特許第5930762号(P5930762)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5930762
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】画像読取装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/19 20060101AFI20160526BHJP
   H04N 1/401 20060101ALI20160526BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20160526BHJP
   G03B 27/50 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
   H04N1/04 103E
   H04N1/40 101A
   G06T1/00 460D
   G03B27/50 A
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-33513(P2012-33513)
(22)【出願日】2012年2月20日
(65)【公開番号】特開2013-172221(P2013-172221A)
(43)【公開日】2013年9月2日
【審査請求日】2015年1月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100090468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 剛
(72)【発明者】
【氏名】岡田 綾
【審査官】 橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−171511(JP,A)
【文献】 特開平08−214118(JP,A)
【文献】 特開2007−282127(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/024− 1/207
H04N 1/40 − 1/409
G06T 1/00
G03B27/50 −27/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を光電的に読み取って画像データを取得するとともに、基準部を光電的に読み取って黒シェーディングデータと白シェーディングデータとを取得する読取部と、該読取部を制御する読取制御部とを備えた画像読取装置において、
前記原稿の読み取りの一時中断を指示する中断指示信号を取得する中断指示信号取得部と、
最初の前記原稿の読取開始時点からの経過時間または前記黒シェーディングデータおよび前記白シェーディングデータを前回取得した時点からの経過時間に応じたパラメータを取得する経過時間パラメータ取得部とをさらに備え、
前記読取制御部が、前記中断指示信号が取得された際、前記経過時間に応じたパラメータが所定値以上の経過時間を表すパラメータである場合には、前記中断時間の長さに関わらず前記黒シェーディングデータおよび前記白シェーディングデータを取得するよう前記読取部を制御し、
前記経過時間に応じたパラメータが所定値未満の経過時間を表すパラメータである場合には、前記中断指示信号が取得された時点からの中断時間が所定値以上である場合には、前記黒シェーディングデータおよび前記白シェーディングデータを取得し、前記中断時間が所定値未満である場合には、前記黒シェーディングデータおよび前記白シェーディングデータのうちの前記白シェーディングデータのみを取得するよう前記読取部を制御するものであることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記経過時間パラメータ取得部が、前記経過時間に応じたパラメータとして、最初の前記原稿の読取開始時点または前記黒シェーディングデータおよび前記白シェーディングデータを前回取得した時点からの前記原稿の読み取り枚数を取得するものであることを特徴とする請求項記載の画像読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿を光電的に読み取って画像データを取得するとともに、基準部を光電的に読み取ってシェーディング補正に用いられる黒シェーディングデータと白シェーディングデータとを取得する画像読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像読取装置では、光源ランプの光量不均一や経時変化や、イメージセンサの素子毎の感度バラツキや温度上昇による黒レベルおよび白レベルの変化などの画像データへの影響を抑制するために、シェーディング補正を行なっている。シェーディング補正は、たとえば画像読取装置に備えられた白基準板を読み取ることによって白シェーディングデータおよび黒シェーディングデータを取得して予め記憶し、これらのシェーディングデータを用いて読み取られた画像データに補正を施すことによって行われる。
【0003】
ここで、シェーディング補正は、上述したように予め記憶されたシェーディングデータを用いて行われるものであるが、光源ランプの経時変化やイメージセンサの温度上昇に起因する画像データへの影響については、シェーディングデータを取得した時点と原稿の画像データを取得した時点とで変化している場合があり、このような場合には適切に補正することができない。
【0004】
そこで、特許文献1においては、たとえば印刷装置側での画像データの処理速度よりも画像読取装置から印刷装置へ画像データを送信する速度の方が早い場合などにおいて、印刷装置側から画像読取装置へ原稿の読み取りの一時中断を指示する信号が出力された際にシェーディングデータの更新を行い、これにより定期的にシェーディングデータの更新を行うことが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平07−307864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、シェーディング補正を行う際には、上述したように白レベルの補正を行うための白シェーディングデータと黒レベルの補正を行うための黒シェーディンデータとが必要である。そして、これらの両方を取得するためには、光源ランプをオフした状態で白基準板を読み取って黒シェーディングデータを取得した後、光源ランプをオンした状態で白基準板を読み取って白シェーディングデータを取得する必要がある。すなわち、これらの2つのシェーディングデータを取得するためには光源ランプのオン・オフ動作が必要となる。
【0007】
しかしながら、光源ランプの電源をオンからオフに切り替えたとしても光源ランプから発せられる光が消灯して安定するためには比較的長い時間を要する。また、逆に光源ランプの電源をオフからオンに切り替えたとしても光源ランプから発せられる光が点灯して安定した光量となるまでには比較的長い時間を要する。
【0008】
これらの安定化までの時間は、白基準板を読み取る時間と比較すると非常に長いためスループットの低下を招くことになる。具体的には、たとえば光源ランプの光が消灯して安定化するまでの時間は10ms程度であり、光源ランプの光が点灯して安定化するまでの時間は100ms程度であり、これに対し白基準板を読み取る時間は6ms程度である。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑み、適切なシェーディング補正を行うとともに、スループットの向上を図ることができる画像読取装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の画像読取装置は、原稿を光電的に読み取って画像データを取得するとともに、基準部を光電的に読み取って黒シェーディングデータと白シェーディングデータとを取得する読取部と、読取部を制御する読取制御部とを備えた画像読取装置において、原稿の読み取りの一時中断を指示する中断指示信号を取得する中断指示信号取得部を備え、読取制御部が、中断指示信号が取得された際、その中断指示信号が取得された時点からの中断時間が所定値以上である場合には、黒シェーディングデータおよび白シェーディングデータを取得するよう読取部を制御するものであり、中断時間が所定値未満である場合には、黒シェーディングデータおよび白シェーディングデータのうちの白シェーディングデータのみを取得するよう読取部を制御するものであることを特徴とする。
【0011】
また、上記本発明の画像読取装置においては、最初の原稿の読取開始時点からの経過時間または黒シェーディングデータおよび白シェーディングデータを前回取得した時点からの経過時間に応じたパラメータを取得する経過時間パラメータ取得部をさらに設け、読取制御部を、中断指示信号が取得された際における経過時間に応じたパラメータが所定値以上の経過時間を表すパラメータである場合には、中断時間の長さに関わらず黒シェーディングデータおよび白シェーディングデータを取得するよう読取部を制御するものとできる。
【0012】
本発明の画像読取装置は、原稿を光電的に読み取って画像データを取得するとともに、基準部を光電的に読み取って黒シェーディングデータと白シェーディングデータとを取得する読取部と、読取部を制御する読取制御部とを備えた画像読取装置において、最初の原稿の読取開始時点からの経過時間または黒シェーディングデータおよび白シェーディングデータを前回取得した時点からの経過時間に応じたパラメータを取得する経過時間パラメータ取得部と、原稿の読み取りの一時中断を指示する中断指示信号を取得する中断指示信号取得部とを備え、読取制御部が、中断指示信号が取得された際における経過時間に応じたパラメータが所定値以上の経過時間を表すパラメータである場合には、黒シェーディングデータおよび白シェーディングデータを取得するよう読取部を制御するものであり、中断指示信号が取得された際における経過時間に応じたパラメータが所定値未満の経過時間を表すパラメータである場合には、黒シェーディングデータおよび白シェーディングデータのうちの白シェーディングデータのみを取得するよう読取部を制御するものであることを特徴とする。
【0013】
また、上記本発明の画像読取装置においては、経過時間パラメータ取得部を、経過時間に応じたパラメータとして、最初の原稿の読取開始時点または黒シェーディングデータおよび白シェーディングデータを前回取得した時点からの原稿の読み取り枚数を取得するものとできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の画像読取装置によれば、原稿を光電的に読み取って画像データを取得するとともに、基準部を光電的に読み取って黒シェーディングデータと白シェーディングデータとを取得する画像読取装置において、原稿の読み取りの一時中断を指示する中断指示信号を取得した際、その中断指示信号を取得した時点からの中断時間が所定値以上である場合には、黒シェーディングデータおよび白シェーディングデータを取得し、中断時間が所定値未満である場合には、黒シェーディングデータおよび白シェーディングデータのうちの白シェーディングデータのみを取得するようにしたので、原稿の読み取りを一時中断する毎にシェーディングデータの更新を行うことができるので適切なシェーディング補正を行うことができるとともに、白シェーディングデータのみを取得する場合には、上述したような光源ランプのオン・オフを行う必要がないので、スループットの向上を図ることができる。
【0015】
なお、白シェーディングデータのみを取得して黒シェーディングデータを取得しない場合には、黒シェーディングデータは更新されないことになるが、白シェーディングデータの経時的な濃度変化と黒シェーディングデータの経時的な濃度変化との加算値が許容される濃度変化の範囲内におさまれば問題はないので、白シェーディングデータのみの更新でも適切なシェーディング補正を行うことができる。
【0016】
また、上記本発明の画像読取装置において、最初の原稿の読取開始時点からの経過時間または黒シェーディングデータおよび白シェーディングデータを前回取得した時点からの経過時間に応じたパラメータを取得し、中断指示信号が取得された際における経過時間に応じたパラメータが所定値以上の経過時間を表すパラメータである場合には、中断時間の長さに関わらず黒シェーディングデータおよび白シェーディングデータを取得するようにした場合には、中断時間が所定値未満の場合が連続して発生して白シェーディングデータのみの更新が連続して行われたとしても、定期的に黒シェーディングデータおよび白シェーディングデータの両方を更新することができるので、白レベルおよび黒レベルともに適切なシェーディング補正を施すことができる。
【0017】
本発明の画像読取装置によれば、原稿を光電的に読み取って画像データを取得するとともに、基準部を光電的に読み取って黒シェーディングデータと白シェーディングデータとを取得する画像読取装置において、最初の原稿の読取開始時点からの経過時間または黒シェーディングデータおよび白シェーディングデータを前回取得した時点からの経過時間に応じたパラメータを取得するとともに、原稿の読み取りの一時中断を指示する中断指示信号を取得し、その中断指示信号を取得した際における経過時間に応じたパラメータが所定値以上の経過時間を表すパラメータである場合には、黒シェーディングデータおよび白シェーディングデータを取得し、中断指示信号を取得した際における経過時間に応じたパラメータが所定値未満の経過時間を表すパラメータである場合には、黒シェーディングデータおよび白シェーディングデータのうちの白シェーディングデータのみを取得するようにしたので、上記と同様に、原稿の読み取りを一時中断する毎にシェーディングデータの更新を行うことができるので適切なシェーディング補正を行うことができるとともに、白シェーディングデータのみを取得する場合には、上述したような光源ランプのオン・オフを行う必要がないので、スループットの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の画像読取装置の第1の実施形態を用いたプリンタシステムの概略構成を示すブロック図
図2】読取部の画像読取面の概略構成を示す図
図3】本発明の画像読取装置の第1の実施形態を用いたプリンタシステムの作用を説明するためのフローチャート
図4】第1の実施形態を用いたプリンタシステムにおけるシェーディングデータの取得方法の切り替えを説明するための図
図5】本発明の画像読取装置の第1の実施形態を用いたプリンタシステムの作用を説明するためのフローチャート
図6】第2の実施形態を用いたプリンタシステムにおけるシェーディングデータの取得方法の切り替えを説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の画像読取装置の第1の実施形態を用いたプリンタシステムについて詳細に説明する。図1は、本実施形態のプリンタシステム1の全体概略構成図である。
【0020】
本実施形態のプリンタシステムは、図1に示すように、画像読取装置10と、画像読取装置10に接続された印刷装置30と、印刷装置30に接続されたコンピュータ40とを備えている。
【0021】
画像読取装置10は、原稿を光電的に読み取って原稿を表す画像データを取得するとともに、後述する白基準板(基準部に相当する)15を読み取って黒シェーディングデータと白シェーディングデータを取得する読取部11と、読取部11の動作を制御するとともに、読取部11から出力された画像データに対してシェーディング補正などの種々の画像処理を施す制御部(読取制御部に相当する)20とを備えている。
【0022】
本実施形態における読取部11は、自動原稿読取台に載置された複数枚の原稿を自動的に取り込んで読取りを行なう自動読取動作と、ユーザによって原稿載置領域に1枚ずつ載置された原稿の画像を読み取る手動読取動作とを選択的に行なうことができるものである。
【0023】
そして、自動読取動作では、原稿に光を照射する光源ランプと原稿からの反射光を取り込むミラーとを搭載した後述するキャリッジを固定し、原稿を自動搬送することで読み取りが行われ、手動読取動作では、原稿を固定し、キャリッジを走査させることで読み取りが行われる。
【0024】
図2は、本実施形態における読取部11の画像読取面の概略構成を示す図であり、図2(a)は平面図、図2(b)は側面図を示している。
【0025】
読取部11は、図2(a)に示すように、自動読取動作において原稿の読取面となる自動読取領域12と、手動読取動作において原稿の読取面となる原稿載置領域13とを備えている。これらの原稿読取面は、いずれもガラス板によって構成され、原稿読取面の周囲は遮光部材により覆われている。そして、図2(b)に示すように、自動読取領域12の上方には、自動読取動作における原稿搬送のガイドとなるガイド板19が配置されている。
【0026】
また、図2(a)に示すように、自動読取領域12と原稿載置領域13との間には、遮光部材である位置ガイド板14が設けられている。位置ガイド板14は、手動読取動作において原稿載置領域13に原稿を載置する際の位置合わせのガイドとして機能するものである。位置ガイド板14の原稿設置面側には、A3、A4、中心位置等の目印が表示されており、原稿設置面と反対側の面には、図2(b)に示すように白基準板15が設けられている。
【0027】
白基準板15は、シェーディング補正処理において用いられる白シェーディングデータと黒シェーディングデータとを取得するために読み取られるものである。白基準板15は、一様な反射率を有する白色板から構成されるものであり、ランプキャリッジ16aに搭載された第1ミラー4aの長手方向の長さ、すなわち読取対象幅以上の長さを有するものである。なお、本実施形態では、光源ランプをONした状態で白基準板15を読み取ることによって白シェーディングデータが取得され、光源ランプをOFFした状態で白基準板15を読み取ることで黒シェーディングデータが取得される。ただし、黒基準板を別途設け、他の場所で黒シェーディングデータを取得するようにしてもよい。
【0028】
また、図2(b)に示すように、原稿の読取面の下方には、ランプキャリッジ16a、ミラーキャリッジ16b、レンズ3およびイメージセンサ17が設けられている。
【0029】
ランプキャリッジ16aは、光源ランプ18と第1ミラー4aとを備えており、ミラーキャリッジ16bは、第2ミラー4bと第3ミラー4cとを備えている。
【0030】
そして、ランプキャリッジ16aに設けられた光源ランプ18から出射された光が上方に向かって照射され、原稿または白基準板15において反射された光が、第1ミラー4a、第2ミラー4bおよび第3ミラー4cを反射してレンズ3に入射され、レンズ3に入射された光がイメージセンサ17に導かれるように構成されている。そして、イメージセンサ17によって原稿または白基準板15の像が検出される。
【0031】
光源ランプ18と第1ミラー4aとを搭載したランプキャリッジ16aは、自動読取動作においては、自動読取領域12に対応する位置Aに固定され、図示しない自動原稿搬送機構により搬送される原稿Gの画像が読み取られる。手動読取動作においては、白基準板15に対応する位置Bから原稿載置領域13の端の位置Cに向かって、図示しないキャリッジ移動機構によりランプキャリッジ16aが水平に移動することによって原稿載置領域13に載置された原稿の画像が読み取られる。また、白シェーディングデータおよび黒シェーディングデータを取得する際には、白基準板15に対応する位置Bに配置され、白基準板15が読み取られる。
【0032】
第2ミラー4bと第3ミラー4cとを搭載したミラーキャリッジ16bは、ランプキャリッジ16aの移動方向に合わせて、ランプキャリッジ16aの移動距離の1/2の距離の割合で移動する。本実施形態の画像読取装置10は、いわゆるフル・ハーフレートミラースキャン方式を採用しており、筐体に固定されているイメージセンサ17と原稿面との距離を一定に保つようにしている。
【0033】
自動読取動作においては、原稿Gは、ランプキャリッジ16aの長手方向(主走査方向)と直交する方向(副走査方向)に図示しない原稿搬送機構によってガイド板19に案内されて搬送され、ライン単位で画像を読み取られる。
【0034】
制御部20は、上述したように読取部11の動作を制御するとともに、読取部11から出力された画像データに対してシェーディング補正などの種々の画像処理を施すものである。本実施形態における制御部20は、図1に示すように、中断指示信号取得部21と、読取原稿枚数取得部(経過時間パラメータ取得部に相当する)22と、画像処理部23とを備えている。
【0035】
中断指示信号取得部21は、原稿の読み取りの一時中断を指示する中断指示信号を取得するものである。中断指示信号としては、たとえば所定の原稿の印刷枚数が非常に多い場合や原稿のデータ量が多い場合などにおいて、印刷装置30側での印刷データの処理の負荷が大きくなり、これにより画像読取装置10からの画像データの受付けが不可能になって原稿の読み取りを一時中断するような場合に印刷装置30から出力される信号がある。または、印刷装置30がコンピュータ40からの画像データの受け付けも行っているような場合において、印刷装置30側での印刷データの処理の負荷が大きくなり、これにより画像読取装置10からの画像データの受付けが不可能になって原稿の読み取りを一時中断するような場合に印刷装置30から出力される信号がある。もしくは、印刷装置30においてインクが切れた場合や印刷用紙のジャムが生じた場合などにおいて印刷装置30から出力される信号などがある。
【0036】
読取原稿枚数取得部22は、最初の原稿の読取開始時点または黒シェーディングデータおよび白シェーディングデータの更新が前回行われた時点からの読取原稿枚数をカウントするものである。
【0037】
そして、本実施形態の制御部20は、中断指示信号取得部21において中断指示信号が取得された際に、シェーディング補正を行う際に用いるシェーディングデータの更新を行うものである。
【0038】
具体的には、制御部20は、印刷装置30から出力された中断指示信号を取得した時点から次の原稿読取りの再開指示信号を取得した時点までの中断時間が、所定値以上である場合には、黒シェーディングデータと白シェーディングデータとの両方を取得するように読取部11を制御するものであり、上記中断時間が所定値未満である場合には、黒シェーディングデータおよび白シェーディングデータのうちの白シェーディングデータのみを取得するように読取部11を制御するものである。
【0039】
白シェーディングデータと黒シェーディングデータの取得方法については、上述したとおりである。なお、上記所定値としては、たとえば1000msとすることができるが、これに限らず、中断時間とシェーディングデータの経時的な濃度変動との関係を予め実験などにより確認し、その結果に基づいて設定するようにすればよい。また、上記所定値については、ユーザによって任意に変更可能としてもよい。
【0040】
また、制御部20は、中断指示信号が取得された際に読取原稿枚数取得部22によってカウントされている読取原稿枚数によってもシェーディングデータの取得方法を切り替えるものである。具体的には、中断指示信号が取得された際における読取原稿枚数が、所定値以上場合には、上述した中断時間の長さに関わらず黒シェーディングデータと白シェーディングデータとの両方を取得するように読取部11を制御するものである。なお、上記所定値としては、たとえば8枚とすることができるが、これに限らず、読取原稿枚数とシェーディングデータの経時的な濃度変動との関係を予め実験などにより確認し、その結果に基づいて設定するようにすればよい。また、上記所定値については、ユーザによって任意に変更可能としてもよい。
【0041】
画像処理部23は、上述したように読取部11から出力された画像データに対して、黒シェーディングデータおよび白シェーディングデータを用いてシェーディング補正を施したり、その他の種々の画像処理を施し、その処理済みの画像データを印刷装置30に出力するものである。
【0042】
シェーディング補正は、予め記憶された白シェーディングデータWと黒シェーディングデータBとを用いて、下式を演算することによって行われる。なお、Dは読取部11によって読み取られた画像データであり、Dsはシェーディング補正処理が施された画像データである。
【0043】
Ds=(D−B)×階調数/(W−B)
なお、シェーディング補正は、補正精度を高めるためRGBチャネル毎に行なうことが望ましい。
【0044】
また、白シェーディングデータWと黒シェーディングデータBとは、画像処理部23に記憶されているものであるが、これらは最初の原稿の読取開始前に取得されるとともに、上述したとおり中断指示信号取得部21によって中断指示信号が取得された際に取得されて更新されるものである。
【0045】
印刷装置30は、画像読取装置10やコンピュータ40から出力された画像データに展開処理などを施して印刷データを生成し、その印刷データに基づいて印刷用紙に印刷処理を施すものである。印刷装置30としては、たとえば孔版印刷プリンタやインクジェットプリンタやレーザープリンタなどを用いることができる。
【0046】
コンピュータ40は、メモ帳やWord(登録商標)などのような原稿画像を表す画像データを編集することができるアプリケーションやプリンタドライバがインストールされたものであり、アプリケーションにおいて編集された画像データは、プリンタドライバにおいてPDL(Page Description Language)データに変換された後、印刷ジョブデータとして印刷装置30に出力される。
【0047】
次に、本発明の第1の実施形態のプリンタシステムの作用について説明する。なお、本実施形態のプリンタシステムは、自動読取動作時におけるシェーディングデータの更新方法に特徴を有するものであるので、この点を中心に図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0048】
まず、自動原稿読取台に複数枚の原稿が設置され、図示省略した操作パネルにおいてユーザによって印刷開始ボタンが押下される。印刷開始ボタンが押下されると、原稿の読み取りに先立って、読取部11によって白基準板15が読み取られ、白シェーディングデータと黒シェーディングデータとが取得され、画像処理部23に記憶される。
【0049】
そして、上述したようにシェーディングデータが記憶された後、原稿の自動読取が開始され、読取部11によって原稿の読取りが順次行われる(S12)。読取部11によって読み取られた各原稿の画像データは、制御部20の画像処理部23に順次入力され、画像処理部23において、白シェーディングデータと黒シェーディングデータとを用いたシェーディング補正などが施された後、印刷装置30に順次出力される。印刷装置30は、入力された画像データに基づいて印刷処理を開始する。
【0050】
そして、印刷装置30から上述した中断指示信号が出力されるまで、もしくは全ての原稿の読み取りが終了するまでは、上述した原稿の読み取りおよびシェーディング補正などが順次繰り返して行われる(S12,No、S14,YES)。
【0051】
ここで、印刷装置30から中断指示信号が出力され、この中断指示信号が画像読取装置10の中断指示信号取得部21によって取得されると、制御部20は、読取部11を制御してシェーディングデータの更新を行う(S12,YES)。
【0052】
具体的には、制御部20は、中断指示信号が取得された際、まず、読取原稿枚数取得部22においてカウントされている読取原稿枚数が所定値(たとえば8枚)以上であるか否かを確認する(S16)。そして、制御部20は、読取原稿枚数が所定値未満である場合には(S16,NO)、中断指示信号が取得された時点から次の原稿の読み取り再開指示信号が印刷装置30から出力された時点までの中断時間を取得し、その中断時間が所定値(たとえば1000ms)以上であるか否かを確認する(S18)。
【0053】
制御部20は、中断時間が所定値未満である場合には(S18,NO)、白シェーディングデータおよび黒シェーディングデータのうちの白シェーディングデータのみを取得するように読取部11を制御する。そして、読取部11から出力された白シェーディングデータは、制御部20の画像処理部23に出力され、これまでに記憶されていた白シェーディングデータに対して上書き保存されて更新される(S20)。なお、このとき黒シェーディングデータについては更新されない。そして、画像処理部23は、上述した原稿の読み取り再開指示信号が印刷装置30から出力された時点以降に読取部11によって読み取られた画像データに対しては、更新後の白シェーディングデータと、更新されていない黒シェーディングデータと用いてシェーディング補正を施す。
【0054】
一方、制御部20は、中断時間が所定値以上である場合には(S18,YES)、白シェーディングデータと黒シェーディングデータとの両方を取得するように読取部11を制御する。そして、読取部11から出力された白シェーディングデータと黒シェーディングデータとは、制御部20の画像処理部23に出力され、これまでに記憶されていた白シェーディングデータと黒シェーディングデータに対して上書き保存されて更新される(S22)。なお、このとき読取原稿枚数取得部22における読取原稿枚数のカウント値は一旦リセットされ(S24)、原稿の読み取りが再開された時点から再びカウントを開始するものとする。
【0055】
そして、画像処理部23は、上述した原稿の読み取り再開指示信号が印刷装置30から出力された時点以降に読取部11によって読み取られた画像データに対しては、更新後の白シェーディングデータおよび黒シェーディングデータを用いてシェーディング補正を施す。
【0056】
また、S16において、制御部20は、中断指示信号が取得された際、読取原稿枚数取得部22においてカウントされている読取原稿枚数が所定値(たとえば8枚)以上である場合には(S16,YES)、中断時間の長さに関わらず、白シェーディングデータと黒シェーディングデータとの両方を取得するように読取部11を制御する。そして、読取部11から出力された白シェーディングデータと黒シェーディングデータとは、制御部20の画像処理部23に出力され、これまでに記憶されていた白シェーディングデータと黒シェーディングデータに対して上書き保存されて更新される(S22)。なお、このときも読取原稿枚数取得部22における読取原稿枚数のカウント値は一旦リセットされ(S24)、原稿の読み取りが再開された時点から再びカウントを開始するものとする。
【0057】
そして、画像処理部23は、上述した原稿の読み取り再開指示信号が印刷装置30から出力された時点以降に読取部11によって読み取られた画像データに対しては、更新後の白シェーディングデータおよび黒シェーディングデータを用いてシェーディング補正処理を施す。
【0058】
そして、原稿の読み取り再開指示信号が印刷装置30から出力された時点以降は、再び原稿の読み取りが開始され(S14,YES)、上述したS10〜S24まで処理が繰り返して行われ、次の読み取り原稿がなくなった際には、原稿の読み取りを終了する(S14,NO)。
【0059】
図4は、図3に示すフローチャートを実行してシェーディングデータの取得方法の切り替えを行った場合のタイミングチャートの一例を示すものである。なお、図4は、読取原稿枚数が所定値未満の場合を示している。また、図4における濃度変化とは、画像処理部23に記憶されている白シェーディングデータと黒シェーディングデータの加算濃度と、実際に現時点においてイメージセンサ17によって検出されている白レベルの濃度と黒レベルの濃度の加算濃度との差の時間的変化を示すものである。
【0060】
図4に示すタイミングチャートにおいては、原稿1と原稿2を読み取った時点で中断指示信号が画像読取装置10によって取得され、このときの中断時間が所定値未満であったため白シェーディングデータのみの更新が行われている。なお、このとき光源ランプ18はON状態のままである。また、その後、原稿3と原稿4を読み取って時点で中断指示信号が画像読取装置10によって取得され、このときの中断時間は所定値以上であったため白シェーディングデータおよび黒シェーディングデータの両方の更新が行われている。このとき光源ランプ18はオン・オフ動作することになる。
【0061】
上記第1の実施形態を用いたプリンタシステムによれば、原稿の読み取りの一時中断を指示する中断指示信号を取得した際、その中断指示信号を取得した時点からの中断時間が所定値以上である場合には、黒シェーディングデータおよび白シェーディングデータの両方を取得して更新し、中断時間が所定値未満である場合には、黒シェーディングデータおよび白シェーディングデータのうちの白シェーディングデータのみを取得して更新するようにしたので、原稿の読み取りを一時中断する毎にシェーディングデータの更新を行うことができるので適切なシェーディング補正を行うことができるとともに、白シェーディングデータのみを更新した場合には、上述したような光源ランプ18のオン・オフ動作を行う必要がないので、光源ランプ18の光量の安定化の時間を削減することができ、スループットの向上を図ることができる。
【0062】
なお、白シェーディングデータのみを更新して黒シェーディングデータを更新しない場合においても、白シェーディングデータの濃度変化と黒シェーディングデータの濃度変化との加算値が許容される濃度変化の範囲内におさまれば問題はないので、白シェーディングデータのみの更新でも適切なシェーディング補正を行うことができる。
【0063】
また、上記第1の実施形態を用いたプリンタシステムにおいては、さらに最初の原稿の読取開始時点または黒シェーディングデータおよび白シェーディングデータを前回取得した時点からの読取原稿枚数を取得し、中断指示信号が取得された際における読取原稿枚数が所定値以上である場合には、中断時間の長さに関わらず黒シェーディングデータおよび白シェーディングデータを取得し更新するようにしたので、中断時間が所定値未満の場合が連続して発生して白シェーディングデータのみの更新が連続して行われたとしても、定期的に黒シェーディングデータおよび白シェーディングデータの両方を更新することができるので、白レベルおよび黒レベルともに適切なシェーディング補正を施すことができる
なお、上記第1の実施形態のプリンタシステム1においては、中断指示信号を取得した際における読取原稿枚数を確認し、この読取原稿枚数が所定値以上である場合に、白シェーディングデータと黒シェーディングデータとの両方を更新するようにしたが、このとき用いられる読取原稿枚数は、最初の原稿の読取開始時点からの経過時間または黒シェーディングデータおよび白シェーディングデータを前回更新した時点からの経過時間に応じたパラメータとして取得されるものである。したがって、経過時間に応じたパラメータとしては、読取原稿枚数に限らず、その他のパラメータを取得するようにしてもよい。具体的には、たとえば経過時間自体を計測し、その計測した経過時間が所定値以上である場合には、白シェーディングデータと黒シェーディングデータとの両方を更新するようにしてもよい。
【0064】
また、上記第1の実施形態のプリンタシステム1においては、読取原稿枚数と中断時間とに基づいて、シェーディングデータの取得方法を切り替えるようにしたが、読取原稿枚数は考慮することなく、中断時間のみに基づいてシェーディングデータの取得方法を切り替えるようにしてもよい。すなわち、読取原稿枚数取得部22を設けることなく、中断時間が所定値未満である場合には、白シェーディングデータおよび黒シェーディングデータのうちの白シェーディングデータのみを更新し、中断時間が所定値以上である場合には、白シェーディングデータと黒シェーディングデータとの両方を更新するようにしてもよい。
【0065】
次に、本発明の画像読取装置の第2の実施形態を用いたプリンタシステムについて説明する。第2の実施形態を用いたプリンタシステムの概略構成は、図1に示した第1の実施形態を用いたプリンタシステムと同様である。
【0066】
そして、第1の実施形態を用いたプリンタシステムにおいては、読取原稿枚数と中断時間とに基づいてシェーディングデータの取得方法を切り替えるようにしたが、第2の実施形態を用いたプリンタシステムは、中断時間は考慮することなく、読取原稿枚数のみに基づいてシェーディングデータの取得方法を切り替えるようにしたものである。
【0067】
第2の実施形態のプリンタシステムの作用について、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0068】
まず、印刷装置30から中断指示信号が出力されるまでの処理については、上記第1の実施形態のプリンタシステムと同様である(S30、S32,NO、S34,YES)。
【0069】
そして、印刷装置30から中断指示信号が出力され、この中断指示信号が画像読取装置10の中断指示信号取得部21によって取得されると、制御部20は、読取部11を制御してシェーディングデータの更新を行う(S32,YES)。
【0070】
具体的には、制御部20は、中断指示信号が取得された際、まず、読取原稿枚数取得部22においてカウントされている読取原稿枚数が所定値(たとえば8枚)以上であるか否かを確認する(S36)。そして、制御部20は、読取原稿枚数が所定値未満である場合には(S36,NO)、白シェーディングデータおよび黒シェーディングデータのうちの白シェーディングデータのみを取得するように読取部11を制御する。そして、読取部11から出力された白シェーディングデータは、制御部20の画像処理部23に出力され、これまでに記憶されていた白シェーディングデータに対して上書き保存されて更新される(S38)。なお、このとき黒シェーディングデータについては更新されない。そして、画像処理部23は、上述した原稿の読み取り再開指示信号が印刷装置30から出力された時点以降に読取部11によって読み取られた画像データに対しては、更新後の白シェーディングデータと、更新されていない黒シェーディングデータと用いてシェーディング補正を施す。
【0071】
一方、制御部20は、読取原稿枚数が所定値以上である場合には(S36,YES)、白シェーディングデータと黒シェーディングデータとの両方を取得するように読取部11を制御する。そして、読取部11から出力された白シェーディングデータと黒シェーディングデータとは、制御部20の画像処理部23に出力され、これまでに記憶されていた白シェーディングデータと黒シェーディングデータに対して上書き保存されて更新される(S40)。なお、このとき読取原稿枚数取得部22における読取原稿枚数のカウント値は一旦リセットされ(S42)、原稿の読み取りが再開された時点から再びカウントを開始するものとする。
【0072】
そして、画像処理部23は、上述した原稿の読み取り再開指示信号が印刷装置30から出力された時点以降に読取部11によって読み取られた画像データに対しては、更新後の白シェーディングデータおよび黒シェーディングデータを用いてシェーディング補正を施す。
【0073】
そして、原稿の読み取り再開指示信号が印刷装置30から出力された時点以降は、再び原稿の読み取りが開始され(S34,YES)、上述したS30〜S42まで処理が繰り返して行われ、次の読み取り原稿がなくなった際には、原稿の読み取りを終了する(S34,NO)。
【0074】
図6は、図5に示すフローチャートを実行してシェーディングデータの取得方法の切り替えを行った場合のタイミングチャートの一例を示すものである。図6における濃度変化とは、図4と同様に、画像処理部23に記憶されている白シェーディングデータと黒シェーディングデータの加算濃度と、実際に現時点においてイメージセンサ17によって検出されている白レベルの濃度と黒レベルの濃度の加算濃度との差の時間的変化を示すものである。
【0075】
図6に示すタイミングチャートにおいては、原稿1〜原稿8までの各原稿の読み取りの後に中断指示信号が画像読取装置10によって取得されているが、原稿1〜原稿7までについては、読取原稿枚数が所定値(8枚)未満であったため白シェーディングデータのみの更新が行われている。なお、このとき光源ランプ18はON状態のままである。また、原稿8を読み取った時点において中断指示信号が画像読取装置10によって取得された際には、読取原稿枚数が所定値(8枚)以上であったため白シェーディングデータおよび黒シェーディングデータの両方の更新が行われている。このとき光源ランプ18はオン・オフ動作することになる。
【0076】
なお、図6に示すタイミングチャートにおいては、各原稿の読み取り毎に中断指示信号が取得されているが、このような場合に限らず、図4に示すように複数枚の原稿の読み取り毎に中断指示信号が取得される場合においても、読取原稿枚数に応じてシェーディングデータの取得方法の切り替えが行われる。
【0077】
上記第2の実施形態を用いたプリンタシステムによれば、最初の原稿の読取開始時点または黒シェーディングデータおよび白シェーディングデータを前回取得した時点からの読取原稿枚数を取得するとともに、原稿の読み取りの一時中断を指示する中断指示信号を取得し、その中断指示信号を取得した際における読取原稿枚数が所定値以上である場合には、黒シェーディングデータおよび白シェーディングデータを取得し、中断指示信号を取得した際における読取原稿枚数が所定値未満である場合には、黒シェーディングデータおよび白シェーディングデータのうちの白シェーディングデータのみを取得するようにしたので、上記第1の実施形態のプリンタシステムと同様に、原稿の読み取りを一時中断する毎にシェーディングデータの更新を行うことができるので適切なシェーディング補正を行うことができるとともに、白シェーディングデータのみを更新した場合には、上述したような光源ランプのオン・オフを行う必要がないので、スループットの向上を図ることができる。
【0078】
なお、第2の実施形態のプリンタシステムにおいて取得される読取原稿枚数は、上記第1の実施形態のプリンタシステムと同様に、最初の原稿の読取開始時点からの経過時間または黒シェーディングデータおよび白シェーディングデータを前回更新した時点からの経過時間に応じたパラメータとして取得されるものである。したがって、経過時間に応じたパラメータとしては、読取原稿枚数に限らず、その他のパラメータを取得するようにしてもよい。具体的には、たとえば経過時間自体を計測し、その計測した経過時間が所定値以上である場合には、白シェーディングデータと黒シェーディングデータとの両方を更新し、計測した経過時間が所定値未満である場合には、白シェーディングデータおよび黒シェーディングデータのうちの白シェーディングデータのみを更新するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 プリンタシステム
10 画像読取装置
11 読取部
15 白基準板
17 イメージセンサ
18 光源ランプ
20 制御部
21 中断指示信号取得部
22 読取原稿枚数取得部
23 画像処理部
30 印刷装置
40 コンピュータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6