【実施例】
【0165】
(1-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル-シクロプロパンカルボン酸の調製)
【0166】
【化35】
2-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)アセトニトリル(5.10g、31.7mmol)、1-ブロモ-2-クロロ-エタン(9.00mL、109mmol)、およびベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(0.181g,0.795mmol)の混合物を70℃で加熱し、次いで、50%(wt./wt.)の水性水酸化ナトリウム(26mL)をこの混合物にゆっくりと添加した。この反応物を70℃で24時間撹拌し、次いで、130℃で48時間加熱した。その暗褐色の反応混合物を水(400mL)で希釈し、そして等体積の酢酸エチルで1回、および等体積のジクロロメタンで1回抽出した。この塩基性水溶液を濃塩酸で1未満のpHまで酸性化し、そして沈殿物を濾過し、そして1M塩酸で洗浄した。その固体材料をジクロロメタン(400mL)に溶解し、そして等体積の1M塩酸で2回、および塩化ナトリウムの飽和水溶液で1回抽出した。その有機溶液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてエバポレーションにより乾固させて、白色〜わずかにオフホワイトの固体を得た(5.23g,80%)。ESI-MS m/z計算値206.1、実測値207.1(M+1)
+。保持時間2.37分。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ1.07-1.11(m,2H),1.38-1.42(m,2H),5.98(s,2H),6.79(m,2H),6.88(m,1H),12.26(s,1H)。
【0167】
(1-(2,2-ジフルオロ-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル)-シクロプロパンカルボン酸の調製)
【0168】
【化36】
(工程a: 2,2-ジフルオロ-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-カルボン酸メチルエステル)
5-ブロモ-2,2-ジフルオロ-ベンゾ[1,3]ジオキソール(11.8g,50.0mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)[Pd(PPh
3)
4,5.78g,5.00mmol]の、アセトニトリル(30mL)およびトリエチルアミン(10mL)を含有するメタノール(20mL)中の溶液を、一酸化炭素雰囲気下(55PSI)75℃(油浴温度)で15時間撹拌した。冷却した反応混合物を濾過し、そしてその濾液をエバポレーションにより乾固させた。その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、粗製2,2-ジフルオロ-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-カルボン酸メチルエステル(11.5g)を得、これを次の工程において直接使用した。
【0169】
(工程b: (2,2-ジフルオロ-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル)-メタノール)
20mLの無水テトラヒドロフラン(THF)に溶解した粗製2,2-ジフルオロ-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-カルボン酸メチルエステル(11.5g)を、無水THF(100mL)中の水素化アルミニウムリチウム(4.10g,106mmol)の懸濁物に0℃でゆっくりと添加した。次いで、この混合物を室温まで温めた。室温で1時間撹拌した後に、この反応混合物を0℃まで冷却し、そして水(4.1g)で処理し、続いて水酸化ナトリウム(10%水溶液,4.1mL)で処理した。得られたスラリーを濾過し、そしてTHFで洗浄した。合わせた濾液をエバポレーションにより乾固させ、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、(2,2-ジフルオロ-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル)-メタノール(7.2g,38mmol,2工程にわたって76%)を無色油状物として得た。
【0170】
(工程c: 5-クロロメチル-2,2-ジフルオロ-ベンゾ[1,3]ジオキソール)
塩化チオニル(45g,38mmol)を、ジクロロメタン(200mL)中の(2,2-ジフルオロ-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル)-メタノール(7.2g,38mmol)の溶液に、0℃でゆっくりと添加した。得られた混合物を室温で一晩撹拌し、次いで、エバポレーションにより乾固させた。その残渣を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(100mL)とジクロロメタン(100mL)との間で分配した。分離した水層をジクロロメタン(150mL)で抽出し、そしてその有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そしてエバポレーションにより乾固させて、粗製5-クロロメチル-2,2-ジフルオロ-ベンゾ[1,3]ジオキソール(4.4g)を得、これを次の工程において直接使用した。
【0171】
(工程d: (2,2-ジフルオロ-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル)-アセトニトリル)
粗製5-クロロメチル-2,2-ジフルオロ-ベンゾ[1,3]ジオキソール(4.4g)およびシアン化ナトリウム(1.36g,27.8mmol)の、ジメチルスルホキシド(50mL)中の混合物を、室温で一晩攪拌した。この反応混合物を氷に注ぎ、そして酢酸エチル(300mL)で抽出した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてエバポレーションにより乾固させて、粗製(2,2-ジフルオロ-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル)-アセトニトリル(3.3g)を得、これを次の工程において直接使用した。
【0172】
(工程e: 1-(2,2-ジフルオロ-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル)-シクロプロパンカルボニトリル)
水酸化ナトリウム(50%水溶液,10mL)を、粗製(2,2-ジフルオロ-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル)-アセトニトリル、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(3.00g,15.3mmol)、および1-ブロモ-2-クロロエタン(4.9g,38mmol)の混合物に、70℃でゆっくりと添加した。この混合物を70℃で一晩撹拌し、その後、この反応混合物を水(30mL)で希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてエバポレーションにより乾固させて、粗製1-(2,2-ジフルオロ-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル)-シクロプロパンカルボニトリルを得、これを次の工程において直接使用した。
【0173】
(工程f: 1-(2,2-ジフルオロ-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル)-シクロプロパンカルボン酸)
1-(2,2-ジフルオロ-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル)-シクロプロパンカルボニトリル(直前の工程からの粗製物質)を、10%水性水酸化ナトリウム(50mL)中で2.5時間還流した。冷却した反応混合物をエーテル(100mL)で洗浄し、そしてその水相を2M塩酸でpH2まで酸性化した。沈殿した固体を濾過して、1-(2,2-ジフルオロ-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル)-シクロプロパンカルボン酸を白色固体として得た(0.15g,4工程にわたって1.6%)。ESI-MS m/z計算値242.04、実測値241.58(M+1)
+;
1H NMR(CDCl
3)δ7.14-7.04(m,2H),6.98-6.96(m,1H),1.74-1.64(m,2H),1.26-1.08(m,2H)。
【0174】
以下の表2は、市販されていたかまたは上記方法により調製された、カルボン酸構築ブロックのリストを含む。
【0175】
【表2】
((6-アミノピリジン-3-イル)(2-メトキシフェニル)メタノンの調製)
【0176】
【化37】
(工程a: 6-クロロ-N-メトキシ-N-メチル-ニコチンアミド)
6-クロロ-ニコチン酸(94.5g,0.6mol)のジクロロメタン(1000mL)中の溶液に、N
2雰囲気下-25℃で、N-メチルモルホリン(181.8g,1.8mol)を添加し、続いてクロロギ酸イソブチル(81.9g,0.6mol)を添加した。この混合物を15分間撹拌し、次いで、O,N-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(64.35g,0.66mol)を添加した。この混合物を-25℃で30分間撹拌し、そしてゆっくりと室温まで温めた。この混合物を室温でさらに1時間撹拌し、そしてNaHCO
3の飽和溶液(800mL)を添加した。分離した水層をジクロロメタン(500mL×3)で抽出した。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄した。その溶媒をエバポレートして粗製生成物を得、これをカラムクロマトグラフィーにより精製して、純粋な生成物である6-クロロ-N-メトキシ-N-メチル-ニコチンアミドを白色固体として得た(56g,46.6%)。
【0177】
(工程b: (6-クロロピリジン-3-イル)-(2-メトキシフェニル)-メタノン)
1-ブロモ-2-メトキシ-ベンゼン(49.2g,0.263mol)の乾燥THF(500mL)中の溶液に、n-BuLi(ヘキサン中2.5M,105mL,0.263mol)をN
2雰囲気下-78℃で滴下した。この混合物をこの温度で1時間撹拌し、次いで、6-クロロ-N-メトキシ-N-メチル-ニコチンアミド(50g,0.25mol)のTHF(100mL)中の溶液を滴下した。この反応混合物を室温まで温め、一晩撹拌し、次いで、NH
4Clの飽和溶液(300mL)でクエンチした。分離した水層を酢酸エチル(3×300mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下でエバポレートして粗製生成物を得、これをカラムクロマトグラフィーにより精製して、(6-クロロピリジン-3-イル)-(2-メトキシフェニル)-メタノンを白色固体として得た(31g,47.6%)。
【0178】
(工程c: (6-アミノ-ピリジン-3-イル)-(2-メトキシフェニル)-メタノン)
6-クロロ-ピリジン-3-イル)-(2-メトキシ-フェニル)-メタノン(30g,0.121mol)、のエタノール(150ml)および無水アンモニア(100ml)中の溶液をボンベに入れ、そして145℃で16時間加熱した。その溶媒を減圧中で除去し、そしてその残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、(6-アミノ-ピリジン-3-イル)-(2-メトキシフェニル)-メタノン(18g,65.2%)を得た。
1H NMR(DMSO-d6):δ:8.12(s,1H,),7.68(d,J=8.8Hz,1H),7.47(t,J=7.2,1H),7.21(d,J=7.2,1H),7.13(d,J=7.2,1H),7.03(d,1H),6.96(br,2H),6.44(d,J=8.8,1H),3.69(s,3H)。MS(ESI)m/e(M+H
+)229.27。
【0179】
(5-(2-メトキシベンジル)ピリジン-2-アミンの調製)
【0180】
【化38】
(工程a: (6-アミノピリジン-3-イル)-(2-メトキシフェニル)-メタノール)
(6-アミノ-ピリジン-3-イル)-(2-メトキシ-フェニル)-メタノン(14g,61.4mol)のCH
3OH(150mL)中の溶液に、NaBH
4(3.48g,92.1mmol)を0℃で少しずつ添加した。この添加が完了した後に、この反応物を室温まで温め、そして室温で1時間撹拌した。その溶媒を減圧中で除去し、そして水(100mL)をその残渣に添加した。この混合物をジクロロメタン(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNaHCO
3の飽和溶液ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、そして減圧中で濃縮して、粗製生成物を得、これをさらに精製せずに次の工程において直接使用した。
【0181】
(工程b: 5-(2-メトキシ-ベンジル)-ピリジン-2-イルアミン)
前の工程からの粗製化合物、Et
3SiH(57g,491mmol)およびTFA(112g,982mmol)の、CH
2Cl
2(150mL)中の混合物を室温で一晩攪拌した。過剰なEt
3SiH、TFAおよびCH
2Cl
2を減圧下で除去した。その残渣を水中で撹拌し、その固体沈殿物を濾過し、ジエチルエーテルおよび石油エーテルで洗浄して、5-(2-メトキシ-ベンジル)-ピリジン-2-イルアミンをTFA塩として得た(5g,2工程について24.8%)。
1H NMR(DMSO-d
6):δ13.5(br,1H),7.93(brs,2H),7.75-7.73(m,2H),7.22(t,J=8.0Hz,1H),7.19(d,J=7.2Hz,1H),6.98(d,J=8.0Hz,1H),6.90-6.86(m,2H),3.77(s,2H),3.76(s,3H)。MS(ESI)m/e(M+H
+)215.27。
【0182】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0183】
【化39】
1-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル-シクロプロパンカルボン酸(41mg,0.20mmol)を、窒素下でオーブン乾燥させたフラスコに入れた。塩化チオニル(0.3mL)およびN,N-ジメチルホルムアミド(0.03mL)を添加し、そしてその溶液を室温で10分間撹拌した。過剰な塩化チオニルを減圧下で除去し、そして得られた固体を無水ピリジン(1mL)に懸濁させた。次いで、この溶液を、ピリジン-2-アミン(19mg,0.20mmol)の無水ピリジン(1mL)中の溶液にゆっくりと添加した。得られた混合物を110℃で15時間撹拌した。次いで、粗製生成物を濾過し、エバポレートして乾固させ、N,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解し、そして0.05%トリフルオロ酢酸を含有する水中0%〜99%のアセトニトリルの勾配を利用する逆相分取液体クロマトグラフィーにより精製して、純粋な生成物を得た(5.9mg,0.021mmol,10%)。ESI-MS m/z計算値282.1、実測値283.1(M+1)
+。保持時間2.13分。
【0184】
(1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-メチルピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0185】
【化40】
1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボン酸(2.32g,9.58mmol)を、窒素下でオーブン乾燥させたフラスコに入れた。塩化チオニル(3mL)およびN,N-ジメチルホルムアミド(0.3mL)を添加し、そしてその溶液を室温で30分間撹拌した。過剰な塩化チオニルを減圧下で除去し、そして得られた固体を無水ジクロロメタン(10mL)に懸濁させた。次いで、この溶液を、トリエチルアミン(4.11mL,29.5mmol)を含有する無水ジクロロメタン(10mL)中の5-メチルピリジン-2-アミン(0.798g,7.38mmol)の溶液にゆっくりと添加した。得られた混合物を室温で15時間撹拌した。次いで、粗製生成物を、塩酸の1M水溶液で2回、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液で2回、そして最後に、塩化ナトリウムの飽和水溶液で2回洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、エバポレートしてほぼ乾固させ、次いで、ヘキサン中0%〜30%の酢酸エチルの勾配を利用して120gのシリカゲルで精製して、純粋な生成物を得た(1.20g,3.60mmol,48.7%)。ESI-MS m/z計
算値332.1、実測値333.1(M+1)
+。保持時間1.48分。
【0186】
以下の表3に列挙される化合物を、上に記載された様式と類似の様式で、適切な反応物
質から作製した:
【0187】
【表3-1】
【0188】
【表3-2】
【0189】
【表3-3】
(N-(5-(2-メトキシベンゾイル)ピリジン-2-イル)-1-(4-メトキシフェニル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0190】
【化41】
1-(4-メトキシフェニル)シクロプロパンカルボン酸(19.2mg,0.100mmol)および(6-アミノピリジン-3-イル)(2-メトキシフェニル)メタノン(22.8g,0.100mmol)を、トリエチルアミン(0.042mL,0.300mmol)を含有するN,N-ジメチルホルムアミド(DMF,0.7mL)に溶解した。O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU,38.0mg,0.100mmol)を添加し、そしてその溶液を70℃で72時間撹拌した。次いで、この混合物を、0.05%トリフルオロ酢酸を含有する水中0%〜99%のアセトニトリルの勾配を利用する逆相分取液体クロマトグラフィーにより精製して、純粋な生成物を得た(4.2mg,0.010mmol,10%)。ESI-MS m/z計算値402.2、実測値403.5(M+1)
+。保持時間3.50分。
【0191】
以下の表4に列挙される化合物を、N-(5-(2-メトキシベンゾイル)ピリジン-2-イル)-1-(4-メトキシフェニル)シクロプロパンカルボキサミドの様式と同じ様式で、適切な反応物質から作製した:
【0192】
【表4-1】
【0193】
【表4-2】
【0194】
【表4-3】
(3-(2-(1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)-5-メチルピリジン-4-イル)安息香酸)の調製)
【0195】
【化42】
(工程a: 3-(3-メチルピリジン-4-イル)安息香酸tert-ブチル)
4-クロロ-3-メチルピリジン(2.00g,15.7mmol)、3-(tert-ブトキシカルボニル)フェニルボロン酸(5.42g,24.4mmol)、炭酸カリウムの2M水溶液(31.4mL,62.8mmol)、およびパラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(Pd(PPh
3)
4,0.906g,0.784mmol)を、1,2-ジメトキシエタン(DME,150mL)に懸濁させた。得られた混合物を撹拌し、そして80℃で60時間加熱した。その粗製反応混合物を室温まで冷却し、次いで、層を分離した。その有機層をエバポレートして乾固させ、次いで、ヘキサン中0%〜70%の酢酸エチルの勾配を利用して、120gのシリカゲルで精製して、純粋な生成物を淡黄色油状物として得た(3.02g,11.2mmol,71.4%)。
【0196】
(工程b: 4-(3-(tert-ブトキシカルボニル)フェニル)-3-メチルピリジン1-オキシド)
3-(3-メチルピリジン-4-イル)安息香酸tert-ブチル(0.500g,1.86mmol)を、ジクロロメタン(0.800mL)と30%過酸化水素(0.421mL)との混合物に溶解した。メチルトリオキソレニウム(VII)(2.3mg,0.92mmol)を添加し、そしてこの反応混合物を激しく5時間撹拌した。次いで、層を分離し、そしてその有機層を亜硫酸ナトリウムで処理し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させた。その粗製生成物を濾過し、エバポレートして乾固させ、そしてさらに精製せずに使用した。ESI-MS m/z計算値285.1、実測値286.1(M+1)
+。保持時間1.22分。
【0197】
(工程c: 3-(2-アミノ-5-メチルピリジン-4-イル)安息香酸tert-ブチル)
4-(3-(tert-ブトキシカルボニル)フェニル)-3-メチルピリジン1-オキシド(0.467g,1.64mmol)を、ピリジン(0.53mL)とアセトニトリル(15mL)との混合物に窒素雰囲気下で溶解した。4-メチルベンゼン-1-スルホニルクロリド(0.406g,2.13mmol)を添加し、そしてその反応混合物を75℃で72時間撹拌した。次いで、エタノールアミン(7mL)を添加し、そしてこの反応混合物を室温で5分間撹拌した。この粗製生成物を、ジクロロメタンと重炭酸ナトリウムの飽和水溶液との間で分配した。層を分離し、そしてその有機層を塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで、ヘキサン中0%〜100%の酢酸エチルの勾配を利用して40gのシリカゲルで精製して、純粋な生成物を得た(0.169g,0.594mmol,36.3%)。ESI-MS m/z計算値284.2、実測値285.1(M+1)
+。1.28分の保持時間。
1H NMR(400.0MHz,DMSO-d
6)δ7.94-7.91(m,1H),7.84(s,1H),7.79(d,J=1.7Hz,1H),7.62-7.56(m,2H),6.33(s,1H),5.78(s,2H),1.99(s,3H),1.55(s,9H)。
【0198】
(工程d: 3-(2-(1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)-5-メチルピリジン-4-イル)安息香酸tert-ブチル)
1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボン酸(144mg,0.593mmol)を、窒素下でオーブン乾燥させたフラスコに入れた。塩化チオニル(1mL)およびN,N-ジメチルホルムアミド(0.1mL)を添加し、そしてその溶液を室温で30分間撹拌した。過剰な塩化チオニルを減圧下で除去し、そして得られた固体を2mLの無水ジクロロメタンに懸濁させた。次いで、この溶液を、トリエチルアミン(0.165mL,1.19mmol)を含有する5mLの無水ジクロロメタン中の3-(2-アミノ-5-メチルピリジン-4-イル)安息香酸tert-ブチル(129mg,0.454mmol)の溶液にゆっくりと添加した。得られた混合物を室温で15時間撹拌した。この粗製生成物をエバポレートして乾固させ、次いで、ヘキサン中0%〜40%の酢酸エチルの勾配を利用して12gのシリカゲルで精製して、純粋な生成物を黄色固体として得た(162mg,0.319mmol,70.3%)。ESI-MS m/z計算値508.2,実測値;509.1(M+1)
+保持時間2.22分。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ8.85(s,1H),8.18(s,1H),7.98-7.96(m,1H),7.89(s,1H),7.82(d,J=1.6Hz,1H),7.64-7.62(m,2H),7.57(d,J=1.6Hz,1H),7.42(d,J=8.3Hz,1H),7.34(dd,J=1.7,8.3Hz,1H),2.14(s,3H),1.55(s,9H),1.51-1.49(m,2H)1.19-1.15(m,2H)。
【0199】
(工程e: 3-(2-(1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)-5-メチルピリジン-4-イル)安息香酸)
3-(2-(1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)-5-メチルピリジン-4-イル)安息香酸tert-ブチル(40.mg,0.079mmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解した。トリフルオロ酢酸(0.500mL)を添加し、そしてこの反応混合物を室温で1時間撹拌した。その粗製反応混合物をエバポレートして乾固させて、純粋な生成物を得た。ESI-MS m/z計算値452.1,実測値;453.0(M+1)
+保持時間1.64分。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ1H NMR(400.0MHz,DMSO-d6)d 9.01(s,1H),8.22(s,1H),8.03-8.00(m,1H),7.89(d,J=2.5Hz,2H),7.68-7.64(m,2H),7.58(d,J=1.6Hz,1H),7.43(d,J=8.3Hz,1H),7.35(dd,J=1.7,8.3Hz,1H),2.18(s,3H),1.54-1.51(m,2H),1.21-1.17(m,2H)。
【0200】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(6-(シクロヘキシルメチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0201】
【化43】
(工程a: 1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(6-ブロモピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド)
塩化チオニル(2.5mL,34.7mmol)中の1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボン酸(2.4g,11.6mmol)に、N,N-ジメチルホルムアミド(0.1mL)を添加した。この反応混合物を室温で30分間撹拌し、その後、それをエバポレートして乾固させて、酸塩化物を得た。
【0202】
ピリジン(10mL)中の6-ブロモピリジン-2-アミン(2.0g,11.6mmol)に、この酸塩化物を添加した。この反応物を100℃で12時間加熱した。この反応物をジクロロメタン(30mL)で希釈し、そして1NのNaOH(3×20mL)で洗浄した。その有機物をNa
2SO
4で乾燥させ、そしてエバポレートして乾固させた。その粗製材料をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0%〜50%の酢酸エチルで溶出)により精製して、生成物を得た(2.9g,8.0mmol,70%)。ESI-MS
m/z計算値360.01、実測値361.1(M+1)
+。保持時間3.59分。
【0203】
(工程b: 1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(6-(シクロヘキシルメチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド)
THF(0.8mL,0.4mmol)中0.5Mの(シクロヘキシルメチル)亜鉛(II)ブロミドの溶液に、[1,1’-ビス(ビフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(8mg,0.01mmol)を添加し、そしてこの反応物を窒素下で20分間撹拌した。1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(6-ブロモピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド(36mg,0.1mmol)を添加し、そしてこの反応物に150℃でマイクロ波を10分間照射した。この反応を、飽和塩化アンモニウム溶液(2mL)および飽和エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩溶液(2mL)でクエンチした。この混合物を30分間撹拌し、その後、これをジクロロメタン(3×4mL)で抽出した。その有機物をNa
2SO
4で乾燥させ、そしてエバポレートした。その粗製生成物をDMSO(1mL)に溶解し、そして0.05%トリフルオロ酢酸を含有する水中0%〜99%のアセトニトリルの勾配を利用する逆相分取液体クロマトグラフィーにより精製して、純粋な生成物を得た(20mg,0.05mmol,50%)。ESI-MS m/z計算値378.19、実測値379.1(M+1)
+;保持時間3.55分。
【0204】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(6-イソブチルピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0205】
【化44】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(6-イソブチルピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(6-ブロモピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドおよび塩化イソブチル亜鉛(II)から、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(6-(シクロヘキシルメチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの様式と同じ様式で調製した。
【0206】
(N-(6-(ベンジルアミノ)-5-メチルピリジン-2-イル)-1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0207】
【化45】
(工程a: N-(6-クロロ-5-メチルピリジン-2-イル)-1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)
塩化チオニル(17mL,233mmol)中の1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボン酸(18.8g,78mmol)に、N,N-ジメチルホルムアミド(0.2mL,2.6mmol)を添加した。この反応混合物を室温で2時間撹拌した。過剰な塩化チオニルおよびN,N-ジメチルホルムアミドを減圧中で除去し、そして得られた酸塩化物を次の工程にお家直接使用した。
【0208】
6-クロロ-5-メチルピリジン-2-アミン(11.1g,78mmol)およびトリエチルアミン(22.0mL,156mmol)のジクロロメタン(100mL)中の溶液に、1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボニルクロリド(20.3g,78mmol)のジクロロメタン(50mL)中の溶液を添加した。得られた反応混合物を室温で18時間撹拌した。次いで、この反応混合物を、1N水性NaOH(2×200mL)、1N水性HCl(1×200mL)および飽和水性NaHCO
3(1×200mL)で洗浄した。その有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてエバポレートして、生成物を得た(26.9g,73.3mmol,2工程で94%)。ESI-MS m/z計算値366.06、実測値367.3(M+1)
+。保持時間2.19分。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ9.30(s,1H),7.89-7.87(m,1H),7.78-7.76(m,1H),7.54-7.53(m,1H),7.41-7.39(m,1H),7.33-7.30(m,1H),2.26(s,3H),1.52-1.49(m,2H),1.19-1.16(m,2H)。
【0209】
(工程b. N-(6-(ベンジルアミノ)-5-メチルピリジン-2-イル)-1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)
ベンジルアミン(0.5mL,4.6mmol)に、N-(6-クロロ-5-メチルピリジン-2-イル)-1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド(37mg,0.1mmol)を添加し、そしてこの反応混合物に170℃でマイクロ波を60分間照射した。その粗製生成物を、0.05%トリフルオロ酢酸を含有する水中0%〜99%のアセトニトリルの勾配を利用する逆相分取液体クロマトグラフィーにより精製して、純粋な生成物を得た。ESI-MS m/z計算値437.4、実測値438.3(M+1)
+;保持時間1.83分。
【0210】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(6-(2-メトキシフェニルアミノ)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0211】
【化46】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(6-ブロモピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド(72mg,0.2mmol)、XANTPHOS(7.00mg,0.008mmol)、K
tBuO(31mg,0.28mmol)、(DPPF)
2PdCl
2・CH
2Cl
2(33.00mg,0.24mmol)、および2-メトキシアニリン(30mg,0.24mmol)に、1,4-ジオキサン(0.400mL)およびトリエチルアミン(0.200mL)を添加した。この反応混合物を、マイクロ反応器中150℃で10分間加熱した。得られた材料を室温まで冷却した。その溶媒を減圧下でエバポレートした。得られた混合物をジクロロメタンに溶解し、そしてH
2Oで洗浄した。その有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、そして減圧下でエバポレートした。その粗製生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(6-(2-メトキシフェニルアミノ)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを得、次いで、これをMeOH中のHClで処理して、HCl塩を形成した(2.4mg,0.0055mmol,2.7%)。ESI-MS m/z計算値403.1、実測値404.5(M+1)
+;保持時間3.01分。
【0212】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(6-((2-メトキシフェニル)(メチル)アミノ)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0213】
【化47】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(6-((2-メトキシフェニル)(メチル)アミノ)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(6-(2-メトキシフェニルアミノ)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの手順を使用して、2-メトキシ-N-メチルアニリンを1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(6-ブロモピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドと反応させることにより、合成した。
【0214】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-ベンゾイルピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0215】
【化48】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-シアノピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド(61.00mg,0.20mmol)のTHF(1mL)中の溶液に、0℃で、エーテル中のフェニルマグネシウムブロミド(133μL,3M,0.40mmol)の溶液をゆっくりと添加し、そしてこの反応混合物を室温まで温め、そして室温で80時間撹拌した。塩酸(1M)をこの反応物質に添加した。その生成物を、酢酸エチルを使用して抽出した。その有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、そして減圧下でエバポレートした。その粗製生成物をDMSO(1mL)に溶解し、濾過し、そして逆相分取HPLCにより精製して、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-ベンゾイルピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドをTFA塩として得た(18mg,0.035mmol,18%)。ESI-MS m/z計算値386.1、実測値387.1(M+1)
+;保持時間3.45分。
【0216】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(6-(4-メトキシベンジル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0217】
【化49】
(DPPF)
2PdCl
2・CH
2Cl
2(17mg,0.02mmol)に、THF中の(4-メトキシベンジル)亜鉛(II)クロリド(1.60mL,0.5M,0.80mmol)の溶液を、窒素雰囲気下で添加し、そして室温で5分間撹拌した。これに、THF(800μL)中の1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(6-ブロモピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド(72mg,0.20mmol)の溶液を窒素雰囲気下でゆっくりと添加した。この反応物をマイクロ反応器中150℃で10分間加熱した。得られた材料を室温まで冷却した。Na
2EDTAおよび飽和水性NH
4Clをこの反応物質に添加し、そして室温で30分間撹拌した。その生成物を、ジクロロメタンを使用して抽出した。その有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、そして減圧下でエバポレートした。その粗製生成物をDMSO(1mL)に溶解し、濾過し、そして逆相分取HPLCにより精製して、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(6-(4-メトキシベンジル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドをTFA塩として得た(27mg,0.052mmol,26%)。ESI-MS m/z計算値402.2、実測値403.0(M+1)
+;保持時間3.24分。
【0218】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(6-(2-クロロベンジル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0219】
【化50】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(6-(2-クロロベンジル)ピリジン-2-イル)
シクロプロパンカルボキサミドを、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(6-(4-メトキシベンジル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの手順を使用して、(2-クロロベンジル)亜鉛(II)クロリドを1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(6-ブロモピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドと反応させることにより、合成した。
【0220】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(6-(2-メチルベンジル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0221】
【化51】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(6-(2-メチルベンジル)ピリジン-2-イル)
シクロプロパンカルボキサミド(VRT-810361)を、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(6-(4-メトキシベンジル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの手順を使用して、(2-メチルベンジル)亜鉛(II)クロリドを1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(6-ブロモピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドと反応させることにより、合成した。
【0222】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-ベンジルピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0223】
【化52】
(工程a: 1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-ブロモピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド)
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボン酸(9.50g,46.00mmol)に、塩化チオニル(10.00mL,138.00mmol)およびDMF(4滴)を添加し、そしてこの反応混合物を撹拌し、そして60℃で30分間加熱した。過剰な塩化チオニルを減圧下でエバポレートした。その酸塩化物の一部(14.4mmol)をピリジン(10mL)に溶解し、そしてピリジン(10mL)中の5-ブロモピリジン-2-アミン(14.4mmol)にゆっくりと添加した。この反応混合物を110℃で1時間30分撹拌した。ピリジンを減圧下でエバポレートした。得られた混合物をジクロロメタン(100mL)に溶解し、そして1NのNaOH(3×25mL)で洗浄した。その有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、そして減圧下でエバポレートした。その粗製生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-ブロモピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを得た(4.20g,11.7mmol,81%)
。
【0224】
(工程b: 1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-ベンジルピリジン-2-イル)
シクロプロパンカルボキサミド)
THF中のベンジル亜鉛(II)ブロミド(1.60mL,0.5M,0.8mmol)の溶液および(DPPF)
2PdCl
2・CH
2Cl
2(17mg,0.02mmol)を、室温で20分間、窒素雰囲気下で撹拌した。これに、THF(800μL)中の1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-ブロモピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド(72mg,0.20mmol)の溶液を添加し、そしてこの反応混合物をマイクロ反応器中150℃で10分間加熱した。得られた材料を室温まで冷却した。Na
2EDTAおよび飽和水性NH
4Clをこの反応物質に添加し、そして室温で20分間撹拌した。その生成物を、ジクロロメタンを使用して抽出した。その有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、そして減圧下でエバポレートした。その粗製生成物をDMSO(1mL)に溶解し、濾過し、そして逆相分取HPLCにより精製して、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-ベンジルピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドをTFA塩として得た(15mg,0.031mmol,15%)。ESI-MS m/z計算値372.1、実測値373.1(M+1)
+;保持時間7.14分。
【0225】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-(2,6-ジクロロベンジル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0226】
【化53】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-(2,6-ジクロロベンジル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-ベンジルピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの手順を使用して、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-ブロモピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを(2,6-ジクロロベンジル)亜鉛(II)クロリドと反応させることにより、合成した。
【0227】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-(シクロヘキシルメチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0228】
【化54】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-(シクロヘキシルメチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-ベンジルピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの手順を使用して、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-ブロモピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを(シクロヘキシルメチル)亜鉛(II)ブロミドと反応させることにより、合成した。
【0229】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-イソブチルピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0230】
【化55】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-イソブチルピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-ベンジルピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの手順を使用して、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-ブロモピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドをイソブチル亜鉛(II)ブロミドと反応させることにより、合成した。
【0231】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-(4-メトキシベンジル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0232】
【化56】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-(4-メトキシベンジル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-ベンジルピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの手順を使用して、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-ブロモピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを(4-メトキシベンジル)亜鉛(II)クロリドと反応させることにより、合成した。
【0233】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-(2-クロロベンジル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0234】
【化57】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-(2-クロロベンジル)ピリジン-2-イル)
シクロプロパンカルボキサミドを、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-ベンジルピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの手順を使用して、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-ブロモピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを(2-クロロベンジル)亜鉛(II)クロリドと反応させることにより、合成した。
【0235】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-(2-メトキシフェニルアミノ)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0236】
【化58】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-ヨードピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド(816mg,0.200mmol)を、炭酸セシウム(91.2mg,0.0280mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(1.8mg,0.0020mmol)、2-メトキシアニリン(0.027mL,0.24mmol)、および(9,9-ジメチル-9H-キサンテン-4,5-ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)(XANTPHOS,2.3mg,0.0040mmol)を含有する1,4-ジオキサン(0.4mL)およびトリエチルアミン(0.2mL)に懸濁させた。この反応混合物を100℃で15時間加熱した。次いで、粗製生成物を濾過し、エバポレートして乾固させ、N,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解し、そして0.05%トリフルオロ酢酸を含有する水中0%〜99%のアセトニトリルの勾配を利用する逆相分取液体クロマトグラフィーにより精製して、純粋な生成物を得た(2.6mg,0.0049,2.4%)。ESI-MS m/z計算値403.2、実測値404.5(M+1)
+。保持時間2.73分。
【0237】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-(ヒドロキシ(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0238】
【化59】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-(2-メトキシベンゾイル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド(0.50g,1.2mmol)を25mLのメタノールに懸濁させた。水素化ホウ素ナトリウム(0.454g,12.0mmol)を少しずつ添加した。1時間攪拌した後に、この反応混合物をエバポレートして乾固させ、そしてヘキサン中15%〜70%の酢酸エチルの勾配を利用して40gのシリカゲルで精製して、純粋な生成物を白色固体として得た(0.2125g,0.5078mmol,42%)。ESI-MS m/z計算値418.6、実測値419.3(M+1)+。保持時間2.59分。
【0239】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((3-ヒドロキシプロポキシ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0240】
【化60】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-(ヒドロキシ(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド(41.8mg,0.100mmol)を、4-メチルベンゼンスルホン酸水和物(pTsOH,23.8mg,0.125mmol)およびプロパン-1,3-ジオール(9.89mg,0.130mmol)を含有する2mLのトルエンに懸濁させた。次いで、この反応混合物をマイクロ反応器中140℃で5分間加熱した。次いで、粗製生成物を濾過し、エバポレートして乾固させ、N,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解し、そして0.05%トリフルオロ酢酸を含有する水中0%〜99%のアセトニトリルの勾配を利用する逆相分取液体クロマトグラフィーにより精製して、純粋な生成物を得た(26.5mg,0.0556mmol,55.6%)。ESI-MS m/z計算値476.5、
実測値477.3(M+1)
+。保持時間2.71分。
【0241】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((2-(ジメチルアミノ)エトキシ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0242】
【化61】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((2-(ジメチルアミノ)エトキシ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-(ヒドロキシ(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドおよび2-(ジメチルアミノ)エタノールから、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((3-ヒドロキシプロポキシ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの様式と同じ様式で調製した。
【0243】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((2-メトキシフェニル)(2-(ピペリジン-1-イル)エトキシ)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0244】
【化62】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((2-メトキシフェニル)(2-(ピペリジン-1-イル)エトキシ)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-(ヒドロキシ(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドおよび2-(ピペリジン-1-イル)エタノールから、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((3-ヒドロキシプロポキシ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの様式と同じ様式で調製した。
【0245】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((2-メトキシフェニル)(プロポキシ)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0246】
【化63】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((2-メトキシフェニル)(プロポキシ)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-(ヒドロキシ(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドおよびプロパン-1-オールから、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((3-ヒドロキシプロポキシ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの様式と同じ様式で調製した。
【0247】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((2-(ジイソプロピルアミノ)エトキシ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0248】
【化64】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((2-(ジイソプロピルアミノ)エトキシ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-(ヒドロキシ(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドおよび2-(ジイソプロピルアミノ)エタノールから、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((3-ヒドロキシプロポキシ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの様式と同じ様式で調製した。
【0249】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((2-メトキシフェニル)(2-モルホリノエトキシ)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0250】
【化65】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((2-メトキシフェニル)(2-モルホリノエトキシ)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-(ヒドロキシ(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドおよび2-モルホリノエタノールから、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((3-ヒドロキシプロポキシ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの様式と同じ様式で調製した。
【0251】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((2-ヒドロキシエトキシ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0252】
【化66】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((2-ヒドロキシエトキシ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-(ヒドロキシ(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドおよびエタン-1,2-ジオールから、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((3-ヒドロキシプロポキシ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの様式と同じ様式で調製した。
【0253】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((ジメチルアミノ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0254】
【化67】
(工程a: メタンスルホン酸(6-(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)ピリジン-3-イル)(2-メトキシフェニル)メチル)
メタンスルホニルクロリド(56μl,0.72mmol)を、1-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル-シクロプロパンカルボン酸{5-[ヒドロキシ-(2-メトキシ-フェニル)-メチル]-ピリジン-2-イル}-アミド(50mg,0.12mmol)およびDIEA(24μl,0.14mmol)のジクロロメタン(2ml)中の混合物に、0℃でゆっくりと添加した。この反応混合物を周囲温度で3時間撹拌した。溶媒をエバポレートし、そしてその残渣をさらに精製せずに次の工程のために使用した。
【0255】
(工程b: 1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((ジメチルアミノ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド)
(メタンスルホン酸6-(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)ピリジン-3-イル)(2-メトキシフェニル)メチル(0.12mmol)をNMP(2ml)に溶解し、続いてTHF(600μl,0.12mmol)中2Mのジメチルアミンの溶液およびDIEA(21μl,0.12mmol)を添加した。この反応混合物を周囲温度で16時間維持した。得られた混合物をHPLC精製に供して、目標物質のトリフルオロ酢酸塩(55mg,82%)を無色固体として得た。
1H-NMR(DMSO):δ8.43(s,1H),δ8.40(d,J=2Hz,1H),δ8.06(d,J=8.7Hz,1H),δ7.96(dd,J=2Hz,J=8.7Hz,1H),δ7.56(bd,J=6.5Hz,1H),δ7.39(bt,J=6.5Hz,1H),δ7.05-7.11(m,3H),δ6.96(s,2H),δ6.05(s,2H),δ5.68(bm,1H),δ3.85(s,3H),δ2.75(s,6H),δ1.42-1.45(m,2H),δ1.13-1.16(m,2H)。
【0256】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((2-メトキシフェニル)(メチルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0257】
【化68】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((2-メトキシフェニル)(メチルアミノ)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを、メタンスルホン酸(6-(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)ピリジン-3-イル)(2-メトキシフェニル)メチルおよびメチルアミンから、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((ジメチルアミノ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの様式と同じ様式で調製した。
【0258】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((エチル(メチル)アミノ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0259】
【化69】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((エチル(メチル)アミノ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを、メタンスルホン酸(6-(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)ピリジン-3-イル)(2-メトキシフェニル)メチルおよびN-メチルエタンアミンから、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((ジメチルアミノ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの様式と同じ様式で調製した。
【0260】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((2-メトキシフェニル)(ピロリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0261】
【化70】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((2-メトキシフェニル)(ピロリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを、メタンスルホン酸(6-(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)ピリジン-3-イル)(2-メトキシフェニル)メチルおよびピロリジンから、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((ジメチルアミノ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの様式と同じ様式で調製した。
【0262】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((ジエチルアミノ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0263】
【化71】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((ジエチルアミノ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを、メタンスルホン酸(6-(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)ピリジン-3-イル)(2-メトキシフェニル)メチルおよびジエチルアミンから、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((ジメチルアミノ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの様式と同じ様式で調製した。
【0264】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((2-メトキシフェニル)(ピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0265】
【化72】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((2-メトキシフェニル)(ピペリジン-1-イル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを、メタンスルホン酸(6-(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)ピリジン-3-イル)(2-メトキシフェニル)メチルおよびピペリジンから、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((ジメチルアミノ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの様式と同じ様式で調製した。
【0266】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0267】
【化73】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-(((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを、メタンスルホン酸(6-(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)ピリジン-3-イル)(2-メトキシフェニル)メチルおよび(R)-3-ヒドロキシピロリジンから、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((ジメチルアミノ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの様式と同じ様式で調製した。
【0268】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((2-メトキシフェニル)(モルホリノ)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0269】
【化74】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((2-メトキシフェニル)(モルホリノ)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを、メタンスルホン酸(6-(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)ピリジン-3-イル)(2-メトキシフェニル)メチルおよびモルホリンから、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((ジメチルアミノ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの様式と同じ様式で調製した。
【0270】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0271】
【化75】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを、メタンスルホン酸(6-(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)ピリジン-3-イル)(2-メトキシフェニル)メチルおよび4-ヒドロキシピペリジンから、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((ジメチルアミノ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの様式と同じ様式で調製した。
【0272】
(1-((6-(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)ピリジン-3-イル)(2-メトキシフェニル)メチル)ピロリジン-2-カルボキサミドの調製)
【0273】
【化76】
1-((6-(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)ピリジン-3-イル)(2-メトキシフェニル)メチル)ピロリジン-2-カルボキサミドを、メタンスルホン酸(6-(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)ピリジン-3-イル)(2-メトキシフェニル)メチルおよびピロリジン-2-カルボキサミドから、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((ジメチルアミノ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの様式と同じ様式で調製した。
【0274】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-(((S)-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-イル)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0275】
【化77】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-(((S)-2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-イル)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを、メタンスルホン酸(6-(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)ピリジン-3-イル)(2-メトキシフェニル)メチルおよびピペリジンから、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((ジメチルアミノ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの様式と同じ様式で調製した。
【0276】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((2,6-ジメチルモルホリノ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0277】
【化78】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((2,6-ジメチルモルホリノ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを、メタンスルホン酸(6-(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)ピリジン-3-イル)(2-メトキシフェニル)メチルおよび2,6-ジメチルモルホリンから、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((ジメチルアミノ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの様式と同じ様式で調製した。
【0278】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-イル)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0279】
【化79】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((2-(メトキシメチル)ピロリジン-1-イル)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを、メタンスルホン酸(6-(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)ピリジン-3-イル)(2-メトキシフェニル)メチルおよび2-(メトキシメチル)ピロリジンから、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((ジメチルアミノ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの様式と同じ様式で調製した。
【0280】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0281】
【化80】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを、メタンスルホン酸(6-(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)ピリジン-3-イル)(2-メトキシフェニル)メチルおよび2-(ピペラジン-1-イル)エタノールから、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((ジメチルアミノ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの様式と同じ様式で調製した。
【0282】
(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((4-(2-メトキシエチル)ピペラジン-1-イル)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製)
【0283】
【化81】
1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドを、メタンスルホン酸(6-(1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)シクロプロパンカルボキサミド)ピリジン-3-イル)(2-メトキシフェニル)メチルおよび1-(2-メトキシエチル)ピペラジンから、1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(5-((ジメチルアミノ)(2-メトキシフェニル)メチル)ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミドの様式と同じ様式で調製した。
【0284】
上記実施例により調製された本発明の化合物の特徴的データを、以下に記載する。
【0285】
【表5-1】
【0286】
【表5-2】
【0287】
【表5-3】
(化合物のΔF508-CFTR補正特性を検出および測定するためのアッセイ)
(化合物のΔF508-CFTR調節特性をアッセイするための膜電位光学方法)
このアッセイは、蛍光プレートリーダー(例えば、FLIPR III,Molecular Devices,Inc.)をNIH 3T3細胞における機能的ΔF508-CFTRの増加についての読み出しとして使用して、膜電位の変化を測定するために蛍光電圧感知色素を利用する。この応答の駆動力は、細胞が事前に化合物で処理され、引き続いて電圧感知色素を負荷された後の、1回の液体添加工程によるチャネル活性化と関連する塩化物イオン勾配の作製である。
【0288】
(補正化合物の同定)
F508-CFTRに関連する輸送欠損を補正する低分子を同定するために、単一付加HTSアッセイ形式を開発した。細胞を含むアッセイプレートを、組織培養インキュベーター内で、37℃、5%CO
2、90%湿度で約2時間〜4時間インキュベートする。次いで、細胞は、これらのアッセイプレートの底部に接着した後に、化合物曝露の準備ができる。
【0289】
細胞を、37℃、5%CO
2、90%湿度で、試験化合物の存在下または非存在下(ネガティブコントロール)で、組織培養インキュベーター内で無血清培地中で16時間〜24時間インキュベートした。引き続いて、これらの細胞をKrebs Ringers溶液で3回すすぎ、そして電圧感知再分布色素を負荷した。ΔF508-CFTRを活性化させるために、10μMのフォルスコリンおよびCFTR増強剤であるゲニステイン(20μM)を、Cl
-を含まない培地と一緒に各ウェルに添加した。Cl
-を含まない培地の添加は、ΔF508-CFTR活性化に応答するCl
-流出を促し、そして生じる膜脱分極を、電圧センサ色素を使用して光学的に監視した。
【0290】
(増強剤化合物の同定)
ΔF508-CFTRの増強剤を同定するために、二重添加HTSアッセイ形式を開発した。このHTSアッセイは、蛍光電位感知色素を利用して、温度補正したΔF508 CFTR NIH 3T3細胞におけるΔF508 CFTRの開口(コンダクタンス)の増加の尺度として、FLIPR III上の膜電位の変化を測定する。この応答のための駆動力は、細胞が事前に増強剤化合物(またはDMSOビヒクルコントロール)で処理され、引き続いて再分布色素を負荷された後の、FLIPR IIIなどの蛍光プレートリーダーを用いる1回の液体添加工程におけるフォルスコリンでのチャネル活性化と関連するCl
-イオン勾配である。
【0291】
溶液:
浴溶液#1:(mMで)NaCl 160、KCl 4.5、CaCl
2 2、MgCl
2 1、HEPES 10、NaOHを用いてpH7.4。
【0292】
塩化物を含まない浴溶液:浴溶液#1中の塩化物塩をグルコン酸塩で置き換える。
【0293】
(細胞培養)
ΔF508-CFTRを安定して発現するNIH3T3マウス線維芽細胞を、膜電位の光学測定のために使用する。2mMグルタミン、10%ウシ胎仔血清、1×NEAA、β-ME、1×pen/strep、および25mM HEPESを補充したダルベッコ改変イーグル培地中で、175cm
2の培養フラスコ中で5% CO
2および90%の湿度で37℃に維持する。全ての光学アッセイについて、これらの細胞を約20,000/ウェルで、384ウェルのマトリゲルコーティングされたプレートに播種し、そして37℃で2時間培養し、その後、増強剤アッセイのために27℃で24時間培養した。補正アッセイのために、これらの細胞を、27℃または37℃で、化合物ありまたはなしで16時間〜24時間培養した。
【0294】
(化合物のΔF508-CFTR変調特性をアッセイするための電気生理学的アッセイ)
(1.Ussingチャンバアッセイ)
Ussingチャンバ実験を、ΔF508-CFTRを発現する分極気道上皮細胞に対して実施して、光学アッセイにおいて同定されたΔF508-CFTRモジュレーターをさらに特徴付けた。非CF気道上皮およびCF気道上皮を気管支組織から単離し、以前に記載されたように培養し(Galietta,L.J.V.,Lantero,S.,Gazzolo,A.,Sacco,O.,Romano,L.,Rossi,G.A.,およびZegarra-Moran,O.(1998)In Vitro Cell.Dev.Biol.34,478-481)、そしてNIH3T3順化培地で予めコーティングしたCostar(登録商標)Snapwell
TMフィルタにプレートした。4日後、先端部の培地を除去し、そして細胞を、空気と液体との界面で使用前に14日間より長く培養した。これにより、完全に分化した柱細胞の単層が生じ、これらは、線毛を有し、このことは、気道上皮に特徴的な特徴である。非CF HBEを、いかなる既知の肺疾患も有さない非喫煙者から単離した。CF-HBEを、ΔF508-CFTRについて均質化した患者から単離した。
【0295】
Costar(登録商標)Snapwell
TM細胞培養インサート上で増殖させたHBEをUssingチャンバ(Physiologic Instruments,Inc.,San Diego,CA)内に設置し、そして先端に対する基底外側のCl
-勾配の存在下での経上皮抵抗および短絡電流(I
SC)を、電圧クランプシステム(Department of Bioengineering,University of Iowa,IA)を使用して測定した。手短に言えば、HBEを電圧クランプ記録条件下(V
hold=0mV)37℃で試験した。基底外側溶液は、(mMで)145 NaCl、0.83 K
2HPO
4、3.3 KH
2PO
4、1.2 MgCl
2、1.2 CaCl
2、10グルコース、10 HEPES(NaOHでpHを7.35に調整した)を含有し、そして先端溶液は、(mMで)145 グルコン酸Na、1.2 MgCl
2、1.2 CaCl
2、10グルコース、10 HEPES(NaOHでpHを7.35に調整した)を含有した。
【0296】
(補正化合物の同定)
代表的なプロトコルは、先端膜に対する基底外側のCl
-濃度勾配を利用した。この勾配を設定するために、通常のリンゲル液を基底外側膜に対して使用し、一方で、先端NaClを等モル量のグルコン酸ナトリウム(NaOHでpH7.4であることを滴定した)で置き換えて、上皮を横切る大きいCl
-濃度勾配を与えた。全ての実験を、インタクトな単層を用いて実施した。ΔF508-CFTRを完全に活性化させるために、フォルスコリン(10μM)、PDEインヒビターであるIBMX(100μM)およびCFTR増強剤であるゲニステイン(50μM)を先端側に添加した。
【0297】
他の細胞型において観察されたように、FRT細胞およびヒト気管支上皮細胞(ΔF508-CFTRを発現する疾患CF患者(CF-HBE)から単離された)の低温でのインキュベーションは、原形質膜におけるCFTRの機能的密度を増加させる。補正化合物の活性を決定するために、これらの細胞を、試験化合物と一緒に37℃で24時間〜48時間インキュベートし、引き続いて、3回洗浄し、その後、記録した。化合物で処理された細胞のcAMP媒介I
SCおよびゲニステイン媒介I
SCを37℃コントロールに対して標準化し、そしてwt-HBEにおけるCFTR活性の百分率活性として表した。細胞を補正化合物と一緒に予備インキュベートすることにより、cAMP媒介I
SCおよびゲニステイン媒介I
SCは、37℃コントロールと比較して有意に増加した。
【0298】
(増強剤化合物の同定)
代表的なプロトコルは、先端膜に対する基底外側のCl
-濃度勾配を利用した。この勾配を設定するために、通常のリンゲル液を基底外側膜に対して使用し、一方で、先端NaClを等モル量のグルコン酸ナトリウム(NaOHでpH7.4であることを滴定した)で置き換えて、上皮を横切る大きいCl
-濃度勾配を与えた。フォルスコリン(10μM)および全ての試験化合物を、細胞培養インサートの先端側に添加した。推定ΔF508-CFTR増強剤の効力を、既知の
増強剤であるゲニステインの効力と比較した。
【0299】
(2.パッチ-クランプ記録)
ΔF508-NIH3T3細胞における総Cl
-電流を、以前に記載されたような穿孔パッチ記録構成(Rae,J.,Cooper,K.,Gates,P.,およびWatsky,M.(1991)J.Neurosci.Methods 37,15-26)を使用して監視した。電圧-クランプ記録を、22℃で、Axopatch 200Bパッチ-クランプ増幅器(Axon Instruments Inc.,Foster City,CA)を使用して実施した。ピペット溶液は、(mMで)150 N-メチル-d-グルカミン(NMDG)-Cl、2 MgCl
2、2 CaCl
2、10 EGTA、10 HEPES、および240μg/mlアンホテリシン-B(HClでpHを7.35に調整した)を含有した。細胞外培地は、(mMで)150 NMDG-Cl、2 MgCl
2、2 CaCl
2、10 HEPES(HClでpHを7.35に調整した)を含有した。パルス発生、データ獲得、および分析を、Digidata 1320 A/DインターフェースをClampex 8(Axon Instruments Inc.)と組み合わせて備えるPCを使用して実施した。ΔF508-CFTRを活性化させるために、10μMのフォルスコリンおよび20μMのゲニステインを浴に添加し、そして電流-電圧の関係を30秒ごとに監視した。
【0300】
(補正化合物の同定)
原形質膜における機能的ΔF508-CFTRの密度を増加させる、補正化合物の活性を決定するために、本発明者らは、上記穿孔パッチ記録技術を使用して、補正化合物での処理の24時間後の電流密度を測定した。ΔF508-CFTRを完全に活性化させるために、10μMのフォルスコリンおよび20μMのゲニステインを細胞に添加した。本発明者らの記録条件下で、27℃で24時間のインキュベーション後の電流密度は、37℃で24時間のインキュベーション後に観察された電流密度より高かった。これらの結果は、原形質膜におけるΔF508-CFTRの密度に対する低温インキュベーションの公知の効果と一致する。CFTR電流密度に対する補正化合物の影響を決定するために、これらの細胞を、10μMの試験化合物と一緒に、37℃で24時間インキュベートし、そしてその電流密度を、27℃および37℃のコントロールと比較した(%活性)。記録前に、これらの細胞を細胞外記録培地で3回洗浄して、あらゆる残留試験化合物を除去した。10μMの補正化合物とのプレインキュベーションは、cAMP依存性電流およびゲニステイン依存性電流を、37℃のコントロールと比較して有意に増加させた。
【0301】
(増強剤化合物の同定)
ΔF508-CFTRを安定に発現するNIH3T3細胞においてΔF508-CFTR増強剤が巨視的ΔF508-CFTR Cl
-電流(I
ΔF508)を増加させる能力もまた、穿孔パッチ記録技術を使用して調査した。光学アッセイから同定した増強剤は、I
ΔF508の用量依存性増加を惹起し、類似の潜在力および効力が、光学アッセイにおいて観察された。試験した細胞全てにおいて、増強剤適用前および適用中の逆転電位は、およそ-30mVであり、これは、計算されたE
Cl(-28mV)である。
【0302】
(細胞培養)
ΔF508-CFTRを安定して発現するNIH3T3マウス線維芽細胞を、全細胞記録のために使用する。2mMグルタミン、10%ウシ胎仔血清、1×NEAA、β-ME、1×pen/strep、および25mM HEPESを補充したダルベッコ改変イーグル培地中で、175cm
2の培養フラスコ中で5% CO
2および90%の湿度で37℃に維持する。全細胞記録のために、2,500個〜5,000個の細胞をポリ-L-リジンコーティングガラスカバースリップ上に播種し、そして増強剤の活性を試験するために使用する前に27℃で24時間〜48時間培養し;そして補正化合物ありまたはなしで、補正因子の活性を測定するために37℃でインキュベートした。
【0303】
(3.単一チャネル記録)
NIH3T3細胞において発現された、wt-CFTRおよび温度補正されたΔF508-CFTRの開口活性を、以前に記載されたような切除された内外反転(inside-out)膜パッチ記録(Dalemans,W.,Barbry,P.,Champigny,G.,Jallat,S.,Dott,K.,Dreyer,D.,Crystal,R.G.,Pavirani,A.,Lecocq,J-P.,Lazdunski,M.(1991)Nature 354,526-528)を使用して、Axopatch 200Bパッチ-クランプ増幅器(Axon Instruments Inc.)を使用して観察した。ピペットは、(mMで):150 NMDG、150アスパラギン酸、5 CaCl
2、2 MgCl
2、および10 HEPES(Tris塩基でpHを7.35に調整した)を含有した。浴は、(mMで):150 NMDG-Cl、2 MgCl
2、5 EGTA、10 TES、および14 Tris塩基(HClでpHを7.35に調整した)を含有した。切除後、wt-CFTRとΔF508-CFTRとの両方を、1mMのMg-ATP、75nMのcAMP依存性プロテインキナーゼ(PKA;Promega Corp.Madison,WI)の触媒サブユニット、および10mMのNaFを添加することにより活性化させて、タンパク質ホスファターゼを阻害し、これは、電流低下を防止した。ピペット電位を80mVに維持した。チャネル活性を、2個以下の活性チャネルを含む膜パッチから分析した。同時の開口の最大数が、実験経過中の活性チャネルの数を決定した。単一チャネル電流振幅を決定するために、ΔF508-CFTR活性の120秒から記録されたデータを100Hzで「オフラインで」フィルタリングし、次いで、全点振幅ヒストグラムを構築するために使用し、これらのヒストグラムを、Bio-Patch Analysisソフトウェア(Bio-Logic Comp.France)を使用して、マルチガウス関数に当てはめた。全微視的電流および開口可能性(P
o)を、チャネル活性の120秒から決定した。P
oを、Bio-Patchソフトウェアを使用して、または関係P
o=I/i(N)(ここでI=平均電流、i=単一チャネル電流振幅、およびN=パッチ内の活性チャネルの数)から決定した。
【0304】
(細胞培養)
ΔF508-CFTRを安定して発現するNIH3T3マウス線維芽細胞を、切除した膜のパッチ-クランプ記録のために使用する。これらの細胞を、2mMグルタミン、10%ウシ胎仔血清、1×NEAA、β-ME、1×pen/strep、および25mM HEPESを補充したダルベッコ改変イーグル培地中で、175cm
2の培養フラスコ中で5% CO
2および90%の湿度で37℃に維持する。単一チャネル記録のために、2,500個〜5,000個の細胞をポリ-L-リジンコーティングガラスカバースリップ上に播種し、そして使用する前に27℃で24時間〜48時間培養した。
【0305】
表1の化合物は、上記アッセイにおいて測定される場合に、補正活性を示すことが見出された。
【0306】
本発明の化合物は、ATP結合カセットトランスポーターのモジュレーターとして有用である。上記手順を使用して、本発明の化合物の活性(すなわち、EC50)を測定し、そして表6に示す。
【0307】
【表6-1】
【0308】
【表6-2】
【0309】
【表6-3】
【0310】
【表6-4】