シールドに結合され、前記試料近接面に対して前記試料を保持するように構成された試料締め付け手段をさらに備えることを特徴とする、装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置において、前記シールドが、
a)前記イオンビームの部分の経路に配置された部分を有する第2の遮蔽面と、
b)前記第2の遮蔽面上の可視位置合わせマークであって、前記シールドが前記シールド保持手段の前記シールド保持位置に保持される場合、イオンビームが前記シールドエッジに衝突する領域に対して、前記可視位置合わせマークの位置が所定の関係にあるように構成される、可視位置合わせマークと、
をさらに備えることを特徴とする、装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置において、前記シールドがコア材料に接合する被覆材料で作られ、前記被覆材料の部分が前記第1の遮蔽面の少なくとも一部を形成し、前記コア材料の部分が、前記シールドの前記第3の幾何学的な基準形体及び前記シールドの前記第4の幾何学的な基準形体を形成することを特徴とする、装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置において、前記被覆材料が、低いスパッタリング収率を有する非磁性材料であることを特徴とする、装置。
【請求項13】
イオンビーム試料準備装置において、
a)真空チャンバ内に配置され、イオンビームをシールドに向ける傾斜イオンビーム放射手段であって、前記傾斜イオンビーム放射手段が中央イオンビーム軸に沿ってイオンビームを放射し、前記中央イオンビーム軸の方向が、前記シールドに対して傾斜角を有することを特徴とする、傾斜イオンビーム放射手段と、
b)前記傾斜イオンビーム放射手段に動作可能に結合され、前記中央イオンビーム軸の方向を少なくとも2つの異なる傾斜角間で移動させるように構成された傾斜駆動装置と、
c)前記真空チャンバ内に配置された回転シールド保持ステージであって、
i)第1の幾何学的な基準形体
ii)第2の幾何学的な基準形体
iii)少なくともシールド解放位置及びシールド保持位置を有するシールド保持手段、
iv)実質的に前記第1の幾何学的な基準形体の平面に配置された回転軸、
v)前記回転軸を中心として前記回転シールド保持ステージを回転させる回転駆動装置
を備える、回転シールド保持ステージと、
d)少なくとも剛性平坦部を有し、前記回転シールド保持ステージに着脱可能且つ再配置可能に保持される前記シールドと、
を備え、前記シールドが、
i)前記シールドに一体形成される第3の幾何学的な基準形体であって、前記シールド保持位置にある前記シールド保持手段が、前記第3の幾何学的な基準形体を付勢して、前記第1の幾何学的な基準形体に当接させる、第3の幾何学的な基準形体
ii)前記シールドに一体形成される第4の幾何学的な基準形体であって、前記シールド保持位置にある前記シールド保持手段が、前記第4の幾何学的な基準形体を付勢して、前記第2の幾何学的な基準形体に当接させる、第4の幾何学的な基準形体
iii)前記イオンビームの経路に配置され、前記シールドが前記シールド保持手段の前記シールド保持位置に保持されている場合、前記試料に向けられた前記イオンビームの部分を遮蔽するように位置決めされる第1の遮蔽面、
iv)前記試料を前記シールドに耐久的に接着するように構成された試料近接面、
v)前記第1の遮蔽面が前記試料近接面に接触する位置に形成されるシールドエッジであって、前記シールドが前記シールド保持手段の前記シールド保持位置に保持される場合、前記シールドエッジが、前記回転軸に対して略垂直に保持される、シールドエッジ、
をさらに備え、
前記試料の表面に対して垂直方向をx軸、前記シールドエッジが延在する方向をy軸、前記試料近接面と前記試料との当接により定義される平面上における前記シールドエッジに対して垂直方向をz軸とした場合に、前記中央イオンビーム軸の方向がxz平面上を移動することを特徴とする、装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置において、前記傾斜イオンビーム放射手段及び前記傾斜駆動装置が、前記中央イオンビーム軸が前記シールドエッジに対して略垂直である少なくとも2つの異なる傾斜角を提供するように構成されることをさらに特徴とする、装置。
【請求項15】
請求項13に記載の装置において、前記傾斜イオンビーム放射手段及び前記傾斜駆動装置が、前記中央イオンビーム軸が前記回転軸と実質的に交わる少なくとも2つの異なる傾斜角を提供するように構成されることをさらに特徴とする、装置。
【請求項16】
請求項13に記載の装置において、前記回転シールド保持ステージが第5の幾何学的な基準形体をさらに備え、前記シールドが、前記シールドに一体形成された第6の幾何学的な基準形体をさらに備え、前記シールド保持位置にある前記シールド保持手段が、前記第6の幾何学的な基準形体を前記第5の幾何学的な基準形体に当接するように促すことを特徴とする、装置。
【請求項17】
請求項13に記載の装置において、前記第1の遮蔽面が約90度未満且つ約80度を超える角度で前記試料近接面に接触することを特徴とする、装置。
【請求項18】
請求項13に記載の装置において、前記第1の遮蔽面が約87度未満且つ約83度を超える角度で前記試料近接面に接触することを特徴とする、装置。
【請求項19】
請求項13に記載の装置において、前記第1の遮蔽面が、低いスパッタリング収率を有する非磁性材料で作られることを特徴とする、装置。
【請求項20】
請求項13に記載の装置において、前記第1の遮蔽面の少なくとも一部がタンタル又はチタンで作られることを特徴とする、装置。
【請求項21】
請求項13に記載の装置において、前記第3の幾何学的な基準形体が基準面であり、前記基準面の少なくとも一部が、前記試料近接面の少なくとも一部と同一の広がりを有することを特徴とする、装置。
【請求項22】
請求項13に記載の装置において、前記試料近接面が、前記シールドと前記試料との間で接着剤を流すように構成された少なくとも1つの溝部を有することを特徴とする、装置。
【請求項23】
請求項13に記載の装置において、前記シールドが、前記シールドに結合され、前記試料近接面に対して前記試料を保持するように構成された試料締め付け手段をさらに備えることを特徴とする、装置。
【請求項24】
請求項13に記載の装置において、前記シールドが、
a)前記イオンビームの部分の経路に配置された部分を有する第2の遮蔽面と、
b)前記第2の遮蔽面上の可視位置合わせマークであって、前記可視位置合わせマークの位置が、前記シールドが前記シールド保持手段の前記シールド保持位置に保持される場合、前記イオンビームが前記シールドエッジに衝突する領域に対して所定の関係にあるように構成される、可視位置合わせマークと、
をさらに備えることを特徴とする、装置。
【請求項25】
請求項13に記載の装置において、前記シールドがコア材料に接合する被覆材料で作られ、前記被覆材料の部分が前記第1の遮蔽面の少なくとも一部を形成し、前記コア材料の部分が、前記シールドの前記第3及び第4の幾何学的な基準形体を形成することを特徴とする、装置。
【請求項26】
請求項25に記載の装置において、前記被覆材料がスパッタリング収率が低い非磁性材料であることを特徴とする、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、先に出願された2010年4月11日に出願された米国仮特許出願第61/322,870号明細書の利益を主張するものである。出願第61/322,870号明細書は参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、1つ又は複数のイオンビームを顕微鏡観測又は分光解析に向けた材料の準備に使用することに関する。顕微光観測技法としては、光学顕微鏡法、走査型電子顕微鏡法(SEM)、透過型電子顕微鏡法(TEM)、走査透過型電子顕微鏡法(STEM)、反射電子顕微鏡法(REM)が挙げられるが、これらに限定されない。分光解析技法としては、X線マイクロ解析、反射電子エネルギー損失分光法(REELS)、電子後方散乱回折(EBSD)法、X線光電子分光法(XPS)、及びオージェ電子分光法(AES)が挙げられるが、これらに限定されない。任意の顕微鏡技法で見るべき材料は、顕微鏡検査に適した試料を生成するために、処理する必要があり得る。
【0003】
材料のイオンビームミリングは、顕微鏡検査に適した試料を生成することができる。イオンビーム放射装置は、試料に向かうイオンビームを生成し、加速させ、方向付けることができる。試料にイオンが衝突すると、材料がイオン衝突部位から離れるようにはね飛ぶ。さらに、イオンビームにより試料表面を研磨して、略平滑した状態にし、試料の観測的特徴をさらに強化し得る。イオンビームの使用により、試料の関心領域を露出して研磨し、それにより、調査される材料から適した観測試料を作成し得る。
【0004】
広域イオンビーム源を使用する断面切断又は広域イオンビーム源を使用する断面研磨としても知られる広域イオンビーム傾斜切断(BIBSC:Broad Ion Beam Slope−Cutting)は、試料材料を除去して、様々な顕微鏡法及び分光法による最終的な解析のために、平滑でアーチファクトの略ない断面表面を露出させる高速方法である。BIBSC技法の顕著な利点は、多くの場合、数十分又は数百分という試料ミリング時間にわたり、1時間当たり数十平方μm、数百平方μm、又は数千平方μmを超え得る高い表面準備速度である。
【0005】
BIBSC技法のユーザにとって重要な考慮事項としては、ユーザが試料の処理に費やす努力及び時間の低減又は最小化、処理又は解析のために試料ホルダに取り付ける間等の、繊細な試料が直接処理され、破損の危険にさらされるステップ数の低減又は最小化、ユーザが試料を最終的な解析機器(撮像又は分光測定)に移すため、及び解析前に、準備された試料の領域の座標を最終的な解析機器に位置合わせするために費やす時間及び努力の低減又は最小化、試料の処理及び撮像での高質且つ高確率の成功の保証、BIBSCミリング機器及び試料取り付け機器が各試料に費やす時間の低減又は最小化、並びに試料と、観測に使用される対物レンズ又はプローブ形成レンズとの間で必要な作業距離を低減することによる、試料取り付け中及び最終的な解析中の試料の高質な顕微鏡観測の保証が挙げられる。
【0006】
イオンビームで準備された試料は、様々な方法で評価して、関心領域が適宜露出され、観測に向けて準備されたか否かを判断し得る。試料内の関心領域が適宜露出又は準備されないことも生じ得る。本開示の実施形態はこの一般的な状況に対処する。本開示の実施形態は、イオンビーム試料準備装置内で試料を再現可能に位置決めし、それにより、試料の正確な処理及び再処理に役立つ方法及び装置を教示する。本開示のさらなる実施形態は、制御されたイオンビーム傾斜角を利用して、試料内の関心領域を露出させる、傾斜イオンビームを使用して試料を準備する方法及び装置を教示する。本開示のさらなる実施形態は、傾斜イオンビームを使用して準備中の試料を回転させ、それにより、後の観測により一貫しより望ましい表面を達成する方法及び装置を教示する。
【0007】
上記の点を考慮して、本開示の実施形態が多くの利点を授け、したがって、非常に望ましいことは明らかである。
【背景技術】
【0008】
米国特許第6,914,244号明細書は、この技術分野での先行技術である。米国特許第6,914,244号明細書では、電子顕微鏡法の標本を準備するイオンビームミリングシステム及び方法が提供され、半導体、金属、合金、セラミック、及び他の無機材料のTEM又はSEMによる解析に対する準備に有用である。一実施形態では、標本処理チャンバと、少なくとも2つのイオンビーム生成器と、標本支持体又はホルダとを含む、透過型電子顕微鏡法による解析に対して標本を準備するシステム及びプロセスが提供される。イオンビームマスキング部材が標本の表面に固定され、標本がフライス加工される。好ましくは、このシステムは、ミリング動作の進行を表示する機能も含み、標本がフライス加工される際に表面上の関心領域を監視できるようにする光学顕微鏡等の撮像装置も含む。
【発明の概要】
【0009】
本開示は、イオンビーム試料準備装置及び開示される装置を使用して、後の観測に向けて試料を準備する方法に関する。準備のできていない試料及び準備のできた試料の両方の高速で再現可能な保持及び解放を行い、それにより、イオンビーム装置での試料の準備に役立つとともに、観測装置での準備のできた試料の観測にも役立つ特徴を有する。本開示の特徴により、イオンビーム試料準備装置内及び準備のできた試料を観測するために後に使用される観測装置内の両方で試料を正確且つ再現可能に位置決めすることができる。本開示の傾斜イオンビーム特徴により、試料の関心領域を露出するに当たって追加の柔軟性が可能になる。傾斜イオンビーム特徴により、2つ以上の傾斜角のイオンビームを使用して、イオンビームにより試料を準備することができる。前に準備された試料を装置内に再配置し、次に、異なる傾斜角のイオンビームを使用して準備し、それにより、試料の異なる領域を露出させ、準備し得る。本開示のさらなる特徴は、傾斜イオンビームを使用する準備中、試料を回転させ、それにより、後の観測により一貫しより望ましい表面を達成する方法及び装置を教示する。
【0010】
イオンビーム試料準備装置の本開示による実施形態は、イオンビーム試料準備装置を含み、イオンビーム試料準備装置は、真空チャンバ内に配置され、イオンビームをシールドに向ける傾斜イオンビーム放射手段であって、上記傾斜イオンビーム放射手段が中央イオンビーム軸に沿ってイオンビームを放射し、上記中央イオンビーム軸の方向が、上記シールドに対して傾斜角を有することを特徴とする、傾斜イオンビーム放射手段と、上記傾斜イオンビーム放射手段に動作可能に結合され、上記中央イオンビーム軸の方向を少なくとも2つの異なる傾斜角間で移動させるように構成された傾斜駆動装置と、真空チャンバ内に配置されたシールド保持ステージであって、第1の基準特徴、第2の基準特徴、少なくともシールド解放位置及びシールド保持位置を有するシールド保持手段を備える、シールド保持ステージと、少なくとも剛性平坦部を有し、上記シールド保持ステージに着脱可能且つ再配置可能に保持されるシールドと、を備え、上記シールドは、試料をシールドに耐久的に接着するように構成された試料近接面と、イオンビームの経路に配置され、上記シールドがシールド保持手段のシールド保持位置に保持されている場合、試料に向けられたイオンビームの部分を遮蔽するように位置決めされる第1の遮蔽面と、上記シールドに一体形成される第3の基準特徴であって、上記シールド保持位置にある上記シールド保持手段が、上記第3の基準特徴を付勢して、上記第1の基準特徴に当接させる、第3の基準特徴と、上記シールドに一体形成される第4の基準特徴であって、上記シールド保持位置にある上記シールド保持手段が、上記第4の基準特徴を付勢して、上記第2の基準特徴に当接させる、第4の基準特徴と、をさらに備える。
【0011】
イオンビーム試料準備装置の関連する実施形態では、シールド保持ステージは第5の基準特徴をさらに備え、シールドは、シールドに一体形成された第6の基準特徴をさらに備え、上記シールド保持位置にあるシールド保持手段は、上記第6の基準特徴を付勢して、上記第5の基準特徴に当接させる。
【0012】
イオンビーム試料準備装置の関連する実施形態では、第1の遮蔽面は約90度未満且つ約80度を超える角度で上記試料近接面に接触する。
【0013】
イオンビーム試料準備装置の関連する実施形態では、第1の遮蔽面は約87度未満且つ約83度を超える角度で上記試料近接面に接触する。
【0014】
イオンビーム試料準備装置の関連する実施形態では、第1の遮蔽面は、低いスパッタリング収率を有する非磁性材料で作られる。
【0015】
イオンビーム試料準備装置の関連する実施形態では、第1の遮蔽面の少なくとも一部はタンタル又はチタンで作られる。
【0016】
イオンビーム試料準備装置の関連する実施形態では、第3の基準特徴は基準面であり、上記基準面の少なくとも一部は、上記試料近接面の少なくとも一部と同一の広がりを有する。
【0017】
イオンビーム試料準備装置の関連する実施形態では、試料近接面は、シールドと上記試料との間で接着剤を流すように構成された少なくとも1つの溝部を有する。
【0018】
イオンビーム試料準備装置の関連する実施形態では、シールドは、シールドに結合され、上記試料近接面に対して試料を保持するように構成された試料締め付け手段をさらに備える。
【0019】
イオンビーム試料準備装置の関連する実施形態では、シールドは、イオンビームの部分の経路に配置された部分を有する第2の遮蔽面と、第1の遮蔽面が試料近接面に接触する位置にあるシールドエッジと、第2の遮蔽面上の可視位置合わせマークであって、上記シールドがシールド保持手段のシールド保持位置に保持される場合、イオンビームが上記シールドエッジに衝突する領域に対して、上記可視位置合わせマークの位置が所定の関係にあるように構成される、可視位置合わせマークと、をさらに備える。
【0020】
イオンビーム試料準備装置の関連する実施形態では、シールドはコア材料に接合する被覆材料で作られ、被覆材料の部分は第1の遮蔽面の少なくとも一部を形成し、コア材料の部分は、シールドの第3及び第4の基準特徴を形成する。関連する実施形態では、被覆材料は、低いスパッタリング収率を有する非磁性材料で作られる。
【0021】
本開示の別の実施形態は、イオンビーム試料準備装置に関し、イオンビーム試料準備装置は、真空チャンバ内に配置され、イオンビームをシールドに向ける傾斜イオンビーム放射手段であって、上記傾斜イオンビーム放射手段が中央イオンビーム軸に沿ってイオンビームを放射し、上記中央イオンビーム軸の方向が、上記シールドに対して傾斜角を有することを特徴とする、傾斜イオンビーム放射手段と、上記傾斜イオンビーム放射手段に動作可能に結合され、上記中央イオンビーム軸の方向を少なくとも2つの異なる傾斜角間で移動させるように構成された傾斜駆動装置と、真空チャンバ内に配置された回転シールド保持ステージであって、第1の基準特徴、第2の基準特徴、少なくともシールド解放位置及びシールド保持位置を有するシールド保持手段、実質的に第1の基準特徴の平面に配置された回転軸、回転軸を中心としてシールド保持ステージを回転させる回転駆動装置を備える、回転シールド保持ステージと、少なくとも剛性平坦部を有し、上記シールド保持ステージに着脱可能且つ再配置可能に保持されるシールドと、を備え、上記シールドは、シールドに一体形成される第3の基準特徴であって、上記シールド保持位置にある上記シールド保持手段が、上記第3の基準特徴を付勢して、上記第1の基準特徴に当接させる、第3の基準特徴と、シールドに一体形成される第4の基準特徴であって、上記シールド保持位置にある上記シールド保持手段が、上記第4の基準特徴を付勢して、上記第2の基準特徴に当接させる、第4の基準特徴と、イオンビームの経路に配置され、上記シールドがシールド保持手段のシールド保持位置に保持されている場合、試料に向けられたイオンビームの部分を遮蔽するように位置決めされる第1の遮蔽面と、試料をシールドに耐久的に接着するように構成された試料近接面と、第1の遮蔽面が試料近接面に接触する位置に形成されるシールドエッジであって、上記シールドがシールド保持手段のシールド保持位置に保持される場合、上記シールドエッジが、上記回転軸に対して略垂直に保持されることを特徴とする、シールドエッジと、をさらに備える。
【0022】
イオンビーム試料準備装置の関連する実施形態では、装置は、傾斜イオンビーム放射手段及び傾斜駆動装置が、中央イオンビーム軸が上記シールドエッジに対して略垂直である少なくとも2つの異なる傾斜角を提供するように構成されることをさらに特徴とする。
【0023】
イオンビーム試料準備装置の関連する実施形態では、装置は、傾斜イオンビーム放射手段及び傾斜駆動装置が、中央イオンビーム軸が上記回転軸と実質的に交わる少なくとも2つの異なる傾斜角を提供するように構成されることをさらに特徴とする。
【0024】
本発明のこれら及び他の特徴、態様、及び利点が、以下の説明、添付の特許請求の範囲、及び添付図面に関してよりよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、傾斜イオンビーム放射手段を有する、本開示の実施形態によるイオンビーム試料準備装置の概略断面図を示し、傾斜放射イオンビーム手段は、それが第1の傾斜角にある状態で示される。
図2図2は、第2の傾斜角にある図1の装置の概略断面図を示す。
図3A図3Aは、試料がシールドに耐久的に接着された状態のシールドを保持するシールド保持ステージの斜視図を示し、この図は、図3Bに使用される断面平面も示す。
図3B図3Bは、シールド保持手段がシールド保持位置にある図3Aのシールド保持ステージの断面図を示す。
図4図4は、シールド保持手段がシールド保持位置にある断面を示すことを除き、図3Bの断面と同様の断面を示す。
図5A図5Aは、図5Bの断面平面を示す、本開示によるシールド保持ステージの斜視図を示す。
図5B図5Bは、シールドがシールド保持位置に位置決めされた、図5Aのシールド保持ステージの斜視断面図を示す。
図6図6は、図5Bのシールド及びシールド保持ステージの分解組立斜視断面図を示し、シールド及びシールド保持ステージの両方の基準特徴がこの図では見られる。
図7A図7Aは、シールドのイオンビーム側から見た本開示の実施形態によるシールドの斜視図を示す。
図7B図7Bは、シールドのイオンビーム側から見た本開示の実施形態によるシールドの斜視図を示す。
図8A図8Aは、シールドの試料近接側から見た本開示の実施形態によるシールドの斜視図を示す。
図8B図8Bは、シールドの試料近接側から見た本開示の実施形態によるシールドの斜視図を示す。
図9図9は、シールドのイオンビーム側から見た、可視位置合わせ特徴を有する本開示による別のシールドの斜視図を示す。
図10図10は、シールドの試料近接側から見た、試料の下での接着剤の流れに役立つ溝部を有する、本開示による別のシールドの斜視図を示す。
図11A図11Aは、本開示によるイオンビーム試料準備装置での準備前の試料が耐久的に接着したシールドの斜視図を示す。
図11B図11Bは、本開示によるイオンビーム試料準備装置での準備後の試料が耐久的に接着したシールドの斜視図を示す。
図12A図12Aは、本開示の実施形態による一体型試料締め付け手段を有するシールドの実施形態を示す。
図12B図12Bは、本開示の実施形態による一体型試料締め付け手段を有するシールドの実施形態を示す。
図13A図13Aは、傾斜イオンビーム放射手段と、回転シールド保持ステージとを有する、本開示の実施形態によるイオンビーム試料準備装置の概略断面図を示し、傾斜放射イオンビーム手段は、第1の傾斜角にある状態で示される。
図13B図13Bは、第2の傾斜角にある図13Aの装置の概略断面図を示す。
図14A図14Aは、本開示の実施形態による回転シールド保持ステージ及び回転駆動装置の概略斜視図を示す。
図14B図14Bは、シールド保持手段がシールド保持位置にある図14Aの回転シールド保持ステージの断面図を示す。
図15A図15Aは、コア材料と、被覆材料とを備えるシールドの実施形態の概略図を示す。
図15B図15Bは、コア材料と、被覆材料とを備えるシールドの実施形態の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
広域イオンビーム傾斜切断(BIBSC)試料準備手順は、一連のプロセスステップp1〜p5として説明することができる:
p1)処理が望まれる試料の領域をイオンシールドの使用可能部分に位置合わせするステップ、
p2)試料の所望の領域を1つ又は複数のイオンビームで処理することができるように、BIBSCイオンミリングシステム内で試料とシールドとを位置合わせするステップ、
p3)イオンミリングシステムを、イオンビームミリングに適切な真空レベルまで脱気するステップ、
p4)時には生体内光学顕微鏡撮像等のプロセス監視ステップを使用し、十分な切断深度及び断面品質を確認して、1つ又は複数のイオンミリング動作を実行するステップ、
p5)BIBSCイオンミリング機器を通気し、機器から試料を取り出すステップ。
【0027】
準備のできたBIBSC試料の解析は、一連のプロセスステップp6〜p9として説明することができる:
p6)最終的な解析顕微鏡に試料を導入し、解析を開始できるように、顕微鏡を初期化するステップ、
p7)所望のエリアを撮像できるように、任意の数の顕微鏡の並進移動ステージ、傾斜ステージ、及び回転ステージを調整することにより、準備のできた断面表面の位置を見つけるステップ、
p8)所望の顕微鏡解析又は分光解析を実行するステップ、
p9)試料を顕微鏡から取り出すステップ、
p10)試料を解析した後、試料を再処理して、切断深度、位置、又は角度を変更すると判断し得る−従来ではp1〜p9を繰り返す必要がある。
【0028】
本開示の実施形態は、BIBSC生成された試料の処理並びに続く観測及び解析において特定の効率及び性能を独自に可能にする。本開示の有益な特徴、機能、及び態様としては、
1.シールド、試料−シールド取り付け装置内のシールド保持装置、BIBSCイオンミル内のシールド保持装置、最終的な解析機器内のシールド保持装置の基準特徴により、処理ステップp1、p2、及びp7での大幅な時間効率が可能であること、
2.シールドに耐久的に接着した試料の一体性及びシールドに単に締め付けられた状態でのより低い程度でのシールドへの試料の一体性により、p4中に、長時間であり、温度が変化してさえも、試料へのシールドの位置合わせが一貫した状態を保持する際により大きな確実性が可能であり、その一方で、この精密な位置合わせが維持されない場合には、断面切断プロセスの品質が低減すること、
3.処理ステップp1においてシールドに耐久的に接着された試料の一体性により、ミリング動作全体を通して試料とシールドとの空間的関係を共に維持する高価でかなり大きな固定装置の必要性がなくなり、複数の固定装置なしで、ミリング前に複数の試料を準備できること、
4.シールドに耐久的に接着されるか、又は締め付けられる試料の一体性により、撮像対物レンズと試料との間に利用される作業距離が最小の場合であっても、顕微鏡で観察する前に、試料をシールドから取り外す必要性がなくなり、これにより、処理ステップp6での試料再取り付け中の時間及び試料が破損する危険性を低減できること、
5.ステップp10でのように試料の再処理が実行される場合、シールドに耐久的に接着されるか、又は締め付けられる試料の一体性により、ステップp1及びp2の必要性をなくすことができ、試料を再び取り付ける間の処理時間及び試料が破損する危険性が大幅に低減すること、及び
6.ステップp10でのように試料の再処理が実行される場合、シールドに耐久的に接着されるか、又は締め付けられる試料の一体性により、試料及びシールドに衝突するイオンビームの角度を変更することで、異なる断面平面を元々の切断の断面平面に非常に近くで切断することができること、
が挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
これより図1を参照して、本開示によるイオンビーム試料準備装置2の実施形態の概略断面図を示す。図1の実施形態は、試料8が内部で準備される真空チャンバ10と、真空チャンバ10を外部大気から封止するチャンバカバー18と、共に真空チャンバ10をイオンビームミリングに適切な真空レベルにする真空ポンプ手段90及びポンプマニフォルド92と、中央イオンビーム軸22を有するイオンビームを生成し、試料8に向ける傾斜イオンビーム放射手段36及び傾斜駆動装置38と、試料8の少なくとも一部をイオンビームの少なくとも一部から遮蔽するシールド60と、シールド60を保持し、イオンビームの方向及び広がりに対して正確に位置決めするシールド保持ステージ40と、シールド60をシールド保持ステージ40に保持するとともに、シールド60が所定位置に留まるように付勢し、それにより、イオンビームで試料8を準備し得るシールド保持手段42と、を備えて示される。
【0030】
引き続き図1を参照すると、イオンビームは、好ましくは、希ガスイオンを含む。イオンビームに使用される元素としては、アルゴン、キセノン、及びクリプトンを挙げることができるが、これらに限定されない。イオンビームは、イオン及び中性物の混合物を含むこともできる。シールド保持ステージ40は、真空チャンバ10内で、中央イオンビーム軸22に対して所定位置且つ所定の向きで配置される。傾斜イオンビーム放射手段36及び傾斜駆動装置38は、中央イオンビーム軸22を、シールド60に対して2つ以上の傾斜角から試料8に向けることにより、イオンビームで試料を準備できるようにする。図1は、第1の傾斜角で動作する傾斜イオンビーム放射手段36を示す。
【0031】
図2は、図1に示される装置と同じ装置を示す。しかし、図2の装置は、傾斜駆動装置38が動作して、傾斜イオンビーム放射手段36を図1とは異なる傾斜角に移動させた後を示す。試料が真空チャンバ内でイオンビームにより準備された後、チャンバカバー18を開き、次に、顕微鏡で観測するために、シールド及び試料を取り出し得る。
【0032】
図1及び図2の実施形態に示される傾斜イオンビーム放射手段及び駆動装置は、後の観測に向けて試料を準備するに当たって追加の柔軟性をユーザに与える。特に、試料をある傾斜角で準備し、顕微鏡で観測し、再び異なる傾斜角で準備し、再び観測し得る。2つ以上の傾斜角に沿って中央ビーム軸22を向ける能力により、関心領域での試料準備を大幅に改良することができる。図1及び図2に示される実施形態の他の態様は、これより以下の説明及び図を参照してよりよく理解し得る。
【0033】
図3Aは、シールドと試料との組み合わせをシールド保持ステージ40のシールド保持位置46に配置する前に、試料8がシールド60に耐久的に接着されたシールドの保持ステージ40の斜視図を示す。シールド60は遮蔽面61を有し、遮蔽面61は、試料8に関連して位置決めされて、上記試料8の少なくとも一部をイオンビームの少なくとも一部から遮蔽する。図3Aには、図3Bに示される断面図を示す断面線も示される。
【0034】
図3Bは、シールド保持ステージ40の部分であるシールド保持手段の位置及び機能を示す断面図を示す。図3Bは、シールド保持手段の第1の部材42aと、シールド保持手段の第2の部材42bとを備えるシールド保持手段の実施形態を示す。シールド保持手段の第1の部材42aは、シールド保持手段の第2の部材42bをシールド60に対して付勢する。シールド保持手段の第1の部材の動作は、シールド60をシールド保持ステージ40に対しても付勢し、それにより、試料がイオンビームにより準備されている間、シールド60の位置をシールド保持ステージ40内に維持する。シールド保持手段の実施形態は、シールド保持手段の第1の部材42aのばねと、シールド保持ステージ40のキャビティ内で摺動するように構成されたシールド保持手段の第2の部材42bとしての中実部材とを備え得る。
【0035】
図4は、図3Bと同じ断面平面からの図を示す。しかし、図4では、シールド及び試料が除去されて、シールド保持手段のシールド解放位置48が示される。シールド保持手段により提供される2つの位置、すなわち、図3A及び図3Bに示されるシールド保持位置46並びに図4に示されるシールド解放位置48により、シールドをシールド保持ステージ40に着脱可能且つ再配置可能に固定し得る。シールド60に耐久的に接着された試料は、処理し、取り外してから、単にシールド保持位置に配置され、試料を再びイオンビームで準備することにより再処理し得る。
【0036】
図5Aは、シールド60が保持されたシールド保持ステージ40の斜視図を示し、上記シールドは遮蔽面61を有する。図5Aは、図5Bに使用される断面平面も示す。
【0037】
図5Bは、シールド保持ステージに対するシールドの正確で再現可能な位置決めに役立つ、シールド60及びシールド保持ステージ40の両方の、物理的な特徴を示す断面斜視図を示す。シールド60の位置決めは、遮蔽面61及びシールドエッジ63が正確に位置決めされ、シールド保持ステージに対して正確な向きを有するとともに、中央イオンビーム軸22に対して位置決めされて、試料に向けられたイオンビームの少なくとも一部を遮断することを保証する。
【0038】
図6は、シールド60及びシールド保持ステージ40の両方の好ましい実施形態が複数の基準特徴70a、70b、70c、70d、70e、及び70fを有する図5Bと同様の断面斜視図を示す。図6に示される分解組立図では、シールド60は、シールド保持ステージ40から取り外されており、シールドは試料近接面62を露出するように方向を変更し、イオンビームによる試料準備前に、試料近接面62に、試料を耐久的に接着し得る。複数の基準特徴70a、70b、70c、70d、70e、及び70fは、シールド60及びシールド保持ステージ40の両方に設けられ、これらにより、シールド保持ステージ40に対してシールド60を正確且つ再現可能に位置決めすることができる。シールド上の基準特徴70b、70d、及び70fは、シールド保持ステージ上の相補的な基準特徴70a、70c、及び70eに当接させられた場合、シールドを中央イオンビーム軸22に対して所定の位置且つ所定の向きに保持するように形作られ、位置決めされる。シールド保持手段42は、シールドがシールド保持位置に保持された場合、シールド60の基準特徴70b、70d、及び70fがシールド保持ステージ40の対応する基準特徴70a、70c、及び70eに当接することを保証する。シールドがシールド保持位置に保持される場合、図6でも見られるシールドエッジ63も、所定位置及び所定の向きにさせられる。
【0039】
基準特徴は、シールド上の基準特徴が、シールド保持ステージ上に対応する基準特徴を有するように、対で配置される。図6では、そのような一対の基準特徴は、シールド保持ステージ上の基準特徴70aと、シールド上の基準特徴70bとである。図6に示される別の基準特徴対は、シールド保持ステージ上の基準特徴70cと、シールド上の基準特徴70dとである。図6に示される別の基準特徴対は、シールド保持ステージ上の基準特徴70eと、シールド上の基準特徴70fとである。シールドがシールド保持位置にある場合、シールド保持手段は、基準特徴対を当接するように促すように働き、それにより、シールド保持ステージの位置に対するシールドの位置を拘束する。基準特徴は、図6の好ましい実施形態に示されるように、基準面であってもよく、又は基準エッジ又は基準頂点、又は基準面と、基準エッジと、基準頂点との組み合わせであってもよい。
【0040】
これより図7A図7B図8A図8B図9、及び図10を参照して、本開示によるシールド60の様々な特徴及び実施形態を示す。
【0041】
図7Aは、第1の遮蔽面61a、第2の遮蔽面61b、及びシールドエッジ63を示すシールドの斜視図である。シールドにより阻止されるイオンビーム放射手段からのイオン、特に第1の遮蔽面61aにより阻止されるイオンは、試料のミリングから阻まれる。シールドにより阻止されないイオンは、観測及び解析に向けて試料を準備するために使用し得る。イオンビームが動作している場合、イオンは第2の遮蔽面61bに衝突することもあれば、しないこともある。イオンが第2の遮蔽面61bに衝突するか否かは、イオンビームのサイズ、イオンビームが向けられる角度、及びイオンビームが向けられる位置を含むが、これらに限定されないいくつかの要因に依存する。シールドの好ましい実施形態は、第2の遮蔽面61bが第1の遮蔽面61aと同じ材料で作られることである。好ましい実施形態では、シールド60は概して平坦な剛性部材であり、平滑で研磨し得る1つ又は複数の遮蔽面を有し、シールド保持ステージ内への正確な位置決めに役立つ基準面と、少なくとも追加の基準特徴とを有する。シールドの好ましい材料は、タンタル又はチタンが挙げられるが、これらに限定されないスパッタリング収率が低い非磁性金属である。シールド60のより低コストの実施形態は、シールドの大部分のコア材料66と、遮蔽面に使用される被覆材料67とを備え得る。好ましいコア材料としては、銅が挙げられるが、これに限定されない。好ましい被覆材料としては、タンタル又はチタンが挙げられるが、これらに限定されない。図15A及び図15Bは、シールド60の2つの異なる実施形態を示し、各実施形態は、コア材料66と被覆材料67との組み合わせを備えて示される。
【0042】
図7Bは、図7Aに示されるものと同じシールドであるが、異なる角度から示し、それにより、複数の基準特徴70d及び70fの位置及び性質を示す。
【0043】
図8Aは、図7A及び図7Bに示されるものと同じシールドを示す。図8Aは、イオンビーム試料準備中、試料に最も近いシールドの側からのシールド60の斜視図を示す。試料近接面62を使用して、装置で準備すべき試料材料に接着し得る。基準面72は、表面である基準特徴である。好ましい実施形態では、試料近接面62の少なくとも一部は、基準面72の少なくとも一部と同じ広がりを有し得る。シールドエッジ63は、第1の遮蔽面61aと試料近接面62との交わりにより形成される。第1の遮蔽面61aと試料近接面62との角度は、イオンビームにより試料に対して実行されるミリングの品質に影響する。好ましい実施形態は、上記第1の遮蔽面61aが、約90度未満且つ約80度を超える角度で上記試料近接面62に接触する場合に達成される。さらにより好ましい実施形態が、上記第1の遮蔽面61aが約87度未満且つ約83度を超える角度で上記試料近接面62に接触する場合に達成される。
【0044】
図8Bは、図8Aに示されるものと同じシールドであるが、異なる角度から示し、それにより、シールド60に存在する複数の基準特徴70d及び70fと、基準面72との位置及び性質を示す。
【0045】
図9は、第1の遮蔽面61a、第2の遮蔽面61b、シールドエッジ63を有し、可視位置合わせマーク65をさらに備えるシールド60の斜視図を示す。シールドがシールド保持位置に保持される場合、可視位置合わせマークは、シールドエッジが中央イオンビーム軸に略垂直であるとき、イオンビームの部分がシールドエッジ63上を通り、試料に衝突する大まかな位置を示すように位置決めされる。
【0046】
図10は、イオンビーム試料準備中に試料に最も近いシールドの側からのシールド60の斜視図を示す。試料近接面62を使用して、装置でのイオンビーム試料準備前に試料材料をシールドに接着し得る。溝部64は、試料の下で接着剤が流れるのに有用な試料近接面62の溝部を提供し、それにより、シールドへの試料の耐久性のある接着を促進する。試料をシールドに接着するために使用される好ましい材料としては、UV硬化接着剤、光硬化接着剤、強力瞬間接着剤、シルバーペイント、及びワックスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
これより図11Aを参照して、シールド60、遮蔽面61、シールドに耐久的に接着された試料8、及び可視位置合わせマーク65の斜視図を示す。図11Aは、イオンビーム準備前の試料を示す。図11Bは、図11Aに示される物体と同じ物体の斜視図である。しかし、図11Bは、イオンビーム試料準備後の試料を表す。遮蔽面61は、中央イオンビーム軸22に沿って伝播するイオンビームの部分を遮断する。試料8の部分は、試料準備中にイオンビームによりスパッタされて除去され、それにより、シールドエッジ63及び中央イオンビーム軸22により定義される平面にある試料の部分が露出する。このようにして準備された試料は、様々な顕微鏡法又は分光法の技法、特に、高度に研磨された平面を必要とする技法を用いる観測又は解析に適する。
【0048】
図12A及び図12Bは、シールド60の別の実施形態を示し、試料締め付け手段68が、シールドの試料近接面62に一体形成される。図12Aは試料を締め付ける前のこのシールドを示し、図12Bは、試料8が試料締め付け手段68によりシールドに固定された後のこのシールドを示す。別の実施形態では、試料締め付け手段68を別個に形成し、次に、試料を締め付ける前に、シールドに結合してもよい。接着剤を試料締め付け手段と試料との間に塗布して、試料がシールドに対して動かないことをさらに保証し得る。
【0049】
図1に示される装置の使用は、以下のステップを参照して進め得る:真空チャンバ外で、試料をシールドに耐久的に接着し得、チャンバカバーを外した状態で、シールドと試料との組み合わせをシールド保持ステージのシールド保持位置にセットし得、次に、チャンバカバーを再び配置し得、チャンバカバーが真空チャンバの所定位置にある状態で、真空ポンプ手段を動作させ、ポンプマニフォルドを通して真空チャンバを脱気し、それにより、イオンビームミリングに適切な真空レベルを得ることができ、次に、イオンビーム放射手段を動作させて、試料を準備し得る。試料が、装置のユーザが望む程度まで準備されると、イオンビーム放射手段をオフにし得、真空チャンバを大気状態に戻し得、チャンバカバーを外して、準備のできた試料を、先に接着されたシールドと共に装置から取り出し得る。準備のできた試料及びシールドを保持し、それにより、試料の準備のできた領域を顕微鏡で観測し得るように、顕微鏡にシールド保持ステージを嵌め得る。観測後、ユーザは、追加の試料準備が必要であると判断し得る。試料はまだ、シールドに耐久的に接着されているため、さらに処理するために、試料及びシールドを真空チャンバに戻すことは簡単である。シールド及びシールド保持ステージの両方の基準特徴は、試料が装置で処理される都度、シールドを略同じ位置及び向きに保持可能なことを保証する。複数の基準特徴70a、70c、及び70eを有するシールド保持ステージ40と、シールド保持手段42と、複数の基準特徴70b、70d、及び70fを有する少なくとも1つのシールド60とを備えたキットを、顕微鏡に嵌めるために供給し得る。そのようなキットは、イオンビーム試料準備装置2で準備された試料の顕微鏡観測に役立つ。
【0050】
これより図13A及び図13Bを参照して、本開示によるイオンビーム試料準備装置の別の実施形態を示す。図13A及び図13Bの実施形態は、試料8が内部で準備される真空チャンバ10と、真空チャンバ10を外部大気から封止するチャンバカバー18と、共に真空チャンバ10をイオンビームミリングに適切な真空レベルにする真空ポンプ手段90及びポンプマニフォルド92と、中央イオンビーム軸22を有するイオンビームを生成し、試料8に向ける傾斜イオンビーム放射手段36及び傾斜駆動装置38と、試料8の少なくとも一部をイオンビームの少なくとも一部から遮蔽するシールド60と、シールド60を保持し、イオンビームの方向及び広がりに対して正確に位置決めする回転シールド保持ステージ50と、シールド60を回転シールド保持ステージ50に保持するとともに、シールド60が所定位置に留まるように付勢し、それにより、イオンビームで試料8を準備し得るシールド保持手段42と、回転軸54を中心として回転シールド保持ステージ50を回転させる回転駆動装置52と、回転シールド保持ステージ50が回転軸54を中心として移動できるようにしながら、真空チャンバ10内に真空を維持する真空封止56とを備えて示される。好ましい実施形態では、回転軸54は実質的に、試料近接面62と試料8との当接により定義される平面にある。図13A及び図13Bのシールド60は、図3A図3B図5A図5B図6図7A図7B図8A、及び図8Bに示されるシールド60が有するものと同じ特徴、機能、及び態様を有する。
【0051】
引き続き図13A及び図13Bを参照すると、イオンビームは、好ましくは、希ガスイオンを含む。イオンビームに使用される元素としては、アルゴン、キセノン、及びクリプトンを挙げることができるが、これらに限定されない。イオンビームは、イオン及び中性物の混合物を含むこともできる。シールド保持ステージ50は、真空チャンバ10内で、中央イオンビーム軸22に対して所定位置且つ所定の向きで配置される。回転シールド保持ステージ50は、ステージの回転角を測定する手段をさらに備え得る。回転駆動装置52は、正確な角度位置に達し、その角度位置を維持する手段をさらに備え得る。回転駆動装置52は、正確な角速度に達し、その角速度を維持する手段をさらに備え得る。回転駆動装置52は、回転軸54を中心として回転シールド保持ステージ50を回転させることができる。好ましい実施形態では、シールド60がシールド保持位置に保持される場合、シールドエッジ63は回転軸54に対して略垂直に配置される。
【0052】
図13A及び図13Bの装置では、傾斜イオンビーム放射手段36及び傾斜駆動装置38は、中央イオンビーム軸22を2つ以上の角度から試料8に向けることにより、イオンビームで試料を準備できるようにする。図13Aは、第1の角度にある傾斜イオンビーム放射手段36を示し、図13Bは、第2の角度にある傾斜イオンビーム放射手段36を示す。好ましい実施形態では、傾斜イオンビーム放射手段36及び傾斜駆動装置38は、傾斜角の少なくとも一部にわたってシールドエッジ63に対して略垂直に中央イオンビーム軸22を維持しながら、度が可変の傾斜角を提供するように構成される。好ましい実施形態では、傾斜イオンビーム放射手段36及び傾斜駆動装置38は、中央イオンビーム軸22が傾斜角の少なくとも一部にわたって回転軸54と実質的に交わりながら、度が可変の傾斜角を提供するように構成される。
【0053】
回転シールド保持ステージ50の特徴及び態様は、これより図14A及び図14B並びに以下に書かれる説明を参照してよりよく理解することができる。
【0054】
図14Aは、シールドと試料との組み合わせを回転シールド保持ステージ50内のシールド保持位置に配置する前に、試料8がシールド60に耐久的に接着された回転シールド保持ステージ50の概略斜視図を示す。シールド60は遮蔽面61を有し、遮蔽面61は、試料8に関連して位置決めされて、上記試料8の少なくとも一部をイオンビームの少なくとも一部から遮蔽する。回転駆動装置52により、回転軸54を中心として回転シールド保持ステージ50を回転させることができる。好ましい実施形態では、シールド60がシールド保持位置に保持される場合、シールドエッジ63は、回転軸54に略垂直に配置される。図14Aには、図14Bに示される断面図を示す断面線も示される。
【0055】
図14Bは、回転シールド保持ステージ50の部分であるシールド保持手段の位置及び機能を示す断面図を示す。図14Bでは、シールド保持手段の第1の部材42aは、シールド保持手段の第2の部材42bをシールド60に対して付勢する。シールド保持手段の第1の部材42aの動作は、シールド60を回転シールド保持ステージ50に対しても付勢し、それにより、試料がイオンビームにより準備されている間、シールド60の位置を回転シールド保持ステージ50内に維持する。シールド保持手段の実施形態は、シールド保持手段の第1の部材42aのばねと、回転シールド保持ステージ50のキャビティ内で摺動するように構成されたシールド保持手段の第2の部材42bとしての中実部材とを備え得る。シールド保持手段はシールド解放位置も有し、シールド解放位置では、シールド及び試料は回転シールド保持ステージ50に保持されない。シールド解放位置は、図4に示されるシールド解放位置48と同一であり得る。好ましい実施形態では、回転軸54は実質的に、試料近接面62と試料8との当接により定義される平面にある。
【0056】
回転シールド保持ステージ50は、図6の非回転シールド保持ステージに示されたものと同じ複数の基準特徴を有する。さらに、回転シールド保持ステージ50の基準特徴は、上述したシールド60と交換可能に使用することができる。シールド保持ステージ40の基準特徴及び回転シールド保持ステージ50の基準特徴の設計は略同一であり、それにより、ステージ間のシールドの容易な交換に役立つ。シールド保持手段により提供される2つの位置、すなわち、図3Bに示されるシールド保持位置46及び図4に示されるシールド解放位置48により、シールドを回転シールド保持ステージ50に着脱可能且つ再配置可能に固定し得る。シールド60に耐久的に接着された試料は、処理し、取り外してから、単にシールド保持位置に配置され、試料を再びイオンビームで準備することにより再処理し得る。シールド及びシールド保持ステージの両方の基準特徴は、シールドを複数回にわたって略同一の位置及び向きに位置決めし得ることを保証する。回転シールド保持ステージ50を含む好ましい実施形態では、中央イオンビーム軸22は、シールドエッジ63の上にある領域で回転軸54を実質的に通過する。試料が真空チャンバ内でイオンビームで準備された後、チャンバカバー18を外し、次に、シールド及び試料を顕微鏡観測のために取り出し得る。
【0057】
図13A及び図13Bの装置の使用は、図1及び図2の装置の使用に関して開示されたすべてのステップに従って進め得る。しかし、図13A及び図13B回転シールド保持ステージは、ユーザに追加の性能を与える。特に、試料準備中の回転シールド保持ステージの使用は、試料の関心領域がイオンビームによる異なる準備速度に繋がる物理的な一貫性に局所的なばらつきを有する場合、準備のできた領域の均等性を改良し得る。試料準備中の回転は、そのような試料に対して有利な平滑化効果を有し得る。さらに、ユーザは、試料準備前、試料準備中、又は試料準備後に、回転軸を中心として回転シールド保持ステージを所望の角度まで回転させ得る。回転駆動装置及び傾斜駆動装置も協調して動作して、回転シールド保持ステージの回転角の関数として、イオンビームの傾斜を正確且つ再現可能に制御し得る。したがって、ユーザに、後の顕微鏡観測のために試料の関心領域を露出させるに当たっての柔軟性の増大が与えられる。
【0058】
図13A及び図13Bを引き続き参照すると、イオンビームは、好ましくは、希ガスイオンを含む。イオンビームに使用される元素としては、アルゴン、キセノン、及びクリプトンを挙げることができるが、これらに限定されない。イオンビームは、イオン及び中性物の混合物を含むこともできる。回転シールド保持ステージ50は、真空チャンバ10内で、中央イオンビーム軸22に対して所定位置且つ所定の向きで配置される。回転シールド保持ステージ50は、ステージの回転角を測定する手段をさらに備え得る。回転駆動装置52は、正確な角度位置に達し、その角度位置を維持する手段をさらに備え得る。回転駆動装置52は、正確な角速度に達し、その角速度を維持する手段をさらに備え得る。さらに、図13A及び図13Bのシールド60は、図3A図3B図5A図5B図6図7A図7B図8A図8B図14A、及び図14Bに示されるシールド60が有するものと同じ特徴、機能、及び態様を有する。好ましい実施形態では、図14A及び図14Bに示されるように、回転軸54は実質的に、試料近接面62と試料8との当接により定義される平面にある。
【0059】
本発明について本発明の特定の好ましいバージョンを参照してかなり詳細に説明したが、他のバージョンも可能である。例えば、様々な実施形態に示される特徴を1つの実施形態に組み合わせることが望ましいことがある。例えば、非磁性であり、且つ低いスパッタリング収率を有する材料又は合金を遮蔽面に首尾よく使用し得、全体的に本開示の趣旨及び範囲内で構築し、使用し得る。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲は、本明細書に含まれる好ましいバージョンの説明に限定されるべきではない。
【0060】
特定の機能を実行する「手段」又は特定の機能を実行する「ステップ」と明示的に述べられていない請求項内の任意の要素は、米国特許法第112条第6段落に指定される「手段」又は「ステップ」条項として解釈されるべきではない。特に、本発明での請求項での「ステップ」の使用は、米国特許法第112条第6段落の条項を行使するものとして解釈されない。
【符号の説明】
【0061】
2−イオンビーム試料準備温度管理装置
8−試料
10−真空チャンバ
18−チャンバカバー
20−イオンビーム放射手段
22−中央イオンビーム軸
36−傾斜イオンビーム放射手段
38−傾斜駆動装置
40−シールド保持ステージ
42−シールド保持手段
42a−シールド保持手段の第1の部材
42b−シールド保持手段の第2の部材
46−シールド保持位置
48−シールド解放位置
50−回転シールド保持ステージ
52−回転駆動装置
54−回転軸
56−真空封止
60−シールド
61−遮蔽面
61a、61b等−第1の遮蔽面、第2の遮蔽面等
62−試料近接
63−シールドエッジ
64−溝部
65−可視位置合わせマーク
66−コア材料
67−被覆材料
68−試料締め付け手段
70a、70b、70c、70d、70e、70f−第1の基準特徴、第2の基準特徴、第3の基準特徴、第4の基準特徴、第5の基準特徴、第6の基準特徴
72−基準面
90−真空ポンプ手段
92−ポンプマニフォルド
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11A-11B】
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B