(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の部品実装装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、図において、基板PBの搬送方向をY方向、Y方向と直交する水平方向をX方向、Y方向と直交する垂直方向をZ方向とする。
【0018】
図1および
図2に示すように、本実施形態による部品実装装置1は、基台19上面の奥側(
図1の上側、
図2の左側)に配設され、基板PBを搬送して部品実装位置Aに搬入出する基板搬送装置2と、基台19上面の手前側(
図1の下側、
図2の右側)に配設され、基板PB上に装着する部品を供給する部品供給装置3と、基台19上面の上方に配設され、今回の装着サイクルで基板PB上に装着する部品を後述の待機部品保持装置5で吸着して移送する部品移載装置4と、基台19上面の基板搬送装置2と部品供給装置3との間の部品準備位置Bに配設され、次回の装着サイクルで基板PB上に装着する部品を待機可能に保持する待機部品保持装置5と、基台19上面の上方に配設され、待機部品保持装置5に保持させる部品を部品供給装置3で吸着して移送する待機部品配列装置6等とを備えて構成される。
【0019】
基板搬送装置2は、一対のガイドレール21a,21bと、一対のコンベアベルト22a,22bと、クランプ装置23等とを備えている。一対のガイドレール21a,21bは、Y方向に延在し基板PBの幅と略同一の距離を隔てて互いに平行に配置されている。一対のコンベアベルト22a,22bは、ガイドレール21a,21bの直下に並設されている。クランプ装置23は、一対のガイドレール21a,21bの間であって実装位置の下方に配設されている。このような構成の基板搬送装置2においては、基板PBが一対のガイドレール21a,21bによりY方向に案内されつつ一対のコンベアベルト22a,22bにより部品実装位置Aまで搬送され、クランプ装置23によりコンベアベルト22a,22bから押し上げられてクランプされ位置決め固定されるようになっている。
【0020】
部品供給装置3は、異なる部品種の部品を夫々収容して供給する複数のカセット式のフィーダ31(本発明の「部品貯留装置」に相当する)がY方向に沿ってセットされるフィーダホルダ部32等を備えている。フィーダ31は、後部に部品供給リール33がセットされるフィーダ本体31aと、該フィーダ本体31aの前部に設けられた部品取出し箇所31bとにより概略構成されている。部品供給リール33には、部品が所定ピッチで配置されカバーテープ(図示省略)で覆われたキャリアテープ34が巻回されている。このような構成の部品供給装置3においては、キャリアテープ34がフィーダ本体31aに備えられたスプロケット(図示省略)により所定ピッチで引き出されてカバーテープが引き剥がされ、部品が部品取出し箇所31bに順次送り込まれると共にキャリアテープ34が巻き取られるようになっている。
【0021】
部品移載装置4は、第1駆動装置40(本発明の「駆動装置」に相当する)によって水平面内で移動される第1ヘッドホルダ41等とを備えている。第1駆動装置40は、一対の固定レール42a,42bと、第1ヘッド移動レール43等とを備えている。一対の固定レール42a,42bは、基板搬送装置2の両端部の上方にX方向に延在し互いに平行に配置されている。第1ヘッド移動レール43は、Y方向に延在して配置されて両端が固定レール42a,42bに沿って移動可能に支持されている。第1ヘッド移動レール43の移動は、ボールねじを介してサーボモータ(いずれも図示省略)により制御されている。
【0022】
第1ヘッドホルダ41は、第1ヘッド移動レール43に沿って移動可能に支持されている。第1ヘッドホルダ41の移動は、ボールねじを介してサーボモータ(いずれも図示省略)により制御されている。第1ヘッドホルダ41には、基板PBにおける部品装着位置の認識および後述の待機部品保持装置5の保持台51上の部品保持位置の認識が可能な第1認識用カメラ44およびZ軸回りを回転可能且つZ方向に昇降可能な第1実装ヘッド45(本発明の「実装ヘッド」に相当する)が保持されている。この第1実装ヘッド45には、部品を吸着する第1部品吸着ノズル46(本発明の「部品吸着ノズル」に相当する)を着脱可能に保持する第1ノズルホルダ47が、第1実装ヘッド45の回転軸線を中心とする一円周上に等角度間隔で複数個(本例では、8個)下方に突設されている。
【0023】
第1部品吸着ノズル46が装着された第1ノズルホルダ47は、第1実装ヘッド45からZ方向に昇降可能に且つZ軸回りで回転可能に支持されている。第1部品吸着ノズル46が装着された第1ノズルホルダ47の昇降は、ボールねじを介してサーボモータ(いずれも図示省略)により制御され、第1部品吸着ノズル46が装着された第1ノズルホルダ47の回転は、ギヤ機構を介してサーボモータ(いずれも図示省略)により制御されている。第1部品吸着ノズル46は、略中空円筒状に形成され大気圧、正圧、負圧の切換可能な三方向バルブを介して真空ポンプ(図示省略)と接続されており、ノズル下端において部品を吸着保持可能に構成されている。また、部品移載装置4と部品供給装置2の間には第1部品吸着ノズル46の部品の吸着状態の認識が可能な部品認識用カメラ48が取り付けられている。
【0024】
このような構成の部品移載装置4においては、後述の待機部品保持装置5の保持台51上に保持されている部品が、第1部品吸着ノズル46により吸着され第1ヘッド移動レール43および第1ヘッドホルダ41により部品実装位置Aに位置決めされた基板PBまで移送され、第1部品吸着ノズル46により基板PB上の部品装着位置に装着されるようになっている。
【0025】
待機部品保持装置5は、複数の部品を並べて待機可能に保持する保持台51等を備えている。このような構成の待機部品保持装置5の保持台51上には、部品移載装置4の複数本(本例では、8本)の第1部品吸着ノズル46で次回の装着サイクル時に基板PB上に装着する部品を吸着可能なように、後述する待機部品配列装置6の複数本(本例では、8本)の第2部品吸着ノズル66で吸着された当該部品が載置されるようになっている。
【0026】
保持台51上の部品の配置としては、第1実装ヘッド45の第1部品吸着ノズル46の吸着方法によって異なる。例えば、第1実装ヘッド45が一定の角度位置に回転したときに第1部品吸着ノズル46が降下して部品を吸着する動作を8回繰り返すタイプの場合、
図3(A)に示すように、8個の部品P1〜P8をY方向(X方向でもよい)に直線状に並べた配置とする。また、各部品P1〜P8を基板PB上に装着するときの部品装着角度に応じた角度での配置とする。一方、第1実装ヘッド45が降下して8本の第1部品吸着ノズル46が部品を一時に吸着するタイプの場合、
図3(B)に示すように、8個の部品P1〜P8を8本の第1部品吸着ノズル46の配列に合わせて円周状に並べた配置とする。また、各部品P1〜P8を基板PB上に装着するときの部品装着角度に応じた角度での配置とする。
【0027】
このような部品配置とすることにより、部品移載装置4は、待機部品保持装置5の保持台51に保持されている部品を短時間にもしくは一時にそのまま吸着保持し、第1部品吸着ノズル46の配列順に基板PB上に装着することができる。また、吸着保持した部品の基板PB上への装着角度は設定済みであるため、吸着姿勢のみを補正すればよい。よって、部品移載装置4の稼働率を向上させることができ、実装タクトタイムをさらに大幅に短縮させることができる。また、部品移載装置4の動作プログラムにおいて、部品の装着順序や装着角度等のデータ処理が省略可能となるので、簡易なプログラムとなって高速処理が可能となる。
【0028】
待機部品配列装置6は、第2駆動装置60によって水平面内で移動される第2ヘッドホルダ61等とを備えている。第2駆動装置60は、第1駆動装置40と兼用となる一対の固定レール42a,42bと、第2ヘッド移動レール63等とを備えている。第2ヘッド移動レール63は、Y方向に延在して配置されて両端が固定レール42a,42bに沿って移動可能に支持されている。第2ヘッド移動レール63の移動は、ボールねじを介してサーボモータ(いずれも図示省略)により制御されている。
【0029】
第2ヘッドホルダ61は、第2ヘッド移動レール63に沿って移動可能に支持されている。第2ヘッドホルダ61の移動は、ボールねじを介してサーボモータ(いずれも図示省略)により制御されている。第2ヘッドホルダ61には、待機部品保持装置5の保持台51上の部品保持位置の認識が可能な第2認識用カメラ64およびZ軸回りを回転可能且つZ方向に昇降可能な第2実装ヘッド65が保持されている。この第2実装ヘッド65には、部品を吸着する第2部品吸着ノズル66を着脱可能に保持する第2ノズルホルダ67が、第2実装ヘッド65の回転軸線を中心とする一円周上に等角度間隔で複数個(本例では、8個)下方に突設されている。なお、単体の第2部品吸着ノズル66を着脱可能に保持する第2ノズルホルダ67が第2実装ヘッド65に保持された構成としてもよい。
【0030】
第2部品吸着ノズル66が装着された第2ノズルホルダ67は、第2実装ヘッド65からZ方向に昇降可能に且つZ軸回りで回転可能に支持されている。第2部品吸着ノズル66が装着された第2ノズルホルダ67の昇降は、ボールねじを介してサーボモータ(いずれも図示省略)により制御され、第2部品吸着ノズル66が装着された第2ノズルホルダ67の回転は、ギヤ機構を介してサーボモータ(いずれも図示省略)により制御されている。第2部品吸着ノズル66は、略中空円筒状に形成され大気圧、正圧、負圧の切換可能な三方向バルブを介して真空ポンプ(図示省略)と接続されており、ノズル下端において部品を吸着保持可能に構成されている。
【0031】
このような構成の待機部品配列装置6においては、部品供給装置3のフィーダ31の部品取出し箇所31bに供給されている部品が、第2部品吸着ノズル66により吸着され、第2ヘッド移動レール63および第2ヘッドホルダ61により待機部品保持装置5の保持台51まで移送され、第2部品吸着ノズル66により保持台51上の部品保持位置に載置されるようになっている。
【0032】
次に、本実施形態の部品実装装置1の部品移載装置4の第1実装ヘッド45による部品装着時における動作経路、および従来の部品実装装置の部品移載装置の実装ヘッドによる部品装着時における動作経路について
図4を参照して説明する。なお、第1実装ヘッド45および従来の実装ヘッドは、基板搬送装置2により部品実装位置Aに搬入された基板PB上から動作開始するものとする。
【0033】
図4(A)に示すように、本実施形態の部品実装装置1では、第1実装ヘッド45は、先ず、基板搬送装置2により部品実装位置Aに搬入された基板PBから待機部品保持装置5の保持台51に移動する(経路R1)。そして、待機部品保持装置5の保持台51上に保持されている円周状に並べられた8個の部品P1〜P8を、8本の第1部品吸着ノズル46で一時に吸着保持する。次に、保持台51から部品認識用カメラ48に移動し(経路R2)、各部品P1〜P8の吸着状態を認識する。そして、部品認識用カメラ48から基板PBに移動し(経路R3)、各部品P1〜P8を基板PB上の部品装着位置に装着する。なお、この装着サイクルの間に、待機部品配列装置6は、部品供給装置3から待機部品保持装置5の保持台51上への次回の装着サイクルの各部品P1〜P8の移送を行う。
【0034】
一方、
図4(B)に示すように、従来の部品実装装置では、実装ヘッドは、先ず、基板搬送装置により部品実装位置に搬入された基板PBから部品供給装置3の所定のフィーダ141(本例では、図示右側のフィーダ141)に移動する(経路R11)。そして、フィーダ141の部品取出し箇所141aに供給されている部品P1を、8本の部品吸着ノズルのうちの1本の部品吸着ノズルで吸着保持する。さらに、所定のフィーダ142(本例では、フィーダ141の左隣のフィーダ142)に移動し(経路R12)、フィーダ142の部品取出し箇所142aに供給されている部品P2を、残りの7本の部品吸着ノズルのうちの1本の部品吸着ノズルで吸着保持する(経路R13)。
【0035】
以上の動作を繰り返し、各フィーダ143〜148の部品取出し箇所143a〜148aに供給されている部品P3〜P8を、残りの6本の部品吸着ノズルでそれぞれ吸着保持する(経路R14〜R18)。次に、フィーダ148の部品取出し箇所148aから部品認識用カメラ48に移動し(経路R19)、各部品P1〜P8の吸着状態を認識する。そして、部品認識用カメラ48から基板PBに移動し(経路R20)、各部品P1〜P8を基板PB上の部品装着位置に装着する。
【0036】
図4から明らかなように、本実施形態の部品実装装置1の第1実装ヘッド45の部品装着時における動作経路(R1〜R3)は、従来の部品実装装置の実装ヘッドの部品装着時における動作経路(R11〜R20)と比較して短縮されている。よって、本実施形態の部品実装装置1の実装タクトタイムを従来の部品実装装置の実装タクトタイムよりも短縮させることができる。
【0037】
次に、本発明の部品実装装置の第2の実施の形態を
図2に対応させて示す
図5に基づいて説明する。なお、
図5において、
図2と同一構成部材は同一番号を付して詳細な説明を省略する。この部品実装装置70では、待機部品配列装置7が第1の実施形態の部品実装装置1の待機部品配列装置6と異なる構成となっている。この待機部品配列装置7の第2ヘッドホルダ61には、第1の実施形態の待機部品配列装置6と同様の第2認識用カメラ64および第2実装ヘッド65が保持され、さらに例えばフリップ部品等の供給状態から反転させる必要がある部品を吸着する反転部品吸着装置71が保持されている。
【0038】
反転部品吸着装置71は、装置本体72と、Z軸回りを回転可能且つZ方向に伸縮可能な伸縮アーム73と、該伸縮アーム73の下端でX軸回りを旋回可能な反転部品吸着ノズル74を着脱可能に保持する反転部品ノズルホルダ75等とを備えている。装置本体72は、第2ヘッドホルダ61に取り付けられている。伸縮アーム73は、装置本体72に内蔵されている。この伸縮アーム73の回転および昇降は、それぞれボールねじを介してサーボモータ(いずれも図示省略)により制御されている。反転部品吸着ノズル74が装着された反転部品ノズルホルダ75の旋回は、伸縮アーム73と反転部品ノズルホルダ75との間に取り付けられているギヤ機構およびサーボモータ(いずれも図示省略)を備えた電動ヒンジ76により制御されている。反転部品吸着ノズル74は、略中空円筒状に形成されて真空ポンプ(図示省略)と接続されており、ノズル下端において部品を吸着保持可能に構成されている。
【0039】
このような構成の部品実装装置70においては、部品供給装置3のフィーダ31の部品取出し箇所31bに供給されている部品が、反転させる必要のない部品の場合、第2部品吸着ノズル66により吸着され、第2ヘッド移動レール63および第2ヘッドホルダ61により待機部品保持装置5の保持台51まで移動され、第2部品吸着ノズル66により保持台51上の部品保持位置に載置されるようになっている。
【0040】
また、部品供給装置3のフィーダ31の部品取出し箇所31bに供給されている部品が、反転させる必要のある部品FPの場合、伸縮アーム73が下降して反転部品吸着ノズル74により吸着され(
図5(A),(B)参照)、電動ヒンジ76により反転される(
図5(C)参照)。そして、第2ヘッド移動レール63および第2ヘッドホルダ61により第1ヘッドホルダ41まで移動され、反転部品吸着ノズル74から第1部品吸着ノズル46に受け渡されるようになっている(
図5(D)参照)。この
図5(D)では、待機部品配列装置7の反転部品吸着ノズル74、反転部品ノズルホルダ75および電動ヒンジ76のみを示す。
【0041】
なお、反転部品吸着装置71を第2ヘッドホルダ61に保持させず、部品供給装置3の各フィーダ31の部品取出し箇所31bの上方にて単独でY方向に移動可能に構成してもよい。その場合、反転させる必要のある部品は、反転部品吸着ノズル74から第2部品吸着ノズル66に受け渡され、以降は反転させる必要のない部品と同様に第2ヘッド移動レール63および第2ヘッドホルダ61により待機部品保持装置5の保持台51まで移動され、第2部品吸着ノズル66により保持台51上の部品保持位置に載置される。
【0042】
次に、本発明の部品実装装置の第3の実施の形態を
図2に対応させて示す
図6に基づいて説明する。なお、
図6において、
図2と同一構成部材は同一番号を付して詳細な説明を省略する。この部品実装装置80では、部品移載装置4の第1実装ヘッド81、待機部品配列装置6の第2実装ヘッド82および待機部品保持装置5の保持台83が、第1の実施形態の部品実装装置1の部品移載装置4の第1実装ヘッド45、待機部品配列装置6の第2実装ヘッド65および待機部品保持装置5の保持台51と異なる構成となっている。
【0043】
部品移載装置4の第1実装ヘッド81および待機部品配列装置6の第2実装ヘッド82は、同一に構成されており、第1ヘッドホルダ41および第2ヘッドホルダ61に対し着脱可能に装着される構成となっている。そして、第1部品吸着ノズル46および第2部品吸着ノズル66は、三方向バルブを介して真空ポンプと接続されているため、第1実装ヘッド81および第2実装ヘッド82が第1ヘッドホルダ41および第2ヘッドホルダ61から離脱されても、各ノズル下端において吸着した部品を保持可能となっている。
【0044】
待機部品保持装置5の保持台83は、第1実装ヘッド81および第2実装ヘッド82を待機可能に保持する構成となっている。すなわち、保持台83には、第1部品吸着ノズル46が装着された第1ノズルホルダ47および第2部品吸着ノズル66が装着された第2ノズルホルダ67には接触せず、第1実装ヘッド81および第2実装ヘッド82の外周を支持可能な貫通穴83a,83bが第1実装ヘッド保持位置および第2実装ヘッド保持位置として穿設されている。
【0045】
このような構成の部品実装装置80においては、第2ヘッドホルダ61は、部品供給装置3のフィーダ31の部品取出し箇所31bに供給されている次回の装着サイクルで装着される部品Pを吸着し、待機部品保持装置5の保持台83まで移動する。一方、第1ヘッドホルダ41は、今回の装着サイクルによる基板PBへの部品装着が完了したら、待機部品保持装置5の保持台83まで移動する(
図6(A),(B)参照)。
【0046】
そして、第2ヘッドホルダ61は、第2実装ヘッド82を第2ヘッドホルダ61から離脱して保持台83上の第2実装ヘッド保持位置に載置する。一方、第1ヘッドホルダ41は、第1実装ヘッド81を第1ヘッドホルダ41から離脱して保持台83上の第1実装ヘッド保持位置に載置する(
図6(C)参照)。そして、第1ヘッドホルダ41は、第2実装ヘッド保持位置に載置されている第2実装ヘッド82を装着し、基板PBに移動して部品Pの装着を行う。一方、第2ヘッドホルダ61は、第1実装ヘッド保持位置に載置されている第1実装ヘッド81を装着し、部品供給装置3のフィーダ31の部品取出し箇所31bに供給されている次々回の装着サイクルで装着される部品を吸着する(
図6(D)参照)。
【0047】
次に、本発明の部品実装装置の第4の実施の形態を
図1に対応させて示す
図7および
図8に基づいて説明する。なお、
図7において、
図1と同一構成部材は同一番号を付して詳細な説明を省略する。この部品実装装置90では、待機部品保持装置9および待機部品配列装置10の第2駆動装置101が第1の実施形態の部品実装装置1の待機部品保持装置5および待機部品配列装置6の第2駆動装置60と異なる構成となっている。
【0048】
待機部品保持装置9は、今回の装着サイクルで装着される部品Pが配列されたトレイTと次回の装着サイクルで装着される部品Pが配列されたトレイTとを交換するトレイ交換装置91等を備えている。待機部品配列装置10の第2駆動装置101は、基板PBに装着する部品Pを部品供給装置3のフィーダ31からトレイTに配列可能なようにトレイ交換装置91内に配置されている。
【0049】
トレイ交換装置91はハウジング92を備えている。ハウジング92内には、部品を待機可能に保持するトレイTが抜き差し可能に収納されるトレイストッカ93が昇降可能に設けられている。ハウジング92内の上部には、待機部品配列装置10の第2駆動装置101が設けられている。そして、基板PB側となるハウジング92前部には、トレイTをトレイストッカ93と部品準備位置Bとの間で移動するトレイ移動装置94が設けられている。また、ハウジング92後部および両側部には、部品供給装置3がそれぞれ配置可能に構成されている。
【0050】
待機部品配列装置10の第2駆動装置101は、第1の実施形態の待機部品配列装置6の第2駆動装置60と比較して、一対の固定レール102a,102bのみが異なる構成となっている。すなわち、一対の固定レール102a,102bは、第1駆動装置40と兼用ではなく、第2駆動装置101専用に設けられており、ハウジング92内の上部の両端部にX方向に延在し互いに平行に配置されている。
【0051】
このような構成の部品実装装置90では、部品供給装置3のフィーダ31の部品取出し箇所31bに供給されている部品Pが、第2部品吸着ノズル66により吸着され、第2ヘッド移動レール63および第2ヘッドホルダ61により最上段のトレイTまで移動され、第2部品吸着ノズル66により最上段のトレイT上の所定の部品保持位置に載置される。そして、最上段のトレイT上の部品載置が完了すると、トレイストッカ93が下降しトレイTが部品準備位置Bの高さに位置決めされ、トレイ移動装置94によりトレイTがトレイストッカ93の最上段から部品準備位置Bに引出される。
【0052】
そして、トレイストッカ93が上昇し所定の収納段が部品準備位置Bの高さに位置決めされ、トレイ移動装置94によりトレイTが部品準備位置Bからトレイストッカ93の所定の収納段に収納される。以下、同様にしてトレイストッカ93の各収納段には部品が載置されているトレイTが収納される。そして、部品実装の際にトレイストッカ93から部品準備位置Bに引出されたトレイT上の部品Pは、部品装着装置3の第1部品吸着ノズル46により吸着され第1ヘッド移動レール43および第1ヘッドホルダ41により部品実装位置Aに位置決めされた基板PBまで移送され、第1部品吸着ノズル46により基板PB上の部品装着位置に装着される。
【0053】
次に、本発明の部品実装装置の第5の実施の形態を
図1に対応させて示す
図9に基づいて説明する。なお、
図9において、
図1と同一構成部材は同一番号を付して詳細な説明を省略する。この部品実装装置100では、第1の実施形態の部品実装装置1の基板搬送装置2、部品供給装置3、部品移載装置4、待機部品保持装置5および待機部品配列装置6をそれぞれ2つ備えた構成となっている。すなわち、この部品実装装置100は、1台の部品実装装置1を180度反転させ、反転させた部品実装装置1の部品搬送装置2と他の1台の部品実装装置1の部品搬送装置2とが対向するように配設した構成となっている。このような構成の部品実装装置100では、装置両側において基板搬送、部品供給、部品移載、待機部品保持および待機部品配列等の部品実装を同時処理することができ、実装タクトタイムの大幅な短縮が可能となる。
【0054】
以上説明したように、第1の実施形態の部品実装装置1によれば、部品実装装置1は、今回の装着サイクルで使用する部品を移送して基板PB上に装着する専用の部品移載装置4と、次回の装着サイクルで使用する部品を移送して待機させる専用の待機部品配列装置6とを備えている。このため、部品移載装置4が、部品装着動作中であっても、待機部品配列装置6は、部品待機動作を行うことができる。よって、部品移載装置4および待機部品配列装置6の稼働率を向上させることができ、実装タクトタイムを短縮させることができる。
【0055】
また、第2の実施形態の部品実装装置70によれば、待機部品配列装置7は、反転が必要な部品FPを吸着保持した後に反転し、部品移載装置4の第1実装ヘッド45に受け渡すようになっている。このため、部品移載装置4は、当該反転部品FPをそのまま基板PB上に装着することができるので、反転部品FPの装着が必要なときの実装タクトタイムを大幅に短縮させることができる。
【0056】
また、第3の実施形態の部品実装装置80によれば、部品移載装置4の第1実装ヘッド81は、部品移載装置4の第1ヘッドホルダ41および待機部品配列装置6の第2ヘッドホルダ61と着脱可能で、離脱後でも部品Pの吸着保持が可能で、部品Pを吸着した状態で待機部品保持装置5の保持台83に載置可能になっている。このため、待機部品配列装置6の第2ヘッドホルダ61は、部品移載装置4の第1ヘッドホルダ41から離脱された第1実装ヘッド81を装着し、次回の装着サイクルで基板PB上に装着する部品を吸着保持し、待機部品保持装置5の保持台83に載置しておくことができる。よって、部品移載装置4の第1ヘッドホルダ41は、当該第1実装ヘッド81をそのまま装着して吸着保持されている部品を基板PB上に装着することができるので、実装タクトタイムをさらに短縮させることができる。
【0057】
また、第4の実施形態の部品実装装置90によれば、待機部品保持装置9は、今回の装着サイクルで装着される部品Pが配列されていたトレイTと次回の装着サイクルで装着される部品Pが配列されたトレイTとを交換するトレイ交換装置91を備えている。このため、待機部品配列装置9は、新たなトレイTに次々回以降の装着サイクルで装着される部品Pを予め配列しておくことができる。よって、待機部品配列装置9の稼働率を向上させることができ、実装タクトタイムをさらに短縮させることができる。
【0058】
なお、上述の第1〜3の実施形態においては、待機部品保持装置5の保持台51,83は基台19上に固定され、待機部品配列装置6の第2実装ヘッド65がX,Y,Z方向に移動可能な構成とした。しかし、保持台51,83がY方向に移動可能で、第2実装ヘッド65がX,Z方向に移動可能な構成、保持台51,83がZ方向に移動可能で、第2実装ヘッド65がX,Y方向に移動可能な構成、もしくは保持台51,83がY,Z方向に移動可能で、第2実装ヘッド65がX方向に移動可能な構成としてもよい。
【0059】
また、上述の第1〜5の実施形態においては、1つの部品供給装置3に少なくとも1つ以上の待機部品配列装置6,10を配置し、対応する部品移載装置4への部品供給補助を行うことで、実装タクトタイムの大幅な短縮が可能となる。ここでいう待機部品配列装置6,10に対応する部品移載装置4は、1つであっても良いし、複数であっても良い。更にここでいう対応する部品移載装置4は、1つの基板搬送装置2に対応していても良いし、複数の基板搬送装置2に対応していても良い。