(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の防火シャッター100は、散水効率に関して改善の余地があった。例えば、シャッター本体101における防火区画側の側面と、防火区画側とは反対側の側面(以下、火災区画側の側面と称する)に散水が行われた場合に、シャッター本体101の複数のスラットの接続部の構造によっては、シャッター本体101における火災区画側の側面に対して散水された水が、当該複数のスラットの接続部の凸凹した側面上を流れることがあった。これにより、例えば、シャッター本体101における火災区画側の側面に不均一な流下水膜が形成されるので、当該火災区画側の側面への散水による遮熱効果が不十分となり、シャッター本体101の散水効率を低下させていた。
【0007】
また、シャッター本体101における火災区画側の側面のみに散水が行われた場合に、上述したように、シャッター本体101の複数のスラットの接続部の構造によっては、シャッター本体101における火災区画側の側面に対して散水された水が、当該複数のスラットの接続部の凸凹した側面上を流れることで、当該シャッター本体101における火災区画側の側面に、遮熱に有効な厚みを有する流下水膜を形成することが困難であった。そのため、上述したような流下水膜を形成するためには、散水量が多大になることが問題となっていた。
【0008】
本発明は、上記従来技術における課題を解決するためのものであって、散水ヘッドにおけるシャッター本体に対する散水効率を向上させることができる、防火シャッター及び防火開閉体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の防火シャッターは、火災発生検知時に降下して防火区画を形成する防火シャッターであって、複数のスラットを並設して構成されたシャッター本体と、前記シャッター本体への散水を行うために当該シャッター本体の上方周辺に配置された散水ヘッドとを備え、
前記シャッター本体は、降下状態において第1の区画と第2の区画とを区画するものであり、降下状態において前記第1の区画に対向する第1の側面であって前記複数のスラットを相互に接続する接続部が突出しない第1の側面と、降下状態において前記第2の区画に対向する第2の側面であって前記接続部が突出する第2の側面とを有し、少なくとも前記第1の側面である防水面に、前記散水ヘッドから散水を行うことによって流下水膜を形成可能である。
【0010】
また、請求項2に記載の防火シャッターは、請求項1に記載の防火シャッターにおいて、
前記第1の側面のみを前記防水面とする。
【0011】
また、請求項3に記載の防火シャッターは、請求項1又は2に記載の防火シャッターにおいて、
前記シャッター本体の前記防水面に、親水性表面処理を行っている。
【0012】
また、請求項4に記載の防火シャッターは、請求項1から3のいずれか一項に記載の防火シャッターにおいて、
前記散水ヘッドを、水平方向に沿って所定間隔で複数並設し、前記複数の散水ヘッドの各々を、当該各散水ヘッドより下方に位置する前記シャッター本体に向けて傾斜状に散水可能となるように配置した。
また、請求項5に記載の防火シャッターは、請求項1から4のいずれか一項に記載の防火シャッターにおいて、前記散水ヘッドは、水流減速機構を備える。
【0013】
また、請求項
6に記載の防火開閉体は、
火災発生検知時に降下して防火区画を形成し、複数のスラットを接続して構成されるシャッター本体を備えた防火シャッターに対して並設される、防火開閉体であって、防火開閉体本体と、前記防火開閉体本体への散水を行うために当該防火開閉体本体の上方周辺に配置された散水ヘッドとを備え、前記シャッター本体は、降下状態において第1の区画と第2の区画とを区画するものであり、降下状態において前記第1の区画に対向する第1の側面であって前記複数のスラットを相互に接続する接続部が突出しない第1の側面と、降下状態において前記第2の区画に対向する第2の側面であって前記接続部が突出する第2の側面とを有し、少なくとも前記第1の側面に沿った前記防火開閉体本体の側面である防水面に、前記散水ヘッドから散水を行うことによって流下水膜を形成可能である。
【0014】
また、請求項
7に記載の防火開閉体は、請求項
6に記載の防火開閉体において、
前記第1の側面のみに沿った前記防火開閉体本体の側面を前記防水面とする。
【0015】
また、請求項
8に記載の防火開閉体は、請求項
6又は7に記載の防火開閉体において、
前記防火開閉体本体の前記防水面に、親水性表面処理を行っている。
【0016】
また、請求項
9に記載の防火開閉体は、請求項
6から8のいずれか一項に記載の防火開閉体において、
前記散水ヘッドを、水平方向に沿って所定間隔で複数並設し、前記複数の散水ヘッドの各々を、当該各散水ヘッドより下方に位置する前記防火開閉体本体に向けて傾斜状に散水可能となるように配置した。
また、請求項10に記載の防火開閉体は、請求項6から9のいずれか一項に記載の防火開閉体において、前記散水ヘッドは、水流減速機構を備える。
【発明の効果】
【0017】
請求項
1又は2に記載の防火シャッターによれば、
接続部が突出しない第1の側面である防水面に、散水ヘッドから散水を行うことによって流下水膜を形成可能であるので、従来の防火シャッターに比べて少流量で流下水膜を形成することができる。そのため、従来の防火シャッターに比べて散水ヘッドの散水量を低減しながら、シャッター本体の温度上昇を抑制することができ、散水ヘッドにおけるシャッター本体に対する散水効率を向上させることができる。
【0018】
また、請求項
3に記載の防火シャッターによれば、シャッター本体の防水面に、親水性表面処理を行ったので、シャッター本体の防水面に形成された均一な流下水膜が、当該防水面の上方から下方にわたって形成されやすくなる。
【0019】
また、請求項
4に記載の防火シャッターによれば、複数の散水ヘッドの各々を、当該各散水ヘッドより下方に位置するシャッター本体に向けて傾斜状に散水可能となるように配置したので、散水ヘッドから散水された水がシャッター本体の防水面に当たった時に、上方に反射した水は当該防水面のX方向及びY方向に拡散されるので、当該防水面に均一な流下水膜が一層形成されやすくなる。
【0020】
また、請求項
5に記載の防火シャッターによれば、散水ヘッドは、水流減速機構を備えるので、シャッター本体の防水面における水反射を抑制し、当該防水面に均一な流下水膜を形成することができる。
【0021】
また、請求項
6又は7に記載の防火開閉体によれば、
接続部が突出しない第1の側面に沿った防火開閉体本体の側面である防水面に、散水ヘッドから散水を行うことによって流下水膜を形成可能であるので、従来の防火開閉体本体に比べて少流量で流下水膜を形成することができる。そのため、従来の防火開閉体本体に比べて散水ヘッドの散水量を低減しながら、防火開閉体本体の温度上昇を抑制することができ、散水ヘッドにおける防火開閉体本体に対する散水効率を向上させることができる。
【0022】
また、請求項
8に記載の防火開閉体によれば、防火開閉体本体の防水面に、親水性表面処理を行ったので、防火開閉体本体の防水面に形成された均一な流下水膜が、当該防水面の上方から下方にわたって形成されやすくなる。
【0023】
また、請求項
9に記載の防火開閉体によれば、複数の散水ヘッドの各々を、当該各散水ヘッドより下方に位置する防火開閉体本体に向けて傾斜状に散水可能となるように配置したので、散水ヘッドから散水された水が防火開閉体本体の防水面に当たった時に、上方に反射した水は当該防水面のX方向及びY方向に拡散されるので、当該防水面に均一な流下水膜が一層形成されやすくなる。
【0024】
また、請求項
10に記載の防火開閉体によれば、散水ヘッドは、水流減速機構を備えるので、防火開閉体本体の防水面における水反射を抑制し、当該防水面に均一な流下水膜を形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。ただし、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0027】
(概要)
最初に、本実施の形態に係る防火シャッターの概要について説明する。この防火シャッターは、特記する場合を除いて、任意の目的、設置場所、構造等を取ることができ、例えば、防火開閉体が並設される。ここで、防火開閉体とは、防火シャッターが閉じられた場合でも、廊下などの避難経路の通行を確保するために、当該避難経路に開閉自在に設置されるものであり、例えば、防火戸、避難用子扉、又はこれらを組み合わせたものにて構成される。また、シャッター本体の開閉方向も任意であり、鉛直方向や水平方向を含む。したがって、以下では、シャッター本体を鉛直方向に沿って開閉させる防火シャッターに防火開閉体を並設した場合を例として説明を行う。
【0028】
(構成−防火シャッター)
次に、本実施の形態に係る防火シャッターの構成について説明する。ただし、防火シャッターは従来と同様に構成することが可能であり、特記しない構成や処理については従来と同様であるものとする。
図1は、本実施の形態に係る防火シャッター10、防火開閉体20、及び火災報知システム30を概念的に示す正面図である。
図2は、防火シャッターを示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は底面図である。
図3は、
図2のA−A矢視断面図である。
図4は、
図3の要部拡大図である。
図5は、
図4の要部拡大図である。
図6は、各散水ヘッドの配置関係を示す図である。
図7は、散水ヘッドの構成を示す図であり、(a)は縦断面図であり、(b)は底面図である。
【0029】
この防火シャッター10は、建築物に設けられた開口部1を火災発生時に全閉状態とすることで、この建築物に防火区画を形成する電動式の防火シャッターであり、シャッター収納部11、シャッターカーテン12、開閉機13、自動閉鎖装置14、手動閉鎖装置15、連動中継器16、及び散水ヘッド50a〜50l(これら散水ヘッド50a〜50lは、相互に区別する必要がない場合には「散水ヘッド50」と総称する)を備えて構成されている。なお、以下の説明では、
図1、
図2のX方向を幅方向、Y方向を高さ方向(+Y方向を上方、−Y方向を下方)、Z方向を奥行き方向と称する。また、シャッターカーテン12(あるいは、後述する防火扉21又は避難用子扉22)に対して後述する散水ヘッド50a〜50lにて散水が行われる側の区画を第1の区画と称し、後述する散水ヘッド50a〜50lにて散水が行われない側の区画を第2の区画と称する。
【0030】
シャッター収納部11は、防火シャッター10の各部を収容するための中空体であり、開口部1の上端近傍位置に取り付けられている。このシャッター収納部11の内部には、開閉機13、自動閉鎖装置14、連動中継器16、及び図示しない巻き取り軸が収容されている。また、巻き取り軸にてシャッターカーテン12が巻き取られた状態では、シャッターカーテン12も、シャッター収納部11の内部に収容される。シャッター収納部11の下面には、開口部幅方向全長にわたり図示しないスリットが形成されており、このスリットを介してシャッターカーテン12の出し入れが行われる。
【0031】
シャッターカーテン12は、巻き取り軸によって巻き取り又は巻き出しされることで、開口部1を、全開状態、全閉状態、あるいはこれらの2状態の間の状態とするシャッター本体である。このシャッターカーテン12は、複数のスラット12aを並設させて構成されている。
【0032】
ここで、このスラット12aの構成については、シャッターカーテン12の巻き取り又は巻き出し時のスラット12aの抜け出しを防止できる構成であることが好ましく、具体的には、本実施の形態では、
図4、
図5に示すように、スラットの下端部12a
2は、第2の区画側に突出し、隙間を存して斜め上方に延出して弧を描くようにフック状に湾曲して下方に臨む開口部が形成されており、スラットの上端部12a
1は、第2の区画側に突出し、斜め上方に延出していると共に、スラットの下端部12a
2と係合可能な湾曲状に形成されている。そして、これらスラットの上端部12a
1と下端部12a
2は、上下方向に延出するフラット面で形成されたスラットの本体部12a
3の上下端部に連結されている。これにより、スラット12a同士の接続においては、一方のスラットの上端部12a
1と他方のスラットの下端部12a
2とを係合することできる。また、このようなスラット12aの接続部分の構造においては、
図5に示すように、当該スラット12aの接続部分のうち、第2の区画側の突出部分の下端部においては、上方のスラットの下端部12a
2と下方のスラットの上端部12a
1とが当接されている。
【0033】
そのため、例えば、シャッターカーテン12における第1の区画側の側面に散水が行われた場合に、当該第1の区画側の側面において、スラットの本体部12a
3と、上方のスラット12aと下方のスラット12aとの接続部分がほぼフラットであるので、当該第1の区画側の側面に後述する均一な流下水膜が形成されやすくなる。
【0034】
一方で、
図5に示すように、スラット12aの接続部分のうち、第2の区画側の端部においては、上方のスラット12aと下方のスラット12aとの接続部分が第2の区画側に突出して形成されている。そのため、例えば、シャッターカーテン12における第2の区画側の側面に散水が行われた場合に、当該第2の区画側の側面のうち、上方のスラット12aと下方のスラット12aとの接続部分が凸状であるので、当該第2の区画側の側面に後述する均一な流下水膜が形成されにくくなる。
【0035】
また、
図1に示すように、このシャッターカーテン12の幅方向の両端部は、開口部1の左右内縁において上下方向に沿って設けられたガイドレール2に挿入されており、上下方向においてはガイドレール2の内部をスライド移動可能であり、かつ、前後方向においてはガイドレール2の外部に脱落しないように規制されている。このシャッターカーテン12の下端部には、水平状の座板17が設けられている。
【0036】
開閉機13は、巻き取り軸を回転駆動することによって電動でシャッターカーテン12を昇降させる昇降手段であり、巻き取り軸の回転を制動する図示しないブレーキを備えている。
自動閉鎖装置14は、シャッターカーテン12の自重降下を制御する手段であり、連動中継器16からの制御信号に基づいて、開閉機13のブレーキレバーを引くことによりブレーキを解除させることで、シャッターカーテン12を自重降下させ、あるいは、連動中継器16からの制御信号に基づいて、開閉機13のブレーキレバーを戻すことによりブレーキを作動させることで、シャッターカーテン12の自重降下を停止させる。
【0037】
シャッターカーテン12を電動で昇降させる場合、自動閉鎖装置14は作動せず、開閉機13は自身でブレーキを解除すると共に、巻き取り軸を所定の巻き取り方向又は繰り出し方向に駆動することにより、シャッターカーテン12を電動で上昇又は下降させて開口部1を全開状態又は全閉状態する。
一方、自動閉鎖装置14でブレーキを解除することにより、シャッターカーテン12を自重降下させて開口部1を全閉状態とし、あるいは、ブレーキを作動させて巻き取り軸の回転を制動することにより、シャッターカーテン12の自重降下を停止させる。
【0038】
手動閉鎖装置15は、シャッターカーテン12を操作する操作手段であり、シャッターカーテン12を電動で上昇させる上昇ボタン、電動で下降させる下降ボタン、昇降中のシャッターカーテン12を停止させる停止ボタンを備え、これら上昇ボタン、下降ボタン又は停止ボタンがユーザによって押圧された場合に、当該押圧されたボタンに応じた操作信号を連動中継器16に出力することで、開閉機13を介してシャッターカーテン12が電動で上昇及び下降し、又はシャッターカーテン12の昇降を停止する。
さらに手動閉鎖装置15は、非常閉鎖ボタンを有しており、非常閉鎖ボタンを押圧することで、後述する火災発生時と同様、シャッターカーテン12の自重降下が開始される。
【0039】
連動中継器16は、防火シャッター10の各部を相互に連動させる制御手段であると共に、火災報知システム30を防火シャッター10に連動させる中継手段である。この連動中継器16は、開閉機13、自動閉鎖装置14、手動閉鎖装置15、散水ヘッド50a〜50lの図示しない開閉弁、及び火災報知システム30の後述する防災盤32とに、電気的に接続されている。特に、連動中継器16は、自動閉鎖装置14に制御信号を出力することで、シャッターカーテン12を自重降下させ、あるいは、シャッターカーテン12の自重降下を停止させる。
【0040】
また、防火シャッター10のシャッター収納部11には、図示しない下限リミットスイッチが設けられている。この下限リミットスイッチは、シャッターカーテン12の下端が、床面から所定距離(数cm)だけ上方側に設定された所定位置(以下、下限位置)に対して、上方と下方のいずれの側に位置しているかを検出するためのスイッチである。この下限リミットスイッチは、例えば、シャッターカーテン12の巻き取り軸の回転量を検出するポテンショメータを含んで構成されており、シャッターカーテン12の下端が下限位置より下方側に位置している場合に、下限リミット信号を連動中継器16に出力する。
【0041】
散水ヘッド50a〜50lは、図示しないタンクから配管18を介して送られた水を、シャッターカーテン12、又は防火開閉体20に向けて散水するためのものである。
図2、
図3に示すように、これら散水ヘッド50a〜50lは、シャッターカーテン12及び防火開閉体20の上方周辺(例えば、シャッター収納部11の下端部に配設された配管18)にX方向に沿って並設されており、固定具等によって固定されている。これら散水ヘッド50a〜50lの配置については、具体的には、
図6に示すように、散水範囲の相互間に隙間が生じないように、散水ヘッド50の各々の間隔A(例えば、50〜300mmの間隔)を隔てて配置されている。
【0042】
ここで、これら散水ヘッド50a〜50lの構成は、散水ヘッド50a〜50lから散水された水がシャッターカーテン12又は防火開閉体20の側面に当たったときに水反射を抑制できる構成であることが望ましく、本実施の形態では、散水ヘッド50a〜50lは、水流減速機構を有する散水ヘッドで構成されている。具体的には、
図7に示すように、これら散水ヘッド50a〜50lの各々は、ボディー部51と、ヘッド本体部52とを備えている。
ボディー部51は、配管18から水を供給するための供給手段であり、配管18に対して固定具によって接続されている。このボディー部51の内側には、配管18から供給される流水量を制限するための入口ノズル部51a(具体的には、
図7に示すように、入口ノズル部51aの径は、ボディー部51の他の内径よりも小さくなっている)が設けられている。
ヘッド本体部52は、散水ヘッド50の基本構造体であり、ボディー部51に対して螺合構造又は固定具によって接続されている。このヘッド本体部52は、入口ノズル部51aによって流水量を制限された水の流れ方向を分散するためのデフレクター部52aと、デフレクター部52aによって流れ方向が分散された水を前室部52bに滞留して外部に放射するためのノズル部52cとを備えている。
このような散水ヘッド50a〜50lの構成により、例えば、配管18に設けられた図示しない減圧装置にて0.2MPa程度以上の圧力が加えられた水が散水ヘッド50a〜50lに供給された場合でも、ノズル部52cから放射される水の流速を5m/sec以下にすることができるので、上述したシャッターカーテン12の側面又は防火開閉体20の側面における水反射を抑制し、当該シャッターカーテン12の側面又は当該防火開閉体20の側面に後述する均一な流下水膜を形成することができる。
なお、この散水ヘッド50a〜50lの設置の詳細については、後述する。
【0043】
(構成−防火開閉体)
次に、本実施の形態に係る防火開閉体20の構成について説明する。ただし、防火開閉体20は従来と同様に構成することが可能であり、特記しない構成及び処理については従来と同様であるものとする。
この防火開閉体20は、防火シャッター10によって開口部1が全閉状態となった場合でも、避難経路の通行を確保するために、当該避難経路に開閉自在に設置されるものである。具体的には、
図2に示すように、防火開閉体20は、防火シャッター10におけるX方向の開閉機13側に位置するように、防火シャッター10に対して並設されている。
また、
図2に示すように、この防火開閉体20は、防火扉21と、防火扉21に埋め込まれた避難用子扉22とを備えて構成されている。なお、これら防火扉21と避難用子扉22は、特許請求の範囲における「防火開閉体本体」に対応する。
【0044】
ここで、防火開閉体20の構成は任意であり、具体的には、本実施の形態では、通常時には防火シャッター10を開放しているものの防火扉21を閉鎖し、火災時には防火シャッター10のみを閉鎖する固定方立・常時閉鎖方式で構成されている(火災時には、避難経路の通行を確保するために、避難用子扉22は開閉自在に設置されている。後述する固定方立・常時開放方式や袖扉連動方式も同様とする)。あるいは、これに限られず、防火開閉体20は、通常時には防火シャッター10及び防火扉21を開放し、火災時には防火シャッター10及び防火扉21をそれぞれ閉鎖する固定方立・常時開放方式で構成されたり、又は、通常時には防火シャッター10及び防火扉21を開放し、火災時には防火シャッター10及び防火扉21を連動して閉鎖する袖扉連動方式で構成されてもよい。
【0045】
(構成−火災報知システム)
次に、本実施の形態に係る防火シャッター10及び防火開閉体20と連動させる火災報知システム30の構成について説明する。ただし、火災報知システム30は従来と同様に構成することが可能であり、特記しない構成及び処理については従来と同様であるものとする。この火災報知システム30は、建築物に設定された監視領域における火災発生を感知して報知するシステムであり、火災感知器31と、防災盤32を備えて構成されている。火災感知器31は、監視領域における火災発生を感知した場合に、防災盤32に火災感知信号を出力する。防災盤32は、火災感知器31から火災感知信号を受信した場合に、警報音の出力や火災表示灯の点灯を行うと共に、シャッターカーテン12を全閉して第1の区画を形成して火災の延焼拡大を防止するため火災発生の旨を報知する移報信号を連動中継器16に出力する。
【0046】
(散水ヘッドの設置の詳細)
次に、本実施の形態に係る散水ヘッド50a〜50lの設置の詳細について説明する。
図8は、散水ヘッド50の散水状況を示す正面図である。
図9は、
図8のB−B矢視断面図である。
図10は、
図9の要部拡大図である。
【0047】
図8〜
図10に示すように、シャッターカーテン12、防火扉21、及び避難用子扉22の両側面のうち、複数のスラット12aの相互の接続部が所定構造となる側面である防水面に、散水ヘッド50a〜50lから散水を行うことによって流下水膜が形成されるように、散水ヘッド50a〜50lは、防火シャッター10よりも第1の区画側に配置されている。
【0048】
ここで、「複数のスラット12aの相互の接続部が所定構造となる側面である防水面」とは、複数のスラット12aの相互の接続部が均一な流下水膜を保持することができる構造となる側面を意味し、具体的には、本実施の形態では、
図10に示すように、シャッターカーテン12、防火扉21、及び避難用子扉22における第1の区画側の側面が該当する(一方、シャッターカーテン12、防火扉21、及び避難用子扉22における第2の区画側の側面は該当しない。その理由としては、シャッターカーテン12における第2の区画側の側面に対して散水された水が、上方のスラット12aと下方のスラット12aとの接続部分が凸状であるので、当該第2の区画側の側面において均一な流下水膜を保持できないからである)。
【0049】
また、「均一な流下水膜」とは、シャッターカーテン12、防火扉21、及び避難用子扉22における第1の区画側の側面において、散水が行われていない領域が存在しないように、且つ、火災の熱により水の一部が蒸発した場合であっても当該第1の区画側の側面の温度が上がり過ぎない程度の厚さで形成された水膜を意味する。
【0050】
なお、シャッターカーテン12、防火扉21、及び避難用子扉22における第1の区画側の側面の表面状態については、散水時に当該第1の区画側の側面に均一な流下水膜が一層形成されやすい表面状態であることが好ましく、具体的には、本実施の形態では、当該第1の区画側の側面に、親水性表面処理(例えば、水滴接触角が40度以下となる表面処理等)が行われている。これにより、シャッターカーテン12、防火扉21、及び避難用子扉22における第1の区画側の側面に形成された均一な流下水膜が、当該第1の区画側の側面の上方から下方にわたって形成されやすくなる。
【0051】
また、
図8、
図9に示すように、散水ヘッド50a〜50lの各々は、当該各散水ヘッド50より下方に位置するシャッターカーテン12、防火扉21、又は避難用子扉22に向けて傾斜状に散水可能となるように配置されている。これにより、散水ヘッド50a〜50lの各々から散水された水がシャッターカーテン12、防火扉21、又は避難用子扉22における第1の区画側の側面に当たった時に、上方に反射した水は当該第1の区画側の側面のX方向及びY方向に拡散されるため、当該第1の区画側の側面に均一な流下水膜が一層形成されやすくなる。
【0052】
この場合において、散水ヘッド50a〜50lの散水方式については、例えば、散水ヘッド50a〜50lの各々から略棒状に散水してもよく、あるいは散水ヘッド50a〜50lの各々から略扇状に散水してもよい。
また、これら散水ヘッド50a〜50lの散水量については、シャッターカーテン12、防火扉21、及び避難用子扉22における第1の区画側の側面全体に流下水膜が形成される散水量であることが望ましく、具体的には、本実施の形態では、流量範囲が5×10
−5から1×10
−3m
3/(sec・m
2)となる流下水膜を形成できる散水量としている(より具体的には、火災エネルギーが100kW/m
2程度の火災である場合に、流量が4.2×10
−5m
3/(sec・m
2)程度となる流下水膜を形成できる散水量が好ましい。ただし、この散水量は、配管18から供給される水の初期温度が50℃であることを前提としたものである。すなわち、火災エネルギーが100kW/m
2程度の火災である場合、供給水の初期温度を50℃程度とする前提においては、シャッター面の横幅1mで縦幅1mに付き、およそ4.2×10
−5m
3/(s・m
2)の水供給レートの時に、火災エネルギーと概ね釣り合う。従って、安全率を見込んで、上記のように、流量範囲を5×10
−5から1×10
−3m
3/(sec・m
2)とする。
【0053】
(防火シャッターの機能)
このように構成された防火シャッター10の機能は以下の通りである。まず、火災報知システム30の火災感知器31により火災が感知された場合、この火災感知器31が防災盤32に火災感知信号を出力し、防災盤32が連動中継器16に移報信号を出力し、連動中継器16が自動閉鎖装置14に起動信号を出力し、自動閉鎖装置14が開閉機13のブレーキを解除して、シャッターカーテン12の自重降下を開始させる。
【0054】
次に、シャッターカーテン12が自重降下を開始してから所定時間経過後(具体的には、シャッターカーテン12の自重降下が完了するまでの時間経過後)、連動中継器16が散水ヘッド50a〜50lの図示しない開閉弁を開放する。その後、散水ヘッド50a〜50lは、シャッターカーテン12、防火扉21、及び避難用子扉22における第1の区画側の側面に向けて散水を開始する。
【0055】
次に、散水ヘッド50a〜50lは、所定のタイミング(具体的には、防災盤32が連動中継器16に火災復旧信号を出力したタイミング等)が到来するまで、シャッターカーテン12、防火扉21、及び避難用子扉22における第1の区画側の側面に向けて散水を継続する。これにより、散水時にシャッターカーテン12、防火扉21、及び避難用子扉22における第1の区画側の側面全体に均一な流下水膜が形成されるので、従来の防火シャッター100(あるいは従来の防火開閉体)に比べて散水ヘッド50a〜50lの散水量を低減しながら、散水ヘッド50a〜50lのシャッターカーテン12、防火扉21、及び避難用子扉22の温度上昇を抑制することができる。
【0056】
続いて、防災盤32が連動中継器16に火災復旧の移報信号を出力し、連動中継器16が散水ヘッド50a〜50lの図示しない開閉弁を閉鎖する。これにより、散水ヘッド50a〜50lによる散水が停止されるので、シャッターカーテン12、防火扉21、及び避難用子扉22における第1の区画側の側面全体に均一な流下水膜は消失する。
【0057】
(効果)
このように本実施の形態によれば、シャッターカーテン12、防火扉21、及び避難用子扉22の両側面のうち、シャッターカーテン12、防火扉21、及び避難用子扉22における第1の区画側の側面に、散水ヘッド50a〜50lから散水を行うことによって流下水膜を形成可能であるので、従来の防火シャッター100(あるいは、従来の防火開閉体)に比べて少流量で流下水膜を形成することができる。そのため、散水ヘッド50a〜50lの散水量を低減しながら、シャッターカーテン12、防火扉21、及び避難用子扉22の温度上昇を抑制することができ、散水ヘッド50a〜50lにおけるシャッターカーテン12、防火扉21、及び避難用子扉22に対する散水効率を向上させることができる。
【0058】
また、シャッターカーテン12、防火扉21、及び避難用子扉22における第1の区画側の側面に、親水性表面処理を行ったので、当該第1の区画側の側面に形成された均一な流下水膜が、当該第1の区画側の側面の上方から下方にわたって形成されやすくなる。
【0059】
また、散水ヘッド50a〜50lの各々を、当該散水ヘッド50a〜50lより下方に位置するシャッターカーテン12、防火扉21、又は避難用子扉22に向けて傾斜状に散水可能となるように配置したので、散水ヘッド50a〜50lの各々から散水された水がシャッターカーテン12、防火扉21、及び避難用子扉22における第1の区画側の側面に当たった時に、上方に反射した水は当該第1の区画側の側面におけるX方向及びY方向に拡散されるため、当該第1の区画側の側面に均一な流下水膜が一層形成されやすくなる。
【0060】
また、散水ヘッド50a〜50lの各々は、水流減速機構を備えるので、シャッターカーテン12、防火扉21、及び避難用子扉22における第1の区画側の側面における水反射を抑制し、当該第1の区画側の側面に均一な流下水膜を形成することができる。
【0061】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0062】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0063】
(シャッターカーテンについて)
本実施の形態では、シャッターカーテン12、防火扉21、及び避難用子扉22における第1の区画側の側面には、親水性表面処理が施されていると説明したが、例えば、この親水性表面処理を省略してもよい。
【0064】
(散水ヘッドについて)
本実施の形態では、散水ヘッド50a〜50lは、水流減速機構を有する散水ヘッドで構成されていると説明したが、これに限られない。例えば、散水ヘッド50a〜50lは、配管18から供給された水の水流速度を維持して、ノズル部52cから放射させる機構であってもよい。
【0065】
また、本実施の形態では、散水ヘッド50a〜50lが防火シャッター10に設けられており、これら散水ヘッド50a〜50lの散水量はシャッターカーテン12、防火扉21、及び避難用子扉22における第1の区画側の側面全体に流下水膜が形成される散水量にすると説明したが、これに限られない。散水ヘッドの台数及び散水量は極力少ないことが好ましいので、例えば、各条件を満たすために好適な散水ヘッド50の配置間隔や各散水ヘッド50の散水幅を実験や解析により求め、これら散水ヘッド50の配置間隔や各散水ヘッド50の散水幅に基づいて散水ヘッド50の台数及び散水量が決定されてもよい。
【0066】
(防火開閉体について)
本実施の形態では、防火開閉体20は、防火扉21と、避難用子扉22とを備えて構成されていると説明したが、例えば、防火開閉体20は、防火扉21のみを備えて構成されてもよい。
【0067】
(流下水膜について)
本実施の形態では、散水による流下水膜は、シャッターカーテン12、防火扉21、及び避難用子扉22における第1の区画側の側面に形成されると説明したが、例えば、シャッターカーテン12、防火扉21、又は避難用子扉22における第1の区画側の側面に形成されてもよい。
【0068】
(防火シャッターの機能について)
本実施の形態では、火災報知システム30の火災感知器31により火災が感知された場合、この火災感知器31が防災盤32に火災感知信号を出力し、防災盤32が連動中継器16に移報信号を出力し、連動中継器16が散水ヘッド50a〜50lの図示しない開閉弁を開放すると説明したが、例えば避難者が手動閉鎖装置15にて操作することにより、散水ヘッド50a〜50lの図示しない開閉弁を開放してもよい(なお、散水ヘッド50a〜50lの散水を終了する場合も、これと同様としてもよい)。
【0069】
また、本実施の形態では、シャッターカーテン12が自重降下を開始してから所定時間経過後に、連動中継器16が散水ヘッド50a〜50lの図示しない開閉弁を開放すると説明したが、例えば、シャッターカーテン12、防火扉21、及び避難用子扉22の温度上昇を一層抑制できるように、シャッターカーテン12が自重降下を開始すると同時に、連動中継器16が散水ヘッド50a〜50lの図示しない開閉弁を開放してもよい。
〔付記〕
付記1の防火シャッターは、火災発生検知時に降下して防火区画を形成する防火シャッターであって、複数のスラットを並設して構成されたシャッター本体と、前記シャッター本体への散水を行うために当該シャッター本体の上方周辺に配置された散水ヘッドとを備え、前記シャッター本体の両側面のうち、前記複数のスラットの相互の接続部が所定構造となる側面である防水面に、前記散水ヘッドから散水を行うことによって流下水膜を形成可能である。
また、付記2の防火シャッターは、付記1に記載の防火シャッターにおいて、前記シャッター本体の前記防水面に、親水性表面処理を行っている。
また、付記3の防火シャッターは、付記1又は2に記載の防火シャッターにおいて、前記散水ヘッドを、水平方向に沿って所定間隔で複数並設し、前記複数の散水ヘッドの各々を、当該各散水ヘッドより下方に位置する前記シャッター本体に向けて傾斜状に散水可能となるように配置している。
また、付記4の防火シャッターは、付記1から3のいずれか一項に記載の防火シャッターにおいて、前記散水ヘッドは、水流減速機構を備えている。
また、付記5の防火開閉体は、火災発生検知時に降下して防火区画を形成し、複数のスラットを接続して構成されるシャッター本体を備えた防火シャッターに対して並設される、防火開閉体であって、防火開閉体本体と、前記防火開閉体本体への散水を行うために当該防火開閉体本体の上方周辺に配置された散水ヘッドとを備え、前記防火開閉体本体の両側面のうち、前記複数のスラットの相互の接続部が所定構造となる側面に沿った防水面に、前記散水ヘッドから散水を行うことによって流下水膜を形成可能である。
また、付記6の防火開閉体は、付記5に記載の防火開閉体において、前記防火開閉体本体の前記防水面に、親水性表面処理を行っている。
また、付記7の防火開閉体は、付記5又は6に記載の防火開閉体において、前記散水ヘッドを、水平方向に沿って所定間隔で複数並設し、前記複数の散水ヘッドの各々を、当該各散水ヘッドより下方に位置する前記防火開閉体本体に向けて傾斜状に散水可能となるように配置している。
また、付記8の防火開閉体は、付記5から7のいずれか一項に記載の防火開閉体において、前記散水ヘッドは、水流減速機構を備えている。
〔付記の効果〕
付記1に記載の防火シャッターによれば、シャッター本体の両側面のうち、複数のスラットの相互の接続部が所定構造となる側面である防水面に、散水ヘッドから散水を行うことによって流下水膜を形成可能であるので、従来の防火シャッターに比べて少流量で流下水膜を形成することができる。そのため、従来の防火シャッターに比べて散水ヘッドの散水量を低減しながら、シャッター本体の温度上昇を抑制することができ、散水ヘッドにおけるシャッター本体に対する散水効率を向上させることができる。
また、付記2に記載の防火シャッターによれば、シャッター本体の防水面に、親水性表面処理を行ったので、シャッター本体の防水面に形成された均一な流下水膜が、当該防水面の上方から下方にわたって形成されやすくなる。
また、付記3に記載の防火シャッターによれば、複数の散水ヘッドの各々を、当該各散水ヘッドより下方に位置するシャッター本体に向けて傾斜状に散水可能となるように配置したので、散水ヘッドから散水された水がシャッター本体の防水面に当たった時に、上方に反射した水は当該防水面のX方向及びY方向に拡散されるので、当該防水面に均一な流下水膜が一層形成されやすくなる。
また、付記4に記載の防火シャッターによれば、散水ヘッドは、水流減速機構を備えるので、シャッター本体の防水面における水反射を抑制し、当該防水面に均一な流下水膜を形成することができる。
また、付記5に記載の防火開閉体によれば、防火開閉体本体の両側面のうち、複数のスラットの相互の接続部が所定構造となる側面に沿った防水面に、散水ヘッドから散水を行うことによって流下水膜を形成可能であるので、従来の防火開閉体本体に比べて少流量で流下水膜を形成することができる。そのため、従来の防火開閉体本体に比べて散水ヘッドの散水量を低減しながら、防火開閉体本体の温度上昇を抑制することができ、散水ヘッドにおける防火開閉体本体に対する散水効率を向上させることができる。
また、付記6に記載の防火開閉体によれば、防火開閉体本体の防水面に、親水性表面処理を行ったので、防火開閉体本体の防水面に形成された均一な流下水膜が、当該防水面の上方から下方にわたって形成されやすくなる。
また、付記7に記載の防火開閉体によれば、複数の散水ヘッドの各々を、当該各散水ヘッドより下方に位置する防火開閉体本体に向けて傾斜状に散水可能となるように配置したので、散水ヘッドから散水された水が防火開閉体本体の防水面に当たった時に、上方に反射した水は当該防水面のX方向及びY方向に拡散されるので、当該防水面に均一な流下水膜が一層形成されやすくなる。
また、付記8に記載の防火開閉体によれば、散水ヘッドは、水流減速機構を備えるので、防火開閉体本体の防水面における水反射を抑制し、当該防水面に均一な流下水膜を形成することができる。