(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5930817
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】皮膚外用組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/06 20060101AFI20160526BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20160526BHJP
A61K 8/67 20060101ALI20160526BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20160526BHJP
A61K 8/26 20060101ALI20160526BHJP
A61Q 19/02 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
A61K8/06
A61K8/34
A61K8/67
A61K8/49
A61K8/26
A61Q19/02
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-90955(P2012-90955)
(22)【出願日】2012年4月12日
(65)【公開番号】特開2013-216640(P2013-216640A)
(43)【公開日】2013年10月24日
【審査請求日】2015年2月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000113470
【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100549
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 嘉之
(74)【代理人】
【識別番号】100126505
【弁理士】
【氏名又は名称】佐貫 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100131392
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 武司
(74)【代理人】
【識別番号】100151596
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 俊明
(72)【発明者】
【氏名】駒田 美香
【審査官】
松本 直子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−286735(JP,A)
【文献】
特開2008−031141(JP,A)
【文献】
特開2011−195495(JP,A)
【文献】
特開2004−352627(JP,A)
【文献】
特開2002−029955(JP,A)
【文献】
特開平11−076799(JP,A)
【文献】
特開平06−233924(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00− 90/00
B01J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)4−アルキルレゾルシノール、2)水溶性アスコルビン酸誘導体、3)脂肪酸ソルビタン、4)有機変性粘土鉱物を含有し、(W1+W2)/O型エマルションであることを特徴とし、前記Oは油相であり、前記W1は4−アルキルレゾルシノールを含有する水相
であり、前記W2はアスコルビン酸誘導体を含有する水相であり、前記W1とW2とは組成
が異なる皮膚外用組成物。
【請求項2】
前記4−アルキルレゾルシノールが4−n−ブチルレゾルシノールであることを特徴とする請求項1に記載の皮膚外用組成物。
【請求項3】
前記水溶性アスコルビン酸誘導体がアスコルビン酸−2−グルコシドであることを特徴とする請求項1又は2に記載の皮膚外用組成物。
【請求項4】
前記脂肪酸ソルビタンがモノイソステアリン酸ソルビタンであることを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載の皮膚外用組成物。
【請求項5】
前記有機変性粘土鉱物が、ジメチルジステアリルアンモニウム変性ヘクトライトであることを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載の皮膚外用組成物。
【請求項6】
前記W1には水溶性アスコルビン酸誘導体を、前記W2には4−アルキルレゾルシノールを含有しないことを特徴とする請求項1〜5何れか1項に記載の皮膚外用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚に対して優れた美白効果を有する4−アルキルレゾルシノールとアスコルビン酸誘導体を油中水乳化物に安定配合した皮膚外用組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
4−アルキルレゾルシノールは、皮膚のシミ、ソバカス、日焼けの原因であるメラニンの生成に関与するチロシナーゼを阻害する効果が非常に高いことが知られている(特許文献1)。中でも4−n−ブチルレゾルシノールは、医薬部外品の有効成分として化粧料に使用されている。他方、アスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体も、チロシナーゼ活性阻害効果と共に、体内の結合組織を構成するコラーゲン合成を高める作用を有し、皮膚のシワ、たるみを防ぐことから、化粧料として非常に有用な成分である。
【0003】
これら成分を、効果的に配合できる製剤設計は、化粧料において重要である。中でも、油中水乳化物は、連続相に油性成分が存するため、高い閉塞効果を有しており、水中油乳化物に比して、保湿性、有効成分の経皮吸収性に優れており、効果的な剤形である。ただしその反面、油中水乳化物は、使用感が油っぽく、べたつくという欠点を有する。このような欠点を克服するために、例えば、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド変性ヘクトライトなどの有機変性粘土鉱物を用いて、油中水乳化物を製造する技術が開発されている(特許文献2−4)。また使用感を良くするために、有機変性粘土鉱物と、架橋型シリコーンを併用する技術も開発された(特許文献5)。
【0004】
4−アルキルレゾルシノールとアスコルビン酸誘導体を配合した油中水乳化物としては、有機変性粘度鉱物と架橋型メチルポリシロキサンとを組み合わせた製剤が知られている(特許文献6)。しかしながら、4−アルキルレゾルシノールとアスコルビン酸誘導体は
、化学構造が全く異なり、最適な安定化条件(例えばpHや配合禁忌原料)に違いがある。そのため、前記製剤では、4−アルキルレゾルシノールとアスコルビン酸誘導体とを同一の水相環境下に溶解、溶存せざる
をえないため、両成分に最適な安定化条件下で製剤化ができずに、経時や高温下での両成分の分解による変臭、変色、製剤不安定化を引き起こす原因となっていた。以上より、4−アルキルレゾルシノールとアスコルビン酸誘導体を同時に含有できる油中水乳化物が求められていた。
【0005】
【特許文献1】特開平02−49715号公報
【特許文献2】特開2005−255623号公報
【特許文献3】特開2004−292373号公報
【特許文献4】特開2001−58937号公報
【特許文献5】特開平11−246354号公報
【特許文献6】特開2008−31141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
皮膚に対して優れた美白効果を有する4−アルキルレゾルシノールとアスコルビン酸誘導体を油中水乳化物に安定配合し、製剤安定化、使用感触に優れた皮膚外用組成物を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、化粧品分野で使用できうる界面活性剤を組み合わせて使用し、新たな皮膚外用組成物を目指して鋭意研究した結果、以下に示すような新たな皮膚外用組成物が、4−アルキルレゾルシノールとアスコルビン酸誘導体を安定に配合し、製剤安定化、使用感触に優れていることを見出し、本発明を完成させた。すなわち本発明は以下に示すとおりである。
【0008】
<1> 1)4−アルキルレゾルシノール、2)アスコルビン酸誘導体、3)脂肪酸ソルビタンを含有し、(W
1+W
2)/O型エマルションであることを特徴とする皮膚外用組成物。ただしOは油相、W
1は水相であり4−アルキルレゾルシノールを含有し、W
2は水相でありアスコルビン酸誘導体を含有している。
<2> 4−アルキルレゾルシノールが4−n−ブチルレゾルシノールであることを特徴とする<1>に記載の皮膚外用組成物。
<3> アスコルビン酸誘導体がアスコルビン酸−2−グルコシドであることを特徴とする<1>又は<2>に記載の皮膚外用組成物。
<4> 脂肪酸ソルビタンがモノイソステアリン酸ソルビタンであることを特徴とする<1>〜<3>何れか1つに記載の皮膚外用組成物。
<5> 有機変性粘土鉱物を含有することを特徴とする<1>〜<4>何れか1つに記載の皮膚外用組成物。
<6> 前記有機変性粘土鉱物が、ジメチルジステアリルアンモニウム変性ヘクトライトであることを特徴とする、<1>〜<5>何れか1つに記載の皮膚外用組成物。
<7> W
1にはアスコルビン酸誘導体を、W
2には4−アルキルレゾルシノールを含有しないことを特徴とする<1>〜<6>何れか1つに記載の皮膚外用組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、皮膚に対して優れた美白効果を有する4−アルキルレゾルシノールとアスコルビン酸誘導体を油中水乳化物に安定配合し、製剤安定化、使用感触に優れた皮膚外用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<本発明に必須の4−アルキルレゾルシノール>
4−アルキルレゾルシノールにおけるアルキル基は、直鎖であっても、分岐構造を有していても、環状構造を有していても良く、その好ましい炭素鎖の長さは、2〜20であり、より好ましくは3〜6である。具体的には、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基、アミル基、イソアミル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、イソオクチル基、1−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−イソプロピル−2−メチルプロピル基、1,3−ジメチルブチル基、1−ブチルペンチル基、1−イソブチル−3−メチルブチル基、或いはイソステアリル基が好ましく例示できる。4−アルキルレゾルシノールは、レゾルシンと上記アルキル基に対応するカルボン酸を塩化亜鉛の存在下縮合し、亜鉛アマルガム/塩酸で還元する方法や、レゾルシンと上記アルキル基に対応するアルコールを200〜400℃の高温下で縮合させる方法等の公知の方法により製造できる(例えば、Lille. J. Bitter, LA. Peiner. V, Tr. Nauch-Iasled. Inst. slantsev
(1969), No.18, 127、特開2006−124358号公報、特開2006−124357号公報)。4−アルキルレゾルシノールとして好ましいものは、4−n−ブチルレゾルシノールである。又、4−アルキルレゾルシノールは塩であっても良く、皮膚外用剤に使用されるものであれば、特段の限定無く使用できる。例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノエタノールアミン塩等の有機アミン塩、リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩等が好適に例示できる。本発明の皮膚外用剤においては、4−アルキルレゾルシノール及びその塩のうち一種を単独で含有するものであってもよいし、二種以上を組み合わせて含有するものであってもよい。4−アルキルレゾルシノールは、好ましくは総量で0.1〜1質量%、より好ましくは、0.2〜0.5質量%含有させることがよい。
【0011】
<本発明に必須のアスコルビン酸誘導体>
アスコルビン酸の誘導体としては、アスコルビン酸の塩、アスコルビン酸とリン酸とのエステル及びその塩、アスコルビン酸−2−グルコシドなどのアスコルビン酸の配糖体及びその塩等が例示でき、アスコルビン酸−2−グルコシドがより好ましい。前記塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノエタノールアミン塩等の有機アミン塩、リジン塩、アルギン酸塩等の塩基性アミノ酸塩等が好適に例示できる。これらのアスコルビ酸の誘導体は水溶性であることが好ましく、水相に予め溶解させて含有させることが好ましい。この様な効果を奏するためには、前記アスコルビン酸誘導体は、総量で、皮膚外用剤全量に対して、0.1〜10質量%含有することが好ましく、1〜5質量%含有することがより好ましい。
【0012】
<本発明に必須の脂肪酸ソルビタン>
本発明に用いられる脂肪酸ソルビタンとしては、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノミリスチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、セスキパルミチン酸ソルビタン、セスキミリスチン酸ソルビタン、セスキラウリン酸ソルビタン、ジイソステアリン酸ソルビタン、ジオレイン酸ソルビタン、ジステアリン酸ソルビタン、ジパルミチン酸ソルビタン、ジミリスチン酸ソルビタン、ジラウリン酸ソルビタン等が例示でき、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタンがより好ましく、モノイソステアリン酸ソルビタンがさらに好ましい。脂肪酸ソルビタンの配合量は、好ましくは0.01〜5.0質量%であり、特に好ましいのは0.1〜1.0質量%である。
【0013】
<本発明に用いる有機変性粘土鉱物>
本発明に用いる有機変性粘土鉱物の有機変性とは、粘土鉱物の一部に有機化合物の一部を共有結合乃至はイオン結合を介して強固乃至は緩やかな結合を生ぜしめ、有機化合物の性質の一部乃至は全部を粘土鉱物に付与させることを意味し、この様な変性としては4級アミン基と粘土鉱物のアニオン部分を結合させる方法、カルボキシル基と粘土鉱物のカチオン部分を結合させる方法等が例示でき、4級アミン基と粘土鉱物のアニオン部分を結合させる方法が特に好ましく例示できる。粘土鉱物を変性させる4級アミノ基を有する化合物としては、特に限定されるわけではないが、クオタニウムと称される化合物が例示される。クオタニウムとは、低分子の置換第4級アンモニウム塩であって、国際基準化粧品原材料(INCI)に登録された化粧料原料が好ましい。さらに、粘土鉱物を変性させる4級アミノ基を有する化合物は、クオタニウム化合物のなかでも、従来の皮膚外用剤に含有されるクオタニウム化合物であることが好ましい。従来の皮膚外用剤で使用されているクオタニウム化合物としては、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド等が好ましく例示される。ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド等は、粘土鉱物とともに安定な油中水乳化構造を形成することができるので好ましい。一方、4級アミノ基を有する化合物で変性される粘土鉱物(未変性粘土鉱物)としては、従来の皮膚外用剤に含有される粘土鉱物であれば特段の限定無く使用することができる。従来の皮膚外用剤に含有される粘土鉱物としては、スメクタイト系のヘクトライト、ベントナイトやモンモリロナイト、カオリナイト、イライト、マリーン粘土鉱物(海泥)、デザートローズ粘土鉱物、パスカライトなどが好ましく挙げられる。これらのうち、油中水乳化構造を安定化させることができるベントナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト又はカオリナイトが好ましく例示される。本発明における変性粘土鉱物は、市販されているものを使用することができる。市販されている有機変性粘土鉱物には、化粧料などの皮膚外用剤などとして用いられているものもある。市販されている有機変性粘土鉱物としては、例えば、エレメンティス社より「ベントン38V」の名称で販売されている、ジメチルジステアリルアンモニウム変性ヘクトライトなどが好ましく例示される。本発明の皮膚外用剤においては、かかる成分は0.1〜5質量%好ましく含有され、より好ましくは0.5〜3質量%含有される。
【0014】
<本発明の(W
1+W
2)/O型エマルション>
本発明の(W
1+W
2)/O型エマルションとは、一般的なW/O型エマルションすなわち油中水型乳化物とは異なり、Wである水相を、組成が異なる2種類(W
1+W
2)または2種類以上有することを特徴とする。W/O型エマルションの調製方法としては、Oである油相にWである水相を添加して作成することが多い。他方、(W
1+W
2)/O型エマルションの調製方法としては、OにW
1を添加してまずW
1/O型エマルションを作成し、その後W
2を添加して、(W
1+W
2)/O型エマルションを完成させる方法が挙げられる。またOにW
1を添加してW
1/O型エマルションを作成し、別途OにW
2を添加してW
2/O型エマルションを作成し、これらW
1/O型エマルションとW
2/O型エマルションを混合して、(W
1+W
2)/O型エマルションを完成させる方法も挙げられる。これらの調製時、W
1とW
2が混合しないように調製することが必要であり、混合時に用いる乳化機や攪拌機の攪拌条件や温度条件、混合スピード等が重要となる。本発明では、脂肪酸ソルビタンを効果的に活用することで、W
1+W
2が混合せずに安定に存在でき、(W
1+W
2)/O型エマルションを完成させることができた。
【0015】
本発明でいう皮膚外用組成物とは、皮膚に外用で投与されるものであれば特段の限定はなく、例えば、医薬部外品を包含する化粧料、皮膚外用雑貨等が好適に例示できる。これらの内では、化粧料が特に好ましい。又、本発明の皮膚外用組成物は、通常知られている、乳液剤形、エッセンス剤形、クリーム剤形、粉体含有剤形の何れをも取ることが出来る。化粧料としては、基礎化粧料、毛髪化粧料、メークアップ化粧料の何れもが適用可能であるが、基礎化粧料に適用することが特に好ましい。
【0016】
本発明の皮膚外用組成物に於いては、前記の成分以外に、通常化粧料や皮膚外用医薬で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボカド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、オレイン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類
、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラ
デシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸,キチン、キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等の増粘剤、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4'−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB
6塩酸塩、ビタミンB
6トリパルミテート、ビタミンB
6ジオクタノエート、ビタミンB
2又はその誘導体、ビタミンB
12、ビタミンB
15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類などが好ましく例示できる。
【実施例】
【0017】
<本発明の皮膚外用組成物の製造例1>
以下に示す処方に従って、本発明の皮膚外用組成物を作製した。すなわち、表1の(A)を70℃で加熱溶解した後、(A)に(B)を添加し、乳化機にて2000rpmで攪拌混合を5分間実施して、W/O型エマルションである乳化物1を作成した。また(C)を70℃で加熱溶解した後、(C)に(D)を添加し、乳化機にて2000rpmで攪拌混合を5分間実施して、W/O型エマルションである乳化物2を得た。次に乳化物1と乳化物2を50℃にて攪拌機にて500rpmで攪拌混合を3分間実施して、(W
1+W
2)/O型エマルションである実施例1を得た。
一方、実施例1に対し、アスコルビン酸−2−グルコシドを(B)ではなく(D)に添加した比較例1も該製造例に従い調製した。
また実施例1に対し、(A)と(C)のモノイソステアリン酸ソルビタンを増量(純水
の一部を置換)した実施例2
及び実施例6、(A)と(C)のモノイソステアリン酸ソルビタンを、セスキイソステアリン酸ソルビタンに置換した実施例3、モノオレイン酸ソルビタンに置換した実施例4、モノイソステアリン酸グリセロールに置換した比較例
2及び比較例3、ポリオキシエチレン−3−イソステアリン酸エステルに置換した比較例
4も調製した。
さらに実施例1に対し、ジメチルジステアリルアンモニウム変性ヘクトライトの量を変えた(デカメチルシクロペンタシロキサン
の一部を置換)実施例5
及び実施例7、ジメチルジステアリルアンモニウム変性ヘクトライトをデカメチルシクロペンタシロキサンに全て置換した比較例
5も調製した。
具体的な処方を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
<試験例1 皮膚外用組成物の外観、色、においの評価>
製造例1で調製した皮膚外用組成物を、50℃に保管した。これを調製してから1週間後、1ヶ月後に、外観、色、においの評価を行った。ただし評価を行う前日に、50℃に保管した皮膚外用組成物を20℃に24時間保管し、これを評価した。外観においては、絶対評価を、色、においに関しては、5℃で別途保管していたものと比較評価した。各評価の基準は以下に示す。結果は表1に示す。
【0020】
外観評価
0 : クリーム状である。
1 : 極わずかに乳化不良が見られるが(全体の1%未満)、クリーム状である。
2 : 乳化不良が見られ、ミルク状である。
3 : 乳化が破壊され、油が分離している。
【0021】
色、におい評価
0 : 5℃と同じである。
1 : 5℃と比較して、わずかに違いが見られる。5℃と比較しないと分らない程度である。
2 : 5℃と比較して、違いが見られる。5℃と比較しなくても、容易に分かる程度である。
3 : 変色あるいは変臭が著しい。皮膚外用組成物として適当でない。
【0022】
<試験例2 皮膚外用組成物の使用感触評価>
皮膚外用組成物の塗布時の使用感触に関してアンケートを行った。評価基準を以下に示した。また5名で最も多い結果を表1に示す。
A : ベタツキ感がなく、とてもよい使用感である。
B : ベタツキ感を若干感じるが、比較的よい使用感である。
C : ベタツキ感を感じ、悪い使用感である。
D : ベタツキ感をかなり感じ、非常に悪い使用感である。皮膚外用組成物として適当でない。
【0023】
<本発明の皮膚外用組成物の製造例2>
以下に示す処方に従って、本発明の皮膚外用組成物を作製した。すなわち、表2の(A)を70℃で加熱溶解した後、(A)に(B)を添加し、乳化機にて2000rpmで攪拌混合を5分間実施して、W/O型エマルションエマルションである乳化物3を作成した
。また(C)を70℃で加熱溶解した後、乳化物3に(C)を添加し、攪拌機にて500rpmで攪拌混合を5分間実施して、(W
1+W
2)/O型エマルションである実施例
8を得た。
具体的な処方を表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】
表1、2の結果より、本発明によれば、皮膚に対して優れた美白効果を有する4−アルキルレゾルシノールとアスコルビン酸誘導体を油中水乳化物に安定配合し、製剤安定化、使用感触に優れた皮膚外用組成物を提供できることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、美白成分の安定配合、製剤安定性および使用感触に優れた新たな皮膚外用組成物に適用できる。