(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明で用いる成分(A)のフッ素変性シリコーンは、前記一般式(1)及び(2)で表されるポリシロキサン単位を有するものである。
式中、R
1 、R
2 及びR
3 で示される炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の直鎖アルキル基;イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基等の分岐鎖アルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル等の環状アルキル基などが挙げられる。
【0011】
また、mは2〜6の数を示し、好ましくは2〜5、より好ましくは3である。nは1〜6の数を示し、好ましくは1〜4、より好ましくは2である。
pは3〜50の数を示し、好ましくは3〜10、より好ましくは3〜6である。sは1〜5の数を示し、好ましくは1〜3、より好ましくは1である。
【0012】
また、p及びsの割合、すなわち、一般式(1)で表されるポリシロキサン単位pの、一般式(1)及び(2)で表されるポリシロキサン単位の合計p+sに対する変性率は、使用感や化粧持ちに優れ、塗布ムラを起こりにくくする点から、0.66≦p/(p+s)≦0.9であり、0.75≦p/(p+s)≦0.83が好ましい。
【0013】
成分(A)のフッ素変性シリコーンは、例えば、特開平6−184312号公報に記載の方法に従って、製造することができる。
成分(A)としては、次の一般式(3)で表されるものが好ましい。
【0015】
(式中、p及びsは、前記と同じ意味を示し、qは5の数を示す)
【0016】
成分(A)は、1種又は2種以上を用いることができ、ムラづきを抑え、化粧のりが良く、化粧持ちの点から、化粧料全体に対して、下限は、0.01質量%以上であり、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。また、上限は、50質量%以下であり、30質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、成分(A)の含有量は、0.01〜50質量%であり、0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましく、つっぱり感を抑制する点から、1〜10質量%含有されるのがさらに好ましい。
【0017】
本発明で用いる成分(B)の微粒子酸化亜鉛は、比表面積が10〜100m
2/gのものであって、15〜95m
2/gのものが好ましい。このような比表面積の微粒子酸化亜鉛を用いることにより、化粧持ちに優れ、良好な使用感を得ることができる。
【0018】
成分(B)の微粒子酸化亜鉛は、そのまま使用することができるが、必要に応じて、シリコーン、金属石鹸、レシチン、N−アシルアミノ酸、フッ素化合物等によって、撥水及び/又は撥油処理を行ったものを用いることもできる。化粧崩れを防ぎ、化粧料中の微粒子酸化亜鉛の分散性を向上させる点から、シリコーン処理したものが好ましく、メチルハイドロジェンポリシロキサンを用いたシリコーン処理をするのがより好ましい。これらの処理は、通常の方法により行うことができる。
【0019】
成分(B)は、1種又は2種以上を用いることができ、使用感と化粧のり及び化粧持ちの点から、化粧料全体に対し、下限は0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましい。また、上限は、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、12質量%以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、0.1〜20質量%が好ましく、1〜15質量%含有されるのがより好ましく、5〜12質量%含有されるのがさらに好ましい。
【0020】
本発明において、成分(A)及び(B)の質量割合(A)/(B)は、肌のつっぱり感やムラづきを抑制し、化粧持続性が長い点から、下限は、0.05以上が好ましく、0.1以上がより好ましい。また、上限は、3以下が好ましく、1.5以下がより好ましい。これらの観点を総合すると、(A)/(B)=0.05〜3であるのが好ましく、更に、0.1〜1.5であるのがより好ましい。
【0021】
本発明で用いる成分(C)は、成分(B)を除く、疎水化処理粉体である。疎水化処理としては、通常の化粧料用粉体に施されている処理であれば制限されず、シリコーン処理、脂肪酸処理、ラウロイルリジン処理、レシチン処理、N−アシルアミノ酸処理、金属石鹸処理、フッ素化合物処理等が挙げられる。なかでも、フッ素化合物処理及びシリコーン処理が好ましく、フッ素化合物処理とシリコーン処理を併用しても良い。その場合、フッ素化合物処理した粉体は、成分(C)全体に対して、下限は、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましく、フッ素化合物処理単独で使用するのがよりさらに好ましい。
【0022】
本発明で用いる成分(C)の粉体は、フッ素化合物で処理されたものが好ましい。
粉体を処理するのに用いるフッ素化合物としては、例えば、パーフルオロアルキル基含有リン酸エステル(米国特許第3632744号)、フルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩のモノエステル体及びジエステル体(特開昭62-250074号公報)、パーフルオロアルキル基を有する樹脂(特開昭55-167209号公報)、四弗化エチレン樹脂、パーフルオロアルコール、パーフルオロエポキシ化合物、スルホアミド型フルオロリン酸、パーフルオロ硫酸塩、パーフルオロカルボン酸塩、パーフルオロアルキルシラン(特開平2-218603号公報)、パーフルオロポリエーテル基を有する化合物(特開平8-133928号)等が挙げられ、パーフルオロアルキルシランが好ましい。
【0023】
フッ素化合物としては、下記式で示されるトリデカフルオロオクチルトリエトキシシランが好ましい。
F
3C−(CF
2)
5−(CH
2)
2−Si−(OCH
2CH
3)
3
粉体を表面処理するフッ素化合物のうちでも、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシランで表面処理した粉体を用いることにより、安定性に優れ、肌なじみが良く、つっぱり感やムラづきを抑制し、しっとりした使用感を得ることができる。トリデカフルオロオクチルトリエトキシシランとしては、大東化成工業株式会社より販売されているFHSが好適である。
【0024】
処理される粉体としては、通常の化粧料に用いられる体質顔料、着色顔料であれば特に制限されず、例えば、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、セリサイト、マイカ、カオリン、ベンガラ、クレー、ベントナイト、雲母、チタン被膜雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化鉄、群青、酸化クロム、水酸化クロム、カラミン、カーボンブラック、これらの複合体等の無機粉体;ポリアミド、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、シルクパウダー、セルロース、長鎖アルキルリン酸金属塩、N−モノ長鎖アルキルアシル塩基性アミノ酸、これらの複合体等の有機粉体;さらに、上記無機粉体と有機粉体との複合粉体などが挙げられる。
【0025】
粉体をフッ素化合物で表面処理する方法としては、例えば、フッ素化合物をミキサー内で滴下または添加して粉体と混合した後、熱処理を行い、必要に応じて解砕する方法や、フッ素化合物を溶解又は分散させた有機溶剤液と粉体とを混合した後、有機溶剤を除去し、乾燥後解砕する方法などが挙げられる。
中でも、フッ素化合物を有機溶剤に溶解又は分散させ、粉体とミキサー内で混合しながら、ミキサーを減圧下で加温して有機溶剤を除去した後、必要に応じて熱処理及び解砕する製造方法が好ましい。ここで用いる有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブタノール、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、クロロホルムに代表される極性有機溶剤や、ノルマルヘキサン、トルエン、キシレンのような炭化水素系有機溶剤が適当である。
【0026】
フッ素化合物の処理量は粉体によって異なるが、成分(C)のフッ素処理粉体100質量%に対して、下限は、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。また、上限は、50質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。これらの観点を総合すると、0.05〜50質量%であるのが好ましく、0.1〜20質量%処理されるのがより好ましい。この処理量であれば、撥水性及び撥油性が十分に発現し、感触も良好であるので好ましい。
【0027】
成分(C)は、塗布時の粉っぽさと仕上がりの点から、平均粒子径が0.1〜20μmが好ましく、0.1〜15μmであるのがより好ましく、1〜10μmであるのがさらに好ましい。
なお、本発明において、成分(C)の粒子径は、電子顕微鏡観察、レーザー回折/散乱法による粒度分布測定機によって、測定される。具体的には、レーザー回折/散乱法の場合、エタノールを分散媒として、レーザー回折散乱式粒度分布測定器(例えば、堀場製作所製、LA−920)で測定する。
【0028】
成分(C)の粉体は、球状の形状であるのが好ましい。球状とは、形状が略球形の粉体をいい、回転楕円体、表面に凹凸がある球状粉体等であってもよく、完全な球形であることを必要としない。
成分(C)の球状粉体としては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、例えば、ポリアミドパウダー、ナイロンパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリ四フッ化エチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、ポリウレタンパウダー、ビニル樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂;ジメチルシリコーンを架橋したシリコーンエラストマーパウダーやポリメチルシルセスキオキサンパウダー等のシリコーンパウダー;
アクリル酸ブチル・酢酸ビニル共重合体、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、(メタクリル酸ラウリル/ジメタクリル酸エチレングリコール)コポリマー等のような、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリ(メタ)アクリル酸アルキレングリコールから選ばれる1種または2種以上の重合体または共重合体のパウダー等の架橋型あるいは非架橋型の有機球状粉体が挙げられる。
【0029】
成分(C)は、1種又は2種以上を用いることができ、使用感と化粧のり及び化粧持ちの点から、化粧料全体に対して、下限は、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、2質量%以上がよりさらに好ましい。また、上限は、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、15質量%以下がよりさらに好ましい。これらの観点を総合すると、0.1〜30質量%含有されるのが好ましく、0.5〜25質量%がより好ましく、1〜20質量%がさらに好ましく、2〜15質量%含有されるのがよりさらに好ましい。
【0030】
本発明において、成分(A)及び(C)の質量割合(A)/(C)は、使用感と化粧のり及び化粧持ちの点から、下限は、0.01以上が好ましく、0.1以上がより好ましく、0.2以上がさらに好ましい。また、上限は、50以下が好ましく、10以下がより好ましく、5以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、(A)/(C)=0.01〜50であるのが好ましく、0.1〜10がより好ましく、0.2〜5であるのがさらに好ましい。
【0031】
本発明で用いる成分(D)のヒアルロン酸は、酸性ムコ糖類の一種で、β−D−N−アセチルグルコサミンとβ−D−グルクロン酸とが交互に結合した連鎖状の多糖類であり、水に溶かすと透明性の高い溶液が得られるものである。塩としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、ナトリウムが好ましい。
ヒアルロン酸及びその塩は、市販のものを使用することもできるし、動物組織から抽出したものや微生物の培養による発酵法で生産されたもの等を使用することもできる。発酵法としては、例えば、連鎖状球菌の一種、ストレプトコッカスズーエピデミカス(Streptococcus zooepidemic−us)を用いた方法が挙げられる。
【0032】
ヒアルロン酸及びその塩の分子量は、肌のつっぱり感を抑制し、粉体と肌の密着性を向上され、ムラづきを抑える点から、3万〜300万のものが好ましく、5万〜250万のものがより好ましく、75万〜200万のものがさらに好ましい。また、加水分解されたヒアルロン酸やヒアルロン酸塩を用いることもできる。
分子量の測定方法は限定されないが、例えば、動粘度から極限粘度を求め、この極限粘度を分子量に換算する方法、液体クロマトグラフィーによる簡易測定法等が挙げられる。
また、ヒアルロン酸及びヒアルロン酸塩の中でも、水に対する溶解性、肌に対する使用感等の面から、ヒアルロン酸ナトリウムが好ましい。
【0033】
成分(D)は、1種又は2種以上を用いることができ、肌のつっぱり感を抑制し、粉体と肌の密着性を向上され、ムラづきを抑え、化粧のりを良くする点から、化粧料全体に対し、下限は、0.001質量%以上が好ましく、0.002質量%以上がより好ましく、0.003質量%以上がさらに好ましい。また、上限は、0.1質量%以下が好ましく、0.06質量%以下がより好ましく、0.05質量%以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、0.001〜0.1質量%が好ましく、0.002〜0.06質量%であるのがより好ましく、0.003〜0.05質量%含有されるのがさらに好ましい。
【0034】
本発明において、成分(A)及び(D)の質量割合(A)/(D)=30〜2000である。肌のつっぱり感を抑制し、粉体と肌の密着性を向上され、ムラづきを抑え、化粧のりを良くする点から、下限は、60以上が好ましく、肌とのなじみを良くする点から、100以上がより好ましい。また、上限は、1500以下が好ましく、1400以下がより好ましい。これらの観点を総合すると、(A)/(D)=60〜1500が好ましく、100〜1400であるのがより好ましい。
【0035】
本発明に用いられる水の含有量は、使用感、保存安定性の点から、化粧料全体に対して、下限は、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、上限は、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。これらの観点を総合すると、10〜70質量%が好ましく、20〜60質量%含有されるのがより好ましい。
【0036】
また、本発明に用いられる油剤は、20℃で液状のものが好ましく、固体状、ペースト状の油剤を用いる場合には、一度別の油剤や溶媒に溶解してから用いることが好ましい。
本発明で用いる油剤としては、シリコーン油、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油(油脂を含む)、エーテル油、鉱油等が挙げられ、使用感の観点から、シリコーン油、炭化水素油、エステル油がより好ましく、シリコーン油がさらに好ましい。なかでも、ジメチルポリシロキサン、シクロポリシロキサンがよりさらに好ましい。
これら油剤は、1種又は2種以上用いることができる。
また、本発明に用いられる油剤の含有量は、化粧料全体に対して、下限は、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。上限は、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。これらの観点を総合すると、10〜50質量%が好ましく、使用感、保存安定性の点から、20〜40質量%含有されるのがより好ましい。
【0037】
また、本発明に用いられる界面活性剤は、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤が挙げられる。中でも、非イオン界面活性剤が好ましく、ポリエーテル変性シリコーンがより好ましい。成分(A)と他の油剤を含む油相に水相を安定に乳化させる観点から、HLB値が1以上、7以下が好ましく、HLB値が2以上、6以下のものがより好ましい。
【0038】
ここで、HLB(親水性−親油性のバランス〈Hydrophilic-Lypophilic Balance〉)は、界面活性剤の全分子量に占める親水基部分の分子量を示すものであり、非イオン界面活性剤については、グリフィン(Griffin)の式により求められるものである。
2種以上の非イオン界面活性剤から構成される混合界面活性剤のHLBは、次のようにして求められる。混合界面活性剤のHLBは、各非イオン界面活性剤のHLB値をその配合比率に基づいて相加算平均したものである。
【0039】
混合HLB=Σ(HLBx×Wx)/ΣWx
HLBxは、非イオン界面活性剤XのHLB値を示す。
Wxは、HLBxの値を有する非イオン界面活性剤Xの重量(g)を示す。
【0040】
界面活性剤の含有量は、化粧料全体に対して、下限は、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましい。上限は、6質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましい。これらの観点を総合すると、0.1〜6質量%以下が好ましく、0.2〜3質量%含有されるのがより好ましい。
【0041】
本発明の化粧料は、前記成分のほか、通常の化粧料に用いられる成分、例えば、水溶性及び油溶性ポリマー;前記成分以外の粉体;エタノール、多価アルコール、防腐剤、酸化防止剤、色素、増粘剤、pH調整剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤などを含有することができる。
【0042】
本発明の化粧料は、通常の方法に従って製造することができ、油中水型、水中油型、二層分離型等、どのような乳化型でもよい。なかでも、使用性の点から、油中水型乳化化粧料が好ましい。さらに、剤型としては、液状、乳液状、クリーム状、ジェル状が挙げられ、乳液状が好ましい。
【0043】
本発明の化粧料は、通常の方法に従って製造することができ、化粧下地、液状ファンデーション、油性ファンデーション、パウダーファンデーション、口紅、ほお紅、アイシャドー等のメークアップ化粧料;日やけ止め乳液や日焼け止めクリームなどの紫外線防御化粧料等とすることができる。なかでも、化粧下地、液状ファンデーションが好ましい。
【実施例】
【0044】
合成例1(化合物A1の合成)
【化3】
【0045】
C
6F
13−CH
2CH
2−O−CH
2CH=CH
2 の合成:
温度計、冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに、FA-6 (ユニマッテク社製)800g(2.2mol)と粒状NaOH(和光純薬社製)175.78g(4.4mol)を加えた。窒素雰囲気下で、テフロン(登録商標)製12cm三日月攪拌翼にて200rpmにて攪拌しながら、加熱し、フラスコ内温度を60℃とした。そこへ臭化アリル(和光純薬社製)398.73g(3.3mol)を2時間かけて滴下した。滴下終了後70℃で1時間、80℃で1時間撹拌した。その後130℃に昇温し、過剰の臭化アリルを除去した。60℃まで冷却後、イオン交換水800gを入れ、30分間攪拌、その後静置して分層させた。上層の水層を抜き出し、さらにイオン交換水800gを入れ、再度攪拌、静置、水層除去を行った。60℃/5KPaにて脱水し、100℃/2KPaにて蒸留し、留分として、C
6F
13−CH
2CH
2−O−CH
2CH=CH
2 774.9gを得た(収率88%)。
【0046】
温度計を備えた300mLの四つ口フラスコに、下式で表されるハイドロジェンポリシロキサン(信越化学社製)52.89g(111mmol)を加え、窒素雰囲気下で、テフロン(登録商標)製8cm三日月翼にて200rpmで攪拌し、2質量%塩化白金酸6水和物/イソプロピルアルコール0.66gを加え、110℃に昇温した。
【0047】
【化4】
【0048】
C
6F
13−CH
2CH
2−O−CH
2CH=CH
2 197.11g(488mmol)を2時間で滴下した。滴下終了後、110℃で2時間撹拌した。その後、70℃まで下げた。0.1%NaOH溶液25.07gを加え、2時間攪拌した。60℃/5KPaにて脱水し、脱水終了後、同温度にてカルボラフィン3(日本エンバイロケミカルズ社製)2.51gを加え、2時間攪拌した。0.1μm PTFEメンブランフィルターにてろ過し、ろ液を100℃/5KPa、水62.5gを用いて水蒸気蒸留し、目的化合物(化合物A1)206.3gを得た(収率89%)。
【0049】
合成例2(化合物A2の合成)
【化5】
【0050】
合成例1と同様にして、C
6F
13−CH
2CH
2−O−CH
2CH=CH
2 を合成した。
温度計を備えた300mLの四つ口フラスコに、下式で表されるハイドロジェンポリシロキサン(信越化学社製)21.29g(51mmol)を加え、窒素雰囲気下で、テフロン(登録商標)製8cm三日月翼にて200rpmで攪拌し、2質量%塩化白金酸6水和物/イソプロピルアルコール0.26gを加え、110℃に昇温した。
【0051】
【化6】
【0052】
C
6F
13−CH
2CH
2−O−CH
2CH=CH
2 78.71g(195mmol)を2時間で滴下した。滴下終了後、110℃で2時間撹拌した。その後、70℃まで下げた。0.1%NaOH溶液10.03gを加え、2時間攪拌した。60℃/5KPaにて脱水し、脱水終了後、同温度にてカルボラフィン3(日本エンバイロケミカルズ社製)1.00gを加え、2時間攪拌した。0.1μm PTFEメンブランフィルターにてろ過し、ろ液を100℃/5KPa、水25gを用いて水蒸気蒸留し、目的化合物(化合物A2)78.9gを得た(収率85%)。
【0053】
合成例3(化合物A3の合成)
【化7】
【0054】
合成例1と同様にして、C
6F
13−CH
2CH
2−O−CH
2CH=CH
2 を合成した。
温度計を備えた300mLの四つ口フラスコに、下式で表されるハイドロジェンポリシロキサン(信越化学社製)17.61g(33mmol)を加え、窒素雰囲気下で、テフロン(登録商標)製8cm三日月翼にて200rpmで攪拌し、2質量%塩化白金酸6水和物/イソプロピルアルコール0.27gを加え、110℃に昇温した。
【0055】
【化8】
【0056】
C
6F
13−CH
2CH
2−O−CH
2CH=CH
2 82.39g(206mmol)を2時間で滴下した。滴下終了後、110℃で2時間撹拌した。その後、70℃まで下げた。0.1%NaOH溶液10.03gを加え、2時間攪拌した。60℃/5KPaにて脱水し、脱水終了後、同温度にてカルボラフィン3(日本エンバイロケミカルズ社製)1.00gを加え、2時間攪拌した。0.1μm PTFEメンブランフィルターにてろ過し、ろ液を100℃/5KPa、水25gを用いて水蒸気蒸留し、目的化合物(化合物A3)75.8gを得た(収率82%)。
【0057】
合成例4(化合物A4の合成)
【化9】
【0058】
冷却管及び磁気攪拌子を備えた100mLの二つ口フラスコに、窒素雰囲気下、メチル水素ポリシロキサン(MD
2D
H2M)(東芝シリコーン社製)を19.0g(44.1mmol)、C
8F
17−CH
2CH
2−O−CH
2CH=CH
2 53.3g(105.8mmol)を仕込んだ。次に、フラスコ内の温度を80℃に昇温したのち、塩化白金酸の2%イソプロピルアルコール溶液174.5μLを加え、60℃で5時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、ヘキサン50mL及び活性炭2.2gを加え、室温で1時間攪拌した。その後、活性炭を濾別し、溶媒を留去した。未反応の化合物を減圧留去し、目的化合物(化合物A4)49.4gを無色透明の油状物として得た(収率78%)。
【0059】
実施例1〜7、比較例1〜5
表1に示す組成のW/O化粧下地を製造し、各化粧下地を塗布した直後の「なじみの良さ」、「塗布後のべたつき感のなさ」、「塗布後のつっぱり感のなさ」及び「塗布後のムラづきのなさ」を評価した。次に、各化粧下地を塗布した上に、パウダーファンデーションを塗布し、直後の「パウダーファンデーションの密着感のある仕上がり」及び「パウダーファンデーションの化粧のりの良さ」を評価した。結果を表1に併せて示す。
【0060】
(製造方法)
実施例1〜7、比較例1〜5について、全量を100gのスケールで計量を行う。成分(A)を含む油相(活性剤含)について、ディスパー(500r/min、5分)を用いて予備分散を行う。次に、成分(B)及び(C)を含む粉体相を油相中に分散(1500r/min、10分)させ、粉体相が均一に分散したことを確認する。粉体相が均一になった油相を用い、ディスパー(450r/min)で攪拌しながら徐々に水相を添加し、次にエタノール相を加えて乳化を行い、乳化保持をした後、ホモミキサーで粘度調整(3000r/min)を行い、脱泡して、W/O化粧下地を得た。
【0061】
(評価方法)
5名の専門パネラーが、各W/O化粧下地を指で肌に塗布した直後の「なじみの良さ」」、「塗布後のべたつき感のなさ」、「塗布後のつっぱり感のなさ」及び「塗布後のムラづきのなさ」を以下の基準で評価し、次に、各化粧下地を塗布した上に、パウダーファンデーション(ソフィーナ ファインフィット パウダーファンデーションUV、花王社製)を塗布し、直後の「パウダーファンデーションの密着感のある仕上がり」及び「パウダーファンデーションの化粧のりの良さ」を以下の基準で評価した。結果を5名の積算値で示す。
4:非常にそう思う。
3:そう思う。
2:ややそう思う。
1:そう思わない。
【0062】
【表1】
【0063】
実施例8
実施例1〜7と同様にして、表2に示す組成のリキッドファンデーションを製造し、スポンジで塗布した直後の「なじみの良さ」、「塗布後のべたつき感のなさ」、「塗布後のつっぱり感のなさ」、「塗布後のムラづきのなさ」、「密着感のある仕上がり」及び「化粧のりの良さ」を評価した。結果を表2に示す。
【0064】
【表2】