(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5930898
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】音出力システム
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20160526BHJP
H04R 3/12 20060101ALI20160526BHJP
G07C 9/00 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
G07B15/00 501
H04R3/12 A
G07C9/00 Z
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-161854(P2012-161854)
(22)【出願日】2012年7月20日
(65)【公開番号】特開2014-21848(P2014-21848A)
(43)【公開日】2014年2月3日
【審査請求日】2014年11月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000151092
【氏名又は名称】株式会社電通
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(72)【発明者】
【氏名】森口 哲平
(72)【発明者】
【氏名】土屋 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】小野 麻利江
(72)【発明者】
【氏名】宮田 應大
【審査官】
小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−032090(JP,A)
【文献】
特開2002−354572(JP,A)
【文献】
特開2002−288068(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0092831(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 11/00−17/04
G07C 1/00−15/00
H04R 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報を発信可能な通信媒体を近接させた際に、前記識別情報を取得するリーダを備えたゲートと、
前記リーダで取得した前記識別情報が認証されたときに第1音源信号を送信する制御装置と、
前記制御装置と電気的に接続されており、前記第1音源信号を出力する第1スピーカと、
前記制御装置から送信された前記第1音源信号を出力する無指向性の第2スピーカと、
を具備し、
前記ゲートが複数並設されており、前記制御装置が、前記識別情報が認証されたタイミングが複数の前記ゲートにおいて同期したときに、前記第1音源信号と異なる第2音源信号を前記第1スピーカに出力することを特徴とする音出力システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記第2スピーカに第3音源信号を常時送信するとともに、前記識別情報が認証されたタイミングで前記第3音源信号とは別の前記第1音源信号を前記第1スピーカ及び前記第2スピーカに送信することを特徴とする請求項1記載の音出力システム。
【請求項3】
前記第1音源信号がメロディであり、前記メロディを構成する音の音源信号を前記メロディの前段から順番に前記第2スピーカに送信することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の音出力システム。
【請求項4】
前記第1スピーカが指向性スピーカであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の音出力システム。
【請求項5】
前記第1スピーカが前記ゲートに設けられ、前記第2スピーカが前記ゲートから離れた場所に設置されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の音出力システム。
【請求項6】
前記ゲートがセキュリティゲート又は改札ゲートであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の音出力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セキュリティゲートや改札ゲートに配設される音出力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
人が通過する通路に配設されるゲート、例えばセキュリティゲートでは、認証システムで認証された利用者のみが通過できる構成となっている。具体的には、ゲート通過者が、ゲートに設けられたリーダ部に識別情報を発信可能なカードを近接させると、認証システムでゲート通過者の識別情報が照合され、認証された場合にのみゲートの通過が許される(特許文献1)。
【0003】
このようなセキュリティゲートにおいては、ゲート通過者の識別情報を照合し、その結果(認証結果)をゲート通過者に音で知らせるシステムがある(特許文献2、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−9080号公報
【特許文献2】特開2008−240281号公報
【特許文献3】特開2011−85004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2及び特許文献3に開示された音(効果音)で知らせる技術は、ゲート通過者の認証結果をゲート通過者に知らせるためのものであり、この認証結果の効果音を利用して演出するというシステムは存在しなかった。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、ゲート通過者の認証結果の効果音を利用して演出する音出力システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の音出力システムは、識別情報を発信可能な通信媒体を近接させた際に、前記識別情報を取得するリーダを備えたゲートと、前記リーダで取得した前記識別情報が認証されたときに第1音源信号を送信する制御装置と、前記制御装置と電気的に接続されており、前記第1音源信号を出力する第1スピーカと、前記制御装置から送信された前記第1音源信号を出力する無指向性の第2スピーカと、を具備し、前記ゲートが複数並設されており、前記制御装置が、前記識別
情報が認証されたタイミングが複数の前記ゲートにおいて同期したときに、前記第1音源信号と異なる第2音源信号を前記第1スピーカに出力することを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、ゲート通過者が、識別情報を発信可能な通信媒体をリーダに近接させ、識別情報が認証されたタイミングで、第1音源信号をゲート近くに設置した第1スピーカと、ゲートから離れた場所に設置した無指向性の第2スピーカとに送信し、その音源信号をスピーカ及び無指向性スピーカから出力させるので、ゲート通過者だけでなく、ゲートから離れた場所にいる人たちにも種々の演出を提供することが可能となる。さらに、制御装置が、識別
情報が認証されたタイミングが複数のゲートにおいて同期したときに、第1音源信号と異なる第2音源信号を第1スピーカに出力することにより、より高い演出効果を発揮させることができる。
【0009】
本発明の音出力システムにおいては、前記制御装置は、前記
第2スピーカに第
3音源信号を常時送信するとともに、前記識別
情報が認証されたタイミングで
前記第3音源信号とは別の前記第
1音源信号を前記
第1スピーカ及び前記
第2スピーカに送信することが好ましい。
【0010】
本発明の音出力システムにおいては、前記
第1音源信号がメロディ
であり、前記メロディを構成する音の音源信号を前記メロディの前段から順番に前記
第2スピーカに送信することが好ましい。
【0012】
本発明の音出力システムにおいては、前記
第1スピーカが指向性スピーカであることが好ましい。
【0013】
本発明の音出力システムにおいては、前記
第1スピーカが前記ゲートに設けられ
、前記第2スピーカが前記ゲートから離れた場所に設置されていることが好ましい。
【0014】
本発明の音出力システムにおいては、前記ゲートがセキュリティゲート又は改札ゲートであることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ゲート通過者の認証結果の効果音を利用して演出する音出力システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施の形態に係る音出力システムを示す概略図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る音出力システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る音出力システムにおける音源信号の出力タイミングを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
本発明の音出力システムは、識別情報を発信可能な通信媒体を近接させた際に、この識別情報を取得するリーダを備えたゲートと、リーダで取得した識別情報が認証されたときに音源信号を送信する制御装置と、制御装置と電気的に接続されており、音源信号を出力するスピーカと、制御装置から送信された音源信号を出力する無指向性スピーカと、を具備する。この音出力システムにおいては、ゲート通過者がゲートで認証されるタイミングで、すなわち、ゲート通過者が、識別情報を発信可能な通信媒体(IDカード)をリーダに近接させ、識別情報が認証されたタイミングで、音源信号(例えば、効果音)をゲート近くに設置したスピーカと、ゲートから離れた場所に設置した無指向性スピーカとに送信し、その音源信号をスピーカ及び無指向性スピーカから出力させる。これにより、ゲート通過者だけでなく、ゲートから離れた場所にいる人たちにも種々の演出を提供することが可能となる。
【0018】
ここでは、本発明の音出力システムを、ビル、イベント会場、テーマパーク等に配設されるセキュリティゲートに適用した場合を例にして説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る音出力システムを説明するための図である。また、
図2は、本発明の実施の形態に係る音出力システムの概略構成を示すブロック図である。
【0019】
図1に示す音出力システムは、ゲート通過者が通過可能なゲート1と、ゲート通過者の認証のタイミングで音源信号を送信する制御装置2と、ゲート1の近傍に配設され、制御装置2で送信された音源信号を出力する指向性スピーカ3と、ゲート1から離れた場所に配設され、制御装置2で送信された音源信号を出力する無指向性スピーカ4と、から主に構成されている。
【0020】
ゲート1は、いわゆるセキュリティゲートであり、水平面に垂直な軸を中心に回動して通路を閉鎖する閉鎖部材(以下、フラップFという)と、ゲート通過者が所持するIDカードとの間で信号の送受信を行うリーダ部1aと、を備えている。このフラップFは、IDカードをリーダ部1aに近接させて認証がなされたときに回動してゲート通過者の通過を可能とする。複数のゲート1が並設されてもよい。
【0021】
制御装置2は、ゲート1のフラップFの開閉を制御すると共に、ゲート通過者の認証がなされたタイミングで音源信号を指向性スピーカ3及び無指向性スピーカ4に出力する。また、制御装置2は、ゲート1との間で信号の送受信を行う送受信部21と、音源信号を格納する音源メモリ22と、音源信号の出力タイミングを制御するタイミング制御部23と、ゲート1から送られた識別情報を照合して認証を行うと共に、照合結果を出力する照合部24と、音源信号を無指向性スピーカ4に送信する送信部25と、音源信号を増幅して指向性スピーカ3に出力する増幅部26と、から主に構成されている。なお、送受信部21及び照合部24と、音源メモリ22、タイミング制御部23、送信部25及び増幅部26とは、それぞれ別装置で構成されていても良い。
【0022】
IDカードとリーダ部1aとの間の認証は、IDカードの識別情報をリーダ部1aで読み取り(取得し)、その識別情報をセキュリティゲートシステム側で登録されている識別情報と照合することにより行う。すなわち、リーダ部1aはIDカードの識別情報を非接触通信により取得する。そして、この識別情報は、ゲート1側から送信され、制御装置2の送受信部21を介して照合部24に送られる。制御装置2の照合部24は、予め登録された識別情報とリーダ部1aから出力された識別情報とを照合し、識別情報が同一である、又は識別情報が同一でない、という照合結果に基づいて、ゲート1のフラップFの開閉信号を生成する。例えば、照合部24は、識別情報が同一である場合にフラップFを開く旨の開閉信号を生成する。照合部24は、この開閉信号を、送受信部21を介してゲート1側に送信する。ゲート1側では、フラップFを開く旨の開閉信号を受信したときに、フラップFを開く。
【0023】
制御装置2は、ゲート1のリーダ部1aで取得した識別情報が認証されたときに音源信号を指向性スピーカ3及び無指向スピーカ4に送信する。すなわち、上記のように、リーダ部1aはIDカードの識別情報を非接触通信により取得する。そして、この識別情報は、ゲート1側から送信され、制御装置2の送受信部21を介して照合部24に送られる。照合部24は、予め登録された識別情報とリーダ部1aから出力された識別情報とを照合し、識別情報が同一である、又は識別情報が同一でない、照合結果のときに、音源信号を指向性スピーカ3及び無指向スピーカ4に送信する制御信号を出力する。ここでは、照合部24は、識別情報が同一である照合結果のときに、音源信号を送信する旨の制御信号を生成し、タイミング制御部23に出力する。タイミング制御部23は、照合部24からの制御信号を受けたときに、音源メモリ22に格納されている音源信号を、そのタイミングを制御して増幅部26及び送信部25に出力する。増幅部26に出力された音源信号は指向性スピーカ3に送られ、送信部25に出力された音源信号を無指向性スピーカ4に送られる。なお、識別情報が同一でない照合結果のときには、指向性スピーカ3からエラー音信号を出力する。
【0024】
音源メモリ22は、種々の音源信号を格納する。ここで、音源信号とは、一つの音(単音)の信号、二つ以上の音の信号、メロディ、環境音、効果音等のあらゆる音信号を含む。なお、メロディについては、少なくとも一部を含んでいれば良い。
【0025】
タイミング制御部23は、音源メモリ22に格納されている音源信号を出力するタイミングを制御する。すなわち、タイミング制御部23は、指向性スピーカ3及び無指向性スピーカ4で音源信号が出力されるタイミングを制御して、音源メモリ22から音源信号を抽出して指向性スピーカ3及び無指向性スピーカ4に送る。
【0026】
タイミング制御部23は、指向性スピーカ3に出力する音源信号と無指向性スピーカ4に出力する音源信号とを同じにするように音源メモリ22から音源信号を抽出しても良く、指向性スピーカ3に出力する音源信号と無指向性スピーカ4に出力する音源信号とを異なるように音源メモリ22から音源信号を抽出しても良い。指向性スピーカ3に出力する音源信号と無指向性スピーカ4に出力する音源信号とを異ならせる場合、例えば、ある音源信号を無指向性スピーカ4に常時送信し、識別信号が認証されたタイミングで別の音源信号を無指向性スピーカ4及び指向性スピーカ3に送信する。このような構成にすることにより、識別信号が認証されたタイミングでは、無指向性スピーカ4で異なる音源信号が重畳されることになり、より特徴的な音にすることが可能である。この場合において、タイミング制御部23が上記別の音源信号を出力するタイミングを制御することにより、メロディ化することも可能である。例えば、無指向性スピーカ4に常時送信する音源信号を環境音(川の流れ、波の音、風の音等)とし、識別信号が認証されたタイミングで無指向性スピーカ4及び指向性スピーカ3に送信する音源信号を鉄筋やピアノの音としてもよい。識別信号が認証されたタイミングで無指向性スピーカ4及び指向性スピーカ3に送信する音源信号は、全体としてメロディを構成してもよい。これにより、無指向性スピーカ4及び指向性スピーカ3から出力される音が、全体として一つの音楽となる。
【0027】
また、タイミング制御部23は、音源信号がメロディである場合において、メロディを構成する音の音源信号をメロディの前段から順番に無指向性スピーカに送信する。例えば、
図3に示すように、識別信号が認証されたタイミング(
図3における矢印のタイミング)で、メロディの前段(
図3において紙面向って左側)から順番に音源信号を無指向性スピーカ4に送信する。すなわち、無指向性スピーカ4からは、識別信号が認証されたタイミングでメロディを構成する音が順次出力されることになる。なお、各メロディを構成する音の間隔はタイミング制御部23で制御する。
【0028】
また、
図1に示すように複数設置されているゲートをランダムに人が通過する際に、メロディを構成する音の音源信号をメロディの前段から順番に無指向性スピーカに送信するように構成しても良い。例えば、第1ゲート及び第2ゲートが並設されている場合において、一人目が第1ゲート、二人目が第1ゲート、三人目が第2ゲート、四人目が第1ゲート、五人目が第2ゲートを通過したとき、識別信号が認証されたタイミング(
図3における矢印のタイミング)で、メロディの前段(
図3において紙面向って左側)から順番に音源信号を無指向性スピーカ4に送信する。すなわち、複数のゲートを通過する人の効果音でメロディを構成しても良い。
【0029】
また、
図1に示すようにゲート1が複数並設されている場合において、識別信号が認証されたタイミングが複数のゲートにおいて同期したときには、タイミング制御部23は特別な音源信号(例えば、メッセージ)を指向性スピーカ3に出力する。この場合、特別な音源信号は、識別信号が認証されたタイミングで指向性スピーカ3に出力する音源信号と異なる音源信号であれば良い。このような構成にすることにより、より高い演出効果を発揮させることができる。
【0030】
指向性スピーカ3は、制御信号2と電気的に接続されており、上述した音源信号を出力する。指向性スピーカ3は、ゲート1を通過する者に対して音源信号を出力する。このため、指向性スピーカ3は、ゲート1の近傍に設置される。また、指向性スピーカ3においては、移動しているゲート通過者の移動領域で音源信号が聞こえるように指向性が設定されている。
【0031】
指向性スピーカ3から音源信号を出力する場合、制御装置2において、音源メモリ22に格納されている音源信号を増幅部26でD/A変換してアナログ信号とし、そのアナログ信号を増幅して指向性スピーカ3に出力する。指向性スピーカ3においては、増幅されたアナログ信号に基づいてコイルに電流を通流し、これによりコーンを振動させて音出力する。なお、本実施の形態においては、制御装置2が増幅部26を有する構成としているが、指向性スピーカに増幅部が設けられていても良い。
【0032】
本実施の形態においては、ゲート1を通過する者に対して音源信号を出力するスピーカとして指向性スピーカを用いた場合について説明しているが、本発明はこれに限定されず、スピーカがゲート1に設けられており、ゲート1を通過する者に対して有効に音源信号を出力することができれば、スピーカは指向性スピーカでなく、無指向性スピーカであっても良い。
【0033】
無指向性スピーカ4は、制御装置2の送信部25から送信された音源信号を出力する。無指向性スピーカ4は、ゲート1から離れた場所にいる人に対して音源信号を出力する。このため、無指向性スピーカ4は、ゲート1から離れた場所に設置される。したがって、無指向性スピーカ4とゲート1との間の距離は、指向性スピーカ3とゲート1との間の距離よりも長くなる。
【0034】
無指向性スピーカ4から音源信号を出力する場合、制御装置2において、音源メモリ22に格納されている音源信号を送信部25から無指向性スピーカ4に無線で送信する。無指向性スピーカ4では、制御装置2から送信された音源信号を受信部41で受信し、増幅部42に出力する。増幅部42では、音源信号をD/A変換してアナログ信号とし、そのアナログ信号を増幅し、増幅されたアナログ信号に基づいてコイルに電流を通流し、これによりコーンを振動させて音出力する。
【0035】
本実施の形態においては、制御装置2の送信部25から音源信号を送信するスピーカとして無指向性スピーカを用いる場合について説明しているが、ゲート通過者以外の人が制御装置2の送信部25から送信される音源信号を聞けることができれば、本発明はこれに限定されず、例えば、指向性を広く設定した指向性スピーカを用いても良い。なお、この場合、設定する指向性の広さは、当該スピーカを設置する空間に応じて適宜設定することができる。
【0036】
本実施の形態においては、制御装置2の送信部25から無指向性スピーカ4に音源信号を無線で送信する場合について説明しているが、本発明はこれに限定されず、制御装置2の送信部25から無指向性スピーカ4に音源信号を有線で送信しても良い。また、無線インターフェースとしては、無線通信、Bluetooth(登録商標)、無線LAN、赤外線通信等を用いることができる。
【0037】
上述した音出力システムにおいては、ゲート通過者が、IDカードをリーダに近接させ、識別情報が認証されたタイミングで、音源信号(例えば、効果音)をゲート1の近くに設置した指向性スピーカ3と、ゲート1から離れた場所に設置した無指向性スピーカ4とに送信し、その音源信号を指向性スピーカ3及び無指向性スピーカ4から出力させる。これにより、ゲート1を通過する者は、指向性スピーカ3から出力される音が相対的に大きく聞こえると共に、無指向性スピーカ4から出力される音が相対的に小さく聞こえる。この場合において、例えば、ある音源信号を無指向性スピーカ4に常時送信し、識別信号が認証されたタイミングで別の音源信号を無指向性スピーカ4及び指向性スピーカ3に送信することにより、識別信号が認証されたタイミングでは、無指向性スピーカ4で異なる音源信号が重畳され、より特徴的な音になり、ゲート通過者の認証結果の効果音を利用して演出効果を高めることができる。
【0038】
上記実施の形態においては、ゲート1がセキュリティゲートである場合について説明しているが、本発明はこれに限定されず、ゲートが駅の改札ゲートであり、識別情報を発信可能な通信媒体がSuica(登録商標)等である場合、ゲートを通過する際に使用する媒体が識別情報を発信可能な通信媒体でなく、チケットである場合にも同様に適用することが可能である。
【0039】
本発明は上記実施の形態に限定されず、様々変更して実施することが可能である。例えば、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、上記説明における処理部の数、処理手順については適宜変更して実施することが可能である。その他、本発明の範囲を逸脱しないで適宜変更して実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、ビル、イベント会場、テーマパーク等に配設されるセキュリティゲートや、駅の改札ゲート等に適用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 ゲート
1a リーダ部
2 制御装置
3 指向性スピーカ
4 無指向性スピーカ
21 送受信部
22 音源メモリ
23 タイミング制御部
24 照合部
25 送信部
26,42 増幅部
41 受信部