(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5930477
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】接着剤塗布設備及び接着剤塗布方法
(51)【国際特許分類】
B05C 5/02 20060101AFI20160526BHJP
B05D 1/26 20060101ALI20160526BHJP
B05D 7/24 20060101ALI20160526BHJP
B05C 9/06 20060101ALI20160526BHJP
B05C 11/04 20060101ALI20160526BHJP
G03F 7/16 20060101ALI20160526BHJP
C09J 201/00 20060101ALI20160526BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20160526BHJP
H01L 21/027 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
B05C5/02
B05D1/26 Z
B05D7/24 301P
B05C9/06
B05C11/04
G03F7/16 501
C09J201/00
G02F1/13 101
H01L21/30 564Z
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-505322(P2013-505322)
(86)(22)【出願日】2011年4月19日
(65)【公表番号】特表2013-530812(P2013-530812A)
(43)【公表日】2013年8月1日
(86)【国際出願番号】CN2011073010
(87)【国際公開番号】WO2011131121
(87)【国際公開日】20111027
【審査請求日】2014年4月14日
(31)【優先権主張番号】201010154127.0
(32)【優先日】2010年4月19日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】507134301
【氏名又は名称】北京京東方光電科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】周 ▲偉▼峰
(72)【発明者】
【氏名】郭 健
(72)【発明者】
【氏名】明 星
【審査官】
大野 明良
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−126596(JP,A)
【文献】
特開2006−032905(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/134901(WO,A1)
【文献】
特開平09−276770(JP,A)
【文献】
特開2007−240859(JP,A)
【文献】
特開2005−161153(JP,A)
【文献】
特開2004−130280(JP,A)
【文献】
特開平09−077099(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0051824(US,A1)
【文献】
特開2010−040323(JP,A)
【文献】
特開2003−136006(JP,A)
【文献】
特開2005−087884(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 5/00− 5/04
B05C 9/06
B05C 11/04−11/08
B05D 1/26
B05D 7/24
C09J 201/00
G02F 1/13
G03F 7/16
H01L 21/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着剤塗布設備であって、
少なくとも2列の接着剤噴出孔を備えるとともに、隣接する2列の接着剤噴出孔の間にスペーサで間隔を空けたノズルと、
ノズルに接続される接着剤供給機構と、
ノズル移動機構と、
を備え、
前記スペーサが前記接着剤噴出孔より突出し、且つ、前記スペーサの頂部と、前記接着剤噴出孔が位置する平面との間に高度差があり、
各列には複数の接着剤噴出孔が配列され、複数の接着剤噴出孔はノズル移動方向に直交する1列に配列されることを特徴とする接着剤塗布設備。
【請求項2】
前記スペーサは楔形スペーサであることを特徴とする請求項1に記載の接着剤塗布設備。
【請求項3】
前記スペーサは取り替えることができることを特徴とする請求項1に記載の接着剤塗布設備。
【請求項4】
ノズルをノズル移動機構により駆動して基板上を移動させ、ノズル移動方向と逆方向に沿って前記ノズルにおける各列のノズルを順次開放して接着剤を塗布する接着剤塗布方法において、
前記ノズルが少なくとも2列の接着剤噴出孔を備え、隣接する2列の接着剤噴出孔との間にスペーサで間隔を空けるとともに、前記スペーサが前記接着剤噴出孔より突出し、且つ、前記スペーサの頂部と、前記接着剤噴出孔が位置する平面との間に高度差があることを特徴とする接着剤塗布方法。
【請求項5】
ノズル移動方向と逆方向に沿って前記ノズルにおける各列のノズルを開放して接着剤を塗布するステップは、
ノズル移動方向と逆方向に沿って、まず、前端の第1列接着剤噴出孔を開放して、前記基板の縁に所定長さの第1層の接着剤塗布開始領域を製作し、次に、第1所定時間を経て、さらに前記第1列接着剤噴出孔に隣接する次の第2列接着剤噴出孔を開放するステップを含むことを特徴とする請求項4に記載の接着剤塗布方法。
【請求項6】
第2列接着剤噴出孔を開放して、所定長さの第2層塗布開始領域を製作し、第2所定時間を経て、残りの各列の接着剤噴出孔に対して、噴出孔を開放し、塗布開始領域を製作し、所定時間を経るという操作を順次繰り返して行うことを特徴とする請求項5に記載の接着剤塗布方法。
【請求項7】
接着剤の塗布を完成した後、前記基板に対して低圧乾燥処理を行うことを特徴とする請求項4に記載の接着剤塗布方法。
【請求項8】
前記低圧乾燥処理を完成した後、前記基板に対してプレベーキング処理を行うことを特徴とする請求項7に記載の接着剤塗布方法。
【請求項9】
前記ノズルをノズル移動機構により駆動して基板上を移動させることは、ノズル移動機構によりノズルを基板の一辺から他辺まで移動させて停止することであることを特徴とする請求項4に記載の接着剤塗布方法。
【請求項10】
前記スペーサは楔形のスペーサであることを特徴とする請求項4に記載の接着剤塗布方法。
【請求項11】
前記楔形のスペーサから伸び出した前端はその下方の塗布された接着剤の上面に接触することを特徴とする請求項10に記載の接着剤塗布方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着剤塗布設備及び接着剤塗布方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この十数年、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、以下LCDと略称する)技術は急速に発展し、スクリーンのサイズから表示品質等までの性能において非常に大きな進歩を獲得した。絶えまない努力を通して、LCDの各性能は従来のCRT(Cathode Ray Tube、陰極線管と言う)のレベルに達しており、CRTがLCDに取って代わる傾向が大きくなっている。
また、LCD生産の拡大に伴って、各メーカの間の競争も激しくなっている。よって、各メーカは製品性能を向上しながら、製品コストの低減を図ることで、市場競争力を向上している。
【0003】
現在、ドメインマスク露光は、フォトリソグラフィ工程の主な発展方向の一つである。ドメインマスク露光によれば、生産能力が迅速に向上されてコストの減少が実現できる。従来、ドメインマスク露光は、主にある種の広い感光敏感領域を備えるフォトレジストにドメイン領域を製作することで実現された。
【0004】
従来、二層のフォトレジストの製作方法は、一層の第1種接着剤の塗布を完了した後、同じ方法でこの第1層接着剤の上に第2層の第2種接着剤を塗布し、或は間隔が大きい二個または二個以上のノズルを利用して、相次いで接着剤を塗布することで多層のフォトレジストを製作した。
【0005】
このような場合、第2層の接着剤を塗布しようとする際に、第1層の接着剤が硬化されておらず、液体表面張力によって第1種接着剤に汚れた第2種接着剤のノズルが付着されることを回避するため、第2種接着剤のノズルは第1層の接着剤の表面に近づけてはいけない。従って、塗布された二層の接着剤の間に気泡が発生して、ドメインマスク露光の不良を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、多層の接着剤を塗布する場合、各層の間に気泡が発生することを減少又は回避することができる接着剤塗布設備及び接着剤塗布方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の実施例は、少なくとも2列の接着剤噴出孔を備えるとともに、隣接する2列の接着剤噴出孔の間にスペーサで間隔を空けたノズルと、ノズルに接続された接着剤供給機構と、ノズル移動機構と、を備えることを特徴とする接着剤塗布設備を提供する。
【0008】
本発明の他の実施例は、ノズルがノズル移動機構に駆動されて基板上を移動するとともに、ノズル移動方向と逆方向に沿って、前記ノズルにおける各列の接着剤噴出孔を順次開放して接着剤を塗布することを特徴とする接着剤塗布方法を提供する。
【0009】
本発明の実施例や、従来技術の技術内容をより明確に説明するために、以下、本発明の実施例や従来技術を説明するに必要な図面を簡単に説明する。勿論、下記図面は、ただ本発明の実施例の一部だけであり、当業者であれば、創造的な労動をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施例に係るフォトレジスト塗布設備の概略図である。
【
図2】本発明の実施例に係るノズルの側面概略図である。
【
図3】本発明の実施例に係るノズルの他の側面概略図である。
【
図4】本発明の実施例に係るノズルの塗布により形成された多層のフォトレジストの側面概略図である。
【
図5】本発明の実施例に係るノズルの底面概略図である。
【
図6】本発明の実施例に係るノズルの他の底面概略図である。
【
図7】本発明の実施例に係るノズルのさらに他の側面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例の技術内容に対して、明瞭且つ完全に説明する。明らかに、説明する実施例は本発明の一部分だけであり、全部の実施例ではない。なお、本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をしない前提で得られる他の実施例も本発明に含まれるものである。
【0012】
本発明の実施例に係る接着剤塗布設備は、少なくとも2列の接着剤噴出孔を備えるとともに、隣接する2列の接着剤噴出孔の間にスペーサで間隔を空けたノズルと、当該ノズルに接続される接着剤供給機構と、ノズル移動機構と、を備える。
【0013】
以下、例として、フォトレジストを塗布するフォトレジスト塗布設備を説明する。ただし、本発明はフォトレジストを塗布することに限定されるものではなく、本発明の主旨を超えないすべての接着剤類の塗布も本発明に含まれるものである。
【0014】
図1に示すように、本実施例のフォトレジスト塗布設備は、ステージ1と、ノズル2と、ノズル2に接続されるフォトレジストを供給するフォトレジスト供給機構(未図示)と、ノズル2を駆動移動するノズル移動機構(未図示)とを備え、また、後でフォトレジストが塗布される基板3がステージ1の上に配置される。
【0015】
本発明の実施例における一つのノズル2は、少なくとも2列のフォトレジスト噴出孔を備えるとともに、隣接するフォトレジスト噴出孔の間にスペーサ4で間隔を空ける。
図1は、少なくとも2列のフォトレジスト噴出孔を備え、2列のフォトレジスト噴出孔の間に一つのスペーサ4が設けられたノズル2を例とする。このように、ノズル2の一回の移動中において、各列のフォトレジスト噴出孔を順次開放するとともに、時間間隔を置いて塗布することで、一つのノズルの一回の移動によって多層のフォトレジストの塗布を完成できる。フォトレジストの塗布を完成した後に、低圧乾燥、ベーキング、露光、現像、エッチングなどの工程を介してフォトリソグラフィ工程が最終的に完成されることで、例えばアレイ基板における相応した導電パターンなどが製作される。
【0016】
本発明の実施例に係るフォトレジスト塗布設備は、設備のノズルに多列のフォトレジスト噴出孔を設け、隣接するフォトレジスト噴出孔の間にスペーサで間隔を空ける。フォトレジストを塗布する際に、各列のフォトレジスト噴出孔を順次開放することで、一つのノズルの一回の移動中において同時に多層のフォトレジストの塗布を完成することができ、これによって、多層のフォトレジストを塗布するために複数のノズルを利用することが回避されるとともに、複数のノズルで塗布する際に、ノズルピッチのずれにより各層のフォトレジストの間に気泡が残されることも防止される。更に、ドメインマスク露光の不良が減少されて、TFT−LCDの品質及び製作能率が向上される。
ノズルの具体的実施例1
【0017】
図2は、本発明に係るノズルの側面概略図である。本実施例において、例として、ノズル2が2列のフォトレジスト噴出孔201、202を備える場合について説明する。
【0018】
図2において、ノズル2が2列のフォトレジスト噴出孔201,202を備えるとともに、この両者の間に楔形のスペーサ4で間隔を空ける。このノズル2が矢印で示す方向に移動される際に、楔形のスペーサ4の楔形斜面によって、フォトレジスト噴出孔201からの第1層フォトレジスト5は楔形のスペーサ4の楔形斜面に沿って順調に流出して、基板3に付着する。
【0019】
図5は、
図2におけるノズルを下から見た底面概略図である。
図5に示すように、ノズル2は、複数のフォトレジスト噴出孔がノズル2の移動方向(矢印で示す方向)に直交する方向に沿って配列する2列のフォトレジスト噴出孔201,202を備える。隣接する2列のフォトレジスト噴出孔201,202の間に楔形のスペーサ4で間隔を空ける。
【0020】
さらに、ノズル2が複数列のフォトレジスト噴出孔を備える場合、例えば
図6に示すように、三列のフォトレジスト噴出孔201,202、203を備える場合、同様に、各列における複数のフォトレジスト噴出孔は、ノズル2の移動方向(矢印で示す方向)に直交する方向に沿って配列され、隣接する2列のフォトレジスト噴出孔201,202の間に楔形のスペーサ4で間隔を空け、フォトレジスト噴出孔202,203の間に楔形のスペーサ7で間隔を空ける。より多い列のノズルを備える場合にも、上記と同じ方式で配列される。
【0021】
図7に示すように、ノズルにおける楔形のスペーサ4の長さは比較的に長く、それから伸び出した先端は塗布する際に、ちょうどその下方に位置する第1列のフォトレジスト噴出孔201で塗布されたフォトレジスト5の上面に接触することが好ましい。このようなスペーサを採用することで、多層のフォトレジストは最適な分層状態に保持されることができるとともに、楔形のスペーサ4の先端は移動中において、次の層のフォトレジストを塗布する前に、塗布されたフォトレジストを均すことができる。
【0022】
本発明の他の実施例において、2列のフォトレジスト噴出孔の間のスペーサの形状は
図2に示す楔形に限定されるものではなく、その断面は他の適当な形状、例えば半球形、台形等であってもよいし、またはこれらの形状を組み合わせた形状であってもよい。また、スペーサの断面が楔形である場合、楔形の側面は、例えば内に凹んだまたは外に突出したなどの曲面であってもよい。また、スペーサは、接着剤の種類に応じて形状(断面、高さなどを含む)が異なるものを利用できるように、取り替え可能に設置されてもよい。
【0023】
以下、本発明の実施例に係るフォトレジスト塗布設備による、フォトレジスト塗布方法について説明する。この方法は以下のステップを備える。即ち、
【0024】
S801は、基板をステージに載置し、基板とノズルとの距離を適当になるように調整する。例えば、2列のフォトレジスト噴出孔との間におけるスペーサから伸び出す先端がフォトレジストを塗布する際に、ちょうどその下方の塗布されたフォトレジストの上面に接触するように調整する。
【0025】
S802は、ノズルをノズル移動機構により駆動して基板上を移動させ、ノズル移動方向と逆方向に沿って、各列のフォトレジスト噴出孔を順次開放してフォトレジストを塗布し、塗布されるフォトレジストの種類、特性等の要因に応じてノズルの移動スピードを決める。
【0026】
具体的に、
図2〜
図4に示す2列のフォトレジスト噴出孔で二層のフォトレジストを塗布することを例として、
図2に示すように、フォトレジストの塗布を開始する際に、まず、ノズル2の左側の第1列フォトレジスト噴出孔201を開放し、基板3の縁に長さが1〜5mm(即ち、所定長さ)である第1層フォトレジスト5の塗布開始領域を製作する。そして、5〜30秒(即ち、所定時間)を経て、第1層フォトレジスト5の塗布開始領域の上面に、溶剤の揮発によって比較的緻密な一層の保護層が形成される。
図3に示すように、さらに第2列フォトレジスト噴出孔202を開放して第2層フォトレジスト6を噴き出す。第1層フォトレジスト5の表面が比較的緻密なので、第2層フォトレジスト6と第1層フォトレジスト5は塗布開始領域で明らかに分層される。ノズル2が基板3の一辺から他辺まで移動されて停止されることで、塗布開始領域での分層にガイドされて明らかに分層された二層フォトレジストを塗布する。ノズル2が2列以上のノズルを備える場合、各列のフォトレジスト噴出孔が全て開放されてフォトレジストを塗布するまでに上記操作を繰り返す。
【0027】
S803は、塗布を完成した後、第1列フォトレジスト噴出孔201と第2列フォトレジスト噴出孔202を閉鎖して、
図4に示すような二層のフォトレジストを形成し、二層のフォトレジストは緊密に接合されて気泡が少ない又は存在しない。
【0028】
ここで、フォトレジスト噴出孔を閉鎖する場合、同時に閉鎖してもよく、まず第1列フォトレジスト噴出孔201を閉鎖して、次に第2列フォトレジスト噴出孔202を閉鎖してもよい。
【0029】
S804は、フォトレジストの塗布を完成してからの第1予定時間内に、基板に対して低圧乾燥処理を行う。
【0030】
フォトレジストの液体流動性によって、形成された二層のフォトレジストが時間の経過に伴って互いに混合して拡散するため、短い時間内に塗布された基板を次の処理工程に搬送しなければならない。例えば、発明者は研究によって、粘度が8〜10cpであるフォトレジストは20秒(即ち、第1予定時間)内に明らかに分層された二層状態を保持し、20秒内に低圧乾燥処理を行うことで、フォトレジスト中の大部分の溶剤を除去してフォトレジストを基本的に硬化することができることを発見した。粘度がより小さいフォトレジストは、相応する時間間隔をさらに短くする必要がある。逆に、粘度がより大きいフォトレジストは、相応する時間間隔を適当に長くする必要がある。
【0031】
S805は、低圧乾燥処理を完成した後の第2予定時間内に、基板に対してプレベーキング処理を行う。
【0032】
同様に、発明者は研究によって、60秒(即ち、第2予定時間)内に、異なるフォトレジスト層との間の拡散を防止することができ、プレベーキング処理を実施して、フォトレジスト中における水分と溶剤とが除去されてフォトレジストの完全な硬化を完了して、二層フォトレジストは安定な分層構成で形成されることを発見した。
【0033】
後に、露光、現像、エッチングなどの工程を介して最終的にフォトリソグラフィ工程を完成する。
【0034】
本実施例において、二種のフォトレジストの性質が異なるので、ドメイングレーレベルのフォトレジストを比較的に容易に形成することができ、また、ガラス基板に良好に付着するフォトレジストを下層のフォトレジストとして採用する場合、フォトレジストの可視的縮小量も有効に減少することができ、配線能力を向上することができる。
【0035】
なお、本実施例は二層のフォトレジストを例として説明したが、多層のフォトレジストの塗布、低圧乾燥、プレベーキング工程は本実施例と同様であり、夫々は時間間隔を置いて塗布しながら高速で低圧乾燥及びプレベーキング処理を行うことで多層のフォトレジストが形成される。
【0036】
本発明に係るフォトレジスト塗布設備及びフォトレジスト塗布方法は、設備のノズルに多列のフォトレジスト噴出孔を設け、隣接する2列のフォトレジスト噴出孔の間にスペーサで間隔を空ける。フォトレジストを塗布する際に、各列のフォトレジスト噴出孔を順次開放することで、一つのノズルの一回の移動中に同時に多層のフォトレジストの塗布を完成することができ、よって、従来技術における多層のフォトレジスト塗布用の複数のノズルが不要になって、複数のノズルで塗布する際に、ノズルピッチのずれにより各層のフォトレジストの間に気泡が残されることが減少又は回避され、さらに、ドメインマスク露光の不良が減少され、TFT-LCDの品質及び製作能率が向上される。
【0037】
以上、提案されたプロセス方法の実施例は最良な実現方法のみであり、唯一の実現方法ではない。生産ラインの必要によって異なる材料、プロセスパラメータ及び設備で実現することができる。
【0038】
以上は、本発明の具体的な実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲はそれに限定されない。本発明に開示された技術的範囲内において、当業者が容易に想到し得る変更や取替は、いずれも本発明の保護範囲内である。従って、本発明の保護範囲は特許請求の範囲に記載の保護範囲を基準にすべきである。
【符号の説明】
【0039】
1 ステージ
2 ノズル
3 基板
4 スペーサ
5 第1層フォトレジスト
6 第2層フォトレジスト
7 スペーサ
201、202、203 フォトレジスト噴出孔