特許第5930862号(P5930862)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5930862経路案内装置、経路案内方法およびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5930862
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】経路案内装置、経路案内方法およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20160526BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20160526BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20160526BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
   G01C21/26 P
   G08G1/005
   G09B29/00 A
   G09B29/10 A
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-139673(P2012-139673)
(22)【出願日】2012年6月21日
(65)【公開番号】特開2014-6054(P2014-6054A)
(43)【公開日】2014年1月16日
【審査請求日】2015年3月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】500578216
【氏名又は名称】株式会社ゼンリンデータコム
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 清貴
【審査官】 東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−181447(JP,A)
【文献】 特開2012−093319(JP,A)
【文献】 特開平10−170301(JP,A)
【文献】 特開2011−145164(JP,A)
【文献】 特開2006−017647(JP,A)
【文献】 特開2003−240591(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 − 21/36
G08G 1/00 − 1/16
G09B 29/00 − 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路案内装置であって、
現在位置を取得する位置取得部と、
取得された現在位置が建物内に位置する場合に、前記建物内を案内する案内図を表示する表示部と、
前記案内図に対する現在位置の入力をユーザから受け付ける受付部と、
前記案内図に対する現在位置の入力を受け付けた場合に、入力された現在位置から予め設定された目的地までの経路を探索する経路探索部と、
前記目的地までの経路を案内する経路案内部と、
ユーザが歩行した歩数を計測する歩数計測部と、
を備え
前記経路案内部は、前記表示部に前記案内図が表示されている場合に、前記目的地までの経路と前記歩数とに基づいてユーザの現在位置を推測し、前記推測された現在位置と前記目的地までの経路とを前記案内図上に表示する、
経路案内装置。
【請求項2】
請求項1に記載の経路案内装置であって、
前記建物は多層階の構造であり、
前記受付部は、前記現在位置として、前記建物の階数を含む現在位置の入力を受け付ける、経路案内装置。
【請求項3】
請求項2に記載の経路案内装置であって、
前記表示部は、前記案内図として、前記建物の多層階の構造を立体的に表す案内図を表示する、経路案内装置。
【請求項4】
経路案内装置による経路案内方法であって
位置取得部が、現在位置を取得する位置取得工程と、
制御部が、取得された現在位置が建物内に位置する場合に、前記建物内を案内する案内図を表示部に出力する案内図出力工程と、
前記制御部が、前記案内図に対する現在位置の入力をユーザから受け付ける受付工程と、
前記制御部が、前記案内図に対する現在位置の入力を受け付けた場合に、入力された現在位置から予め設定された目的地までの経路を探索する経路探索工程と、
前記制御部が、前記目的地までの経路を前記表示部上で案内する経路案内工程と、
前記制御部が、ユーザが歩行した歩数を計測する歩数計測部から、ユーザが歩行した歩数を取得する歩数取得工程と、
を備え
前記経路案内工程では、前記制御部は、前記表示部に前記案内図が表示されている場合に、前記目的地までの経路と前記歩数とに基づいてユーザの現在位置を推測し、前記推測された現在位置と前記目的地までの経路とを前記案内図上に表示する
経路案内方法。
【請求項5】
経路案内を行うためのコンピュータを、
現在位置を取得する位置取得手段と、
取得された現在位置が建物内に位置する場合に、前記建物内を案内する案内図を表示する表示手段と、
前記案内図に対する現在位置の入力をユーザから受け付ける受付手段と、
前記案内図に対する現在位置の入力を受け付けた場合に、入力された現在位置から予め設定された目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記目的地までの経路を案内する経路案内手段と、
ユーザが歩行した歩数を取得する歩数取得手段と、
を備え、
前記経路案内手段は、前記表示手段に前記案内図が表示されている場合に、前記目的地までの経路と前記歩数とに基づいてユーザの現在位置を推測し、前記推測された現在位置と前記目的地までの経路とを前記案内図上に表示する、経路案内装置として機能させるための、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路案内を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、歩行者向けの経路案内装置が多く提案されている。例えば、特許文献1には、経路案内装置としての携帯端末装置が、ユーザが屋内から屋外へ移動したこと、または、屋外から屋内へ移動したことを自動的に判断することにより、屋外から屋内または屋内から屋外への表示地図の遷移をシームレスに行う技術が開示されている。また、例えば、特許文献2には、経路案内装置としての携帯電話によって、地上の地図と地下街の地図を切り替えるための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−169490号公報
【特許文献2】特開2007−057857号公報
【特許文献3】特開2008−033043号公報
【特許文献4】特開2000−111648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特に都市部においては、例えば、図1に示すように、連絡通路や歩道によって複数の建物が複雑に接続されていることがある。各建物の階数の割り当てはまちまちであるため、例えば、建物Aの5階から連絡通路を渡って建物Cに移動した場合に、移動先の建物Cのフロアが5階ではなく6階という場合がある。また、建物Aの地上階(1階)が、建物Bの2階に接続されているような場合もある。
【0005】
このような状況において、例えば、ユーザが経路案内装置に、建物Aの1階を出発地に、建物Bの1階を目的地にそれぞれ設定した場合には、経路案内装置からは、経路案内中に階段やエスカレータを下る指示がなされることになる。そうすると、数字上は出発地と目的地とが同じ階数であるのにもかかわらず、階段やエスカレータの利用が案内されてしまうので、ユーザは、経路案内装置による案内に不信を持ち、階段やエスカレータを利用せずに、そのまま直進して建物Bの2階に進入してしまうおそれがある。そうすると、建物B内の目的地には辿り着けず、余計に混乱が生じてしまう可能性がある。このような課題は、複数の建物を跨る経路案内時だけではなく、通路や歩道上に設定された出発地から建物内の目的地まで移動する際にも同様に生じ得る課題である。
【0006】
こうした課題に鑑み、経路案内装置において、建物内を通る経路案内を行う際に、信頼性の高い案内を行うことが可能な技術が望まれていた。その他、従来の経路案内装置においては、例えば、ユーザの利便性向上のための表示画面の改善や、処理負担の軽減、サーバ装置との通信量の削減などが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
本発明の第1の形態は、経路案内装置であって、
現在位置を取得する位置取得部と、
取得された現在位置が建物内に位置する場合に、前記建物内を案内する案内図を表示する表示部と、
前記案内図に対する現在位置の入力をユーザから受け付ける受付部と、
前記案内図に対する現在位置の入力を受け付けた場合に、入力された現在位置から予め設定された目的地までの経路を探索する経路探索部と、
前記目的地までの経路を案内する経路案内部と、
ユーザが歩行した歩数を計測する歩数計測部と、
を備え、
前記経路案内部は、前記表示部に前記案内図が表示されている場合に、前記目的地までの経路と前記歩数とに基づいてユーザの現在位置を推測し、前記推測された現在位置と前記目的地までの経路とを前記案内図上に表示する、経路案内装置である。
そのほか、本発明は以下のような形態としても実現可能である。
【0008】
(1)本発明の一形態によれば、経路案内装置が提供される。この経路案内装置は、現在位置を取得する位置取得部と;取得された現在位置が建物内に位置する場合に、前記建物内を案内する案内図を表示する表示部と;前記案内図に対する位置の入力を受け付ける受付部と;前記案内図に対する位置の入力を受け付けた場合に、入力された位置から予め設定された目的地までの経路を探索する経路探索部と;探索された前記経路を案内する経路案内部と;を備える。この形態の経路案内装置によれば、案内図が表示され、その案内図に対する位置の入力が受け付けられた場合に、入力された位置から予め設定された目的地までの経路が探索されるので、ユーザが経路案内装置による案内から逸れて移動したとしても、その移動先から目的地までの新たな経路を速やかに案内することができる。そのため、建物内を通る経路案内を行う際に、信頼性の高い案内を行うことが可能になる。
【0009】
(2)上記形態の経路案内装置において、前記建物は多層階の構造としてもよく、前記受付部は、前記位置として、前記建物の階数を含む位置の入力を受け付けることとしてもよい。この形態の経路案内装置によれば、多層階構造の建物内に目的地があっても、信頼性の高い案内を行うことができる。
【0010】
(3)上記形態の経路案内装置において、前記表示部は、前記案内図として、前記建物の多層階の構造を立体的に表す案内図を表示してもよい。この形態の経路案内装置によれば、立体的に表示された案内図を用いて直感的に位置の入力を行うことができる。
【0011】
本発明は、経路案内装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、経路案内装置とサーバとを含む経路案内システムや、経路案内方法、その方法を実現するコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した一時的でない記録媒体等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】連絡通路や歩道によって複数の建物が複雑に接続されている様子を示す図である。
図2】経路案内システムの構成を説明する説明図である。
図3】経路案内処理のフローチャートである。
図4】地図画像の表示例を示す図である。
図5】建物の案内図の表示例を示す図である。
図6】第2実施形態における実位置の指定方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
A.第1実施形態:
図2は、経路案内システムの構成を示す説明図である。経路案内システム10は、経路案内装置としてのスマートフォン20と、地図サーバ50とを備える。スマートフォン20は、送受信アンテナと無線基地局と交換局とを含む通信キャリア70を介して、インターネットINTに接続された地図サーバ50にアクセスすることができる。
【0014】
スマートフォン20は、無線通信部32と、表示部38と、タッチパネル36と、主制御部22と、音声出力部40と、GPS受信機42と、歩数計測部44と、を備える。
【0015】
無線通信部32は、通信キャリア70を介したデータ通信や音声通信を行うための回路である。表示部38は、地図画像等の種々の画像を表示する装置である。タッチパネル36は、表示部38に重畳して設けられており、指やスタイラスペンによるユーザからのタッチ操作を受け付ける。GPS受信機42は、GPS(Global Positioning System/全地球測位システム)を構成する人工衛星から受信した電波に基づいて、スマートフォン20(ユーザ)の現在位置(経度・緯度)を測位する。
【0016】
主制御部22は、CPUとメモリとを備えており、スマートフォン20の動作全体を制御する。主制御部22は、CPUがメモリに記録された所定のプログラムを実行することで、経路探索部24および経路案内部26として機能する。
【0017】
経路探索部24は、タッチパネル36を介してユーザから出発地や目的地を含む探索条件の入力を受け付け、受け付けた探索条件に合致する経路の探索を、無線通信部32を用いて後述する地図サーバ50に要求する。この要求のことを、以下では、「経路探索要求」という。
【0018】
経路案内部26は、地図サーバ50によって探索された経路を表す経路データを、無線通信部32を用いて地図サーバ50から受信し、受信した経路データに基づき、表示部38を用いてユーザに経路の案内を行う。
【0019】
歩数計測部44は、加速度センサを備えており、この加速度センサによって得られる加速度の変化に基づいて、ユーザが歩行した歩数を計測する。
【0020】
なお、本実施形態では、スマートフォン20は、タッチパネル36を介してユーザからの操作を受け付けるが、十字キーやテンキーなどの種々の操作ボタンを備え、それらの操作ボタンを介してユーザからの操作を受け付けることとしてもよい。
【0021】
地図サーバ50は、通信部52と、制御部54と、地図データベース56とを備えている。通信部52は、インターネットINTを介してスマートフォン20と通信を行うことができる。
【0022】
地図データベース56には、スマートフォン20の表示部38に地図を表示させるための地図データや、経路探索を行うためのネットワークデータが記憶されている。地図データには、歩行者用の地図を表示するための地図データと、建物の内部構造を示す案内図(フロアマップ)データとが含まれる。ネットワークデータには、歩行者が通行可能な歩道のつながり状態をリンクやノードによって表したデータが含まれる。なお、本明細書において、「歩道」には、横断歩道、歩道橋、連絡通路、階段、エレベータ、エスカレータ、など、建物の内外にかかわらず、人間が移動可能な道や装置が含まれる。
【0023】
制御部54は、CPUやメモリを備えており、地図サーバ50の動作全体を制御する。制御部54は、通信部52を介してスマートフォン20から経路探索要求を受信した場合に、地図データベース56に記憶されたネットワークデータを用いて経路探索を行い、その探索結果をスマートフォン20に送信する。また、制御部54は、スマートフォン20から地図取得要求を受信した場合に、地図データを地図データベース56から読み出してスマートフォン20に送信する。
【0024】
図3は、スマートフォン20の主制御部22が実行する経路案内処理のフローチャートである。この処理は、ユーザがタッチパネル36を用いてスマートフォン20の経路案内機能を呼び出すことで開始される。経路案内処理が開始されると、主制御部22の経路探索部24は、探索条件の入力を受け付ける(ステップS100)。探索条件とは、例えば、出発地や目的地、経由地、出発時間、到着時間などの条件である。
【0025】
探索条件の入力を受け付けると、経路探索部24は、入力された探索条件を経路探索要求とともに地図サーバ50に送信する(ステップS102)。地図サーバ50は、経路探索要求と探索条件とを受信すると、受信した探索条件に従って出発地から目的地に至る経路を、地図データベース56に記録されたネットワークデータを用いて探索する。例えば、出発地と目的地とが異なる建物内に指定された場合には、それぞれの建物内の経路を含む経路が探索される。
【0026】
地図サーバ50によって経路探索が行われると、経路探索部24は、地図サーバ50から出発地から目的地に至る経路を表す経路データを取得する(ステップS104)。このとき、経路中に建物内の通路が含まれる場合には、経路探索部24は、その建物の内部構造を示す案内図データを地図サーバ50から取得する。
【0027】
経路探索部24によって経路データが取得されると、主制御部22の経路案内部26は、GPS受信機42を用いてスマートフォン20(ユーザ)の現在位置を取得する(ステップS106)。現在位置を取得すると、経路案内部26は、前回取得された現在位置と、今回取得された現在位置とに基づき、ユーザが、建物内へ移動したか否かを判断する(ステップS108)。例えば、経路探索部24は、前回取得された現在位置が屋外で、今回、建物内に現在位置が取得された場合(より詳しくは、地図画像上の建物を表す図形内に現在位置が含まれる場合)には、建物内へ移動したと判断することができる。また、前回現在位置が取得されたにもかかわらず、今回、現在位置が取得されない場合にも、建物内へ移動したと判断することができる。
【0028】
ステップS108によって、ユーザが建物内へ移動したと判断されない場合には(ステップS108:No)、経路探索部24は、続いて、ユーザが建物内にいるか否かを判断する(ステップS110)。具体的には、ステップS106において、現在位置が取得されなかった場合に、経路探索部24は、ユーザは建物内にいる、と判断する。また、ステップS106において現在位置が取得された場合には、ユーザは建物内にいない(つまり、屋外にいる)、と判断することができる。
【0029】
ステップS110において、ユーザが建物内にいない(すなわち、屋外にいる)、と判断された場合には(ステップS110:No)、経路案内部26は、地図サーバ50に、ステップS106で取得された現在位置の周辺の地図データの送信を要求する(ステップS112)。経路案内部26は、地図サーバ50から地図データを取得すると(ステップS114)、取得された地図データが表す地図画像上に、ステップS104で取得された経路データによって表される経路と、現在位置を示すマークと、を重畳させて表示部38に表示する(ステップS116)。
【0030】
図4は、地図画像の表示例を示す図である。図4には、スマートフォン20の表示部38に、地図画像MPが表示され、その地図画像MP上に、建物Aから建物Bまでの経路RTと、現在位置CLとが重畳されて表示されている例を示している。なお、図4に示した例では、建物Aの2Fと建物Bの3Fとが連絡通路で結ばれており、経路RTは、その連絡通路上に設定されている。
【0031】
上記ステップS116において、地図画像上に経路と現在位置とを表示すると、経路案内部26は、ユーザが目的地に到着したか否かを判断する(ステップS118)。具体的には、経路案内部26は、ステップS106で取得された現在位置、または、後述するステップS124で推定された現在位置が、ステップS100で設定された目的地にほぼ一致した場合に、ユーザが目的地に到着したと判断する。目的地に到着したと判断した場合には(ステップS118:Yes)、経路案内部26は、当該経路案内処理は終了し、到着していないと判断した場合には、経路案内部26は、処理を上述したステップS106に戻す(ステップS118:No)。
【0032】
上述したステップS108(図3)において、ユーザが建物内へ移動したと判断した場合には(ステップS108:Yes)、経路案内部26は、ステップS104で取得したその建物の案内図データに基づき、表示部38にその建物の案内図を表示する(ステップS120)。既に図4に示したような地図画像が表示部38に表示されている場合には、経路案内部26は、その地図画像を建物の案内図に切り替える。
【0033】
図5は、建物の案内図の表示例を示す図である。図5には、スマートフォン20の表示部38に、図4に示した建物Bの3Fの案内図FMが表示され、その案内図FM上に、建物内の経路RTと、現在位置CLと、目的地DSとが重畳されて表示されている例を示している。
【0034】
上記ステップS120(図3)において案内図の表示を行った後、もしくは、上述したステップS110でユーザが建物内にいると判断された場合(ステップS110:Yes)には、ユーザは建物内にいることになるため、経路案内部26はGPS受信機42によって現在位置を取得できなくなる。そこで、経路案内部26は、歩数計測部44からユーザが建物内を歩いた歩数を取得し(ステップS122)、その歩数と建物内の経路データとに基づき、建物内の現在位置を推定する(ステップS124)。具体的には、経路案内部26は、一歩あたりの平均的な移動距離(例えば60cm)にステップS122で取得した歩数を積算して移動距離を求め、経路に沿ってその移動距離分進んだ位置を現在位置として推定する。なお、主制御部22は、ユーザが屋外にいる際に、予め、GPS受信機42に基づいて計測される移動距離と、歩数計測部44によって計測される歩数とに基づいて、そのユーザの一歩あたりの平均移動距離を算出しておくことも可能である。こうして予め算出した平均移動距離を用いれば、より正確に建物内の現在位置を推定することができる。
【0035】
ステップS124において建物内の現在位置を推定すると、経路案内部26は、図5に示したように、案内図FM上に、経路RTと、推定された現在位置CLとを表示する(ステップS126)。
【0036】
案内図FM上に現在位置の表示を行うと、経路案内部26は、表示部38に表示された案内図に対して、ユーザが、タッチパネル36を用いて自身が存在する実際の位置(以下、「実位置」ともいう)を入力したか否かを判断する(ステップS128)。例えば、図5には、案内図とともに、その案内図に対応する階数が案内図の上部に表示されている例を示している。ユーザは、この階数が表示された領域(階数表示領域FN)内のいずれかの階数をタッチすることで、表示部38に表示する案内図の階数を自在に切り替えることができる。そのため、ユーザは、自分が実際に存在する階数を階数表示領域によって指定し、さらに、指定された階数の案内図が表示された後に、その案内図上で自分が実際に存在する位置をタッチすることで、ユーザの実位置を入力することができる。
【0037】
ステップS128において、ユーザから実位置の入力を受け付けたと判断した場合には(ステップS128:Yes)、経路探索部24は、入力された実位置を出発地、ステップS100で設定された目的地を探索条件とする経路探索要求(リルート要求)を地図サーバ50に送信し(ステップS130)、処理をステップS104に移行させる。そうすると、地図サーバ50からは、リルートされた経路を表す経路データが送信されるので、経路探索部24が、その経路データを取得し(ステップS104)、その経路データに基づき、経路案内部26により、ステップS106からステップS130までの処理が再度実行される。なお、ステップS128において、実位置の入力が受け付けられなかったと判断した場合には(ステップS128:No)、経路案内部26は、ユーザが目的地に到着したか否かを判断する(ステップS118)。そして、ユーザが目的地に到着すれば、当該経路案内処理を終了させ、目的地に到着していなければ、処理をステップS106に移行させて、引き続き、経路案内処理を繰り返す。
【0038】
以上で説明した本実施形態の経路案内システム10によれば、ユーザが建物内に移動した場合に、自動的にその建物の案内図が表示される。そして、その案内図に対するユーザの実位置が入力された場合には、その実位置から目的地までの経路が即座にリルートされる。そのため、例えば、図1に示したように、数字上は出発地と目的地とが同じ階数であるのにもかかわらず、階段やエスカレータの利用が案内されたために、ユーザが、自らの意思で階段やエスカレータを利用せずに、そのまま進行したような場合であっても、ユーザは、自身の誤りに気づいた時点で、実際の位置を入力することで、その位置から目的地までの新たな経路が迅速に案内されることになる。この結果、本実施形態の経路案内システム10によれば、建物内を通る経路案内時に、信頼性の高い案内を行うことが可能になる。
【0039】
特に、本実施形態では、建物内の経路案内時に、現在位置をユーザの歩数に基づき推定し、本来の経路上にその現在位置を表示しているため、ユーザが経路から逸れて移動している場合でも、表示部38上には、常に経路に沿って移動しているように表示されてしまう。従って、本実施形態のように、ユーザが誤りに気づいた時点で実位置を入力可能とすれば、即座に目的地までのリルートが可能になるので、信頼性の高い経路案内が可能になる。
【0040】
また、本実施形態の経路案内装置によれば、多層階の建物についても階数を指定して実位置の入力を行うことができる。そのため、多層階構造の建物内を通る経路を案内する際にも、信頼性の高い案内を行うことができる。
【0041】
なお、本実施形態では、目的地が建物内に設定されている例を示したが、出発地から目的地に至る経路の少なくとも一部に建物内を通る経路が存在していれば、どのような経路を案内する際にも上述した経路案内処理を適用可能である。
【0042】
B.第2実施形態:
図6は、第2実施形態における実位置の指定方法を示す説明図である。上述した第1実施形態では、図5に示したように、2次元状に表示された案内図上で実位置を指定している。これに対して、第2実施形態では、経路案内部26は、図6(A)に示すように、各階の案内図を表示部38に立体的に表示する。そして、階数を指定する場合には、立体的に表示された案内図のうちの目的の階数の案内図をタッチする。そうすると、経路案内部26は、タッチされた案内図を、図6(B)に示すように、他の階数の案内図よりも相対的に大きくなるように拡大して表示する。ユーザは、こうして拡大された案内図に対して、実位置を指定する。このように、案内図を立体的に表示すれば、ユーザは、直感的に自分の実位置を指定することができる。なお、案内図を立体的に表示する手法としては、例えば、図6のように、斜投影図を用いて案合図を表示してもよいし、そのほか、正投影図や等角投影図などを用いて案内図を表示してもよい。
【0043】
C.変形例:
・変形例1:
上記実施形態では、地図サーバ50が、地図データやネットワークデータを記憶している。これに対して、スマートフォン20は、地図データやネットワークデータを、自身のメモリに記憶していてもよい。この場合、スマートフォン20は、自身のメモリに記憶された地図データを用いて地図を表示することができ、また、自身のメモリに記憶されたネットワークデータを用いて経路探索を行うことができる。
【0044】
・変形例2:
上記実施形態では、建物内の現在位置を、ユーザの歩数に基づいて推定している。これに対して、例えば、スマートフォン20は、建物内に配置された複数の無線LANアクセスポイントから電波を受信し、各無線LANアクセスポイントの電波強度の相違に基づいて、現在位置を推定してもよい。
【0045】
・変形例3:
上記実施形態では、本発明の経路案内装置をスマートフォン20に適用している。これに対して、本発明の経路案内装置は、一般的な携帯電話やノート型パソコン、タブレット端末、携帯情報端末(PDA)、携帯音楽プレーヤ、携帯型ゲーム機、など、様々な装置に適用することが可能である。
【0046】
・変形例4:
上記実施形態では、本発明を、歩行者向けの経路案内に適用する例について説明したが、例えば、複数の立体駐車場が連絡通路によって複雑に接続されている場合など、自動車等の乗り物に対する経路案内に対しても同様に適用することが可能である。
【0047】
・変形例5:
上記実施形態において示した案内図や地図は様々な態様で表示することが可能である。例えば、図5に示した案内図において階数を指定する際に、各階に存在する店舗の一覧等を画面のいずれかの部分に表示すれば、ユーザは、その店舗一覧の中から、現在、自分が存在する位置付近の店舗を探すことで、効率的に階数の指定を行うことができる。
【0048】
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0049】
10…経路案内システム
20…スマートフォン
22…主制御部
24…経路探索部
26…経路案内部
32…無線通信部
34…通信制御部
36…タッチパネル
38…表示部
40…音声出力部
42…GPS受信機
44…歩数計測部
50…地図サーバ
52…通信部
54…制御部
56…地図データベース
70…通信キャリア
CL…現在位置
FM…案内図
FN…階数表示領域
MP…地図画像
DS…目的地
RT…経路
INT…インターネット
図1
図2
図3
図4
図5
図6