特許第5930452号(P5930452)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5930452置換フタラジン‐1(2H)‐オン誘導体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5930452
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】置換フタラジン‐1(2H)‐オン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 403/10 20060101AFI20160526BHJP
   C07D 487/04 20060101ALI20160526BHJP
   C07D 491/048 20060101ALI20160526BHJP
   C07D 495/04 20060101ALI20160526BHJP
   C07D 498/04 20060101ALI20160526BHJP
   C07D 513/04 20060101ALI20160526BHJP
   A61K 31/502 20060101ALI20160526BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20160526BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
   C07D403/10
   C07D487/04 137
   C07D487/04 138
   C07D491/048CSP
   C07D495/04 103
   C07D498/04 103
   C07D513/04 325
   A61K31/502
   A61P43/00 111
   A61P43/00 121
   A61P35/00
【請求項の数】18
【全頁数】62
(21)【出願番号】特願2015-550210(P2015-550210)
(86)(22)【出願日】2013年12月23日
(65)【公表番号】特表2016-504347(P2016-504347A)
(43)【公表日】2016年2月12日
(86)【国際出願番号】IN2013000794
(87)【国際公開番号】WO2014102817
(87)【国際公開日】20140703
【審査請求日】2015年8月5日
(31)【優先権主張番号】3742/MUM/2012
(32)【優先日】2012年12月31日
(33)【優先権主張国】IN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507365927
【氏名又は名称】カディラ・ヘルスケア・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ブリジェシュ・ケー・スリヴァスタヴァ
(72)【発明者】
【氏名】ランジット・シー・デサイ
(72)【発明者】
【氏名】パンカジ・アール・パテル
【審査官】 早乙女 智美
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/019426(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/019427(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/093032(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/071684(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/004356(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/063244(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/083027(WO,A1)
【文献】 国際公開第2007/138351(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0059663(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0269234(US,A1)
【文献】 国際公開第2012/019430(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K31
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】
[式中、
R1は、各出現ごとに、独立してH、ハロゲン、又は(C1-C12)アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アルキルチオから選択される基、又は(OSO2)アルキル基から選択され、ここで、これらの基のそれぞれは、さらに場合により適切な置換基で置換されていてもよく、
R’は、各出現ごとに独立して、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、チオアルキル、シクロアルキル基から選択され
mは1〜4であり、
Lは-O、-S、-NHであり、
nは0〜4であり、
R2は、水素原子、ヒドロキシ、アルキル、シクロアルキル、オキソ、C(O)OR5、-C(O)R5、又は-C(O)NR6R7から成る置換基から選択され、ここで、該アルキル及びシクロアルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、又はアルコキシ基から選択される1以上の置換基でさらに置換され、
R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキル、- C(O)OR5、-OC(O)R5、-O(CH2)pC(O)OR5、-C(O)R5、-NHC(O)R5、-NR6R7、-OC(O)NR6R7、又は-C(O)NR6R7から選択され、あるいは、R3及びR4は一緒にオキソ基を形成し、
「D」及び「E」の環原子のそれぞれは、C又はN原子から独立して選択され、
「F」、「G」、及び「H」の環原子のそれぞれは、C、N、O、及びS原子から独立して選択され、
「D」、「E」、「F」、「G」、及び「H」により形成される環は、置換又は非置換の5員二環式芳香又は非芳香複素環を表し、
R5は、各出現ごとに独立して、水素原子、及びアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール基から選択される場合により置換された基から選択され、
R6又はR7のそれぞれは、各出現ごとに独立して、H、及びアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールから選択される場合により置換された基から選択され、あるいは、R6及びR7は一緒に窒素原子に結合してヘテロシクリル環を形成し、ここで、該ヘテロシクリル環は、N、O、S(O)qから選択される1以上のヘテロ原子を含み、qは、0、1、又は2であり、pは、0、1、又は2である]
の構造を有する化合物。
【請求項2】
【化2】
で示される複素環が、以下
【化3】
の二環式環から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記R1における置換基が、単独または他の基との組み合わせで、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、チオ、ニトロ、アミノ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、又はハロアルコキシ基から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
前記R5における置換基が、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、カルボン酸、又はカルボン酸エステル基から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
各出現ごとの前記R6及びR7における置換基が、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、カルボン酸、又はカルボン酸エステル基から独立して選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
前記置換又は非置換の5員二環式芳香又は非芳香複素環における置換基が、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、及びアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ベンジル、OR5、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-O(CH2)pC(O)OR5、C(O)R5、S(O)qR5、-NHC(O)R5、NR6R7、-OC(O)NR6R7、又は-C(O)NR6R7から選択される場合により置換された基から選択され、
ここで、R5、R6、及びR7のそれぞれは、請求項1で定義したとおりであり、該アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、又はベンジル基は、それぞれ独立して、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、オキソ、-C(O)OR5、-OC(O)R5、O(CH2)pC(O)OR5、-C(O)R5、-S(O)qR5、-NHC(O)R5、NR6R7、-OC(O)NR6R7、又は-C(O)NR6R7基から選択される1以上の置換基によりさらに置換される、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
「アリール」基が、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インデニル、ジヒドロインデニル、ビフェニル基から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
前記アリ−ル基における置換基が、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、チオアルキル、シクロアルキル基から独立して選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
前記ヘテロアリール又は複素芳香族基が、ピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、インドリニル、インドリル、ピリドフラニル、ピリドチエニル、チエノピリミジル、キノリニル、ピリミジニル、ピラゾリル、キナゾリニル、ピリダジニル、プリニル基から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
前記ヘテロアリール又は複素芳香族基における置換基が、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、アラルキル、シアノ、アルキルチオ、チオアルキル基から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
前記ヘテロシクリル基が、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、2-オキソピペリジニル、4-オキソピペリジニル、2-オキソピペラジニル、3-オキソピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、2-オキソモルホリニル、アゼピニル、ジアゼピニル、オキサピニル(oxapinyl)、チアゼピニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ジヒドロチオフェン、ジヒドロピラン、ジヒドロフラン、ジヒドロチアゾール、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル(benzopyranonyl)、ベンゾジヒドロフラニル、ベンゾジヒドロチエニル、ピラゾロピリミドニル(pyrazolopyrimidonyl)、アザキナゾリノイル(azaquinazolinoyl)、チエノピリミドニル(thienopyrimidonyl)、キナゾロニル(quinazolonyl)、ピリミドニル(pyrimidonyl)、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサジノニル(benzoxazinonyl)、ベンゾチアジニル(benzothiaziny)、ベンゾチアジノニル(benzothiazinonyl)、チエノピペリジニル基から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
前記ヘテロシクリル基における置換基が、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、アラルキル、シアノ、アルキルチオ、チオアルキル基から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
から成る群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
から成る群から好ましくは選択される、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
治療上有効量の請求項1〜14のいずれか一項に記載の式(I)の化合物と、場合により1以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、又は賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項16】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の式(I)の化合物と、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ-1の阻害による疾患の治療に適した適切な賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項17】
治療上有効量の請求項1〜16のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又はその医薬組成物を、必要とする患者又は対象に投与することを含む、PARP-1タンパク質により媒介される疾患の治療のための、薬剤。
【請求項18】
ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ-1の阻害のための医薬の製造のための、請求項1〜17のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又はその医薬組成物若しくは薬剤の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式(I)の新規化合物、その立体異性体、位置異性体、互換異性体、及びその合成に関連した新規中間体、その薬学的に許容される塩、薬学的に許容される溶媒和物、並びにこれらを含む医薬組成物に関する。本発明はまた、一般式(I)の新規化合物、その立体異性体、位置異性体、その互換異性体、その薬学的に許容される塩、薬学的に許容される溶媒和物、これらを含む医薬組成物、並びにこれらの合成に関連した新規中間体の調製方法にも関する。
【0002】
【化1】
【0003】
本発明はさらに、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ−1の選択的阻害を引き起こす化合物にも関する。
【背景技術】
【0004】
合成致死の関係性の利用は、腫瘍と正常細胞の間の遺伝的差異を対象にする信頼できる治療戦略であり、これは最終的にはガンの治療のための広い治療ウィンドウを提供する。ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ−1(PARP-1、113 kDa)は、17個のPARPタンパク質スーパーファミリーの原型(プロトタイプ)である。PARP-1は、そのジンクフィンガーDNA結合ドメインがPARP-1をDNA損傷部位に位置付ける核タンパク質である。このNAD依存性酵素は、DNA損傷の検出および修復に関与する、タンパク質のポリ(ADPリボシル化)を触媒する。これは、ストレス状況下において、細胞が生きるか死ぬかの決定における前線の役割を担っている(非特許文献1)。この酵素の主な構造は、真核生物で高く保存されており、ヒトの酵素はアミノ酸配列レベルでマウスの酵素と92%の相同性を有しており、50のアミノ酸ブロックは脊椎動物観で100%の相同性を示している(非特許文献2)。PARP-1の分子機序の研究は、これが、遺伝子増幅、細胞分裂、分化、アポトーシス、DNA塩基除去修復等の様々な遺伝子関連機能に関与しており、また、テロメアの長さと染色体の安定性にも影響を与えることを示唆している(非特許文献3)。
【0005】
PARP-1がDNA修復及び他のプロセスを調節し、その活性の中心である細胞核内でポリ(ADP−リボース)の長鎖を生成できることが報告されている(非特許文献4)。ノックアウトマウスモデルに対する種々の研究は、PARP-1の欠損はDNA修復を害するが、胚性致死ではないことを報告している。PARP-1及びPARP-2のダブルノックアウトマウスは、初期胚発生中に死亡し、これはPARP-1の最も近いホモログとしてのPARP-2(PARP-1に対してその触媒ドメインにおいて62%の同一性)が、PARP-1酵素の不在時にDNA修復において主要な役割を担うことを示している(非特許文献5)。ニューカッスル大学及びコンスタンツ大学の科学者のグループは、非特許文献6において、体系的な方法でPARP-1遺伝子多型、PARP-1タンパク質の細胞の濃度(レベル)、及びPARP活性を直接比較した最初の研究であることを主張しており、PARP活性がタンパク質濃度及び活性部位SNP以外に、他の要素に依存していることを明らかにしている。
【0006】
最近の非特許文献7のレビューは、PARP阻害剤が、化学/放射線療法増感剤としてだけでなく、DNA修復の欠陥によるガン、具体的には乳ガン関連遺伝子(BRCA1及びBRCA2)に突然変異を有するガンを選択的に死滅させる単剤としても用いられ得ることを示唆している。PARPは、酸化的DNA損傷に応じて活性化され、細胞内エネルギープールを枯渇させ、これにより種々の組織における細胞の機能不全をもたらす。PARPの活性化はまた、様々な細胞死プロセスを誘発し、多臓器不全に関連する炎症反応を助長し得る。
【0007】
近年、研究者の数人が、非特許文献8において、タキソール等のDNA損傷誘発性細胞分裂阻害剤と組み合わせたPARP阻害剤が、PI-3-キナーゼAkt経路の活性化を介して効果的な腫瘍治療をもたらすことができることを実証した。
【0008】
アメリカの臨床腫瘍学会は、フロリダ州のオーランドで年次会合(2009年5月29日〜6月2日)を開き、非特許文献9に報告されているとおり、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤と呼ばれる新しいクラスの標的薬であるオラパリブ(Olaparib)及びBSI-201という2つの薬剤が、2つの別のフェーズII臨床試験の結果から難治療性の乳ガンに対して顕著な活性を示したことが報告された。
【0009】
特に阻害剤としてPARP-1酵素を標的とするいくつかの低分子が探索されており、中でも、有望な初期結果を示すとともに、BSI 201 (BiPar)はフェーズIII臨床試験中であり、AG 14699 (Cancer Res. UK)、AZD 2281 (KuDOS)、ABT 888 (Abbott)はフェーズII臨床試験中である。しかしながら、向上した治療効果が、正常組織でのDNA修復メカニズムに対する効果によって、増加したオフターゲット効果を伴い得る可能性に特に注意を払わなければならない。
【0010】
最近の発見は、非特許文献10に記載されているとおり、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARPs)を潜在的な化学療法の標的として注目の的に押し上げた。PARP阻害剤ABT-888との複合体としてのヒトPARP2の触媒ドメインの結晶構造が非特許文献11に報告された。
【0011】
選択的なPARP-1阻害剤である新規化合物、これらの調製方法、及びこれらの医薬用途も、特許文献1〜16に開示されており、参照によりこれらの全体が組み込まれる。
【0012】
以下の一般式で示され、ガン若しくは増大する腫瘍細胞の治療のための、電離放射線又は化学療法剤を用いる治療のためのPARPを阻害する可能性を有するフタラジノン誘導体の合成が、特許文献5及び12に開示されている。
【0013】
【化2】
【0014】
ガン治療のためのCHK及びPARP阻害剤の組み合わせとしてのチオフェンカルボキサミドのクラスの化合物の合成が、特許文献8及び10に開示されている。代表的な化合物は、以下の一般式を有する。
【0015】
【化3】
【0016】
式中、XはNH、S、及びOから選択され、YはCH又はNから選択される。
【0017】
特定のフタラジノン誘導体の結晶形及び改良された合成方法、並びにこの結晶形のPARP-1阻害剤としての使用が、特許文献6に開示されている。代表的な化合物は、以下の構造を有する。
【0018】
【化4】
【0019】
PARPの阻害により改善されるガン又は他の疾患の治療に用いるための、4-ヘテロアリールメチル置換フタラジノン誘導体の合成が特許文献4及び11に開示されている。
【0020】
【化5】
【0021】
式中、A及びBは共に、場合により置換された縮合芳香環を示し;XはNRX又はCRXRYであることができ、XがNRXである場合、nは1又は2であり、XがCRXRYである場合、nは1であり;RXはH、場合により置換されたC1-20アルキル、C1-20アリール、C(3-20)ヘテロシクリル、チオアミド、エステル、アシル、及びスルホニル基から成る群から選択され;RYは、H、ヒドロキシ、アミノから選択され;RX及びRYは、一緒にスピロC3-7シクロアルキル又はヘテロシクリル基を形成してもよく;RC1及びRC2は、独立してH及びC1-4アルキルから成る群から選択され;R1はH及びハロから選択され;Hetは、
【0022】
【化6】
【0023】
[式中、Y1はCH及びNから選択され、Y2 はCH及びNから選択され、Y3はCH、CF、及びNから選択され、Y1、Y2、及びY3の1つ又は2つはNであってもよい。]及び
【0024】
【化7】
【0025】
[式中、QはO又はSである。]から選択される。
【0026】
フェニル置換ベンズイミダゾールカルボキサミドポリ(ADP-リボース)の最適化
ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ-2(PARP-2)のアイソフォーム選択的阻害剤としての5-ベンズアミドイソキノリン-1-オン及び5-(ω-カルボキシアルキル)イソキノリン-1-オンが、非特許文献12に開示されている。
【0027】
BRCA2生殖細胞系列変異患者由来の卵巣ガン組織の異種移植片におけるオラパリブによる腫瘍増殖抑制が、最近の非特許文献13で報告された。
【0028】
液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析による、ABT-888、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ阻害剤、及びこのヒト血漿中での代謝物の同時の測定が、非特許文献14に開示された。
【0029】
非特許文献15中に開示されたDana V. Ferrariによるレビュー記事である「Evolution of Poly(ADP-ribose)Polymerase-1(PARP-1) inhibitors, From Concept to Clinic」は、PARP-1阻害剤の開発における種々の製薬産業及び学術機関の試みを詳細に開示している。
【0030】
非特許文献16には、Federica Ferrignoらによる記事「BRCA欠損細胞において活性なポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ−1(PARP-1)阻害剤として有望な置換6-[4-フルオロ-3-(ピペラジン-1-イルカルボニル)ベンジル]-4,5-ジメチルピリダジン-3-(2H)-オンの開発」が開示されている。
【0031】
「ポリメラーゼ阻害剤:(S)-2-(2-フルオロ-4-(ピロリジン-2-イル)フェニル)-1H-ベンズイミダゾール-4-カルボキサミド (A-966492)の同定、非常に有望で効果的な阻害剤」が、非特許文献17に開示されている。
【0032】
【化8】
【0033】
キノリン−8−カルボキサミドの設計、合成、新しいクラスのポリ(アデノシン−ジホスフェート−リボース)ポリメラーゼ−1(PARP-1)阻害剤が、非特許文献18に開示されている。ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)としての2-[(R)-2-メチルピロリジン-2-イル]-1H-ベンズイミダゾール-4-カルボキサミドの合成が、非特許文献19に開示されている。
【0034】
【化9】
【0035】
新規なポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ-1阻害剤としてのアミノエチルピロロジヒドロイソキノリノンの合成が、非特許文献20に開示されている。代表的な化合物は以下の一般式を有する。
【0036】
【化10】
【0037】
ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ-1(PARP-1)阻害剤としてのイソキノリノンベースの4環式化合物の合成が、非特許文献21に開示されている。代表的な化合物は以下の一般式を有する。
【0038】
【化11】
【0039】
可能性のあるポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ-1(PARP-1)阻害剤としての置換ピラゾロ[1,5-a]キナゾリン-5(4H)-オンの同定が、非特許文献22に開示されている。代表的な化合物は以下の一般式を有する。
【0040】
【化12】
【0041】
ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ-1(PARP-1)の阻害剤としての新規な3環式キノキサリノンの合成が、非特許文献23に開示されている。代表的な化合物は以下の一般式を有する。
【0042】
【化13】
【0043】
新規なポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ-1阻害剤としての環縮合ピラゾロピリジン-2-オンの同定が、非特許文献24に開示されている。これは、以下の一般式の化合物を開示している。
【0044】
【化14】
【0045】
ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼの経口活性で脳浸透性のキノキサリノン阻害剤の発見は、非特許文献25に開示されており、また、以下の一般式の化合物を開示している。
【0046】
【化15】
【0047】
インデノ[1,2-c]イソキノリノンの修飾で得られる、可能性のあるポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ-1阻害剤が、非特許文献26に開示されており、また、以下の一般式の化合物が開示されている。
【0048】
【化16】
【0049】
特許文献15は、以下の一般式(I)のPARP阻害剤を開示している。
【0050】
【化17】
【0051】
式中、A及びBは一緒に炭素原子に結合してシクロアルキル基、複素環式基、アリール又はヘテロアリール基を形成し、環原子D又はEのそれぞれは、独立してC又はN原子から選択され、nが1の場合、D及びEは互いに結合して6〜10員環Xを形成する。この明細書はその全体が参照により組み込まれる。
【0052】
非特許文献16は、式I又はIIの化合物、これらの異性体、塩、溶媒和物、化学的に保護された形態及びプロドラックを開示している。
【0053】
【化18】
【0054】
式中、置換基はその明細書のとおりに定義され、これは参照により全体が組み込まれる。
【0055】
New Gen Therapeutics社は、特許文献17を公開し、これはポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼの3環式阻害剤を開示している。
【0056】
ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ-1阻害剤としての置換4-(4-フルオロ-3-(ピペラジン-1-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン誘導体は、Cadila Healthcare社による特許文献18に開示されており、以下の一般構造を開示している。
【0057】
【化19】
【0058】
上海薬物研究所、中国科学院は、2-アリールベンゾフラン-7-ホルムアミド化合物、その調製方法及びその使用を特許文献19に開示しており、また以下の式を開示している。
【0059】
【化20】
【0060】
Merck社は、タンキラーゼ及びPARP阻害剤としてのテトラヒドロ-キナゾリノン誘導体を特許文献20に開示しており、また以下の一般構造を開示している。
【0061】
【化21】
【0062】
PARP阻害活性を有する新規化合物が、Santen Pharmaceutical社により特許文献21に開示されており、また以下の式が開示されている。
【0063】
【化22】
【0064】
PARP阻害剤としての縮合4又は5環式ピリドフタラジノンが、Belgena社により特許文献22で報告されている。
【0065】
AstraZeneca AB社は、4-[3-4(シクロプロパンカルボニル-ピペラジン-1-カルボニル)-4-フルオロ-ベンジル] -2H-フタラジン-1-オンの即時放出型医薬の形成を特許文献23で開示している。
【0066】
BioMarin社は、最近、特許文献24を開示し、式(M)を開示している。
【0067】
【化23】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0068】
【特許文献1】WO 2002036576
【特許文献2】WO 2006039545
【特許文献3】WO 2007062413
【特許文献4】WO 2004080976
【特許文献5】WO 2009093032
【特許文献6】WO 2008047082
【特許文献7】WO 2001042219
【特許文献8】WO 2005066163
【特許文献9】WO 2006106326
【特許文献10】WO 2008146035
【特許文献11】WO 2006021801
【特許文献12】US 20090192156
【特許文献13】WO 2012019427
【特許文献14】WO 2012071684
【特許文献15】WO 2012019426
【特許文献16】WO 2012072033
【特許文献17】WO 2012166983
【特許文献18】WO 2012014221
【特許文献19】WO 2013117120
【特許文献20】WO 2013/117288
【特許文献21】WO 2013/008872
【特許文献22】WO 2013097226
【特許文献23】US 8475842
【特許文献24】US 2013/0053365
【非特許文献】
【0069】
【非特許文献1】Senthil kumar B., Rajmohanら, Mol. Cell. Biol. 2009年, 29(15), 4116-4129頁
【非特許文献2】Virag LaszloとSzabo Csaba, Pharmacol. Reviews 2002年, 54(3), 375-429頁
【非特許文献3】d’Add di Fagognaら, Nature Gen. 1999年, 23(10), 76-80頁
【非特許文献4】Althaus, F. R.; Richter, C. Mol. Biol., Biochem. Biophys. 1987年, 37, 1-237頁
【非特許文献5】Ratnam KapilとLaw Jenifer A. Clin. Cancer Res. 2007年, 17(5), 1383-1388頁
【非特許文献6】British Journal of Cancer, 2009年, 101(2), 256-26
【非特許文献7】Free Radical Biology & Medicine 2009年, 47, 13-26頁
【非特許文献8】Biochem. Pharmacol. 2009年, 77, 1348-1357頁
【非特許文献9】Eur. J. Cancer 2009年, 45, 1897-1901頁
【非特許文献10】Nature Reviews Cancer 4 March 2010年, 1-9頁
【非特許文献11】Herwig Schulerら, Pharmacol. Biochemistry 2010年, 49, 1056-1058頁
【非特許文献12】Peter T. Sunderlandら、J. Med. Chem. 2011年, 54, 2049-2059頁
【非特許文献13】Clin Cancer Res 2011年, 17, 783-791頁
【非特許文献14】Journal of Chromatography B, 2011年, 878, 333-339頁
【非特許文献15】J. Med. Chem. 2010年, 53, 4561-4584頁
【非特許文献16】Bioorg. Med. Chem. Lett. 2010年, 20, 1100-1105頁
【非特許文献17】J. Med. Chem., 2010年, 53, 3142-3153頁
【非特許文献18】J. Med. Chem. 2009年, 52, 868-877頁
【非特許文献19】J. Med. Chem. 2009年, 52, 514-523頁
【非特許文献20】Bioorg. Med. Chem. Lett. 2009年, 19, 4042-4045頁
【非特許文献21】Bioorg. Med. Chem. Lett. 2009年, 19, 7537-7541頁
【非特許文献22】Bioorg. Med. Chem. Lett. 2009年, 19, 4196-4200頁
【非特許文献23】Bioorg. Med. Chem. Lett. 2009年, 19, 4050-4054頁
【非特許文献24】Bioorg. Med. Chem. Lett. 2008年, 18, 5126-5129頁
【非特許文献25】J. Med. Chem. 2004年, 47, 4151-4154頁
【非特許文献26】J. Med. Chem. 2005年, 48, 5100-5103頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0070】
PARP-I阻害剤としていくつかの化合物が文献に報告されてきたが、現実の臨床の有益性を示したものは非常に少なく、また、今までどれも承認されていない。多くの満たされていない医学の必要性を考えると、より良好な安全性及び効能プロファイルを有する化合物をさらに開発する必要性が存在すると思われる。本件出願人は、本明細書において、PARPとしての可能性を示す新規な一連の化合物を開示する。
【0071】
本発明の第一の目的は、一般式(I)の新規化合物、その立体異性体、互換異性体、その位置異性体、その合成に関連した新規中間体、その薬学的に許容される塩、その薬学的に許容される溶媒和物、及びこれら又はこれらの混合物を含む医薬組成物、並びにこれらの医薬における使用を提供することにある。
【0072】
【化24】
【0073】
本発明の他の目的は、一般式(I)の新規化合物、その立体異性体、位置異性体、及びその互換異性体、その合成に関連した新規中間体、薬学的に許容される塩、薬学的に許容される溶媒和物、及びこれらを含む医薬組成物の調製方法を提供することにある。
【0074】
本発明の他の目的は、治療的に有効で毒性のない量の式(I)の化合物又はこの薬学的に許容される組成物を哺乳動物に投与することによる、治療され得る疾患又はその症状を好転させ得る疾患の治療方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0075】
本発明は、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ-1阻害剤として有用な新規化合物を開示する。この化合物は、以下の一般式(I)により定義される。
【0076】
【化25】
【0077】
本発明の化合物は、PARP1酵素を阻害することにより、DNA修復プロセスを抑制し、細胞媒介性アポトーシスを誘導する。欠陥のある修復の結果として、PARP-1が欠損した又は阻害された細胞は、DNA損傷剤(γ-放射線、トポイソメラーゼ阻害剤、及びアルキル化剤)に対してより影響を受ける。本発明の化合物は、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ-1の選択的な阻害剤である。
【発明を実施するための形態】
【0078】
本発明の化合物は、以下の一般式(I)で定義される。
【0079】
【化26】
【0080】
式中、「A」及び「B」は、独立して、水素、アルキルから選択されるか、又は一緒に炭素原子に結合してシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール基を形成することができ、ここで、前記したシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール基のそれぞれは、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-O(CH2)PC(O)OR5、-C(O)R5、-NHC(O)R5、-NR6R7、-OC(O)NR6R7、又は-C(O)NR6R7基から選択される1以上の置換基でさらに独立して置換される。
【0081】
各出現ごとのR1は、独立して、H、ハロゲン、又は(C1-C12)アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アルキルチオから選択される基、又は(OSO2)アルキル基から選択され、ここで、これらの基のそれぞれは、さらに以下に示される基から選択される好適な置換基によりさらに置換されていてもよく;
mは1〜4であり;
Lは-O、-S、-NHであり;
R2は、水素原子、ヒドロキシ、アルキル、シクロアルキル、オキソ、C(O)OR5、-C(O)R5、又は-C(O)NR6R7から成る置換基から選択され、ここで、前記したアルキル又はシクロアルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、又はアルコキシから選択される1以上の置換基によりさらに置換されてもよい。
【0082】
R3及びR4は、互いに独立して、例えば、水素原子、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキル、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-O(CH2)pC(O)OR5、-C(O)R5、-NHC(O)R5、-NR6R7、-OC(O)NR6R7、又は-C(O)NR6R7基から選択され;あるいは、R3及びR4は一緒にオキソ基を形成し;
それぞれの環原子「D」及び「E」は、C又はN原子から独立して選択され;「D」及び「E」は互いに結合して5員環「X」を形成し、ここで、「X」は、例えばシクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール基から選択され、これらのシクロアルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロアリール基は、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリール、ベンジル、オキソ、OR5、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-O(CH2)pC(O)OR5、C(O)R5、S(O)nR5、-NHC(O)R5、NR6R7、-OC(O)NR6R7、又は-C(O)NR6R7から選択される1以上の置換基でさらに置換され、ここで、これらのアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、又はベンジルは、それぞれ独立して、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、オキソ、-C(O)OR5、-OC(O)R5、O(CH2)pC(O)OR5、-C(O)R5、-S(O)nR5、-NHC(O)R5、NR6R7、-OC(O)NR6R7、又は-C(O)NR6R7置換基から選択される1以上の置換基でさらに置換され;
各出現ごとのR5は、水素原子、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール基から独立して選択され、ここで、これらのアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール基は、それぞれ独立して、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、カルボン酸、又はカルボン酸エステル基から選択される1以上の置換基で置換される。
【0083】
R6又はR7のそれぞれは、各出現ごとに、水素原子、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール基から独立して選択され、ここで、これらのアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール基は、それぞれ独立して、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、カルボン酸、又はカルボン酸エステル置換基から選択される1以上の置換基によりさらに置換され;
あるいは、R6及びR7は窒素原子に一緒に結合して複素環を形成し、ここで、この複素環は、N、O、S(O)nから選択される1以上のヘテロ原子を含み、またこの複素環は、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、カルボン酸、又はカルボン酸エステル基から選択される1以上の置換基でさらに置換され;
nは0、1、又は2であり、pは0、1、又は2である。
【0084】
どこであろうと適用可能な適した置換基であって、具体的に言及されていない置換基としては、これらに限定されないが、単独又は他の基との組み合わせで、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、チオ、ニトロ、アミノ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、又はハロアルコキシ基が挙げられる。
【0085】
以下の式
【0086】
【化27】
【0087】
で示される好ましい複素環は、以下に示される二環構造から選択され得る。
【0088】
【化28】
【0089】
別の好ましい実施形態において、上記で示される基は、以下のものから選択され得る。
【0090】
用語「アリール」は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インデニル、ジヒドロインデニル、ビフェニル基から選択されることができ、これらの基のそれぞれは、場合により水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、チオアルキル、シクロアルキル基から選択される1以上の置換基で置換されていてもよい。
用語「ヘテロアリール」又は「複素芳香族」は、O、N、又はSから選択される1以上のヘテロ原子を含む、適当な単一の又は縮合した一、二、又は三環式複素芳香族基から選択することができ、より好ましくは、ピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、インドリニル、インドリル、ピリドフラニル、ピリドチエニル、チエノピリミジル、キノリニル、ピリミジニル、ピラゾリル、キナゾリニル、ピリダジニル、プリニル基から選択される基から選択することができ、これらの基のそれぞれは、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、アラルキル、シアノ、アルキルチオ、チオアルキル基から選択される1以上の置換基でさらに場合により置換されていてもよい。
用語「ヘテロシクリル」は、窒素、硫黄、及び酸素から選択される1以上のヘテロ原子を含む、適当な飽和、部分的に飽和、又は不飽和の芳香族又は非芳香族の一、二、又は三環式基から選択することができ、より好ましくは、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、2-オキソピペリジニル、4-オキソピペリジニル、2-オキソピペラジニル、3-オキソピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、2-オキソモルホリニル、アゼピニル、ジアゼピニル、オキサピニル(oxapinyl)、チアゼピニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ジヒドロチオフェン、ジヒドロピラン、ジヒドロフラン、ジヒドロチアゾール、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル(benzopyranonyl)、ベンゾジヒドロフラニル、ベンゾジヒドロチエニル、ピラゾロピリミドニル(pyrazolopyrimidonyl)、アザキナゾリノイル(azaquinazolinoyl)、チエノピリミドニル(thienopyrimidonyl)、キナゾロニル(quinazolonyl)、ピリミドニル(pyrimidonyl)、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサジノニル(benzoxazinonyl)、ベンゾチアジニル(benzothiaziny)、ベンゾチアジノニル(benzothiazinonyl)、チエノピペリジニル基から選択され、これらの基のそれぞれは、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、アラルキル、シアノ、アルキルチオ、チオアルキル基から選択される1以上の置換基で場合により置換されていてもよい。
【0091】
さらなる実施形態において、上述した基、ラジカルは、以下から選択され得る。
- 単独又は他の基(ラジカル)との組み合わせで用いられる用語「アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含む直線又は分岐状の基を示し、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、アミル、t-アミル、n-ペンチル、n-ヘキシル等から選択される。
- 単独又は他の基との組み合わせで用いられる用語「アルコキシ」は、酸素原子に直接結合した、上記で定義されたアルキル基を含む基から選択され、より好ましくは、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、iso-プロポキシ、n-ブトキシ、t-ブトキシ、iso-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等から選択される。
- 用語「ハロアルキル」は、1以上のハロゲンで適切に置換された、上記で定義されたアルキル基から選択され、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロエチル、ジフルオロエチル、トリフルオロエチル、モノ又はポリハロ置換メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、又はヘキシル基が挙げられる。
- 用語「ハロアルコキシ」は、酸素原子に直接結合した、上記で定義した適当なハロアルキルから選択され、より好ましくはフルオロメトキシ、クロロメトキシ、フルオロエトキシ、クロロエトキシ等から選択される。
- 単独又は他の基との組み合わせで用いられる用語「アルキルチオ」は、硫黄原子からの遊離の原子価結合を有する二価の該硫黄原子を介して結合した、上記で定義したアルキル基を含む直線状、分岐状、又は環状の一価置換基を示し、より好ましくは、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオから選択され得る基を示す。
- 用語「アラルキル」は、上記で定義したアルキル基に結合した、上記で定義したアリール基を表す。
- 用語「ヘテロアラルキル」及び「ヘテロシクリルアルキル」は、上記で定義したアルキル基に結合した、上記で定義した「ヘテロアリール」及び「ヘテロシクリル」基をそれぞれ表す。
【0092】
式(I)の化合物は、当該技術分野で公知な方法により場合によりこれらの適切な薬学的に許容される塩に変換され得る。本発明の新規化合物はさらに、公知の技術、方法、及び濃度により、適切な賦形剤と組み合わせることによって適切な薬学的に許容される組成物中に処方され得る。
【0093】
本発明の化合物は、PARP-1受容体を調節し、多くの疾患にとっての治療標的(対象)として有用であり、特にガンの治療にとって有用である。
【0094】
本発明に係る調製された化合物としては、これらに限定されないが、以下が挙げられる:
実施例1: 4-(3-(5-ベンジルオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例2: 2-ベンジル-5-(2-フルオロ-5-((4-オキソ-3,4-ジヒドロフタラジン-1-イル)メチル)ベンゾイル)テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-1,3(2H,3aH)-ジオン;
実施例3: 4-(4-フルオロ-3-(1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例4: 4-(3-(5-(シクロプロパンカルボニル)オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例5: 4-(3-(1-(シクロプロピルメチル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例6: 4-(3-(5-(シクロプロピルメチル)オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例7: 4-(4-フルオロ-3-(5-(2,2,2-トリフルオロエチル)オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例8: 4-(3-(5-(シクロプロピルメチル)-1,2,3,4,5,6-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例9: 4-(3-(5-ベンジルオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン塩酸塩;
実施例10: 4-(4-フルオロ-3-(5-(2-((3-フルオロフェニル)チオ)-2-メチルプロパノイル)オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例11: 2-ベンジル-5-(2-フルオロ-5-((4-オキソ-3,4-ジヒドロフタラジン-1-イル)メチル)ベンゾイル)テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-1,3(2H,3aH)-ジオン;
実施例12: 4-(3-(1-(シクロプロパンカルボニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例13: tert-ブチル 5-(2-フルオロ-5-((4-オキソ-3,4-ジヒドロフタラジン-1-イル)メチル)ベンゾイル) ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート;
実施例14: 4-(4-フルオロ-3-(ヘキサヒドロ-1H-フロ[3,4-c]ピロール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例15: 4-(4-フルオロ-3-(オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例16: 4-(4-フルオロ-3-(5-(メチルスルホニル)オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例17: 4-(4-フルオロ-3-(1-(メチルスルホニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c] ピラゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例18: 4-(3-(5-ベンゾイルオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例19: 4-(3-(5-(2,4-ジフルオロベンジル)オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例20: 4-(3-(5,6-ジヒドロ-4H-フロ[3,4-c]ピロール-5-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例21: 4-(4-フルオロ-3-(5-メチルオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例22: 5-(2-フルオロ-5-((4-オキソ-3,4-ジヒドロフタラジン-1-イル)メチル)ベンゾイル) テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-1,3(2H,3aH)-ジオン;
実施例23: 4-(4-フルオロ-3-(オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例24: 4-(4-フルオロ-3-(5-(4-フルオロベンジル)オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例25: 4-(4-フルオロ-3-(5-(2-フルオロベンジル)オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例26: 4-(4-フルオロ-3-(5-(2-4-(4-フルオロ-3-(5-((6-メトキシピリジン-2-イル)メチル) オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例27: 5-(2-フルオロ-5-((4-オキソ-3,4-ジヒドロフタラジン-1-イル)メチル)ベンゾイル)-2-メチルテトラヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-1,3(2H,3aH)-ジオン;
実施例28: 4-(4-フルオロ-3-(1-メチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン化合物と、4-(4-フルオロ-3-(2-メチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン (1:3);
実施例29: 4-(3-(2,2-ジオキシド-3,4,5,6-テトラヒドロ-1H-チエノ[3,4-c]ピロール-5-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例30: 4-(3-(5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-5-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例31: 4-(4-フルオロ-3-(1,2,3,4,5,6-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例32: 4-(4-フルオロ-3-(5-フェニルオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例33: 4-(4-フルオロ-3-(5-メチル-1,2,3,4,5,6-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例34: 4-(3-((3aR,8bR)-デカヒドロピロロ[3,4-a]ピロリジン-2-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例35: 4-(4-フルオロ-3-(2-メチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例36: 4-(4-フルオロ-3-(1-メチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例37: 2-((5-(2-フルオロ-5-((4-オキソ-3,4-ジヒドロフタラジン-1-イル)メチル)ベンゾイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)メチル)-6-メトキシピリジン-1-オキシド;
実施例38: 4-(3-(5-(ジフルオロメチル)オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例39: 4-(4-フルオロ-3-((3aR,6aS)-5-オキソオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例40: 1及び2 エチル 4-(3-(2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オンの混合物;
実施例41: 4-(3-(2-エチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例42: 4-(3-(1-エチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例43: 4-(4-フルオロ-3-(1-イソプロピル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例44: (1及び2-イソプロピル) 4-(4-フルオロ-3-(1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オンの混合物;
実施例45: 4-(4-フルオロ-3-(2-イソプロピル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例46: 4-(3-((3aR,6aS)-5,5-ジフルオロオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例47: 4-(4-フルオロ-3-(5-(2-メトキシエチル)オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン;
実施例48: N-((3aR,6aS)-2-(2-フルオロ-5-((4-オキソ-3,4-ジヒドロフタラジン-1-イル)メチル)ベンゾイル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド;
実施例50: 4-(4-フルオロ-3-(1-メチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン臭化水素酸塩;
実施例51: 4-(4-フルオロ-3-(1-メチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン塩酸塩;
実施例52: 4-(4-フルオロ-3-(1-メチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン硫酸塩;
実施例53: 4-(4-フルオロ-3-(1-メチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン 4-メチルベンゼンスルホナート;
実施例53: 4-(4-フルオロ-3-(1-メチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン ベンゼンスルホナート;
実施例54: 5-(2-フルオロ-5-((4-オキソ-3,4-ジヒドロフタラジン-1-イル)メチル)ベンゾイル)-2-イソプロピル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2-イウム硫酸水素塩;
実施例55: 4-(3-(1-シクロプロピル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン。
【0095】
好適な基及びこの基に対する置換基は、本明細書のいずれかで記載したものから選択され得る。
【0096】
本発明の化合物、又は当業者により理解されるそれらの変形は、有機合成の分野における当業者にとっての周知技術とともに、以下に記載した方法を用いて調製することができる。
【0097】
言及される方法としては、これらに限定されないが、以下に記載したものが挙げられ、ここで、すべての記号は上記で定義される。
【0098】
本発明の化合物は、以下のスキーム1により調製され得る。
【0099】
【化29】
【実施例】
【0100】
一般式(I)の化合物の合成
【0101】
調製の一般的プロセス
一般式(II)の化合物は、当業者の範囲内である必要とされる適切な改良/変更とともに、例えば、「J. Med. Chem. 2008, 51, 6581-6591」に記載された方法により合成することができる。
【0102】
一般式(I)の化合物は、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム-テトラフルオロボレート(TBTU)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt.H2O)、及び1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC. HCl)等の適切なカップリング剤を用いて、例えばDIPEA、TEA、ピリジン等の有機塩基の存在下で、例えばテトラヒドロフラン、ジチルホルムアミド、ジクロロメタン、クロロホルム等の溶媒又はこれらの好適な混合物中で、室温で一般式(III)の化合物を一般式(II)の化合物とカップリングすることにより合成することができる。
【0103】
本発明は、本発明を例示するために示され、いかなる意味でも本発明の範囲を限定するものとしては解釈されない、以下の非限定的な実施例によりさらに説明される。例示されていない他の実施形態も、以下に示す具体的な実施例に接した後で当業者が通常の知識を用いることにより容易に理解できるだろう。本発明の明細書及び特許請求の範囲に記載した発明の全ての範囲を実施するのに必要とされる、そうした変更/改良/修正等は、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0104】
特に指定がない限り、実施例に示した1H NMRスペクトルデータは、400 MHzスペクトロメータ(Bruker Topspin 2.0)を用いてδスケールで記録される。テトラメチルシランを内部標準として用いる。
【0105】
実施例1
4-(3-(5-ベンジルオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オンの合成
【0106】
【化30】
【0107】
2-フルオロ-5-((4-オキソ-3,4-ジヒドロフタラジン-1-イル)メチル)安息香酸(1g、3.35mmol)の無水DMF溶液(15mL)に、TBTU(1.292g、4.02mmol)を室温、窒素雰囲気下で加えた。これに、2-ベンジルオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール(0.678g、3.35mmol)及びDIPEA(1.32mL、6.71mmol)を加えた。この反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応の進行を、5%のメタノールを含むクロロホルム溶液の移動相を用いるTLCにより確認した。反応混合物を酢酸エチルで希釈した。有機層を水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下でロータリーエバポレータにより溶媒を揮発させて粗固体を得て、これをクロロホルム:メタノール(97:3)の溶離液を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、4-(3-(5-ベンジルオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オンを白色固体として得た(1.19g、74%)。
【0108】
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) d12.59 (s, 1H), 8.25 (dd, J = 7.6 Hz & 0.6 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.86 - 7.80 (m, 2H), 7.35 (m, 1H), 7.32 (dd, 1H), 5.29 - 7.24 (m, 4H), 7.23 - 7.20 (m, 2H), 4.32 (s, 2H ), 3.63 (m, 1H), 3.47 (m, 1H), 3.46 (m, 2H), 3.36 (m, 1H), 2.9 (dd, 1H), 2.60 - 2.8 (m, 3H), 2.51 - 2.49 (m, 2H), 2.1 (m, 1H).
【0109】
実施例2
2-ベンジル-5-(2-フルオロ-5-((4-オキソ-3,4-ジヒドロフタラジン-1-イル)メチル)ベンゾイル)テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-1,3(2H,3aH)-ジオン
【0110】
【化31】
【0111】
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 12.59 (s, 1H), 8.25 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.80-7.89(m, 3H), 7.41 - 7.43 (m, 1H), 7.13 - 7.40 (m, 7H), 4.55 (s, 2H ), 4.26 (s, 2H), 4.15-4.17 (brd, 1H), 3.50-3.62 (m, 4H), 3.37-3.40 (brd, 1H).
【0112】
実施例3
4-(4-フルオロ-3-(1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0113】
【化32】
【0114】
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 12.74 (s, 1H), 12.58 (s, 1H), 8.25 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.97 (dd, J = 8 & 3.6 Hz, 1H), 7.80 - 7.90 (m, 2H), 7.42-7.59 (m, 3H), 7.25 (t, J = 9 Hz, 1H), 4.56 (s, 2H ), 4.35 (s, 2H ), 4.25-4.29 (brd, 2H ).
【0115】
実施例4
4-(3-(5-(シクロプロパンカルボニル)オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0116】
【化33】
【0117】
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 12.59 (s, 1H), 8.24 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 7.96 (dd, J = 8 & 4.8 Hz, 1H), 7.82 - 7.90 (m, 2H), 7.40 (dd, J = 6.8 & 5.2 Hz, 2H), 7.23 (dd, J = 9.6 & 3.6 Hz, 2H), 4.32 (s, 2H ), 3.89-3.90 (brt, 1H), 3.70-3.80 (m, 1H), 3.50-3.60 (m, 1H), 3.40-3.49 (m, 2H), 3.22-3.26 (m, 2H), 3.11 - 3.16 (m, 2H), 2.90-3.0 (m, 1H), 1.17-1.25 (m, 1H), 0.69-0.72 (brt, 4H)
【0118】
実施例5
4-(3-(1-(シクロプロピルメチル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0119】
【化34】
【0120】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.77 (brs, 1H), 8.30 (d, J= 7.6 Hz, 1H), 8.03 (dd, J= 7.6 & 4.8 Hz, 1H), 7.83-7.91 (m, 2H), 7.46-7.58 (m, 3H), 7.24-7.29 (brt, 1H), 4.57 (s, 2H), 4.37 (s, 2H), 4.25-4.29 (brd, 2H), 4.0 (d, J= 7.2 Hz, 2H), 1.12-1.19 (m, 1H), 0.35-0.47 (m, 4H)
【0121】
実施例6
4-(3-(5-(シクロプロピルメチル)オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0122】
【化35】
【0123】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 10.30 (s, 1H), 8.44-8.47 (m, 1H), 7.70-7.79 (m, 3H), 7.35 (dd, J= 6.4 & 2.4 Hz, 1H), 7.26-7.31 (m, 1H), 7.0-7.05 (brt, 1H), 4.27 (s, 2H ), 3.75-3.76 (brd, 2H), 3.45-3.47 (m, 1H), 2.88-3.24 (m, 4H), 2.36-2.52 (m, 5H), 0.98 (brs, 1H), 0.56-0.58 (brd, 2H), 0.19-0.58 (brd, 2H)
【0124】
実施例7
4-(4-フルオロ-3-(5-(2,2,2-トリフルオロエチル)オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0125】
【化36】
【0126】
1H NMR (400 MHz, In CDCl3): δ 10.28 (s, 1H), 8.45-8.47 (m, 1H), 7.70-7.77 (m, 3H), 7.36 (dd, J=6.4 & 2.4, 1H), 7.26-7.29 (m, 1H), 6.99-7.04 (m, 1H), 4.27 (s, 2H ), 3.86-3.91 (m, 1H), 3.61-3.65 (m, 1H), 3.48-3.53 (m, 1H), 3.15-3.19 (m, 1H), 3.0-3.07 (m, 1H), 2.86-2.99 (m, 1H), 2.69-2.82 (m, 3H), 2.50-2.53 (m, 1H)
【0127】
実施例8
4-(3-(5-(シクロプロピルメチル)-1,2,3,4,5,6-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0128】
【化37】
【0129】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.59 (s, 1H), 8.27 - 8.25 (m, 1H), 7.97 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.91 - 7.87 (m, 1H), 7.83 (dd, J = 7.6 Hz & 1.2 Hz, 1H), 7.42 (dd, J = 10.4 Hz & 5.2 Hz, 2H), 7.26 - 7.22 (m, 1H), 4.32 (s, 2H ), 4.23 (s, 2H), 3.92 (s, 2H), 3.78 - 3.46 (m, 3H), 3.42 (s, 1H), 2.69 - 2.66 (m, 1H), 1.0 - 0.7 (m, 1H), 0.5 - 0.035 (m, 2H), 0.2 (m, 2H)
【0130】
実施例9
4-(3-(5-ベンジルオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン塩酸塩
【0131】
【化38】
【0132】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.62 (s, 1H), 10.81 (s, 1H), 8.26 (m, 1H), 8.32 - 7.98 (m, 1H), 7.87 - 7.61 (m, 1H), 7.59 (dd, 1H), 7.53 (dd, 1H), 7.44 (m, 4H), 7.38 - 7.35 (m, 1H ), 7.27 - 7.19 (m, 1H), 4.39 - 4.31 (m, 4H), 3.72 (d, 1H), 3.28 (m, 1H), 3.16 (m, 2H), 2.99 - 2.89 (m, 2H), 2.73 - 2.49 (m, 2H)
【0133】
実施例10
4-(4-フルオロ-3-(5-(2-((3-フルオロフェニル)チオ)-2-メチルプロパノイル)オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0134】
【化39】
【0135】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.58 (s, 1H), 8.25 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 7.90 (d, 1H), 7.88 (t, 1H), 7.82 (t, 1H), 7.37 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 7.34 (m, 2H), 7.19 (t, 2H), 7.1 (m, 2H), 4.45 (d, 2H), 4.39 (t, 4H ), 4.30 (s, 2H), 3.43 - 3.36 (m, 3H), 3.17 (d, 2H), 1.4 (s, 6H)
【0136】
実施例11
2-ベンジル-5-(2-フルオロ-5-((4-オキソ-3,4-ジヒドロフタラジン-1-イル)メチル)ベンゾイル)テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-1,3(2H,3aH)-ジオン
【0137】
【化40】
【0138】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.59 (s, 1H), 8.25 (dd, J = 7.6 Hz & 0.6 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.86 - 7.80 (m, 2H), 7.35 (m, 1H), 7.32 (dd, 1H), 5.29 - 7.24 (m, 4H), 7.23 - 7.20 (m, 2H), 4.32 (s, 2H ), 3.63 (m, 1H), 3.47 (m, 1H), 3.46 (m, 2H), 3.36 (m, 1H), 2.9 (dd, 1H), 2.60 - 2.8 (m, 3H), 2.51 - 2.49 (m, 2H), 2.1 (m, 1H)
【0139】
実施例12
4-(3-(1-(シクロプロパンカルボニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル) -4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0140】
【化41】
【0141】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.57-12.60 (brd, 1H), 8.26 (d, J= 7.6 Hz, 1H), 7.97 (d, J= 7.6 Hz, 1H), 7.69-7.92 (m, 3H), 7.45-7.49 (m, 2H), 7.25-7.30(brt, 1H), 4.80(brs, 2H), 4.37 (brs, 2H), 4.34 (s, 2H), 4.28(brs,1H), 2.97-3.0 (m, 1H), 1.07-1.23 (m, 4H)
【0142】
実施例13
tert-ブチル 5-(2-フルオロ-5-((4-オキソ-3,4-ジヒドロフタラジン-1-イル)メチル)ベンゾイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート
【0143】
【化42】
【0144】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.59 (s, 1H), 8.25 (t, J = 8 Hz, 1H), 7.97 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.82 - 7.88 (m, 2H), 7.39 - 7.41 (m, 2H), 7.21 - 7.23 (brt, 1H), 4.32 (s, 2H ), 3.68 (brs, 1H), 3.50 (brd, 2H), 3.39-3.41 (brd, 2H), 3.00-3.03 (brt, 2H), 2.81-2.89 (brd, 2H), 1.39 (s, 9H)
【0145】
実施例14
4-(4-フルオロ-3-(ヘキサヒドロ-1H-フロ[3,4-c]ピロール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0146】
【化43】
【0147】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.59 (s, 1H), 8.26 (dd, J= 7.6 & 0.8 Hz, 1H), 7.97 (d, J= 8 Hz, 1H), 7.80-7.89 (m, 2H), 7.39-7.43 (m, 1H), 8.35 (dd, J= 6.4& 2 Hz, 1H), 7.19-7.23 (brt, 1H), 4.32 (s, 2H), 3.74-3.78 (m, 1H), 3.64-3.69 (m, 2H), 3.33-3.55 (m, 4H), 3.01-3.02 (m, 2H), 2.91-3.07 (m, 2H)
【0148】
実施例15
4-(4-フルオロ-3-(オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0149】
【化44】
【0150】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.60 (s, 1H), 8.26 (dd, J = 7.6& 0.8 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.82 - 7.88 (m, 2H), 7.32 - 7.34 (m, 1H), 7.18 - 7.23 (m, 1H), 4.32 (s, 2H ), 3.67-3.72 (m, 1H), 3.30-3.40 (m, 2H),2.77-2.96 (m, 2H), 2.58-2.73 (m, 4H), 2.41-2.44 (m, 1H)
【0151】
実施例16
4-(4-フルオロ-3-(5-(メチルスルホニル)オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0152】
【化45】
【0153】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.58 (s, 1H), 8.26 (dd, J = 8 &1.2 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.82 - 7.89 (m, 2H), 7.39-7.41 (brd, 2H), 7.19-7.24 (m,1H), 4.32 (s, 2H ), 3.69-3.74 (m, 1H), 3.39-3.50 (m, 5H), 2.98-3.15 (m, 4H), 2.91 (s, 3H)
【0154】
実施例17
4-(4-フルオロ-3-(1-(メチルスルホニル)-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0155】
【化46】
【0156】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.59 (brd, 1H), 8.26 (d, J= 7.6 Hz, 1H), 7.97 (d, J= 8 Hz, 1H), 7.72-7.90 (m, 3H), 7.47-7.50 (m, 2H), 7.29-7.30(m, 1H), 4.81 (brs, 1H), 4.58 (brs, 2H), 4.34 (brs, 1H), 3.52-3.57(brd, 3H)
【0157】
実施例18
4-(3-(5-ベンゾイルオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0158】
【化47】
【0159】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.59 (s, 1H), 8.25 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.80 - 7.96 (m, 3H), 7.23-7.50 (m, 7H), 7.21-7.23 (m,1H), 4.30- 4.33 (brd, 2H ), 3.38-3.75 (m, 5H)
【0160】
実施例19
4-(3-(5-(2,4-ジフルオロベンジル)オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0161】
【化48】
【0162】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 12.59 (s, 1H), 8.44-8.46 (m, 1H), 7.69-7.78 (m, 3H), 7.31-7.37 (m, 2H), 7.26-7.29 (m, 1H), 6.99-7.04 (brt, 1H), 6.75-6.86 (m, 2H), 4.27 (s, 2H), 3.83-3.88 (m, 1H), 3.60-3.66 (m, 4H), 3.14-3.18 (m, 1H), 2.51-2.88 (m, 5H), 2.33-2.35 (m, 1H)
【0163】
実施例20
4-(3-(5,6-ジヒドロ-4H-フロ[3,4-c]ピロール-5-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0164】
【化49】
【0165】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.59 (s, 1H), 8.26 (dd, J = 7.6 Hz & 1.2 Hz, 1H), 7.97 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.91 - 7.87 (m, 1H), 7.85 - 7.81 (m, 1H), 7.53 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 7.46 - 7.42 (m, 2H), 7.41 - 7.40 (d, J = 1.2 Hz, 1H ), 7.28 - 7.23 (m, 1H), 4.56 (s, 2H), 4.34 (s, 2H), 4.26 (s, 2H)
【0166】
実施例21
4-(4-フルオロ-3-(5-メチルオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0167】
【化50】
【0168】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ9.90 (s, 1H), 8.44-8.47 (m, 1H), 7.70-7.79 (m, 3H), 7.27-7.52 (m, 2H), 6.99-7.04 (brq, 1H), 4.26 (s, 2H ), 3.85-3.90 (m, 1H), 3.62-3.64 (m, 1H), 3.44-3.51 (m, 1H), 3.19-3.21 (m, 1H), 2.73-2.97 (m, 4H).
【0169】
実施例22
5-(2-フルオロ-5-((4-オキソ-3,4-ジヒドロフタラジン-1-イル)メチル)ベンゾイル)テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-1,3(2H,3aH)-ジオン
【0170】
【化51】
【0171】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.58 (s, 1H), 11.4 (s, 1H), 8.26 (dd, J = 7.6 Hz & 0.8 Hz, 1H), 7.87 - 7.96 (m, 2H), 7.80-7.85 (m, 1H), 7.41-7.43 (m, 1H), 7.37 (dd, J = 6.4 Hz & 2.4 Hz, 1H), 7.20- 7.24 (brt, 1H), 4.31 (s, 2H ), 4.09-4.12 (brd, 1H), 3.38-3.58 (m, 5H)
【0172】
実施例23
4-(4-フルオロ-3-(オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0173】
【化52】
【0174】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 10.04 (s, 1H), 8.44-8.46 (m, 1H), 7.70-7.77 (m, 3H), 7.24-7.33 (brt, 1H), 7.01-7.03 (m, 1H), 6.99-7.03 (brt, 1H), 4.26 (s, 2H), 3.79-3.84 (m, 1H), 3.43-3.49 (m, 2H), 3.0-3.04 (m, 1H), 2.60-2.72 (m, 2H), 1.49-1.88 (m, 6H)
【0175】
実施例24
4-(4-フルオロ-3-(5-(4-フルオロベンジル)オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0176】
【化53】
【0177】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 10.18 (s, 1H), 8.44-8.46 (m, 1H), 7.69-7.76 (m, 3H), 7.33-7.35 (m, 1H), 7.25-7.34 (m, 3H), 6.96-7.04 (m, 3H), 4.27 (s, 2H ), 3.83-3.88 (m, 1H), 3.45-3.64 (m, 4H), 3.13-3.17 (m, 1H), 2.80-2.90 (m, 2H), 2.62-2.63 (m, 1H), 2.49-2.52 (m, 2H), 2.28-2.31 (m, 1H)
【0178】
実施例25
4-(4-フルオロ-3-(5-(2-フルオロベンジル)オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0179】
【化54】
【0180】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 10.09 (s, 1H), 8.44-8.46 (m, 1H), 7.69-7.76 (m, 3H), 7.34-7.37 (m, 2H), 7.21-7.28 (m, 2H), 6.99-7.12 (m, 3H), 4.26 (s, 2H ), 3.84-3.89 (m, 1H), 3.59-3.65 (m, 3H), 3.45-3.50 (m, 1H), 3.14-3.18 (m, 1H), 2.8-2.9 (m, 2H), 2.67-2.69 (m, 1H), 2.53-2.61 (m, 2H), 2.33-2.36 (m, 1H)
【0181】
実施例26
4-(4-フルオロ-3-(5-(2-4-(4-フルオロ-3-(5-((6-メトキシピリジン-2-イル)メチル)オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0182】
【化55】
【0183】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 10.19 (s, 1H), 8.43-8.46 (m, 1H), 7.69-7.76 (m, 3H), 7.51-7.55 (m, 1H), 7.34-7.36 (m, 1H), 7.26-7.28 (m, 1H), 7.0-7.04 (brt, 1H), 6.95 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 6.60 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.26 (s, 2H ), 3.91 (s, 3H), 3.85-3.91 (m, 1H), 3.18-3.22 (m, 1H), 2.60-2.79 (m, 5H), 2.08-2.44 (m, 1H)
【0184】
実施例27
5-(2-フルオロ-5-((4-オキソ-3,4-ジヒドロフタラジン-1-イル)メチル)ベンゾイル)-2-メチル テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-1,3(2H,3aH)-ジオン
【0185】
【化56】
【0186】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 10.17 (s, 1H), 8.45-8.47 (m, 1H), 7.74 - 7.82 (m, 2H), 7.69-7.71 (m, 1H), 7.26-7.34 (m, 2H), 7.02- 7.06 (m, 1H), 4.45-4.49 (brd, 1H ), 4.26 (s, 2H), 3.58-3.69 (m, 2H), 3.36-3.46 (m, 2H), 3.0 (s, 3H)
【0187】
実施例28
4-(4-フルオロ-3-(1-メチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン化合物と、4-(4-フルオロ-3-(2-メチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オンの混合物 (1:3)
【0188】
【化57】
【0189】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.59 (s, 1H), 8.24-8.27 (m, 1H), 7.96-7.99 (m, 1H), 7.81-7.90 (m, 2H), 7.43-7.56 (m, 3H), 7.23-7.27 (m, 1H), 4.54 (s, 2H), 4.33 (s, 2H), 4.23-4.27 (brd, 2H), 3.82 (s, 3H)
【0190】
実施例29
4-(3-(2,2-ジオキシド-3,4,5,6-テトラヒドロ-1H-チエノ[3,4-c]ピロール-5-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0191】
【化58】
【0192】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.58 (s, 1H), 8.27 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.98 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.91 (dd, J = 14 Hz & 6.8 Hz, 1H), 7.85 - 7.81 (m, 1H), 7.45 - 7.44 (m, 2H), 7.28 - 7.23 (m, 1H), 4.35 - 4.32 (d, 4H ), 4.06 (s, 2H), 4.007 (s, 2H), 3.88 (s, 2H)
【0193】
実施例30
4-(3-(5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-5-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0194】
【化59】
【0195】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.58 (s, 1H), 8.26 (dd, J = 8 Hz & 1.2 Hz, 1H), 7.97 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.91 - 7.87 (m, 1H), 7.85 - 7.81 (m, 1H), 7.46 - 7.43 (m, 2H), 7.29 - 7.23 (m, 2H), 7.16 (m, 1H ), 4.59 (s, 2H), 4.34 (s, 2H), 4.29 (s, 2H)
【0196】
実施例31
4-(4-フルオロ-3-(1,2,3,4,5,6-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0197】
【化60】
【0198】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.59 (s, 1H), 8.26 (m, J = 7.6Hz & 1.2 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.90 - 7.84 (m, 1H), 7.82 - 7.80 (m, 1H), 7.44 - 7.40 (m, 2H), 7.22 - 7.21 (m, 1H), 4.32 (s, 2H ), 4.26 - 4.19 (d, 2H), 3.96 - 3.87 (d, 2H), 3.63 - 3.59 (d, 2H), 3.58 - 3.48 (d, 2H)
【0199】
実施例32
4-(4-フルオロ-3-(5-フェニルオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0200】
【化61】
【0201】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.58 (s, 1H), 8.25 (dd, J=7.6 & 1.2 Hz, 1H), 7.95 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.80-7.85 (m, 2H), 7.36-7.42 (m, 2H), 7.14-7.23 (m, 3H), 6.62 (t, J=7.6 Hz, 1H), 6.52 (d, J=8 Hz, 2H), 4.31 (s, 2H ), 3.74-3.79 (m, 1H), 3.42-3.48 (m, 3H), 3.32-3.36 (m, 1H), 3.18-3.22 (m, 1H), 2.96-3.10 (m, 4H)
【0202】
実施例33
4-(4-フルオロ-3-(5-メチル-1,2,3,4,5,6-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0203】
【化62】
【0204】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.59 (s, 1H), 8.26 (dd, J = 8 Hz & 0.8 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.90 - 7.86 (m, 1H), 7.84 - 7.80 (m, 1H), 7.43 - 7.40 (m, 2H), 7.25 - 7.21 (m, 1H), 4.32 (s, 2H ), 4.19 (s, 2H), 3.58 (s, 2H), 3.43 (s, 2H), 2.42 (s, 3H)
【0205】
実施例34
4-(3-((3aR,8bR)-デカヒドロピロロ[3,4-a]ピロリジン-2-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0206】
【化63】
【0207】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 10.5 - 10.2 (d, 1H), 8.44 - 8.46 (m, 1H), 7.71 - 7.77 (m, 3H), 7.41 - 7.38 (m, 1H), 7.24 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.02 - 6.99 (m, 1H), 4.24 (s, 2H), 3.89 - 0.88 (m, 15H )
【0208】
実施例35
4-(4-フルオロ-3-(2-メチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0209】
【化64】
【0210】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 10.02 (s, 1H), 8.44-8.46 (m, 1H), 7.69-7.79 (m, 3H), 7.29-7.40 (m, 2H), 7.04-7.17 (m, 2H), 4.73-4.77 (brd, 2H), 4.37-4.39 (brd, 2H), 4.28 (s, 2H), 3.89-3.90 (brd, 2H)
【0211】
実施例36
4-(4-フルオロ-3-(1-メチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0212】
【化65】
【0213】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.98 (s, 1H), 8.44-8.47 (m, 1H), 7.70-7.80 (m, 3H), 7.31-7.40 (m, 2H), 7.06-7.30 (m, 2H), 4.72-4.78 (brd, 2H), 4.37-4.44 (brd, 2H), 4.28-4.29 (brd, 2H), 3.73-3.85 (brd, 3H)
【0214】
実施例37
2-((5-(2-フルオロ-5-((4-オキソ-3,4-ジヒドロフタラジン-1-イル)メチル)ベンゾイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)メチル)-6-メトキシピリジン-1-オキシド
【0215】
【化66】
【0216】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.70 (s, 1H), 8.26 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 8.83-8.91 (m, 3H), 7.67-7.70 (m, 1H), 7.41-7.45 (m, 1H), 7.28-7.30 (m, 1H), 7.16-7.23 (m, 1H), 6.82 (d, J = 8 Hz, 1H), 4.40-4.41 (brd, 2H ), 4.31 (s, 2H), 3.82 (s, 3H), 3.70-3.73 (brd, 1H), 3.37-3.47 (m, 3H), 3.12-3.25 (m, 3H), 2.99-3.02 (brd, 1H)
【0217】
実施例38
4-(3-(5-(ジフルオロメチル)オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0218】
【化67】
【0219】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 10.25 (s, 1H), 8.45-8.47 (m, 1H), 8.21-8.24 (m, 1H), 7.71-7.79 (m, 3H), 7.30-7.32 (m, 1H), 7.26-7.29 (m, 1H), 7.01-7.05 (m, 1H), 4.27 (s, 2H ), 3.87-3.93 (m, 1H), 3.73-3.82 (m, 1H), 3.56-3.70 (m, 1H), 3.46-3.50 (m, 1H), 3.30-3.34 (m, 1H), 3.18-3.23 (m, 1H), 2.92-2.95 (m, 1H)
【0220】
実施例39
4-(4-フルオロ-3-((3aR,6aS)-5-オキソオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0221】
【化68】
【0222】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 10.63 (s, 1H), 8.47-8.49 (m, 1H), 7.72-7.81 (m, 3H), 7.37-7.39 (m, 1H), 7.30-7.33 (m, 1H), 7.02-7.04 (brt, 1H), 4.30 (s, 2H), 3.95-4.00 (m, 1H), 3.55-3.65 (m, 2H), 3.18-3.22 (m, 1H), 2.94-3.10 (m, 2H), 2.44-2.61 (m, 2H), 2.22-2.28 (m, 1H), 2.08-2.18 (m, 1H)
【0223】
実施例40
1及び2 エチル 4-(3-(2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オンの混合物
【0224】
【化69】
【0225】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.60 (s, 1H), 8.25 (t, 1H), 7.99 (dd, J = 7.6 Hz & 4 Hz, 1H), 7.91 - 7.87 (m, 1H), 7.85 - 7.81 (m, 1H), 7.61 - 7.42 (m, 3H), 7.28 - 7.23 (m, 1H), 5.31 (s, 1H ), 4.55 (d, 1H), 4.52 - 4.43 (d, 2H), 4.34 (s, 2H), 4.28 - 4.20 (t, 2H), 4.14 - 4.08 (m, 2H), 3.39 - 3.35 (m, 2H), 1.67 - 1.10 (m, 6H)
【0226】
実施例41
4-(3-(2-エチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0227】
【化70】
【0228】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.59 (s, 1H), 8.26 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.98 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.88 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.84 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.46 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 5.25 (m, 1H ), 4.55 (s, 2H), 4.33 (s, 2H), 4.26 (d, 2H), 4.10 (q, 2H), 1.36 - 1.32 (m, 3H)
【0229】
実施例42
4-(3-(1-エチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0230】
【化71】
【0231】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 10.37 - 10.34 (d, 2H), 8.47 - 8.45 (dd, 1H), 7.82 - 7.22 (m, 3H), 7.41 - 7.33 (m, 2H), 7.20 (s, 1H), 7.13 - 6.99 (m, 1H), 4.82 (s, 1H), 4.72 (s, 1H ), 4.46 (s, 1H), 4.37 (s, 1H), 4.37 - 4.31 (d, 2H), 4.15 (q, 2H), 1.48 (t,2 H), 1.37 (t, 1H)
【0232】
実施例43
4-(4-フルオロ-3-(1-イソプロピル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0233】
【化72】
【0234】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.56 (s, 1H), 8.24 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.95 (t, 1H), 7.87 (t, 1H), 7.81 (t, 1H), 7.46 - 7.42 (m, 2H), 7.27 - 7.22 (m, 1H), 7.15 (s, 1H), 4.74 (s, 1H), 4.48 (s, 1H ), 4.45 (m, 1H), 4.32 (s, 2H), 4.30 - 4.26 (m, 1H), 4.16 (s, 1H), 1.37 (d, 3H), 1.23 (t, 3H)
【0235】
実施例44
(1及び2 イソプロピル)4-(4-フルオロ-3-(1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オンの混合物
【0236】
【化73】
【0237】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.58 (s, 1H), 8.26 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.98 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.91 - 7.81 (m, 2H), 7.48 - 7.42 (m, 2H), 7.29 - 7.23 (m, 1H), 7.17 (s, 1H), 4.55 (s, 1H), 4.49 - 4.44 (m, 1H ), 4.33 (s, 2H), 4.29 (s, 1H), 4.24 (s, 1H), 1.40 (dd, 5H), 1.25 (t, 1H)
【0238】
実施例45
4-(4-フルオロ-3-(2-イソプロピル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0239】
【化74】
【0240】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.57 (s, 1H), 8.26 (d, J = 7.6 Hz & 1.2 Hz, 1H), 7.98 (t, 1H), 7.91 - 7.87 (m, 1H), 7.85 - 7.81 (m, 1H), 7.64 - 7.50 (d, 1H), 7.46 - 7.42 (m, 2H), 7.27 (t, 1H), 4.55 (s, 2H), 4.49 - 4.46 (m, 1H ), 4.33 (s, 2H), 4.29 (s, 1H), 4.24 (s, 1H), 1.40 - 1.38 (dd, 6H)
【0241】
実施例46
4-(3-((3aR,6aS)-5,5-ジフルオロオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0242】
【化75】
【0243】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 10.07 (s, 1H), 8.45-8.47 (m, 1H), 7.70-7.79 (m, 3H), 7.35-7.37 (m, 1H), 7.24-7.31 (m, 1H), 7.01-7.05 (brt, 1H), 4.27 (s, 2H), 3.82-3.87 (m, 1H), 3.65-3.70 (m, 1H), 3.51-3.56 (m, 1H), 3.18-3.22 (m, 1H), 2.80-2.94 (m, 2H), 2.26-2.45 (m, 2H), 1.87-2.08 (m, 2H)
【0244】
実施例47
4-(4-フルオロ-3-(5-(2-メトキシエチル)オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0245】
【化76】
【0246】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 10.25 (s, 1H), 8.44-8.47 (m, 1H), 7.71-7.79 (m, 3H), 7.34-7.36 (m, 1H), 7.26-7.30 (m, 1H), 6.99-7.04 (brt, 1H), 4.27 (s, 2H ), 3.64-3.79 (m, 2H), 3.50-3.53 (m, 2H), 3.42-3.47 (m, 1H), 3.36 (s, 3H), 3.16-3.18 (brd, 1H), 2.80-2.97 (m, 2H), 2.64-2.68 (m, 2H), 2.41-2.42 (brd, 1H)
【0247】
実施例48
N-((3aR,6aS)-2-(2-フルオロ-5-((4-オキソ-3,4-ジヒドロフタラジン-1-イル)メチル)ベンゾイル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド
【0248】
【化77】
【0249】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 10.38 (s, 1H), 8.44-8.46 (m, 1H), 7.72-7.78 (m, 3H), 7.42-7.44 (m, 1H), 7.26-7.29 (m, 1H), 6.98-7.03 (brt, 1H), 5.57 (brd, 1H), 4.40-4.42 (m, 1H), 4.27 (s, 2H), 3.79-3.85 (m, 1H), 3.48-3.60 (m, 2H), 3.06-3.10 (m, 1H), 2.78-2.85 (m, 2H), 1.90-2.00 (m, 1H), 1.70-1.88 (m, 1H), 1.00-1.03 (m, 2H), 0.83-0.90 (m, 1H), 0.73-0.75 (m, 2H)
【0250】
実施例50
4-(4-フルオロ-3-(1-メチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン臭化水素酸塩
【0251】
【化78】
【0252】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.59 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 8.26(d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.005 - 7.92 (m, 1H), 7.911 - 7.87 (m, 1H), 7.85 - 7.81 (m, 1H), 7.48 - 7.43 (m, 2H), 7.30 - 7.25 (m, 1H), 7.15 (brs, 1H), 4.69 (s, 1H), 4.53 (s, 1H ), 4.42 (s, 1H), 4.34 (s, 2H), 4.21 (s, 1H), 3.78 - 3.66 (brd, 3H)
【0253】
実施例51
4-(4-フルオロ-3-(1-メチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン塩酸塩
【0254】
【化79】
【0255】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.59-12.59 (d, J = 3.6Hz, 1H), 8.26 (d, J = 7.6Hz, 1H), 7.98 (t, J = 8Hz, 1H), 7.89 (t, J = 3.4Hz, 1H), 7.83 (t, J = 7.4Hz, 1H), 7.43-7.48 (m, 2H), 7.26-7.28 (m, 1H), 7.15-7.27 (brd, 1H), 4.53-4.69 (brd, 2H), 4.34 (s, 2H), 4.21-4.42 (brd, 2H), 3.66-3.78 (brd, 3H)
【0256】
実施例52
4-(4-フルオロ-3-(1-メチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン硫酸塩
【0257】
【化80】
【0258】
1H NMR (400 MHz DMSO-d6): δ 12.59-12.58 (d, J = 3.2Hz, 1H), 8.26 (d, J = 8Hz, 1H), 7.97 (m, 1H), 7.89 (m, 1H), 7.84 (m, 1H), 7.48-7.43 (m, 2H), 7.15 (s, 1H), 4.53 (s, 1H), 4.41 (s, 1H), 4.34 (s, 2H), 4.21 (s, 1H), 3.78 (s, 3H), 3.73 (m, 1H)
【0259】
実施例53
4-(4-フルオロ-3-(1-メチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン 4-メチルベンゼンスルホナート
【0260】
【化81】
【0261】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.59-12.58 (d, J = 3.2Hz, 1H), 8.26 (d, J = 7.6Hz, 1H), 7.98 (m, 1H), 7.904 (m, 1H), 7.87-7.81 (m, 1H), 7.48-7.43 (m, 4H), 7.3-7.28 (m, 1H), 7.11 (m, 2H), 4.69 (s, 1H), 4.53 (s, 1H), 4.41 (s, 1H), 4.21 (s, 1H), 3.72 (s, 3H), 2.28 (s, 3H)
【0262】
実施例54
4-(4-フルオロ-3-(1-メチル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン ベンゼンスルホナート
【0263】
【化82】
【0264】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.59-12.59 (d, J = 3.2Hz, 1H), 8.26 (d, J = 8Hz, 1H), 7.87-7.92 (m, 1H), 7.83 (t, J = 7.6Hz, 1H), 7.58-7.61(m, 2H), 7.43-7.48 (m, 2H), 7.15-7.34 (m, 7H), 4.53-4.69 (brd, 2H), 4.34 (s, 2H), 4.21-4.41 (brd, 2H), 3.66-3.78 (brd, 3H)
【0265】
実施例55
5-(2-フルオロ-5-((4-オキソ-3,4-ジヒドロフタラジン-1-イル)メチル)ベンゾイル)-2-イソプロピル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-2-イウム硫酸水素塩
【0266】
【化83】
【0267】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.58 (s, 1H), 8.26 (dd, J = 8 Hz & 1.2 Hz, 1H), 7.98 (dd, J = 7.6 Hz & 2.4 Hz, 1H), 7.91 - 7.87 (m, 1H), 7.85 - 7.81 (m, 1H), 7.64 -7.51 (brd, 1H), 7.47 - 7.42 (m, 2H), 7.28 - 7.23 (m, 1H), 4.55 (s, 2H), 4.51 - 4.45 (m, 1H ), 4.33 (s, 2H), 4.29 - 4.24 (brd, 2H), 1.40 - 1.38 (brd, 4H)
【0268】
実施例56
4-(3-(1-シクロプロピル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0269】
【化84】
【0270】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.58 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 8.24(d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.98 - 7.37 (m, 1H), 7.89 - 7.85 (m, 1H), 7.81 (t, 1H), 7.47 - 7.39 (m, 2H), 7.28 - 7.22 (m, 1H), 7.14 (d, 1H), 4.70 (s, 1H), 4.48 (s, 1H ), 4.42 (s, 1H), 4.32 (s, 2H), 4.16 (s, 1H), 3.57 - 3.44 (m, 1H), 0.98 - 0.82 (m, 4H)
【0271】
以下の化合物は、実施例1に記載した手順と同じ手順に従って合成することができ、本発明の範囲内に含まれる。
【0272】
4-(4-フルオロ-3-(1-プロピル-1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0273】
【化85】
【0274】
2-(シクロプロパンカルボニル)-5-(2-フルオロ-5-((4-オキソ-3,4-ジヒドロフタラジン-1-イル)メチル)ベンゾイル)テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-1,3(2H,3aH)-ジオン
【0275】
【化86】
【0276】
5-(シクロプロパンカルボニル)-2-(2-フルオロ-5-((4-オキソ-3,4-ジヒドロフタラジン-1-イル)メチル)ベンゾイル)テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-1,3(2H,3aH)-ジオン
【0277】
【化87】
【0278】
4-(4-フルオロ-3-(2-(トリフルオロメチル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,4-d]オキサゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0279】
【化88】
【0280】
4-(3-(2-(シクロプロパンカルボニル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,4-d]オキサゾール-5-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0281】
【化89】
【0282】
4-(4-フルオロ-3-(2-(トリフルオロメチル)-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-ピロロ[3,4-d]チアゾール-5-カルボニル)ベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0283】
【化90】
【0284】
5-(2-フルオロ-5-((4-オキソ-3,4-ジヒドロフタラジン-1-イル)メチル)ベンゾイル)ジヒドロ-1H-フロ[3,4-c]ピロール-4,6(5H,6aH)-ジオン
【0285】
【化91】
【0286】
5-(シクロプロパンカルボニル)-2-(2-フルオロ-5-((4-オキソ-3,4-ジヒドロフタラジン-1-イル)メチル)ベンゾイル)ピロロ[3,4-c]ピロール-1,3(2H,5H)-ジオン
【0287】
【化92】
【0288】
4-(3-(5-ベンジル-1,2,3,4,5,6-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0289】
【化93】
【0290】
5-(シクロプロピルメチル)-2-(2-フルオロ-5-((4-オキソ-3,4-ジヒドロフタラジン-1-イル)メチル)ベンゾイル)ピロロ[3,4-c]ピロール-1,3(2H,5H)-ジオン
【0291】
【化94】
【0292】
4-(3-(5-(シクロプロパンカルボニル)-1,2,3,4,5,6-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン
【0293】
【化95】
【0294】
2-(シクロプロピルメチル)-5-(2-フルオロ-5-((4-オキソ-3,4-ジヒドロフタラジン-1-イル)メチル)ベンゾイル)テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-1,3(2H,3aH)-ジオン
【0295】
【化96】
【0296】
インビトロでの生体活性試験
インビトロ試験
本発明の選択された化合物による、メチルメタンスルホン酸塩(MMS)の細胞致死活性の相乗作用を、National Centre for Cell Science(Pune)から得たMCF-7細胞株で、「Methods in Molecular Biology, Volume-43, In vitro Toxicity Testing Protocol, Chapter-6, page:137-149」に記載された一般的手順に従うMTTアッセイを用いて評価した。化合物を、アルキル化剤MMSを用いるMCF-7細胞の生存細胞の割合に基づいて、PARP 1活性について試験した。
【0297】
Trevigen製のHT汎用比色分析PARPアッセイキットを用いて、この製造メーカーの手順に従って、これらの化合物のPARP-1阻害活性を試験した。
【0298】
化合物の結果を表1に示す。
【0299】
表1の結果から、これらの化合物がPARP 1阻害活性を有することが確認され、そのため、表1の結果はこれらの化合物が治療用途のための化合物として開発される可能性を有していることを示している。
【0300】
インビボ試験
インビトロデータの根拠に基づいて、選択した化合物のメチル化化学療法剤、テモゾロミドの抗腫瘍活性を高める性能を、SW620腫瘍モデルにおいて評価した。
【0301】
SW620異種移植腫瘍を保有する動物に、上記化合物とTMZ(50mg/Kg、po)との組み合わせを1日1回、5日連続で処置し、その後腫瘍を自由に増殖させた。TMZ単独と比べて腫瘍体積のかなりの阻害が、TMZと化合物との組み合わせで確認された(相対腫瘍体積として示した平均値 (RTV)[表2])。これらの化合物は、TMZの全身毒性を悪化させず、最大の平均体重減少は6日目において9〜10%であり、3日以内に体重は完全に回復し、死亡することはなかった。これは、組み合わせ治療が、投与計画下の化合物により十分に認容されたことを示している。
【0302】
雌の無胸腺ヌードマウスを、インビボ試験における抗腫瘍性のために用いた。SW620結腸直腸腫瘍細胞 (動物1体当たり1 x 107細胞)を皮下注射(s.c.)で各マウスの一方の横腹に注入した。腫瘍が触診可能な時(注入後10〜12日)に、単独又は5日間の毎日の異なる濃度のPAPR阻害剤との組み合わせで、5日間毎日の経口投与(per os)による50 mg/kgの濃度におけるメチルセルロース0.5%中の懸濁液としてのテモゾロミドで動物(n= 6〜8/グループ)を処置した。腫瘍増殖を二次元キャリパー測定を用いて測定した。腫瘍体積を式a2 x b / 2(式中、aは最小測定値であり、bは最大測定値である)を用いて計算した。データを、治療の開始日(0日)の計算腫瘍体積で除した計算腫瘍体積として定義される、相対腫瘍体積の中央値(RTV)として表す。そのため、0日目において、RTV値は1であり、腫瘍が最初の値よりも4倍大きくなる場合は、RTVは4である(RTV4)。コントロール動物をビヒクル(賦形剤、メチルセルロース中の15tween80)単独で処置し、腫瘍増殖遅延(TGD)は、(処置したグループにおけるRTVが4になるまでの時間)−(コントロールのRTVが4になるまでの時間)とした。
【0303】
【表1】
【0304】
【表2】