(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本実施形態に係るスロットマシン10の外観を
図1に示す。
図1は、本実施形態に係るスロットマシンの外観を示す正面図である。同図において、スロットマシン10の筐体の前面部には、フロントパネル20が設けてある。このフロントパネル20の略中央には、垂直方向に縦長矩形の3つの表示窓22L、22C及び22Rが形成してある。
【0031】
スロットマシン10の筐体の内部には、3個のリール40L、40C及び40Rが回転自在に設けてある。各リール40L、40C及び40Rは、それぞれリング形状となっており、その外周面には、図柄を印刷したリールテープが貼着してある。このリールテープには、例えば、21個の図柄が等間隔で描かれている。これら図柄の配列は、リール40L,40C及び40Rごとにそれぞれ異なっている。なお、各リールの具体的な図柄配置については、
図29を用いて追って詳細に説明する。
各リール40L、40C及び40Rは、上述した表示窓22L、22C及び22Rを介してそれぞれ視認可能となっている。リールが停止しているときには、1つの表示窓において、1本のリールの連続した3つの図柄が視認可能となる。このため、3つの表示窓22L、22C及び22Rの全てからは、合計9つの図柄が視認可能となる。
後述するように、各リール40L、40C及び40Rは、それぞれモータ(図示せず)により回転駆動され、各表示窓22L、22C及び22Rにおいて、各リール40L、40C及び40Rの外周面に描かれた図柄が上から下に向かって移動する。
【0032】
これらの3つの表示窓22L、22C及び22Rの前面には、5本の入賞ラインが定めてある。これら5本の入賞ラインは、水平の3本(中央L1、上下L2A、L2B)の入賞ラインと、斜めの2本(斜め右下がりL3A、斜め右上がりL3B)の入賞ラインとで構成してある。これら入賞ラインL1、L2A、L2B、L3A及びL3Bの左端部には、有効ライン表示部(ベット数表示手段)24a〜24eが設けてある。これら有効ライン表示部24a〜24eは、賭けの対象となった遊技媒体(本実施形態ではメダルを用いている。)の枚数により、有効となった入賞ライン(以下、有効ラインと称する)を表示する。なお、本実施形態では、賭けの対象となった遊技媒体の枚数(ベット数)によらず中央L1のみを有効ラインとして定められる。また、有効ライン以外の入賞ライン(上下L2A、L2B、斜め右下がりL3A、斜め右上がりL3B)を表示ライン称する。
【0033】
上述したフロントパネル20の下方には、略水平の操作パネル部30が設けてある。この操作パネル部30の左側には、1−ベットスイッチ32、2−ベットスイッチ34及び3−ベットスイッチ36が配設してある。また、操作パネル部30の右側には、遊技媒体を投入することができる遊技媒体投入口38が設けてある。
遊技媒体投入口38から遊技媒体が投入されると、遊技媒体カウンタ(図示せず)が遊技媒体の枚数を計数する。この遊技媒体投入口38から規定枚数以上の遊技媒体が投入された場合には、規定以上の枚数をクレジット数として後述するRAM110に記憶するとともに、このクレジット数をクレジット数表示部53に表示するようになっている。
1−ベットスイッチ32は、クレジット数のうちの1枚だけを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。2−ベットスイッチ34は、クレジット数のうちの2枚だけを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。3−ベットスイッチ36は、クレジット数のうちの3枚のメダルを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。
なお、遊技媒体は、コインのような物品には限られず、例えば、磁気カードのような電磁的に作用させるものも適用可能である。
【0034】
また、スロットマシン10の筐体の上方には、液晶ディスプレイパネルから構成される画像表示装置70が設けてある。なお、画像表示装置70は、上述した液晶ディスプレイパネルに限らず、遊技者が、画像情報や文字情報を遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる表示装置を用いることが可能である。
【0035】
操作パネル部30の前面の左側には、スタートスイッチ(スタートレバー)50が傾動可能に設けてあり、また、操作パネル部30の前面の中央部には、3つのリール停止スイッチ52L、52C及び52Rが設けてある。リール停止スイッチ52Lは左リール40Lに対応し、リール停止スイッチ52Cは中リール40Cに対応し、リール停止スイッチ52Rは右リール40Rに対応している。
遊技者が、スタートスイッチ50を傾動操作すると、上述した3つのリール40L、40C及び40Rが一斉に回転を開始する。これらリール40L,40C及び40Rの回転速度が一定速度に達すると、遊技者によるリール停止スイッチ52L、52C及び52Rの操作が有効となる。
遊技者が、リール停止スイッチ52Lを押動操作すると左リール40Lが停止する。リール停止スイッチ52Cを押動操作すると中リール40Cが停止する。リール停止スイッチ52Rを押動操作すると右リール40Rが停止する。
各リール40L、40C又は40Rが停止したときは、それぞれの外周面に描かれた図柄が、上述した表示窓22L、C、R中に見える縦3つのコマの位置に停止するように停止制御している。
【0036】
スロットマシン10の筐体の下方の右側には、筐体の内部に収納した図示しないスピーカ(後述する
図4に示すスピーカ64に対応する)から発せられた音を筐体の外部へ出すための透音穴60が設けてある。スロットマシン10の筐体の下方の中央部には、遊技媒体払出口62が設けてある。各リール40L、40C又は40Rが停止して、有効ライン上に停止表示された図柄の組み合わせが、所定の組み合わせ、すなわち、役を構成する図柄の組み合わせとなった場合には、この組み合わせに応じて予め定めた枚数の遊技媒体を遊技媒体払出口62から払い出したり、下記に示す当たり遊技や再遊技を実施して、遊技者に所定の特典を与えるようになっている。
上述したように、スロットマシン10における遊技は、停止させた複数のリール40L、40C又は40Rの図柄の組み合わせによって遊技結果が定まるというものである。この遊技は、スタートスイッチ50を遊技者が傾動操作するたびに行なわれ、複数のリール40L、40C、40Rを回転させて停止させる遊技を繰り返し行なうことができる。
【0037】
上述した役の種類には、例えば、当たり役、一般役、再遊技役等の種類がある。当たり役は、抽選で当たり役に当選し、その当たり役に応じた図柄が揃って入賞したときには、遊技を遊技者にとって有利に進行させる当たり遊技を行なうことができる役である。また、一般役は、抽選で一般役に当選し、その一般役に応じた図柄が揃って入賞すると、予め定めた数の遊技媒体を払い出す役である。なお、一般役の中には、遊技媒体の払い出し枚数が1枚の所謂一枚役も含まれる。また、再遊技役は、抽選で再遊技役に当選し、再遊技役に応じた図柄が揃って入賞したときに、遊技媒体を新たに投入することなく再遊技(リプレイとも称する)を行なうことができる役である。
【0038】
また、例えば、リール停止操作で所定の図柄が表示されたとき、役抽選手段により再遊技役が当選する確率が通常の遊技より高い値に設定されたRT作動状態(再遊技選択高状態)を実施するという特典を遊技者に与えることもできる。この所定の図柄としては、上記のような役を構成する図柄だけでなく、当選した役に対応する図柄を停止させることができなかった場合に表示される図柄(所謂こぼし目)であってもよいし、役抽選ではずれの場合に表示される図柄の1つであってもよい。
【0039】
また、当たり役には、ビッグボーナス役(以下、BB役と称する)がある。BB役は、当たり遊技の1つであるBB遊技に移行させる役であり、このBB遊技は、所定の役が高確率で当選する遊技を、予め定められた遊技媒体の払い出し数に達するまで、連続して行なうことができる。なお、複数のBB遊技を設定することも可能であり、例えば、所定の役の当選確率や終了枚数の設定が異なる複数のBB遊技を設けることもできる。
更に、当たり役として、ミドルボーナス役(以下、MB役と称する)やシングルボーナス(以下、SB役)を設定することもできる。MB役(「2種BB役」と称する場合がある)は、当たり遊技の1つであるMB遊技(「2種BB遊技」と称する場合がある)に移行させる役であり、このMB遊技は、役抽選の結果によらず、所定の図柄の組み合わせが停止したとき入賞処理が行なわれる遊技(CB遊技と称する場合がある))を、予め定められた遊技媒体の払い出し数に達するまで、連続して行なうことができる。SB役は、当たり遊技の1つであるSB遊技に移行させる役であり、このSB遊技は、1遊技だけ行なわれる当たり遊技である。
【0040】
後述するように、役抽選で複数の役に同時当選し、複数のリール40L、40C、40Rを停止させる順番によって、表示される図柄が異なるようにすることができ、表示された図柄に応じて、遊技者に付与する特典を異ならせることもできる。なお、遊技者に付与する特典としては、遊技媒体の払い出しや、遊技者にとって有利な遊技状態へ移行することや、リール停止操作で有利な情報を報知する報知演出を行なう回数を付与することを例示することができる。ただし、これに限られるものではない。
【0041】
<制御手段の説明>
スロットマシン10を制御する制御手段は、主制御回路100と副制御回路200から構成される。ここで、主制御回路100のブロック図を
図2に示し、これに電気的に接続されている副制御回路200のブロック図を
図3に示す。
上述したスタートスイッチ50は、主制御回路100のインターフェイス回路102に接続され、インターフェイス回路102は、入出力バス104に接続されている。スタートスイッチ50から発せられたリール回転開始信号は、インターフェイス回路102において所望の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。入出力バス104は、中央処理回路(以下、CPUと称する)106にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。上述したリール回転開始信号は、「操作信号」の1つを構成する。
【0042】
また、上述したインターフェイス回路102には、リール停止スイッチ52L、52C及び52R、並びに1−ベットスイッチ32、2−ベットスイッチ34及び最大ベットスイッチ36も接続されている。これらのボタンやスイッチから発せられる信号もインターフェイス回路102に供給され、所望の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。上述したリール停止スイッチ52L、52C又は52Rから発せられる信号も、操作信号を構成する。
上述した入出力バス104には、ROM(リード・オンリー・メモリ)108及びRAM(ランダム・アクセス・メモリ)110も接続されている。ROM108は、スロットマシンの全体の流れを制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための初期データを記憶する。また、RAM110は、上述した制御プログラムで使用するフラグや変数の値を一時的に記憶することができる。
【0043】
入出力バス104には、乱数を発生させるための乱数発生器112も接続されている。乱数発生器112は、一定の範囲の数値、例えば0〜65535(2の16乗)に含まれる乱数を発生させる。尚、CPU106の演算処理により乱数を発生させるように構成してもよい。
入出力バス104には、モータ駆動回路114が接続されている。モータ駆動回路114には、上述した3つのリール40L、40C及び40Rの各々を回転駆動するステッピングモータ80L、80C及び80Rが接続されている。ステッピングモータ80L、80C及び80Rの各々は、3つのリール40L、40C及び40Rの内部に設けられ、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転シャフトがリール40L、40C及び40Rの回転中心となるように、ステッピングモータ80L、80C及び80Rに取り付けられている。
【0044】
CPU106から発せられる駆動制御命令は、モータ駆動回路114により駆動信号に変換され、駆動信号はステッピングモータ80L、80C及び80Rに供給される。なお、駆動制御命令には、回転速度の命令も含まれており、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転制御及び停止制御を行なうとともに、回転速度の制御も行なう。
CPU106が、上述したように、ステッピングモータ80L、80C及び80Rに対する制御をすることにより、リール40L、40C及び40Rの回転制御及び停止制御を行なうとともに、回転速度の制御を行なうことができる。
【0045】
リール40L、40C及び40Rの各々には、各リールの回転角度位置を検出するための回転角度位置センサ(図示せず)が設けられており、回転角度位置センサは、リール回転角度位置検出回路116に接続されている。リール40L、40C及び40Rの各々の回転角度位置を示す信号が回転角度位置センサから発せられたときには、リール回転角度位置検出回路116に供給され、所定の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。CPU106は、供給された回転角度位置から図柄の番号を算出し、表示窓22L、22C及び22Rの各々に表示される図柄を特定する。
【0046】
更に、インターフェイス回路102には、接続線118も接続されている。この接続線118によって、主制御回路100は、後述する副制御回路200に電気的に接続される。この副制御回路200を示すブロック図を
図3に示す。
上述した接続線118は、副制御回路200のインターフェイス回路202に接続され、インターフェイス回路202は、入出力バス204に接続されている。主制御回路100から副制御回路200に送信された信号は、インターフェイス回路202において所望の信号に変換された後、入出力バス204に供給される。入出力バス204は、中央処理回路(以下、CPUと称する)206にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。
【0047】
上述した入出力バス204には、ROM(リード・オンリー・メモリ)208及びRAM(ランダム・アクセス・メモリ)210も接続されている。ROM208は、後述するランプ駆動回路218や、表示駆動回路220や、スピーカ駆動回路222を制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための初期データを記憶する。ROM208は、表示装置70に表示するための種々の画像データや、スピーカ64から発するための音声データも記憶する。
入出力バス204には、各表示ランプ124を駆動するためのランプ駆動回路218も接続されている。CPU206は、主制御回路100から供給される制御情報に応じて駆動指令をランプ駆動回路218に発し、駆動指令に応じて表示ランプ124を点灯駆動する。
【0048】
また、入出力バス204には、表示装置70を駆動する表示駆動回路220も接続されている。CPU206は、主制御回路100から供給される制御情報に応じてROM208に記憶されている画像データや文字データ等を読み出し、そのデータを表示駆動回路220に供給する。このようにすることにより、表示装置70には、様々な画像データや文字データが画像として表示される。
更に、入出力バス204には、スピーカ64を駆動するためのスピーカ駆動回路222も接続されている。CPU206は、主制御回路100から供給される制御情報に応じてROM208に記憶されている音声データを読み出し、そのデータをスピーカ駆動回路222に供給する。このようにすることにより、スピーカ64から所定の音声が発せられる。
【0049】
(機能ブロック図の説明)
次に、スロットマシン10の制御の機能ブロック図を
図4に示す。
制御回路として、主制御回路100と副制御回路200が電気的に接続され、主制御回路100には、操作手段300が電気的に接続され、また、リール40L、40C及び40Rの各々に設けられたモータ80L、80C及び80Rが電気的に接続されている。副制御回路200には、表示装置70、表示ランプ124、及びスピーカ64が電気的に接続されている。
3つのリール停止スイッチ52L、52C及び52Rから停止操作手段310が構成され、この停止操作手段310と、スタートスイッチ50と、ベットスイッチ32、34及び36とから操作手段300が構成される。この操作手段300は、スイッチに限られず、遊技者の四肢を用いた操作に基づいて操作信号を発生させるものであれば、あらゆる手段が適用できる。
【0050】
<主制御回路100の説明>
主制御回路100は、役抽選手段410と、リール制御手段440と、入賞処理制御手段450と、再遊技制御手段460と、再遊技選択高状態制御手段470とを含む。
役抽選手段410は、役抽選処理によって、役(当たり役、一般役、再遊技役等)の抽選を行なうものである。役抽選手段410は、例えば、役抽選用の乱数発生器112(ハード乱数等)と、この乱数発生器112が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段420と、乱数抽出手段420が抽出した乱数値に基づいて役の当選の有無及び当選役を判定する乱数判定手段430とを備えている。この役抽選手段410による制御処理は、役抽選処理サブルーチン(
図6参照)に示される。
【0051】
リール制御手段440は、スタートスイッチ50から発信されたリール回転開始信号を受信することによって、モータ80L、80C、80Rの制御を行なって、リール40L、40C、40Rを回転させ、そして、リール停止スイッチ52L、52C、52Rの操作開始時に発信されるリール停止立ち上り信号または操作終了時に発信されるリール停止立ち下り信号に基づき、リール40L、40C、40Rを停止させるリール作動に関する制御を行なう。停止の制御においては、当選した役に対応して、停止図柄が揃うまたは揃わないようにするための図柄組み合わせ制御を行なう。以上のようなリール制御手段440による制御処理は、リール変動、停止サブルーチン(
図7参照)に示される。
【0052】
入賞処理制御手段450は、役抽選処理で当たり役や一般役が当選し、停止した図柄に関する入賞図柄判定により、各々の役に対応した図柄が揃って入賞したと判別したときに、遊技が遊技者にとって有利に進行する当たり遊技や所定枚数の遊技媒体の払い出しを実施するための制御を行なう。
再遊技制御手段460は、抽選処理で再遊技役が当選し、停止した図柄に関する入賞図柄判定により、再遊技役に対応した図柄が揃ったと判別したときに、遊技媒体を投入しないで、次の遊技を行なうための制御を行なう。なお、入賞処理制御手段450や再遊技制御手段460による制御処理は、後述する入賞判定、フラグオフ処理サブルーチン(
図8〜
図10参照)に示される。
【0053】
再遊技選択高状態制御手段470は、所定の開始要件を満たしたときに、遊技の態様を、役抽選手段により再遊技役が当選する確率が通常の遊技より高い値に設定されたRT作動状態(再遊技選択高状態)に変更し、RT作動状態(再遊技選択高状態)に変更後、所定の解除要件を満たしたときに、RT作動状態(再遊技選択高状態)を解除する制御処理を行なう。なお、RT作動状態では、再遊技役の当選確率が通常の遊技より高い場合だけに限られず、通常の遊技と同じ場合や通常の遊技よりも低い場合もあり得る。
【0054】
<副制御回路200の説明>
副制御回路200には、画像制御手段510、音声制御手段520、ランプ制御手段530、演出制御手段540、ペナルティ付与手段550、及び警告制御手段560が設けられている。画像制御手段510は、演出制御手段540等から受信した画像データに基づいて、表示駆動回路220を制御して、表示装置70に所定の演出画像を表示することができる。なお、表示装置70、表示駆動回路220、画像制御手段510を含めて、画像表示手段と称する場合もある。
【0055】
また、ランプ制御手段530は、演出制御手段540等から受信したランプ点灯データに基づいて、ランプ駆動回路218を制御して、所定の表示ランプ124を点灯することができる。また、音声制御手段520は、演出制御手段540等から受信した音声データに基づいて、スピーカ駆動回路222を制御して、スピーカ64から所定の音声を発することができる。
【0056】
また、演出制御手段540は、上述の画像制御手段510、音声制御手段520、及びランプ制御手段530に演出データを含む制御信号を送信して、所定の演出を実施するための制御処理を行なう。この所定の演出には、遊技者がリール停止操作により役抽選で当選した役に対応した図柄を表示させるのに有用な情報を有する報知演出が含まれる。更に、後述する押動遊技を実施したり、補正した遊技数を表示したりするための制御処理(
図27、28参照)も行なう。
【0057】
ペナルティ付与手段550は、所定の条件を満たしたときに、所定の条件を満たしたときの遊技状態に応じたペナルティを付与するための制御処理を行なう。ペナルティ付与手段550による具体的な制御処理は、後述する通常状態MB入賞時サブルーチン(
図17参照)やAT状態MB入賞時サブルーチン(
図23参照)等に示される。
警告制御手段560は、所定の要件を満たしたときに、所定の警告を発するための制御処理を行なう。警告制御手段560による具体的な制御処理は、後述する警告音発生サブルーチン(
図24参照)に示される。
【0058】
(制御処理の説明)
以下に、上述した制御手段において行なわれる各種の制御について、フローチャートを用いながら詳細に説明する。
図5には、主制御回路100で行なわれる制御処理のメインルーチンを示す。
図6から
図10には、このメインルーチンで行なわれる制御処理である各サブルーチンを示す。
図6には、役抽選手段410により行なわれる役抽選と、役抽選に引き続き行なわれるフラグオン処理を行なう役抽選処理サブルーチンを示す。
図7には、リール制御手段440により、リールの回転、停止のための制御を行なうリール変動、停止サブルーチンを実施するための各制御処理を示すフローチャートを示す。
図8には、リール変動、停止サブルーチンにより図柄が停止した後の制御処理である入賞判定、フラグオフ処理サブルーチンを示す。
【0059】
図9には、入賞判定、フラグオフ処理サブルーチンの制御処理の一部であるMB遊技中処理サブルーチンを示し、
図10には、入賞判定・フラグオフ処理サブルーチンの制御処理の一部である役当選時処理サブルーチンを示す。
【0060】
図13〜
図28には、主制御回路100から受信した信号に基づき、副制御回路200で実施する制御処理を示し、
図13〜
図23には、MB内部中に実施されるRT作動状態における、報知画像(AT)の表示に関する一連の制御処理を示し、MB役(2種BB役)が入賞した場合に所定のペナルティを付加する制御処理が示される。
図24〜
図25には、複数のリールの停止操作の順番によって警告音を発する制御処理及び当該制御処理に関連する制御処理を示す。
図26〜
図28には、ループ抽選で定めた報知演出の実施回数(AT遊技回数)を補正して表示することに関連する制御処理が示される。
なお、以下に説明する制御処理においては、スロットマシン10は予め起動されており、上述した主制御回路100や副制御回路200において用いられる変数は所定の値に初期化され、定常動作しているものとする。
【0061】
<メインルーチンの説明>
まず、メインルーチンの制御処理の説明を、
図5のフローチャートを用いながら説明する。このメインルーチンでは、遊技者が遊技媒体を投入して、複数の図柄が表示された複数のリールを回転させて停止させるまでの1工程を1回とする遊技を、1回行なうときの制御処理を示す。
まず、パラメータNRPの値が、0より大きいか否かを判断する(ステップS10)。ここでNRPは、再遊技を行なうか否かを定めるパラメータであり、0より大きい場合には再遊技を行ない、0以下の場合には再遊技を行なわないように設定されている。また、
図10のステップS516に示すように、役抽選で再遊技役に当選し、当選役に対応した図柄が停止して入賞したときに、NRPの値として1をインプットするようになっている。
【0062】
ステップS10の判断で、もし、NRPの値が0以下である(NO)と判別したときには、再遊技を行なわないと判断して、次に、遊技媒体が投入されたか否かを判断する(ステップS12)。この判断で、もし、遊技媒体が投入された(YES)と判別したときには、ステップS18へ進み、遊技媒体投入口38の下部に設置された遊技媒体カウンタでカウントした投入枚数を、ベット数として検出する。ただし、規定枚数(本実施形態では2または3枚)を越える枚数の遊技媒体が投入されたときには、規定枚数を越える分の遊技媒体は、クレジット枚数としてRAM110に記憶する。
ステップS12の判断において、もし、遊技媒体が投入されていない(NO)と判断したときには、次に、クレジットされた遊技媒体が有るか否かを判断する(ステップS14)。この判断で、もし、クレジットされた遊技媒体はない(NO)と判別したときには、再びステップS12へ戻り、ステップS12とステップS14の判断処理を繰り返し実行する。
【0063】
また、ステップS14の判断で、もし、クレジットされた遊技媒体が有る(YES)と判別したときには、次に、ベット操作信号を受信したか否かを判断する(ステップS16)。このベット操作信号は、遊技者がベットスイッチ32、34または36の何れか1のスイッチを操作したときに発信される。この判断で、もし、ベット操作信号を受信していない(NO)と判別したときには、再びステップS12に戻り、ステップS12からステップS16までの判断処理を繰り返し実行する。ステップS16の判断で、もし、ベット信号を受信した(YES)と判別したときには、受信したベット操作信号からベット数を検出する(ステップS18)。そして、遊技媒体の投入またはクレジットされた遊技媒体の使用の何れの場合においても、検出したベット数を新たなベット数としてRAM110に記憶し、クレジットされた遊技媒体を使用する場合には、同時に、遊技媒体のクレジット数から、検出したベット数分の枚数だけ減じる処理を行なう(ステップS20)。そして、役抽選処理サブルーチン(ステップS24)へ進む。
【0064】
ステップS10の判断において、もし、NRPの値が0より大きく(YES)、再遊技状態にあると判別したときには、NRPの値に0をインプットして再遊技状態を解除し(ステップS22)、ステップS12からステップS20の処理を行なわない再遊技の制御処理を行なって、役抽選処理サブルーチン(ステップS24)へ進む。つまり、再遊技状態にあると判別したときには、遊技媒体を新たに投入したり、クレジットした遊技媒体を消費することなく、遊技を行なうことができる。また、再遊技におけるベット数としては、本実施形態では、前の遊技におけるベット数と同じベット数(3枚)を設定するような制御が行なわれるが、前の遊技のベット数と異なる値のベット数を設定する制御も可能である。
【0065】
ステップS24の役抽選処理サブルーチンでは、役抽選手段410による役抽選が行なわれ、当選した役に応じたフラグ(
図31A〜
図31C参照)をオンにするフラグオンの処理が行なわれる。このサブルーチンの詳細については、
図6のフローチャートを用いて後述する。
役抽選処理サブルーチン(ステップS24)に引き続いて、この役抽選の結果に基づいて、リール40L、40C、40Rを回転させてから停止させるリールの動きに関する制御処理を行なうリール変動、停止サブルーチン(ステップS26)が行なわれる。このリール変動、停止サブルーチンは、リール制御手段440によって行なわれ、このサブルーチンの詳細については、
図7のフローチャートを用いて後述する。
【0066】
そして、役抽選、入賞図柄判定の結果に基づいて、入賞した当たり遊技に対応した所定枚数の遊技媒体を払い出す払い出し処理(ステップS30)が行なわれ、ステップS32へ進む。この払い出し処理は、実際に遊技媒体を遊技媒体払出口62から払い出すことも可能であるし、払い出す代わりに、所定枚数の遊技媒体をクレジットすることも可能である。
ステップS32では、遊技状態の情報信号を副制御回路200へ送信して(ステップS32)、本サブルーチンを終了する。ここで、ステップS32で副制御回路200へ送信される遊遊技状態の情報信号は、副制御回路200における各制御処理で用いられる。
以上の制御処理によって1回分の遊技が終了する。このメインルーチンに示される制御処理を繰り返すことによって、遊技者は複数回数の遊技を行なうことができる。
【0067】
<遊技状態の流れの説明>
次に、
図11の模式図を用いて、主制御回路100の制御処理で進行する遊技状態の流れの概要を説明する。
本実施形態では、RT、MB未作動状態、MB(2種BB)内部中のRT作動状態、及びMB(2種BB)作動状態の3つの遊技状態がある。
電源起動時には、RT、MB未作動状態となり、役抽選でMB役(2種BB役)に当選すると、MB内部中となって、RT作動状態が開始される。RT作動状態の遊技において、リール停止制御でMB(2種BB)入賞図柄(キャラクタ、バー、バー)が表示されると、MB(2種BB)遊技が開始される。そして、MB(2種BB)遊技における遊技媒体の累積払い出し枚数が所定枚数(例えば30枚)に達すると、MB(2種BB)遊技は終了して、RT、MB未作動状態に移行する。ここで、再び役抽選でMB役(2種BB役)に当選すると、MB内部中となって、RT作動状態に戻ることができる。
【0068】
なお、後述するように、MB(2種BB)役の当選確率は、約1/3.9(16730/65536、
図32参照)と比較的高く、特殊なリール停止操作をした場合にのみ、入賞図柄(キャラクタ、バー、バー)が表示されるので、MB(2種BB)内部中の遊技状態に滞在している場合が多いと考えられる。このMB(2種BB)内部中においては、RT作動状態となり、副制御回路200の制御処理により報知演出(AT)を実施して、所謂ART遊技が実施される場合がある。
以上のような遊技の流れを実現するための各制御処理の説明を、メインサブルーチンの流れに沿って以下に説明する。
【0069】
<役抽選処理サブルーチン>
次に、メインルーチンのステップS24で行なわれる役抽選処理サブルーチンについて、
図6に示したフローチャートを用いながら詳細に説明する。
まず、スタートスイッチONの信号を受信したか否か判断する(ステップS40)。このスタートスイッチONの信号は、遊技者によるスタートスイッチ50の操作をしたときに操作手段300により発信される信号であり、この信号に基づいてリール制御手段440は、リールの回転を開始する制御を行なう(
図7のステップS164参照)。
【0070】
この判断で、もし、スタートスイッチONの信号を受信していない(NO)と判別したときには、このステップS40の判断処理を繰り返す。つまり、遊技者がスタートスイッチ50を操作するまで、遊技のスタートを待つ待機状態となっている。
ステップS40の判断で、もし、スタートスイッチONの信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、遊技開始信号を副制御回路200へ送信し(ステップS42)、ステップS42へ進む。ここで、ステップS41で副制御回路200へ送信される遊技開始信号は、副制御回路200における各制御処理で用いられる。
【0071】
次に、ステップS44おいて、パラメータNMBの値が0より大きい値であるか否かを判断する(ステップS44)。ここで、NMBは、MB(2種BB)遊技を行なうか否か定めるパラメータであり、MB(2種BB)役に当選し入賞したときに、NMBの値に1をインプットするようになっている(
図10のステップS506参照)。この判断で、もし、NMBの値が0より大きい(YES)と判別したときには、全ての一般役のフラグをオンにして(ステップS46)、ステップS70へ進む。
【0072】
ここで、フラグオンとなる一般役は、
図31A〜
図31Cの役抽選テーブルにおいて、「設定役の有無」の項目の「MB作動」の欄で丸印のついたチェリー及びベル役(名称の欄参照)であり、左欄の番号でNo.20〜52の役が該当する。MB遊技においては、遊技媒体の規定枚数が2枚であり、左リールはリール停止操作に基づくリール停止信号受信後、75msec(通常は190msec)で停止する。始めに左リールを停止させると、2枚の遊技媒体払出となる図柄が表示されるようになっている。
【0073】
次に、ステップS44の判断で、もし、NMBの値が0以下である(NO)と判別したときには、次に、パラメータNRTの値が、0より大きいか否かを判断する(ステップS48)。ここでNRTは、遊技状態が、役抽選における再遊技役の当選確率が通常遊技に対して変動するRT作動状態であるか否か定めるパラメータである。なお、「再遊技役の当選確率が変動する」とは、RT作動状態における再遊技役の当選確率が、遊技状態の移行によって変動することを意味し、通常遊技より高く設定された場合だけでなく、RT作動状態における再遊技役の当選確率が、通常の遊技における当選確率と同じ、または通常の遊技における当選確率より低く設定された場合も含まれることを意味する。本実施形態においては、MB内部中にRT作動状態の遊技を行なうようになっている。なお、RT作動状態及びMB、RT非作動状態においては、遊技媒体の規定枚数が3枚であり、全リールにおいて、リール停止操作に基づくリール停止信号受信後、190msecで停止する。更に詳細な説明は、
図7のフローチャートを用いて後述する。
【0074】
ステップS48においてパラメータNRTの値が0より大きい(YES)と判別したとき、ROM108に記憶されたRT作動時の役抽選テーブルを読み出して(ステップS50)、ステップS54へ進む。RT作動時の役抽選テーブルについては、追って詳細に説明する。
ステップS48において、パラメータNRTの値が0以下である(NO)と判別したとき、ROM108に記憶されたMB、RT非作動時の役抽選テーブルを読み出して(ステップS52)、ステップS54へ進む。MB、RT非作動時の役抽選テーブルについては、追って詳細に説明する。
【0075】
以上のように、遊技の状態に応じた抽選テーブルを読み出した後、乱数を取得して抽選判定を行なう役抽選を実施する(ステップS54)。具体的には、乱数発生器112で発生させた乱数を乱数抽出手段420で抽出し、乱数判定手段430が、この抽出した乱数と上述の読み出した抽選テーブルを照らし合わせて当選の判定を行なう。
次に、抽選判定の結果、MB役に当選したか否かを判断する(ステップS62)。この判断で、もし、MB役に当選した(YES)と判別したときには、MBフラグをオンにする(ステップS58)。ここで、「フラグ」とは、データの状態またはCPU106の演算状態を示す値(標識)である。次に、NRTの値に1をインプットして、RT作動状態の設定を行なって(ステップS60)、ステップS70へ進む。
【0076】
ステップS56の判断で、もし、MB役に当選していない(NO)と判別したときには、次に、再遊技役に当選したか否かを判断する(ステップS62)。この判断で、もし、役抽選によって再遊技役に当選した(YES)と判別したときには、再遊技フラグをオンにして、RAM110に記憶し(ステップS64)、ステップS70へ進む。
ステップS62の判断で、もし、再遊技役に当選していない(NO)と判別したときには、次に、一般役に当選したか否かを判断する(ステップS66)。この判断で、もし、役抽選によって一般役に当選した(YES)と判別したときには、一般役フラグをオンにして、RAM110に記憶し(ステップS68)、ステップS70へ進む。
【0077】
ステップS66の判断で、もし、一般役に当選していない(NO)と判別したときには、抽選判定の結果は、はずれであると判断し、はずれ時の所定の制御処理を行なって、ステップS70へ進む。
以上のようにフラグオンに関する一連の処理を行なった後、ステップ70において、役抽選で当選した役に対応した図柄番号、制御図柄データをROM108から読み出して、後述するリール変動、停止サブルーチンに用いるため、このデータをRAM110に記憶して(ステップS70)、ステップS72へ進む。
ステップS72では、役抽選情報信号を副制御回路200へ送信して(ステップS72)、本サブルーチンを終了する。なお、ステップS72で副制御回路200へ送信される役抽選情報信号は、副制御回路200における様々な制御処理に用いられる。
【0078】
(役抽選テーブルの説明)
ここで、
図31A〜
図31C、
図32を用いて、各遊技状態での役抽選テーブルの説明を行なう。はじめに役抽選テーブルの上に記載された各項目(欄)の説明を行なう。
一番左の「番号」及び「名称」の欄に、各役の番号及び名称を示し、「条件装置」の欄に、各役を構成する条件装置を示す。ある役が複数の条件装置で構成されていれば、その役に当選したとき、記載された複数の条件装置に同時当選したことになる。そして、1つの役抽選の結果としては「名称」の欄に記載の内容、例えばリプレイ1が当選したとされる。
条件装置としては、再遊技A〜L、入賞A〜T、及び2種BBが設定されており、各条件装置の詳細は、
図30A〜
図30Gに示される。例えば、再遊技Aは、再遊技A1〜A3で構成され(
図30A参照)、条件装置入賞Aであれば、入賞A1〜A3から構成され(
図30F参照)、対応する図柄の組み合わせが左側の欄に示されている。例えば、条件装置の入賞Aの場合(
図30F参照)であれば、規定枚数が3枚の場合(MB、RT非作動時またはRT作動時)には入賞時に8枚の遊技媒体が払い出され、規定枚数が2枚の場合(MB遊技時)には入賞時に2枚の遊技媒体が払い出されることを示す。
【0079】
図31A〜
図31C、
図32の説明に戻り、「PAY」の欄には、遊技媒体の規定(投入)枚数が3枚の場合及び2枚の場合における遊技媒体の払出枚数を示す。なお、RPは、遊技媒体を投入しないで次遊技を行なう再遊技が行われることを示す。MB、RT非作動時においては、「設定役の有無」の欄の「非内部」の欄で丸印のついた役が設定(役抽選の対象)され、その役の置数が右側の「非内部」の欄に示される。RT作動時においては、「設定役の有無」の欄の「内部」の欄で丸印のついた役が設定され、その役の置数が右側の「内部」の欄に示される。MB遊技中においては、「設定役の有無」の欄の「MB作動」の欄で丸印のついた一般役が設定され、役抽選の結果によらず全一般役のフラグがオンとなる。
【0080】
「押し順に応じた表示図柄、払出枚数」の欄には、複数のリールの停止操作の順番(以下「押し順」という)による表示図柄と、一般役入賞時の遊技媒体の払出枚数を示す。なお、本実施形態におけるリール図柄配置を、
図29に示す。
「押し順に応じた表示図柄、払出枚数」の欄の押し順の後に示す数値「1」は左リールを示し、「2」は中リールを示し、「3」は右リールを示す。例えば、番号No.1のリプレイ1の場合であれば、左・中・右または左・右・中の押し順(つまり、左リールを第1停止)でリール停止操作した場合に、通常リプレイの図柄が表示され、中・左・右または中・右・左の押し順(つまり、中リールを第1停止)でリール停止操作した場合に、特定図柄が2本の有効ライン(ダブルライン揃い)上に表示され、右・中・左または右・左・中の押し順(つまり、右リールを第1停止)でリール停止操作した場合に、煽り図柄が表示されるようになっている。
なお、チェリー、スイカ、特定図柄、煽り図柄、上段ベルは、遊技者が引き込み制御で対応する図柄が停止するように狙えば揃うが、狙わなかった際には対応する別の組合せが停止することになる。なお、更に詳細な説明は省略する。
また、煽り図柄はテンパイ(第3停止前)まで特定図柄に対応する図柄が停止するが、最終的に特定図柄が揃わないようになっている。
【0081】
特定図柄が表示された場合には、後述するように副制御回路200において、より遊技者に有利な遊技状態へ昇格したことを印象付けることができる。また、煽り図柄は、有利な遊技状態への昇格を煽る図柄である。「特定図柄 シングルライン揃い」は、1本の有効ライン上又は1本の表示ライン上に特定図柄が表示された場合を示す。
つまり、同じ役に当選しても、押し順によって、通常の再遊技役として遊技者が認識する図柄が表示される場合と、有利な遊技状態に昇格することを遊技者が期待する図柄と、有利な遊技状態への昇格を煽る図柄とが表示される場合がある。
【0082】
例えば、番号No.11のスイカ1(再遊技役)の場合であれば、左・中・右または左・右・中の押し順(つまり、左リールを第1停止)でリール停止操作した場合に、スイカの図柄が表示され、中・左・右または中・右・左の押し順(つまり、中リールを第1停止)でリール停止操作した場合に、特定図柄が1本の有効ライン(シングルライン揃い)上に表示され、右・中・左または右・左・中の押し順(つまり、右リールを第1停止)でリール停止操作した場合に、煽り図柄が有効ライン上に表示されるようになっている。
つまり、同じ役に当選しても、押し順によって、スイカの図柄(通常、一般役の1つとして遊技者が認識する図柄)が表示される場合と、有利な遊技状態に昇格することを遊技者が期待する図柄と、有利な遊技状態への昇格を煽る図柄とが表示される場合がある。
【0083】
また、番号No.21〜28の213正解ベル1〜8の場合であれば、中・左・右の押し順でリール停止操作した場合に、中段にベルの図柄が表示されて、8枚の遊技媒体の払い出しがある。一方その他の押し順でリール停止操作を行った場合には、1枚の遊技媒体の払い出し又は払い出しがないようになっている。
つまり、同じ役に当選しても、押し順によって、払い出される遊技媒体が異なる。言いかえれば、得られる利益状態が異なるようになっている。
【0084】
<MB、RT非作動時の役抽選テーブルの説明>
<<MB、RT非作動時の説明>>
MB、RT非作動時においては、
図31A〜
図31Cの役抽選テーブルにおいて、「設定役の有無」の項目の「非内部」の欄で丸印のついた役、及び
図32のMB役が設定され、各役に設定された置数が、右側の「置数の合計65536」欄の「非内部」の欄に記載されている。
具体的には、No.0のハズレ(ハズレ確率:約1/21(3112/65536))、再遊技役として、No.1のリプレイ1及びNO.19のベル(再遊技合計当選確率:約1/7.3(8978/65536))、一般役として、No.20のチェリー5及びNO.21〜52の各種ベル(一般役合計当選確率:約1/1.78(36716/65536))、MB役(当選確率:約1/3.9(16730/65536))が設定されている。なお、後述するRT作動状態とは異なり、No.2〜18のその他の再遊技役は設定されていない。MB役の当選確率は約1/3.9であり、比較的早い時期に、MB、RT非作動状態から内部中のRT作動状態へ移行することが考えられる。一方、当選したMB役を入賞させるのには、RT作動状態であれば、役抽選でNo.20のチェリー5を当選させ、中・右・左の押し順でかつ入賞図柄を目押しして成功する必要がある。通常、チェリー5当選時は、画像制御手段510によりなにかしらのAT抽選役が当選したことを示唆する告知演出が実行される可能性が高く、変則押しを要するMB役が入賞する可能性は低いといえる。よって、RT作動状態に長く滞在することが考えられる。それ以外の場合としては、RT非作動状態において、役抽選でMB役に当選した遊技で入賞図柄を目押しすることで入賞が可能となっている。
【0085】
ここで、一般役の当選確率(約1/1.78)が非常に高いが、実際に8枚の遊技媒体の払い出しとなるのは、6通りの押し順の中の1つの押し順だけなので、押し順を報知されない場合には、8枚の遊技媒体の払い出しとなる実質的な確率は1/10を下回る。更に、後述するように、左・中・右の通常の押し順以外の押し順でリール停止操作をすると、所定のペナルティを付加するようになっている場合には、基本的に1枚の遊技媒体が払い出されるようになる。つまり、3枚の遊技媒体を投入して1枚の遊技媒体の払い出しを受ける遊技(遊技媒体2枚のロス)が多く実施されて、過剰な払い出しがなされることを防ぐことができる。
なお、MB、RT非作動時には、MB役が単独当選するので、MB役に当せんした遊技において、押し順によらず、引き込み制御でMB入賞図柄が表示されるように目押しすれば、MB役を入賞させることができる。
<<RT作動時の説明>>
RT作動時においては、
図31A〜
図31Cの役抽選テーブルにおいて、「設定役の有無」の項目の「内部」の欄で丸印のついた役が設定され、各役に設定された置数が、右側の「置数の合計65536」欄の「内部」の欄に記載されている。
具体的には、再遊技役として、No.1〜6のリプレイ1〜6、No.7〜10のチェリー1〜4、No.11〜17のスイカ1〜7、No.18のチャンス目及びNO.19のベル(再遊技合計当選確率:約1/2.3(28820/65536))、一般役として、No.20のチェリー5及びNO.21〜52の各種ベル(一般役合計当選確率:約1/1.78(36716/65536))が設定されている。なお、上述のMB、RT非作動状態と比べると、ハズレ、MB役が設定されておらず、その代わりに、No.2〜19の再遊技役が設定されている。一般役については、当選確率もMB、RT非作動状態と同じ値が設定されている。
RT作動時では、ハズレがないので、役抽選で必ず再遊技役か一般役が当選することになる。
【0086】
MB、RT非作動状態と同様に、一般役の当選確率(約1/1.78)が非常に高いが、実際に8枚の遊技媒体の払い出しとなるのは、6通りの押し順の中の1つの押し順だけである。よって、報知演出(AT)が実施されて、8枚の遊技媒体の払い出しとなる押し順を報知された場合には、3枚の遊技媒体を投入して8枚の遊技媒体の払い出しを受ける(遊技媒体5枚分プラス)ので、所謂ARTの遊技状態は遊技者にとって非常に有利な遊技状態であると言える。一方、報知演出(AT)が実施されない場合には、上述のように、8枚の遊技媒体の払い出しとなる実質的な確率は1/10を下回る。よって、本実施形態においては、副制御回路200で制御される報知演出(AT)の実施の有無で、遊技の進行に変化を付けることができる。
また、No.8〜18またはNo.20のAT抽選役に当選した場合には、報知演出(AT)の実施回数(AT遊技数)を付加可能なAT抽選を行なうようになっている。
【0087】
上述のように、内部中のRT作動状態においては、No.20のチェリー5に当選させ、中・右・左の押し順でリール停止操作し、かつ引き込み制御でMB入賞図柄が表示されるように目押しした場合にのみ、MB役が入賞するようになっているので、内部中のRT作動状態で遊技する場合が多いと考えられる。
【0088】
<<MB遊技時の説明>>
MB(2種BB)遊技を実施するときは、役抽選の結果に関らず、
図31A〜
図31Cの役抽選テーブルにおいて、「設定役の有無」の項目の「MB作動」の欄で丸印のついた、No.20〜52の一般役のフラグがオンとなる。MB遊技では遊技媒体の規定枚数が2枚であり、左リールはリール停止操作に基づくリール停止信号受信後、75msec以内で停止する。始めに左リールを停止させると、必ず2枚の遊技媒体は払い出されるが、始めにその他のリールを停止させるときには、2枚の遊技媒体は払い出される場合と、遊技媒体の払い出しがない場合とがある。
【0089】
<リール変動、停止サブルーチンの説明>
次に、
図5のメインルーチンにおいて、上述の役抽選処理サブルーチン(ステップS24)が終了すると、次に、リール変動、停止サブルーチン(ステップS26)を行なう。
図7に示すフローチャートを用いて、リール変動、停止サブルーチンの詳細な説明を行なう。
まず、
図6のステップS70で記憶した図柄番号と制御図柄データを読み出す(ステップS160)。次に、予め定められた最短時間を経過したか否かの判断を行なう(ステップS162)。この判断で、もし、最短時間が経過していない(NO)と判別したときには、このステップS162の判断処理を繰り返し実行する。つまり、最短時間が経過するまで次の工程であるリールの回転開始を行なえないようなっている。この制御によって、一定時間に行なわれる遊技の回数を、所定の回数以内に抑える制御を行なっている。
【0090】
ステップS162の判断で、もし、最短時間が経過した(YES)と判別したときには、既にスタートスイッチONの信号を受信しているので(
図6のステップS40参照)、リール回転開始信号をモータ駆動回路114に送信して、モータ80L、80C、80Rの回転を開始させ、リール40L、40C、40Rを回転させる(ステップS164)。
次に、回転を始めたリールが定速回転になっているか否かを判断する(ステップS166)。この判断で、もし、リールの回転がまだ定速回転になっていない(NO)と判別したときには、このステップS166の判断処理を繰り返す。つまり、リールの回転が定速回転に達するまでは、次の工程であるリールの停止制御が行なえないようになっている。
【0091】
ステップS166の判断で、もし、リールの回転が定速回転になっている(YES)と判断したときには、次に、リール停止信号を受信したか否かを判断する(ステップS168)。ここで、リール停止信号は、停止スイッチ52L、52C、52Rのうち、遊技者が何れか1つの停止スイッチを押動操作したときに、操作手段300によって発信される信号である。
ステップS168の判断で、もし、リール停止信号を受信した(YES)と判別したときには、リール制御手段440は、リール停止信号を発信した停止スイッチに対応するリールの図柄組み合わせ制御(停止制御)を行なう(ステップS170)。
【0092】
ここで、ステップS168、S170の制御処理を更に詳細に説明すれば、左リール用の停止スイッチ52Lが押動操作された場合には、リール制御手段440は、左リール40Lを回転させるモータ80LについてステップS170の停止制御を行なう。同様に、中リール用の停止スイッチ52Cが押動操作された場合には、中リール40Cを回転させるモータ80CについてステップS170の停止制御を行ない、右リール用の停止スイッチ52Rが押動操作された場合には、右リール40Rを回転させるモータ80RについてステップS170の停止制御を行なう。
【0093】
ステップS170の図柄組み合わせ制御(停止制御)は、MB遊技を除いて、ステップS160で読み出した図柄番号、制御図柄データに基づいて、リール停止信号を受信したときのコマを1コマ目として、最大5コマ目(190msec)までリールを滑らして、その範囲内で、所定の図柄を有効ライン上に停止させる図柄組み合わせ制御(引き込み制御)、または停止させない図柄組み合わせ制御(蹴飛ばし制御)を行なうものである。
【0094】
本実施形態においては、
図30A〜Gに記載の条件装置が、
図31A〜Cに示すように複数同時当選し、
図29に示すようなリール図柄配置において、上記の図柄組み合わせ制御(停止制御)により、
図31A〜Cの「押し順に応じた表示図柄」の欄に示すような図柄が表示される。
また、MB遊技状態においては、左リールにおいて、リール停止信号を受信したときのコマを1コマ目として、最大2コマ目(75msec)までリールを滑らし、その他のリールについては、最大5コマ目(190msec)までリールを滑らして、その範囲内で、所定の図柄を有効ライン上に停止させる図柄組み合わせ制御(引き込み制御)、または停止させない図柄組み合わせ制御(蹴飛ばし制御)を行なう。このような制御処理により、始めに左リールを停止させると、2枚の遊技媒体払出となる図柄が表示されるようになっている。
【0095】
No.21の213正解ベル1を例にとって更に詳細に述べれば、213正解ベル1が当選する場合には、条件装置の入賞BCEFが同時当選しており、押し順213(中・左・右)の場合には、入賞Bを引き込む。この場合、入賞Bの入賞図柄(ベル・ベル・ベル)の組み合せは、全リールで4つずつあり(つまり、5コマ以内にあり)、引き込み率1/1(4/4)なので、中段にベルが揃って8枚の遊技媒体が払い出される。
押し順123(左・中・右)または132(左・右・中)の場合には、入賞EまたはFを引き込み、入賞EとFの入賞図柄の組み合わせ、左リールで4つ(リプレイA)、中リールで1つ(キャラクタ)、右リールで2つ(セブンまたはバー)あるので、引き込み率は、4/4×1/4×2/4=2/16となる(
図31B参照)。 これらの図柄の上にはベルの図柄があるので、タイミングが合った場合(つまり、中段に対応する図柄が揃った場合)には、見かけ上、上段にベルが揃い、タイミングが合わなかった場合には、上段にベルを揃えることができずに、いずれの役の組合せも構成しないハズレ(ハズレ目)となり払い出しはない。
押し順231(中・右・左)、312(右・左・中)または321(右・中・左)の場合には、入賞Cを引き込み、入賞Cの入賞図柄の組み合わせは引き込み率1/1で、バラケ目(スイカ・リプレイA・ベル等)が表示され、1枚の遊技媒体が払い出される。
なお、No.22〜52の正解ベルにおいても、同様な停止制御が行われる。
【0096】
以上のように、リール停止信号に対応したリールの図柄組み合わせ制御(停止制御)を行なった後、停止操作信号を副制御回路200へ送信する(ステップS171)。ステップS171で副制御回路200へ送信した停止操作信号は、副制御回路200で行なわれる各制御処理に用いられる。次に、全リールが停止したか否か判断する(ステップS172)。この判断で、もし、全リールが停止してはいない(NO)へ送信と判別したときには、ステップS1168へ戻り、全リールが停止するまで、ステップS168からS172までの制御処理を繰り返す。ステップS172の判断で、もし、全リールが停止した(YES)と判別したときには、次に、全リール停止信号を副制御回路200して(ステップS173)、本サブルーチンを終了する。ステップS173で副制御回路200へ送信した全リール停止信号は、副制御回路200で行なわれる各制御処理で用いられる。
【0097】
<入賞判定、フラグオフ処理サブルーチンの説明>
図5のメインルーチンにおいて、上述のリール変動、停止サブルーチン(ステップS26)が終了すると、次に、入賞判定、フラグオフ処理サブルーチン(ステップ28)を行なう。
図8に示すフローチャートを用いて、入賞判定、フラグオフ処理サブルーチンの詳細な説明を行なう。
【0098】
まず、遊技の状態がMB(2種BB)遊技中であるか否かを判断する(ステップS200)。この判断で、もし、MB遊技中である(YES)と判別したときには、MB遊技中処理サブルーチン(ステップS202)を行なって、本サブルーチンを終了する。MB遊技中処理サブルーチンの詳細な説明は後述する。
ステップS200の判断で、もし、遊技の状態がMB遊技中ではない(NO)と判別したときには、次に、当選役があるか否かを判断する(ステップS204)。この判断で、もし、当選役がある(YES)と判別したときには、役当選時処理サブルーチン(ステップS206)を行なって、入賞判定、フラグオフ処理サブルーチンを終了する。役当選時処理サブルーチンの詳細な説明は後述する。ステップS204の判断で、もし、当選役がない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。
以下に、ステップS202、S206に示されるサブルーチンの詳細な説明を行なう。
【0099】
<MB遊技中処理サブルーチンの説明>
次に、入賞判定、フラグオフ処理サブルーチン(
図8参照)において、ステップS200でMB遊技中であると判別したときに実施するMB遊技中処理サブルーチン(ステップS202参照)の詳細な説明を、
図9に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、上述のリール変動、停止サブルーチンによって停止したリール図柄が入賞しているか入賞図柄判定を行ない(ステップS400)、次に、入賞図柄判定の結果、何らかの役が入賞しているか否かを判断する(ステップS402)。この判断で、もし、入賞がない(NO)と判別したときには、一般役(全一般役)のフラグをフラグオフにして(ステップS404)、ステップS410へ進む。
【0100】
ステップS402の判断で、もし、入賞がある(YES)と判別したときには、払出枚数をカウントして、払出枚数のデータを更新し、更新したデータをRAM110に記憶する(ステップS406)。そして、一般役(全一般役)のフラグをオフにして(ステップS408)、ステップS410へ進む。なお、このデータは、MB遊技の終了条件に用いられ、払出枚数が終了枚数に達したときには、MB遊技を終了する。なお、MB遊技の終了条件となる払出枚数としては、30枚を例示することができるが、これに限られるものではない。
次に、MB遊技の終了条件が達成したか否かを判断する(ステップS410)。この判断で、もし、MB遊技の終了条件を達成してない(NO)と判別したときには、そのまま、本サブルーチンを終了する。また、ステップS410の判断で、もし、MB遊技の終了条件を達成している(YES)と判別したときには、MB終了信号を副制御回路200へ送信して(ステップS414)、本サブルーチンを終了する。ステップS414で副制御回路200へ送信したMB終了信号は、副制御回路200で行なわれる制御処理で用いられる。
【0101】
<役当選時処理サブルーチンの説明>
次に、入賞判定、フラグオフ処理サブルーチン(
図8参照)において、ステップ204で当選役ありと判別したときに実施する役当選時処理サブルーチン(ステップS206参照)の詳細な説明を、
図10に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、上述のリール変動、停止サブルーチンによって停止したリール図柄が入賞しているか入賞図柄判定を行ない(ステップS500)、この入賞図柄判定の結果、何らかの役が入賞しているか否かを判断する(ステップS502)。この判断で、もし、入賞している(YES)と判別したときには、次に、MB役が入賞したのか否かの判断を行なう(ステップS504)。この判断で、もし、MB役が入賞した(YES)と判別したときには、パラメータNMBの値に1をインプットして(ステップS506)、MBフラグをオフにし(ステップS508)、パラメータNRTの値に0をインプットして(ステップS510)、本サブルーチンを終了する。つまり、MB内部中に実施していたRT作動状態が、MB役入賞により終了することになる。
【0102】
ここで、MB、RT非作動時の遊技におけるMB役の当選確率は約1/3.9と比較的高く、MBフラグがオンになって内部中の状態に比較的なり易いと言えるが、MB役が入賞するのは、役抽選でNo.20のチェリー5(
図31A参照)を当選させ、中・右・左の押し順でかつ入賞図柄を目押しして成功する必要がある。通常、チェリー5当選時は画像制御手段510によりなにかしらのAT抽選役が当選したことを示唆する告知演出が実行される可能性が高く、変則押しを要するMB役が入賞する可能性は低いといえる。よって、RT作動状態に長く滞在することが考えられる。
ステップS504の判断で、もし、MB役が入賞していない(NO)と判別したときには、次に、再遊技役が入賞したか否か判断する(ステップS512)。この判断で、もし、再遊技役が入賞した(YES)と判別したときには、次に、パラメータNRPの値に1をインプットし(ステップS514)、再遊技フラグをオフにし、MBフラグがオンであれば持ち越し処理を行なって(ステップS516)、本サブルーチンを終了する。
【0103】
ステップS512の判断で、もし、再遊技役が入賞していない(NO)と判別したときには、一般役が入賞したと判断して、一般役フラグをオフにして、MBフラグがオンであれば持ち越し処理を行なって(ステップS518)、本サブルーチンを終了する。
【0104】
ステップS502の判断に戻って、もし、入賞がない(NO)と判別したときには、次に、MBフラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS520)。この判断で、もし、MBフラグがオンになっている(YES)と判別したときには、MBフラグの持ち越し処理を行ない、他のフラグ(再遊技役、一般役)がオンになっていれば、そのフラグをオフにして(ステップS522)、本サブルーチンを終了する。
ステップS520の判断で、もし、MBフラグがオンになっていない(NO)と判別したときには、フラグオンになっているフラグ(再遊技役、一般役)をオフにして(ステップS524)、本サブルーチンを終了する。
【0105】
<メインルーチンの説明(続き)>
以上のように、ステップS202、S206に示されるサブルーチンが終了して、
図8に示す入賞判定、フラグオフ処理サブルーチンが終了する。ここで、
図5のメインルーチンに戻り、ステップS28の入賞判定、フラグオフ処理サブルーチンを終了し、ステップS30の払い出し処理を行なって(ステップS30)、本メインルーチンを終了する。
以上のようにして、図柄が変動してから停止するまでの1工程を1回とする遊技を行なうための制御処理が終了する。
【0106】
(副制御回路200により行なわれる制御処理の説明)
次に、主制御回路100から受信した信号に基づいて、副制御回路200で行なわれる制御処理を示す各サブルーチンの説明を行なう。
<制御回路200により制御される遊技の流れの説明>
始めに、
図12に示すブロック図を用いて、MB内部中のRT作動状態の遊技において、制御回路200により制御される遊技の流れについて説明する。この副制御回路200による遊技状態には、通常状態とAT状態があり、それぞれ3つの遊技状態(通常状態1〜3及びAT状態1〜3)がある。通常状態1〜3では、リール停止操作で当選した役に対応した図柄を表示させるに有用な情報を含む報知演出(AT)を実施せず、AT状態1〜3では、報知演出(AT)を実施するようになっている。
【0107】
主制御回路100において、役抽選でMB役(2種BB役)が当選すると、次遊技からRT作動状態の遊技が開始され、副制御回路200においては、通常状態1またはAT状態1が開始される。電源投入後、始めてRT作動状態になった場合、または通常状態1〜3の何れかに滞在中に、MB役が入賞してRT作動状態が終了し、再びRT作動状態が開始されるときには、通常状態1が開始される。一方、AT状態1〜3の何れかに滞在中に、MB役が入賞してRT作動状態が終了し、再びRT作動状態が開始されるときには、AT状態1が開始される。
遊技者は、より有利な遊技状態を得るため、通常状態1から通常状態2へ、そして通常状態3へ昇格することを目指し、更に、通常状態3から、報知演出(AT)を実施するAT状態1への昇格を目指し、更に、より有利なAT状態2へ、そして最も有利なAT状態3への昇格を目指すことになる。
【0108】
通常状態1(パラメータTUJYOJISSI=1)では、主制御回路100による役抽選でAT抽選役に当選したとき、AT抽選、及び通常状態2への昇格抽選を行なう。ここで、AT抽選は、抽選処理により報知演出(AT)を実施するAT遊技数(報知回数)を定め(ゼロの場合もある)、既にAT遊技数を獲得している場合には、その値にAT抽選で定められたAT遊技数を付加する制御処理を行なう。AT抽選でAT遊技数を獲得した場合には、AT実施の権利を付与する。また、昇格抽選は、抽選処理で次の遊技状態へ昇格させるか否か定めるものである。
【0109】
通常状態1における昇格抽選で、通常状態1から通常状態2へ昇格させる(当選)と定められた場合には、次遊技から通常状態2(パラメータTUJYOJISSI=2)を開始し、主制御回路100による役抽選でAT抽選役に当選したとき、AT抽選、及び通常状態2から通常状態3への昇格抽選を行なう。
通常状態2における昇格抽選で、通常状態2から通常状態3へ昇格させる(当選)と定められた場合には、次遊技から通常状態3(パラメータTUJYOJISSI=3)を開始し、主制御回路100による役抽選でAT抽選役に当選したとき、AT抽選、及び通常状態3からAT状態1への昇格抽選を行なう。なお、昇格抽選で当選するだけでなく、AT抽選で既にAT遊技数を獲得している場合(つまり、AT実施の権利を有している場合)にのみ、AT状態1へ昇格できる。昇格抽選で当選しても、AT抽選でAT遊技数を獲得したとき得られるAT権利を有していない場合には、通常状態3での遊技を継続する。
また、本実施形態においては、AT抽選でAT遊技数を獲得する確率は、通常状態1、通常状態2、通常状態3の順に高くなっている。
【0110】
ここで、通常状態1〜3の何れかの遊技状態に滞在中に、フラグがオンになっているMB(2種BB)役が入賞した場合、MB(2種BB)遊技へ移行するが、このとき通常状態1〜3も終了する。このMB遊技が終了して、MB、RT非作動状態に移行し、MB、RT非作動状態の遊技で、再びMB(2種BB)役に当選して、RT作動状態が開始するとき、副制御回路200で制御する遊技状態においては、通常状態1から開始するようになっている。
つまり、昇格抽選で当選して、通常状態2や通常状態3の報知演出を実施するAT遊技状態に近づいた遊技状態にいたとしても、MB(2種BB)役が入賞した場合には、振り出しの通常状態1へ戻るというペナルティを受けることになる。更に、既に獲得していたAT実施の権利やAT遊技数(報知回数)を喪失するというペナルティを受けることになる。
【0111】
昇格抽選で、通常状態3からAT状態1へ昇格させると定められた場合には、次遊技からAT状態1(パラメータATJISSI=1)を開始し、主制御回路100による役抽選でAT抽選役に当選したとき、AT抽選、及びAT状態1からAT状態2への昇格抽選を行なう。なお、AT抽選役に当選したとき、所定の押し順でリール停止操作を行った場合、特定図柄が表示されるので、遊技者に昇格する喜びや実感を与えることができる。
例えば、
図31Aの役抽選テーブルのNo.11のスイカ1は、AT抽選役であるが、通常状態1〜3で当選した場合には、報知演出がなく、後述するように警告音が発せられる場合もあるので、遊技者は通常の左・中・右の押し順でリール停止操作をする可能性が高く、その場合には、スイカ図柄が表示される。一方、AT状態1または2で当選した場合には、報知演出に基づいて中・左・右または中・右・左の押し順でリール停止操作を行なう可能性が高く、これにより特定図柄が表示されるようになっている。
【0112】
AT状態1における昇格抽選で、AT状態1からAT状態2へ昇格させる(当選)と定められた場合には、次遊技からAT状態2(パラメータATJISSI=2)を開始し、主制御回路100による役抽選でAT抽選役に当選したとき、AT抽選、及びAT状態2からAT状態3への昇格抽選を行なう。
AT状態2における昇格抽選で、AT状態2からAT状態3へ昇格させる(当選)と定められた場合には、次遊技からAT状態3(パラメータATJISSI=3)を開始する。AT状態3では、AT抽選を行なうが(昇格抽選はない)、AT遊技数を獲得する回数が他の遊技状態に比べて非常に高くなっており、遊技者にとって非常に有利な遊技状態になっている。AT状態3で所定の遊技数の遊技を実施すると、AT状態3は終了して、AT状態1へ移行する。
また、AT状態1〜3において、報知演出(AT)を伴う遊技を重ねて、残存するAT遊技数がゼロになった場合には、通常状態1へ移行するようになっている。
【0113】
AT状態1〜3の何れかの遊技状態に滞在中に、フラグがオンになっているMB(2種BB)役が入賞した場合、MB(2種BB)遊技へ移行するが、このときAT状態1〜3も終了する。このMB遊技が終了した後、MB、RT非作動状態に移行し、MB、RT非作動状態の遊技で、再びMB(2種BB)役に当選して、RT作動状態が開始するとき、副制御回路200で制御する遊技状態においては、AT状態1から開始する。
つまり、昇格抽選で当選して、より有利なAT状態2やAT状態3にいたとしても、MB(2種BB)役が入賞した場合には、AT状態1へ戻るというペナルティを受けることになる。更に、既に獲得していたAT遊技数(報知回数)の一部を喪失するというペナルティを受ける場合もある。なお、この詳細については後述する。
【0114】
(
図12の模式図に示す遊技の流れを実現するための制御処理の説明)
次に、
図13〜
図23を用いて、
図12に示す遊技の流れを実現するための制御処理の説明を行なう。
<遊技状態設定サブルーチンの説明>
始めに、
図13に示すフローチャートを用いて、遊技状態設定サブルーチンの詳細な説明を行なう。本サブルーチンは遊技ごとに実施され、主制御回路100により実施される役抽選でMB(2種BB)役に当選したとき、次遊技から通常状態1またはAT状態1を開始するための制御処理を行なう。
【0115】
まず、主制御回路100から遊技開始信号(
図6のステップS42参照)を受信したか否か判断する(ステップS600)。この判断で、もし、遊技開始信号を受信していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS600の判断で、もし、遊技開始信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、主制御回路100から当選役情報信号(
図6のステップS72参照)を受信したか否か判断する(ステップS602)。この判断で、もし、当選役情報信号を受信していない(NO)と判別したときには、この判定処理を繰り返す。つまり、当選役情報信号を受信するまで待機状態になっている。
【0116】
ステップS602の判断で、もし、当選役情報信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、受信した当選役情報信号に含まれる情報に基づき、MB(2種BB)役に当選したか否か判断する。この判断で、もし、MB(2種BB)役に当選していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS604に判断で、もし、MB(2種BB)役に当選した(YES)と判別したときには、次に、パラメータTUJYOJISSIの値が1であるか否か判断する(ステップS606)。ここで、TUJYOJISSIは、通常状態1〜3の何れの遊技状態で遊技を行なうかを定めるパラメータであり、通常状態1〜3に対応して、TUJYOJISSIに1〜3の値がインプットされる。
【0117】
ステップS606の判断で、もし、パラメータTUJYOJISSIの値が1である(YES)と判別したときには、次遊技から通常状態1を開始するための制御処理を行ない(ステップS608)、本サブルーチンを終了する。つまり、電源投入後、始めてMB(2種BB)役に当選した場合、または通常状態1〜3でMB(2種BB)役が入賞し、その後、再びMB(2種BB)役に当選した場合(
図17のステップS754参照)には、通常状態1に移行するようになっている。
ステップS606の判断で、もし、パラメータTUJYOJISSIの値が1ではない(NO)と判別したときには、次に、パラメータATJISSIの値が1であるか否か判断する(ステップS610)。ここで、ATJISSIは、AT状態1〜3の何れの遊技状態で遊技を行なうかを定めるパラメータであり、AT状態1〜3に対応して、ATJISSIの1〜3の値がインプットされる。
【0118】
ステップS610の判断で、もし、パラメータATJISSIの値が1である(YES)と判別したときには、次遊技からAT状態1を開始するための制御処理を行ない(ステップS612)、本サブルーチンを終了する。つまり、AT状態1〜3でMB(2種BB)役が入賞し、その後、再びMB(2種BB)役に当選した場合(
図23のステップS950参照)には、AT状態1に移行するようになっている。
ステップS610の判断で、もし、パラメータATJISSIの値が1でない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0119】
<通常状態AT抽選サブルーチンの説明>
次に、
図14に示すフローチャートを用いて、通常状態AT抽選サブルーチンの詳細な説明を行なう。本サブルーチンは遊技ごとに実施され、主制御回路100により実施される役抽選でAT抽選役に当選したとき、AT抽選を行って、何らかのAT遊技数を獲得した場合には、獲得したAT遊技数をこれまで獲得したAT遊技数に付加する制御処理を行なう。
まず、主制御回路100から遊技開始信号(
図6のステップS42参照)を受信したか否か判断する(ステップS620)。この判断で、もし、遊技開始信号を受信していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS620の判断で、もし、遊技開始信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、パラメータTUJYOJISSIの値が0より大きいか否か判断する(ステップS622)。
【0120】
上述のように、通常状態1〜3に対応してTUJYOJISSIの値として1〜3がインプットされ、通常状態1〜3の何れでもない場合には、TUJYOJISSIの値は0となる。ステップS622の判断で、もし、TUJYOJISSIの値が0以下である(NO)判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。
ステップS622の判断で、もし、TUJYOJISSIの値が0より大きい(YES)と判別したときには、次に、主制御回路100から当選役情報信号(
図6のステップS72参照)を受信したか否か判断する(ステップS624)。この判断で、もし、当選役情報信号を受信していない(NO)と判別したときには、この判定処理を繰り返す。つまり、当選役情報信号を受信するまで待機状態になっている。
【0121】
ステップS624の判断で、もし、当選役情報信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、受信した当選役情報信号に含まれる情報に基づき、AT抽選役に当選したか否か判断する(ステップS626)。ここで、AT抽選役としては、
図31Aに示すNo.7〜10のチェリー1〜4(再遊技役)、No.11〜17のスイカ1〜7(再遊技役)、No.18のチャンス目(再遊技役)、及びNo.20の一般役(チェリー5)を例示することができる。ただし、これに限られるものではなく、その他の任意の役をAT抽選役に設定することができる。
ステップS626の判断で、もし、AT抽選役に当選していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS626の判断で、もし、AT抽選役に当選した(YES)と判別したときには、次に、実施中の遊技状態(通常状態1〜3の何れであるか)及び当選したAT抽選役に対応した抽選テーブルを、ROM208から読み出して、AT抽選処理を行なう(ステップ628)。
【0122】
副制御回路200における抽選処理においても、乱数発生器(ハード乱数等)と、この乱数発生器が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて抽選結果を判定する乱数判定手段とを備えた抽選手段を用いることができる。本実施形態では、副制御回路200において、256個の乱数を発生させて抽選処理を行なっているが、その他の任意の数の置数を用いることができる。
また、ハードウエアを用いた抽選処理だけでなく、ソフトウエアを用いた抽選処理も可能である。
【0123】
次に、通常状態1〜3及びAT抽選役に対応した抽選テーブルの実施例を、
図33A〜
図33Cに示す。
図33Aには、通常状態1における抽選テーブルを示し、
図33Bには、通常状態2における抽選テーブルを示し、
図33Cには、通常状態3における抽選テーブルを示す。何れの抽選テーブルにおいても、当選したAT抽選役がチェリー(No.7〜10、20)の場合、スイカ(No.11〜17)の場合、及びチャンス目(No.20)の場合における当選確率(置数)が示されている。
各抽選テーブルにおける抽選番号で1〜5では、それぞれ、A欄に示す10、20、30、40、50回のAT遊技数が設定され、抽選番号で6〜10では、B欄に示すAT演出が設定され(1が抽選対象であることを示す)、1個のAT演出が有するAT遊技数が、C欄(それぞれ、20、40、60、80、100回)に示されている。抽選番号11には、ハズレ(獲得AT遊技数ゼロ)が設定されている。
【0124】
図33Aに示す通常状態1のチェリー当選時においては、抽選番号1〜10の各々の当選確率が約1/42.7(6/256)であり、ハズレの確率が約1/1.31(196/256)になっている。通常状態1のスイカ当選時においては、抽選番号1〜10の各々の当選確率が約1/36.6(7/256)であり、ハズレの確率が約1/1.38(186/256)になっている。通常状態1のチャンス目当選時においては、抽選番号1〜10の各々の当選確率が1/32(8/256)であり、ハズレの確率が約1/1.45(176/256)になっている。
【0125】
図33Bに示す通常状態2のチェリー当選時においては、抽選番号1〜10の各々の当選確率が約1/36.6(7/256)であり、ハズレの確率が約1/1.38(186/256)になっている。通常状態2のスイカ当選時においては、抽選番号1〜10の各々の当選確率が1/32(8/256)であり、ハズレの確率が約1/1.45(176/256)になっている。通常状態2のチャンス目当選時においては、抽選番号1〜10の各々の当選確率が約1/28.4(9/256)であり、ハズレの確率が約1/1.54(166/256)になっている。
【0126】
図33Bに示す通常状態3のチェリー当選時においては、抽選番号1〜10の各々の当選確率が1/32(8/256)であり、ハズレの確率が約1/1.45(176/256)になっている。通常状態3のスイカ当選時においては、抽選番号1〜10の各々の当選確率が約1/28.4(9/256)であり、ハズレの確率が約1/1.54(166/256)になっている。通常状態3のチャンス目当選時においては、抽選番号1〜10の各々の当選確率が1/25.6(10/256)であり、ハズレの確率が約1/1.64(156/256)になっている。
【0127】
以上のように、通常状態1、通常状態2、通常状態3の順に、AT遊技数を獲得する確率が高くなっており、通常状態1、通常状態2、通常状態3の順に、遊技者にとって有利な遊技状態であると言える。また、同じ遊技状態の中では、当選したAT抽選役が、チェリー、スイカ、チャンス目の順にAT遊技数を獲得する確率が高くなっており、遊技者に遊技的な面白さを与えることができる。
【0128】
ステップS628でAT抽選を行った後、次に、AT抽選の結果、AT遊技数を獲得したか否か判断する(ステップS630)。この判断で、もし、AT遊技数を獲得した(YES)と判別したときには、次に、報知演出(AT)を実施する回数(AT遊技数)を示すカウンタNATの値に、AT抽選で獲得したAT遊技数を付加する制御処理を行なって(ステップS632)、ステップS634へ進む。ステップS630の判断で、もし、AT遊技数を獲得していない(NO)と判別したときには、そのままステップS634へ進む。
【0129】
ステップS634では、AT抽選の結果、抽選番号6〜10のAT演出(
図33A〜C参照)を獲得したか否か判断する(ステップS634)。この判断で、もし、AT演出を獲得した(YES)と判別したときには、獲得したJ番目のAT演出とそのAT遊技数(J)を、RAM210に記憶し(ステップS636)、本サブルーチンを終了する。
ここで、Jは1以上の整数であり、始めてAT演出を獲得した場合にはJ=1となり、その後、AT演出を獲得するたびに、Jの値は1ずつ繰り上がっていく。
ステップS634の判断で、もし、AT抽選でAT演出を獲得していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。
なお、上述のように、AT抽選でAT遊技数またはAT演出を獲得するたびに累積されていくが、MB(2種BB)役が入賞した場合には、獲得していたAT遊技数やAT演出は、全て喪失するペナルティを受ける。
【0130】
<AT権利設定サブルーチンの説明>
次に、
図15に示すフローチャートを用いて、AT権利設定サブルーチンの詳細な説明を行なう。本サブルーチンは遊技ごとに実施され、AT抽選でAT遊技数またはAT演出を獲得した場合に、AT実施の権利を付与する制御処理を行なう。
まず、主制御回路100から遊技開始信号(
図6のステップS42参照)を受信したか否か判断する(ステップS660)。この判断で、もし、遊技開始信号を受信していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS660の判断で、もし、遊技開始信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、パラメータTUJYOJISSIの値が0より大きいか否か判断する(ステップS662)。
【0131】
この判断で、もし、TUJYOJISSIの値が0以下である(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS662の判断で、もし、TUJYOJISSIの値が0より大きい(YES)と判別したときには、次に、パラメータATKENRIの値が0より大きいか否か判断する(ステップ664)。ここで、パラメータATKENRIは、報知演出(AT)を実施する権利であるAT実施権を有するか否かを示すパラメータであり、AT実施権を有する場合にはその値が1であり、AT実施権を有さない場合にはその値が0である。換言すれば、ATKENRIが0の場合には、通常状態3の昇格抽選で当選しても、AT状態へは昇格できないようになっている。
【0132】
ステップS664の判断で、もし、ATKENRIの値が0より大きい(YES)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。つまり、既にAT実施権を獲得しているので、更に設定のための制御処理を行なう必要はない。ステップS664の判断で、もし、ATKENRIの値が0以下である(NO)と判別したときには、次に、AT抽選で、AT遊技数またはAT演出を獲得したか否か判断する(ステップS666)。この判断で、AT抽選でAT遊技数またはAT演出を獲得した(YES)と判別したときには、パラメータATKENRIの値として1をインプットして(ステップS668)、本サブルーチンを終了する。ステップS668の判断で、もし、AT抽選でAT遊技数もAT演出も獲得していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。
つまり、通常状態1〜3において、AT抽選で始めてAT遊技数またはAT演出を獲得したときに、AT実施権を付与するようになっている。
【0133】
<通常状態昇格判定サブルーチンの説明>
次に、
図16に示すフローチャートを用いて、通常状態昇格判定サブルーチンの詳細な説明を行なう。本サブルーチンは遊技ごとに実施され、主制御回路100により実施される役抽選でAT抽選役に当選したとき、昇格抽選を行って、当選した場合には、次の遊技状態(例えば、通常状態1から通常状態2)へ昇格させる制御処理を行なう。
まず、主制御回路100から遊技開始信号(
図6のステップS42参照)を受信したか否か判断する(ステップS700)。この判断で、もし、遊技開始信号を受信していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS700の判断で、もし、遊技開始信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、パラメータTUJYOJISSIの値が0より大きいか否か判断する(ステップS702)。
【0134】
この判断で、もし、TUJYOJISSIの値が0以下である(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS702の判断で、もし、TUJYOJISSIの値が0より大きい(YES)と判別したときには、次に、主制御回路100から当選役情報信号(
図6のステップS72参照)を受信したか否か判断する(ステップS704)。この判断で、もし、当選役情報信号を受信していない(NO)と判別したときには、この判定処理を繰り返す。つまり、当選役情報信号を受信するまで待機状態になっている。
ステップS704の判断で、もし、当選役情報信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、受信した当選役情報信号に含まれる情報に基づき、AT抽選役に当選したか否か判断する(ステップS706)。
【0135】
この判断で、もし、AT抽選役に当選していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS706の判断で、もし、AT抽選役に当選した(YES)と判別したときには、各通常状態1〜3に応じた昇格抽選テーブルをROM208から読み出して、昇格抽選処理を行なう(ステップS708)。昇格抽選処理においても、AT抽選処理と同様に256個の乱数を発生させて抽選処理を行なっているが、これに限られるものではない。
ここで、通常状態1〜3に応じた昇格抽選テーブルの実施例を
図35に示す。通常状態1から通常状態2へ昇格する確率、及び通常状態2から通常状態3へ昇格する確率は、それぞれ1/3に設定され、通常状態3からAT状態1へ昇格する確率は、1/4に設定されている。ただし、後述するように、AT実施権を有していない(ATKENRI=0)場合には、昇格抽選で当選しても、AT状態1へ昇格できなくなっている。
【0136】
ステップS708の昇格抽選に引き続いて、昇格抽選で当選したか否か判断する(ステップS710)。この判断で、もし、当選していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS710の判断で、もし、昇格抽選で当選した(YES)と判別したときには、次に、パラメータTUJYOJISSIの値が3であるか否か、つまり通常状態3であるか否か判断する(ステップS712)。この判断で、もし、TUJYOJISSIの値が3ではない(NO)、つまり通常状態1または2であると判別したときには、パラメータTUJYOJISSIの値に1を加える制御処理を行なって(ステップS714)、本サブルーチンを終了する。この制御処理により、通常状態1から通常状態2、または通常状態2から通常状態3へ昇格することになる。
【0137】
ステップS712の判断で、もし、パラメータTUJYOJISSIの値が3である(YES)、つまり通常状態3であると判別したときには、次に、パラメータATKENRIの値が0より大きいか否か判断する(ステップS716)。この判断で、もし、ATKENRIの値が0より大きい(YES)、つまりAT実施権利を有すると判別したときには、パラメータATJISSIの値に1をインプットし、パラメータATKENRIの値に0をインプットして初期化して(ステップS718)、本サブルーチンを終了する。この制御処理により、次の遊技からAT状態1が開始される。
ステップS716の判断で、もし、ATKENRIの値が0以下である(NO)、つまりAT実施権利を有していないと判別したときには、パラメータTUJYOJISSIの値として3を維持して(ステップS720)、本サブルーチンを終了する。この制御処理で、次遊技でも通常状態3に留まることになる。
【0138】
<通常状態MB入賞時サブルーチンの説明>
次に、
図17に示すフローチャートを用いて、通常状態MB入賞時サブルーチンの詳細な説明を行なう。本サブルーチンは遊技ごとに実施され、主制御回路100により実施されるリール停止制御でMB役の入賞図柄が表示されたとき、通常状態における所定のペナルティを付加するための制御処理を行なう。
まず、主制御回路100から遊技開始信号(
図6のステップS42参照)を受信したか否か判断する(ステップS740)。この判断で、もし、遊技開始信号を受信していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS740の判断で、もし、遊技開始信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、パラメータTUJYOJISSIの値が0より大きいか否か判断する(ステップS742)。
【0139】
この判断で、もし、TUJYOJISSIの値が0以下である(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS742の判断で、もし、TUJYOJISSIの値が0より大きい(YES)と判別したときには、次に、主制御回路100から表示図柄情報信号(
図8のステップS208参照)を受信したか否か判断する(ステップS744)。この判断で、もし、表示図柄情報信号を受信していない(NO)と判別したときには、この判定処理を繰り返す。つまり、表示図柄情報信号を受信するまで待機状態になっている。
ステップS744の判断で、もし、表示図柄情報信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、受信した表示図柄情報信号に含まれる情報に基づき、MB役の入賞図柄が表示されたか否か判断する(ステップS746)。上述のように、役抽選でNo.20のチェリー5(
図31A参照)に当選し、中・右・左の押し順でかつ入賞図柄を目押しして成功した場合に、MB役の入賞図柄が表示される。
【0140】
ステップS746の判断で、もし、MB役の入賞図柄が表示されていない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。
ステップS746の判断で、もし、MB役の入賞図柄が表示された(YES)と判別したときには、次に、パラメータATKENRIの値が0より大きいか否か判断する(ステップ748)。この判断で、もし、ATKENRIの値が0以下である(NO)と判別したときには、そのままステップS754へ進む。つまり、AT実施権利を有しない場合には、AT遊技数やAT演出も獲得していないので、それらを消去する制御処理は行なう必要はない。
【0141】
ステップS748の判断で、もし、ATKENRIの値が0より大きい(YES)と判別したときには、ATKENRIの値に0をインプットして初期化し(ステップS750)、獲得していたAT遊技数であるNATの値として0をインプットして初期化し、AT演出(1)〜AT演出(J)を獲得している場合には、AT演出(1)〜AT演出(J)を消去する制御処理を行なう(ステップS752)。そして、パラメータTSUJYOJISSIの値として1をインプットして(ステップS754)、本サブルーチンを終了する。
ステップS750からS754の制御処理により、通常状態1〜3に滞在中に、MB役が入賞した場合には、獲得していたAT演出権利を喪失し、獲得していたAT遊技数やAT演出を喪失し、再びRT作動状態に復帰した場合には、いずれの通常状態に滞在していたとしても、一番下の通常状態1から開始するというペナルティを受けることになる。
【0142】
本実施形態では、所定の条件(MB役入賞)を満たしたときに、所定の条件を満たしたときの遊技状態(通常状態)に応じたペナルティを付与するようになっているので、遊技の進行に変化をつけることができ、戦略的に遊技を行なうといった遊技的な面白さを与えることができる。よって、ペナルティに基づく遊技の進行が単調になることなく、遊技者が遊技を継続しても、遊技者の遊技に対する関心を維持させることが期待できる。
【0143】
特に、後述するように、報知演出(AT)を実施するAT状態と報知演出(AT)を実施しない通常状態とにおいて、異なるペナルティを付与するようになっている。つまり、遊技者の関心が高い報知演出の実施の有無に応じて、異なるペナルティを付与するので、遊技者の遊技に関する関心を高めることが期待できる。
【0144】
本実施形態においては、報知演出(AT)が行われるAT状態へ昇格する直前の通常状態3や、AT状態へ昇格する可能性が高まってきた通常状態2に滞在していたとしても、MB役が入賞した場合には、再びRT作動状態に復帰した場合に、一番下の通常状態1から開始することになる。
つまり、ペナルティの1つが、報知演出(AT)を実施しない通常状態から報知演出(AT)を実施するAT状態に移行させるのを困難にすることであるということができ、この場合には、遊技の進行にメリハリがつき、遊技者の遊技に関する関心を高めることが期待できる。
【0145】
本実施形態においては、AT抽選における当選確率が通常状態の中で最も高い通常状態3や、次に高い通常状態2に滞在していたとしても、MB役が入賞した場合には、再びRT作動状態に復帰した場合に、最もAT抽選における当選確率が低い通常状態1から開始することになる。
よって、本実施形態においては、ペナルティの1つが、AT遊技数(報知回数)を獲得するのを困難にすることなので、遊技の進行にメリハリがつき、遊技者の遊技に関する関心を高めることが期待できる。
【0146】
本実施形態においては、ペナルティの1つが、既に獲得しているAT遊技数(報知回数)を減少させる、特に通常状態においては喪失させることなので、遊技の進行にメリハリがつき、遊技者の遊技に関する関心を高めることが期待できる。
【0147】
本実施形態においては、ペナルティを付与する条件が、MB役のような持越可能役が入賞したことなので、遊技者に遊技的な面白さを与えることができ、遊技者の遊技に関する関心を高めることが期待できる。
【0148】
更に、本実施形態では、役抽選で特定の抽選結果(No.20のチェリー5当選)となりかつ複数のリールを特定の順番(中・右・左)で停止させたときに持越可能役(MB役)が入賞し、複数のリールを特定の順番以外の順番で停止させたときに、特定の順番で停止させたときに比べてより大きな特典を遊技者に与える場合(払い出しなし(0枚)に対して8枚の遊技媒体払い出し)がある。
よって、リールを特定の順番で停止させたときに持越可能役(MB役)が入賞し、特定の順番以外の順番で停止させたときに、特定の順番で停止させたときに比べてより大きな特典を遊技者に与える場合があるので、遊技者に遊技的な面白さを与え、特に、遊技者に、特定の順番以外の順番でリール停止操作を行なうことの動機付けを与えることができる。
更に、役抽選で特定の抽選結果(AT抽選役当選)となったとき、AT遊技数(報知回数)を獲得するための制御処理(AT抽選)を行なうようになっているため、役抽選で特定の抽選結果となったときは、演出制御手段により特定の抽選結果となった旨又は、AT抽選が行われAT遊技数が加算される可能性を示唆する演出を実行してもよい。
よって、遊技者は持越可能役を入賞させることよりAT遊技数(報知回数)を獲得するための制御処理(AT抽選)に関する関心を高めることが期待できる。
【0149】
以下においては、報知演出(AT)を実施するAT遊技状態における制御処理を説明する。
<AT演出表示遊技サブルーチンの説明>
始めに、
図18に示すフローチャートを用いて、AT演出表示遊技サブルーチンの詳細な説明を行なう。本サブルーチンは、AT抽選でAT演出を獲得した場合に、1つのAT演出に対して1遊技を使って、AT演出(1)を放出して、その代わりにそれに対応したAT遊技数をカウンタNATに付加する制御処理を行なう。
まず、主制御回路100から遊技開始信号(
図6のステップS42参照)を受信したか否か判断する(ステップS820)。この判断で、もし、遊技開始信号を受信していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS820の判断で、もし、遊技開始信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、AT遊技数を示すカウンタNATが0より大きいか否か判断する(ステップS822)。
【0150】
この判断で、もし、カウンタNATが0より大きい(YES)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。つまり、本実施形態では、NATが0になったときに、ストックしていたAT演出を放出して、対応するAT遊技数をNATに付加するようになっている。
ステップS822の判断で、もし、カウンタNATが0以下である(NO)と判別したときには、次に、AT演出(1)が存在するか否か判断する(ステップS824)。この判断で、もし、AT演出(1)が存在しない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0151】
ステップS824の判断で、もし、AT演出(1)が存在する(YES)と判別したときには、次に、NATの値にAT演出(1)に対応するAT遊技数を付加する制御処理を行なう(ステップS826)。例えば、AT演出(1)が、
図33A〜FのNo.7のAT演出であれば、AT遊技数として40をANTに付加する制御処理を行なう。
次に、表示していたAT演出(1)の表示を消去し、代わりに、AT演出(1)に対応したAT遊技数を表示する制御処理を行なう(ステップS828)。
【0152】
そして、主制御回路100から全リール停止信号(
図7のステップS173参照)を受信したか否か判断する(ステップS830)。この判断で、もし、全リール停止信号を受信していない(NO)と判別したときには、この判断処理を繰り返す。つまり、全リールが停止するまで、AT演出(1)に対応したAT遊技数の表示が継続する。ステップS830の判断で、もし、全リール停止信号を受信した(YES)と判別したときには、AT遊技数の画像を消去し(ステップS832)、次に、AT演出(1)のデータ(対応するAT遊技数のデータも含む)を消去する制御処理を行なう(ステップ834)。
次に、AT演出(1)のデータを消去した後も、AT演出が残存しているか否か判断する(ステップS386)。この判断で、もし、AT演出が残存していない(NO)と判別したときには、そのままサブルーチンを終了する。ステップS836の判断で、もし、AT演出が残存している(YES)と判別したときには、残存するAT演出(2)〜(J)を、新たなAT演出(1)〜(J−1)として記憶し(ステップS838)、本サブルーチンを終了する。
なお、本サブルーチンと同時に、
図19に示す報知画像表示サブルーチンを実施して、報知演出(AT)を行なうようになっている。
【0153】
本実施形態においては、ストックしていたAT演出がなくなるまで、NATの値がゼロになるごとに(
図18のステップS822参照)AT演出表示遊技サブルーチンを繰り返して、AT演出(1)に対応するAT遊技数をNATに付加する制御処理を行なう。例えば、40のAT遊技数を有するAT演出(3)と、80のAT遊技数を有するAT演出(2)と、20のAT遊技数を有するAT演出(1)とをストックしている場合には、始めの遊技で、AT演出(1)に対応する20をNATに付加し、このNAT=20を消化した時点で、AT演出(2)に対応する80をNATに付加し、このNAT=80を消化した時点で、AT演出(3)に対応する40をNATに付加する。このAT演出に対応するAT遊技数をNATに付加する制御処理を行なう3回の遊技において、それぞれ報知演出(AT)が行なわれるので、各AT演出が有するAT遊技数の合計に加えて、獲得したAT演出の数だけ、実質的に報知演出(AT)の実施回数が増えることになる。
【0154】
なお、AT演出表示遊技サブルーチンのその他の実施形態として、付加したAT遊技数を消化するのを待たずに、ストックしていたAT演出がなくなるまで、遊技ごとにAT演出表示遊技サブルーチンを繰り返して、AT演出(1)に対応するAT遊技数をNATに付加する制御処理を行なうことも考えられる。上述の例で言えば、始めの遊技で、AT演出(1)に対応する20をNATに付加し、次の遊技で、AT演出(2)に対応する80をNATに付加し、その次の遊技で、AT演出(3)に対応する40をNATに付加する。このときにおいても、AT演出に対応するAT遊技数をNATに付加する制御処理を行なう3回の遊技において、それぞれ報知演出(AT)が行なわれるので、各AT演出が有するAT遊技数の合計に加えて、獲得したAT演出の数だけ、実質的に報知演出(AT)の実施回数が増えることになる。
【0155】
<報知画像表示サブルーチンの説明>
次に、
図19に示すフローチャートを用いて、報知画像表示サブルーチンの詳細な説明を行なう。本サブルーチンはAT状態1〜3おいて、遊技ごとに実施され、主制御回路100により実施される役抽選における当選役に対応した押し順(リール停止操作順)を報知する報知演出(AT)を行なうための制御処理を行なう。
まず、主制御回路100から遊技開始信号(
図6のステップS42参照)を受信したか否か判断する(ステップS800)。この判断で、もし、遊技開始信号を受信していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS800の判断で、もし、遊技開始信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、パラメータATJISSIの値が0より大きいか否か判断する(ステップS802)。
【0156】
この判断で、もし、ATJISSIの値が0以下である(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS802の判断で、もし、ATJISSIの値が0より大きい(YES)と判別したときには、次に、主制御回路100から当選役情報信号(
図6のステップS72参照)を受信したか否か判断する(ステップS804)。この判断で、もし、当選役情報信号を受信していない(NO)と判別したときには、この判断処理を繰り返す。つまり、当選役情報信号を受信するまで、待機状態になっている。
【0157】
ステップS804の判断で、もし、当選役情報信号を受信した(YES)と判別したときには、当選役に応じた押し順(リール停止操作順)を報知する画像データをROM208から読み出して、表示装置70に表示する(ステップS806)。次に、主制御回路100から全リール停止信号(
図7のステップS173参照)を受信したか否か判断する(ステップS808)。この判断で、もし、全リール停止信号を受信していない(NO)と判別したときには、ステップS808の判断処理を繰り返す。つまり、全リールが停止するまで、報知画像の表示が継続する。
ステップS808の判断で、もし、全リールが停止した(YES)と判別したとき、表示していた報知画像を消去する(ステップS810)。次に、AT遊技数を示すカウンタNATの値から1を減じる制御処理を行ない(ステップS812)、ステップS814へ進む。ステップS814では、NATの値が0より大きいか否か判断する(ステップS814)。この判断で、もし、NATの値が0より大きい(YES)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0158】
ステップS814の判断で、もし、NATの値が0以下である(NO)と判別したときには、次に、AT演出(J)が残存するか否か判断する(ステップS816)。この判断で、AT演出(J)が残存している(YES)と判別したときには、パラメータATJISSIの値1を維持させて(ステップS818)、本サブルーチンを終了する。AT演出(J)が残存する状態で、NATが0となった場合には、上述のAT演出表示サブルーチンに示すように、AT演出(1)を消化して、それに対応するAT遊技数をNATの値として付加する制御処理を行なう。
ステップS816の判断で、もし、AT演出(J)が残存していない(NO)と判別したときには、パラメータATJISSIの値に0をインプットして初期化し、TUJYOJISSIの値として1をインプットして(ステップS820)、本サブルーチンを終了する。つまり、NATも0であり、AT演出(J)が残存していない場合には、次の遊技から、通常状態1へ移行することになる。
【0159】
本サブルーチンにより、遊技ごとに役抽選で当選した役に対応した押し順を報知することができる。報知演出(AT)はRT作動中に行なわれるので、所謂ARTを実施することができる。例えば、
図31Aに記載の役抽選テーブルのNo.7〜18の再遊技役はAT抽選役であり、AT抽選役時の昇格抽選で当選すれば、より有利なAT状態へ移行できる。この場合、報知演出(AT)で特定図柄が表示されるような押し順を報知することにより、特定図柄を表示すれば、遊技者に昇格に対する期待感を高め、遊技的な面白さを与えることができる。
また、
図31B、Cに記載の正解ベル役に当選した場合であれば、中段にベル図柄が表示される押し順を報知することにより、8枚の遊技媒体の払い出しを受けることができるので、遊技者に大きな特典を与えることができる。以上のように、副制御回路200で実施される報知演出(AT)によって、遊技の進行状況(遊技者にとって有利な遊技状態か否か)を定めていくことが可能であり、遊技者の遊技に対する関心を高めることが期待できる。
【0160】
<AT状態AT抽選サブルーチンの説明>
次に、
図20に示すフローチャートを用いて、AT状態AT抽選サブルーチンの詳細な説明を行なう。本サブルーチンは遊技ごとに実施され、主制御回路100により実施される役抽選でAT抽選役に当選したとき、AT抽選を行って、何らかのAT遊技数を獲得した場合には、獲得したAT遊技数をこれまで獲得したAT遊技数に付加する制御処理を行なう。
基本的に、
図14に示す通常状態AT抽選サブルーチンと同様なので、各制御処理の詳細な説明は省略する。ただし、ステップ868において、ROM208から読み出す遊技状態(AT状態1〜3の何れであるか)及び当選したAT抽選役に対応したAT抽選テーブルについて、
図33D〜Fを用いて説明する。
【0161】
これらの抽選テーブルは、通常状態における抽選テーブル(
図33A〜C参照)と同様に、抽選番号で1〜5では、それぞれ、A欄に示す10、20、30、40、50回のAT遊技数が設定され、抽選番号で6〜10では、B欄に示すAT演出が設定され(1が抽選対象であることを示す)、各AT演出が有するAT遊技数が、C欄(それぞれ、20、40、60、80、100回)に示されている。抽選番号11には、ハズレ(獲得AT遊技数ゼロ)が設定されている。
【0162】
図33Dに示すAT状態1のチェリー当選時においては、抽選番号1〜10の各々の当選確率が1/25.6(10/256)であり、ハズレの確率が約1/1.64(156/256)になっている。AT状態1のスイカ当選時においては、抽選番号1〜10の各々の当選確率が約1/23.3(11/256)であり、ハズレの確率が約1/1.75(146/256)になっている。通常状態1のチャンス目当選時においては、抽選番号1〜10の各々の当選確率が約1/21.3(12/256)であり、ハズレの確率が約1/1.88(136/256)になっている。
【0163】
図33Eに示すAT状態2のチェリー当選時においては、抽選番号1〜10の各々の当選確率が約1/19.7(13/256)であり、ハズレの確率が約1/2.03(126/256)になっている。AT状態2のスイカ当選時においては、抽選番号1〜10の各々の当選確率が約1/18.3(14/256)であり、ハズレの確率が約1/2.21(116/256)になっている。通常状態2のチャンス目当選時においては、抽選番号1〜10の各々の当選確率が約1/17.1(15/256)であり、ハズレの確率が約1/2.42(106/256)になっている。
【0164】
図33Fに示すAT状態3のチェリー当選時においては、抽選番号1〜10の各々の当選確率が1/12.8(20/256)であり、ハズレの確率が約1/4.57(56/256)になっている。AT状態3のスイカ当選時においては、抽選番号1〜10の各々の当選確率が約1/11.6(22/256)であり、ハズレの確率が約1/7.11(36/256)になっている。AT状態3のチャンス目当選時においては、抽選番号1〜10の各々の当選確率が1/10.7(24/256)であり、ハズレの確率が約1/166(16/256)になっている。
【0165】
以上のように、AT遊技状態においては、AT遊技数を獲得する確率が通常状態(
図33A〜C参照)に比べて高くなっている。またAT状態においては、AT状態1、AT状態2、AT状態3の順に、AT遊技数を獲得する確率が高くなっており、AT状態1、AT状態2、AT状態3の順に、遊技者にとって有利な遊技状態であると言える。また、同じAT状態の中では、当選したAT抽選役が、チェリー、スイカ、チャンス目の順にAT遊技数を獲得する確率が高くなっており、遊技者に遊技的な面白さを与えることができる。
特に、AT状態3においては、チェリー当選時に1/1.28(200/256)、スイカ当選時に約1/1.16(220/256)、チャンス目当選時に約1/1.07(240/256)という高い確率でAT遊技数を獲得することができるので、遊技者にとって非常に有利な遊技状態であると言える。
【0166】
なお、AT状態においてMB(2種BB)役が入賞した場合には、所定のペナルティが付加されるが、それまでにAT抽選で獲得していたAT遊技数(ステップ872参照)やAT演出(ステップS876参照)が喪失することはない点で、通常状態と異なる。
【0167】
<AT状態3におけるAT抽選テーブルのその他の実施例の説明>
図34A及びBを用いて、AT状態3におけるAT抽選テーブルのその他の実施例の説明を行なう。
図34A及びBのAT抽選テーブルにおいても、上述と同様に、抽選番号で1〜5では、A欄に示す10、20、30、40、50回のAT遊技数が設定され、抽選番号で6〜10では、B欄に示すAT演出が設定され(1が抽選対象であることを示す)、各AT演出が有するAT遊技数が、C欄(それぞれ、20、40、60、80、100回)に示されている。抽選番号11には、ハズレ(獲得AT遊技数ゼロ)が設定されている。
【0168】
始めに、
図34Aに示すAT抽選テーブルの説明を行なう。このAT抽選テーブルにおいては、特定役1に当選した場合と、特定役2に当選した場合とにおいて、
図34Aに示すような置数(当選確率)が設定されている。また、No.11のハズレの確率は0であり、何らかのAT遊技数を獲得することができるようになっている。
特定役1は、
図31Aの役抽選テーブルに示すNo.1、2、4、5の再遊技役であり、所定の押し順でリール停止操作を行なうと、2本のライン(有効ラインと表示ライン)上に特定図柄が表示される(ダブルライン揃い)ことになる。特定役2は、
図31Aの役抽選テーブルに示すNo.3、6〜19の再遊技役であり、所定の押し順でリール停止操作を行なうと、1本の有効ライン又は、1本の表示ライン上に特定図柄が表示される(シングルライン揃い)ことになる。
図34Aに示すAT抽選テーブルでは、必ずAT遊技数を獲得できるので、報知演出(AT)で特定図柄がダブルライン揃いまたはシングルライン揃いする押し順を報知することにより、遊技者に特典を得られる喜びと遊技的な面白さを与えることができる。
【0169】
次に、
図34Bに示すAT抽選テーブルの説明を行なう。このAT抽選テーブルにおいては、特定役1に当選した場合と、特定役2に当選した場合とにおいて、
図34Bに示すような置数(当選確率)が設定されている。また、No.11のハズレの確率は1/2(128/256)となっていて、常にAT遊技数を獲得できるわけではない。
この場合、何らかのAT遊技数が獲得できたとき(確率1/2)にのみ、特定図柄がダブルライン揃いまたはシングルライン揃いする押し順を報知することにより、表示図柄の信頼度を高めることができる。
【0170】
上述の実施形態では、役抽選でAT抽選役に当選した時点で実施するAT抽選により、獲得するAT遊技数を確定しているが、これに限られるものではなく、リール停止制御で表示された図柄に応じてAT遊技数の獲得の有無を確定させることもできる。例えば、役抽選で特定役1や特定役2に当選しただけでなく、特定役がダブルライン揃いまたはシングルライン揃いした時点で確定してもよいし、ダブルライン揃いまたはシングルライン揃いが可能な押し順操作をしたことに応じて確定としてもよい。
また、特定役がダブルライン揃いまたはシングルライン揃いした時点や、ダブルライン揃いまたはシングルライン揃いが可能な押し順操作をした時点で、AT抽選を行なって、獲得するAT遊技数を確定してもよい。更に、この場合、所定の確率(例えば、確率1/2)で、特定役がダブルライン揃いまたはシングルライン揃いする押し順を報知するようにすることもできるし、全く報知を行なわないことも考えられる。
【0171】
<AT状態昇格判定サブルーチンの説明>
次に、
図21に示すフローチャートを用いて、AT状態昇格判定サブルーチンの詳細な説明を行なう。本サブルーチンは遊技ごとに実施され、主制御回路100により実施される役抽選でAT抽選役に当選したとき、昇格抽選を行って、当選した場合には、次の遊技状態(例えば、AT状態1からAT状態2)へ昇格させる制御処理を行なう。
まず、主制御回路100から遊技開始信号(
図6のステップS42参照)を受信したか否か判断する(ステップS900)。この判断で、もし、遊技開始信号を受信していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS900の判断で、もし、遊技開始信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、パラメータATJISSIの値が0より大きいか否か判断する(ステップS902)。
【0172】
この判断で、もし、ATJISSIの値が0以下である(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS902の判断で、もし、ATJISSIの値が0より大きい(YES)と判別したときには、次に、主制御回路100から当選役情報信号(
図6のステップS72参照)を受信したか否か判断する(ステップS904)。この判断で、もし、当選役情報信号を受信していない(NO)と判別したときには、この判断処理を繰り返す。つまり、当選役情報信号を受信するまで、待機状態になっている。ステップS904の判断で、もし、当選役情報信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、受信した当選役情報信号に含まれる情報に基づき、AT抽選役に当選したか否か判断する(ステップS906)。
【0173】
この判断で、もし、AT抽選役に当選していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS906の判断で、もし、AT抽選役に当選した(YES)と判別したときには、各AT状態1〜3に応じた昇格抽選テーブルをROM208から読み出して、昇格抽選処理を行なう(ステップS908)。
ここで、AT状態1〜3に応じた昇格抽選テーブルの実施例を
図35に示す。AT状態1からAT状態2へ昇格する確率は、1/3に設定され、AT状態2からAT状態3へ昇格する確率は、1/4に設定されている。
【0174】
ステップS908の昇格抽選に引き続いて、昇格抽選で当選したか否か判断する(ステップS910)。この判断で、もし、当選していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS910の判断で、もし、昇格抽選で当選した(YES)と判別したときには、次に、パラメータATUJISSIの値が3であるか否か、つまりAT状態3であるか否か判断する(ステップS912)。この判断で、もし、ATJISSIの値が3ではない(NO)、つまりAT状態1または2であると判別したときには、パラメータATJISSIの値に1を加える制御処理を行なって(ステップS914)、本サブルーチンを終了する。この制御処理により、AT状態1からAT状態2またはAT状態2からAT状態3へ昇格することになる。
【0175】
ステップS912の判断で、もし、パラメータATJISSIの値が3である(YES)、つまりAT状態3であると判別したときには、ATJISSIの値として3を維持する、つまりAT状態3を維持する制御処理を行なって(ステップS916)、本サブルーチンを終了する。
なお、本実施形態では、AT状態3で所定の遊技数(例えば、40遊技)を消化するとAT状態3が終了するようになっているが(
図22参照)、AT状態3において、昇格抽選で当選したときに、ただAT状態3を維持するだけでなく、AT状態3を実施する遊技数を追加する特典を与えることもできる。
【0176】
<AT状態3終了サブルーチンの説明>
次に、
図22に示すフローチャートを用いて、AT状態3終了サブルーチンの詳細な説明を行なう。本サブルーチンは、AT状態3で40遊を消化したときに、AT状態3を終了して、AT状態1へ移行させる制御処理を行なう。
まず、主制御回路100から遊技開始信号(
図6のステップS42参照)を受信したか否か判断する(ステップS920)。この判断で、もし、遊技開始信号を受信していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS920の判断で、もし、遊技開始信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、パラメータATJISSIの値が3であるか否か判断する(ステップS922)。この判断で、もし、ATJISSIの値が3ではない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0177】
ステップS922の判断で、もし、ATJISSIの値が3である(YES)と判別したときには、次に、ATJISSI=3で40遊技消化したか否か判断する(ステップS924)。この判断で、もし、ATJISSI=3で40遊技消化していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS924の判断で、もし、ATJISSI=3で40遊技消化した(YES)と判別したときには、パラメータATJISSIの値として1をインプットして(ステップS926)、本サブルーチンを終了する。
以上のような制御処理により、AT状態3で40遊を消化したときには、AT状態3を終了して、次の遊技からAT状態1を開始することになる。
【0178】
<AT状態MB入賞時サブルーチンの説明>
次に、
図23に示すフローチャートを用いて、AT状態MB入賞時サブルーチンの詳細な説明を行なう。本サブルーチンは遊技ごとに実施され、主制御回路100により実施されるリール停止制御でMB役の入賞図柄が表示されたとき、AT状態における所定のペナルティを付加するための制御処理を行なう。
まず、主制御回路100から遊技開始信号(
図6のステップS42参照)を受信したか否か判断する(ステップS940)。この判断で、もし、遊技開始信号を受信していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS940の判断で、もし、遊技開始信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、パラメータATJISSIの値が0より大きいか否か判断する(ステップS942)。
【0179】
この判断で、もし、ATJISSIの値が0以下である(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS942の判断で、もし、ATJISSIの値が0より大きい(YES)と判別したときには、次に、主制御回路100から表示図柄情報信号(
図8のステップS208参照)を受信したか否か判断する(ステップS944)。この判断で、もし、表示図柄情報信号を受信していない(NO)と判別したときには、この判断処理を繰り返す。つまり、表示図柄情報信号を受信するまで、待機状態になっている。
ステップS944の判断で、もし、表示図柄情報信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、受信した表示図柄情報信号に含まれる情報に基づき、MB役の入賞図柄が表示されたか否か判断する(ステップS946)。上述のように、役抽選でNo.20のチェリー5(
図31A参照)に当選し、中・右・左の押し順でかつ入賞図柄を目押しして成功した場合に、MB役の入賞図柄が表示される。
【0180】
ステップS946の判断で、もし、MB役の入賞図柄が表示されていない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。
ステップS946の判断で、もし、MB役の入賞図柄が表示された(YES)と判別したときには、次に、AT抽選でAT演出を獲得している場合には、獲得したAT演出(1)〜(J)に対応する全てのAT遊技数を、カウンタNATに加える制御処理を行なう(ステップS948)。そして、パラメータATJISSIの値に1をインプットして(ステップS950)、本サブルーチンを終了する。
【0181】
以上のように、AT状態1〜3に滞在中に、MB役が入賞した場合には、再びRT作動状態に復帰した場合には、いずれのAT状態に滞在していたとしても、一番下のAT状態1から開始するというペナルティを受けることになる。また、獲得していたAT遊技数やAT演出を喪失することはないが、
図18のAT演出表示遊技サブルーチンを実施する遊技数、つまり獲得したAT演出の個数分だけは、報知演出(AT)の実施回数が減ることになり、実質的にAT遊技数が減少するというペナルティを受けることになる。
また、獲得したAT演出(1)〜(J)に対応する全てのAT遊技数を、カウンタNATに加える制御処理をMB役の入賞図柄が表示された際に行ったが、再びRT作動状態に復帰した場合に行なってもよい。
また、MB役入賞後のMB遊技中(MB作動状態)とその後のRT、MB未作動状態では、NATの値を減算するようにしてもよいし、減算を止めてもよい。
MB遊技中はベット数が2枚に設定され、払い出しも2枚となることから実質的にメダルが増えない遊技となる。そのため最低でも15遊技行なう必要があり、遊技の進行が遅くなるというペナルティを受けることになる。
【0182】
本実施形態では、所定の条件(MB役入賞)を満たしたときに、所定の条件を満たしたときの遊技状態(AT状態)に応じたペナルティを付与するようになっているので、遊技の進行に変化をつけることができ、戦略的に遊技を行なうといった遊技的な面白さを与えることができる。よって、ペナルティに基づく遊技の進行が単調になることなく、遊技者が遊技を継続しても、遊技者の遊技に対する関心を維持させることが期待できる。
【0183】
特に、報知演出(AT)を実施するAT状態と報知演出(AT)を実施しない通常状態とにおいて、異なるペナルティを付与するようになっている。つまり、遊技者の関心が高い報知演出の実施の有無に応じて、異なるペナルティを付与するので、遊技者の遊技に関する関心を高めることが期待できる。
【0184】
本実施形態においては、AT抽選における当選確率がAT状態の中で最も高いAT状態3や、次に高いAT状態2に滞在していたとしても、MB役が入賞した場合には、再びRT作動状態に復帰した場合に、最もAT抽選における当選確率が低いAT状態1から開始することになる。
よって、本実施形態においては、ペナルティの1つが、報知回数(AT遊技数)を獲得するのを困難にすることなので、遊技の進行にメリハリがつき、遊技者の遊技に関する関心を高めることが期待できる。
【0185】
本実施形態においては、ペナルティの1つが、既に獲得している報知回数(AT遊技数)を減少させることなので、遊技の進行にメリハリがつき、遊技者の遊技に関する関心を高めることが期待できる。
【0186】
本実施形態においては、ペナルティを付与する条件が、MB役のような持越可能役が入賞したことなので、遊技者に遊技的な面白さを与えることができ、遊技者の遊技に関する関心を高めることが期待できる。
【0187】
更に、本実施形態では、役抽選で特定の抽選結果(No.20のチェリー5当選)となりかつ複数のリールを特定の順番(中・右・左)で停止させたときに持越可能役(MB役)が入賞し、複数のリールを特定の順番以外の順番で停止させたときに、特定の順番で停止させたときに比べてより大きな特典を遊技者に与える場合(払い出しなし(0枚)に対して8枚の遊技媒体払い出し)がある。
よって、リールを特定の順番で停止させたときに持越可能役(MB役)が入賞し、特定の順番以外の順番で停止させたときに、特定の順番で停止させたときに比べてより大きな特典を遊技者に与える場合があるので、遊技者に遊技的な面白さを与え、特に、遊技者に、特定の順番以外の順番でリール停止操作を行なうことの動機付けを与えることができる。
更に、役抽選で特定の抽選結果(AT抽選役当選)となったとき、AT遊技数(報知回数)を獲得するための制御処理(AT抽選)を行なうようになっているため、役抽選で特定の抽選結果となったときは、演出制御手段により特定の抽選結果となった旨又は、AT抽選が行われAT遊技数が加算される可能性を示唆する演出を実行してもよい。
よって、遊技者は持越可能役を入賞させることよりAT遊技数(報知回数)を獲得するための制御処理(AT抽選)に関する関心を高めることが期待できる。
【0188】
(所定の順番以外の順番でリール停止させたときに所定の警告を与える実施態様の説明)
次に、所定の順番以外の順番でリール停止させたときに所定の警告を与える実施態様の説明を、
図24及び25を用いて説明する。
<警告音発生サブルーチンの説明>
始めに、
図24に示すフローチャートを用いて、警告音発生サブルーチンの詳細な説明を行なう。本サブルーチンは、報知演出(AT)を実施しない遊技で行なわれ、つまり上述の通常状態1〜3で行なわれ、主制御回路100により実施される役抽選で一般役または再遊技役に当選したとき、通常の停止操作順でリール停止操作を行なわなかった場合に、警告音を発生する等の制御処理を行なう。
【0189】
まず、主制御回路100から遊技開始信号(
図6のステップS42参照)を受信したか否か判断する(ステップS1000)。この判断で、もし、遊技開始信号を受信していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS1000の判断で、もし、遊技開始信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、主制御回路100から当選役情報信号(
図6のステップS72参照)を受信したか否か判断する(ステップS1002)。この判断で、もし、当選役情報信号を受信していない(NO)と判別したときには、この判断処理を繰り返す。つまり、当選役情報信号を受信するまで、待機状態になっている、
【0190】
ステップS1002の判断で、もし、当選役情報信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、押し順(リール停止順)を遊技者の報知する報知演出(AT)を実施したか否か判断する(ステップ1004)。この判断で、もし、報知演出(AT)を実施していた(YES)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。つまり、本実施形態では、報知演出(AT)を行なわない場合の遊技において、所定の警告を発するための制御処理を行なう。
ステップS1004の判断で、もし、報知演出(AT)を実施していない(NO)と判別したときには、次に、一般役または再遊技役に当選したか否か判断する(ステップS1006)。
【0191】
更に詳細に述べれば、ここでいう一般役とは、
図31B及びCに示すNo.21〜52の正解ベルを意味し、押し順によって、8枚の遊技媒体が払い出される場合と、1枚の遊技媒体が払い出される場合とがある。つまり、所定の順番でリールを停止させたときと、所定の順番以外の順番で停止させたときとで、遊技者に付与する特典が異なる役である。また、ここでいう再遊技役とは、
図31Aに示すNo.1〜19の再遊技役を意味し、押し順によって、表示する図柄が異なるが、どの図柄が表示されても再遊技役として入賞する。つまり、所定の順番でリールを停止させたときと、所定の順番以外の順番で停止させたときとで、遊技者に付与する特典が異ならない役である。
【0192】
ステップS1006の判断で、もし、一般役にも再遊技役にも当選していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS1006の判断で、もし、一般役または再遊技役に当選した(YES)と判別したときには、次に、押し順(リール停止操作順)が判定可能か否か判断する(ステップS1008)。ここで、押し順(リール停止操作順)は、各リールのリール停止操作ごとに主制御回路100から送信される停止操作信号(
図7のステップS171参照)に基づいて判断する。判定するリール停止操作順が第1リール停止操作のみで定まる場合には、1回目の停止操作信号を受信した時点で判定可能となるし、判定するリール停止操作順が第1及び第2リール停止操作で定まる場合には、2回目の停止操作信号を受信した時点で判定可能となる。
【0193】
ステップS1008の判断で、リール停止操作順が判定可能でない(NO)と判別したときは、この判断処理を繰り返す。ステップS1008の判断で、リール停止操作順が判定可能である(YES)と判別したときには、次に、通常のリール停止操作順であるか否か判断する(ステップS1010)。ここで、通常のリール停止操作順とは、左・中・右の押し順でリール停止操作を行った場合であり、No.21〜52の正解ベル(一般役)の場合には、上段にベル図柄が揃って1枚の遊技媒体の払い出しがある場合がある。No.1〜19の再遊技役の場合には、通常リプレイ図柄、スイカ図柄等が表示される。
つまり、通常の押し順でリール停止操作をした場合には、8枚の遊技媒体が払い出されることはなく、AT状態における遊技状態の昇格(AT状態1から2、または2から3)を示す特定図柄が表示されることもない。
【0194】
ステップS1010の判断で、もし、通常のリール停止操作順である(YES)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS1010の判断で、もし、通常のリール停止操作順ではない(NO)と判別したときには、次に、スピーカ駆動回路222及びスピーカ64(
図3参照)を用いて所定の警告音を発生させる制御処理を行なう(ステップS1012)。
つまり、本実施形態では、通常の順番以外の順番でリールを停止させたときに、警告を与えることができるので、遊技者が所定の順番以外の順番でリールを停止させることを防止することができる。
更に、本実施形態では、警告音を発することによって警告を行なうので、遊技上の操作を邪魔することなく、効果的に警告を与えることができる。
【0195】
次に、警告に関連する関連制御処理として、全リールの停止時に開始する表示ランプ124を点灯、点滅させる停止表示演出を中止する制御処理を行なう(ステップS1014)。ここで、停止表示演出には、8枚の遊技媒体が払い出しに対応して行なう表示ランプ124の点灯、点滅や、上述のAT演出における昇格を遊技者に知らせるための表示ランプ124の点灯、点滅を例示することができるが、これに限られるものではない。
また、表示ランプはリール内に備えたランプ(所謂バックランプ)としてもよいし、画像表示装置70や3つの表示窓22L、22C及び22Rの周囲に配設したランプとしてもよい。
これにより、実際に特典を付与しないときに、遊技者に不要な期待感を抱かせることを防ぐことができる。
つまり、関連制御処理として、通常の順番以外の順番でリールを停止させたときに表示される図柄の組み合わせに対応した演出(例えば、8枚の遊技媒体が払い出しに対応して行なう表示ランプ演出、AT演出における昇格を遊技者に知らせる表示ランプ演出)を行なわないことにより、遊技者の表示図柄や連出に対する信頼感を高めて、遊技者の遊技に対する関心を高めることが期待できる。
【0196】
ステップS1014に引き続いて、当選した役が一般役であるか否か判断する(ステップS1016)。この判断で、当選した役が一般役ではない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS1016の判断で、もし、当選した役が一般役である(YES)と判別したときには、警告に関連する関連制御処理として、カウンタPENAの値として20をインプットして(ステップS1018)、本サブルーチンを終了する。
この制御処理により、警告に関連する関連制御処理として、次の遊技から20遊技間、AT抽選における当選確率が低くなるペナルティを加えることになる。つまり、所定の順番でリールを停止させたときと、所定の順番以外の順番で停止させたときとで遊技者に付与する特典が異なる一般役の場合にのみ、このようなペナルティを与えることになっている。
【0197】
以上のように、本実施形態では、役抽選で、通常の順番でリールを停止させたときと、それ以外の順番で停止させたときとで特典が異なる(払い出し枚数:1枚対8枚)一般役に当選したときと、特典が異ならない再遊技役に当選したときとで、異なる関連制御処理(AT抽選に関するペナルティを付加するか否か)を行なうようになっている。このように、当選した役の特性に応じた関連制御処理を行なうことによって、遊技の進行に適合した警告を遊技者に与えることができるので、遊技者の遊技に対する関心を高めることが期待できる。
【0198】
<ペナルティ時AT抽選サブルーチンの説明>
次に、
図25に示すフローチャートを用いて、ペナルティ時AT抽選サブルーチンの詳細な説明を行なう。本サブルーチンは、報知演出(AT)を伴わない遊技で、一般役に当選して通常の押し順と異なる押し順でリール停止操作を行ったときに実施されるペナルティであって、通常よりも当選確率の低い抽選テーブルを用いてAT抽選を行なうようになっている。
まず、主制御回路100から遊技開始信号(
図6のステップS42参照)を受信したか否か判断する(ステップS1040)。この判断で、もし、遊技開始信号を受信していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS1040の判断で、もし、遊技開始信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、カウンタPENAの値が0より大きいか否か判断する(ステップS1042)。上述のように、報知演出(AT)を伴わない遊技で、一般役に当選して通常の押し順以外でリール停止操作を行ったときに、PENAの値として20がインプットされる(
図24のステップS1018)。
【0199】
この判断で、もし、カウンタPENAの値が0以下である(NO)判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS1042の判断で、もし、PENAの値が0より大きい(YES)と判別したときには、次に、主制御回路100から当選役情報信号(
図6のステップS72参照)を受信したか否か判断する(ステップS1044)。この判断で、もし、当選役情報信号を受信していない(NO)と判別したときには、この判断処理を繰り返す。つまり、当選役情報信号を受信するまで、待機状態になっている。
【0200】
ステップS1044の判断で、もし、当選役情報信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、受信した当選役情報信号に含まれる情報に基づき、AT抽選役に当選したか否か判断する(ステップS1046)。なお、AT抽選役は、上述と同様に、
図31Aに示すNo.7〜10のチェリー1〜4(再遊技役)、No.11〜17のスイカ1〜7(再遊技役)、No.18のチャンス目(再遊技役)、及びNo.20の一般役(チェリー5)を例示することができる。
ステップS1046の判断で、もし、AT抽選役に当選していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS1046の判断で、もし、AT抽選役に当選した(YES)と判別したときには、次に、ペナルティ時のAT抽選テーブルをROM208から読み出して、AT抽選処理を行なう(ステップ1048)。
【0201】
ここで、ペナルティ時のAT抽選テーブルの実施例を
図36に示す。
図33A〜
図33Cに示すAT抽選テーブルと同様に、当選したAT抽選役がチェリー(No.7〜10、20)の場合、スイカ(No.11〜17)の場合、及びチャンス目(No.20)の場合における当選確率が示されている。
AT抽選テーブルにおける抽選番号で1〜5では、A欄に示す10、20、30、40、50回のAT遊技数が設定され、抽選番号で6〜10では、B欄に示すAT演出が設定され(1が抽選対象であることを示す)、1個のAT演出が有するAT遊技数が、C欄(20、40、60、80、100回)に示されている。抽選番号11には、ハズレ(獲得AT遊技数ゼロ)が設定されている。
【0202】
チェリー当選時においては、抽選番号1〜10の各々の当選確率が1/100であり、ハズレの確率が9/10になっている。スイカ当選時においては、抽選番号1〜10の各々の当選確率が1/80であり、ハズレの確率が7/8になっている。チャンス目当選時においては、抽選番号1〜10の各々の当選確率が1/80であり、ハズレの確率が約5/6になっている。
以上のように、
図33A〜
図33Cに示すペナルティのない通常状態のAT抽選テーブルと比較して、AT遊技数を獲得する確率が非常に低く設定されている。
尚、AT遊技数を獲得する確率が非常に低く設定したが、当選する確率を0としてもよいし、抽選を行わないようにしてもよい。
【0203】
ステップS1048でAT抽選を行った後、次に、カウンタPENAの値から1を減じる制御処理を行なって(ステップS1050)、ステップS1052へ進む。この制御処理により、PENAの値が0となるまで、AT遊技数を獲得する確率が非常に低く設定されたAT抽選テーブルを用いたAT抽選が行われる。
ステップS1052では、AT抽選の結果、AT遊技数を獲得したか否か判断する(ステップS1052)。この判断で、もし、AT遊技数を獲得した(YES)と判別したときには、次に、報知演出(AT)を実施する回数を示すカウンタNATの値に、AT抽選で獲得したAT遊技数を付加する制御処理を行なって(ステップS1054)、ステップS1056へ進む。ステップS1052の判断で、もし、AT遊技数を獲得していない(NO)と判別したときには、そのままステップS1056へ進む。
【0204】
ステップS1056では、AT抽選の結果、抽選番号6〜10のAT演出(
図36参照)を獲得したか否か判断する(ステップS1056)。この判断で、もし、AT演出を獲得した(YES)と判別したときには、獲得したJ番目のAT演出とそのAT遊技数(J)を、RAM210に記憶し(ステップS1058)、本サブルーチンを終了する。
ステップS1056の判断で、もし、AT抽選でAT演出を獲得していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0205】
以上のように、本実施形態では、役抽選で第1の役に当選したとき、警告に関連する関連制御処理が、報知演出を得られる報知回数を獲得するのを困難にすることなので、遊技者が所定の順番以外の順番でリールを停止させることを効果的に防止することができ、遊技の進行に変化を付けて、遊技者に遊技的な面白さを与えることができる。
【0206】
<関連制御処理のその他の実施形態の説明>
関連制御処理として、上述の実施形態においては、通常の押し順以外の押し順でリールを停止させたときに表示される図柄の組み合わせに対応した演出(例えば、8枚の遊技媒体が払い出しに対応して行なう表示ランプ演出、AT演出における昇格を示す表示ランプ演出)を行なわないようにしているが、これに限られるものではない。
例えば、表示ランプ演出に加えて払い出しに応じた払い出し音などの効果音演出を行わないようにしてもよい。
また、設定されたカウンタPENAはAT抽選役で値を減じたが、毎遊技当選役に関係なく減じてもよい
また、ペナルティ中は昇格抽選処理を行わないようにしてもよい。
また、報知演出(AT)を実施しない遊技で警告音を発生させ、表示ランプ演出を行わないようにしているが、報知演出中においても指示された操作順と異なる順序で操作した際に、ペナルティの設定はしないが、報知演出(AT)を実施しない遊技での警告音と異なる警告音を発生させ、表示ランプ演出を行わないようにしてもよい。
操作順を報知している遊技においても警告音を出力することで、遊技上の特典契機(例えばスイカ当選のみ)と実際に表示された組合せ(特定図柄が表示)に違いがある場合でも遊技者が得られる特典でないことを認識することが出来る。
例えば、
図34A,Bを用いる変更例においてはAT状態によって抽選結果をチェリーとして取り扱うか、特定役1として取り扱うか異なる。AT状態1、2ではチェリーを表示するときに対応する演出を行い特定役1を表示するときに対応する演出を行わない。AT状態3では特定役1を表示するときに対応する演出を行い、チェリーを表示するときは対応する演出を行わない。具体的には、AT状態1、2では変則押しを行なうと警告音を出力し、表示ランプ演出を行わないようにし、AT状態3では報知される操作順に従わないと警告音を出力し、表示ランプ演出を行わないようにしてもよい。その際に、画像制御手段による演出としてAT状態によらず同じ演出を選択可能としてもよいし、表示される組合せに応じた演出を出力又は変更するようにしてもよい。
また、通常の押し順でリールを停止させたときにも、通常の押し順以外の順番でリールを停止させたときにも、同じ演出を行なうようにすることにより対処することもできるし、表示された図柄に応じて、異なる演出を実施することにより対処することもできる。
【0207】
(ストックするAT遊技数が所定値の倍数になるように、表示するAT遊技数を補正する実施形態の説明)
次に、ループ抽選処理でAT遊技数を定め、押動遊技を実施して暫定的な表示AT遊技数を定め、更にストックするAT遊技数が所定値(例えば10)の倍数になるように、押動遊技で定めた暫定的な表示AT遊技数を補正して表示する実施形態の説明を、
図26〜
図28を用いて説明する。例えば、ストックしていたAT演出を放出する場合に、予め定められたAT遊技数を付加するのではなく、これらの制御処理を行なってAT遊技数を定めて報知するようにすることができる。その他、役抽選でAT抽選役に当選したときに、これらの制御処理を行なって、AT遊技数を定めて報知することもできる。
【0208】
<ループ抽選サブルーチンの説明>
始めに、
図26に示すフローチャートを用いて、ループ抽選サブルーチンの詳細な説明を行なう。本サブルーチンは遊技ごとに実施され、所定のループ率(ここでは99%)で抽選処理を繰り返し行なってAT遊技数を定め、更に、押動遊技実施サブルーチンにより暫定的な表示AT遊技数を定め、補正遊技数報知サブルーチンにより、暫定的な表示AT遊技数を補正する制御処理を行なう。
図26において、まず、主制御回路100から遊技開始信号(
図6のステップS42参照)を受信したか否か判断する(ステップS2000)。この判断で、もし、遊技開始信号を受信していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS2000の判断で、もし、遊技開始信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、遊技状態が押動遊技を実施する状態であるか否か判断する(ステップS2002)。
【0209】
ここで、押動遊技を実施する場合としては、上述のように、AT抽選でAT演出に当選し、ストックしたAT演出を放出して対応するAT遊技数を付加する場合を例示することができる。更に、役抽選でAT抽選役に当選して、付加するAT遊技数を定めるときに、押動遊技を用いて付加するAT遊技数を報知することも考えられるし、その他の様々なタイミングを適用することができる。
【0210】
ステップS2002の判断で、もし、遊技状態が押動遊技を実施する状態ではない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS2002の判断で、もし、遊技状態が押動遊技を実施する状態である(YES)と判別したときには、当選した場合に上乗せするAT遊技数が1であり、ループ率(当選確率)99%であって、非当選となるまで抽選処理を繰り返すループ抽選処理を行ない(ステップS2004)、このループ抽選処理で獲得した値を、獲得したAT遊技数を示すLNATの値として記憶する(ステップS2006)。次に、押動遊技実施サブルーチンを実施し(ステップS2008)、補正遊技数報知サブルーチンを実施して(ステップS2010)、本サブルーチンを終了する。
【0211】
<押動遊技実施サブルーチンの説明>
次に、
図27に示すフローチャートを用いて、上述のループ抽選サブルーチンのステップS2008の制御処理である、押動遊技実施サブルーチンの詳細な説明を行なう。本サブルーチンでは、遊技者がベットスイッチを連打して、暫定的な表示AT遊技数を定める押動遊技を実施するための制御処理を行なう。本実施形態では、ストックしていたAT演出を放出する場合に対応し、1つのAT演出の表示を消去して、それに対応したAT遊技数を定めるために、遊技者が押動遊技を行なう場合の制御処理を示す。ただし、実際に獲得したAT遊技数は、既に上述のループ抽選で定まったLNATなので、押動遊技で定まる暫定的な表示AT遊技数は、LNAT以下の値となる。
まず、ストックしているAT演出(1)〜(J)のうち、最初に獲得したAT演出(1)の表示を消去し(ステップS2020)、次に、ベットスイッチを連打することを指示する画像を表示する(ステップS2022)。
【0212】
そして、カウンタCOUNTの値に0をインプットして(ステップS2024)、ステップS2026へ進む。ここで、COUNTは、押動遊技で獲得したAT遊技数(暫定的な表示AT遊技数)を表わすカウンタであり、ベットスイッチを1回押すごとに、COUNTの値に1が付加される(つまりAT遊技数が1増える)ようになっている。
ステップS2026では、主制御回路100からの信号に基づき、最初のベットスイッチの操作信号を受信したか否か判断する(ステップS2026)。この判断で、もし、最初のベットスイッチの操作信号を受信していない(NO)と判別したときには、次に、タイムT1(本実施形態では20秒)を経過したか否か判断する(ステップS2028)。
【0213】
この判断で、もし、タイムT1が経過していない(NO)と判別したときには、ステップS2026へ戻り、ステップS2026及びステップS2028の判断処理を繰り返す。ステップS2028の判断で、もし、タイムT1が経過した(YES)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。つまり、最初のベットスイッチの操作信号を受信しない状態で、タイムT1(20秒)を経過した場合には、押動遊技は実施せずに終了することになる。なお、タイムT1は、20秒に限られるものではなく、その他の任意の時間を設定できる。
【0214】
ステップS2026の判断で、もし、初のベットスイッチの操作信号を受信した(YES)と判別したときには、COUNTの値に1を加える制御処理を行ない(ステップS2030)、引き続いて、次のベットスイッチの操作信号を受信したか否か判断する(ステップS2032)。この判断で、もし、ベットスイッチの操作信号を受信していない(NO)と判別したときには、次に、タイムT2(本実施形態では0.5秒)を経過したか否か判断する(ステップS2034)。
【0215】
この判断で、もし、タイムT2が経過していない(NO)と判別したときには、ステップS2032へ戻り、ステップS2032及びステップS2034の判断処理を繰り返す。ステップS2034の判断で、もし、タイムT2が経過した(YES)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。つまり、ベットスイッチの押動操作から、次のベットスイッチの押動操作までに0.5秒より長い時間が経過した場合には、ベットスイッチの連打は終了したと判断して、本サブルーチンを終了する。なお、タイムT2は、0.5秒に限られるものではなく、スイッチの連打として違和感を与えない範囲で、任意の時間を設定できる。
ステップS2032の判断で、もし、ベットスイッチの操作信号を受信した(YES)、つまり0.5秒以内に次のベットスイッチ操作があった場合には、COUNTの値に1を加える制御処理を行ない(ステップS2036)、次に、COUNTの値がLNATに達したか否か判断する(ステップS2038)。なお、上述のように、LNATは、ループ抽選で実際に獲得したAT遊技数である。
【0216】
ステップS2038の判断で、COUNTの値がLNATに達していない(NO)と判別したときには、ステップS2032へ戻り、ステップS2032からステップS2038の制御処理を繰り返し、遊技者が0.5秒以内にベッチスイッチを操作するごとに、COUNTの値に1を加えていく制御処理を行なう。そして、ステップS2034の判断で、次のベットスイッチの押動操作までに0.5秒より長い時間が経過したと判断した場合には、ベットスイッチの連打は終了したと判断して、本サブルーチンを終了するようになっており、終了時のCOUNTの値を、暫定的な表示AT遊技数とする。
ステップS2038の判断で、もし、COUNTの値がLNATに達した(YES)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。つまり、押動遊技で獲得できるAT遊技数の最大値は、ループ抽選で実際に獲得したLNATの値である。
また、本サブルーチンを実施中に、次の遊技を開始すると本サブルーチンを終了するようし、終了時のCOUNTの値を、暫定的な表示AT遊技数としてもよい。
【0217】
<補正遊技数報知サブルーチンの説明>
次に、
図28に示すフローチャートを用いて、上述のループ抽選サブルーチンのステップS2010の制御処理である、補正遊技数報知サブルーチンの詳細な説明を行なう。本サブルーチンでは、ループ抽選により実際に獲得したAT遊技数LNATのうち、押動遊技で得られたAT遊技数COUNTを報知して、残りのAT遊技数をストックしておくのが原則であるが、ストックしておくAT遊技数が所定値(本実施形態では10)の倍数となるように、表示するAT遊技数を補正する制御処理を行なう。
【0218】
まず、ループ抽選で実際に獲得したAT遊技数LNATから、押動遊技で得たAT遊技数COUNTの値を減じて、ストックするAT遊技数を示すNOKORIの値とする制御処理を行なう(ステップS2060)。次に、カウンタKの値に1をインプットし(ステップS2062)、NOKORIの値から10×Kの値を減じた値が、0より大きいか否か判断する(ステップS2064)。この判断で、もし、NOKORIの値から10×Kの値を減じた値が0より大きい(YES)と判別したときには、次に、Nの値に1を加える制御処理を行なって(ステップS2066)、ステップS2064へ戻り、NOKORIの値から10×Kの値を減じた値が0以下となるまで、ステップS2064及びステップS2066の制御処理を繰り返す。
例えば、NOKORIの値が33の場合、NOKORIから、順に、10×1=10、10×2=20、10×3=30、10×4=40を引いて、0より大きいか否か判断し、K=4の40を引いたとき、始めて0以下であると判別されることになる。
【0219】
ステップS2064の判断で、もし、NOKORIの値から10×Kの値を減じた値が0以下である(NO)と判別したときには、報知しないでストックするAT遊技数を示すMIHOCHIATの値として、10×(K−1)の値をインプットする(ステップS2068)。上述のNOKORIの値が33の場合であれば、10×(4−1)=30をMIHHOCHIの値とする。
次に、すぐに報知するAT遊技数を表わすHYOJINATの値として、COUNTとNOKORIを加えた値、つまりLNATの値からMIHOCHIATの値を減じた値をインプットし(ステップS2070)、次に、HYOJINATの値を表示装置70に表示して(ステップS2072)、本サブルーチンを終了する。
【0220】
ここで、具体的な数値を用いて、
図26〜
図28に示す制御処理を再度説明すると、ループ抽選処理(
図26のステップS2004、2006参照)でLNAT=88を獲得し、押動遊技で遊技者がベットスイッチを42回連打して、COUNT=42となった場合(
図27のステップS2032〜S2038参照)、NOKORIの値は、88−42=46となる(
図28のステップS2060参照)。
図28に示す補正遊技数報知サブルーチンにおいて、NOKORIの値から、順に10×K(K=1、2・・・)つまり、10、20、30、40、50を引いて、その値が0より大きいか否かを判定し(
図28のステップS2064参照)、K=5の50を引いたときに、始めて0以下となるので、報知せずにストックしておくAT遊技数MIHOCHINATの値として、10×(5−1)=40を記憶する(
図28のステップS2068参照)。そして、表示するAT遊技数であるHYOJINATの値として、88(COUNT+NOKORIつまりLNAT)−10×(5−1)=48を算出し(
図28のステップS2070参照)、AT遊技数として48を報知することになる(
図28のステップS2072参照)。
【0221】
以上のように、実際に獲得したAT遊技数LNATは88で、押動遊技で獲得したAT遊技数COUNTは42であるが、このまま42をAT遊技数で表示すると、表示せずにストックしておくAT遊技数が、46(=88−42)となり、10の倍数にならないため、ストックしているAT遊技数の報知時に遊技者に違和感を与える虞があったり、極端にすくないAT遊技数(例えば1回など)を報知することがない。
。また、ストックしているAT遊技数を、例えば、1図形が10遊技を意味する図形で表わすときに、不具合が生じる場合がある。
そこで、本実施形態では、ストックするAT遊技数が10の倍数である40になるように補正して、今回表示するAT遊技数を、押動遊技で獲得したAT遊技数COUNTの値42に対して、補正値として6を加えて48を報知し、40をストックするようにしている。つまり、本実施形態では、補正により、遊技者がベットスイッチを連打して獲得したAT遊技数COUNTよりも大きな値を表示して、ストックするAT遊技数を10の倍数にするようにしている。
なお、上述においては、ストックするAT遊技数を10の倍数にしているが、これに限られるものではなく、その他の任意の数の倍数とすることもできる。
【0222】
例えば、表示したAT遊技数であるHYOJINATに対応する報知演出(AT)が終了したときに、ストックしているAT遊技数であるMIHOCHINATの値を表示することが考えられ、この場合には、遊技者に意外性と継続して報知演出(AT)を堪能できる喜びを与えることができる。その他、特定の遊技状態が終了したとき、例えば、上述のAT遊技状態3が終了したときに、ストックしているMIHOCHINATの値を表示することも考えられる。
また、AT演出を複数ストックしており、ストックしていたAT演出を連続して放出する場合に、各AT演出に対応した押動遊技を実施するごとに、補正を行なってAT遊技数HYOJINATを表示することもできるし、全てのAT演出に対応した押動遊技を実施した後、その合計の値に対して補正を行なってAT遊技数HYOJINATを表示することもできる。
【0223】
<表示するAT遊技数を補正する場合のその他の実施形態の説明>
表示するAT遊技数を補正する場合のその他の実施形態として、はじめて、NOKORI−10×Kの値が0以下となったときのKについて、ストックするAT遊技数MIHOCHINATを、10×(K−1)ではなく10×Kとし、すぐに表示するAT遊技数HYOJINATを、COUNT+NOKORI−10×(K−1)ではなく、COUNT+NOKORI−10×Kとすることが考えられる。
上述のLNAT=88、COUNT=42、NOKORI=6の場合であれば、MIHOCHINAT=50(=10×5)であり、HYOJINAT=88−50=38となる。つまり、本実施形態では、補正により、遊技者がベットスイッチを連打して獲得したCOUNTよりも小さな値を表示して、ストックするAT遊技数を10の倍数にするようにしている。
【0224】
更に、10の倍数を減じていった残りの一桁の数が4以下であれば、補正により、遊技者がベットスイッチを連打して獲得したCOUNTよりも小さな値を表示して、ストックするAT遊技数を10の倍数にするようにし、10の倍数を減じていった残りの一桁の数が5以上であれば、補正により、遊技者がベットスイッチを連打して獲得したCOUNTよりも大きな値を表示して、ストックするAT遊技数を10の倍数にするようにすることもできる。この場合には、補正する値をより小さい値にすることができる。
例えば、10の倍数を減じていった残りの一桁の数が3であれば、3を引いた値を表示し、10の倍数を減じていった残りの一桁の数が7であれば、3を加えた値を表示することになる。
【0225】
以上のように、本実施形態では、ループ抽選処理で遊技者に付与することが定められたAT遊技数(報知回数)のうち、一部のAT遊技数(非保留報知回数)を遊技者に示し、残りのAT遊技数(保留報知回数)を遊技者に示さずにストック(保留)するようになっているので、遊技者に意外性や遊技的な面白さを与えることができる。
更に、ストックするAT遊技数(保留報知回数)が、所定値(例えば10)の倍数になるように、表示するAT遊技数(非保留報知回数)を定めるようになっているので、ストックするAT遊技数(保留報知回数)を切りの良い数値にすることによって、ストックしていたAT遊技数(保留報知回数)を遊技者に違和感を与えることなく表示することができる。よって、スムーズな遊技の進行が実現でき、遊技者に報知演出(AT)を伴う遊技を堪能させることができる。
【0226】
本実施形態では、予め暫定的な表示AT遊技数(非保留報知回数)であるCOUNTを定めてから、実際にストックするAT遊技数(非保留報知回数)であるHYOJINATの値を定めるので、ストックするAT遊技数(非保留報知回数)の定め方について多様な態様を採用することができる。更に、暫定的なAT遊技数(非保留報知回数)COUNTに対して、所定値(例えば10)より小さい値を加算または減算することにより、確実にストックするAT遊技数(保留報知回数)MIHOCHINATの値を所定値(例えば10)の倍数とすることができるので、遊技者に違和感を与えることなく、報知演出(AT)を伴う遊技を堪能させることができる。
特に、押動遊技のような副制御回路200で制御する遊技によって表示するAT遊技数(非保留報知回数)を定めることができるので、遊技者に遊技的な面白さを与えることができる。
【0227】
本実施形態では、所定の当選確率(例えば99%)で抽選処理を行なって、当選時に報知回数を上乗せする制御処理を、非当選となるまで繰り返し行なうループ抽選処理により、遊技者に付与するAT遊技数(報知回数)LNATを定める。よって、予め定められたAT遊技数(報知回数)の中から選択するものではないので、より多彩なAT遊技数(報知回数)を定めることができ、遊技者に遊技的な面白さを与えることができる。なお、AT遊技数(報知回数)がどのような値になったとしても、上記のような制御処理で、常にストックするAT遊技数(保留報知回数)MIHOCHINATを所定値(例えば10)の倍数になるようにすることができる。
【0228】
本実施形態では、既に示されているAT遊技数(報知回数)HYOJINATの報知演出を実施した後に、ストックしていたAT遊技数(保留報知回数)MIHOCHINATを遊技者に示すので、スムーズに遊技を進行させることができて、遊技者の遊技に対する関心を高めることができる。
【0229】
(本発明に係るその他の実施形態の説明)
本発明に係るスロットマシンは、上述の実施形態には限られず、その他様々な実施形態が含まれる。