(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照しながら説明する。各図において、同一の部分または対応する部分には、同一符号を付してある。
【0019】
図1〜
図4に示す、本発明の実施形態によるスイッチ装置100は、自動車のパワーウインドウシステムで用いられ、たとえば、助手席のドアに設置されたアームレスト(図示省略)に取り付けられる。スイッチ装置100には、ウインドウスイッチWとドアロックスイッチDとが設けられている。
【0020】
スイッチ装置100の容器10は、
図1に示すように、ケース10aとカバー10bから構成されている。ケース10aの下側は開口していて、カバー10bを嵌め合わせることにより塞がれる。容器10内には、基板11、ライトガイド12、およびストライカ5が収納される。
【0021】
容器10の上部には、矩形枠状の筒2、22がケース10aと一体で設けられている。筒22には、ドアロックスイッチDの操作ノブ21が取り付けられる。詳しくは、筒22の外側面に設けられた各支持軸22j(
図1〜
図3)を、操作ノブ21の側面に設けられた各孔21g(
図1、
図2、および
図4)に嵌め込む。すると、
図1〜
図4に示すように、操作ノブ21が、筒22の上端の開口を塞ぎ、筒22に支持軸22jで揺動可能に支持される。
【0022】
筒2には、ウインドウスイッチWの操作ノブ1が取り付けられる。詳しくは、筒2の内側面に設けられた各支持軸2j(
図1および
図5)を、操作ノブ1の内側に設けられた各孔1g(
図5および
図6)に嵌め込む。すると、
図2、
図3、
図5、および
図9などに示すように、操作ノブ1が、筒2の上端の開口2aを塞ぎ、筒2に支持軸2jで揺動可能に支持される。筒2およびケース10aは、本発明の「支持部材」の一例である。
【0023】
操作ノブ1の揺動面(
図9では、軸2jの中心軸と直交する面)に対して垂直な、筒2の両方の側壁2f、2b側には、プランジャ3がそれぞれ設けられている。各プランジャ3は、合成樹脂で形成されていて、筒2の側壁2f、2bの横幅に渡る幅を有している。すなわち、各プランジャ3の横幅は、側壁2f、2bの横幅以上になっている。
【0024】
筒2の側壁2f、2bには、
図1に示すように、横幅に渡って溝2kが設けられている。各溝2k内にコイルばね4とともにプランジャ3を挿入してから、前述したように筒2に操作ノブ1を取り付ける。すると、
図9に示すように、各プランジャ3が、コイルばね4の弾性力により、筒2の側壁2f、2bから突出して、該側壁2f、2bに対向する操作ノブ1の側壁1f、1bに、横幅に渡って線状に弾性接触する。
【0025】
このようなプランジャ3と側壁1f、1bとの接触状態は、
図9(a)〜(e)に示すように、操作ノブ1の揺動状態に関わらず保持される。このため、スイッチ装置100が水を浴びても、操作ノブ1の側壁1f、1bと筒2の側壁2f、2bとの間を通って、筒2の上端の開口2aへ到る水の浸入が、プランジャ3により遮断される。つまり、各プランジャ3は遮水壁として機能する。
【0026】
図9に示すように、操作ノブ1の側壁1f、1bには、節度部1sがそれぞれ設けられている。節度部1sは、谷部1r、1vと山状の傾斜部1p、1qとで構成されている。操作ノブ1の揺動に伴って、プランジャ3と節度部1sとが擦れることにより、節度感(クリック感)が生じる。つまり、各プランジャ3は、節度子としても機能する。
【0027】
詳しくは、
図9(a)に示すように、操作ノブ1が中立状態にあるときは、各プランジャ3の先端が各節度部1sの谷部1rに係合している。この中立状態から、操作ノブ1の前頭部1aを押し下げて、
図9(b)に示すように、操作ノブ1を前方Fへ小さな角度(たとえば、7°)で傾くように揺動操作する。すると、側壁2f、1f間のプランジャ3の先端が節度部1sの傾斜部1pに係合して、節度感が生じる。
【0028】
さらに、操作ノブ1の前頭部1aを押し下げて、
図9(c)に示すように、操作ノブ1を前方Fへ大きな角度(たとえば、12°)で傾くように揺動操作する。すると、側壁2f、1f間のプランジャ3の先端が節度部1sの谷部1vを越えて傾斜部1qに係合して、節度感が生じる。
【0029】
また、中立状態から、操作ノブ1の前頭部1aを引き上げて、
図9(d)に示すように、操作ノブ1を後方Bへ小さな角度(たとえば、7°)で傾くように揺動操作する。すると、側壁2b、1b間のプランジャ3の先端が節度部1sの傾斜部1pに係合して、節度感が生じる。
【0030】
さらに、操作ノブ1の前頭部1aを引き上げて、
図9(e)に示すように、操作ノブ1を後方Bへ大きな角度(たとえば、12°)で傾くように揺動操作する。すると、側壁2b、1b間のプランジャ3の先端が節度部1sの谷部1vを越えて傾斜部1qに係合して、節度感が生じる。
【0031】
操作ノブ1の操作を解除すると、コイルばね4の弾性力により、プランジャ3が節度部1sを摺動して、谷部1rに係合し、操作ノブ1が
図9(a)に示す中立状態に復帰する。
【0032】
操作ノブ1の揺動面に対して平行な筒2の側壁2m、2hの外側面には、
図1および
図5に示すように、横幅に渡って凸部2nが設けられている。この凸部2nにより、筒2の側壁2m、2hとこれに対向する操作ノブ1の側壁1m、1hとは、該筒2の側壁2m、2hの横幅に渡って線状に接している。また、筒2の側壁2m、2hと操作ノブ1の側壁1m、1hの間には、防水用のグリスが塗布されている(図示省略)。
【0033】
このため、スイッチ装置100が水を浴びても、筒2の側壁2m、2hと操作ノブ1の側壁1m、1hとの間を通って、筒2の上端の開口2aへ到る水の浸入が、凸部2nとグリスにより遮断される。
【0034】
操作ノブ1の側壁1m、1hの下端には、凹部1zが設けられている。筒2の側壁2m、2hの外側面の下端には、凸状の制限壁2zが設けられている。制限壁2zの上部は、
図2および
図4に示すように、凹部1z内に入り込んでいる。操作ノブ1を中立状態から揺動操作すると、操作ノブ1の凹部1zの側端面が制限壁2zに接触し、操作ノブ1の揺動量が制限される。
【0035】
操作ノブ1の内側には、
図5、
図6、および
図9に示すように、レバー8が下方へ突出するように設けられている。レバー8は、筒2の内側を貫通していて、操作ノブ1に連動して揺動する。レバー8の下端に設けられた凹部8aは、
図5、
図9、および
図10に示すように、ストライカ5に設けられた凸部5aと係合している。
凸部5aは、支持軸2jの中心軸に対して垂直方向に突出している。
【0036】
操作ノブ1の下方には、基板11が設けられている。基板11の上面11aには、
図1および
図10に示すように、複数の固定接点7a〜7eとLED(発光ダイオード)13が実装されている。また、基板11の両面には、その他のスイッチやコネクタなどの電子部品(図示省略)が実装され、これらによって電気回路が形成されている。
【0037】
図9(a)に示すように、揺動前(中立時)のレバー8に対して垂直に、基板11の上面11aおよび下面(符号省略)は設けられている。
また、操作ノブ1の揺動面は、基板11の上面11aに対して垂直となっている。基板11の上面11aは、本発明の「固定接点の設置面」の一例である。
【0038】
図5および
図9に示すように、操作ノブ1の直下の筒2の内側には、中空状の円筒軸2tが設けられている。円筒軸2tの下端部の外周面には、ストライカ5の円弧部5bが係合されている(
図8および
図10も参照)。円筒軸2tは、
操作ノブ1の支持軸2jの中心軸に対して垂直方向に延びていて、ストライカ5を基板11の上面11aと平行に回転可能に支持する。円筒軸2tは、本発明における「軸部」の一例である。
【0039】
ストライカ5には、
図7および
図8などに示すように、円弧部5bを切り欠くことにより、切欠き部5cが設けられている。円筒軸2tの下端部にも、
図8および
図9に示すように、切欠き部2cが設けられている。
【0040】
図1に示すライトガイド12の短アーム部12cは、
図8および
図9(a)に示すように、ストライカ5の切欠き部5cと円筒軸2tの切欠き部2cを貫通している。そして、短アーム部12cの先から上方へ突出する突出部12aは、円筒軸2tの中空部2dを貫通している。
【0041】
ライトガイド12は、アクリル樹脂などの光透過性樹脂から形成されている。ライトガイド12は、
図1に示すLED13が発した光を、受光部12pで受光して、アーム部12b、12c、12dと突出部12a、12e、12fにより、操作ノブ1、21の内側まで導く。これにより、操作ノブ1、21の上壁が内側から照らされて、該上壁に設けられた光透過性を有する表示部1e、表示部21e、21fが発光する。
【0042】
図8および
図9に示すように、ストライカ5は、円筒軸2tの径方向に突出する突出部5dを有している。突出部5dには、
図7および
図10に示すように、接触子6が設けられている。詳しくは、ストライカ5は合成樹脂で形成されていて、接触子6は導電性を有する板ばねから成る。ストライカ5と接触子6は、インサート成形により一体になっている。
【0043】
接触子6は、フォーク状に形成されていて、3つの先端部にそれぞれ可動接点6a、6b、6cが設けられている。そのうち、可動接点6aが円筒軸2tの最も近くに設けられ、可動接点6cが円筒軸2tの最も遠くに設けられている。可動接点6bは、可動接点6a、6cの間に設けられている。
【0044】
図10に示すように、可動接点6a〜6cが基板11の上面11aに着地することにより、ストライカ5は基板11に下方から支持されている。また、ストライカ5は、
図9に示すように、円筒軸2tに設けられた段差部2yと、ケース10aに設けられた凸部14とにより、上方から基板11に押し付けられている。
【0045】
図10に示すように、操作ノブ1を揺動操作すると、レバー8が傾斜して、ストライカ5を円筒軸2tの外周面に沿って、基板11と平行に回転させる。この際、ストライカ5に伴って接触子6も、基板11と平行に回転する。
すなわち、ストライカ5および接触子6は、操作ノブ1の揺動面に対して垂直な回転面で回転する。ストライカ5と接触子6は、本発明の「回転部材」の一例である。
【0046】
基板11の上面11aに実装された各固定接点7a〜7eは、所定の幅で円弧状に形成されている。固定接点7aは、
図10(a)〜(e)に示すように、ストライカ5と接触子6の回転状態に関わらず、可動接点6aが常に接するように、基板11上に設けられている。つまり、可動接点6aと固定接点7aは、接触子6と基板11とを導通させる常閉接点である。また、固定接点7aは、コモン接点である。
【0047】
固定接点7bは、
図10(b)に示すように、ストライカ5と接触子6が一方向へ小さな角度(たとえば、7°)で回転したときに、可動接点6bが接する基板11上の位置に設けられている。固定接点7cは、
図10(c)に示すように、ストライカ5と接触子6が一方向へ大きな角度(たとえば、12°)で回転したときに、可動接点6cが接する基板11上の位置に設けられている。
【0048】
すなわち、ストライカ5と接触子6の一方向への回転時に、可動接点6bが固定接点7bに接した後に、可動接点6cが固定接点7cに接する。固定接点7bと可動接点6bの接触状態が、固定接点7cと可動接点6cの接触時も維持されるように、固定接点7bは固定接点7cより円弧長が長くなっている。固定接点7bは、パワーウインドウのマニュアル閉動作用の接点である。固定接点7cは、パワーウインドウのオート閉動作用の接点である。
【0049】
固定接点7dは、
図10(d)に示すように、ストライカ5と接触子6が他方向へ小さな角度(たとえば、7°)で回転したときに、可動接点6bが接する基板11上の位置に設けられている。固定接点7eは、
図10(e)に示すように、ストライカ5と接触子6が他方向へ大きな角度(たとえば、12°)で回転したときに、可動接点6cが接する基板11上の位置に設けられている。
【0050】
すなわち、ストライカ5と接触子6の他方向への回転時に、可動接点6bが固定接点7dに接した後に、可動接点6cが固定接点7eに接する。固定接点7dと可動接点6bの接触状態が、固定接点7eと可動接点6cの接触時も維持されるように、固定接点7dは固定接点7eより円弧長が長くなっている。固定接点7dは、パワーウインドウのマニュアル開動作用の接点である。固定接点7eは、パワーウインドウのオート開動作用の接点である。
【0051】
また、固定接点7bは、本発明の「第1の固定接点」の一例である。固定接点7dは、本発明の「第2の固定接点」の一例である。固定接点7cは、本発明の「第3の固定接点」の一例である。固定接点7eは、本発明の「第4の固定接点」の一例である。
【0052】
図10(a)に示すように、操作ノブ1の中立状態では、接触子6の可動接点6aが固定接点7aに接し(閉路状態)、可動接点6b、6cはいずれの固定接点7b〜7dにも接していない(開路状態)。
【0053】
この中立状態から、操作ノブ1を揺動操作することにより、レバー8がストライカ5と接触子6を回転させて、可動接点6a〜6cが固定接点7a〜7eに対して接離し、接点6a〜6c、7a〜7eの開閉(OFF・ON)状態が切り替わる。
【0054】
詳しくは、
図10(b)に示すように、前頭部1aを小さな角度で押し下げるように、操作ノブ1を揺動操作すると、ストライカ5と接触子6が一方向へ小さな角度で回転して、可動接点6aが固定接点7aに接したまま、可動接点6bが固定接点7bに接する(閉路状態)。これにより、固定接点7a、7bが接触子6を介して導通し、マニュアル閉動作信号がスイッチ装置100からパワーウインドウシステムの制御装置(図示省略)へ出力される。
【0055】
さらに、
図10(c)に示すように、前頭部1aを大きな角度で押し下げるように、操作ノブ1を揺動操作すると、ストライカ5と接触子6が一方向へ大きな角度で回転して、可動接点6a、6bが固定接点7a、7bにそれぞれ接したまま、可動接点6cが固定接点7cに接する(閉路状態)。これにより、固定接点7a、7b、7cが接触子6を介して導通し、オート閉動作信号がスイッチ装置100からパワーウインドウシステムの制御装置へ出力される。
【0056】
また、
図10(d)に示すように、前頭部1aを小さな角度で引き上げるように、操作ノブ1を揺動操作すると、ストライカ5と接触子6が他方向へ小さな角度で回転して、可動接点6aが固定接点7aに接したまま、可動接点6bが固定接点7dに接する(閉路状態)。これにより、固定接点7a、7dが接触子6を介して導通し、マニュアル開動作信号がスイッチ装置100からパワーウインドウシステムの制御装置へ出力される。
【0057】
さらに、
図10(e)に示すように、前頭部1aを大きな角度で引き上げるように、操作ノブ1を揺動操作すると、ストライカ5と接触子6が他方向へ大きな角度で回転して、可動接点6a、6bが固定接点7a、7dにそれぞれ接したまま、可動接点6cが固定接点7eに接する(閉路状態)。これにより、固定接点7a、7d、7eが接触子6を介して導通し、オート開動作信号がスイッチ装置100からパワーウインドウシステムの制御装置へ出力される。
【0058】
図7(b)に示すように、円筒軸2tからレバー8とストライカ5の係合部分8a、5aまでの距離L1より、円筒軸2tから固定接点7b〜7eと開閉する可動接点6b、6cまでの距離L2、L3の方が長くなっている(L1<L2<L3)。すなわち、レバー8と係合するストライカ5の凸部5aより、可動接点6b、6cの方が、回動半径や移動量(回動量)が大きくなるように設定されている。
【0059】
上記実施形態によると、操作ノブ1の揺動がストライカ5の回動に変換されて、接触子6の可動接点6a〜6cと基板11上の固定接点7a〜7eとが開閉される。また、レバー8とストライカ5の係合部分8a、5bより可動接点6b、6cの方が、円筒軸2tからの距離が長くなっている。このため、レバー8の長さや操作ノブ1と固定接点7a〜7eの距離を短く抑えつつ、固定接点7a〜7eの間隔や可動接点6a〜6cの間隔と移動量を大きくすることができる。よって、各部の寸法や組み付け精度のばらつきの影響を受けずに、接点6a〜6c、7a〜7eを確実に開閉させつつ、スイッチ装置100の高さ方向の小型化を図ることができる。
【0060】
特に、上記実施形態では、固定接点7a〜7eを設置した基板11を、揺動前のレバー8に対して垂直に配置しているので、ストライカ5と接触子6の可動接点6a〜6cが、操作ノブ1の揺動面に対して垂直な、レバー8の側方へ回転して、上下に移動しなくなる。このため、ストライカ5と接触子6の可動接点6a〜6cの可動範囲を上下方向に設定する必要がなくなり、スイッチ装置100の高さ方向の小型化を一層図ることができる。
【0061】
また、上記実施形態では、円筒軸2tが操作ノブ1の直下に設けられているので、操作ノブ1の下方に各部を寄せ集めて、スイッチ装置100の横方向の小型化を図ることができる。
【0062】
また、上記実施形態では、円筒軸2tの径方向に突出するストライカ5の突出部5dに、可動接点6a〜6cを有する接触子6を設けている。このため、レバー8の長さや操作ノブ1と基板11上の固定接点7a〜7eとの距離を変えなくても、ストライカ5の突出部5dの長さを変えることで、可動接点6a〜6cの移動量を調整することができる。詳しくは、円筒軸2tから接触子6までの距離を長くするに連れて、可動接点6a〜6cの回動量を大きくすることができる。また、それに応じて可動接点6a〜6cや固定接点7a〜7eの間隔を大きく設定することができる。さらにこの結果、レバー8の長さや操作ノブ1と基板11との距離を短くすることができる。
【0063】
また、上記実施形態では、接触子6の可動接点6aと基板11上の固定接点7aから成る常閉接点を設け、ストライカ5と接触子6の一方向と他方向への回転時に、可動接点6bが接する基板11上の位置に固定接点7b、7dをそれぞれ設けている。このため、操作ノブ1を揺動させる前の中立時に、可動接点6aが固定接点7aに接し、操作ノブ1の一方向または他方向への揺動操作時に、可動接点6bが固定接点7bまたは固定接点7dに接するので、接点6a、6b、7a、7b、7dを3つの開閉状態に切り替えることができる。
【0064】
さらに、上記実施形態では、ストライカ5と接触子6の一方向と他方向への回転時に、可動接点6bが固定接点7b、7dに接した後に、可動接点6cが接する基板11上の位置にそれぞれ固定接点7c、7eを設けている。このため、操作ノブ1の一方向または他方向への揺動操作時に、可動接点6bが固定接点7bまたは固定接点7dに接した後、可動接点6cが固定接点7cまたは固定接点7eに接するので、接点6a〜6c、7a〜7eを5つの開閉状態に切り替えることができる。
【0065】
本発明は、上述した以外にも種々の実施形態を採用することができる。たとえば、上記実施形態では、円筒軸2tの側方に接点6a〜6c、7a〜7eを設けた例を示したが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、たとえば、
図11に示すように、円筒軸2tの切欠き部2c’から円筒軸2tの中空部2dに接触子6を挿入して、円筒軸2tの直下に可動接点6a
’を設け、該可動接点6a’が常に接する基板11上の位置に固定接点7a’を設けるようにしてもよい。
【0066】
また、他の例として、ストライカ5と接触子6の回転に伴って、可動接点6aがその場で回転して、固定接点7aに対する接触位置を一定にしたり、可動接点6aが円弧を描くように回転して、固定接点7aに対する接触位置を変化させたりしてもよい。いずれにしても、操作ノブ1の揺動に伴うストライカ5と接触子6の回転に関わらず、可動接点6aと固定接点7aは常に接触状態となる。つまり、可動接点6aと固定接点7aは常閉接点である。
【0067】
このようにすると、円筒軸2tの直下の基板11上を有効利用しつつ、基板11のその他の実装部分を大きく空けることができる。また、接点6a〜6c、7a〜7eを操作ノブ1の下方に寄せ集めて、スイッチ装置100の横方向の小型化を図ることができる。
【0068】
また、上記実施形態では、操作ノブ1の直下に円筒軸2tを設けた例を示したが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、たとえば、円筒軸2tを操作ノブ1から離れた位置に設けるようにしてもよい。この場合、可動接点6a〜6cと固定接点7a〜7eを操作ノブ1の直下に設けるようにしてもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、接触子6に3つの可動接点6a〜6cを設け、基板11に5つの固定接点7a〜7eを設けた例を示したが、本発明はこれのみに限定するものではなく、可動接点と固定接点の設置数は、1つでも複数でもよく、接点の切り替え数に応じて適宜設定すればよい。たとえば、パワーウインドウのオート開閉動作が無い場合は、接点6c、7c、7eを省略してもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、固定接点7a〜7eを基板11の上面11aに設置した例を示したが、本発明はこれのみに限定するものではない。たとえば、固定接点7a〜7eを基板11の下面に設置するようにしてもよい。この場合、ストライカ5、接触子6、および可動接点6a〜6cを基板11の下方に配置し、レバー8を基板11に設けた孔を通して、ストライカ5と係合させればよい。
【0074】
さらに、上記実施形態では、パワーウインドウシステムで使用されるスイッチ装置100のウインドウスイッチWに本発明を適用した例を示したが、本発明はドアロックスイッチDに対しても適用することができる。また、車載以外の用途に用いられるスイッチ装置にも、本発明は適用することができる。