(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ケーシングとケーシング内に回転可能に配置する羽根車と流体の流れ方向で羽根車の下流側に、かつ羽根車の回転軸心周りに配置する複数の案内羽根を有し、前記複数の案内羽根で構成されるディフューザを備え、ディフューザの隣り合う案内羽根および側壁により形成される流路が入口側のノズル部と出口側のディフューザ部からなり、
ノズル部の流路は流路入口での流路断面積に対する流路途中位置での流路断面積の面積比率が1未満で、ディフューザ部の流路は流路途中位置での流路断面積に対する流路出口での流路断面積の面積比率が1を超えることを特徴とするディフューザポンプ。
ディフューザの案内羽根は、流路断面積が流れ方向に向かって縮小するノズル部に対応するノズル形成部と、流路断面積が流れ方向に向かって拡大するディフューザ部に対応するディフューザ形成部を有し、ノズル形成部は案内羽根のキャンバー線と羽根車の回転軸心を中心として前記キャンバー線と交わる円周の接線とのなす案内羽根角度が案内羽根入口部で最大となり、かつ以後案内羽根角度が漸減する形状をなすことを特徴とする請求項1に記載のディフューザポンプ。
ディフューザのノズル形成部は、案内羽根入口部での案内羽根角度が、羽根車出口を出て案内羽根入口に向けて流れる流体の流れ方向に対して6°−36°の差を有することを特徴とする請求項2に記載のディフューザポンプ。
ディフューザのノズル形成部の案内羽根入口部は羽根車の出口側外周からギャップを隔てた位置にあり、ギャップは羽根車の出口側外周の半径の4.5%−12%であることを特徴とする請求項2または3に記載のディフューザポンプ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態では、
図1に示すように、一重胴輪切型の横軸多段ポンプ1を例に本発明のディフューザポンプを説明するが、羽根車の吐出し側に複数の案内羽根を有するディフューザを持つ形式のポンプであれば、立軸ポンプでも、また、バレル形や水平割形の多段ポンプや単段ポンプにおいても本発明は実現できる。
【0015】
多段ポンプ1は、ポンプケーシング2に吸込口3と吐出口4を有しており、ポンプケーシング2の内部に回転軸5と一体的に回転する複数の羽根車6a〜6cを回転軸5の軸心方向に多段に備えている。
【0016】
ポンプケーシング2は軸に垂直の分割構造をなし、回転軸5の軸心方向の一側に位置して吸込口3を有する吸込ケーシング7と、回転軸5の軸心方向の一側に位置して吐出口4を有する吐出ケーシング8と、吸込ケーシング7と吐出ケーシング8との間に回転軸5の軸心方向に多段に配設した複数の輪切型の中間ケーシング9a、9bとからなり、各中間ケーシング9a、9bと吐出ケーシング8が内部にそれぞれ羽根車6a〜6cを収納している。
【0017】
固定手段11は、各ケーシング7、8、9a、9bを回転軸5の軸心方向に締め付けて固定するもので、複数の固定ボルト12とナット13からなり、各固定ボルト12が吸込ケーシング7と吐出ケーシング8を回転軸5の軸心方向へ貫通し、各固定ボルト12の両端部にそれぞれナット13が螺合している。
【0018】
この構成により、固定手段11は吸込ケーシング7と吐出ケーシング8を連結することで、吸込ケーシング7と吐出ケーシング8の間に配置した中間ケーシング9a、9bを一体的に連結固定している。
【0019】
回転軸5はポンプケーシング2を貫通しており、軸封部14に配置したパッキン等のシール材15が回転軸5とポンプケーシング2の間をシールしている。
各羽根車6a〜6cは回転軸5の径方向の外側に位置する流出口16と回転軸5の径方向の内側に位置する流入口17とを有している。吸込ケーシング7は、その内部に水等の流体18を吸込口3から初段の羽根車6aの流入口17へ導く吸込流路19を有しており、吸込流路19は回転軸5の外周を取り囲むように円環状もしくは渦巻状をなす。
【0020】
各中間ケーシング9a、9bは、流体18を各羽根車6a、6bの流出口16から次段の各羽根車6b、6cの流入口17へ導く中間流路20を内部に有しており、中間流路20は、各羽根車6a、6bの流出口16の外側に形成された円環状の案内羽根部21a、21bを有している。吐出ケーシングは、最終段の案内羽根部21cと吐出流路22を内部に有しており、吐出流路22は、最終段の案内羽根部21cを通過した流体18を吐出口4に導く流路であり、回転軸5の軸心周りに旋回する方向に円環状もしくは渦巻状をなす。
【0021】
各案内羽根部21a、21b、21cは、円環状をなす側板210a、210b、210cの上に一体的に形成した複数の案内羽根211a、211b、211cをそれぞれ有しており、側板210a、210b、210cは案内羽根211a、211b、211cの回転軸心方向の両側に側壁を形成している。
【0022】
図2に示すように、複数の案内羽根211a、211b、211cは羽根車6a、6b、6cの流体18の流れ方向の下流側で羽根車6a、6b、6cの回転軸心周りに配置してあり、側板210a、210b、210cの側壁と案内羽根211a、211b、211cとによって案内羽根211a、211b、211cの相互間に形成する流路は入口側のノズル部212a、212b、212cと出口側のディフューザ部213a、213b、213cを有している。
【0023】
入口側のノズル部212aは入口から流体18の流れ方向に流路断面積が減少して最小流路断面積のスロートに至る流路形状を有し、出口側のディフューザ部213aはスロートから流体18の流れ方向に流路断面積が増大して出口に至る流路形状を有する。
【0024】
案内羽根211a、211b、211cは、ノズル部212a、212b、212cに対応するノズル形成部214a、214b、214cとディフューザ部213a、213b、213cに対応するディフューザ形成部215a、215b、215cを有している。
【0025】
ここで、
図11および
図12を参照して、流路断面積の比率について更に記述する。一般的に円環状のディフューザの場合、流れが入口から出口まで案内羽根に沿って一様に流れるものとして、入口に対する出口の面積比率A
21は、案内羽根の肉厚を考慮しない場合、下式で表すことができる。
A
21=(b
2r
2sinβ
2)/(b
1r
1sinβ
1)
ここで、b
1:案内羽根入口で側壁間の流路幅、b
2:案内羽根出口での側壁間の流路幅、β
1:案内羽根入口での案内羽根角度、β
2:案内羽根出口での案内羽根角度、r
1:案内羽根入口半径、r
2:案内羽根出口半径
同様に羽根の途中位置のr
n、b
n、β
nにおいては入口に対するn位置での面積比率A
n1を下式で表すことができる。
A
n1=(b
nr
nsinβ
n)/(b
1r
1sinβ
1)
n位置に対する出口での面積比率A
2nは下式で表すことができる。
A
2n=(b
2r
2sinβ
2)/(b
nr
nsinβ
n)
ノズル部を形成し、その後ディフューザ部を形成するには、A
n1<1、A
2n>1となる必要がある。
【0026】
ここで、常にA
n1<1、A
2n>1を実現するには、半径の関係は構造上必ずr
1<r
n、r
n<r
2となるため、b
1≧b
n、b
n≦b
2もしくはβ
1≧β
n、β
n≦β
2を条件とするか、両者を組み合わせる必要がある。
【0027】
ここで、ディフューザの子午面形状は、
図12(a)から(d)に示す形状が規定できる。なお、子午面とは羽根車や案内羽根形状を回転軸と半径方向軸とで表示した面をいう。
この条件1から
図12(c)、(d)の場合は、βに関係なくノズル部とディフューザ部を形成することもできるが、一般的なディフューザの形状である
図12(a)、(b)の場合にノズル部とディフューザ部を形成するには、β
1≧β
n、β
n≦β
2とする必要がある。以後の説明においては、
図12(a)、(b)の形状を想定して記述する。
【0028】
図3に示すように、案内羽根211a、211b、211cは案内羽根入口部が羽根車6a、6b、6cの出口側外周から一定距離のギャップLを隔てた位置にある。ノズル形成部214a、214b、214cは案内羽根211a、211b、211cのキャンバー線Aと羽根車6a、6b、6cの回転軸心を中心としてキャンバー線Aと交わる円周Bの接線とのなす案内羽根角度βが案内羽根入口部で最大となり、かつ以後流れ方向下流に向かって案内羽根角度βが漸減する形状をなす。
【0029】
羽根車6a〜6cから流出して案内羽根211a、211b、211cに流入する流れの角度α
1は、流量により変化するものであり、α
1は設計流量により算出される流入角度の値としてこの後の記述において使用する。
【0030】
算出過程は省略するが、ギャップL間では、流れの子午面に沿った面方向速度は半径比と流路幅比で減速し、旋回方向速度は流れが自由渦と仮定し、半径比で減速するものとして案内羽根入口における流入角度を定義し、設計流量により求まる流入角度をα
1とする。
【0031】
以下においてギャップLはギャップ率L%として説明する。ここで、ギャップ率L%とは羽根車出口半径r
0に対するギャップLの比率、つまりL%≒(L/r
0)×100として定義する。案内羽根角度βとギャップ率L%の適値については後述する。
【0032】
上記した構成により、回転軸5と一体に回転する各羽根車6a〜6cが吸込口3からポンプケーシング2内に流体18を吸い込み、流体18が吸込流路19を通り、初段の羽根車6aに流入口17から流入し、流出口16から流出する。
【0033】
初段の羽根車6aから流出した流体18は、初段の案内羽根部21aの案内羽根211aの相互間の流路に流入し、案内羽根21aのノズル形成部214aに対応する入口側のノズル部212aを通って案内羽根21aのディフューザ形成部215aに対応する出口側のディフューザ部213aへ流入する。
【0034】
この際に、案内羽根21aのノズル形成部214aに対応する入口側のノズル部212aでは流体18の流れ方向に案内羽根角度が漸減して流路断面積が減少するので、羽根車6aによって供給される流体18はノズル部212aにおいて増速し、スロート部を経由して増速した流体18が案内羽根21aのディフューザ形成部215aに対応する出口側のディフューザ部213aに流入する。
【0035】
出口側のディフューザ部213aは流体18の流れ方向に流路断面積が増大するので、流体18はディフューザ部213aにおいて減速して増圧される。
このように、ディフューザ部213aに流入する流体18はその流速がノズル部212aで増速されたものであることで、ディフューザ部212aにおいて案内羽根211aの表面から境界層が離れる剥離の発生が抑制され、または流れ方向の下流に剥離が遅れることで、圧力回収を阻害する渦の発生や流れの乱れを抑制し、水流の内部損失を減少させ、ポンプ効率を高めることができる。
【0036】
初段の案内羽根部21aのディフューザ部213aから流出する流体18は、中間流路20を流れた後、次段の羽根車6bを通って次段の案内羽根部21bに流入する。ここでも、流体18はノズル部212bにおいて増速し、増速した流体18が出口側のディフューザ部213bに流入することで、境界層の剥離を抑制、または剥離を遅らせつつ昇圧されて流れ出る。
【0037】
その後、流体18は、最終段の羽根車6cおよび最終段の案内羽根部21cを経て、前段の案内羽根部21a、21bと同様にして昇圧された後に吐出流路22を流れて吐出口4から吐出される。
【0038】
以下に、案内羽根入口部での案内羽根角度βとギャップ率L%の適値について説明する。ここでは、初段の案内羽根部21aについて説明するが、他の案内羽根部21b、21cについても同様であり、その説明は省略する。
(解析1)
図4に示すように、案内羽根211aの案内羽根入口部での案内羽根角度βが異なる複数の案内羽根部21aを供試とし、ディフューザポンプを異なる流量で流体解析を実施し、ポンプ効率を計算した。供試の各案内羽根211aはギャップ率L%を4.5%で一定として案内羽根入口部での案内羽根角度β
1を変化させたものである。以下において案内羽根角度β
1の変化は案内羽根入口角度差(β
1−α
1)として表示する。また、ポンプ効率はβ
1=α
1である供試1の設計点効率に対する比として表した効率比率として表示する。
【0040】
【表1】
設計流量の90%の計算では、供試3の案内羽根入口部での案内羽根入口角度差(β
1−α
1)が11.8°である案内羽根211aのときに、効率比率が最も良い1.0077となる。また、供試1の案内羽根入口部での案内羽根入口角度差(β
1−α
1)が0°である案内羽根211aのときに、効率比率が1.0009となり、供試6の案内羽根入口部での案内羽根入口角度差(β
1−α
1)が45.4°である案内羽根211aのときに、効率比率が0.9884となり、ともに供試3に比べて効率比率が低下した。
【0041】
設計流量の110%の計算では、供試5の案内羽根入口部での案内羽根入口角度差(β
1−α
1)が27.3°である案内羽根211aのときに、効率比率が最も良い1.0071となる。また、供試1の案内羽根入口部での案内羽根入口角度差(β
1−α
1)が0°である案内羽根211aのときに、効率比率が0.9730となり、供試6の案内羽根入口部での案内羽根入口角度差(β
1−α
1)が45.4°である案内羽根211aのときに、効率比率が0.9978となり、ともに供試5に比べて効率比率が低下した。
【0042】
設計流量の計算では、供試4の案内羽根入口部での案内羽根入口角度差(β
1−α
1)が19.8°である案内羽根211aのときに、効率比率が最も良い1.0106となる。また、供試1の案内羽根入口部での案内羽根入口角度差(β
1−α
1)が0°である案内羽根211aのときに、効率比率が1.0000となり、供試6の案内羽根入口部での案内羽根入口角度差(β
1−α
1)が45.4°である案内羽根211aのときに、効率比率が0.9969となり、ともに供試4に比べて効率比率が低下した。
【0043】
よって案内羽根入口部での案内羽根入口角度差(β
1−α
1)が過小でも過大でも効率比率が低下することが分かる。この結果から平均で効率比率1.0020以上となる供試2−4の案内羽根211aの案内羽根入口部での案内羽根入口角度差(β
1−α
1)の値は概ね6−36°が適値と判断した。
【0044】
つまり、案内羽根入口での案内羽根入口角度差(β
1-α
1)を6−36°としてノズル部を形成すると効率が向上する良いディフューザを形成することができる。
(解析2)
図5に示すように、案内羽根211aのギャップLが異なる複数の案内羽根部21aを供試とし、ディフューザポンプを異なる流量で流体解析を実施し、ポンプ効率を計算した。供試の各案内羽根211aは案内羽根入口部での案内羽根入口角度差(β
1−α
1)を31.5°としてギャップ率L%を変化させたものである。
【0046】
【表2】
設計流量の90%の計算では、供試9の案内羽根入口部でのギャップ率L%が8.1%である案内羽根211aのときに、効率比率が最も良い1.0135となる。また、供試7の案内羽根入口部でのギャップ率L%が4.5%である案内羽根211aのときに、効率比率が1.0007となり、供試10の案内羽根入口部でのギャップ率L%が10%である案内羽根211aのときに、効率比率が1.0100となり、ともに供試9に比べて効率比率が低下した。
【0047】
設計流量の110%の計算では、供試10の案内羽根入口部でのギャップ率L%が10%である案内羽根211aのときに、効率比率が最も良い1.0098となる。また、他の供試7−9の案内羽根入口部でのギャップ率L%が4.5−8.1%である案内羽根211aのときにも、効率比率が1.0020以上となった。
【0048】
設計流量の計算では、供試10の案内羽根入口部でのギャップ率L%が10%である案内羽根211aのときに、効率比率が最も良い1.0156となる。また、他の供試7−9の案内羽根入口部でのギャップ率L%が4.5−8.1%である案内羽根211aのときにも、効率比率が1.0020以上となった。
【0049】
この結果から平均で効率比率1.0020以上となる供試7−10の案内羽根211aの案内羽根入口部でのギャップ率L%の値は概ね4.5−10%が適値と判断した。
つまり、ノズル部を有するディフューザにおいて、ギャップ率L%を4.5−10%とすると効率が向上する良いディフューザを形成することができる。
(解析3)
図6に示すように、案内羽根211aの案内羽根角βとギャップ率L%が異なる複数の案内羽根部21aを供試とし、ディフューザポンプを異なる流量で流体解析を実施し、ポンプ効率を計算した。供試の各案内羽根211aは案内羽根入口部での案内羽根入口角度差(β
1−α
1)とギャップ率L%を変化させたものである。
【0050】
図9、10および表3にその結果を示す。
【0051】
【表3】
設計流量の90%の計算では、供試15の案内羽根入口部での案内羽根入口角度差(β
1−α
1)が29.1°でギャップ率L%が8.1%である案内羽根211aのときに、効率比率が最も良い1.0179となる。また、供試11の案内羽根入口部での案内羽根入口角度差(β
1−α
1)が0°でギャップ率L%が4.5%である案内羽根211aのときに、効率比率が1.0009となり、効率比率が低下した。また、他の供試12−14、16−17の案内羽根入口部での案内羽根入口角度差(β
1−α
1)が6.2−35.9でギャップ率L%が4.5−12%である案内羽根211aのときにも、効率比率が1.0020以上となった。
【0052】
設計流量の110%の計算では、供試17の案内羽根入口部での案内羽根入口角度差(β
1−α
1)が35.9°でギャップ率L%が12%である案内羽根211aのときに、効率比率が最も良い1.0129となる。また、供試11の案内羽根入口部での案内羽根入口角度差(β
1−α
1)が0°でギャップ率L%が4.5%である案内羽根211aのときに、効率比率が0.9730となり、効率比率が低下した。また、他の供試12−16の案内羽根入口部での案内羽根入口角度差(β
1−α
1)が6.2−35.9でギャップ率L%が4.5−12%である案内羽根211aのときにも、効率比率が1.0020以上となった。
【0053】
設計流量の計算では、供試16の案内羽根入口部での案内羽根入口角度差(β
1−α
1)が32.1°でギャップ率L%が10%である案内羽根211aのときに、効率比率が最も良い1.0191となる。また、供試11の案内羽根入口部での案内羽根入口角度差(β
1−α
1)が0°でギャップ率L%が4.5%である案内羽根211aのときに、効率比率が1.0000となり、効率比率が低下した。また、他の供試12−17の案内羽根入口部での案内羽根入口角度差(β
1−α
1)が6.2−35.9でギャップ率L%が4.5−12%である案内羽根211aのときにも、効率比率が1.0020以上となった。
【0054】
この結果から平均で効率比率1.0020以上となる供試12−17の案内羽根211aの案内羽根入口部での案内羽根入口角度差(β
1−α
1)の値は概ね6−36°で、ギャップ率L%の値は概ね4.5−12%が適値と判断した。
【0055】
つまり、案内羽根入口での案内羽根入口角度差(β
1-α
1)を6−36°としてノズル部を形成し、さらに、ギャップ率L%を4.5−12%とすると効率がさらに向上するより良いディフューザを形成することができる。
【0056】
上述の解析結果から本発明では、ディフューザのノズル部を案内羽根入口での案内羽根入口角度差(β
1-α
1)の値を概ね6−36°で形成することが効率の点からして適値であり、羽根車出口を出て案内羽根入口に向けて流れる流体18の流れ方向に対して6−36°の差を有するものである。
【0057】
これはノズル部212a、212b、212cを形成する上で、(β
1−α
1)をこの範囲とすることで、案内羽根での剥離の抑制を期待でき、高いポンプ効率を維持できることを示す。
【0058】
また、ノズル部を有するディフューザでは、案内羽根入口でのギャップ率L%の値を概ね4.5−12%とすることが効率の点からして適値である。
これは、ギャップ率L%が変化することで、流速の減速に伴って案内羽根入口での流体の流入角度α
1も変化するが、その変化範囲であっても高いポンプ効率を維持できることを示す。
【0059】
さらに、ディフューザのノズル部を案内羽根入口での案内羽根入口角度差(β
1-α
1)の値を概ね6−36°で形成し、案内羽根入口でのギャップ率L%の値を概ね4.5−12%とすることが効率の点からよりよい組合せである。
【0060】
なお、上述の実施例では、
図12(a)、(b)をもとに説明したが、
図12(c)、(d)の形状でノズル部とディフューザ部を形成しても良い。