【実施例】
【0019】
図1は、本発明の実施例に係る通信システムの構成を示す図である。同図において、通信システム10は、1台または複数台の情報端末20a〜20cと、情報端末20a〜20cの何れかにブルートゥース規格による近距離無線通信(以下、ブルートゥース接続40という)により接続される車載器30とを含んで構成される。ここでは、情報端末20は、通信機能を備えた多機能型のスマートフォンあるいは携帯電話である。車載器30は、ナビゲーション機能やマルチメディア機能を備える。車載器30のナビゲーション機能は、本発明に関連してその機能の一部として、インターネット上のサービスに接続して、そのサーバから自車位置近隣の施設情報、渋滞情報、ルート情報その他の運転支援情報を取得し、ディスプレイ上に表示構成する。
【0020】
車載器30は、ブルートゥース規格に係る1または複数の任意の接続プロファイルを持ち得るが、前記ナビゲーション機能を実現するために、少なくともDUNプロファイルを備えている。一方、情報端末20も同様に複数の任意の接続プロファイルを持ち得る。ここでは、1台目の情報端末20aはDUNプロファイルを備えておらず、他の情報端末20b、20cはそのプロファイルを備えているものとする。すなわち、車載器30のナビゲーション機能を利用する際に、情報端末20bおよび20cは、インターネットへの接続のハブと成り得るが、情報端末20aはそのハブとしては機能しないものとする。これらの通信機器20、30は、他のプロファイル、例えば、ハンズフリー通話において音声データを同期型パケットで通信を制御するHFPプロファイル、モノラルまたはステレオのオーディオ信号を高品質で非同期データ転送を制御するA2DPプロファイルを持つことができる。従って、情報端末20が車内に持ち込まれたとき、これらと車載器30とは、任意の接続プロファイルによるブルートゥース接続40によりペアリング可能となる。なお、情報端末20および車載器30は、他のデータ交換通信手段、例えばUSB(Universal Serial Bus)による有線接続、Wi-Fi(Wireless Fidelity)による無線LAN接続などを備えるものであって良い。
【0021】
図2は、情報端末の典型的な構成を示すブロック図である。情報端末20は、ユーザからの入力を受け取る入力部100、ブルートゥース接続40により車載器30との接続を実現する通信接続部110、ディスプレイに種々の画像や情報を表示する表示部120、音声を出力する音声出力部130、外部のネットワークとのデータ通信、および公衆無線回線網を介しての電話機との通話やインターネットへの接続等を可能にする通信部140、制御部150、情報端末20が保有するアプリケーション、プログラム等を格納するプログラムメモリ160、オーディオデータ、ビデオデータ、地図データなどを記憶するデータメモリ170、各部を接続するバス180とを備えている。
【0022】
プログラムメモリ160には、種々のアプリケーションやプログラムが格納される。例えば、オーディオデータやビデオデータを再生するアプリケーション、ゲームを実行するアプリケーション、音声通話を行うためのプログラム、通信部140を介してインターネット上の情報をブラウズするためのプログラムなどが格納される。さらにプログラムメモリ160には、情報端末20と車載器30とがブルートゥース接続40を介して接続されているとき、車載器30から送信されたコマンド信号を解読し、当該コマンド信号によりアプリケーションを実行する拡張プログラムが含まれる。
【0023】
データメモリ170には、その情報端末が対応するブルートゥースの1または複数のサービスプロファイルが格納される。情報端末20と車載器30は、それらが共通して持っているプロファイルによりペアリング可能である。前述のように情報端末20b、20cは、少なくとも車載器30をダイヤルアップによりインターネットに接続可能にするDUNプロファイルを持っている。DUNプロファイルを備えた情報端末では、車載器30からインターネットの特定サイト等への接続要求がなされると、その契約電話事業者回線網を介して、インターネット網にダイヤルアップ接続し、目的サイトにリクエストを発行し、そのレスポンスを車載器30へ返す。
【0024】
次に、
図3は、車載器30の典型的な構成を示すブロック図である。同図に示すように、車載器30は、ユーザからの入力を受け取る入力部200、ブルートゥース接続40により情報端末20との接続を可能にする通信接続部210、各種メディアの再生情報やナビゲーション情報など実行されるアプリケーションに係る各種情報を表示する表示部220、音声を出力する音声出力部230、種々のメディアの再生等を実行するマルチメディア部240、制御部250、アプリケーション等を実行するためのプログラムを格納するプログラムメモリ260、オーディオデータ、ビデオデータ、地図データなどのデータを記憶するデータメモリ270、各部を接続するバス280とを備えている。
【0025】
マルチメディア部240は、CD、DVD、ブルーレイディスク、メモリ媒体、データメモリ270などに記録されたオーディオデータやビデオデータを再生する機能、テレビ放送やラジオ放送を受信する機能などを有する。プログラムメモリ260には、ナビゲーション機能を実行するアプリケーションやマルチメディア部240を制御するプログラムに加え、情報端末20との間の通信接続を制御するプログラムなどが記憶される。なお、車載器30は、ナビゲーション動作に必要なGPS測位情報、車速情報、方位情報などを受け取ることができる。データメモリ270には、車載器30が対応するブルートゥースの1または複数のサービスプロファイルが格納される。また、ブルートゥースによるペアリングを確立したスレーブデバイスについての情報は、データメモリ270に格納され保持される。格納されるスレーブデバイスについての情報には、少なくともその識別ID、アドレス、最終接続日時の情報が含まれる。実施例において、車載器30は少なくともDUNプロファイルを持っている。ここで、プログラムメモリ260に格納されたナビゲーションアプリケーションは、インターネット上でサービス展開する特定のナビゲーションサービスのサーバに接続して、自車位置近隣の施設情報、渋滞情報、ルート情報その他の運転支援情報を取得し、ディスプレイ上に表示構成する機能を有している。車載器30における、このナビゲーションサービスの利用は、インターネットへの接続機能を持った情報端末20とのDUNプロファイルによるペアリングを介して実現される。
【0026】
図4は、情報端末20の通信接続部110と、車載器30の通信接続部210の内部構成を示すブロック図である。図では、車載器30がマスター側、情報端末20がスレーブ側として機能されて、両通信機器間でブルートゥースによるペアリングを実現するための機能ブロックのみを示している。つまり、両通信機器は、ブルートゥースによるペアリングに関してマスター側およびスレーブ側のいずれにも成り得るよう同じ機能を備えているが、図にはそれぞれの担当する側の構成ブロックのみが示されている。
【0027】
車載器30においてその通信接続部210は、そのマスター側の機能として、登録リストの中からペアリングするスレーブデバイスを選択し、決定する接続デバイス決定部211、選択されたスレーブデバイスに対し、ユーザが所望するサービスプロファイルによる接続を要求する接続要求部212、スレーブデバイスに対する接続要求の結果をユーザに通知する接続要求結果通知部213、ブルートゥースによる通信可能範囲内に存在する1または複数のスレーブデバイスを探索するスレーブデバイス探索部214、発見されたスレーブデバイスに対してその利用できるサービスプロファイルを要求するBTプロファイル要求部215、発見されたスレーブデバイスの情報をディスプレイ上に表示するためのスレーブデバイス情報表示制御部216、ユーザの選択に基づいてペアリングするスレーブデバイスを切り替える接続デバイス切替部217、および特定のスレーブデバイスとのペアリングを確立するための接続確立実行部218を備えている。
【0028】
接続デバイス決定部211は、典型的な実施形態において、データメモリ270に記録された複数のスレーブデバイスの中から最も最近に接続したデバイスを、接続すべきデバイスとして決定することができる。もっとも、他の決定アルゴリズム、例えば、特定期間において最も接続回数の多いデバイスを選択するアルゴリズムを採用してもよいし、複数の決定アルゴリズムに重み付けしその総合評価によりデバイスを選択するものであってもよい。接続要求部212は、ユーザがインターネット上のナビゲーションサービスを利用するために、ナビゲーションアプリケーションを起動し、ディスプレイを介してその接続のためのユーザ認証情報を入力して、接続要求を実施することによって、実行される。接続要求部212は、これを受けて、先に決定されたスレーブデバイスに対してDUNプロファイルによるペアリングを要求する。そして、ペアリングが確立された場合、後述するように一スレーブデバイスである情報端末20では、ダイヤルアップ接続によりインターネットに接続し、目的サイトに対してこの認証情報を伴うリクエストを発行する。
【0029】
接続要求結果通知部213は、スレーブデバイスから受信した接続要求に対する結果の情報を、表示部220上に表示させて、ユーザにその結果を認識させるものであり、少なくともその結果の情報としては3種類ある。すなわち、(1)認証が成功してサービスが利用できる旨の通知、(2)認証が失敗した旨の通知、および(3)スレーブデバイスがDUNプロファイルに非対応である旨の通知、がある。車載器30ではスレーブデバイスからのこれらの結果通知に応じて、その後の処理を決定し、通知を行う。スレーブデバイス探索部214は、最初に接続した情報端末20がDUNプロファイルに非対応であった場合に起動され、1または複数のスレーブデバイスから発信される識別信号を待ち受け、ペアリング候補となる別のデバイスを発見する。BTプロファイル要求部215は、スレーブデバイス探索部214で発見されたスレーブデバイスのアドレスに対し、SDP(Service Discovery Protocol)プロトコルを介してBTプロファイルを要求する信号を所定周期でポーリング送信し、その応答信号を待ってこれを取得する。スレーブデバイス情報表示制御部216は、発見された1または複数のスレーブデバイスの識別IDを、その対応するプロファイルのアイコンと共にリスト表示する。接続デバイス切替部217は、DUNプロファイルを持った別の情報端末20が発見された場合に、その旨をユーザに提示し、ユーザがその端末に対する接続を所望する場合に、ペアリングを試みるデバイスを切り替える処理を実行する。
【0030】
一方、スレーブ側の情報端末20においてその通信接続部110は、そのスレーブ側の機能として、自デバイスをマスター側に認識させるための識別情報を送出するBTデバイス識別情報送信部112、マスター側からのプロファイル要求に基づいて、自デバイスが当該プロファイルに対応しているかを確認し、その結果をマスター側に送信するためのBTプロファイル処理部114、マスター側からのインターネット上のサービスに対する認証要求を処理するための認証要求処理部116、およびマスターデバイスとのペアリングを確立するための接続確立実行部118を備えている。BTデバイス識別情報送信部112は、ユーザ操作により情報端末20がペアリングモードに移行したタイミングで送信されるもので、その信号には、自デバイスの識別ID、接続アドレスが含まれる。もっとも機器の電源が投入されたタイミングで、ペアリングモードに自動的に移行し、この識別信号を送出するよう構成することもできる。
【0031】
次に、車載器30においてユーザがナビゲーションアプリケーションを起動し、インターネット上のナビゲーションサービスを、情報端末20のダイヤルアップ接続機能を介して利用する場合に実行される手順について説明する。なお、ここでは
図1に示したように、車内には車載器30との間でブルートゥース規格による接続が可能な3台の情報端末20a〜20cが存在し、情報端末20aは最も最近に使用されている端末であるものの、DUNプロファイルに対応しておらず、他の情報端末20b、20cのみがDUNプロファイルに対応しているものとする。
【0032】
図5および
図6は、ペアリング時における情報端末20ー車載器30間の信号の送受信のタイミングを表した図である。ここで
図5は、車載器30が最初に接続した情報端末20が、DUNプロファイルに対応しており、その結果として該端末を介してのインターネットへのダイヤルアップ接続が可能になる場合の例を示している。一方で、
図6は、車載器30が最初に接続した情報端末20が、DUNプロファイルに対応しておらず、その結果としてインターネットに接続できない場合の例を示している。
【0033】
図5において、ユーザ操作に基づいて車載器30側でナビゲーションアプリケーションが起動されると、システムはダイヤルアップ接続を実現するために、登録リストの中から1つのスレーブ側のデバイス(情報端末20)を選択502し、このデバイスに対してDUNプロファイルによるペアリングを要求504する。システムに対しユーザが認証情報を入力すると、この選択された情報端末20に認証情報506を送信する。情報端末20側で自デバイスがDUNプロファイルに対応していることが確認されると、これを車載器30側に通知し、両端末間で接続確立処理508、510が実行されて、両端末はDUNプロファイルに基づいてペアリング512される。情報端末20においては、インターネットへのダイヤルアップ接続514が開始され、目的のナビゲーションサービスを提供するサイトに、認証情報516を伴うリクエストを発行する。当該サイトからのレスポンス518は、情報端末20で処理520され、車載器30へ応答情報522として返され、ユーザに通知524される。
【0034】
一方、
図6において、最初の情報端末20aがDUNプロファイルに対応していない場合の処理について説明すると、
図5の場合と同様に、ユーザ操作に基づいて車載器30側でナビゲーションアプリケーションが起動されると、システムはダイヤルアップ接続を実現するために、登録リストの中から1つのスレーブ側のデバイス(情報端末20a)を選択602し、このデバイスに対してDUNプロファイルによるペアリングを要求604する。システムに対しユーザが認証情報を入力すると、この選択された情報端末20aに認証情報606を送信する。ここで、情報端末20a側で自デバイスがDUNプロファイルに非対応であることが確認608されると、この情報610は直ちに車載器30側に通知される。車載器30側では、この情報を処理しユーザに、所有の情報端末20aがDUNプロファイルに非対応である旨を通知612する。
【0035】
次に、車載器30においては、車内にある他のスレーブデバイスの探索614が開始される。ここで、車内にブルートゥース規格による接続が可能な情報端末20b、20cが存在する場合、車載器30側でその端末の識別情報616が受信される。車載器30では、これらの情報端末20に対し、その対応プロファイルの情報を要求618し、その応答620を受信する。そして、これらの情報をユーザに提示622して、ユーザがそこからDUNプロファイルに対応した情報端末20bを選択624できるようにする。このユーザの指示に基づいて、車載器30および情報端末20bでは接続確立処理626、628が実行されて、両端末はDUNプロファイルに基づいてペアリング630されることとなる。
【0036】
次に、
図7〜
図9に沿って、車載器30および情報端末20における処理のフローを説明する。
図7および
図8は、情報端末20とのペアリング実行時における車載器30側の処理の手順を示したフローチャートである。本処理は、ユーザが車載器30においてナビゲーションアプリケーションを起動することで開始される(ステップS700)。アプリケーションが起動されると、システムは最初にダイヤルアップ接続を試みる1つのスレーブ側のデバイスを登録リストから選択し、接続先デバイスとして特定する(ステップS702)。システムのディスプレイ上には、接続先サイトの認証情報を入力する画面が表示され、ユーザにその入力を要求する(ステップS704)。ユーザによって認証情報が入力されると、システムは、先に特定したスレーブデバイス(情報端末20)に対しDUNプロファイルによるペアリングを要求し(ステップS707)、またユーザ認証情報を送信する(ステップS708)。
【0037】
この接続要求に対して、情報端末20からの応答があると(ステップS710)、その内容を判断し(ステップS712)、それがスレーブデバイスへのDUNプロファイルによる接続を許可するものであった場合には、所定のペアリング処理を実行して、情報端末20との接続を確立し(ステップS714)、本処理は終了する。これによってユーザは、車載器30から情報端末20のダイヤルアップ接続を介してインターネット上の目的サイトにアクセスできるようになり、そのサービスを利用できるようになる。
【0038】
一方で、情報端末20からの応答がその接続を拒否するものであった場合には、その理由が判断される(ステップS716)。そして、接続拒否の理由が、認証情報が無効であるという事由の場合には、その旨をディスプレイ上に表示してユーザに通知し(ステップS718)、ユーザに対して再認証の手続きを行うかを求める(ステップS720)。これに対してユーザが再認証の手続きを望む指示を出すと、処理はステップS704に戻り、新たな認証情報の入力要求からの一連の手続きS704〜S714が実行される。
【0039】
ステップ716において接続拒否の理由が、接続先の情報端末20がDUNプロファイルに非対応であるという事由の場合には、その旨をディスプレイ上に表示してユーザに通知し(ステップS722)、さらに
図8に示す一連の処理に移行する。
図8に移り、最初に車内に通信可能な別のスレーブデバイスがあるかの探索が開始される(ステップS802)。そして、別のスレーブデバイスが発見されない場合、本処理はここで終了する(ステップS804)。一方で、車内にブルートゥース規格による接続が可能なデバイス(情報端末20b、20c)が存在する場合、それらの識別情報を取得し(ステップS806)、これらのデバイスに対し、その対応プロファイルの情報を要求する(ステップS808)。
【0040】
情報端末20からの応答を受けて、それらがDUNプロファイルに対応しているか判断し(ステップS810)、DUNプロファイルに対応しているデバイスが存在する場合には、その情報をディスプレイ上に表示してユーザに通知する(ステップS812)。好適な実施例において、ディスプレイ上には発見された1または複数のデバイスの識別情報とそのプロファイル情報をリスト表示し、ユーザがその中からDUNプロファイルに対応するデバイスを選択できるようにすることが好ましい。そして、ユーザがDUNプロファイルに対応した他のデバイスによる接続を望む場合(ステップS814)、システムはこのデバイスを接続先デバイスとしてセットして(ステップS816)、処理を
図7のステップ704に戻し、ユーザに認証情報の入力を求め、続く一連の手続きS706〜S714を実行する。ステップS810において、DUNプロファイルに対応するデバイスが発見されなかった場合には、その旨をディスプレイに表示してユーザに通知して、本処理を終了する(ステップS818)。
【0041】
次に、
図9は、車載器30とのペアリング実行時における情報端末20側の処理の手順を示したフローチャートである。本処理は、情報端末20がペアリングモードにセットされていることで開始される(ステップS900)。この状態で、本デバイスに対する車載器30からのDUNプロファイルによる接続要求がなされると、端末側でこれが受信され(ステップS902)、自デバイスがDUNプロファイルに対応しているかが確認される(ステップS904)。そしてステップS906において、自デバイスがDUNプロファイルに対応していないと判断された場合には、その情報を車載器30に送信して(ステップS908)、本処理を終える。
【0042】
一方、自デバイスがDUNプロファイルに対応していると判断された場合には、車載器30側から受信した認証情報を使って、インターネット上の目的サイトのサーバに対して認証リクエストを発行する(ステップS910)。サーバからの認証リクエストに対するレスポンスを受け取り、その内容が認証が失敗したというものである場合には(ステップS912)、その情報を車載器30へ送信して、本処理を終了する(ステップS918)。一方、サーバにおいてユーザ認証が成功した場合には、その情報を車載器30側へ送信し(ステップS914)、所定のペアリング処理を実行して、車載器30との接続を確立し(ステップS916)、本処理は終了する。これによってユーザは、車載器30から情報端末20のダイヤルアップ接続を介してインターネット上の目的サイトにアクセスできるようになり、そのサービスを利用できるようになる。
【0043】
次に、前記ペアリング実行時において、本実施例における車載器30のディスプレイ上に表示される画面遷移の一例について説明する。
図10(A)〜(F)は、ペアリング実行時における画面遷移の一例を示した図である。同図(A)は、ナビゲーションアプリケーションを起動して、ユーザに対してサーバへの認証情報、すなわちログインIDとパスワードの入力を求める画面を示している。ユーザがこれら情報の入力を行なって完了ボタン1002をクリックすることで、画面は同図(B)の状態に遷移する。同図(B)は、情報端末20を介してインターネットにダイヤルアップ接続し、目的サーバにアクセスしその認証リクエストを行なっている際の画面を示しており、メッセージ付きダイアログボックス1004を表示してユーザにその結果の待受状態であることを知らせている。同図(C)は、目的サーバへの認証が失敗した旨の情報を、ダイアログボックス1006で表示した画面を示している。同図(D)は、ペアリングを試みた情報端末がDUNプロファイルに非対応であった旨の情報を、ダイアログボックス1008で表示した画面を示している。接続を試みた情報端末がDUNプロファイルに非対応の場合、システムは先に説明したように他のスレーブデバイスを探索し、それらが発見された場合にはその情報をリスト表示する。同図(E)は、そのようなディスプレイ上に表示されるデバイス情報のリスト1010の一例を示している。表示においてDUNプロファイルに対応するデバイスの項目を目立たせるよう、その表示色を他と異ならせている(図中、斜線表示)。同図(F)は、ユーザが選択したデバイスの情報を表示し、DUNプロファイルによる接続を実現するためにそのデバイスの使用を促すダイアログボックス1011が表示されている画面を示している。これらの画面は、本発明を実施するための好適な一実施例であるが、その画面構成は説明のための一例に過ぎず、既存の方法による種々の画面構成態様が考えられる。
【0044】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。上記実施例では、ブルートゥース規格に基づくペアリング手順を例としたが、他の近距離無線通信規格に基づくペアリングにおいて、本発明の技術を当然に利用できる。