【実施例1】
【0009】
図1は第1の実施例における画像処理システムの構成を示すブロック図である。
図1において、画像処理システムは、印刷データを作成する画像処理装置(画像処理手段)としてのコンピュータ1と、印刷データを印刷する際に課金する画像形成装置(画像形成手段)としてのプリンタ2とにより構成され、コンピュータ1とプリンタ2とは通信回線を介して通信可能に接続されている。
コンピュータ1は、入力部11と、制御部12と、表示部13と、データ送信部14と、データ受信部15と、記憶部16とを備えている。
【0010】
制御部12は、例えばCPU(Central Processing Unit)等により構成され、記憶部16に記憶された各種プログラム(ソフトウェア)やデータに基づいて、入力部11と、表示部13と、データ送信部14と、データ受信部15とを制御し、コンピュータ1全体の動作を制御する。
入力部11は、例えばキーボードやマウス等により構成され、利用者Pからの入力操作を受け付ける。
表示部13は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)により構成され、制御部12の制御により文字や画像を画面に表示する。
【0011】
データ送信部14は、制御部12により制御されて記憶部16から受けたデータをプリンタ2に送信する。
データ受信部15は、プリンタ2から送信されたデータを受信する。
記憶部16は、例えばRAM(Random Access Memory)等のメモリやHD(Hard Disc)等により構成され、OS(Operating Systemソフトウェア)31と、アプリケーション(ソフトウェア)32と、プリンタドライバ(ソフトウェア)33と、印刷設定34と、課金設定35とを備えている。
【0012】
OS31は、制御部12に実行されて、入力部11からのデータ入力や表示部13への画面出力等の入出力機能や記憶部16の管理など、アプリケーション32から共通して利用される基本的な機能を提供し、コンピュータ1全体を管理するソフトウェアである。
アプリケーション32は、OS31によって管理されるソフトウェアである。また、OS31およびアプリケーション32は、利用者Pが入力部11を操作して表示部13に表示された「印刷」ボタン等を押下することにより、印刷コマンドが入力され、利用者Pが入力部11を介して入力したデータをプリンタドライバ33に印刷することを指示する機能を備えている。
【0013】
プリンタドライバ33は、アプリケーション32で作成された文書データをプリンタ2で解釈可能な形式のデータに変換するプログラムであり、印刷する前にプリンタ2やプリンタドライバ33が有している機能を設定するための画面としてのGUI(Graphical User Interface)を利用者Pに提供するプログラムである。
印刷設定情報としての印刷設定34は、例えば拡大率または縮小率である拡大縮小率と、原稿用紙サイズと、印刷用紙サイズとを設定値として記憶するものである。
【0014】
課金設定情報としての課金設定35は、後述するプリンタ2の記憶部27に記憶された課金設定28の複製であり、その課金設定28と同様の構成を有している。
プリンタ2は、データ受信部21と、データ送信部22と、制御部23と、入力部24と、表示部25と、印刷部26と、記憶部27と、用紙格納部29とを備えている。
制御部23は、例えばCPU等により構成され、記憶部27に記憶された各種プログラムやデータに基づいて、データ受信部21と、データ送信部22と、入力部24と、表示部25と、印刷部26と、用紙格納部29とを制御し、プリンタ2全体の動作を制御する。
【0015】
記憶部27は、例えば印刷設定情報と、印刷データと、課金情報28とを記憶するRAMやHDと、プリンタ2を制御するための各種プログラムとしてのファームウェアや文字フォントデータ等を記憶するROM(Read Only Memory)とにより構成されている。
入力部24は、例えば操作パネル上に配置される操作ボタンであり、利用者Pによる入力操作を受け付ける。
表示部25は、例えばLCDにより構成され、制御部23の制御により文字や画像を画面に表示する。
【0016】
データ送信部22は、制御部23により制御され、データをコンピュータ1に送信する。
データ受信部21は、コンピュータ1から送信されたデータを受信する。
印刷部26は、例えば印刷用紙に印刷データを印刷する印刷機構である。
用紙格納部29は、例えばトレイA41と、トレイB42と、トレイC43と、トレイD44と、トレイE45とを備え、それぞれのトレイに異なるサイズや種類の印刷媒体を格納することができ、格納したそれぞれの印刷媒体を印刷部26に供給する。
【0017】
課金設定リストとしての課金設定28は、
図7に示すように、用紙格納トレイとして用紙格納部29の各トレイA41〜E45に格納される用紙サイズと、その用紙サイズ毎にカラー印刷した場合のカラー印刷単価情報としてのカラー単価と、モノクロ印刷した場合のモノクロ印刷単価情報としてのモノクロ単価とから構成される。なお、コンピュータ1の課金設定35は課金設定28の複製である。
【0018】
次に、コンピュータ1の記憶部16に記憶されるプリンタドライバ33の構成を
図2の第1の実施例におけるプリンタドライバの構成を示すブロック図に基づいて
図1を参照しながら説明する。
図2において、プリンタドライバ33は、印刷設定変更プログラム101と、印刷データ作成プログラム102とを有している。
【0019】
拡大縮小率指定部としての印刷設定変更プログラム101は、印刷データを作成する際に使用する拡大縮小率と、原稿用紙サイズと、印刷用紙サイズとを指定する拡大縮小率指定プログラムであり、プリンタドライバ33の機能のうち、印刷する前にプリンタ2やプリンタドライバ33が有している機能を設定するためのGUIを利用者Pに提供する機能を備えている。この印刷設定変更プログラム101は、GUIを表示する際に、印刷設定34から設定を取得し、GUI上に反映させ、GUIを終了する際に、GUI上の設定を印刷設定34に保存する。
【0020】
印刷データ作成プログラム102は、プリンタドライバ33の機能のうち、アプリケーション32で作成した文書データをプリンタ2で解釈可能なデータ形式の印刷データに変換する機能を備えている。この印刷データ作成プログラム102で作成する印刷データは、印刷設定34に保存された印刷設定情報に基づいて作成される。
印刷データ作成プログラム102は、課金設定取得プログラム103と、拡大縮小方法リストアッププログラム104と、課金額算出プログラム105と、拡大縮小方法表示プログラム106と、ページデータ作成プログラム107と、印刷データ送信プログラム108とを有している。
【0021】
情報取得部としての課金設定取得プログラム103は、プリンタ2に収容される印刷媒体の大きさ情報と単価情報とを取得する情報取得プログラムであり、プリンタ2から課金設定28を取得する。
出力方法抽出部としての拡大縮小方法リストアッププログラム104は、印刷設定変更プログラム101で指定された拡大縮小率と、課金設定取得プログラム103で取得された印刷媒体の大きさ情報とに基づいて複数の出力方法を抽出する出力方法抽出プログラムであり、印刷設定34に保存されている拡大縮小率と、用紙サイズと、課金設定35とから実現可能な拡大縮小方法をリストアップする。
【0022】
課金額算出部としての課金額算出プログラム105は、拡大縮小方法リストアッププログラム104で抽出されたそれぞれの出力方法に対し、課金設定取得プログラム103で取得した印刷媒体の大きさ情報から使用する印刷媒体の枚数を算出し、その枚数と課金設定取得プログラム103で取得した単価情報とから課金額を算出する課金額算出プログラムであり、拡大縮小方法リストアッププログラム104がリストアップしたそれぞれの拡大縮小方法に対して課金設定35に基づいて課金額を算出する。また、課金額算出プログラム105は、印刷データがカラーまたはモノクロであるかを判別して課金額を算出する。
【0023】
出力方法表示部としての拡大縮小方法表示プログラム106は、課金額算出プログラム105で算出されたそれぞれの課金額を出力方法とともに表示し、その出力方法の選択を受け付ける出力方法表示プログラムであり、拡大縮小方法リストアッププログラム104がリストアップした拡大縮小方法と、課金額算出プログラム105で算出したそれぞれの拡大縮小方法の課金額を表示部13に表示し、利用者Pに入力部11で拡大縮小方法を選択させる。
【0024】
印刷データ生成部としてのページデータ作成プログラム107は、拡大縮小方法表示プログラム106で選択された出力方法に基づいて印刷データを生成する印刷データ生成プログラムであり、文書データを印刷設定34と、拡大縮小方法表示プログラム106で選択した拡大縮小方法とに基づいてプリンタ2で解釈可能なデータ形式の印刷データとしてのページデータを作成する。
印刷データ送信プログラム108は、ページデータ作成プログラム107で作成されたページデータを、データ送信部14を介してプリンタ2へ送信するプログラムである。
【0025】
上述した構成の作用について説明する。
まず、画像処理システムが行なう印刷処理の概要を
図8の第1の実施例における印刷処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって
図1および
図2を参照しながら説明する。
S101:コンピュータ1のプリンタドライバ33の印刷設定変更プログラム101は、利用者Pの操作により入力部11で入力された印刷設定情報に基づいて記憶部16の印刷設定34を変更する印刷設定変更処理を行う。この印刷設定34は、OS31上で動作するアプリケーション32が作成した文書データを印刷データに変換する際に参照される。
S102:アプリケーション32は、入力部11で印刷を指示する利用者Pの操作を受け付け、印刷を開始する。
【0026】
S103:プリンタドライバ33の印刷データ作成プログラム102は、印刷データを作成する印刷データ作成処理を行う。
S104:コンピュータ1のデータ送信部14は、作成された印刷データをプリンタ2へ送信し、プリンタ2のデータ受信部21は印刷データを受信する。
S105:プリンタ2の印刷部26は、データ受信部21が受信した印刷データを印刷する。このとき、印刷部26は、指定された印刷媒体を用紙格納部29から給紙して印刷を行い、記憶部27に記憶された課金設定28に基づいて課金し、本処理を終了する。
【0027】
次に、コンピュータのプリンタドライバの印刷設定変更プログラムが行なう印刷設定変更処理を
図9の第1の実施例における印刷設定変更処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって
図1および
図2を参照しながら説明する。なお、この印刷設定変更処理は
図8のS101で行われる処理である。
S201:印刷設定変更プログラム101は、原稿用紙サイズと、印刷用紙サイズと、拡大縮小率とを含む印刷設定34を記憶部16から取得する。
【0028】
S202:印刷設定変更プログラム101は、取得した印刷設定を各項目の設定パラメータとして設定する。例えば、印刷設定変更プログラム101は、原稿用紙サイズの設定パラメータとして「A4」を設定し、印刷用紙サイズの設定パラメータとして「A4」を設定し、拡大縮小率の設定パラメータとして「100%」を設定する。
S203:印刷設定変更プログラム101は、S202で設定した設定パラメータを反映させたGUIを表示部13に表示する。
【0029】
S204:印刷設定変更プログラム101は、入力部11で利用者Pによる各項目の設定を変更する操作を受け付け、各項目の設定を変更する。例えば、
図3に示す印刷データを印刷する場合、文書サイズが「A4」であるため原稿用紙サイズの設定パラメータは「A4」のままとし、拡大縮小率が141%であるため印刷用紙サイズの設定パラメータを「A4」から「A3」、拡大縮小率の設定パラメータを「100%」から「141%」に変更する。
【0030】
S205:印刷設定変更プログラム101は、GUIにおいて印刷設定を終了する旨を表示し、そのGUIで「OK」ボタンが押下されたか否かを判定し、押下されたと判定すると処理をS206へ移行し、「OK」ボタン以外の「キャンセル」ボタンが押下されたと判定すると変更した設定を印刷設定34に保存することなく本処理を終了する。
S206:印刷設定変更プログラム101は、変更した設定を印刷設定34に保存して本処理を終了する。
【0031】
次に、コンピュータのプリンタドライバの印刷データ作成プログラムが行なう印刷データ作成処理を
図10の第1の実施例における印刷データ作成処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって
図1および
図2を参照しながら説明する。なお、この印刷設定変更処理は
図8のS103で行われる処理である。
S301:印刷データ作成プログラム102は、印刷設定34から原稿用紙サイズと、印刷用紙サイズの用紙サイズ名、幅、および高さと、拡大縮小率R(%)とを取得する。
【0032】
S302:印刷データ作成プログラム102は、取得した拡大縮小率Rが100%であるか否かを判定し、100%であると判定すると拡大縮小は行わないので指定された設定のままページデータを作成するため処理をS315へ移行し、100%でないと判定すると処理をS303へ移行する。
S303:印刷データ作成プログラム102が取得した拡大縮小率Rが100%でないと判定すると、課金設定取得プログラム103は、課金設定28をプリンタ2から取得する。
【0033】
このとき、課金設定取得プログラム103は、課金設定を取得するための指令としてのコマンドデータを生成し、データ送信部14からプリンタ2のデータ受信部21に送る。プリンタ2の制御部23は、データ受信部21で受信したコマンドを実行し、記憶部27に格納されている課金設定28をデータ送信部22からコンピュータ1のデータ受信部15に送る。
【0034】
S304:課金設定取得プログラム103は、課金設定28の取得に成功したと判定すると処理をS305へ移行する。一方、プリンタ2に課金設定28が存在しない場合、プリンタ2の制御部23は、送信する対象が存在しないため、コマンドを正しく実行することができず、課金設定取得プログラム103は、課金設定28の取得に失敗したと判定し、以降の処理に必要な情報が存在しないので指定された設定のままでページデータを作成するため処理をS315へ移行する。
【0035】
S305:課金設定28の取得に成功した課金設定取得プログラム103は、データ受信部15に送られた課金設定28を記憶部16に保存し、課金設定35とする。
S306:課金設定取得プログラム103は、課金設定35の項目数であるIを取得する。課金設定35は、
図7に示すように、用紙格納トレイとして用紙格納部29の各トレイA41〜E45に格納される用紙サイズと、その用紙サイズ毎にカラー印刷した場合のカラー印刷単価としてのカラー単価と、モノクロ印刷した場合のモノクロ印刷単価としてのモノクロ単価とから構成されているので、その構成から項目数Iを取得することができる。
図7に示す例では、項目数Iは5となる。
【0036】
S307:課金設定取得プログラム103は、印刷データのスプール状況を確認する。ここで、印刷データは、プリンタドライバ33の印刷データ作成プログラム102でページデータ作成処理を行う前に、例えばEMF(Enhanced Metafile Format)形式でスプーラ上にスプールされる。通常、スプールされた印刷データは、順次プリンタドライバ33の印刷データ作成プログラム102でページデータ作成処理を行うが、ここでは、拡大縮小方法設定画面を終了するまでページデータ作成プログラム107へは渡さないものとする。
【0037】
S308:課金設定取得プログラム103は、印刷データのスプール状況がスプール中からスプール終了になるまで処理をS307へ移行し、スプール終了になると処理をS309へ移行する。
S309:スプール終了を検知した課金設定取得プログラム103は、スプールされた印刷データから印刷データの総ページ数Nを取得する。
【0038】
S310:次に、拡大縮小方法リストアッププログラム104は、拡大縮小方法リストを作成する。なお、拡大縮小方法リストを作成する処理の詳細は後述する。
S311:次に、課金額算出プログラム105は、作成された拡大縮小方法リストの各項目に対して課金額を算出する。なお、拡大縮小方法リストの各項目に対して課金額を算出する処理の詳細は後述する。
S312:次に、拡大縮小方法表示プログラム106は、拡大縮小方法設定画面を表示する。
【0039】
ここで、拡大縮小方法設定画面は、
図3に示す印刷データのように、A4で1ページの文書を141%に拡大してA3用紙に印刷する場合、
図4に示す拡大縮小方法設定画面120となる。この拡大縮小方法設定画面120は、中央に4つの印刷方法の候補のリスト121を表示し、その下方に選択している印刷方法によるプレビュー122を表示する。
また、拡大縮小方法設定画面120は、利用者Pにより選択された拡大縮小方法を印刷に適用することを指示するOKボタン123と、利用者Pにより選択された拡大縮小方法を印刷に適用せず、予め指定された設定で印刷することを指示するキャンセルボタン124とを表示する。
【0040】
候補のリストは、予め指定された用紙サイズに拡大縮小印刷する方法と、その用紙サイズよりも大きな用紙サイズに拡大縮小印刷する方法と、拡大時に複数の用紙に分割して拡大印刷するポスター印刷機能を用いて印刷する方法と、縮小時に1枚の用紙に複数のページを集約して印刷するN−up印刷機能を用いて印刷する方法とから構成されており、それらは、S310においてリストアップされる。
【0041】
図3に示す印刷データは、用紙の上半部にカラー画像を有し、下半部にカラー画像を有していないモノクロ画像であるため、ポスター印刷機能を用いてA4サイズの用紙2枚に分割して印刷する場合、カラーページの印刷枚数が1枚、モノクロページの印刷枚数が1枚となり、課金額が25円と最安値になる。
また、
図5に示す印刷データのように、A4で4ページの文書を70%に縮小してA5用紙に印刷する場合、
図6に示す拡大縮小方法設定画面130となる。この拡大縮小方法設定画面130は、中央に4つの印刷方法の候補のリスト131を表示し、その下方に選択している印刷方法によるプレビュー132を表示する。
【0042】
また、拡大縮小方法設定画面130は、利用者Pにより選択された拡大縮小方法を印刷に適用することを指示するOKボタン133と、利用者Pにより選択された拡大縮小方法を印刷に適用せず、予め指定された設定で印刷することを指示するキャンセルボタン134とを表示する。
図5に示す印刷データは、N−up印刷機能を用いてA4サイズの用紙2枚に集約して印刷する場合、カラーページの印刷枚数が2枚となり、課金額が30円と最安値になる。
S313:拡大縮小方法表示プログラム106は、拡大縮小方法設定画面で利用者Pによる所望の拡大縮小方法の選択操作を受け付ける。
【0043】
S314:拡大縮小方法表示プログラム106は、拡大縮小方法設定画面で利用者Pによる拡大縮小方法設定画面の終了操作を受け付け、
図4に示すOKボタン123が押下された場合、選択された拡大縮小方法をページデータ作成処理に適用し、キャンセルボタン124が押下された場合、選択された拡大縮小方法をページデータ作成処理に適用せず、予め指定された拡大縮小方法をページデータ作成処理に適用する。
また、このとき、拡大縮小方法表示プログラム106は、スプーラにスプールされた印刷データのページデータ作成プログラム107への供給を開始する。
S315:ページデータ作成プログラム107は、選択または指定された拡大縮小方法を適用してページデータを作成し、本処理を終了する。
【0044】
次に、拡大縮小方法リストアッププログラムが行なう拡大縮小方法リスト作成処理を
図11〜
図14を用いて説明する。なお、この拡大縮小方法リスト作成処理は
図10のS310で行われる処理である。
まず、拡大縮小方法リスト作成処理の概要を
図11の第1の実施例における拡大縮小方法リスト作成処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって
図1および
図2を参照しながら説明する。
【0045】
S401:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、リストの数を表す変数であるリスト数Tを「0」で初期化する。
S402:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、指定された用紙サイズに印刷する方法を拡大縮小方法リストに追加する。
ここで、拡大縮小方法リストは、リストの1つの項目の中に、
図20に示すような10個の項目を有する項目の集まりである。
【0046】
10個の項目は、例えば拡大縮小方法を識別するための識別情報である拡大縮小方法IDと、拡大縮小下ページデータを印刷する媒体のサイズを示す印刷用紙サイズと、印刷する媒体の数を示し、ポスター印刷またはN−up印刷の結果を考慮した枚数である印刷枚数と、ポスター印刷機能を用いる場合に横方向に分割するページ数を示し、N−up印刷機能を用いる場合は横方向に並べるページ数を示すXと、ポスター印刷機能を用いる場合に縦方向に分割するページ数を示し、N−up印刷機能を用いる場合は縦方向に並べるページ数を示すYと、印刷する媒体を縦方向に使ってページデータを配置するか、横方向に使ってページデータを配置するかを示す印刷の向きと、ポスター印刷またはN−up印刷の結果を考慮した総ページ数中のカラーで印刷するページの枚数を示すカラーページ数と、ポスター印刷またはN−up印刷の結果を考慮した総ページ数中のモノクロで印刷するページの枚数を示すモノクロページ数と、この拡大縮小方法で印刷した場合にかかる課金額を示す課金額と、拡大縮小方法リストにおいて最も安価な拡大縮小方法であることを示すフラグである最安フラグとから構成されている。
【0047】
出力方法としての拡大縮小方法は、指定された大きさの印刷媒体で出力する出力方法、指定された印刷媒体の大きさより大きい印刷媒体で出力する方法、並びに複数の印刷媒体に拡大して出力する方法または1枚の印刷媒体に複数のページを集約して出力する方法であり、拡大縮小方法IDで識別される。
拡大縮小方法IDは、例えば
図19に示すように、1から4の数値で表現され、ID1は予め指定された用紙サイズに拡大縮小して印刷する方法を示すIDであり、ID2は予め指定された用紙サイズよりも大きな用紙サイズに拡大縮小して印刷する方法を示すIDであり、ID3はポスター印刷機能を用いて1ページのデータを複数の印刷媒体に拡大して印刷する方法を示すIDであり、ID4はN−up印刷機能を用いて複数ページのデータを1枚の印刷媒体に集約し、縮小して印刷する方法を示すIDである。
【0048】
このS402においてリストに追加される項目は、印刷データが
図3に示す印刷データの場合、
図21のNo.1で示されるように、拡大縮小方法IDに「1」、印刷用紙サイズに「A3」、印刷枚数に「1」、Xに「1」、Yに「1」、印刷向きに「縦」が設定され、カラーページ数、モノクロページ数、課金額、および最安フラグは、S311において設定されるため、ここではそれぞれを「0」に仮設定される。
また、S402においてリストに追加される項目は、印刷データが
図5に示す印刷データの場合、
図22のNo.1で示されるように、拡大縮小方法IDに「1」、印刷用紙サイズに「A5」、印刷枚数に「4」、Xに「1」、Yに「1」、印刷向きに「縦」が設定され、カラーページ数、モノクロページ数、課金額、および最安フラグは、同様に、ここではそれぞれを「0」に仮設定する。
【0049】
S403:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、リスト数Tに「1」を加算する。
S404:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、指定された用紙サイズよりも大きい用紙に印刷する方法を拡大縮小方法リストに追加する処理を行う。この処理の詳細は後述する。
S405:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、拡大縮小率Rが100%より大きいか小さいかにより、拡大印刷か縮小印刷かを判定し、拡大縮小率Rが100%より大きい拡大印刷であると判定すると処理をS406へ移行し、拡大縮小率Rが100%より小さい縮小印刷であると判定すると処理をS407へ移行する。
【0050】
S406:拡大縮小率Rが100%より大きい拡大印刷であると判定した拡大縮小方法リストアッププログラム104は、ポスター印刷機能を用いて拡大印刷する方法を拡大縮小方法リストに追加する処理を行い、本処理を終了する。このポスター印刷機能を用いて拡大印刷する方法を拡大縮小方法リストに追加する処理の詳細は後述する。
S407:拡大縮小率Rが100%より小さい縮小印刷であると判定した拡大縮小方法リストアッププログラム104は、N−up印刷機能を用いて縮小印刷する方法を拡大縮小方法リストに追加する処理を行い、本処理を終了する。このN−up印刷機能を用いて縮小印刷する方法を拡大縮小方法リストに追加する処理の詳細は後述する。
【0051】
次に、拡大縮小方法リストアッププログラムが行なう、指定された用紙サイズよりも大きい用紙に印刷する方法を拡大縮小方法リストに追加する処理を
図12の第1の実施例における拡大縮小方法リスト作成処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって
図1および
図2を参照しながら説明する。この指定された用紙サイズよりも大きい用紙に印刷する方法を拡大縮小方法リストに追加する処理は
図11のS404で行われる処理である。
本処理は、課金設定35を用いて、指定された用紙サイズよりも大きい用紙のうち、最も安い用紙に印刷する方法を拡大縮小方法リストに追加する処理である。課金設定35は、
図7に示すような課金設定リストとなっており、拡大縮小方法リストアッププログラム104は、課金設定35の情報を順次参照して処理を行う。
【0052】
S501:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、課金設定35のリストのNo.を示す変数Cを「0」で初期化する。
S502:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、ループカウンタiを「0」で初期化する。
S503:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、カラー課金単価Uを「0」で初期化する。ここで、カラー課金単価Uは、印刷媒体間の課金単価の高低を判断するために使用されるものである。本実施例では、モノクロ課金単価とカラー課金単価との大小関係が印刷媒体間で変わらないこととし、代表としてカラー課金単価を用いて課金単価の高低を判断することとする。
【0053】
S504:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、ループカウンタiが、課金設定35のリストの総項目数Iより小さい値であるか否かを判定し、ループカウンタiが、課金設定35のリストの総項目数Iより小さい値であると判定すると処理をS505へ移行し、ループカウンタiが、課金設定35のリストの総項目数I以上の値であると判定すると処理をS512へ移行する。
ここで、課金設定35のリストの全項目を確認するとループカウンタiの値が総項目数Iの値と等しくなり、ループを抜けS512へ移行するようにしている。ループカウンタiの値が総項目数Iの値より小さい間は、課金設定35のリストの全項目を確認していないことを意味し、次の項目を確認するようにしている。
【0054】
S505:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、指定された印刷用紙サイズの高さHoとi番目のリストの項目として格納されている用紙サイズの高さHiとを比較し、高さHiが高さHoより大きい場合、処理をS506へ移行し、高さHiが高さHo以下の場合、指定された印刷用紙サイズがリストに格納されている用紙サイズよりも小さいとし、課金単価の検討から除外するため、処理をS511へ移行する。
【0055】
S506:高さHiが高さHoより大きいと判定した拡大縮小方法リストアッププログラム104は、指定された印刷用紙サイズの幅Woとi番目のリストの項目として格納されている用紙サイズの幅Wiとを比較し、幅Wiが幅Woより大きい場合、処理をS507へ移行し、幅Wiが幅Wo以下の場合、指定された印刷用紙サイズがリストに格納されている用紙サイズよりも小さいとし、課金単価の検討から除外するため、処理をS511へ移行する。
【0056】
S507:幅Wiが幅Woより大きいと判定した拡大縮小方法リストアッププログラム104は、カラー課金単価Uが「0」か否かを判定し、カラー課金単価Uが「0」であると判定するとリストに格納されている用紙サイズは最初の大きな用紙サイズであるのでS508のカラー課金単価の比較処理を行うことなく、処理をS509へ移行し、カラー課金単価Uが「0」でないと判定すると少なくとも一度は大きな用紙サイズを印刷対象の用紙サイズとしているので処理をS508へ移行する。
【0057】
S508:カラー課金単価Uが「0」でないと判定した拡大縮小方法リストアッププログラム104は、カラー課金単価Uと課金設定35のリストのカラー単価Uiとを比較し、カラー単価Uiがカラー課金単価U以下であると判定すると用紙サイズは指定された用紙サイズよりも大きく、課金設定35のカラー単価Uiが既に選定されているカラー課金単価U以下であるため処理をS509へ移行し、一方、カラー単価Uiがカラー課金単価Uより大きいと判定すると用紙サイズは指定された用紙サイズよりも大きいが、既に選定されているカラー課金単価Uが課金設定35のカラー単価Uiよりも安いため処理をS511へ移行する。
【0058】
S509:カラー単価Uiがカラー課金単価U以下であると判定した拡大縮小方法リストアッププログラム104は、カラー課金単価Uに、課金設定35のi番目のカラー単価Uiを代入する。
S510:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、課金設定35のリストのNo.を示す変数Cにループカウンタiを代入する。これにより、選定対象の課金設定35のリストのNo.が候補情報として保管される。
S511:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、次の課金設定35の項目を処理するため、ループカウンタiに「1」を加算して更新し、処理をS504へ移行する。
【0059】
S512:S504において、ループカウンタiが課金設定35のリストの総項目数I以上の値であると判定した拡大縮小方法リストアッププログラム104は、カラー課金単価Uが「0」か否かを判定し、カラー課金単価Uが「0」であると判定すると課金設定35に指定された用紙サイズよりも大きな用紙サイズが存在しなかったことを意味するため、拡大縮小方法リストに追加することなく、本処理を終了し、カラー課金単価Uが「0」でないと判定すると課金設定35に指定された用紙サイズよりも大きな用紙サイズが存在したことを意味するため処理をS513へ移行する。
S513:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、保管した候補情報を利用して選定対象の課金設定35のリストのNo.を拡大縮小方法リストに追加する。
このとき、拡大縮小方法リストアッププログラム104は、課金設定35のリストのNo.を示す変数Cに格納されている値で課金設定35のリストのNo.を知ることができる。
【0060】
例えば、
図3に示す印刷データ(印刷用紙サイズA3)を印刷するとき、
図7に示す課金設定リストから選定する場合、変数Cには「2」が格納され、0から始まるインデックスで参照してNo.3の用紙サイズA3ノビを使って印刷する候補を拡大縮小方法リストに追加する。このとき、拡大縮小方法リストアッププログラム104は、拡大縮小方法リストの拡大縮小方法IDに「2」、印刷用紙サイズに「A3ノビ」、印刷枚数に「1」、Xに「1」、Yに「1」、用紙の向きに「縦」に設定し、カラーページ数、モノクロページ数、課金額および最安フラグには暫定値の「0」を仮設定して追加する。
S514:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、リスト数Tに「1」を加算し、本処理を終了する。
【0061】
次に、拡大縮小方法リストアッププログラムが行なう、ポスター印刷機能を用いて拡大印刷する方法を拡大縮小方法リストに追加する処理を
図13の第1の実施例における拡大縮小方法リスト作成処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって
図1および
図2を参照しながら説明する。このポスター印刷機能を用いて拡大印刷する方法を拡大縮小方法リストに追加する処理は
図11のS406で行われる処理である。
【0062】
本処理は、課金設定35を用いて、指定された用紙サイズよりも小さい複数の用紙に対してポスター印刷機能を用いて拡大印刷する方法を拡大縮小方法リストに追加する処理である。課金設定35は、
図7に示すような課金設定リストとなっており、拡大縮小方法リストアッププログラム104は、課金設定35の情報を順次参照して処理を行う。
S601:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、ループカウンタiを「0」で初期化する。
【0063】
S602:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、ループカウンタiが、課金設定35のリストの総項目数Iより小さい値であるか否かを判定し、ループカウンタiが、課金設定35のリストの総項目数Iより小さい値であると判定するとリストの項目をすべて確認していないとして処理をS603へ移行し、ループカウンタiが、課金設定35のリストの総項目数I以上の値であると判定するとリストの全項目の確認を終了したので本処理を終了する。
【0064】
S603:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズの印刷用紙を、長手方向を縦として横方向に並べた横方向の長さが、予め指定された印刷用紙サイズの幅より長くなる印刷用紙の枚数Xpを算出する。
ここで、横方向に並べる印刷用紙の枚数Xpは、予め指定された印刷用紙サイズの幅Woを課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズの幅Wiで除算することにより求められる。なお、枚数Xpは、小数点以下を切り上げた整数とする。
【0065】
S604:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズの印刷用紙を、長手方向を縦として縦方向に並べた縦方向の長さが、予め指定された印刷用紙サイズの高さより長くなる印刷用紙の枚数Ypを算出する。
ここで、縦方向に並べる印刷用紙の枚数Ypは、予め指定された印刷用紙サイズの高さHoを課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズの高さHiで除算することにより求められる。なお、枚数Ypは、小数点以下を切り上げた整数とする。
【0066】
S605:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズの印刷用紙を、長手方向を横として横方向に並べた横方向の長さが、予め指定された印刷用紙サイズの幅より長くなる印刷用紙の枚数Xqを算出する。
ここで、横方向に並べる印刷用紙の枚数Xqは、予め指定された印刷用紙サイズの幅Woを課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズの高さHiで除算することにより求められる。なお、枚数Xqは、小数点以下を切り上げた整数とする。
【0067】
S606:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズの印刷用紙を、長手方向を横として縦方向に並べた縦方向の長さが、予め指定された印刷用紙サイズの高さより長くなる印刷用紙の枚数Yqを算出する。
ここで、縦方向に並べる印刷用紙の枚数Yqは、予め指定された印刷用紙サイズの高さHoを課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズの幅Wiで除算することにより求められる。なお、枚数Yqは、小数点以下を切り上げた整数とする。
【0068】
S607:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズの印刷用紙を、長手方向を縦として横方向および縦方向に並べて使用する場合に、予め指定された印刷用紙サイズを含むほど大きくないか否かを判定するため、S603で算出した枚数XpとS604で算出した枚数Ypとを乗算した値が1よりも大きいか否かを判定する。
拡大縮小方法リストアッププログラム104は、枚数Xpと枚数Ypとを乗算した値が1よりも大きいと判定すると、予め指定された印刷用紙サイズを含まないとして処理をS608へ移行し、枚数Xpと枚数Ypとを乗算した値が1以下と判定すると、予め指定された印刷用紙サイズを含むとし、ポスター印刷機能を使って複数ページに分割印刷しなくても済むので拡大縮小方法リストに追加することなく処理をS613へ移行する。
【0069】
S608:枚数Xpと枚数Ypとを乗算した値が1よりも大きいと判定した拡大縮小方法リストアッププログラム104は、課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズの印刷用紙を、長手方向を横として横方向および縦方向に並べて使用する場合に、予め指定された印刷用紙サイズを含むほど大きくないか否かを判定するため、S605で算出した枚数XqとS606で算出した枚数Yqとを乗算した値が1よりも大きいか否かを判定する。
拡大縮小方法リストアッププログラム104は、枚数Xqと枚数Yqとを乗算した値が1よりも大きいと判定すると、予め指定された印刷用紙サイズを含まないとして処理をS609へ移行し、枚数Xqと枚数Yqとを乗算した値が1以下と判定すると、予め指定された印刷用紙サイズを含むとし、ポスター印刷機能を使って複数ページに分割印刷しなくても済むので拡大縮小方法リストに追加することなく処理をS613へ移行する。
【0070】
S609:枚数Xqと枚数Yqとを乗算した値が1よりも大きいと判定した拡大縮小方法リストアッププログラム104は、枚数Xpと枚数Ypとを乗算した値と、枚数Xqと枚数Yqとを乗算した値とを比較する。
これは、課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズの印刷用紙を、長手方向を縦として使用する場合と、長手方向を横として使用する場合とでどちらが効率的に印刷することができるかを判断するためであり、乗算した値が小さいほうが、使用する用紙の枚数が少ないため、効率的と判断する。
【0071】
拡大縮小方法リストアッププログラム104は、枚数Xpと枚数Ypとを乗算した値が、枚数Xqと枚数Yqとを乗算した値以下であると判定すると処理をS610へ移行し、枚数Xpと枚数Ypとを乗算した値が、枚数Xqと枚数Yqとを乗算した値より大きいと判定すると処理をS611へ移行する。
【0072】
S610:枚数Xpと枚数Ypとを乗算した値が、枚数Xqと枚数Yqとを乗算した値以下であると判定した拡大縮小方法リストアッププログラム104は、課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズの印刷用紙を、長手方向を縦として使用するパターンを拡大縮小方法リストに追加し、処理をS612へ移行する。
このとき、拡大縮小方法リストアッププログラム104は、拡大縮小方法リストの拡大縮小方法IDに「3」、印刷用紙サイズに“課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズ”、印刷枚数に“原稿のページ数Nと枚数Xpとを乗算し、更に枚数Ypを乗算した値”、Xに「枚数Xp」、Yに「枚数Yp」、用紙の向きに「縦」に設定し、カラーページ数、モノクロページ数、課金額および最安フラグには暫定値の「0」を仮設定して追加する。
【0073】
S611:枚数Xpと枚数Ypとを乗算した値が、枚数Xqと枚数Yqとを乗算した値より大きいと判定した拡大縮小方法リストアッププログラム104は、課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズの印刷用紙を、長手方向を横として使用するパターンを拡大縮小方法リストに追加し、処理をS612へ移行する。
このとき、拡大縮小方法リストアッププログラム104は、拡大縮小方法リストの拡大縮小方法IDに「3」、印刷用紙サイズに“課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズ”、印刷枚数に“原稿のページ数Nと枚数Xqとを乗算し、更に枚数Yqを乗算した値”、Xに「枚数Xq」、Yに「枚数Yq」、用紙の向きに「横」に設定し、カラーページ数、モノクロページ数、課金額および最安フラグには暫定値の「0」を仮設定して追加する。
【0074】
S612:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、リスト数Tに「1」を加算する。
S613:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、次の課金設定35の項目を処理するため、ループカウンタiに「1」を加算して更新し、処理をS602へ移行する。
【0075】
次に、拡大縮小方法リストアッププログラムが行なう、N−up印刷機能を用いて縮小印刷する方法を拡大縮小方法リストに追加する処理を
図14の第1の実施例における拡大縮小方法リスト作成処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって
図1および
図2を参照しながら説明する。このN−up印刷機能を用いて縮小印刷する方法を拡大縮小方法リストに追加する処理は
図11のS407で行われる処理である。
本処理は、課金設定35を用いて、指定された用紙サイズよりも大きい用紙に複数のページを集約するN−up印刷機能を用いて縮小印刷する方法を拡大縮小方法リストに追加する処理である。課金設定35は、
図7に示すような課金設定リストとなっており、拡大縮小方法リストアッププログラム104は、課金設定35の情報を順次参照して処理を行う。
【0076】
S701:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、ループカウンタiを「0」で初期化する。
S702:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、ループカウンタiが、課金設定35のリストの総項目数Iより小さい値であるか否かを判定し、ループカウンタiが、課金設定35のリストの総項目数Iより小さい値であると判定するとリストの項目をすべて確認していないとして処理をS703へ移行し、ループカウンタiが、課金設定35のリストの総項目数I以上の値であると判定するとリストの全項目の確認を終了したので本処理を終了する。
【0077】
S703:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズの印刷用紙の長手方向を縦としたとき、横方向の幅を超えない範囲で、予め指定された印刷用紙サイズの印刷用紙を横方向に並べることができる枚数Xpを算出する。
ここで、横方向に並べる印刷用紙の枚数Xpは、課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズの幅Wiを予め指定された印刷用紙サイズの幅Woで除算することにより求められる。なお、枚数Xpは、小数点以下を切り上げた整数とする。
【0078】
S704:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズの印刷用紙の長手方向を縦としたとき、縦方向の高さを超えない範囲で、予め指定された印刷用紙サイズの印刷用紙を縦方向に並べることができる枚数Ypを算出する。
ここで、縦方向に並べる印刷用紙の枚数Ypは、課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズの高さHiを予め指定された印刷用紙サイズの高さHoで除算することにより求められる。なお、枚数Ypは、小数点以下を切り上げた整数とする。
【0079】
S705:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズの印刷用紙の長手方向を横としたとき、横方向の幅を超えない範囲で、予め指定された印刷用紙サイズの印刷用紙を横方向に並べることができる枚数Xqを算出する。
ここで、横方向に並べる印刷用紙の枚数Xqは、課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズの高さHiを予め指定された印刷用紙サイズの幅Woで除算することにより求められる。なお、枚数Xqは、小数点以下を切り上げた整数とする。
【0080】
S706:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズの印刷用紙の長手方向を横としたとき、縦方向の高さを超えない範囲で、予め指定された印刷用紙サイズの印刷用紙を縦方向に並べることができる枚数Yqを算出する。
ここで、縦方向に並べる印刷用紙の枚数Yqは、課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズの幅Wiを予め指定された印刷用紙サイズの高さHoで除算することにより求められる。なお、枚数Yqは、小数点以下を切り上げた整数とする。
【0081】
S707:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズの印刷用紙を、長手方向を縦とした場合に、予め指定された印刷用紙サイズを含む大きさであるか否かを判定するため、S703で算出した枚数XpとS704で算出した枚数Ypとを乗算した値が1よりも大きいか否かを判定する。
拡大縮小方法リストアッププログラム104は、枚数Xpと枚数Ypとを乗算した値が1よりも大きいと判定すると、N−up印刷が可能であるとして処理をS709へ移行し、枚数Xpと枚数Ypとを乗算した値が1以下と判定すると、N−up印刷が不可能であるとして処理をS708へ移行する。
【0082】
S708:課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズの印刷用紙を、長手方向を縦とした場合に、N−up印刷が不可能であると判定した拡大縮小方法リストアッププログラム104は、課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズの印刷用紙を、長手方向を横とした場合に、予め指定された印刷用紙サイズを含む大きさであるか否かを判定するため、S705で算出した枚数XqとS706で算出した枚数Yqとを乗算した値が1よりも大きいか否かを判定する。
【0083】
拡大縮小方法リストアッププログラム104は、枚数Xqと枚数Yqとを乗算した値が1よりも大きいと判定すると、N−up印刷が可能であるとして処理をS709へ移行し、枚数Xqと枚数Yqとを乗算した値が1以下と判定すると、N−up印刷が不可能であると判断し、課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズの印刷用紙は、N−up印刷機能を使用して印刷することができないことになるので拡大縮小方法リストに追加することなく、処理をS713へ移行する。
S709:S707またはS708においてN−up印刷が可能であると判定した拡大縮小方法リストアッププログラム104は、枚数Xpと枚数Ypとを乗算した値と、枚数Xqと枚数Yqとを乗算した値とを比較する。
【0084】
これは、課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズの印刷用紙を、長手方向を縦として使用する場合と、長手方向を横として使用する場合とでどちらが効率的に印刷することができるかを判断するためであり、乗算した値が大きいほうが、1枚の印刷媒体に集約するページ数が多いため、効率的と判断する。
拡大縮小方法リストアッププログラム104は、枚数Xpと枚数Ypとを乗算した値が、枚数Xqと枚数Yqとを乗算した値以上であると判定すると処理をS710へ移行し、枚数Xpと枚数Ypとを乗算した値が、枚数Xqと枚数Yqとを乗算した値より小さいと判定すると処理をS711へ移行する。
【0085】
S710:枚数Xpと枚数Ypとを乗算した値が、枚数Xqと枚数Yqとを乗算した値以上であると判定した拡大縮小方法リストアッププログラム104は、課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズの印刷用紙を、長手方向を縦として使用するパターンを拡大縮小方法リストに追加し、処理をS712へ移行する。
このとき、拡大縮小方法リストアッププログラム104は、拡大縮小方法リストの拡大縮小方法IDに「4」、印刷用紙サイズに“課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズ”、印刷枚数に“原稿のページ数Nを枚数Xpで除算し、更に枚数Ypで除算した値”、Xに「枚数Xp」、Yに「枚数Yp」、用紙の向きに「縦」に設定し、カラーページ数、モノクロページ数、課金額および最安フラグには暫定値の「0」を仮設定して追加する。
【0086】
S711:枚数Xpと枚数Ypとを乗算した値が、枚数Xqと枚数Yqとを乗算した値より小さいと判定した拡大縮小方法リストアッププログラム104は、課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズの印刷用紙を、長手方向を横として使用するパターンを拡大縮小方法リストに追加し、処理をS712へ移行する。
このとき、拡大縮小方法リストアッププログラム104は、拡大縮小方法リストの拡大縮小方法IDに「4」、印刷用紙サイズに“課金設定35のi番目のリストの印刷用紙サイズ”、印刷枚数に“原稿のページ数Nを枚数Xqで除算し、更に枚数Yqで除算した値”、Xに「枚数Xq」、Yに「枚数Yq」、用紙の向きに「横」を設定し、カラーページ数、モノクロページ数、課金額および最安フラグには暫定値の「0」を仮設定して追加する。
【0087】
S712:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、リスト数Tに「1」を加算する。
S713:拡大縮小方法リストアッププログラム104は、次の課金設定35の項目を処理するため、ループカウンタiに「1」を加算して更新し、処理をS702へ移行する。
【0088】
次に、課金額算出プログラムが行なう課金額算出処理を
図15の第1の実施例における課金額算出処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって
図1および
図2を参照しながら説明する。この課金額算出処理は
図10のS311で行われる処理である。
本処理は、拡大縮小方法リストアッププログラム104がリストアップした拡大縮小方法リストの各項目に対して課金額を算出する処理である。課金額算出プログラム105は、拡大縮小方法リストの情報を順次参照して処理を行う。
S801:課金額算出プログラム105は、ループカウンタrを「0」で初期化する。
【0089】
S802:課金額算出プログラム105は、ループカウンタrが、拡大縮小方法リストアッププログラム104がリストアップした拡大縮小方法リストの項目数Tとループカウンタrとを比較し、ループカウンタrが、拡大縮小方法リストの項目数Tより小さい値であると判定すると拡大縮小方法リストのすべての項目に対して課金額を算出していないとして処理をS803へ移行し、ループカウンタrが、拡大縮小方法リストの項目数T以上の値であると判定すると拡大縮小方法リストのすべての項目に対して課金額を算出したので処理をS860へ移行する。
S803:課金額算出プログラム105は、ページカウンタiを「0」で初期化し、また課金額を算出している拡大縮小方法リストの項目に対するカラーページ数を格納する変数Pcと、モノクロページ数を格納する変数Pmとを「0」で初期化する。
【0090】
S804:課金額算出プログラム105は、算出対象の拡大縮小方法の拡大縮小方法IDの値を判定し、拡大縮小方法IDの値が「1」または「2」のとき、S810の処理を実行し、拡大縮小方法IDの値が「3」のとき、S820の処理を実行し、拡大縮小方法IDの値が「4」のとき、S840の処理を実行する。S810、S820、およびS840の処理を実行した課金額算出プログラム105は、処理をS802へ移行し、ループを形成する。なお、S810、S820、およびS840の処理の詳細は後述する。
S860:課金額算出プログラム105は、同じ拡大縮小方法IDで印刷枚数が同じ場合、課金額が低い方を残し、高い方を拡大縮小方法リストから削除する。これは、各拡大縮小方法に対し、より効果的な選択肢を利用者Pへ提供するためであり、効果の低い選択肢を拡大縮小方法リストから削除するようにしている。
【0091】
S861:課金額算出プログラム105は、拡大縮小方法リスト中の項目から課金額が最も低いものを抽出し、拡大縮小方法リストの該当項目の最安フラグを「1」に変更し、本処理を終了する。
このようにして課金額算出プログラム105は、拡大縮小方法リストを完成させ、この拡大縮小方法リストに基づいて拡大縮小表示プログラム106が拡大縮小方法設定画面を表示部13に表示する。
【0092】
次に、課金額算出プログラムが行なう、拡大縮小方法IDの値が「1」または「2」のときの課金額算出処理を
図16の第1の実施例における課金額算出処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって
図1および
図2を参照しながら説明する。この課金額算出処理は
図15のS810で行われる処理である。
【0093】
S811:課金額算出プログラム105は、ページカウンタiと総ページ数Nとを比較し、ページカウンタiが総ページ数Nより小さいと判定するとすべてのページを処理していないことになり処理をS812へ移行し、ページカウンタiが総ページ数N以上と判定するとすべてのページを処理したことになり処理をS816へ移行する。
S812:課金額算出プログラム105は、i番目のページのデータがカラーページである否かを判定し、カラーページであると判定すると処理をS813へ移行し、カラーページでない、すなわちモノクロページであると判定すると処理をS814へ移行する。
【0094】
ここで、カラーページか否かの判定は、ページデータ中の各データに対して指定されている色情報であるRGB(Red Green Blue)値を使用して行なう。このRGB値のR要素とG要素とB要素とが同じ値を有する色情報はモノクロ情報として扱い、RGB値のR要素とG要素とB要素とのいずれかに異なる値を有する色情報はカラー情報として扱う。
課金額算出プログラム105は、この判定処理を当該ページ中のすべてのデータに対して行い、カラー情報を有するページはカラーページと判定し、モノクロ情報しか有しないページはモノクロページと判定する。
【0095】
S813:S812において、カラーページであると判定した課金額算出プログラム105は、カラーページ枚数を格納する変数Pcに「1」を加算し、処理をS815へ移行する。
S814:一方、S812において、モノクロページであると判定した課金額算出プログラム105は、モノクロページ枚数を格納する変数Pmに「1」を加算し、処理をS815へ移行する。
S815:課金額算出プログラム105は、ページカウンタiに「1」を加算し、次のページの処理を行うため、処理をS811へ移行する。
【0096】
S816:S811において、ページカウンタiが総ページ数N以上と判定し、すべてのページを処理したと判定した課金額算出プログラム105は、拡大縮小方法リストのr番目の項目のカラーページ数に変数Pcの値を代入し、またモノクロページ数に変数Pmの値を代入する。さらに、課金額算出プログラム105は、カラー単価に変数Pcを乗算した値と、モノクロ単価に変数Pmを乗算した値とを加算し、その値を課金額Prに代入する。なお、rはループカウンタである。
ここで、カラー単価およびモノクロ単価は、決定した印刷用紙サイズを基に、課金設定35の
図7に示す課金設定リストを検索し、取得する。
S817:課金額算出プログラム105は、次の拡大縮小方法リストの項目を処理するため、ループカウンタrに「1」を加算して本処理を終了する。
【0097】
次に、課金額算出プログラムが行なう、拡大縮小方法IDの値が「3」のときの課金額算出処理を
図17の第1の実施例における課金額算出処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって
図1および
図2を参照しながら説明する。この課金額算出処理は
図15のS820で行われる処理である。
S821:課金額算出プログラム105は、拡大縮小方法リストのr番目の項目のXであるXrと、YであるYrとを乗算して1ページを分割するページ数I
3を算出する。
【0098】
S822:課金額算出プログラム105は、ページカウンタiと総ページ数Nとを比較し、ページカウンタiが総ページ数Nより小さいと判定するとすべてのページを処理していないことになり処理をS823へ移行し、ページカウンタiが総ページ数N以上と判定するとすべてのページを処理したことになり処理をS830へ移行する。
S823:課金額算出プログラム105は、1ページを分割するページ数I
3を順次処理するためのカウンタi
3を「0」に初期化する。
【0099】
S824:課金額算出プログラム105は、カウンタi
3と分割ページ数I
3とを比較し、カウンタi
3が分割ページ数I
3より小さい値であると判定すると、まだ原稿1ページに対して分割するすべてのページを処理していないこととなり、処理をS825へ移行し、カウンタi
3が分割ページ数I
3以上の値であると判定すると、原稿1ページに対して分割するすべてのページを処理したこととなり、処理をS829へ移行する。
S825:課金額算出プログラム105は、i番目のページのデータがカラーページである否かを判定し、カラーページであると判定すると処理をS826へ移行し、カラーページでない、すなわちモノクロページであると判定すると処理をS827へ移行する。
【0100】
ここで、カラーページかモノクロページかの判定は、
図16のS812と同じ方法であるが、ポスター印刷機能を用いた印刷の場合、ページを分割するので、判定する範囲も分割された全領域に対して行う。
課金額算出プログラム105は、r番目の拡大縮小方法リストの印刷用紙サイズの用紙を横方向にX枚、縦方向にY枚並べた大きさの中央にページデータを配置し、分割する各用紙サイズの領域内の描画データがカラー情報であるかモノクロ情報であるかを調べる。
S826:S825において、カラーページであると判定した課金額算出プログラム105は、カラーページ枚数を格納する変数Pcに「1」を加算し、処理をS828へ移行する。
【0101】
S827:一方、S825において、モノクロページであると判定した課金額算出プログラム105は、モノクロページ枚数を格納する変数Pmに「1」を加算し、処理をS828へ移行する。
S828:課金額算出プログラム105は、カウンタi
3に「1」を加算し、ポスター印刷機能における次のページの処理を行うため、処理をS824へ移行する。
S829:S824において、カウンタi
3が分割ページ数I
3以上の値であると判定した課金額算出プログラム105は、ページカウンタiに「1」を加算し、次のページの処理を行うため、処理をS822へ移行する。
【0102】
S830:S822において、ページカウンタiが総ページ数N以上と判定し、すべてのページを処理したと判定した課金額算出プログラム105は、拡大縮小方法リストのr番目の項目のカラーページ数に変数Pcの値を代入し、またモノクロページ数に変数Pmの値を代入する。さらに、課金額算出プログラム105は、カラー単価に変数Pcを乗算した値と、モノクロ単価に変数Pmを乗算した値とを加算し、その値を課金額Prに代入する。なお、rはループカウンタである。
ここで、カラー単価およびモノクロ単価は、決定した印刷用紙サイズを基に、課金設定35の
図7に示す課金設定リストを検索し、取得する。
S831:課金額算出プログラム105は、次の拡大縮小方法リストの項目を処理するため、ループカウンタrに「1」を加算して本処理を終了する。
【0103】
次に、課金額算出プログラムが行なう、拡大縮小方法IDの値が「4」のときの課金額算出処理を
図18の第1の実施例における課金額算出処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって
図1および
図2を参照しながら説明する。この課金額算出処理は
図15のS840で行われる処理である。
S841:課金額算出プログラム105は、拡大縮小方法リストのr番目の項目のXであるXrと、YであるYrとを乗算して1ページに集約するページ数I
4を算出する。
【0104】
S842:課金額算出プログラム105は、ページカウンタiと総ページ数Nとを比較し、ページカウンタiが総ページ数Nより小さいと判定するとすべてのページを処理していないことになり処理をS843へ移行し、ページカウンタiが総ページ数N以上と判定するとすべてのページを処理したことになり処理をS853へ移行する。
S843:課金額算出プログラム105は、1ページに集約するページ数I
4を順次処理するためのカウンタi
4と、カラーページあることを示すフラグFとを「0」に初期化する。
【0105】
S844:課金額算出プログラム105は、カウンタi
4と集約ページ数I
4とを比較し、カウンタi
4が集約ページ数I
4より小さい値であると判定すると、まだ印刷用紙サイズに対して集約するすべてのページを処理していないこととなり、処理をS845へ移行し、カウンタi
4が集約ページ数I
4以上の値であると判定すると、印刷用紙サイズに対して集約するすべてのページを処理したこととなり、処理をS849へ移行する。
S845:課金額算出プログラム105は、i番目のページのデータがカラーページである否かを判定し、カラーページであると判定すると処理をS846へ移行し、カラーページでない、すなわちモノクロページであると判定すると処理をS847へ移行する。
【0106】
ここで、カラーページかモノクロページかの判定は、
図16のS812と同じ方法であるが、N−up印刷機能を用いた印刷の場合、ページを集約するので、判定する範囲も集約する全ページに対して行う。そのため、課金額算出プログラム105は、集約する個々の論理ページに対してカラーであるかモノクロであるかを調べる。
S846:S845において、カラーページであると判定した課金額算出プログラム105は、フラグFに「1」を代入する。
【0107】
S847:課金額算出プログラム105は、カウンタi
4に「1」を加算する。
S848:課金額算出プログラム105は、ページカウンタiとカウンタi
4とを加算した値と、総ページ数Nの値とを比較し、ページカウンタiとカウンタi
4とを加算した値が総ページ数Nの値より小さいと判定すると、まだ処理していないページが存在するため処理をS844へ移行し、ページカウンタiとカウンタi
4とを加算した値が総ページ数Nの値以上であると判定すると、すべてのページの処理が完了したので処理をS849へ移行する。
【0108】
S849:次に、課金額算出プログラム105は、複数のページを集約したページ全体がカラーページであることを示すフラグFが「1」であるか否かを判定し、「1」であると判定すると処理をS850へ移行し、「1」でないと判定すると処理をS851へ移行する。
S850:フラグFが「1」である、すなわち複数のページを集約したページ全体がカラーページであると判定した課金額算出プログラム105は、カラーページ枚数を格納する変数Pcに「1」を加算し、処理をS852へ移行する。
【0109】
S851:一方、S849において、フラグFが「1」でない、すなわち複数のページを集約したページ全体がモノクロページであると判定した課金額算出プログラム105は、モノクロページ枚数を格納する変数Pmに「1」を加算し、処理をS852へ移行する。
S852:課金額算出プログラム105は、ページカウンタiにカウンタI
4を加算し、処理をS842へ移行する。
【0110】
S853:S842において、ページカウンタiが総ページ数N以上と判定し、すべてのページを処理したと判定した課金額算出プログラム105は、拡大縮小方法リストのr番目の項目のカラーページ数に変数Pcの値を代入し、またモノクロページ数に変数Pmの値を代入する。さらに、課金額算出プログラム105は、カラー単価に変数Pcを乗算した値と、モノクロ単価に変数Pmを乗算した値とを加算し、その値を課金額Prに代入する。なお、rはループカウンタである。
ここで、カラー単価およびモノクロ単価は、決定した印刷用紙サイズを基に、課金設定35の
図7に示す課金設定リストを検索し、取得する。
【0111】
S854:課金額算出プログラム105は、次の拡大縮小方法リストの項目を処理するため、ループカウンタrに「1」を加算して本処理を終了する。
以上説明したように、第1の実施例では、拡大または縮小を指定して印刷を行う場合、同じ拡大縮小率の印刷結果を得るための複数の異なる印刷方法を、その課金額ととともに表示部に表示して利用者に知らせ、利用者に印刷方法を選択できるようにしたことにより、利用者は提供された複数の印刷方法の中から課金額を考慮して最適な拡大縮小の印刷方法を選択することができるという効果が得られる。
【実施例2】
【0112】
図23は第2の実施例における画像形成装置の構成を示すブロック図である。
印刷データを作成する画像処理手段および印刷データを印刷する際に課金する画像形成手段を備える画像形成装置(画像処理システム)としてのコピー機(複写機)200は、入力部201と、制御部202と、表示部203と、画像スキャン部204と、印刷部205と、用紙格納部206と、記憶部212とを備えている。
【0113】
制御部202は、例えばCPU等により構成され、記憶部212に記憶された各種プログラム(ソフトウェア)やデータに基づいて、入力部201と、表示部203と、画像スキャン部204と、印刷部205とを制御し、コピー機200全体の動作を制御する。
入力部201は、例えば操作パネル上に配置される操作ボタンであり、利用者Pによる入力操作を受け付ける。
表示部203は、例えばLCDやタッチパネルにより構成され、制御部202の制御により文字や画像を画面に表示する。
【0114】
画像スキャン部204は、制御部202により制御されて原稿に描画された画像を画像データとして読み取る画像読み取り機構により構成されたものである。
印刷部205は、画像スキャン部204で読み取った原稿の画像データを印刷用紙に印刷する印刷機能により構成されたものである。
用紙格納部206は、例えばトレイA207と、トレイB208と、トレイC209と、トレイD210と、トレイE211とを備え、それぞれのトレイに異なるサイズや種類の印刷媒体を格納することができ、格納したそれぞれの印刷媒体を印刷部205に供給する。
【0115】
記憶部212は、例えばRAM等のメモリやHDと、コピー機200を制御するための各種プログラムとしてのファームウェアや文字フォントデータ等を記憶するROMとにより構成されている。記憶部212は、コピー設定213と、課金設定214とを備えている。また、記憶部212は、設定変更プログラム215と、課金設定取得プログラム216と、拡大縮小方法リストアッププログラム217と、課金額算出プログラム218と、拡大縮小方法表示プログラム219と、ページデータ作成プログラム220とを有している。
課金設定リストとしての課金設定214は、
図7に示すように、用紙格納トレイとして用紙格納部206の各トレイA41〜E45に格納される用紙サイズと、その用紙サイズ毎にカラー印刷した場合のカラー印刷単価としてのカラー単価と、モノクロ印刷した場合のモノクロ印刷単価としてのモノクロ単価とから構成される。
【0116】
拡大縮小率指定部としての設定変更プログラム215は、印刷データを作成する際に使用する拡大縮小率と、原稿用紙サイズと、印刷用紙サイズとを指定する拡大縮小率指定プログラムであり、拡大縮小率に加え、コピー枚数、原稿用紙サイズ、および印刷用紙サイズ等、印刷する前にコピー機200が有している機能を設定するためのGUIを利用者Pに提供する機能を備えている。この設定変更プログラム215は、GUIを表示する際に、コピー設定213から設定を取得し、GUI上に反映させ、GUIを終了する際に、GUI上の設定をコピー設定213に保存する。
印刷設定情報としてのコピー設定213は、設定変更プログラム215で変更された設定値、例えば拡大率または縮小率である拡大縮小率と、コピー枚数と、原稿用紙サイズと、印刷用紙サイズとを設定値として記憶するものである。
【0117】
情報取得部としての課金設定取得プログラム216は、用紙格納部206に収容される印刷媒体の大きさ情報と単価情報とを取得する情報取得プログラムであり、課金設定214を取得する。
出力方法抽出部としての拡大縮小方法リストアッププログラム217は、設定変更プログラム215で指定された拡大縮小率と、課金設定取得プログラム216で取得された印刷媒体の大きさ情報とに基づいて複数の出力方法を抽出する出力方法抽出プログラムであり、コピー設定213に保存されている拡大縮小率と、用紙サイズと、課金設定214とから実現可能な拡大縮小方法をリストアップする。
【0118】
課金額算出部としての課金額算出プログラム218は、拡大縮小方法リストアッププログラム217で抽出されたそれぞれの出力方法に対し、課金設定取得プログラム216で取得した印刷媒体の大きさ情報から使用する印刷媒体の枚数を算出し、その枚数と課金設定取得プログラム216で取得した単価情報とから課金額を算出する課金額算出プログラムであり、拡大縮小方法リストアッププログラム217がリストアップしたそれぞれの拡大縮小方法に対して課金設定214に基づいて課金額を算出する。
【0119】
出力方法表示部としての拡大縮小方法表示プログラム219は、課金額算出プログラム218で算出されたそれぞれの課金額を出力方法とともに表示し、その出力方法の選択を受け付ける出力方法表示プログラムであり、拡大縮小方法リストアッププログラム217がリストアップした拡大縮小方法と、課金額算出プログラム218で算出したそれぞれの拡大縮小方法の課金額を表示部203に表示し、利用者Pに入力部201で拡大縮小方法を選択させる。
【0120】
印刷データ生成部としてのページデータ作成プログラム220は、拡大縮小方法表示プログラム219で選択された出力方法に基づいて印刷データを生成する印刷データ生成プログラムであり、画像スキャン部204で読み取った原稿の画像データをコピー設定213と、拡大縮小方法表示プログラム219で選択した拡大縮小方法とに基づいて印刷データとしてのページデータを作成する。
【0121】
上述した構成の作用について説明する。
まず、画像処理システムとしてのコピー機が行なう印刷(コピー)処理の概要を
図24の第2の実施例における印刷処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって
図23を参照しながら説明する。
S1101:まず、コピー機200の画像スキャン部204にコピー対象の原稿が利用者Pによって載置される。
【0122】
コピー機200の設定変更プログラム215は、表示部203に現在の設定内容を表示し、利用者Pの操作により入力部201で入力された印刷設定情報に基づいて記憶部212のコピー設定213を変更する印刷設定変更処理を行う。このコピー設定213は、原稿の画像データを印刷データに変換する際に参照される。
S1102:制御部202は、入力部201でコピーを指示する利用者Pの操作を受け付け、コピーを開始する。
【0123】
S1103:制御部202は、画像スキャン部204で、載置された原稿に描画されている画像を読み取るページ画像スキャン処理を行う。
S1104:制御部202は、画像スキャン部204で読み取ったページ画像を加工し、印刷するページ画像の印刷データ作成処理を行う。
S1105:印刷部205は、作成されたページ画像の印刷データを印刷する。このとき、印刷部205は、指定された印刷媒体を用紙格納部206から給紙して印刷を行い、記憶部212に記憶された課金設定214に基づいて課金し、本処理を終了する。
【0124】
次に、コピー機の設定変更プログラムが行なう印刷設定変更処理を
図25の第2の実施例における印刷設定変更処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって
図23を参照しながら説明する。なお、この印刷設定変更処理は
図24のS1101で行われる処理である。
S1201:設定変更プログラム215は、原稿用紙サイズと、印刷用紙サイズと、拡大縮小率とを含むコピー設定213を記憶部212から取得する。
【0125】
S1202:設定変更プログラム215は、取得した印刷設定を各項目の設定パラメータとして設定する。例えば、設定変更プログラム215は、原稿用紙サイズの設定パラメータとして「A4」を設定し、印刷用紙サイズの設定パラメータとして「A4」を設定し、拡大縮小率の設定パラメータとして「100%」を設定する。
S1203:設定変更プログラム215は、S1202で設定した設定パラメータを反映させたGUIを表示部13に表示する。
【0126】
S1204:設定変更プログラム215は、入力部201で利用者Pによる各項目の設定を変更する操作を受け付け、各項目の設定を変更する。例えば、
図3に示す印刷データをコピーする場合、文書サイズが「A4」であるため原稿用紙サイズの設定パラメータは「A4」のままとし、拡大縮小率が141%であるため印刷用紙サイズの設定パラメータを「A4」から「A3」、拡大縮小率の設定パラメータを「100%」から「141%」に変更する。
【0127】
S1205:設定変更プログラム215は、変更した設定をコピー設定213に保存する。
S1206:設定変更プログラム215は、GUIにおいて印刷設定を終了する旨を表示し、そのGUIで「OK」ボタンが押下されたか否かを判定し、押下されたと判定すると本処理を終了し、「OK」ボタン以外の「キャンセル」ボタンが押下されたと判定すると処理をS1204へ移行し、S1204およびS1205の処理を繰り返す。
【0128】
次に、コピー機が行なう印刷データ作成処理を
図26の第2の実施例における印刷データ作成処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって
図23を参照しながら説明する。なお、この印刷設定変更処理は
図24のS1104で行われる処理である。
S1301:課金設定取得プログラム216は、コピー設定213から原稿用紙サイズと、印刷用紙サイズの用紙サイズ名、幅、および高さと、拡大縮小率R(%)とを取得する。
【0129】
S1302:課金設定取得プログラム216は、取得した拡大縮小率Rが100%であるか否かを判定し、100%であると判定すると拡大縮小は行わないので指定された設定のままページデータを作成するため処理をS1313へ移行し、100%でないと判定すると処理をS1303へ移行する。
S1303:取得した拡大縮小率Rが100%でないと判定した課金設定取得プログラム216は、課金設定214を取得する。
【0130】
S1304:課金設定取得プログラム216は、課金設定214の項目数であるIを取得する。課金設定214は、
図7に示すように、用紙格納トレイとして用紙格納部206の各トレイA41〜E45に格納される用紙サイズと、その用紙サイズ毎にカラー印刷した場合のカラー印刷単価としてのカラー単価と、モノクロ印刷した場合のモノクロ印刷単価としてのモノクロ単価とから構成されているので、その構成から項目数Iを取得することができる。
図7に示す例では、項目数Iは5となる。
【0131】
S1305:課金設定取得プログラム216は、コピー対象である原稿のスキャン状況を確認する。ここで、原稿のページ毎にスキャンした画像データは、ページデータ作成プログラム220へ渡して処理せずに、コピー対象のすべてのページのスキャンが終了してからページデータ作成プログラム220へ渡す。その間、原稿をスキャンした画像データは記憶部212に記憶される。
【0132】
S1306:課金設定取得プログラム216は、原稿のすべてのページのスキャンが終了するまで処理をS1305へ移行し、スキャン終了になると処理をS1307へ移行する。なお、スキャンの終了は、画像スキャン部204のオートドキュメントフィーダが用紙有り状態から用紙無し状態に変化することで検知する。
S1307:スキャン終了を検知した課金設定取得プログラム216は、スキャンされた画像データからコピーするデータの総ページ数Nを取得する。
S1308:次に、拡大縮小方法リストアッププログラム217は、拡大縮小方法リストを作成する。なお、拡大縮小方法リストを作成する処理は第1の実施例の
図11〜
図14の処理と同様なのでその説明を省略する。
【0133】
S1309:次に、課金額算出プログラム218は、作成された拡大縮小方法リストの各項目に対して課金額を算出する。なお、拡大縮小方法リストの各項目に対して課金額を算出する処理は、第1の実施例の
図15〜
図18の処理と、カラーとモノクロの判定方法を除き、同様なのでその説明を省略する。
本実施例におけるカラーとモノクロの判定方法は、画像データのすべての色情報が、RGBの各要素に対して、そのバラツキが閾値の範囲内にある場合は、モノクロと判定し、バラツキが閾値の範囲外にある場合は、カラーと判定する。
【0134】
ここで、バラツキとは、RGB成分の各要素の差であり、RGB(0,0,0)らRGB(128,128,128)はバラツキが「0」となり、RGB(126,128,130)では、最も小さいR要素の値と最も大きいB要素との差分がバラツキとなり、バラツキは「4」となる。
S1310:次に、拡大縮小方法表示プログラム219は、拡大縮小方法設定画面を表示する。なお、拡大縮小方法設定画面は、第1の実施例と同様である。
S1311:拡大縮小方法表示プログラム219は、拡大縮小方法設定画面で利用者Pによる所望の拡大縮小方法の選択操作を受け付ける。
【0135】
S1312:拡大縮小方法表示プログラム219は、拡大縮小方法設定画面で利用者Pによる拡大縮小方法設定画面の終了操作を受け付け、
図4に示すOKボタン123が押下された場合、選択された拡大縮小方法をページデータ作成処理に適用し、キャンセルボタン124が押下された場合、選択された拡大縮小方法をページデータ作成処理に適用せず、予め指定された拡大縮小方法をページデータ作成処理に適用する。
また、このとき、拡大縮小方法表示プログラム219は、記憶部212に記憶しておいた画像データのページデータ作成プログラム220への供給を開始する。
S1313:ページデータ作成プログラム220は、選択または指定された拡大縮小方法を適用してページデータを作成し、本処理を終了する。
【0136】
以上説明したように、第2の実施例では、コピー機において、拡大または縮小を指定してコピーを行う場合、同じ拡大縮小率の印刷結果を得るための複数の異なる印刷方法を、その課金額ととともに表示部に表示して利用者に知らせ、利用者に印刷方法を選択できるようにしたことにより、利用者は提供された複数の印刷方法の中から課金額を考慮して最適な拡大縮小の印刷方法を選択することができるという効果が得られる。
第1の実施例および第2の実施例では、画像処理システムをプリンタおよびそのプリンタに接続されたコンピュータ並びにコピー機として説明したが、それに限られるものでなく、ファクシミリ機能を有する複合機およびその複合機に接続され、ファクシミリ機能を有するコンピュータやコピー機能を有する複合機としても良い。